JP2006307235A - 塩水和物用吸着型過冷却防止剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩水和物用過冷却防止剤の探索において、多数の実験をすることなく、結晶学的方法によって新規の過冷却防止剤を見出し、該過冷却防止剤を含有する新たな蓄熱材組成物および該組成物を用いた蓄熱材を提供する。
【解決手段】吸着型過冷却防止剤探索の新たな作業仮説に基づき、見出した新規の過冷却防止剤を含む蓄熱材組成物。すなわち、塩水和物としてチオ硫酸ナトリウム5水塩を、過冷却防止剤として硫酸ナトリウムを含有することを特徴とする蓄熱材組成物。および該組成物を用いた蓄熱材。
【選択図】なし

Description

本発明は塩水和物用過冷却防止剤に関する。さらに詳しくは、本発明は潜熱蓄熱材に好適に用いられる塩水和物の過冷却を防止する過冷却防止剤(発核剤とも言う)に関する。
固液相変化の性質を有する塩水和物を蓄熱材料として利用しようとする提案が数多くなされており、既に、床暖房等の分野において実用化されている。代表的な塩水和物としては、硫酸ナトリウム10水塩、塩化カルシウム6水塩、リン酸水素二ナトリウム12水塩、チオ硫酸ナトリウム5水塩、酢酸ナトリウム3水塩等がある。これらの塩水和物はいずれも、それ単独では過冷却現象を呈し、それが蓄熱材としての利用の大きな障壁となっていた。この障壁を克服するために過冷却防止剤又は過冷却防止方法についての提案が多数なされてきた。
硫酸ナトリウム10水塩に対する過冷却防止剤として四ホウ酸ナトリウム10水塩が有効であることが1952年に判明した[「インダストリアル アンド エンジニアリング ケミストリー」第44巻1308頁(1952年)]。この組合わせは同一晶系に属し、結晶の格子定数も近いことから、ヘテロエピタキシャル成長に基づく核形成であることが分かっている。
その後、ヘテロエピタキシャル成長に基づかない過冷却防止剤が見い出された。この過冷却防止剤は、塩水和物融液中で一度固化させることによって過冷却防止剤として有効となるもので、以下では吸着型過冷却防止剤(発核剤)と称する。この例としては、酢酸ナトリウム3水塩(塩水和物)に対して、吸着型過冷却防止剤としてリン酸水素二ナトリウム(特許文献1)ピロリン酸ナトリウム10水塩(特許文献2)およびリン酸三ナトリウム・1/2水塩(特許文献3、特許文献4)が開示されている。更に、本発明者らはリン酸水素二ナトリウム7水塩(塩水和物)に対して、リン酸水素二ナトリウム2水塩が吸着型過冷却防止剤として有効であることを開示した(特許文献5)。これらによって、特定の塩水和物用の吸着型過冷却防止剤が個々に特定されるものでなく、一般に数多く存在しうるものであることが分かる。
しかるに、上記の吸着型過冷却防止剤を塩水和物について、結晶学的相関について何らの知見も報告されてなく、従って、吸着型発核剤を探索するに当たっては、多数の化合物について実験により適否を確かめるしかなかった。この事情については、木村「日本結晶成長学会誌」、第7巻、215〜223頁(1980年)、渡辺「分離技術」、第26巻、79〜83頁(1996年)にも記載されている。
特開昭57−147580号公報 特開昭57−153079号公報 特開昭59−138290号公報 特開昭64−75583号公報 特開平10−298543号
本発明の目的は、塩水和物用過冷却防止剤の探索において、多数の実験をすることなく、結晶学的方法によって過冷却防止剤を選択する方法および新規の過冷却防止剤を提供することにある。
本発明者らは、かかる状況下に鋭意検討を重ねた結果、塩水和物と吸着型過冷却防止剤との組み合わせの考察を行った結果、吸着型過冷却防止剤探索の新たな作業仮説を見い出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(2)に関する。
