JP2006295548A - 表面弾性波デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】 面方向についても信頼性を低下させる金属間化合物の形成を抑えることにより、長期信頼性を確保した表面弾性波デバイスを提供する。
【解決手段】 表面弾性波デバイスにおいて、表面弾性波チップ1は、その表面上のアルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる電極用パッド4に、金もしくは金合金からなる金バンプ5が接続される。電極用パッド4と金バンプ5とは、段差を有する拡散防止層3を電極に形成し、この拡散防止層3の段差により、金もしくは金合金と反応できるアルミニウムもしくはアルミニウム合金の量を限定することにより、面方向の寸法がほぼ等しいものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 表面弾性波デバイスにおいて、表面弾性波チップ1は、その表面上のアルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる電極用パッド4に、金もしくは金合金からなる金バンプ5が接続される。電極用パッド4と金バンプ5とは、段差を有する拡散防止層3を電極に形成し、この拡散防止層3の段差により、金もしくは金合金と反応できるアルミニウムもしくはアルミニウム合金の量を限定することにより、面方向の寸法がほぼ等しいものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、携帯電話機などの通信機器に高周波フィルタとして使用される表面弾性波デバイスに関し、特に、この表面弾性波デバイスの小形化実装技術に適用して有効な技術に関する。
携帯電話機などの高周波フィルタとして使用される表面弾性波デバイスは、リチウムタンタレート(LiTaO3)あるいはリチウムナイオベート(LiNbO3)などの圧電性単結晶チップ(以下、SAWチップと記す)表面に櫛歯状電極対を形成し、これをパッケージ基板に搭載して、パッケージ基板の入出力電極と前記櫛歯状電極対とを電気的に接続して構成される。
従来のSAWチップは表面弾性波が伝播するチップ面、すなわち櫛歯状電極対の形成された面を上にパッケージ基板にダイボンドされ、櫛歯状電極対につながるチップ電極とそのパッケージ基板の内部電極とをアルミニウム(Al)または金(Au)を主材とする金属ワイヤでボンデイングして電気的接続を行っている。その後、金属製キャップで気密封止して表面弾性波デバイスが構成される。
しかし近年、携帯電話機などの部品に対する小形化の要求が強く、表面弾性波デバイスではSAWチップをパッケージ基板にフリップチップ接続することによりワイヤボンディング領域を省いてその小形化を図っている。また、フリップチップ接続には超音波接続により行なわれることが多く、その接続部は金もしくはアルミニウムを主成分とした金属接続により行なわれる。金とアルミニウムの接続においては、接続界面に金とアルミニウムの金属間化合物が形成されるが、金属間化合物の種類によっては接続部の信頼性が低下することが知られている。
例えば、特許文献1には信頼性が低下する金属間化合物(ここではAu2Al層)の発生防止方法が開示されており、これによると、SAWチップ上にアルミニウム製の薄膜と拡散防止薄膜とアルミニウム製薄膜の3層を形成し、拡散防止膜により金とアルミニウムの化合を抑制すると記されている。
特開2003−32071号公報
しかし、前記特許文献1の方法では、チップ厚み方向への金の拡散を抑制することができるが、面方向(チップ厚み方向に対する垂直方向)への金の拡散を抑制することができない。そのため、面方向へ金が拡散することにより信頼性を低下させる金属間化合物が形成される。
