JP2006306131A - 車両用物入れ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成で物品を安定して収容する、必要に応じて物品の出し入れを容易に行い得るようにする。
【解決手段】 車体の前後方向にスライド可能な乗員用シート(運転席2)が配設された車室1と、その後方に配設されたトランクルーム8とを有する車両において、上記乗員用シートとトランクルーム8との間に、車室1内に開口した物品の出入口を有する物品収容体16が設けられるとともに、この物品収容体16は、上記乗員用シートの前後移動に連動して車体の前後方向にスライド変位が可能な状態で車体に支持された。
【選択図】 図1
【解決手段】 車体の前後方向にスライド可能な乗員用シート(運転席2)が配設された車室1と、その後方に配設されたトランクルーム8とを有する車両において、上記乗員用シートとトランクルーム8との間に、車室1内に開口した物品の出入口を有する物品収容体16が設けられるとともに、この物品収容体16は、上記乗員用シートの前後移動に連動して車体の前後方向にスライド変位が可能な状態で車体に支持された。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車室内に配設された乗員用シートと、その後方に配設されたトランクルームとの間に、荷物の物品収容体が設けられた車両用物入れ構造に関するものである。
従来、下記特許文献1に示されるように、車両の中央部にアームレストが設置されるとともに、車両用シートのシートクッション上に載置した荷物を荷物固定用ニットにより拘束保持するように構成された荷物固定構造において、上記アームレストの中空ボックス状のアームレストフレーム内に収容された荷物固定用ネットを、アームレストに形成された引出口から引出し、その引出端に設けられた複数のリテーナを、シートの側縁部に設けられた係止部材に係着してシートクッション上に載置された荷物を拘束することにより、急停車または急ハンドル等に起因した荷崩れを防止することが行われている。
また、下記特許文献2に示されるように、車室内において物品の格納、取り出しが可能な荷物格納スペースを増加することを目的として、後席の背もたれ部にアームレストを展開、収容が可能に支持させるとともに、その後方に設けられたラゲージスペース内に、荷物格納ボックスを、上記背もたれの開口部と背もたれの後方側部位とに旋回および着脱可能に設置した自動車用荷物格納装置が知られている。
特開平11−301356号公報
特開2000−71888号公報
上記特許文献1に開示されているように、アームレストフレーム内に収容された荷物固定用ネットをアームレストに形成された引出口から引出し、この荷物固定用ネットによりシートクッション上に載置された荷物を拘束するように構成した場合には、後列シートの不使用時にその座面を荷物の載置部として有効に利用できるとともに、上記荷物固定用ネットを利用して座面上に載置された荷物を安定して保持できるという利点がある。しかし、上記アームレスト内に収容された荷物固定用ネットを引き出したり、この荷物固定用ネットをアームレスト内に収容したりする作業が煩雑である等の問題がある。
また、特許文献2に開示されているように、後列シートの後方に設けられたトランクルーム(ラゲージスペース)内に荷物格納ボックスを配設した場合には、車室内において物品の格納、取り出しが可能な荷物格納スペースを増加させることができる。しかし、車体の側面に設けられた乗降用開口部を介して車外側から上記荷物収容ボックスに対する荷物の格納および取り出しを行うことは困難であり、使い勝手が悪いという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で物品を安定して収容することができるとともに、必要に応じて物品の出し入れを容易に行うことが可能な車両用物入れ構造を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明は、車体の前後方向にスライド可能な乗員用シートが配設された車室と、その後方に配設されたトランクルームとを有する車両において、上記乗員用シートとトランクルームとの間に、車室内に開口した物品の出入口を有する物品収容体が設けられるとともに、この物品収容体が、上記乗員用シートの前後移動に連動して車体の前後方向にスライド変位が可能な状態で車体に支持されたものである。