(1)塩水和物としてチオ硫酸ナトリウム5水塩を、過冷却防止剤として硫酸ナトリウムを含有することを特徴とする蓄熱材組成物。
(2)上記(1)記載の組成物を用いた蓄熱材。
本発明によれば、潜熱蓄熱材に好適に用いられる塩水和物を発核させて過冷却を防止する効果を有する過冷却防止剤(発核剤)を簡便に探索できる。本発明方法により見出された硫酸ナトリウムは、チオ硫酸ナトリウム5水塩または酢酸ナトリウム3水塩物を塩水和物として用いた場合に、新規な吸着型過冷却防止剤として有効である。
以下に本発明について詳しく説明する。本発明の塩水和物は、固液相変化の性質を有する塩水和物であって、例えば蓄熱材として利用されるものである。代表的な塩水和物としては、硫酸ナトリウム10水塩、塩化カルシウム6水塩、リン酸水素二ナトリウム12水塩、リン酸水素二ナトリウム7水塩、硝酸カルシウム4水塩、酢酸ナトリウム3水塩、チオ硫酸ナトリウム5水塩、塩化ストロンチウム6水塩などがある。
塩水和物結晶は、単位格子内で陽イオン、陰イオンおよび水が特定の配列をとっている。陽イオンと陰イオンとが電気的中性を保つ比率で同一面上に配列し、それが層状に重なっている。
一例として酢酸ナトリウム3水塩の場合、単位格子内で(100)、(010)、(001)、(201)面と平行に陰陽両イオンが2個ずつ存在して電気的中性を保っている。この場合、完全に同一平面上でなくても、近傍で平行して存在すれば同一平面を形成しているものとみなす。(100)面内の2個のNaイオンに着目し、b軸方向に3単位格子、c軸方向に3単位格子の2次元のNaイオン配列を第1図に示す。
本発明における相隣る2個の陽イオンの組とは、同一の平面上の隣接する陽イオン2個を任意に選択するものであって、同一単位格子内の2個であってもよいし、1個が隣接する単位格子のものでもよい。第1図の例では同一単位格子内の2個であって、イオン間隔は5.410Åである。相隣る2個の陽イオンの組の周期的な配列とは、同一面の単位格子を複数個連結して置いたとき形成される陽イオンの周期的な配列をいう。
本発明において一組の陽イオン間隔の一致は、相隣る2個の陽イオンの組のイオン間距離が1A以内、好ましくはイオン半径の0.70倍(等大球の重なりにおいて重なり部分の体積分率が50%となる球間距離)以内で一致することをいう。
本発明において、一組の配列パターンのマッチングは2次元方向において150Å以内、好ましくは100Å以内の間隔で周期的にマッチングするものとする。150Åを超えた周期でマッチングしても発核剤として有効でないので除かれる。
吸着型過冷却防止剤候補の結晶としては、塩または塩水和物の中から選択される。好ましくは陽イオンの価数が塩水和物の陽イオンの価数と同一である。更に好ましくは陽イオン種が塩水和物の陽イオン種と同一である。
下記の実施例からも明らかなように、塩水和物としてチオ硫酸ナトリウム5水塩を用いた場合、吸着型過冷却防止剤として硫酸ナトリウムが有効であり、また、塩水和物として酢酸ナトリウム3水塩を用いた場合、吸着型過冷却防止剤として硫酸ナトリウムが有効であることから、特開昭57−147580号公報、特開昭59−138290号公報等に記載の通常の蓄熱材組成物の調製方法にて、蓄熱材組成物を取得できる。また、この組成物を用いて、特開平10−299236等に記載の通常の方法にて、各種の蓄熱材を作成できる。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1(塩水和物としてチオ硫酸ナトリウム5水塩を用いる場合、吸着型過冷却防止剤として硫酸ナトリウムが有効であることの例)。
