JP2006305927A - セメント系成形体のプレス成形装置および製造方法 - Google Patents

セメント系成形体のプレス成形装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 プレス成形によるセメント系成形体の製造において、プレス成形型に設けられ圧縮空気を吹き出す通気孔の詰まりを防止し、セメント成形体の型離れを良好にする。
【解決手段】 セメント系材料の押出成形体10をプレス成形してセメント系成形体を得る装置である。押出成形体10が配置される固定型32と、固定型32に対して開閉自在で、固定型32との対向面に所望の凹凸形状からなる型面を有する可動プレス型30と、可動プレス型30の型面に間隔をあけて多数が配置され、圧力空気を噴出する噴出口35と、可動プレス型30で型面の背面に配置され、多数の噴出口35を複数組に分割した分割組ごとに設けられ、一つの分割組に含まれる複数の噴出口35と連通する分割加圧室37と、分割加圧室35ごとに内部の空気を加圧する空気供給配管38などの加圧手段とを備える。
【選択図】 図4

Description

本発明は、セメント系成形体のプレス成形装置および製造方法に関し、詳しくは、セメント系材料を所定形状に成形し養生硬化させて、建築物の外装材などに利用されるセメント系硬化材を製造する技術において、養生硬化させる前のセメント系成形体を成形製造するのに利用されるプレス成形装置と、このようなプレス成形装置を用いてセメント系成形体を製造する方法と対象にしている。
建築用の外装材として、セメント系硬化材を利用することは良く知られている。機械的強度や耐久性に優れたものとされている。
セメント系硬化材からなる外装材の外観意匠性を高めるために、表面に凹凸模様やパターン形状を形成することが行われる。
セメント系硬化材の表面に凹凸形状を形成する方法として、セメント系材料を押出成形して平坦な板状の押出成形体を製造した後、押出成形体の表面にプレス成形によって凹凸形状を成形する方法が知られている。
特許文献1には、セメント含有W/O型エマルジョンからなるセメント系材料を板状に押出成形したあと、プレス成形して、凹凸形状を有するセメント系成形体を製造し、このセメント系成形体を養生硬化させる技術が示されている。プレス成形の金型に設けた通気孔から圧縮空気を吹き出して、セメント系成形体から金型を脱型し易くしている。
特開平5−246747号公報
ところが、特許文献1の技術のように、プレス成形型の通気孔から圧縮空気を吹き出して、セメント系成形体のプレス成形型に対する型離れを良くしようとすると、プレス成形型の通気孔にセメント系材料が入り込んで通気孔が詰まってしまうという問題が生じる。通気孔が詰まってしまえば、圧縮空気の吹き出しによる型離れの促進作用は全く発揮できなくなる。
特許文献1の技術では、通気孔に逆流防止弁を設けて、セメント系材料が通気孔に入り込むのを防止している。そのため、通気孔の構造が複雑になる。逆流防止弁を装着できる通気孔は、かなり大きなものとなり、セメント系成形体の表面に通気孔の跡が残ると目立ってしまい、セメント系成形体およびセメント系硬化体の表面品質が損なわれる。しかも、逆流防止弁と通気孔との隙間からセメント系材料が浸入したり、浸入したセメント系材料が固まってしまい、逆流防止弁が十分に作動できなくなったりすることもある。
通気孔から噴き出す圧縮空気の圧力を高く設定しておけば、通気孔が詰まることは少なくなる。しかし、通気孔から吹き出す高圧の圧縮空気がセメント系材料を凹ませたり穴をあけたりして、セメント系成形体の表面性状を損なうという問題が生じる。セメント系成形体の全面に通気孔に相当する穴や変形が残ってしまう。常に高圧の圧縮空気を供給するにはコストも高くつく。
本発明の課題は、前記した従来技術のように、プレス成形によるセメント系成形体の製造において、プレス成形型の通気孔から圧縮空気を吹き出す技術の問題点を解消して、セメント成形体の型離れを良好にすることである。
本発明にかかるセメント系成形体のプレス成形装置は、セメント系材料の押出成形体をプレス成形してセメント系成形体を得る装置であって、前記押出成形体が配置される固定型と、前記固定型に対して開閉自在で、固定型との対向面に所望の凹凸形状からなる型面を有する可動プレス型と、前記可動プレス型の前記型面に間隔をあけて多数が配置され、圧力空気を噴出する噴出口と、前記可動プレス型で前記型面の背面に配置され、前記多数の噴出口を複数組に分割した分割組ごとに設けられ、一つの分割組に含まれる複数の噴出口と連通する分割加圧室と、前記分割加圧室ごとに内部の空気を加圧する加圧手段とを備える。
〔セメント系材料〕
セメント系成形体の主材料となるセメント系材料は、通常のセメント系硬化製品と同様の材料や配合、製造技術が適用できる。
