JP2006304053A - オーディオ信号レベル制御装置およびレベル制御方法 - Google Patents

オーディオ信号レベル制御装置およびレベル制御方法 Download PDF

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Abstract

【目的】 アンプ出力信号が歪んだ状態で使用されているときにスピーカボックス内の温度が設定温度以上なったとき、音量感を維持しつつ温度上昇を抑えるようにする「オーディオ信号レベル制御装置およびレベル制御方法」を提供する。
【構成】 スピーカボックス内の温度を検出し、スピーカボックス内の温度が設定温度以上になったとき、スピーカに入力するオーディオ信号が歪んでいるか判定し、歪んでいる場合にはスピーカに入力するオーディオ信号を歪んだままそのレベルを低下する。
【選択図】 図1

Description

本発明はオーディオ信号レベル制御装置およびレベル制御方法に係わり、特にスピーカボックス内の温度が設定温度以上になったとき、スピーカに入力するオーディオ信号レベルを低下するオーディオ信号レベル制御装置およびレベル制御方法に関する。
一部の車載オーディオ機器はスピーカとアンプが1つの筐体(ボックス)内に収容されており、オーディオ信号の強入力が連続するとスピーカーとアンプの発熱によりスピーカボックス内の温度が上昇し、スピーカの性能を劣化させ、あるいはスピーカを破壊する。このため、車載オーディオ機器にはスピーカを温度上昇から保護する温度保護回路が設けられている。この温度保護回路は、スピーカボックス内の温度をサーミスタなどの温度検出センサーで検出し、該温度が設定温度以上になったときにアンプから出力するオーディオ信号レベルを低下して温度上昇を抑えてスピーカを破壊から保護するものである。
ところで、従来はオーディオ信号のアンプ入力レベルが設定レベル以上になってアンプ出力信号が図6のAに示すように歪んだ状態で使用されているときに、スピーカボックス内の温度が設定温度以上になると、Bに示すようにアンプ出力信号レベルを低下すると同時に歪のない信号にする。しかし、かかる温度制御では、温度上昇を抑えることができるが、歪が有する音量感がなくなってしまう問題が発生する。
従来技術として、過大入力に起因するクリップ発生を検出してクリップの発生を防止する音声電力増幅器が提案されている(特許文献1参照)。しかし、かかる従来技術は、音量感を維持しつつ温度上昇を抑えるものではない。
特開平10−163769号公報
本発明の目的は、アンプ出力信号が歪んだ状態で使用されているときにスピーカボックス内の温度が設定温度以上なったとき、音量感を維持しつつ温度上昇を抑えるようにすることである。
上記課題は本発明によれば、スピーカボックス内の温度が設定温度以上になったとき、スピーカに入力するオーディオ信号レベルを低下するオーディオ信号レベル制御装置において、スピーカボックス内の温度を検出する温度検出部、アンプから出力するオーディオ信号が歪んでいるか判定する歪発生判定部、スピーカボックス内の温度が設定温度以上になったとき、前記アンプから出力するオーディオ信号が歪んでいれば、アンプに入力するオーディオ信号を歪ませ、かつ該オーディオ信号のレベルを低下するレベル制御部を備えたオーディオ信号レベル制御装置により達成される。
前記オーディオ信号レベル制御装置において、レベル制御部はアンプに入力するオーディオ信号のスライスレベルを低下してオーディオ信号を歪ませ、かつ、該オーディオ信号のゲインを減少することにより、オーディオ信号を歪んだままそのレベルを低下する。このレベル制御部は、オーディオ信号を低域成分と高域成分に分離する分離部、低域成分のスライスレベルを低下するスライス回路、スライス回路から出力する低域成分と前記高域成分を合成する合成部、合成されたオーディオ信号のゲインを制御するゲイン制御部を備えている。
また、上記課題は本発明によれば、スピーカボックス内の温度が設定温度以上になったとき、スピーカに入力するオーディオ信号レベルを低下するオーディオ信号レベル制御方法において、スピーカボックス内の温度を検出し、スピーカボックス内の温度が設定温度以上になったとき、スピーカに入力するオーディオ信号が歪んでいるか判定し、歪んでいれば歪んだまま該オーディオ信号レベルを低下するオーディオ信号レベル制御方法により達成される。