そこで、本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解消し、面方向についても信頼性を低下させる金属間化合物の形成を抑えることにより、長期信頼性を確保した表面弾性波デバイスを提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明は、表面弾性波チップと、表面弾性波チップが接続される基板とを有する表面弾性波デバイスに適用される。表面弾性波チップは、その表面上のアルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる電極に、金もしくは金合金からなる電極間接続部材が接続され、電極と電極間接続部材とは、金もしくは金合金と反応できるアルミニウムもしくはアルミニウム合金の量を限定することにより、面方向の寸法がほぼ等しいものである。
特に、電極は、段差を有する拡散防止層を含み、この拡散防止層の段差により、金もしくは金合金と反応できるアルミニウムもしくはアルミニウム合金の量を限定することにより、電極と電極間接続部材との面方向の寸法が決められる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明によれば、金もしくは金合金からなる電極間接続部材に対して反応できる電極のアルミニウムもしくはアルミニウム合金の量を制限することができるため、従来構造では防止できなかった面方向への拡散を防止でき、脆い金−アルミニウム間化合物やボイドの形成に起因する導通不良を防ぐことができる。また、従来のプロセスから工程の追加や設備投資をすることなく、接続信頼性の高い表面弾性波デバイスを形成することができ、コストメリットも高い。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の第一の実施の形態の表面弾性波デバイスにおいて、表面弾性波チップの電極構造の一例を示す断面図である。なお、表面弾性波デバイスの全体構造は、後述する(図9〜図12)。
第一の実施の形態における表面弾性波チップの電極構造は、表面弾性波チップ1の表面に形成される薄膜配線2と、この薄膜配線2の表面に形成される拡散防止層3と、この拡散防止層3の表面に形成される電極用パッド4からなり、この電極用パッド4に金バンプ(電極間接続部材)5が接続される。
薄膜配線2は、アルミニウムもしくはアルミニウムを主成分とする合金(例えばアルミニウムに0.5重量%の銅を加えたもの)や、銅もしくは銅を主成分とする合金からなる。
拡散防止層3は、チタン、クロム、銅、白金、パラジウム、タングステンおよびニッケルのいずれかを主成分とした金属からなる。
電極用パッド4は、アルミニウムもしくはアルミニウムを主成分とする合金(例えばアルミニウムに0.5重量%の銅を加えたもの)からなる。
金バンプ5は、金もしくは金を主成分とした合金(例えば金に1重量%のパラジウムを加えたもの)からなる。なお、金バンプ5は、スタッドバンプの場合などにも適用可能であり、また形状なども球状、楕円状に限定されるものではない。
電極用パッド4と金バンプ5の接続は、主に荷重を加えながら超音波を印加することにより、電極用パッド4のアルミニウムもしくはアルミニウム合金と、金バンプ5の金もしくは金合金が反応し、金とアルミニウムからなる金属間化合物を形成することにより完了する。
特に、この接続部では、段差による凹部を有する拡散防止層3を電極に形成し、金もしくは金合金と反応できるアルミニウムもしくはアルミニウム合金の量を限定した構造により、電極用パッド4と金バンプ5とは、電極用パッド4の面方向の寸法Aと、金バンプ5の面方向の寸法Bとがほぼ等しいものとなっている。あるいは、電極用パッド4と金バンプ5の接続部を面積で考えた場合に、一方が他方に対して±300%の範囲内となっていることが望ましい。
次に、第一の実施の形態における表面弾性波チップの電極構造の製造方法を、図2を用いて説明する。図2は、第一の実施の形態における表面弾性波チップの電極構造の製造方法の一例を示す断面図である。
まず、図2(a)のように、表面弾性波チップ1上にスパッタ等にて配線形成用薄膜21を形成する。配線形成用薄膜21は、アルミニウムもしくはアルミニウムを主成分とする合金(例えばアルミニウムに0.5重量%の銅を加えたもの)や、銅もしくは銅を主成分とする合金からなる。配線形成用薄膜21の厚さは1μm以下であることが望ましく、配線形成用薄膜21で櫛歯状電極(IDT電極)を形成する場合は所望の周波数帯域により0.1μm〜0.5μmの間の厚さで成膜する。