油性物質と水とのW/Oエマルジョンおよびセメントを含むものが好ましい。油性物質として重合性の油性物質が好ましい。
具体的には、例えば、前記特許文献1(特開平5−246747号公報)や特開2002−47040号公報に記載の技術が適用できる。
<セメント>
セメント系硬化体の基本的な機械的強度などの特性を決める材料である。通常のセメント材料が使用できる。例えば、ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、アルミナセメントなどが挙げられる。複数種類のセメントを併用することもできる。
セメント系材料中(水を含めたセメント系材料の全量中)に、10〜40体積%を配合しておくことができる。好ましくは、15〜30体積%である。
<重合性の油性物質>
水とW/Oエマルジョンを形成できる油性物質の中で、重合性の物質が使用される。重合性の油性物質は、養生硬化工程において重合反応により重合し、水和硬化するセメントとともにセメント系硬化体の骨格構造を構築する。セメント系硬化体の骨格構造が良好に構築されることで、養生硬化に伴う寸法収縮が起こり難くなる。
油性物質としては、疎水性の液状物質が、水とW/Oエマルジョンを形成し易い。
重合性の油性物質の具体例として、スチレン、ジビニルベンゼン、メチルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、不飽和ポリエステル樹脂等の重合性二重結合を有するもの(ビニル単量体)が有用である。重合性二重結合を有する油性物質の重合反応とセメントの水和反応とが同時に良好に進行して、前記したセメント系硬化体の骨格構造が良好に形成される。
油性物質の重合体が、前記セメントとともに、セメント系硬化体の骨格構造を構築し、基本的な特性を決めることになる。セメント系硬化体の物理的特性や表面性状などを改善する機能を果たす。セメント系硬化体の用途や要求性能、使用する油性物質の種類によっても異なるが、通常、セメント系材料中に、4〜10体積%を配合しておくことができる。好ましくは、5〜7体積%である。
重合性の油性物質の重合反応を促進させるために、重合性の油性物質とともに、有機過酸化物や過硫酸塩等からなる重合開始剤を併用することができる。
<W/Oエマルジョン>
W/Oエマルジョンは、油中水滴型エマルジョンとも呼ばれ、油性物質の連続相に微細な水粒子が分散している状態である。
このようなW/Oエマルジョンが構成されるように、水および重合性の油性物質を配合し、撹拌混合することで、目的のW/Oエマルジョンが得られる。
油性物質として、前記した重合性の油性物質以外の油性物質を配合しておくことができる。水に加えて、他の液体あるいは固体粒子を配合しておくこともできる。セメントは、微細な固体粒子として、W/Oエマルジョン中に分散させておくことができる。
W/Oエマルジョンを調製したあと、セメントなどの他の材料を混合することもできるし、水および油性物質に加えて他の材料も混合した状態で、エマルジョン化処理を行うこともできる。
<乳化剤>
W/Oエマルジョンの形成を促進させるために、乳化剤を配合しておくことが有効である。
乳化剤としては、通常のエマルジョン技術において使用されている乳化剤が使用できる。油性物質と水とのW/Oエマルジョン形成に有効で、セメント系材料の成形や養生硬化に悪影響を与え難く、セメント系硬化体の品質性能を損なわない材料が好ましい。
乳化剤の具体例として、ソルビタンセスキオレート、グリセロールモノステアレート、ソルビタンモノオレート、ジエチレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ジグリセロールモノオレート等の非イオン性界面活性剤、各種アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等が挙げられる。
乳化剤の使用量は、油性物質と水との配合割合や要求性能によっても異なるが、通常、セメント系材料における水と固形分との総量に対して1〜3体積%の範囲に設定できる。
<補強材>
セメント系硬化体の機械的強度などの物理的特性を向上させるのに有用である。
通常のセメント系硬化体の製造に利用されている各種の補強材が使用できる。具体的には、いわゆるセメント用の骨材として知られている材料がある。補強繊維として知られている材料がある。補強繊維として、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維等の合成繊維や、炭素繊維、ガラス繊維、パルプなどがある。砂利、パーライト、シラスバルーン、ガラス粉、アルミナシリケートなどの無機粒子も使用される。多孔質状あるいは中空状の無機粒子もある。
これらの補強材は、セメント系材料の全量に対して0.5〜10体積%程度で配合できる。
<その他の材料>
