JP2006308210A - 壁貫通設置型燃焼機の排気口カバー - Google Patents

Abstract

【課題】 排気口からの排気の排気口カバー下方への回り込みを防止するとともに、入り込んだ雨水等の屋外への排出ができ、排気口からの排気を上方向に案内する壁貫通設置型燃焼機の排気口カバーを提供する。
【解決手段】 壁貫通設置型燃焼機の屋外に位置する排気口下方の本体ケースへの取付部１２ａ、取付部１２ａ上端から外方に向けて突出され水抜き口１２ｄを設けた突設部１２ｂとを備える取付板１２と、水抜き口１２ｄの下面側に水抜き間隙１５が形成されるように水抜き口１２ｄを下面側から覆う水受け板部１１ａと、水受け板部１１ａの外方側の端部から上向きに傾斜し排気口からの排気を上方に案内する傾斜板部１１ｂとを備える案内板１１とからなる排気口カバー１０の取付部１２ａを、案内板１１の傾斜板部１１ｂが排気口と間隔を有して対向するように、壁貫通設置型燃焼機の排気口の下方に取り付ける。
【選択図】 図５

Description

本発明は、給排気口を屋外に位置し配管類の接続部が屋内の壁面側に位置して外壁の貫通孔に設置される壁貫通設置型燃焼機の排気口カバーに関する。

図６の斜視図に示す壁貫通設置型燃焼機６はガスや石油を燃料として火炎を作り、その熱エネルギーを利用する装置で、図７に示すように壁貫通設置型燃焼機６は外壁の貫通孔５に設置して取付けられ、壁貫通設置型燃焼機６を施工した状態で図８に示すように設置される。
図７に示すように壁貫通設置型燃焼機６の燃焼に必要な給気２７は、壁貫通設置型燃焼機６の本体ケース９の屋外側下部に有する給気口８から給気し、燃焼した後に出る排ガスの排気１６は、壁貫通設置型燃焼機６の本体ケース９の屋外側上部に有する排気口７から排気され、この排気１６は、排気口７から水平に若しくは上方の屋外側に、ある指向性をもって噴出される。

上述のように壁貫通設置型燃焼機６の排気１６は指向性をもって水平に若しくは上方に噴出されるため、図８に示すように屋外１側にいる人や屋外にある可燃物等に高温の排気１６が当たることによるやけどや可燃物への引火などを防止する必要があり、屋外設置型の給湯機において、給湯機本体の排気口に、排気口の両側及び対向面を囲む周側板内に水平部と上り勾配を有する傾斜部とを有する案内板を設けた排気口カバーを取付けることにより、給湯機本体の排気口からの燃焼排気を上方に吐出させるようにしたものが知られている。（特許文献１参照）。
特開平１０−２１３３５２号公報

しかしながら、上記で述べた屋外設置型給湯機の排気口カバーは、排気口カバー内の下面が水平部と傾斜部とからなる案内板で閉塞されているため、排気口カバー内に入り込む雨水等の処理が難しいという問題がある。さりとて、案内板に水抜き孔を設けるだけでは、排気口から排気される排気の一部が、案内板に設けた水抜き孔を通って給湯機本体下部に位置する給気口部分に回り込んで給気されてしまい燃焼不良となる、という心配があった。

本発明は、排気口からの排気の排気口カバー下方への回り込みを防止するとともに、入り込んだ雨水等の屋外への排出ができる壁貫通設置型燃焼機の排気口カバーを提供するものである。