さらに、成膜された配線形成用薄膜21をパターニングすることにより配線形状を形成する(図2(b))。パターニングは、ドライエッチングでもウェットエッチングのどちらでもよい。この際に、金バンプ5が搭載される位置の配線形成用薄膜21に金バンプ5の接続面積の3倍以下の面積を開口しておく。開口部の形状はどのような形状でもよく、円形でも四角形等の角を有する形状でも構わない。
続いて、図2(c)のように、拡散防止用薄膜31をスパッタ等にて形成する。この拡散防止用薄膜31の厚さは0.02μm程度あれば金の拡散を防止することができるが、金の拡散を防止でき、且つ表面弾性波チップ1や配線薄膜2と拡散防止用薄膜31の密着力が確保される厚さであればよい。この際に、拡散防止用薄膜31は、開口部の形状に倣って凹凸形状となる。
さらに、図2(d)のように、拡散防止層3を形成させる箇所にレジスト32を形成し、エッチングすることにより、図2(e)のように拡散防止層3をパターニングできる。図2(d)では、レジスト32としてはネガ型レジストでもポジ型レジストでもどちらでも構わない。そして、レジスト32を除去すると、図2(f)の凹部の構造が得られる。その後、先ほど形成した凹部に電極用パッド4を形成することにより、第一の実施の形態の構造が得られる(図2(g))。
電極用パッド4の形成方法の例としては、図2(f)の状態からスパッタ等でアルミニウムもしくはアルミニウム合金の膜を形成し、さらにレジストを塗布する。露光および現像することにより電極用パッド4が形成できるようにパターニングを行い、ウェットもしくはドライエッチングにより電極用パッド4を形成する。他の形成方法としては、図2(f)の状態からレジストを塗布し、露光および現像することにより電極用パッド4が形成できるように開口部を形成する。その後、無電解めっきにより電極用パッド4を形成する。
電極用パッド4と金バンプ5の接続界面では金−アルミニウム化合物が形成されるが、化合物の種類によっては非常にもろくなるために信頼性が低下すること、アルミニウムの厚さが厚いと金とアルミニウムの拡散速度の差により形成されるボイドが主要因となり信頼性を低下させることがわかっている。そのため、電極用パッド4の厚さは1.2μm以下が望ましく、超音波接続時に表面弾性波チップ1の割れやパッド剥がれが発生しない厚さで薄い方が望ましい。
以上のように形成された第一の実施の形態(図1)では、電極用パッド4が配線薄膜2などから島状に独立していることから、金バンプ5に対して反応できる電極用パッド4のアルミニウム量を制限することができる。例えば、図13のような従来の電極構造(一層目薄膜6+拡散防止膜7+二層目薄膜8)では、厚み方向の反応は拡散防止膜7で抑制できたが、厚み方向に垂直な方向、いわゆる面方向への拡散は防止できなかった。そのため、面方向へ反応が進行することにより、脆い金−アルミニウム間化合物やボイドが形成され導通不良を引き起こす場合があった。これに対して、本発明の第一の実施の形態は、反応できるアルミニウム量を拡散防止層3により制限する形状であるため、面方向への金の拡散を抑制することができ、よって接続信頼性を向上できる。また、従来のプロセスから工程の追加や設備投資をすることなく、接続信頼性の高い表面弾性波デバイスを形成することができる。
図3は、本発明の第二の実施の形態の表面弾性波デバイスにおいて、表面弾性波チップの電極構造の一例を示す断面図である。
第二の実施の形態における表面弾性波チップの電極構造は、表面弾性波チップ1の表面上に形成される、薄膜配線2、拡散防止層3、電極用パッド4からなり、前記第一の実施の形態に対して、拡散防止層3の形状が異なる以外は同様である。
第二の実施の形態における表面弾性波チップの電極構造の製造方法を、図4を用いて説明する。図4は、第二の実施の形態における表面弾性波チップの電極構造の製造方法の一例を示す断面図である。
まず、図4(a)のように、表面弾性波チップ1上にスパッタ等にて配線形成用薄膜21を形成する。配線形成用薄膜21の厚さは1μm以下であることが望ましく、配線形成用薄膜21で櫛歯状電極(IDT電極)を形成する場合は所望の周波数帯域により0.1μm〜0.5μm厚の間で成膜する。