通常のセメント系硬化材の製造に利用される添加材料を組み合わせることができる。例えば、着色剤などが挙げられる。
<セメント系材料の調製>
基本的には、以上に説明したセメント系材料を構成する各材料を均一に撹拌混合すればよい。各材料を同時に撹拌混合してもよいし、一部の材料を撹拌混合した後、残りの材料を加えてさらに撹拌混合することもできる。
水と油性物質とのW/Oエマルジョンが良好に形成されるように、製造装置、製造条件を設定することが望ましい。
攪拌装置として、ディゾルバー、スクリューラインミキサー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル、プラネタリーミキサー、スタティックミキサー、ナウターミキサー、リボンブレンダー、タンブルミキサー、パドル式ミキサー等が使用できる。
W/Oエマルジョンにセメントや補強材が配合されたりして粘性が増大した材料は、混練装置で混練することが有効である。連続混練装置として、連続ニーダー、二軸押出機等が使用できる。
〔押出成形〕
通常のセメント系材料に対する押出成形技術が適用される。
押出プレス成形装置に供給されたセメント系材料を押出ダイから押し出すことで、押出ダイのダイ形状に対応する押出成形体が得られる。セメント系材料の押出成形を断続的に行ったり、連続的に押出成形して得られた連続押出成形体を所定寸法毎に裁断したりすることで、所定の寸法形状の押出成形体が得られる。
押出成形体の形状は、例えば、矩形状の押出ダイで押出成形される矩形厚板状のものが一般的である。押出ダイの細部形状を変えることで、矩形厚板に長さ方向の凹溝や凸条を有するものなども形成できる。
押出成形体は、可塑状態であり、容易に変形することができる。
〔無機粉粒の散布〕
押出成形体の表面に、無機粉粒を散布しておくことで、可動プレス型の噴出口がセメント系材料で詰まることが防止できる。噴出口からの圧力空気の噴出が十分に行え、セメント系成形体からの可動プレス型の型離れが良好になる。セメント系成形体からのプレス成形型の型離れが良好に行えないことで、セメント系成形体の表面が部分的に剥がれたり凹凸形状が歪んだりする問題が解消できる。
無機粉粒としては、可動プレス型の噴出口の目詰まり防止に有効であり、製造されるセメント系成形体あるいはセメント系硬化体の品質性能に悪影響を与えない材料が使用される。
具体的には、無機粉粒として、珪砂、スラグ粉砕物、ガラス粉砕物、陶磁器粉砕物、砂鉄などが挙げられる。無機粉粒の平均粒径を、500〜700μmに設定することができる。無機粉粒の粒径が小さ過ぎると、プレス成形時にセメント系材料の内部に完全に埋もれてしまい、噴出口の目詰まり防止が十分に果たせない。噴出口の内部に浸入して付着したままになり易い。粒径が大き過ぎると、セメント系成形体の表面で、無機粉粒が目立ち過ぎて表面質感を損なったり、表面が粗くなってしまったりする。
無機粉粒の散布は、手作業で行うこともできるし、空気とともにノズルなどから噴き出して散布することもできる。散布の時期は、押出成形の直後であってもよいし、押出成形体を少し乾燥させた状態であってもよい。
無機粉粒の散布量は、無機粉粒が押出成形体の表面を、実質的に隙間なく一様に覆うことができる程度に設定すればよい。具体的には、散布量30〜60g/mに設定できる。散布量が少なすぎると目的の作用が達成できず、散布量が多過ぎると、セメント系成形体の表面性状が悪くなったり、プレス成形時にセメント系成形体に付着せずに脱落した無機粉粒が、噴出口に侵入して詰まったり、可動プレス型の型面に付着して汚したりする問題が生じる。
〔プレス成形装置〕
基本的に通常のセメント系成形体の製造におけるプレス成形装置あるいはプレス成形技術が適用できる。
プレス成形装置は、通常、一対の成形型と、成形型にプレス圧力を加えるプレス機構とを備えている。一対の成形型のうち、一方の成形型は固定されており、他方の成形型は可動になっている。通常、可動成形型の型面に、セメント系成形体にプレス成形すべき凹凸形状に対応する凹凸形状が設けられる。したがって、可動型を可動プレス型あるいはプレス成形型と呼び、固定型を単に、押出成形体の支持盤あるいは支持台と呼ぶことがある。勿論、必要に応じて、固定型の型面にもプレス成形用の凹凸形状が設けられる場合がある。一般的なプレス成形装置では、固定型と可動プレス型とを上下に配置する。
上方の可動型、すなわち、下面に凹凸のある型面を備えた可動プレス型を、固定型に載置された押出成形体の上方から押圧して、押出成形体の表面に可動プレス型の凹凸型面に対応する凹凸形状をプレス成形し、表面に凹凸形状を有するセメント系成形体を得ることができる。
可動プレス型を押圧するプレス圧は、押出成形体の材料配合や最終的に製造されるセメント系硬化体の要求性能などによっても異なるが、通常、プレス圧0.5〜1.0MPaの範囲に設定できる。プレス圧が低過ぎると十分なプレス成形が行えない。プレス圧が高過ぎると、押出成形体の表面に散布された無機粉粒がセメント系材料の中に完全に埋もれてしまい、噴出口の詰まり防止機能が果たせなくなる。