本発明は、次のものに関する。
（１）給排気口を屋外に位置し配管類の接続部が屋内の壁面側に位置して外壁の貫通孔に設置される壁貫通設置型燃焼機の上記屋外に位置する排気口からの排気を上方に案内する排気口カバーであって、上記排気口下方の本体ケースへの取付部とこの取付部の上端から外方に向けて突出され水抜き口を設けた突設部とを備える取付板と、上記水抜き口の下面側に水抜き間隙が形成されるように水抜き口を下面側から覆う水受け板部とこの水受け板部の外方側の端部から上向きに傾斜し前記排気口からの排気を上方に案内する傾斜板部とを備える案内板とからなり、上記案内板の傾斜板部が前記排気口と間隔を有して対向するように、前記取付板の取付部を排気口下方に取付けてなる壁貫通設置型燃焼機の排気口カバー。
（作用）

排気口カバー内に入り込む雨水等は、壁貫通設置型燃焼機の排気口下方の本体ケースに取付ける取付部の上端から外方に向けて突出する突設部に設けられた水抜き口から、水抜き口下面側に水抜き間隙が形成されるように水抜き口を下面側から覆った水受け板部に落下し、水受け板部上に落下した雨水等は、水受け板部上の水抜き間隙を通って両端の開口部分から滴り落ちて屋外に排出される。
一方、取付板の突設部に設けた水抜き口を下面側から覆う水受け板部は、排気口から排気される排気の水抜き口を通過しての下方側への回り込みを阻止する。なお、水抜き口を通過して水抜き口下面側と水受け板部との間の水抜き間隙に入る排気は、水受け板部上の左右両端の水抜き間隙の部分から外部に排出される。
水受け板部の外方側の端部から上向きに傾斜する傾斜板部は、排気口から排気される水平方向の排気を上方に案内して排出する。

本発明の壁貫通設置型燃焼機の排気口カバーによれば、本体ケースへの取付部の上端から外方に向けて突出する突設部に水抜き口を設けるとともに、この水抜き口の下面側に水抜き間隙が形成されるように水抜き口を下面側から覆う水受け板部を設けており、排気口カバー内に入り込む雨水は、突設部の水抜き口を通って水受け板部の上に落下し、落下した雨水は水受け板部上に形成された水抜き間隙の部分を通って両端の開口から滴り落ちて屋外に排出されるとともに、水抜き口を下面側から覆う水受け板部によって、排気口から排気される排気の一部が水抜き口から入ることによる排気口カバー下方側への回り込みが阻止される。

水受け板部と傾斜板部とを備える案内板の取付板への取り付けは、取付板の突設部の先端側に予め、案内板の傾斜板部と同じ程度の角度に上向きに傾斜する連結部を立上げて形成しておき、この連結部に案内板の傾斜板部をネジ止め等により取付けるようにするのが好ましい。

排気口からの排気を上方に案内する案内板の傾斜面部は、排気口から吐出される排気の排気圧力損出にならないように、壁貫通設置型燃焼機の排気口と間隔を設けて対向する面として設置する。排気口との水平方向の間隔としては、１０〜１００ｍｍ、好ましくは２０〜５０ｍｍ、より好ましくは２０〜３０ｍｍ程度である。なお、この間隔は上記の排気圧力損出を防ぐだけでなく、排気の風切り音や高温の排気の熱が排気口カバーに伝わるのを防ぐ上での効果もある。
上向きに傾斜する傾斜板部は、傾斜板部の上方が壁貫通設置型燃焼機の排気口と離れる方向に傾斜され、排気口からの排気の流れがなめらかに流れるように配備され、傾斜板部の傾斜角度は、鉛直面に対し、好ましくは５〜５０度、より好ましくは２０〜３０度とされる。
また、排気口と間隔を有して対向する傾斜板部の幅方向（長手方向）の寸法は、壁貫通設置型燃焼機の排気口の幅方向の寸法よりも２０ｍｍ程度大きい寸法に形成し、傾斜板部の上下方向の高さ寸法も排気口の上下方向の高さ寸法よりも３０ｍｍ程度大きい寸法に形成して、傾斜板部の面積が排気口の噴出面積より大きい面積とする。なお、長方形状の傾斜板部の隅部や端部の部分は人体等が触れた場合の安全上の配慮から、ハゼ折り、カール又はアール加工が施される。

