JP2006293027A - 電気泳動粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無機顔料を電気泳動粒子内に均一に分散させることにより駆動安定性に優れ、特に無機顔料としてカーボンブラックを用いた時には黒色度の高い電気泳動粒子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 表面に水酸基および/またはカルボキシル基を有する無機顔料粒子と、無機顔料粒子を被覆する高分子体とを含む電気泳動粒子であって、一般式(I)で示される化合物が、下記官能基Xを介して無機顔料粒子表面の水酸基および/またはカルボキシル基に結合し、かつ官能基Rを介して高分子体に結合している。
Figure 2006293027

(式中、Rは重合性官能基、Xは水酸基および/またはカルボキシル基に対し反応活性を有する基を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気泳動粒子及びその製造方法に関する。
近年、情報機器の発達に伴い、低消費電力かつ薄型の表示装置のニーズが増しており、これらニーズに合わせた表示装置の研究、開発が盛んに行われている。中でも液晶表示装置は、液晶分子の配列を電気的に制御し液晶の光学的特性を変化させる事ができ、上記のニーズに対応できる表示装置として活発な開発が行われ商品化されている。
一方、低消費電力、眼への負担軽減などの観点から反射型表示装置が期待されている。その1つとして、絶縁性溶媒中に分散した電気泳動粒子が電極間を移動することにより表示が行われる電気泳動表示装置が知られている。
電気泳動表示装置の基本的な構造として、図1、3に電気泳動粒子が水平に移動する例、図2に電気泳動粒子が垂直に移動する例、図4に電気泳動粒子と分散媒からなる電気泳動表示用分散液が内包されたマイクロカプセルを使用した例を示す。
たとえば、図1に示した電気泳動粒子が水平に移動する例の場合、電気泳動表示装置は所定間隙を開けた状態に配置された第1基板及び第2基板を備えており、これらの基板の間隙には絶縁性溶媒や電気泳動粒子が配置されている。
また、各画素には、面積の大きな第1電極と面積の小さな第2電極とが一方の基板(第1基板)に沿うように配置されていて、電気泳動粒子の極性と、両電極に印加する電圧の極性に応じて
(1)電気泳動粒子が第1電極に引き付けられて広い領域に分散された場合には該電気泳動粒子の色(例えば、黒色)が視認され、
(2)電気泳動粒子が第2電極に引き付けられ狭い領域に集積された場合には第1電極が形成された領域の色(例えば、白色)が視認される、
ようになっており、そのときの色の違いを利用して表示を行うようになっている。
これら電気泳動表示装置における表示性能や表示安定性は、電気泳動表示用分散液、特に電気泳動の主体となる電気泳動粒子の特性によって大きく影響を受けることから、これら電気泳動表示装置に使用される電気泳動粒子についての提案がなされている。(特許文献1)
特開平3−249738号公報(第1頁)
表示特性を評価するための尺度は様々なものが挙げられているが、代表的なものとしては、たとえばコントラストや視野角、輝度や応答速度等を挙げることができる。その中でも視認性の向上のためにはさらなる白輝度の向上と黒輝度の低下、それに伴うコントラストの向上が求められている。それに対し、たとえば先に示したように黒色の電気泳動粒子を用いる場合は黒味を向上させるために、黒色無機顔料であるカーボンブラックを樹脂中に分散させた電気泳動粒子を用いればよいが、樹脂粒子中にカーボンブラックを安定に内包させるための方法はいまだ確立するに至っていない。
また、応答速度や駆動電圧に顕著な影響を与える電気泳動粒子の帯電特性や、電気泳動表示用分散液中での電気泳動粒子の分散安定性、駆動電圧の極性切り替え時の表示安定性等は電気泳動粒子の表面の化学的・物理的特性に大きな影響を受けるため、無機顔料を分散させた電気泳動粒子を用いる場合は、該無機顔料が電気泳動粒子内部に均一に分散していることが望ましい。
それに対し現状では、それ以外にも無機顔料が粒子内部で局在化した粒子や、電気泳動粒子表面に偏在化した粒子等が混在してしまい、電気泳動粒子の特性のばらつきの原因や、表示安定性への悪影響が生じている。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、電気泳動粒子内部に無機顔料が均一に分散された電気泳動粒子及びその製造方法を提供するとともに、表示特性に優れ、表示安定性の向上した電気泳動表示装置を提供するものである。