プレス成形を終えて得られたセメント系成形体は、表面に成形型の型面形状に対応する凹凸形状が形成されている。
〔圧力空気の噴出〕
可動プレス型の型面には、セメント系成形体の型離れを良好にする噴出口を備えている。噴出口は、型面全体に均等に配置することもできるし、セメント系成形体の型離れに有効な個所に重点的に配置することもできる。
噴出口の大きさは、圧力空気を十分に噴出できるとともに、セメント系成形体に噴出口の跡が残って目立たない程度に設定することができる。具体的には、噴出口の口径0.2〜0.8mmに設定できる。
噴出口から噴出される圧力空気の圧力は、目的とするセメント系成形体の型離れが良好に行えるように設定する。具体的には、圧力100〜400kPaに設定できる。圧力が低過ぎると目的の達成が困難であり、圧力が強過ぎると、セメント系成形体の表面を変形させたり損傷させたりする問題が起こる。
噴出口から圧力空気を噴出させる時期は、可動プレス型を成形されたセメント系成形体から離す型開き段階である。型開きの開始と同時に圧力空気を噴出させてもよいし、型開きの直前から圧力空気の噴出を開始したり、型開きの開始から少し遅らせて圧力空気の噴出を始めることもできる。圧力空気の噴出が必要とされるのは、型開きの初期段階であり、セメント系成形体の表面がプレス成形型の型面から離れてしまえば、圧力空気の噴出は不要である。
〔分割加圧室〕
噴出口から噴出させる圧力空気を供給あるいは生成する機能を果たす。
分割加圧室は、可動プレス型で型面の背面に配置され、空気を収容できる密閉空間を構成する。多数の噴出口を複数組に分割した1組の分割組に含まれる複数の噴出口と連通する。分割組ごとに一つの分割加圧室が設けられる。
すなわち、可動プレス型に設けた全ての噴出口を、複数組に分割する。各分割組は、複数個の噴出口の集まりである。分割は、型面における一定の面積ごとの噴出口、あるいは、隣接する一定個数ごとの噴出口を1組にする。完全に同一面積、同一個数に分割する必要はない。型面の凹凸形状によっても、分割構造を調整することができる。
分割加圧室は、一つの可動プレス型に、少なくとも2室、通常は2〜60室を設けることができる。一つの分割加圧室は、2〜50個の噴出口と連通させておく。
〔加圧手段〕
分割加圧室ごとに内部の空気を加圧する機能を果たす。分割加圧室に圧力空気を供給してもよいし、分割加圧室に既に存在する空気を加圧することもできる。
一つの分割加圧室に対応する複数の噴出口のうちで、セメント系材料や無機粉粒が詰まった噴出口が発生すると、残りの噴出口のみから圧力空気が噴出しようとして、一時的に圧力が高まる。詰まった状態の噴出口にも高まった圧力が作用するので、噴出口に詰まったセメント系材料や無機粉粒が、高い圧力で吹き飛ばされ易くなる。例えば、5個の噴出口のうち、1個の噴出口が詰まると、残りの4個の噴出口から5/4=125%の圧力あるいは空気量で圧力空気が噴出しようとする。セメント系材料や無機粉粒が詰まった噴出口にも125%の噴出力が加わり、セメント系材料や無機粉粒が吹き飛ばされて排出され易くなる。詰まっていた噴出口の詰まりが解消されれば、分割加圧室の内部圧力は元の状態にもどる。高圧状態は、実質的に瞬間あるいは極めて短い時間しか存在しない。高圧の圧力空気が吹き付けられて、セメント系成形体の表面が変形したり損傷したりすることはない。
<空気供給路>
加圧手段として、分割加圧室ごとに接続され圧力空気を供給する空気供給路を有することができる。
基本的には、通常の圧力配管や圧力空気路の技術が採用される。圧力空気源から各分割加圧室へと個別の空気供給路を設けてもよいし、圧力空気源に連結された親通路に、各分割加圧室へと接続される個別の分岐通路を連結しておくこともできる。可動プレス型には、1本の圧力空気配管を接続し、可動プレス型の内部に圧力空気配管に連通する圧力空気路を分岐配置して個別の分割加圧室に連通させておくこともできる。
圧力配管や圧力空気路の口径やレイアウトは、通常は、複数の分割加圧室に均等な圧力空気が供給できたり、各分割加圧室の噴出口から均等な圧力で圧力空気が噴出できたりするように設定する。但し、可動プレス型の型面形状によっては、特定個所の噴出口あるいは分割加圧室に、他の分割加圧室よりも高い圧力の圧力空気を供給するように設定することもできる。
<弾性隔膜>
加圧手段として、可動プレス型で複数の分割加圧室に隣接して配置され、圧力空気が供給される空気供給室と、空気供給室と複数の分割加圧室とを個別に仕切る弾性隔膜とを有することができる。
空気供給室は、可動プレス型の全ての分割加圧室に対して一つだけを設けておいてもよいし、可動プレス型に複数の空気供給室を設け、それぞれの空気供給室を複数の分割加圧室に対応させることもできる。空気供給室には、圧力空気源から圧力空気を供給する。