さらに、成膜された配線形成用薄膜21をパターニングすることにより配線形状を形成する(図4(b))。パターニングは、ドライエッチングでもウェットエッチングのどちらでもよい。第二の実施の形態では、前記第一の実施の形態で記したような開口は形成しない。
続いて、図4(c)のように、拡散防止用薄膜31をスパッタ等にて形成する。この拡散防止用薄膜31の厚さは0.02μm程度あれば金の拡散を防止することができるが、金の拡散を防止でき、且つ表面弾性波チップ1や薄膜配線2と拡散防止用薄膜31の密着力が確保される厚さであればよい。
さらに、図4(d)のように、拡散防止層3を形成させる箇所にレジスト32を形成し、エッチングすることにより、図4(e)のように拡散防止層3をパターニングできる。図4(d)では、レジスト32としてはネガ型レジストでもポジ型レジストでもどちらでも構わない。そして、レジスト32を除去すると、図4(f)の構造が得られる。その後、電極用パッド4を形成することにより、第二の実施の形態の構造が得られる(図4(g))。
電極用パッド4の形成方法の例としては、図4(f)の状態からスパッタ等でアルミニウムもしくはアルミニウム合金の膜を形成し、さらにレジストを塗布する。露光および現像することにより電極用パッド4が形成できるようにパターニングを行い、ウェットもしくはドライエッチングにより電極用パッド4を形成する。他の形成方法としては、図4(f)の状態からレジストを塗布し、露光および現像することにより電極用パッド4が形成できるように開口部を形成する。その後、無電解めっきにより電極用パッド4を形成する。
電極用パッド4と金バンプ5の接続界面では金−アルミニウム化合物が形成されるが、化合物の種類によっては非常にもろくなるために信頼性が低下すること、アルミニウムの厚さが厚いと金とアルミニウムの拡散速度の差により形成されるボイドが主要因となり信頼性を低下させることがわかっている。そのため、電極用パッド4の厚さは1.2μm以下が望ましく、超音波接続時に表面弾性波チップ1の割れやパッド剥がれが発生しない厚さで薄い方が望ましい。
以上のように形成された第二の実施の形態(図3)では、前記第一の実施の形態の利点に加えて、電極用パッド4の下に薄膜配線2が存在するため、超音波接続時に薄膜配線2が応力緩和材として作用する。また、金バンプ5と電極用パッド4がすべて反応して金−アルミニウム化合物になった場合にも、薄膜配線2が応力緩和材として作用するため、接続信頼性が向上する。
第二の実施の形態では、第一の実施の形態と異なり、拡散防止層3には段差が形成されない。後述する基板(パッケージ基板11)に設けられた電極に金属バンプ(電極間接続部材)5を介して接続される表面弾性波チップの電極を、この表面弾性波チップの主面に拡散防止層3を第1層(導体層)として、電極用パッド4を第2層(導体層)として、順次積層させて形成するとき、本実施の形態では、当該第1層に段差を形成する工程が不要となる。表面弾性波チップの主面内にて、この第2層の端部の少なくとも一部が第1層の端部から離れている(換言すれば、第2層の面積が第1層のそれより小さい)とき、第1層の第2層の端部から突き出た部分は、第2層をなす材料の表面弾性波チップ主面に沿う拡散を効率よく抑えるものと推察される。すなわち、第1層は、これが第2層をなすアルミニウム又はその合金の表面弾性波チップ主面内における拡散を抑える材料で形成されたがゆえの、拡散防止層3としての機能を発現する。
図3に示す如く、本実施の形態では、表面弾性波チップ主面内における第2層の端部の少なくとも一部(対向し合う一対の辺)が、第1層上にその対向し合う一対の辺(端部)の夫々から離されて位置する。これにより、第1層の拡散防止層3としての機能が高まると推察される。この観点によれば、表面弾性波チップ主面内にて、第2層の端部の全周を第1層の端部から離し、第2層を第1層上に言わばアイランド状に形成することが望ましい。これにより、第2層(電極用パッド4)をなす前記アルミニウム又はアルミニウム合金と電極間接続部材(金属バンプ5)をなす金又は金の合金との相互拡散による第2層と電極間接続部材との接合において、当該アルミニウム又はアルミニウム合金の適量が当該金又は金の合金と反応する。この効果は、第1層の面の少なくとも第2層が形成される領域及びこの領域を囲む領域が平坦に形成されているときに限らず、前述した第一の実施の形態においても認められる。