以下、本発明による壁貫通設置型燃焼機の排気口カバーの実施例を図１乃至図５を参照して具体的に説明する。
図１は本発明による排気口カバーを取付けた壁貫通設置型燃焼機の斜視図、図２は本発明による排気口カバーを取付けた壁貫通設置型燃焼機の概略縦断面図、図３は本発明による排気口カバーを取付けた壁貫通設置型燃焼機の現地施工状態の一例を示す断面図、図４（ａ）は本発明による排気口カバーを取付けた壁貫通設置型燃焼機の現地施工状態の上面図、図４（ｂ）は本発明による排気口カバーを取付けた壁貫通設置型燃焼機の現地施工状態の縦断面図、図５（ａ）は本発明による壁貫通設置型燃焼機の排気口カバーの分解斜視図、（ｂ）は本発明による壁貫通設置型燃焼機の排気口カバーの組付け状態の斜視図である。
図１及び２において、壁貫通設置型燃焼機６は、本体ケース９内部のファン２８により本体ケース９の屋外側下部に有する給気口８から給気２７を行って燃焼に必要な空気を燃焼室２６内部に送り込み、燃焼室２６内で燃焼後、排気１６は熱交換器３０を通過し、排気室３１を経由して排気口７から屋外に排出される。この排気は、従来技術としての図７及び図８に示したように排気口カバーを設けない状態では、通常屋外１側に水平に排出されるが、本発明では図２及び図３に示すように排気口カバー１０を設けることにより、排気１６を、主として上方向に、及び排気口カバーの横方向に案内して排出するようにしている。

上記の壁貫通設置型燃焼機６は、図３に示すように屋内３から屋外１に貫通する外壁の貫通孔５に屋内３側から挿入して、壁貫通設置型燃焼機６の給気口８と排気口７（図１参照）が屋外１に位置するように施工される。なお、この施工状態において、図３に示すように壁貫通設置型燃焼機６の接続部（配管類の接続部）２は屋内３の壁面側に位置するように設置される。

上述した壁貫通設置型燃焼機６の屋外に位置する排気口７と間隔を有して対向するように設けることにより、排気口７からの排気１６を上方に案内する排気口カバー１０は図４（ａ）及び（ｂ）に示すように、壁貫通設置型燃焼機６における排気口７下部の本体ケース９に取り付けるステンレス鋼板からなる取付板１２と、この取付板１２に取付けられ排気口７から噴出する排気を上方に案内するステンレス鋼板からなる案内板１１とから構成される。

図４に示す取付板１２と案内板１１の詳細は図５（ａ）及び（ｂ）に示すように、まず、取付板１２は、取付部１２ａと、取付部１２の上端から略水平方向に突設して形成した突設部１２ｂと、突設部１２ｂの前端から上向きに傾斜して形成した連結部１２ｃを有する形状に形成されており、突設部１２ｂから連結部１２ｃの下部にかけて平面視が略長方形状の水抜き口１２ｄが穿設される。
一方、案内板１１は、水受け板部１１ａと傾斜板部１１ｂとを有する形状に形成されており、傾斜板部１１ｂの左右両端部分及びコーナー部は安全性を配慮してハゼ折り加工を施している。
上記の案内板１１は図５（ｂ）に示すように、水受け板部１１ａが取付板１２の突設部１２ｂの下面側に位置し且つ突設部１２ｂ下面に略三角形状の水抜き間隙１５が形成されるように水抜き口１２ｄを下面側から覆って、案内板１１の傾斜板部１１ｂを取付板１２の連結部１２ｃにネジ止めして、取付板１２に案内板１１を組み付ける。なお、実施例ではコスト面及び現地施工性から、案内板１２をネジを用いて取付板１１に取り付けるようにしたが、スポット溶接等による溶接、リベット又はカシメ等により取り付けるようにしてもよい。