(発核実験)
100mlビーカーにチオ硫酸ナトリウム5水塩(試薬特級)34.74g、水1.26gを入れ、52℃水浴中で加熱して溶解した。これに硫酸ナトリウム(無水)(試薬特級)4.00gを入れて十分攪拌したあと、ラミネート袋に充填した。これを室温に30分静置後に、チオ硫酸ナトリウム5水塩の種晶を数粒添加し、シール後に、室温に一夜静置すると固化していた。ラミネート袋の外側に熱電対を貼付し、その上を厚さ10mmの発泡スチロールボードで断熱した。これを低温恒温器に入れ、52℃、5時間加熱と20℃、3時間冷却とを1サイクルとするヒートサイクル試験に供した。熱電対は温度記録計に接続して、試料の温度変化を記録した。試料は1サイクル目の加熱時に48℃の融解プラトーを示したあと52℃に達し、冷却時に44℃で凝固による発熱を示したあと20℃まで冷却された。すなわち吸着型過冷却防止剤として有効に作用した。このあとヒートサイクルを1日3回ずつ継続し、300サイクル経過後も1サイクル目と同じ融解・凝固の曲線を与えた。
(結晶構造のマッチング)
チオ硫酸ナトリウム5水塩は単斜晶系に属し、1単位格子に8個のNaイオンが存在する。Naイオンは(100)面に平行な2層構造をとり、1層の中に4個のNaイオンが存在する。4個のうち最も近接する2個の間隔は5.447Åであり、これを一組とする。硫酸ナトリウムは斜方晶系に属し、1単位格子に16個のNaイオン存在する。Naイオンは(001)面に平行な4層構造、(100)面に平行な4層構造、(010)面に平行な8層構造をとる。(010)面では1層に2個のNaイオンが存在し、間隔は6.816Åである。一方、単位格子のa軸は5.861Åであるから、こちらの方がより短距離であり、これを一組とする。チオ硫酸ナトリウム5水塩の一組の配列パターンを第2図黒丸で、硫酸ナトリウムの一組の配列パターンを第2図白丸で示した。両結晶の配列パターンを重ね合わせたとき、第2図の丸印の箇所でマッチングがある。2次元方向のマッチングの周期は下記の通りである。
マッチング1 マッチング2
チオ硫酸ナトリウム5水塩(100)<015>43.369Å <014>37.031Å
硫酸ナトリウム(010) <701>42.893Å <103>37.383Å
実施例2(塩水和物として酢酸ナトリウム3水塩を用いる場合、吸着型過冷却防止剤として硫酸ナトリウムが有効であることの例)
(発核実験)
62℃の水浴中の100mlビーカーで水13.44gを加熱し、これに酢酸ナトリウム(無水)(試薬特級)18.56gを入れて溶解した。これに硫酸ナトリウム(無水)(試薬特級)8.00gを入れて十分攪拌したあと、ラミネート袋に充填した。これを室温に30分静置後に、酢酸ナトリウム3水塩の種晶を数粒添加し、シール後に室温に一夜静置すると固化していた。ラミネート袋の外側に熱電対を貼付し、その上を厚さ10mmの発泡スチロールボードで断熱した。これを低温恒温器に入れ、62℃、5時間加熱と20℃、3時間冷却とを1サイクルとするヒートサイクル試験に供した。熱電対は温度記録計に接続して試料の温度変化を記録した。試料は1サイクル目の加熱時に58℃の融解プラトーを示したあと62℃に達し、冷却時に55℃で凝固による発熱を示したあと20℃まで冷却された。すなわち吸着型過冷却防止剤として有効に作用した。このあとヒートサイクルを1日3回ずつ継続し、300サイクル経過後も1サイクル目と同じ融解・凝固の曲線を与えた。
(結晶構造のマッチング)