図5は、本発明の第三の実施の形態の表面弾性波デバイスにおいて、表面弾性波チップの電極構造の一例を示す断面図である。
第三の実施の形態における表面弾性波チップの電極構造は、表面弾性波チップ1の表面上に形成される、薄膜配線2、拡散防止層3、電極用パッド4からなり、前記第一の実施の形態に対して、拡散防止層3の形状が異なる以外は同様である。
第三の実施の形態における表面弾性波チップの電極構造の製造方法を、図6を用いて説明する。図6は、第三の実施の形態における表面弾性波チップの電極構造の製造方法の一例を示す断面図である。
まず、図6(a)のように、表面弾性波チップ1上にスパッタ等にて電極形成用薄膜41を形成する。電極形成用薄膜41は、アルミニウムもしくはアルミニウムを主成分とする合金(例えばアルミニウムに0.5重量%の銅を加えたもの)からなる。
さらに、電極形成用薄膜41上にレジストを塗布し、パターニングする。その後、エッチングすることにより、図6(b)のような電極用パッド4を形成する。エッチングにはドライエッチングでもウェットエッチングでも良いが、端部にテーパーがある方が後に形成する拡散防止用薄膜31が形成しやすいためウェットエッチングが適している。
続いて、図6(c)のように、拡散防止用薄膜31をスパッタ等にて形成する。この拡散防止用薄膜31の厚さは0.02μm程度あれば金の拡散を防止することができるが、金の拡散を防止でき、且つ表面弾性波チップ1や電極用パッド4と拡散防止用薄膜31の密着力が確保される厚さであればよい。
さらに、図6(d)のように、拡散防止層3を形成させる箇所にレジスト32を形成し、エッチングすることにより、図6(e)のように拡散防止層3をパターニングできる。この際に、金バンプ5と接続する箇所の拡散防止用薄膜31も除去するが、除去面積は金バンプ5の接続面積の3倍以下の面積を開口する。図6(d)では、レジスト32としてはネガ型レジストでもポジ型レジストでもどちらでも構わない。そして、レジスト32を除去すると、図6(f)の構造が得られる。その後、配線形成用薄膜を形成し、パター二ングすることにより、薄膜配線2を形成する。これにより、第三の実施の形態の構造が得られる(図6(g))。
薄膜配線2の形成方法の例としては、図6(f)の状態からスパッタ等でアルミニウムもしくはアルミニウム合金の膜を形成し、さらにレジストを塗布する。露光および現像することにより薄膜配線2が形成できるようにパターニングを行い、ウェットもしくはドライエッチングにより薄膜配線2を形成する。他の形成方法としては、図6(f)の状態からレジストを塗布し、露光および現像することにより薄膜配線2が形成できるように開口部を形成する。その後、無電解めっきにより薄膜配線2を形成する。
なお、薄膜配線2の形成方法の例を上記したが、薄膜配線2と同時に櫛歯状電極(IDT電極)を形成する場合は、所望の周波数帯域により0.1μm〜0.5μmの間の厚さで成膜する。そして、成膜された配線形成用薄膜をパターニングすることにより配線形状を形成する。パターニングは、ドライエッチングでもウェットエッチングのどちらでもよいが、櫛歯状電極を同時に形成する場合はドライエッチングが適している。
以上のように形成された第三の実施の形態(図5)では、前記第一の実施の形態の利点に加えて、薄膜配線2下に拡散防止層3が存在するため、薄膜配線2と表面弾性波チップ1の密着性が向上すること、また、最終工程で櫛歯状電極を形成するため、歩留まりが向上することが期待できる。
図7は、本発明の第四の実施の形態の表面弾性波デバイスにおいて、表面弾性波チップの電極構造の一例を示す断面図である。
第四の実施の形態における表面弾性波チップの電極構造は、表面弾性波チップ1の表面上に形成される、薄膜配線2、拡散防止層3、電極用パッド4からなり、前記第一の実施の形態に対して、拡散防止層3の形状が異なる以外は同様である。