即ち、本発明は、表面に水酸基および/またはカルボキシル基を有する無機顔料粒子と、前記無機顔料粒子を被覆する高分子体とを含む電気泳動粒子であって、下記一般式(I)で示される化合物が、下記官能基Xを介して前記無機顔料粒子表面の水酸基および/またはカルボキシル基に結合し、かつ下記官能基Rを介して前記高分子体に結合していることを特徴とする電気泳動粒子である。
Figure 2006293027
(式中、Rは重合性官能基、Xは水酸基および/またはカルボキシル基に対し反応活性を有する基を示す。)
前記電気泳動粒子の1粒子内に前記無機顔料粒子を複数個含有することが好ましい。
前記一般式(I)のRがビニル基を有することが好ましい。
前記一般式(I)のXが、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基またはアミノ基であることが好ましい。
前記無機顔料粒子がカーボンブラックを含むことが好ましい。
前記無機顔料粒子が、酸化処理したカーボンブラックを含むことが好ましい。
前記無機顔料粒子が、フェロセンカルボン酸で処理したカーボンブラックからなることが好ましい。
前記電気泳動粒子の表面にシェル層を有することが好ましい。
また、本発明は、表面に水酸基および/またはカルボキシル基を有する無機顔料粒子と、前記無機顔料粒子を被覆する高分子体とを含む電気泳動粒子の製造方法であって、
(1)前記無機顔料粒子を下記一般式(I)で示される化合物で表面処理する工程、
(2)前記表面処理された無機顔料粒子を重合性モノマー中に分散する工程、ならびに
(3)重合性モノマーを重合させると同時に下記官能基Rと結合させ前記高分子体を得る工程
を有することを特徴とする電気泳動粒子の製造方法である。
Figure 2006293027
(式中、Rは重合性官能基、Xは水酸基および/またはカルボキシル基に対し反応活性を有する基を示す。)
本発明による表面を重合性の官能基で処理した無機顔料を用い、無機顔料を高分子重合体の内部に均一に分散させた電気泳動粒子を用いることで、駆動安定性に優れた電気泳動表示装置を提供することができる。特に無機顔料としてカーボンブラックを用いた時はカーボンブラックが電気泳動粒子内部に均一に分散することから黒反射率の低い電気泳動表示装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1〜5を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、これらの図は、本発明に係る電気泳動表示装置の構成を示す図ではあるが、便宜上、一例を模式的に示すものである。
図1〜4は本発明に係る電気泳動表示装置の構造の一例を示す概略図である。
本発明は、電気泳動粒子1が水平移動する電気泳動表示装置(図1参照)にも、また電気泳動粒子1が垂直移動する電気泳動表示装置(図2参照)にも適用できる。ここで、水平移動型とは、図1に示すように、第1電極4a及び第2電極4bの両方をいずれか一方の基板3a又は3bに沿うように配置し、電気泳動粒子1が基板3a,3bに沿って移動するように構成したものを意味する。これに対して、垂直移動型とは、図2に示すように、分散媒2を挟み込むように第1電極4a及び第2電極4bを別々の基板側に配置し、電気泳動粒子1が基板3a,3bに対して垂直方向(法線方向)に移動するように構成したものを意味する。なお、図1ならびに図2に例示した電気泳動粒子は、正極性に帯電しているものとする。なお、本発明において、無機顔料粒子を無機顔料とも称する。
一方、図3の電気泳動表示装置は第1電極4aを隔壁5内部に配置した構成をとる。第1電極4aを共通電極とし、各画素(たとえば画素A、画素B)に対応する第2電極4bに電圧を印加することにより、電気泳動粒子を隔壁5の側面に集めたり(図3(a))、あるいは第2電極上に配置し(図3(b))、表示を行うことができる。
以下、図3の水平移動型の電気泳動表示装置を例として説明する。
本発明に係る電気泳動表示装置は、図3に示すように、複数の電気泳動粒子1と、これらの電気泳動粒子1が分散された分散媒2とを含有する分散液10を備え、電圧を印加して前記電気泳動粒子1を移動させることに基づき、画像を表示するよう構成されている。