弾性隔膜は、互いに隣接する空気供給室と分割加圧室との境界に配置され、空気供給室と分割加圧室とを密閉状態で隔離する。弾性隔膜は、表面に加わる圧力によって弾力的に変形することができる。弾性隔膜の材料としては、ゴム、弾性樹脂など、弾力的な変形を繰り返し行なえる材料が使用される。例えば、各種の空圧利用装置においてダイアフラム機構に利用されている弾性材料が好適に使用できる。
分割加圧室は、弾性隔膜によって空気供給室と隔離されているとともに、個々の分割加圧室同士も隔離される。
空気供給室に供給された圧力空気は、弾性隔膜に圧力を加え、弾性隔膜を分割加圧室のほうへと弾力的に膨張変形させる。その結果、分割加圧室内の圧力が高まり、分割加圧室内で加圧された圧力空気が噴出口から噴出する。空気供給室への圧力空気の供給を停止すれば、加圧力がなくなった弾性隔膜は弾力的に復元する。分割加圧室には噴出口から外部の空気が流入して溜まる。したがって、空気供給室への圧力空気の供給および停止を繰り返せば、噴出口から繰り返し圧力空気を噴出させることができる。
〔セメント系成形体の養生硬化〕
プレス成形されたセメント系成形体を養生硬化させることで、セメント系硬化体が得られる。
基本的には、通常のセメント系硬化体の製造技術における養生硬化装置、養生硬化条件が適用される。例えば、蒸気養生、オートクレーブ養生などが採用される。
養生条件は、セメント系材料の配合やセメント系硬化体に要求される性能などによっても異なるが、通常、40〜100℃で20〜48時間の範囲に設定される。養生工程の途中で、温度を段階的あるいは連続的に変えることもできる。
〔セメント系硬化体〕
セメント系成形体の養生硬化が終了すれば、セメント系硬化体が得られる。
セメント系硬化体は、セメント系成形体と同様に、表面に凹凸形状を有しており、建築用の外装板などとして利用される。
セメント系成形体の表面に散布された無機粉粒は、プレス成形の段階で押出成形体に埋め込まれるので、セメント系硬化体の表面には、実質的に無機粉粒が目立って突出するようなことはない。セメント系硬化体の表面を擦っても、無機粉粒が脱落することはない。
本発明にかかるセメント系成形体のプレス成形装置は、セメント系成形体を成形したあとの型開きの際に、可動プレス型の型面に有する噴出口から圧力空気を噴出させて、セメント系成形体の型離れを良好にできる。
特に、型面に有する多数の噴出口を、複数組に分割して、それぞれの分割組ごとに分割加圧室を設け、複数の分割加圧室ごとに空気を加圧する加圧手段を備えていることで、セメント系成形材料や無機粉粒が詰まった噴出口のみに特別に高い圧力を作用させることができ、詰まったセメント系成形材料や無機粉粒を噴出口の外部に吹き飛ばして、詰まりを迅速に解消することができる。
図1〜図4は、図5に示すセメント系外装板Pを製造するためのセメント系成形体Mの製造工程を段階的に示している。
〔押出成形〕
図1に示すように、支持台22の上に置かれた、厚さ0.22mmの薄い鋼板からなる敷板24の上に、押出プレス成形装置20の押出ダイ21からセメント系材料を板状に押し出す。支持台22および敷板24を、押出プレス成形装置20の押出ダイ21に対して水平方向に移動させることで、帯状に連続する厚板状の押出成形体10を得る。押出成形体10は所定の長さ毎に裁断される。得られた押出成形体10の表面は平坦である。押出成形体10は、いまだ柔軟で可塑状態であり、表面は粘着性を示す。例えば、長さ370cm、幅90cm、厚み30mmの押出成形体10が得られる。
押出成形体10の表面に、散布ノズル26から、無機粉粒16として珪砂を散布する。押出成形体10の表面全体を均等に覆う無機粉粒16の薄層が形成される。例えば、無機粉粒16として、平均粒径約740μmの4号珪砂(東北珪砂社製)を、50g/mの割合で散布する。
無機粉粒16が散布された押出成形体10は、敷板24に載せた状態で、次の工程に送られる。
〔プレス成形〕
図2に示すプレス成形装置を用いる。
<プレス成形装置>
鋼材などからなる剛体状の固定型32の平坦な表面に、敷板24に載せた押出成形体10が配置される。
固定型32の上方には可動プレス型30を備える。可動プレス型30は、図示を省略した油圧プレス機構などにより、固定型32に対して開閉する昇降動作を行なう。
可動プレス型30に下部には、エポキシ樹脂からなり、下面に所定の凹凸形状からなる型面を有する樹脂型34を備えている。樹脂型34の上方背面には、密閉空間状をなす分割加圧室37を備えている。分割加圧室37は、樹脂型34の平面形状を縦横の格子状で、ほぼ等分に分割して、縦横に複数列で配置されている。例えば、縦355cm×横125cmの矩形をなす樹脂型34に対して、縦14列、横4列の合計56個の分割加圧室37が設けられる。