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の車両用物入れ構造において、車室の側面部に乗降用開口部が形成されるとともに、物品収容体の移動範囲が、上記乗降用開口部よりも後方の格納位置と、乗降用開口部から荷物の出し入れを行うことができる前方の出入位置との間に設定されたものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の車両用物入れ構造において、物品収容体が、物品の出入口を有するトレイ状体により構成されるとともに、乗員用シートの後退に応じて格納位置に配設された被覆カバー内に格納されるように構成されたものである。
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用物入れ構造において、物品収容体に、トランクルーム内から物品の出し入れを行うことができる第2の出入口を設けたものである。
請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用物入れ構造において、フロアパネルの後方部に、キックアップ量の大きい第1キックアップ部と、キックアップ量の小さい第2キックアップ部とが車幅方向に併設されるとともに、上記第1キックアップ部の上方に物品収容体が配設されたものである。
請求項6に係る発明は、上記請求項5に記載の車両用物入れ構造において、キックアップ量が小さい第2キックアップ部の上方に後列シートが配設されたものである。
請求項7に係る発明は、上記請求項5または6記載の車両用物入れ構造において、キックアップ量が大きい第1キックアップ部の下方に車両用機器が配設されたものである。
請求項1に係る発明によれば、通常時には物品が収容された物品収容体を後方側に移動させて物品の収容状態を安定させることができるとともに、乗員用シートの前方移動に連動させて物品収容体を車体の前方側に移動させることにより、この物品収容体に対する物品の出し入れを容易に行うことができるという利点がある。
請求項2に係る発明によれば、物品の出し入れを行う場合には、上記物品収容体を前方の出入位置に移動させた状態で、上記乗降用開口部を介して車外側から物品収容体に対する物品の出し入れを容易に行うことができるとともに、物品の出入が終了した後に、上記物品収容体を後方の格納位置に移動させることにより、上記乗降用開口部から物品収容体に対するアクセスを抑制して、物品収容体内の物品が車外側から抜き取られるという事態の発生を効果的に防止できるという利点がある。
請求項3に係る発明によれば、通常時には上記物品収容体の上面に形成された物品の出入口を車室内に開口させることができるため、上記物品収容体に対する物品の出し入れを容易に行うことができる。そして、上記乗員用シートを車体の後方側に移動させることにより、上記物品収容体が後退して被覆カバー内に格納されるため、この物品収容体に収容された物品を上記被覆カバーで被覆した状態で安定して保持することができる。
請求項4に係る発明によれば、物品収容体を後方の格納位置に移動させた状態で、車室内とトランクルーム内との両方から物品収容体に対する物品の出し入れを行うことができるという利点がある。
請求項5に係る発明によれば、フロアパネルの後方部に、キックアップ量の大きい第1キックアップ部と、キックアップ量の小さい第2キックアップ部とを車幅方向に併設するとともに、キックアブ量が大きく車体の上方側に大きく段上げされた上記第1キックアップ部の上方に物品収容体を配設したため、この物品収容体を車室1内の上方側に位置させることにより、この物品収容体に対する物品の出し入れを容易に行うことができるという利点がある。
請求項6に係る発明によれば、キックアップ量が小さい第2キックアップ部の上方に後列シートを配設したため、車高を高くすることなく、大人の乗員が着座できる上記後列シートを車室内の後部に設置することができるとともに、この後列シートに着座した乗員が、上記第1キックアップ部上に配設された物品収容体に対する物品の出し入れを容易に行うことができるという利点がある。
請求項7に係る発明によれば、キックアップ量が大きい第1キックアップ部の下方に燃料タンク等からなる車両用機器を配設するように構成した場合には、車高が必要以上に高くなるのを防止しつつ、上記第1キックアップ部の下方に形成された大きな床下空間部を有効に利用して燃料タンク等からなる車両用機器を適正にレイアウトすることができるため、車体を効果的にコンパクト化できるという利点がある。
図1および図2は、本発明の実施形態に係る車両用物入れ構造を備えた車両の概略構成を示している。この車両の車室1内には、その前方側に運転席2および助手席3からなる左右一対の前列シートがフロアパネル4上に設置されるとともに、上方に段上げされたキックアップ部5がフロアパネル4の後方側に設けられている。上記キックアップ部5には、上方へのキックアップ量が大きい第1キックアップ部6と、キックアップ量が小さい第2キックアップ部7とが車幅方向に併設されるとともに、上記キックアップ部5の後端部には、トランクルーム8の底面部を構成するリヤフロア9が連設されている。