上記した水抜き隙間１５は、突設部１２ｂの水抜き口１２ｄから入った雨水が水受け板部１１ａの上に落下し、落下した水受け板部１１ａ上の雨水が、水受け板部１１ａ両端の開口部分から滴り落ちて屋外に排出できる程度の寸法に形成される。

上記のように案内板１１を取付板１２に取り付けた排気口カバー１０は、図４（ｂ）に示すように、排気口カバー１０の取付板１２の取付部１２部分を、壁貫通設置型燃焼機６の本体ケース９における排気口７下方にネジ等を用いて取り付けて、排気口カバー１０の傾斜板部１１ｂが排気口７と間隔を有して対向するようにする。

なお、実施例では、外観上と安全性を配慮して、排気口カバー１０を壁貫通設置型燃焼機６の排気口７に取り付けた状態で、傾斜板部１１ｂ上端の高さが、壁貫通設置型燃焼機６の本体ケース９の上面と略同じ高さとなるようにし、また、傾斜板部１１ｂの幅方向の寸法は本体ケース９の幅方向の寸法と同一の寸法となるように形成したが、案内板１１の幅方向の寸法は、排気口７の幅方向の寸法よりも少し大きい程度の寸法としてもよい。
さらに、取付板１２の幅方向の寸法は、案内板１１と略同一の寸法となるように形成した。

本発明による排気口カバーを取付けた壁貫通設置型燃焼機の斜視図である。 本発明による排気口カバーを取付けた壁貫通設置型燃焼機の概略縦断面図である。 本発明による排気口カバーを取付けた壁貫通設置型燃焼機の現地施工状態の一例を示す断面図である。 （ａ）は本発明による排気口カバーを取付けた壁貫通設置型燃焼機の現地施工状態の上面図、（ｂ）は本発明による排気口カバーを取付けた壁貫通設置型燃焼機の現地施工状態の縦断面図である。 （ａ）は本発明による壁貫通設置型燃焼機の排気口カバーの分解斜視図、（ｂ）は本発明による壁貫通設置型燃焼機の排気口カバーの組付け状態の斜視図である。 従来における壁貫通設置型燃焼機の排気口側からの斜視図である。 従来における壁貫通設置型燃焼機を外壁の貫通孔に施工した状態の断面図である。 従来における壁貫通設置型燃焼機の現地施工状態の一例を示す断面図である。

符号の説明

１ 屋外 ２ 接続部（配管類の接続部）
３ 屋内 ５ 貫通孔
６ 壁貫通設置型燃焼機 ７ 排気口
８ 給気口 ９ 本体ケース
１０ 排気口カバー １１ 案内板
１１ａ 水受け板部 １１ｂ 傾斜板部
１２ 取付板 １２ａ 取付部
１２ｂ 突設部 １２ｃ 連結部
１２ｄ 水抜き口 １３ 背面
１４ ネジ １５ 水抜き間隙
１６ 排気 ２６ 燃焼室
２７ 給気 ２８ ファン
３０ 熱交換器 ３１ 排気室

Claims (1)

1. 給排気口を屋外に位置し配管類の接続部が屋内の壁面側に位置して外壁の貫通孔に設置される壁貫通設置型燃焼機の上記屋外に位置する排気口からの排気を上方に案内する排気口カバーであって、上記排気口下方の本体ケースへの取付部とこの取付部の上端から外方に向けて突出され水抜き口を設けた突設部とを備える取付板と、上記水抜き口の下面側に水抜き間隙が形成されるように水抜き口を下面側から覆う水受け板部とこの水受け板部の外方側の端部から上向きに傾斜し前記排気口からの排気を上方に案内する傾斜板部とを備える案内板とからなり、上記案内板の傾斜板部が前記排気口と間隔を有して対向するように、前記取付板の取付部を排気口下方に取付けてなる壁貫通設置型燃焼機の排気口カバー。
   

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