第四の実施の形態における表面弾性波チップの電極構造の製造方法を、図8を用いて説明する。図8は、第四の実施の形態における表面弾性波チップの電極構造の製造方法の一例を示す断面図である。
まず、図8(a)のように、表面弾性波チップ1上にスパッタ等にて拡散防止用薄膜31を形成する。この拡散防止用薄膜31は、厚さ0.02μm程度あれば金の拡散を防止することができるが、金の拡散を防止でき、且つ表面弾性波デバイス1と拡散防止用薄膜31の密着力が確保される厚さであればよい。
さらに、拡散防止膜31をパターニング、エッチングすることにより、図8(b)のような拡散防止層3を形成する。エッチングには、ドライエッチングでもウェットエッチングでも良いが、ドライエッチングが適している。
続いて、図8(c)のように、配線形成用薄膜21をスパッタ等にて形成する。この配線形成用薄膜21から櫛歯状電極(IDT電極)を形成する場合は、所望の周波数帯域により0.1μm〜0.5μmの間の厚さで配線形成用薄膜21を成膜する。
さらに、図8(d)のように、薄膜配線2を形成させる箇所にレジスト32を形成し、エッチングすることにより、図8(e)のように薄膜配線2をパターニングできる。パターニングは、ドライエッチングでもウェットエッチングのどちらでもよいが、櫛歯状電極を同時に形成する場合はドライエッチングが適している。そして、レジスト32を除去すると、図8(f)の構造が得られる。
最後に、図8(g)のように、電極用パッド4を金バンプ5の接続面積の3倍以下の面積で形成することにより、第四の実施の形態の構造が得られる。第四の実施の形態では、図8(g)で電極用パッド4を新たに形成したが、図8(d)にて電極用パッド4の形成部にもレジスト32を残しておき、薄膜配線2の形成と同時に電極用パッド4を形成してもよい。
電極用パッド4と金バンプ5の接続界面では金−アルミニウム化合物が形成されるが、化合物の種類によっては非常にもろくなるために信頼性が低下すること、アルミニウムの厚さが厚いと金とアルミニウムの拡散速度の差により形成されるボイドが主要因となり信頼性を低下させることがわかっている。そのため、電極用パッド4の厚さは1.2μm以下が望ましく、超音波接続時に表面弾性波チップ1の割れやパッド剥がれが発生しない厚さで薄い方が望ましい。
以上のように形成された第四の実施の形態(図7)では、前記第一の実施の形態の利点に加えて、最終工程で櫛歯状電極を形成するため、歩留まりが向上すること、また、電極用パッド4を薄膜配線2と一括して形成することにより、工程低減が可能なことが期待できる。
図9は、前記第一から第四の実施の形態における表面弾性波チップの電極構造を適用した、本発明の第五の実施の形態の表面弾性波デバイスの全体構造の一例を示す断面図である。
第五の実施の形態の表面弾性波デバイスは、表面弾性波チップ1と、この表面弾性波チップ1が搭載されるパッケージ基板11と、表面弾性波チップ1の電極とパッケージ基板11の電極とを接続する金バンプ5と、パッケージを封止する封止樹脂12等から構成され、表面弾性波チップ1とパッケージ基板11とがフリップチップ方式により接続されている。この例では、表面弾性波チップ1に櫛歯状電極13が形成されているため、封止樹脂12の流動抑止枠14が設けられている。なお、図9(後述する図10、図11も同様)においては、表面弾性波デバイスの外部接続用の電極は省略している。
第五の実施の形態の表面弾性波デバイスの製造方法は、まず、表面弾性波チップ1の電極に金バンプ5を搭載し、これをパッケージ基板11の電極に位置合わせして搭載する。あるいは、逆に、パッケージ基板11の電極に金バンプ5を搭載し、これに表面弾性波チップ1の電極を位置合わせして搭載してもよい。そして、封止樹脂12により封止することにより、第五の実施の形態の表面弾性波デバイスが得られる。この第五の実施の形態の表面弾性波デバイスにおいても、前記第一から第四の実施の形態と同様の利点が期待できる。
図10、第11は、本発明の第六、第七の実施の形態の表面弾性波デバイスの全体構造の一例を示す断面図である。