本発明の電気泳動粒子1には、着色するために無機顔料が含まれる。無機顔料の種類は、使用する電気泳動表示装置の表示方法に合わせて決定されるが、具体的には鉛白、亜鉛華、リトポン、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、カオリン、雲母、硫酸バリウム、グロスホワイト、アルミナホワイト、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カドミウムイエロー、カドミウムリポトンイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリポトンオレンジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリポトンレッド、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリーン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、黒色低次酸化チタン、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、すず粉、亜鉛粉等が挙げられる。これらの無機顔料は、粉砕・造粒等の公知の方法で粒径・形状を制御できる。これらの無機顔料の中でも、電気泳動粒子を黒色化するにはカーボンブラックが好ましく、白色化するには酸化チタンが好ましい。
無機顔料の平均粒径は、0.005μm〜0.5μmが好ましく、さらに好ましくは0.005μm以上0.1μm以下の範囲である。0.005μm未満であるとハンドリングが極端に低下し、0.5μmを超えると得られる電気泳動粒子の粒径が大きくなりすぎる。無機顔料の粒子形状は、球形でも非球形でもよい。
本発明において、無機顔料は、その表面に重合性官能基を有する一般式(I)で示される化合物が化学的に結合されている表面処理無機顔料を用いることを特徴とする。これら、表面処理無機顔料を含有する電気泳動粒子を作製するには、たとえば電気泳動粒子を構成するモノマーに無機顔料を分散させた後重合する方法や、電気泳動粒子を構成するポリマーと無機顔料を熔融混錬した後粉砕する方法等が知られているが、得られる電気泳動粒子の均一性の観点から無機顔料をモノマーに分散した後に重合させる方法がより好ましく用いられる。一方、重合方法としては目的とする電気泳動粒子の粒径やモノマーの種類等によって適宜選択されるものであり、特に限定されるものではないが、乳化重合や懸濁重合、分散重合やシード重合等の公知の方法を用いることができる。
また、本発明における電気泳動粒子はその表面に上記高分子重合体とは異なる構造を有するポリマーからなる被覆層(シェル層)をさらに有しても良い。シェル層として、電気泳動分散媒と親和性の高いポリマーを用いることで分散媒中への電気泳動粒子の分散性の向上を図ることが可能となる。また、帯電付与機能を有するポリマーを用いることで電気泳動粒子の帯電性の向上を図ることが可能となる。
ところが、前述の課題のところでも述べたように、たとえばカーボンブラックを内包した粒子を作製しようとした場合に、重合の過程においてカーボンブラックが電気泳動粒子内部から排斥され、粒子表面に偏在してしまうことや、粒子内部に取り込まれてもカーボンブラックが部分的に局在化してしまうことが判明した。その原因は定かではないが、カーボンブラックが原料モノマーに対しては親和性を示した場合でもポリマーに対しての親和性が低い場合や、あるいは、カーボンブラックの原料モノマーに対する親和性が初期より充分ではなかったために粒子内部に均一に分散することが出来なかったものと思われる。
それに対し、重合性官能基を有する一般式(I)で示される化合物で表面処理した表面処理無機顔料を用いることで、無機顔料の偏在化を抑制し、電気泳動粒子内部に均一に分散させることが可能なことが判明した。これは、表面に重合性官能基を化学的に結合させた表面処理無機顔料の場合は、重合の進行に伴い電気泳動粒子の構成ポリマーと無機顔料表面の重合性官能基が反応することによりポリマーマトリクスとの間に化学的な結合が生じ、固定化されることによりポリマーから排斥されることが抑えられたものと思われる。
また、重合性官能基を無機顔料表面に導入する方法を種々検討した結果、無機顔料表面に存在する水酸基やカルボキシル基を利用することが無機顔料表面に重合性官能基を化学的に結合させる上で最も有効であることを見出した。無機顔料は、その表面に様々な官能基を有するものがある。たとえば前述の本発明に使用可能な具体的な無機顔料の中でも黒色化するに好ましく用いられるカーボンブラックには、その表面に水酸基やカルボキシル基が存在することが知られている。また、白色化するに好ましく用いられる酸化チタンには、その表面に水酸基が存在することが知られている。これら水酸基やカルボキシル基を利用して、無機顔料と、一般式(I)で示される分子内に重合性官能基と水酸基および/またはカルボキシル基と反応活性を有する基を有する化合物を反応させることで、簡便に無機顔料表面に重合性官能基を導入することが可能となることを見出したものである。また、これらの水酸基やカルボキシル基を反応サイトとして利用することにより、これら官能基が有する親水性をコントロールすることが可能となり、結果として電気泳動粒子を構成するモノマーへの親和性を向上させることも可能となるものである。