前記オーディオ信号レベル制御方法において、前記オーディオ信号レベルを低下するステップは、オーディオ信号のスライスレベルを低下してオーディオ信号を歪ませ、かつ、該オーディオ信号のゲインを減少するステップを有している。また、オーディオ信号レベルを低下するステップは、オーディオ信号の低域成分のみスライスレベルを低下する。また、前記オーディオ信号レベル制御方法は更に、前記オーディオ信号レベルを制御しても、所定時間経過後においてスピーカボックス内の温度が依然として設定温度以上であれば、前記ゲインあるいはスライスレベルを更に低下するステップを有している。
本発明によれば、スピーカボックス内の温度が設定温度以上になったとき、スピーカに入力するオーディオ信号が歪んでいるか判定し、歪んでいれば歪んだまま該オーディオ信号レベルを低下するように構成したから、音量感を維持しつつ温度上昇を抑えることができる。
また、本発明によれば、オーディオ信号のスライスレベルを低下することにより簡単にオーディオ信号を歪んだままそのレベルを低下することができる。
また、本発明によれば、オーディオ信号の低域成分のみのスライスレベルを低下するようにしたから、音量感を維持しつつ、高域成分の歪をなくしてクリーンな高域音を出力することができる。
また、本発明によれば、オーディオ信号のレベル低下制御をしても、所定時間経過後においてスピーカボックス内の温度が依然として設定温度以上であれば、ゲインあるいはスライスレベルを更に低下することにより、音量感を維持しつつ温度上昇を抑えることができる。
スピーカボックス内の温度が設定温度以上になったとき、スピーカに入力するオーディオ信号レベルを低下するオーディオ信号レベル制御において、スピーカボックス内の温度を検出し、スピーカボックス内の温度が設定温度以上になったとき、スピーカに入力するオーディオ信号が歪んでいるか判定し、歪んでいれば歪んだまま該オーディオ信号レベルを低下する。すなわち、スピーカに入力するオーディオ信号が図1のAに示すように歪んでいれば、Bに示すようにオーディオ信号を歪んだままそのレベルを低下する。具体的には、オーディオ信号のスライスレベルを低下してオーディオ信号を歪ませ、かつ、該オーディオ信号のゲインを減少して該オーディオ信号のレベルを低下する。また、オーディオ信号の低域成分のみ歪んだままそのレベルを低下し、高域成分は歪ませずに信号レベルを低下する。更に、オーディオ信号レベルを制御しても、所定時間経過後においてスピーカボックス内の温度が設定温度以上であれば更にCに示すようにオーディオ信号のレベルを低下する。
図2は本発明のオーディオ信号レベル制御装置の構成図である。図示しないオーディオソースから出力されたオーディオ信号SAはディジタル信号プロセッサDSP(Digital Signal Processor) 1において、イコライザ処理、ボリューム処理などの、音質、音量その他のディジタル信号処理を施されてアンプ2に入力する。アンプ2は入力されたオーディオ信号を増幅してスピーカ3より音響空間に音を出力する。
アンプ2とスピーカ3は図3に示すようにスピーカボックス4内に収納されており、ボックス内の温度はアンプ2の発熱により上昇する。特に、長時間連続して強入力がアンプ2に印加するとアンプの発熱が大きくなりボックス内は高温になる。ボックス内に設けられた温度検出部(サーミスタ)5はボックス内の温度を検出し、AD変換部6は検出温度をディジタルに変換してマイコン7に入力する。
歪発生判定部8はアンプ2から出力するオーディオ信号を入力され、該オーディオ信号が歪んでいるか判定し、判定結果をマイコン7に入力する。マイコン7はスピーカボックス内の温度が設定温度以上になったとき、アンプ2から出力するオーディオ信号が歪んでいるか調べ、歪んでいる場合にはアンプ2に入力するオーディオ信号を歪ませると共に、該オーディオ信号レベルが低くなるようにDSP 1を制御する。また、マイコン7は所定時間毎の検出温度が連続して設定温度以上となった検出回数Nをカウントして検出回数保存部8に保存する。なお、歪発生の有無検出は周知であり、例えば、アンプ出力レベルあるいは入力レベルが設定レベル以上になっているかにより検出できる。
DSP 1は、通常のDSP処理に加えて、マイコン7からの制御信号に基づいて信号切り換えC1、スライスレベル切り換えC2、信号選択C3、ゲイン切り換えC4を行う。出力切換部11は、スピーカボックス内の温度が設定温度以上であり、かつ、アンプ2から出力するオーディオ信号が歪んでいればオーディオ信号SAを出力端子OUT1に出力し、上記以外であればオーディオ信号SAを出力端子OUT2に出力する。スピーカボックス内の温度および歪の発生状況に応じてDSP 1は以下の(1)〜(3)の制御を行う。