図例では、車体の左側に位置する運転席2の後方側に上記第1キックアップ部6が配設されるとともに、車体の右側に位置する助手席3の後方側に、上記第2キックアップ部7が配設されている。また、上記車両は、運転席2および助手席3の側方にそれぞれフロントサイドドアが設置される乗降用開口部10が形成されたいわゆる2ドアのクーペタイプであり、上記フロアパネル4の車幅方向中央部には、プロペラシャフトが配設されるトンネルメンバ11が車体の前後方向に延びるように設けられている。そして、図3に示すように、上記第1キックアップ部6には、トンネルメンバ11の上面と略同一の高さに設定された上面部が設けられるとともに、上記第2キックアップ部7には、トンネルメンバ11の上面よりも低い位置に設定された上面部が設けられている。
上記運転席2は、図4に示すように、フロアパネル4上に設置されたスライドレール12に沿って車体の前後方向にスライド可能に支持されたシートクッション13と、その後端部に立設されたシートバック14と、このシートバック14を所定の後傾角度で起立した使用状態から、車体の前方側に傾動した非使用状態に変位可能に支持するリクライニング機構15とを備えている。また、上記運転席2の後方側、つまり上記第1キックアップ部6の上方側には、物品収容体16が配設されるとともに、第1キックアップ部6の下方側には、燃料タンク17が配設されている。
上記燃料タンク17は、図3および図4に示すように、第1キックアップ部6の下方に配設されたタンク本体18と、上記トンネルメンバ11の下方に導入された増量用突部19とを有し、この増量用突部19の下方には、車体の前後方向に延びるプロペラシャフト20、プリサイレンサ21およびクランク型の断面形状を有する補強フレーム22が配設されている。また、上記キックアップ部5の下端部背面には、車幅方向に延びるNo.3クロスメンバ23が設置されるとともに、上記リヤフロア9の前部下面には、車幅方向に延びるNo.4クロスメンバ24が設置されている。そして、上記燃料タンク17は、前端部がNo.3クロスメンバ23の背面部にボルト止めされるとともに、後端部がNo.4クロスメンバ24の底部にボルト止めされたタンクバンド25を介して車体に固定されている。
上記物品収容体16は、図5および図6に示すように、上面および運転席2側の側面(車体の左側壁面)が開口したトレイ状体からなり、その前端部左右に設けられた一対の取付ブラケット26を介して上記運転席2のシートバック14に連結されるようになっている。そして、上記スライドレール12に沿って運転席2が前後移動するとともに、そのシートバック14が傾動変位するのに連動して、上記物品収容体16が車体の前後方向にスライド変位することにより、図4に示すように、車室1の側面部に形成された上記乗降用開口部10の設置部よりも後方の格納位置Aと、図6に示すように、上記乗降用開口部10から荷物の出し入れを行うことができる前方の出入位置Bとの間を移動可能に支持されている。
上記物品収容体16は、物品の載置面となる底板27と、その前面部に設けられた前面板28と、助手席3側の側面部に設けられた側面板29と、後面部に設けられた背面板30と、上記前面板28の運転席2側の端部に設けられた所定幅の係止板31とを有し、上記前面板28は、シートバック14に対応して上端部が所定角度で後傾した状態に立設されている。上記係止板31および上記側面板29の外面部には、取付ブラケット26の基端部を枢支する支持ピン32が突設され、この支持ピン32を支点にして取付ブラケット26が揺動可能に支持されている。また、この取付ブラケット26の先端部間には係止バー33が設置され、この係止バー33がシートバック14の背面に設けられた左右一対の係止部材34に対して着脱可能に係止されるように構成されている。
上記係止部材34は、図7および図8に示すように、係止バー33が係合されるフック部35を有する係止部本体36と、この係止部本体36に出没可能に支持されて上記フック部35を開閉する係止片37と、この係止片37を後退させてフック部35を開放状態とする押しボタン38とを有している。そして、この押しボタン38を押動して上記係止片37を後退させた状態で、フック部35内に上記係止バー33を挿入した後、上記押しボタン38の押動状態を解除し、上記係止片37をフック部35の閉止状態に移行させることにより、係止バー33を係止部本体36に保持するようになっている。
また、上記押しボタン38を押動して係止片37を後退させることにより、上記フック部35を開放状態としてフック部35に保持された係止バー33を取り外すことが可能となるようになっている。さらに、上記係止部材34は、図5に示すように、シートバック14の背面から後方に突出した使用位置と、シートバック14の背面に形成された凹部39内に格納された非使用位置とに変位可能に支持されている。