第六、第七の実施の形態の表面弾性波デバイスは、前記第五の実施の形態と同様に、表面弾性波チップとパッケージ基板とがフリップチップ方式により接続されるが、パッケージ構造が異なる。
すなわち、第六の実施の形態の表面弾性波デバイスは、表面弾性波チップ1と、この表面弾性波チップ1が搭載される凹状のパッケージ基板11aと、表面弾性波チップ1の電極とパッケージ基板11aの電極とを接続する金バンプ5と、パッケージを気密封止するキャップ15等から構成される。
一方、第七の実施の形態の表面弾性波デバイスは、表面弾性波チップ1と、この表面弾性波チップ1が搭載される平面状のパッケージ基板11bと、表面弾性波チップ1の電極とパッケージ基板11bの電極とを接続する金バンプ5と、パッケージを気密封止する凹状のキャップ15a等から構成される。
第六、第七の実施の形態の表面弾性波デバイスの製造方法は、表面弾性波チップ1とパッケージ基板11a,11bとを金バンプ5を介して接続した後、キャップ15,15aで気密封止することにより第六、第七の実施の形態の表面弾性波デバイスが得られ、前記第一から第四の実施の形態と同様の利点が期待できる。
図12は、本発明の第八の実施の形態の表面弾性波デバイスの全体構造の一例を示す断面図である。
第八の実施の形態の表面弾性波デバイスは、前記第五の実施の形態と異なり、表面弾性波チップとパッケージ基板とがワイヤボンディング方式により接続される例である。
すなわち、第八の実施の形態の表面弾性波デバイスは、表面弾性波チップ1と、この表面弾性波チップ1が搭載される凹状のパッケージ基板16と、表面弾性波チップ1の電極とパッケージ基板16の電極とを接続する金ワイヤ17と、パッケージを気密封止するキャップ18等から構成される。この例では、表面弾性波チップ1に櫛歯状電極13が形成されている。
パッケージ基板16には、基板内配線(スルーホールを含む)19が形成され、一方は金ワイヤ17が接続される電極に接続され、他方は外部接続用の電極に接続されている。
第八の実施の形態の表面弾性波デバイスの製造方法は、まず、表面弾性波チップ1をパッケージ基板16に位置合わせして搭載する。さらに、表面弾性波チップ1の電極とパッケージ基板16の電極とを金ワイヤ17で接続する。そして、キャップ18で気密封止することにより、第八の実施の形態の表面弾性波デバイスが得られ、前記第一から第四の実施の形態と同様の利点が期待できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明は、携帯電話機などの通信機器に高周波フィルタとして使用される表面弾性波デバイスに関し、特に、この表面弾性波デバイスの小形化実装技術に良好に適用することができる。
1…表面弾性波チップ、2…薄膜配線、3…拡散防止層、4…電極用パッド、5…金バンプ、6…一層目薄膜、7…拡散防止膜、8…二層目薄膜、11,11a,11b…パッケージ基板、12…封止樹脂、13…櫛歯状電極、14…流動抑止枠、15,15a…キャップ、16…パッケージ基板、17…金ワイヤ、18…キャップ、19…基板内配線、21…配線形成用薄膜、31…拡散防止用薄膜、32…レジスト、41…電極形成用薄膜。
Claims (12)
- 表面弾性波チップと、前記表面弾性波チップが接続される基板とを有し、
前記表面弾性波チップは、その表面上のアルミニウムもしくはアルミニウム合金からなる電極に、金もしくは金合金からなる電極間接続部材が接続され、
前記金もしくは金合金と反応できる前記アルミニウムもしくはアルミニウム合金の量を限定することにより、前記電極と前記電極間接続部材とは、面方向の寸法がほぼ等しいものであることを特徴とする表面弾性波デバイス。 - 請求項1記載の表面弾性波デバイスにおいて、
前記電極は、段差を有する拡散防止層を含み、
前記拡散防止層の段差により、前記金もしくは金合金と反応できる前記アルミニウムもしくはアルミニウム合金の量を限定することにより、前記電極と前記電極間接続部材との面方向の寸法が決められることを特徴とする表面弾性波デバイス。 - 請求項1記載の表面弾性波デバイスにおいて、
前記電極と前記電極間接続部材とは、超音波により接続されることを特徴とする表面弾性波デバイス。 - 請求項2記載の表面弾性波デバイスにおいて、