各分割加圧室37から樹脂型34を貫通して、樹脂型34の下面に開口する噴出口35を有する。噴出口35は、樹脂型34の下面全体に間隔をあけて多数が配列されている。例えば、口径0.5mmの噴出口35を、ピッチ間隔5cmで配置する。一つの分割加圧室37に36個の噴出口35が配置できる。
それぞれの分割加圧室37には、圧力空気配管38が接続されている。圧力空気配管38は、図示を省略した圧力空気源に連結された親配管が、分割加圧室37の近くで分岐され、分岐配管がそれぞれの分割加圧室37に連結されている。したがって、全ての分割加圧室37にほぼ均等に圧力空気が供給される。例えば、圧力200kPa(2kgf/cm)の圧力空気が供給される。
<型閉め段階>
図3に示すように、図示を省略したプレス装置を作動させて、可動プレス型30を下降させる。押出成形体10に樹脂型34が当接する。樹脂型34は、押出成形体10の表面に存在する無機粉粒16を介して押出成形体10と接触する。
可動プレス型30にプレス圧力を加えることで、押出成形体10は、樹脂型34の型面の凹凸形状にしたがって成形される。樹脂型34の先端が、敷板24あるいは固定型32に当接する程度まで下降すれば、可動プレス型30の型閉め動作は終了する。例えば、プレス圧力を0.7MPaに設定する。
なお、プレス成形によって、無機粉粒16は、個々の粒子の一部または全体が、押出成形体10の中に押し込まれる。成形された押出成形体10の表面は、押出成形体10に埋め込まれた無機粉粒16が並んで露出した状態になる。
押出成形体10の表面自体は、柔軟で粘着性もあるので、樹脂型34から強い圧力が加わると、樹脂型34に強く粘着したり、樹脂型34の噴出口35に押出成形体10が詰まったりすることがある。しかし、無機粉粒16は硬質で粘着性もないので、押出成形体10の表面に無機粉粒16の層が存在すると、樹脂型34に押出成形体10が粘着することを防止する。特に、押出成形体10が噴出口35に詰まることが防止される。なお、無機粉粒16の一部が、噴出口35に入り込んだとしても、噴出口35の内面に強く粘着して詰まってしまうことはない。
<型開き段階>
図4に示すように、可動プレス型30を上昇させる。固定型32の上には、表面に凹凸形状が成形されたセメント系成形体Mが得られる。
この可動プレス型30の上昇開始時点あるいは少し前の時点で、圧力空気配管38から分割加圧室37に圧力空気を供給する。圧力空気は、分割加圧室37から噴出口35を経て押出成形体10の表面に向かって吹き付けられる。圧力空気が、押出成形体10と樹脂型34との間に侵入することで、押出成形体10が樹脂型34から型離れし易くなる。
但し、押出成形体10が樹脂型34と強く粘着していたり、押出成形体10の一部が噴出口35の内部まで入り込んで粘着していたりすると、圧力空気を吹き付けても、押出成形体10から樹脂型34が剥がれ難くなる。場合によっては、押出成形体10の一部が樹脂型34に付着したままで本体部分から剥がれたりする。押出成形体10の一部が噴出口35に詰まったままで樹脂型34に残ってしまったりすることもある。噴出口35が詰まったままであれば、その噴出口35からは圧力空気が噴出しないので、その周辺における押出成形体10と樹脂型34との分離がうまくいかなくなる。
しかし、押出成形体10の表面に、無機粉粒16の層が存在しているので、押出成形体10が樹脂型34に粘着することなく、容易に離れることになる。無機粉粒16の一部が、樹脂型34の噴出口35に入り込んでいても、圧力空気の噴出によって吐き出される。噴出口35に、押出成形体10の一部が詰まったままになることも起き難い。
さらに、樹脂型34の全体に設けられた多数の噴出口35は、比較的に少数の噴出口35ごとに別々の分割加圧室37から圧力空気が供給されることが重要である。
例えば、一つの分割加圧室37に36個の噴出口35が配置されていて、そのうちの1個の噴出口35が詰まったとする。詰まっていない35個の噴出口35から、分割加圧室37に供給された圧力空気が噴出しようとする。噴出面積が狭くなったことになるので、面積比率の逆数36/35=103%まで噴出圧力が高まる。高くなった噴出圧力は、詰まった噴出口35にも均等に作用するから、噴出口35に詰まったセメント系材料や無機粉粒が噴出口35の外に吹き飛ばされ易くなる。
このような作用は、個々の分割加圧室37毎に機能するので、樹脂型34の何れの場所で噴出口35が詰まっても、その噴出口35に対応する分割加圧室37のみで一時的に噴出圧力が高まって、噴出口35の詰まりを解消したあと、直ちに元の均等な圧力に戻る。他の分割加圧室37に対しては、噴出圧力の変動の影響を及ぼさない。