上記物品収容体16の格納位置Aには、前面が開口した箱状体からなる被覆カバー40が上記第1キックアップ部6の上面部上に設置されている。この被覆カバー40は、その前面部および後面板が上記物品収容体16の前面板28に対応した角度で後傾することにより、側面から見て菱形に形成されるとともに、上記物品収容体16を格納し得る大きさに形成されている。さらに、上記被覆カバー40の側壁内面には、物品収容体16をスライド自在に支持するガイド部(図示せず)が設けられている。
そして、上記運転席2のシートバック14を起立状態として運転席2を使用位置(着座位置)に後退させると、上記物品収容体16が車体の後方側に移動して被覆カバー40内に格納され、物品収容体16の上端および側面に設けられた物品の出入口が上記被覆カバー40により被覆されるとともに、被覆カバー40の前面開口部が上記物品収容体16の前面板28により閉止されることになる(図4参照)。
また、図6に示すように、上記運転席2上の乗員が降車して運転席2を前進させるとともに、そのシートバック14を前傾状態とした場合には、上記物品収容体16が被覆カバー40の前方側に引き出されるとともに、物品収容体16の上端面および運転席側の側壁面に設けられた物品の出入口が開放状態となることにより、車室内および上記乗降用開口部10から物品収容体16に対する物品の出し入れが可能となる。なお、上記運転席2の前進位置において、そのシートバック14を前傾させると、シートバック14の背面に設置された係止部材34が上方に移動することになるが、これに対応して上記取付ブラケット26の先端部が上昇するように取付ブラケット26が揺動変位することにより、物品収容体16の水平姿勢が維持されるようになっている。
上記助手席3は、運転席2と同様に構成されたシートクッション13およびシートバック14を有するとともに、運転席2よりも車体の前方側へオフセットした位置において車体の前後方向にスライド可能に支持されている(図1参照)。また、上記助手席3の後方側、つまり上記第2キックアップ部7の上方には、図9に示すように、大人が着座可能な後列シート41が配設されている。さらに、第2キックアップ部7の後端部には、上記リヤフロア9が連設されるとともに、その下方にリヤサスペンション用のクロスメンバ42が配設されている。
上記のように車体の前後方向にスライド可能な運転席2からなる乗員用シートが配設された車室1と、その後方に配設されたトランクルーム8とを有する車両において、上記運転席1とトランクルーム8との間に、車室1内に開口した物品の出入口を有する物品収容体16を設けるとともに、この物品収容体16を、上記運転席2の前後移動に連動して車体の前後方向にスライド変位させるように構成したため、通常時には上記物品収容体16に物品を収容させた状態で、この物品収容体16を車体の後方側に移動させることにより物品の収容状態を安定させることができるとともに、運転席2を車体の前方側に移動させた場合には、これに連動させて物品収容体16を前方の出入位置に移動させることにより、この物品収容体16に対する物品の出し入れを容易に行うことができる。
例えば、上面等に物品の出入口を有するトレイ状体により物品収容体16を構成するとともに、運転席2からなる乗員用シートの後退に応じて格納位置Aに配設された被覆カバー40内に上記物品収容体16を格納するように構成された上記実施形態において、図6に示すように、運転席2をスライドレール12に沿って車体の前方側に移動させるとともに、そのシートバック14を前傾状態とすることにより、これに連動して上記物品収容体16を被覆カバー40内から前方の出入位置Bに引き出すように構成した場合には、上記物品収容体16の上面および側面に形成された物品の出入口を車室内に開口させることができるため、上記物品収容体16に対する物品の出し入れを容易に行うことができる。そして、図4に示すように、上記運転席2を車体の後方側に移動させるとともに、そのシートバック14を起立状態とし、これに連動して上記物品収容体16を後退させることにより、車室1内の後方側でトランクルーム8に近接した格納位置Aに上記物品収容体16を移動させると、この物品収容体16に収容された物品を上記被覆カバー40で被覆した状態で安定して保持できるという利点がある。
また、上記実施形態では、車室1の側面部に乗降用開口部10が形成された車両において、上記運転席2の前後移動に連動した物品収容体16の移動範囲を、上記乗降用開口部10よりも後方の格納位置Aと、乗降用開口部10から荷物の出し入れを行うことができる前方の出入位置Bとの間に設定したため、物品の出し入れを行う場合に上記物品収容体16を出入位置Bに前進させることにより、車外側から上記乗降用開口部10を介して物品の出し入れを容易に行うことができる。そして、物品の出入が終了した後に、上記物品収容体16を後方の格納位置Aに移動させることにより、上記乗降用開口部10から物品収容体16に対するアクセスを抑制することができるため、物品収容体16内の物品が車外側から抜き取られるという事態の発生等を効果的に防止できるという利点がある。