(1)スピーカボックス内の温度が設定温度以下であれば、出力切換部11はオーディオ信号SAを出力端子OUT2に出力し、セレクタ12は該オーディオ信号を選択してオーディオ信号処理部13に入力する。オーディオ信号処理部13は、ボックス内温度が設定温度以下であるためオーディオ信号レベルを低下するゲイン制御を行わず、通常のDSP処理(イコライザ処理、ボリューム処理などの音質、音量処理)を行って得られたオーディオ信号をアンプ2に入力する。
(2)また、スピーカボックス内の温度が設定温度以上で、アンプ2から出力するオーディオ信号が歪んでいなければ、出力切換部11はオーディオ信号SAを出力端子OUT2に出力し、セレクタ12は該オーディオ信号を選択してオーディオ信号処理部13に入力する。オーディオ信号処理部13は、ボックス内温度が設定温度以上であるから、通常のDSP処理に加えてマイコン7からの指示に従ってゲインを下げてオーディオ信号レベルを減少してアンプ2に入力する。
(3)一方、スピーカボックス内の温度が設定温度以上で、アンプ2から出力するオーディオ信号が歪んでいれば、出力切換部11はオーディオ信号SAを、出力端子OUT1を介してハイパスフィルタ14及びローパスフィルタ15に入力する。ハイパスフィルタ14は例えば周波数100Hz以上の高域成分を抽出して出力し、ローパスフィルタ15は周波数100Hz以下の低域成分を抽出してスライス回路16に入力する。スライス回路16はマイコン7からの指示に従ってスライスレベルを下げてオーディオ信号の低域成分をクリップし、低域成分に歪を持たせる。スライスレベルは実際の歪程度に応じたレベルに設定することが好ましい。
合成部17はハイパスフィルタ14から出力する高域成分とスライス回路16から出力する歪を持った低域成分を合成し、セレクタ12は合成されたオーディオ信号をオーディオ信号処理部13に入力する。オーディオ信号処理部13は通常のDSP処理に加えて、ボックス内温度が設定温度以上であるから、マイコン7からの指示に従ってゲインを下げてオーディオ信号レベルを減少してアンプ2に入力する。この結果、低域成分が歪を有する低レベルのオーディオ信号がアンプ2に入力するから、アンプの発熱が抑えられると共に、低音の歪を含んだ音がスピーカから出力して音量感が保持される。なお、高域成分は歪まないからクリーンな高温が得られる。
オーディオ信号レベルを下げても、所定時間経過後においてスピーカボックス内の温度が設定温度以上であれば、オーディオ信号処理部13はマイコン7からの指示に従ってゲインを更に1ランク下げ(図1のB,C参照)、ボックス内の温度が設定温度以下になるまで上記制御を繰り返す。なお、ゲインを制御する代わりに、所定時間毎の検出温度が連続して設定温度以上となった検出回数Nに応じてスライス回路のスライスレベルを図4に示すように制御することもできる。
図5はマイコン7の制御フローである。スピーカボックス内の温度が設定温度以上(過温度)になったか監視し(ステップ101)、設定温度以上になれば、アンプから出力するオーディオ信号が歪んでいるか調べ(ステップ102)、歪んでいれば、スライスレベルを所定量下げて低域成分を歪ませる(ステップ103)。ステップ102においてオーディオ信号が歪んでいなければ、あるいは、ステップ103の処理が終了すれば、DSP 1に指示してゲインを所定dB下げる(ステップ104)。設定時間経過後、例えば1分経過後、ボックス内の温度が設定温度以下になったかチェックし(ステップ105,106)、設定温度以上であればステップ104に戻りゲインを所定dB下げて以降の処理を繰り返す。一方、ステップ106において設定温度以下になれば、ゲインの減少制御を停止し、ゲイン及びスライスレベルの復元制御を行う(ステップ107)。なお、ゲインは一度に元に戻すのでなく、少しずつ戻すようにするのがよい。
以上、本発明によれば、スピーカボックス内の温度が設定温度以上であり、スピーカに入力するオーディオ信号が歪んでいれば、歪んだまま該オーディオ信号レベルを低下するように構成したから、音量感を維持しつつ温度上昇を抑えることができる。
本発明のレベル制御説明図である。 本発明のオーディオ信号レベル制御装置の構成図である。 スピーカボックス内の配置説明図である。 スライスレベル制御の説明図である。 マイコンの制御フローである。 従来の温度保護制御説明図である。
符号の説明
1 DSP(Digital Signal Processor)
2 アンプ
3 スピーカ
4 スピーカボックス
5 温度検出部(サーミスタ)
7 マイコン
11 出力切換部
12 セレクタ
13 オーディオ信号処理部
14 ハイパスフィルタ
15 ローパスフィルタ
16 スライス回路
17 合成部