なお、樹脂型34の全体に一つの加圧室が存在する場合は、例えば、噴出口35の全数2016個のうちで1個の噴出口37が詰まっても、噴出圧力は、2016/2015=100.05%までしか高まらない。このような極めて微小な圧力上昇では、噴出口37に詰まったセメント系材料や無機粉粒の吹き飛ばしは困難である。前記した分割加圧室37を備えている場合の圧力上昇による詰まり解消の機能が優れていることが裏付けられる。
〔セメント系硬化材〕
前記したプレス成形によって得られたセメント系成形体Mは、養生硬化工程に送られる。養生硬化を終えて得られたセメント系硬化材Pを、図5に示す。
セメント系硬化材Pは、建築物の外装壁面を構築するのに利用される。表面には、小さな矩形状の凸部14が前後左右に並び、各凸部14の間を凹溝12が縦横に格子状に配置されている。外観意匠性の高い外壁を構成することができる。
なお、押出成形体10の表面に散布された無機粉粒16は、プレス成形によって、押出成形体10の内部に埋め込まれ、その状態で養生硬化されている。したがって、無機粉粒16は、セメント系硬化材Pに完全に一体化された状態である。セメント系硬化材Pの表面を擦ったりしても、無機粉粒16が脱落することはない。無機粉粒16が珪砂であれば、セメント系硬化材Pそのものの表面質感を大きく変えることもない。また、無機粉粒16の粒状感が、自然な岩石の表面質感に似た外観意匠性を与える効果もある。
〔プレス成形装置の別の実施形態〕
図6、7は、前記実施形態とは一部の構造が異なるプレス成形装置を使用した場合である。基本的な構造および成形方法は前記実施形態と共通しているので、相違点を主に説明する。
<プレス成形装置>
図6に示すように、固定型32、可動プレス型30からなるプレス成形装置である。可動プレス型30には、多数の噴出口35が設けられた樹脂型34を備えている。樹脂型34の背面に、複数の噴出口35ごとに分割された分割加圧室37を有する点も、前記実施形態と共通する。
但し、分割加圧室37の背面には、弾性隔膜40を介して、樹脂型34の全体にわたる空気供給室39が設けられている。空気供給室39は、背面に接続された圧力空気配管38から圧力空気が供給される。弾性隔膜40は、薄いゴムシートからなり、弾力的に変形することができる。
<型閉め段階>
前記実施形態における図2から図3の工程と同様にして、プレス成形が行なわれる。
すなわち、図6に示すように、可動プレス型30が下降し、敷板24に載った押出成形体10が、樹脂型34の型面形状に対応する凹凸形状にプレス成形される。この段階までは、前記実施形態と何ら変わりはない。
<型開き段階>
図7に示すように、可動プレス型30を上昇させるとともに、噴出口35から圧力空気を噴出させて、セメント系成形体Mの型離れを良好にする。
具体的には、圧力空気配管38から空気供給室39に圧力空気を導入する。空気供給室39の圧力が高まり、弾性隔膜40が分割加圧室37のほうに膨張するように変形する。分割加圧室37の内部に存在していた空気は、弾性隔膜40で押されて噴出口35から噴出することになる。なお、噴出口35から噴出する空気の量は、弾性隔膜40の変形によって減少した分割加圧室37の容積に相当するだけであるから、継続して空気を噴き出すわけではない。しかし、型開き段階で、樹脂型34の型面がセメント系成形体Mの表面から離れる瞬間的な短い時間だけで、噴出口35から圧力空気が噴出すれば、セメント系成形体Mの型離れを良好にする機能は十分に発揮できる。樹脂型34の型面からセメント系成形体Mが離れてしまえば、噴出口35から圧力空気を噴出させる必要はない。
この実施形態でも、分割加圧室37を設けておくことによる前記機能が働く。すなわち、圧力空気は、一つの空気供給室39に供給されるだけであるが、個々の分割加圧室37には、それぞれ別個の弾性隔膜40を介して均等に圧力が加わる。それぞれの分割加圧室37において、その一部の噴出口35が詰まって空気が噴出しなくなれば、その分割加圧室37の内部圧力が高まり、詰まった噴出口35に高い圧力が作用する。噴出口35の詰まり解消が良好に行なわれる。
なお、一つの分割加圧室37で内部圧力が高まると、弾性隔膜40を介して空気供給室39に伝達され、経時的には他の分割加圧室37にも伝達される。しかし、一つの分割加圧室37の噴出口35における詰まりは、まず、その分割加圧室37の圧力を高め、つぎに、弾性隔膜40に伝達され、弾性隔膜40の変形状態が変わり、空気供給室39の空気に伝達され、別の分割加圧室37の弾性隔膜40を変形させ、その分割加圧室37の内部圧力を高めるという経過を経る。ある程度の時間がかかる。噴出口35が詰まったところの分割加圧室37における内部圧力の上昇は直ちに、そこに存在する噴出口35の詰まり解消に作用する。弾性隔膜40を介して空気供給室39から他の分割加圧室37へと圧力上昇が拡散吸収される前に、噴出口35の詰まりが解消され、当該分割加圧室37の内部圧力は元に戻る。他の分割加圧室37の圧力はほとんど変動しない。