上記実施形態に示すように、運転席2および助手席3の側方のみに乗降用開口部10が形成されたいわゆる2ドアクーペタイプの車両では、上記物品収容体16を後方の格納位置Aに移動させることにより、上記乗員用開口部10を介した外部からのアクセスすることが特に困難となるため、上記構成を採用することによる作用効果が顕著に得られるという利点がある。
さらに、上記実施形態に示すように、フロアパネル4の後方部に、キックアップ量の大きい第1キックアップ部6と、キックアップ量の小さい第2キックアップ部7とを車幅方向に併設するとともに、キックアブ量が大きく車体の上方側に大きく段上げされた上記第1キックアップ部6の上方に物品収容体16を配設した場合には、この物品収容体16を車室1内の上方側に位置させることにより、この物品収容体16に対する物品の出し入れを容易に行うことができるという利点がある。
特に、上記実施形態に示すように、キックアップ量の小さい第2キックアップ部7の上方に後列シート41を配設した場合には、車高を高くすることなく、大人の乗員が着座できる上記後列シート41を車室1内の後部に設置することができるとともに、この後列シート41に着座した乗員が、上記物品収容体16に対して物品の出し入れを容易に行うことができる。また、上記実施形態では、助手席3を運転席2よりも車体の前方側にオフセットした位置に配設するとともに、助手席3の後方側に後列シート41を配設したため、車室1の前後寸法を大きくすることなく、後列シート41に着座した乗員の足元スペースを充分に確保できるという利点がある。
さらに、上記実施形態に示すように、第1キックアップ部6の下方に燃料タンク17等からなる車両用機器を配設するように構成した場合には、車高が必要以上に高くなるのを防止しつつ、上記第1キックアップ部6の下方に形成された大きな床下空間部を有効に利用して燃料タンク17等からなる車両用機器を適正にレイアウトすることができるため、車体を効果的にコンパクト化できるという利点がある。
なお、上記実施形態に示すように、運転席2からなる乗員用シートの後退に応じて格納位置Aに配設された被覆カバー40内に上記物品収容体16を格納するように構成した場合には、運転者の体格等に応じて運転席2の前後位置が変化するため、これに対応して運転席2の後退時に上記物品収容体16を所定の格納位置A、つまり上記被覆カバー40が設置された位置に移動させて被覆カバー40内に物品収容体16を適正に格納できるように運転席2のシートバック14に対する物品収容体16の連結位置を調節し得るように構成することが好ましい。
例えば、図10に示すように、物品収容体16の係止板31および上記側面板29の外面部にボルト止めされる複数の取付孔が長さ方向に沿って配列された連結部材43に上記取付ブラケット26の基端部を枢支するとともに、上記連結部材43に形成された複数の取付孔を選択して上記係止板31および上記側面板29の外面部にボルト止めすることにより連結部材43の突出長さを変化させるように構成した場合には、運転者の体格等に応じて運転席2の前後位置が変化した場合に、これに応じて運転席2のシートバック14に対する物品収容体16の連結位置を調節することができる。
また、上記格納位置Aに配設された被覆カバー40を省略し、図11に示すように、上面が開口したトレイ状体からなる物品収容体16aを、取付ブラケット26を介して運転席2のシートバック14に連結し、運転席2からなる乗員用シートの後退動作に対応させて上記第1キックアップ部6上の格納位置に移動させることにより、上記物品収容体16aの上面を開放した状態で後方の格納位置に支持させるように構成してもよい。
さらに、図12に示すように、助手席側の側壁面に下端部がヒンジ結合された開閉蓋44と、運転席側の側壁面に設けられたガイドレール45に沿って昇降自在に支持されたスライド蓋46とを有する箱状体からなる物品収容体16bを、取付ブラケット26を介して運転席2のシートバック14に連結するように構成してもよい。そして、上記物品収容体16bを運転席2の前方移動等に連動させて前方の出入位置に移動させた状態で、上記物品収容体16bの開閉蓋44を開放操作して助手席側の側壁面を開口させることにより、上記後列シート41(助手席3の後方側)に着座した乗員が物品の出し入れ行い得るように構成するとともに、上記スライド蓋46を下方にスライド変位させて運転席側の側壁面を開口させることにより、運転席側の乗降用開口部10を介して車外側から物品の出し入れ行い得るように構成してもよい。