Claims (7)

  1. スピーカボックス内の温度が設定温度以上になったとき、アンプに入力するオーディオ信号のレベルを低下するオーディオ信号レベル制御装置において、
    スピーカボックス内の温度を検出する温度検出部、
    アンプから出力するオーディオ信号が歪んでいるか判定する歪発生判定部、
    スピーカボックス内の温度が設定温度以上になったとき、前記アンプから出力するオーディオ信号が歪んでいれば、アンプに入力するオーディオ信号を歪ませ、かつ該オーディオ信号のレベルを低下するレベル制御部、
    を備えたことを特徴とするオーディオ信号レベル制御装置。
  2. 前記レベル制御部は、アンプに入力するオーディオ信号のスライスレベルを低下してオーディオ信号を歪ませ、かつ、該オーディオ信号のゲインを減少する、
    ことを特徴とする請求項1記載のオーディオ信号レベル制御装置。
  3. 前記レベル制御部は、
    オーディオ信号を低域成分と高域成分に分離する分離部、
    低域成分のスライスレベルを低下するスライス回路、
    スライス回路から出力する低域成分と前記高域成分を合成する合成部、
    合成されたオーディオ信号のゲインを制御するゲイン制御部、
    を備えたことを特徴とする請求項2記載のオーディオ信号レベル制御装置。
  4. スピーカボックス内の温度が設定温度以上になったとき、アンプに入力するオーディオ信号のレベルを低下するオーディオ信号レベル制御方法において、
    スピーカボックス内の温度を検出し、
    スピーカボックス内の温度が設定温度以上になったとき、アンプから出力するオーディオ信号が歪んでいるか判定し、
    アンプから出力するオーディオ信号が歪んでいれば、アンプに入力するオーディオ信号を歪ませ、かつ該オーディオ信号のレベルを低下する、
    ことを特徴とするオーディオ信号レベル制御方法。
  5. 前記オーディオ信号レベルを低下するステップは、
    オーディオ信号のスライスレベルを低下してオーディオ信号を歪ませ、かつ、該オーディオ信号のゲインを減少する、
    ことを特徴とする請求項4記載のオーディオ信号レベル制御方法。
  6. 前記オーディオ信号レベルを低下するステップは、オーディオ信号の低域成分のみスライスレベルを低下する、
    ことを特徴とする請求項5記載のオーディオ信号レベル制御方法。
  7. 前記オーディオ信号レベルを制御しても、所定時間経過後においてスピーカボックス内の温度が設定温度以上であれば、前記ゲインあるいはスライスレベルを更に低下する、
    ことを特徴とする請求項6記載のオーディオ信号レベル制御方法。
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