酢酸ナトリウム3水塩は単斜晶系に属し、1単位格子に8個のNaイオンが存在する。(100)面に平行な2層構造、(010)面に平行な2層構造をとる。(100)面では1層に2個のNaイオンが存在し、間隔は5.410Åでありこれを一組とする。硫酸ナトリウムの(010)面は実施例1において記述した通り、間隔5.861ÅのNaイオンが存在し、これを一組とする。酢酸ナトリウム3水塩の一組の配列パターンを第3図黒丸で、硫酸ナトリウムの一組の配列パターンを第3図白丸で示した。両結晶の配列パターンを重ね合わせたとき、第3図の丸印の箇所にマッチングがある。(少しずつずれた3個のマッチング)2次元方向の周期は下記の通りである。
マッチング1 マッチング2
酢酸ナトリウム3水塩(100) 〈010>52.330Å <016>63.278Å
硫酸ナトリウム(010) 〈304>52.274Å <401>63.615Å
実施例3(塩水和物として酢酸ナトリウム3水塩を用いる場合、吸着型過冷却防止剤としてリン酸水素二ナトリウムが有効であることの例)
(発核実験)
62℃の水浴中の100mlビーカーに水14.70gを加熱し、これを酢酸ナトリウム(無水)(試薬特級)20.30gを入れて溶解した。これにリン酸水素二ナトリウム(無水)(試薬特級)5.00gを入れて十分攪拌したあとラミネート袋に充填した。これを室温に30分静置後に酢酸ナトリウム3水塩の種晶を数粒添加し、シール後に室温に一夜静置すると固化していた。以下、実施例2と同様にヒートサイクル試験に供した結果、300サイクル経過後も融解時に58℃、凝固時に55℃のプラトーを示し、過冷却防止剤として有効に作用した。
(結晶構造マッチング)
酢酸ナトリウム3水塩の(100)面では、実施例2に記述した通りイオン間隔5.410Åの一組を選ぶ。リン酸水素二ナトリウムは単斜晶系に属し、1単位格子に14個のNaイオンが存在する(陵、隈を含む)。(010)面では1層に4個のNaイオンが存在し、間隔は5.451Åと5.473Åの2種であるが、前者を一組として選ぶ。酢酸ナトリウム3水塩の一組の配列パターンを第4図黒丸でリン酸水素二ナトリウムの一組の配列パターンを第4図白丸で示した。両結晶の配列パターンを重ね合わせたとき、第4図の丸印の箇所にマッチングがある。2次元方向のマッチング周期は下記の通りである。
マッチング1 マッチング2
酢酸ナトリウム3水塩(100) <001>20.802Å <031>33.076Å
リン酸水素二ナトリウム(010) <403>20.672Å <001>32.831Å
比較例1(イオン間隔が一致していない例)
塩水和物としてリン酸水素二ナトリウム12水塩を用いた場合、吸着型過冷却防止剤としてリン酸水素二ナトリウム7水塩が有効でない例。
(発核実験)
40℃水浴中の100mlビーカーにリン酸水素二ナトリウム12水塩(試薬特級)30.00gを入れて3時間加熱すると、リン酸水素二ナトリウム12水塩が非調和融解し、リン酸水素二ナトリウム7水塩と飽和溶液とに変化した。(リン酸水素二ナトリウム12水塩が36℃で非調和融解することは周知の事実である。)これを25℃水浴中に2時間保持しても結晶析出は見られなかった。これにリン酸水素二ナトリウム12水塩の種晶を数粒添加すると直ちに該結晶が析出し、液全体が固化状態になった。これを室温で一夜静置したのち、40℃水浴中で3時間加熱するとリン酸水素二ナトリウム12水塩が非調和融解し、リン酸水素二ナトリウム7水塩が不溶分として残った。これを25℃水浴中に2時間保持しても結晶析出が見られなかった。
(結晶構造のマッチング)
リン酸水素二ナトリウム12水塩は単斜晶系に属し、1単位格子に8個のNaイオンが存在する。Naイオンは(001)面に平行な2層構造をとり1層の中に4個のNaイオンが存在する。隣接する2個のNaイオンの間隔5.281Åであり、これを一組とする。リン酸水素二ナトリウム7水塩は単斜晶系に属し、1単位格子に8個のNaイオンが存在する。Naイオンは(01)面に平行な2層構造をとり、1層の中に4個のNaイオンが存在する。隣接する2個のNaイオンの間隔3.197Åであり、これを一組とする。