上記のように構成した場合には、必要に応じて上記開閉蓋44またはスライド蓋46を開放状態とすることにより、助手席3側の車室内および運転席2側の上展開口部10との両方から物品の出し入れを容易に行うことができるとともに、物品収容体16bの開閉蓋44およびスライド蓋46を閉止状態とすることにより、この物品収容体16b内の収容物が外部から視認されることに起因した盗難の発生を効果的に防止できるという利点がある。
また、図13に示すように、スライド蓋46等により開閉される第1の出入口を有する箱状体等からなる物品収容体16cの後壁面に、下端部がヒンジ結合された開閉蓋47により開閉される第2の出入口を形成し、トランクルーム8内から上記開閉蓋47を開放操作して物品の出し入れを行うように構成してもよい。このように構成した場合には、上記物品収容体16cを後方の格納位置に移動させた状態で、車室1内とトランクルーム8内との両方から物品収容体16cに対する物品の出し入れを行うことができるという利点がある。
なお、上記実施形態に示すようにフロアパネル4の後方部に、キックアップ量の大きい上記第1キックアップ部6と、キックアップ量の小さい上記第2キックアップ部7とを車幅方向に併設するとともに、上記第2キックアップ部7の上方に後列シート41を配設した上記実施形態に代え、車室の底面を構成するフロアパネル4の後方部に、左右に連続したキックアップ部を設けるとともに、このキックアップ部に複数の物品収容体16等を併設した構造とした構造としてもよい。
1 車室
2 運転席(乗員用シート)
6 第1キックアップ部
7 第2キックアップ部
10 乗降用開口部
16 物品収容体
17 燃料タンク(車両用機器)
40 被覆カバー
41 後列シート
2 運転席(乗員用シート)
6 第1キックアップ部
7 第2キックアップ部
10 乗降用開口部
16 物品収容体
17 燃料タンク(車両用機器)
40 被覆カバー
41 後列シート
Claims (7)
- 車体の前後方向にスライド可能な乗員用シートが配設された車室と、その後方に配設されたトランクルームとを有する車両において、上記乗員用シートとトランクルームとの間に、車室内に開口した物品の出入口を有する物品収容体が設けられるとともに、この物品収容体は、上記乗員用シートの前後移動に連動して車体の前後方向にスライド変位が可能な状態で車体に支持されたことを特徴とする車両用物入れ構造。
- 請求項1に記載の車両用物入れ構造において、車室の側面部に乗降用開口部が形成されるとともに、物品収容体の移動範囲が、上記乗降用開口部よりも後方の格納位置と、乗降用開口部から荷物の出し入れを行うことができる前方の出入位置との間に設定されたことを特徴とする車両用物入れ構造。
- 請求項1または2に記載の車両用物入れ構造において、物品収容体は、物品の出入口を有するトレイ状体により構成されるとともに、乗員用シートの後退に応じて格納位置に配設された被覆カバー内に格納されるように構成されたことを特徴とする車両用物入れ構造。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用物入れ構造において、物品収容体は、トランクルーム内から物品の出し入れを行うことができる第2の出入口を備えたことを特徴とする車両用物入れ構造。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用物入れ構造において、フロアパネルの後方部に、キックアップ量の大きい第1キックアップ部と、キックアップ量の小さい第2キックアップ部とが車幅方向に併設されるとともに、上記第1キックアップ部の上方に物品収容体が配設されたことを特徴とする車両用物入れ構造。
- 請求項5に記載の車両用物入れ構造において、キックアップ量が小さい第2キックアップ部の上方に後列シートが配設されたことを特徴とする車両用物入れ構造。
- 請求項5または6記載の車両用物入れ構造において、キックアップ量が大きい第1キックアップ部の下方に車両用機器が配設されたことを特徴とする車両用物入れ構造。
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2005
- 2005-04-26 JP JP2005127603A patent/JP2006306131A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112477763A (zh) * | 2019-09-12 | 2021-03-12 | 奥迪股份公司 | 物体输送系统、包括其的车辆及相应的物体输送方法 |
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