前記拡散防止層は、チタン、クロム、銅、白金、パラジウム、タングステンおよびニッケルのいずれかを主成分とした材料であることを特徴とする表面弾性波デバイス。 - 請求項2記載の表面弾性波デバイスにおいて、
前記電極と前記電極間接続部材とは、一方が他方に対して±300%の範囲内の面積であることを特徴とする表面弾性波デバイス。 - 請求項1記載の表面弾性波デバイスにおいて、
前記表面弾性波チップと前記基板とは、フリップチップ方式により接続され、
前記電極間接続部材は、バンプからなることを特徴とする表面弾性波デバイス。 - 請求項1記載の表面弾性波デバイスにおいて、
前記表面弾性波チップと前記基板とは、ワイヤボンディング方式により接続され、
前記電極間接続部材は、ワイヤからなることを特徴とする表面弾性波デバイス。 - 第1電極が形成された主面を有する表面弾性波チップと、前記表面弾性波チップの前記第1電極に接続される第2電極を有する基板と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられる電極間接続部材とを備え、
前記電極間接続部材は金又はその合金からなり、
前記表面弾性波チップの前記第1電極は、前記主面上に形成された第1層と該第1層上に形成され且つ前記電極間接続部材と接合される第2層とを含み、
前記第2層はアルミニウム又はその合金からなり、且つ前記主面内におけるその端部の少なくとも一部が前記第1層の端部から離れるように成形され、
前記第1層は前記第2層からの前記アルミニウム又はその合金の前記主面内における拡散を抑える材料により形成されていることを特徴とする表面弾性波デバイス。 - 請求項8記載の表面弾性波デバイスにおいて、
前記第1層は、その面の少なくとも前記第2層が形成される領域及びこの領域を囲む領域が平坦に形成されていることを特徴とする表面弾性波デバイス。 - 請求項8記載の表面弾性波デバイスにおいて、
前記表面弾性波チップの前記主面内における前記第2層の端部の全周は、前記第1層の端部から離れていることを特徴とする表面弾性波デバイス。 - 請求項8記載の表面弾性波デバイスにおいて、
前記電極間接続部材と前記第2層とは、前記電極間接続部材をなす前記金又はその合金と前記第2層をなす前記アルミニウム又はその合金とを相互に拡散させて接合されることを特徴とする表面弾性波デバイス。 - 請求項8記載の表面弾性波デバイスにおいて、
前記表面弾性波チップの前記主面と前記第1層との間には、前記第1層に接する配線層が形成されていることを特徴とする表面弾性波デバイス。
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---|---|---|---|---|
JP2010259002A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Murata Mfg Co Ltd | 弾性表面波素子の製造方法 |
JP2018195673A (ja) * | 2017-05-16 | 2018-12-06 | 富士通株式会社 | バンプ及びその形成方法、並びに基板 |
US10291201B2 (en) | 2014-05-20 | 2019-05-14 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Elastic wave device and method for manufacturing same |
JP2022020084A (ja) * | 2020-06-26 | 2022-02-01 | NDK SAW devices株式会社 | 弾性表面波デバイス |
-
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- 2005-04-11 JP JP2005113530A patent/JP2006295548A/ja active Pending
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