リン酸水素二ナトリウム12水塩の一組の配列パターンを第5図黒丸で、リン酸水素二ナトリウム7水塩の一組の配列パターンを第5図白丸で示した。両結晶は一組のイオン間隔が異なるため両結晶の一組のうちの一個のイオンが重なるようにして両結晶を重ね合わせたとき、一組のうちの一個のイオンの重なりは20〜50A間隔で一致するが周期性はなく、また他の一個は重ならない。(第5図丸印)
比較例2(マッチング間隔が過大である例)
塩水和物として硫酸ナトリウム10水塩を用いた場合、吸着型過冷却防止剤発核剤として硫酸ナトリウムが有効でない例。
(発核実験)100mlビーカーに硫酸ナトリウム10水塩(試薬特級)32.70gと水7.00gを入れて、38℃水浴中で3時間加熱した結果、硫酸ナトリウム10水塩が非調和融解し、硫酸ナトリウム(無水)と飽和溶液とに変化した。(硫酸ナトリウム10水塩が32℃で非調和融解することは周知の事実である。)これを20℃水浴中で1時間静置しても硫酸ナトリウム10水塩の結晶析出は見られない。これに硫酸ナトリウム10水塩の種晶を数粒添加すると直ちに硫酸ナトリウム10水塩の結晶が析出し、液全体が固化状態となった。これを室温で一夜静置した後、38℃水浴中で3時間加熱すると、硫酸ナトリウム10水塩が非調和融解し、硫酸ナトリウム(無水)と飽和溶液とに変化した。これを20℃水浴中で4時間更に室温で一夜静置したが硫酸ナトリウム10水塩の結晶析出は見られなかった。
(結晶構造のマッチング)
硫酸ナトリウム10水塩は単斜晶系に属し、1単位格子に8個のNaイオンが存在する。Naイオンは(100)面に平行な2層構造をとり、1層の中に4個のNaイオンが存在する。隣接する2個のNaイオンの間隔は3.508Åでありこれを一組とする。硫酸ナトリウムは実施例1において記述した通り、(001)面に平行な4層構造をとり、1層に4個のNaイオンが存在する。4個のうち間隔3.208Åの隣接する2個のNaイオンが存在するしこれを一組とする。硫酸ナトリウム10水塩の一組の配列パターンを第6図黒丸で、硫酸ナトリウムの一組の配列パターンを第6図白丸で示した。両結晶の配列パターンを重ね合わせたとき、第6図の丸印の箇所にマッチングがある。2次元方向のマッチングの周期は下記の通りであり、周期が約186Åで大きすぎる。
マッチング1 マッチング2
硫酸ナトリウム10水塩(100) <001>64.235Å <010>186.660Å
硫酸ナトリウム(001) <100>64.471Å <010>186.485Å
酢酸ナトリウム3水塩の場合の3単位格子の2次元のNaイオン配列。 チオ硫酸ナトリウム5水塩の一組の配列パターン(黒丸)と、硫酸ナトリウムの一組の配列パターン(白丸)。 酢酸ナトリウム3水塩の一組の配列パターン(黒丸)と、硫酸ナトリウムの一組の配列パターン(白丸)。 酢酸ナトリウム3水塩の一組の配列パターン(黒丸)と、リン酸水素二ナトリウムの一組の配列パターン(白丸)。 リン酸水素二ナトリウム12水塩の一組の配列パターン(黒丸)と、リン酸水素二ナトリウム7水塩の一組の配列パターン(白丸)。 硫酸ナトリウム10水塩の一組の配列パターン(黒丸)と、硫酸ナトリウムの一組の配列パターン(白丸)。
符号の説明
図1 b及びc;(100)面内のb軸及びc軸.

Claims (2)

  1. 塩水和物としてチオ硫酸ナトリウム5水塩を、過冷却防止剤として硫酸ナトリウムを含有することを特徴とする蓄熱材組成物。
  2. 請求項1記載の組成物を用いた蓄熱材。
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