例えば、弾性隔膜40が存在しない状態であれば、空気供給室39と複数の分割加圧室37とは一つの連続した空間を構成することになるので、一つの噴出口35が詰まると、その影響は空気供給室39と複数の分割加圧室37との全体空間に瞬時に拡散して平均化されてしまい、詰まった噴出口35に高い圧力を加えることはできない。
この実施形態では、圧力空気の消費が実質的になく経済的である。圧力空気配管38から空気供給室39へは、圧力を加えて弾性隔膜40を膨張変形させるだけである。噴出口35から噴出する圧力空気は、分割加圧室37に存在していた空気であり、圧力空気配管38から供給された空気ではない。
本発明にかかるセメント系成形体の成形装置は、例えば、住宅などの外壁を仕上げるためのセメント系硬化材からなる外装材の製造に利用できる。成形型の型面に備えた噴出口の詰まりを確実に防止して、プレス成形の生産性、成形品質を格段に向上させることができる。その結果、表面に凹凸形状を備えた外観意匠性の高いセメント系硬化材となるセメント系成形体として、品質性能に優れたものを生産性良く製造することができる。
本発明の実施形態を表すセメント系成形体の製造工程のうち、押出成形を示す概略断面図。 プレス成形の開始前を示す概略断面図。 プレス成形の型閉め状態を示す概略断面図。 プレス成形の型開き状態を示す概略断面図。 得られたセメント系硬化材の斜視断面図。 別の実施形態を表す型閉め状態の概略断面図 型開き状態の概略断面図
符号の説明
10 押出成形体
16 無機粉粒
20 押出成形装置
24 敷板
30 可動プレス型
32 固定型
34 樹脂型
35 噴出口
37 分割加圧室
38 圧力空気配管
39 空気供給室
40 弾性隔膜
M セメント系成形体
P セメント系硬化材

Claims (5)

  1. セメント系材料の押出成形体をプレス成形してセメント系成形体を得る装置であって、
    前記押出成形体が配置される固定型と、
    前記固定型に対して開閉自在で、固定型との対向面に所望の凹凸形状からなる型面を有する可動プレス型と、
    前記可動プレス型の前記型面に間隔をあけて多数が配置され、圧力空気を噴出する噴出口と、
    前記可動プレス型で前記型面の背面に配置され、前記多数の噴出口を複数組に分割した分割組ごとに設けられ、一つの分割組に含まれる複数の噴出口と連通する分割加圧室と、
    前記分割加圧室ごとに内部の空気を加圧する加圧手段と
    を備えるセメント系成形体のプレス成形装置。
  2. 前記加圧手段が、前記分割加圧室ごとに接続され圧力空気を供給する空気供給路を有する
    請求項1に記載のセメント系成形体のプレス成形装置。
  3. 前記加圧手段が、前記可動プレス型において前記複数の分割加圧室に隣接して配置され圧力空気が供給される空気供給室と、前記空気供給室と前記複数の分割加圧室とを個別に仕切る弾性隔膜とを有する
    請求項1に記載のセメント系成形体のプレス成形装置。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のプレス成形装置を用い、セメント系材料の押出成形体をプレス成形してセメント系成形体を得る方法であって、
    前記セメント系材料を押出成形して、可塑状態の押出成形体を得る工程(a)と、
    前工程(a)のあと、前記押出成形体の表面に無機粉粒を散布する工程(b)と、
    前工程(b)のあと、前記プレス成形装置を用い、前記押出成形体を前記固定型に配置し、前記可動プレス型を押出成形体の上方から押圧して、押出成形体の表面に可動プレス型の前記型面に対応する凹凸形状をプレス成形し、表面に凹凸形状を有するセメント系成形体を得る工程(c)と、
    前工程(c)のあと、前記可動プレス型の前記分割加圧室から前記噴出口を経て前記セメント系成形体に向かって圧力空気を噴出させながら、可動プレス型をセメント系成形体から離す工程(d)と
    を含むセメント系成形体の製造方法。
  5. 前記工程(a)において、セメント系材料として、セメント、水、油性物質および乳化剤を含むW/Oエマルジョン、ならびに、補強材を含むセメント系材料を用い、
    前記工程(b)において、前記無機粉粒として、珪砂、スラグ粉砕物、ガラス粉砕物、陶磁器粉砕物、砂鉄からなる群から選ばれ、平均粒径500〜700μmの無機粉粒を、30〜60g/mの量で散布し、
    前記工程(c)において、前記可動プレス型を押圧するプレス圧が、0.5〜1.0MPaであり、
    前記工程(d)において、前記可動プレス型の噴出口が、口径0.2〜0.8mmであり、圧力100〜400kPaの圧力空気を噴出させる
    請求項4に記載のセメント系成形体の製造方法。
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