本発明において無機顔料としてカーボンブラックを用いる場合は、一般式(I)で示される化合物と反応させる前に、予めカーボンブラックを酸化処理することが可能である。カーボンブラックは種々のメーカーから、黒色度や粒径、比表面積等が異なる種々の商品が市販されており、目的とする電気泳動粒子の特性に応じて種々選択することができる。
一方、これらカーボンブラックはそれぞれの表面上に存在する水酸基やカルボキシル基の量が一律ではなく、その量が極端に少ないものも存在している。本発明においては、カーボンブラック上の水酸基および/またはカルボキシル基と一般式(I)で示される化合物を反応させ、カーボンブラックの表面を改質させることから、カーボンブラック表面上の水酸基、カルボキシル基の多寡が重要となる。そこで、カーボンブラック上の水酸基、カルボキシル基が少ない、もしくは表面を処理する上で不十分な場合は、一般式(I)で示される化合物と反応させる前に、予め硝酸、過酸化水素やオゾン等を用いてカーボンブラックを酸化し、カーボンブラック上に水酸基、カルボキシル基を生成させることが可能である。その結果、カーボンブラック表面へより多くの重合性官能基を導入することが可能となることから好ましい。
また、本発明において無機顔料としてカーボンブラックを用いる場合に、一般式(I)で示される化合物と反応させる前に、予めカーボンブラックをフェロセンカルボン酸で処理することが可能である。先に示したようにカーボンブラック上のカルボキシル基が少ない、もしくは不十分な場合に塩化アルミニウムならびにアルミニウム粉末を触媒としてフェロセンカルボン酸とカーボンブラックを反応させることにより、カーボンブラックを構成するベンゼン環とフェロセンのシクロペンタジエニドイオンとの間で配位子交換反応が起こり、カーボンブラック上に官能基としてのカルボキシル基を有するシクロペンタジエニドイオンを配位結合させることが可能となる。その結果、カーボンブラック表面へより多くの重合性官能基を導入することが可能となることから好ましい。
本発明の電気泳動粒子1は、一泳動粒子内に一無機顔料粒子を有する構成とすることができる。この場合目的とする電気泳動粒子の粒径に対し用いる無機顔料の粒径が極端に小さい場合は、結果として被覆層としての電気泳動粒子ポリマー層の厚みを厚くすることが必要となり、本来の無機顔料の色が淡色化されてしまうばかりではなく、無機顔料が存在する部分とポリマー層部分での着色状態の違いから粒子内での色むらが生じる可能性があるため、電気泳動粒子の粒径と無機顔料の粒径を適宜調整することが必要である。
したがって、本発明の構成においては一電気泳動粒子内に複数個の無機顔料を内包させることが好ましい。一電気泳動粒子内に複数個の無機顔料を有する場合は、その含有量によって、着色濃度や比重を適宜調整することが可能となる。また、電気泳動粒子内で無機顔料を均一に分散させることにより粒子内での色むらを軽減することも可能となることからも好ましい。一電気泳動粒子内に内包される無機顔料の個数は、用いる重合方法、重合条件、無機顔料の粒径、重合時の無機顔料濃度等によって適宜調整可能であるが、好ましくは粒子重量に対する無機顔料の含有量は3〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%の範囲にあることが好ましい。無機顔料の含有量が3重量%よりも少ない場合は無機顔料の色を電気泳動粒子に対し充分反映することが困難となる。一方20重量%よりも多い場合は電気泳動粒子を構成するポリマーの比率が相対的に低下することから粒子の耐久性が低下する恐れが生じる。なお、複数個とは2個以上を表すが、好ましくは1000個以上、より好ましくは3000個以上の無機顔料が一電気泳動粒子内に分散されていることが好ましい。
下記の一般式(I)で示される化合物における、重合性官能基を有する基Rは、例えばアクリル基やメタクリル基、ビニル基等の不飽和二重結合を有する基から選ばれる。
Figure 2006293027
また、一般式(I)式におけるXは、水酸基および/またはカルボキシル基に対し反応活性を有する基であり、具体的には水酸基および/またはカルボキシル基と直接もしくは触媒の存在下で反応し化学結合を生じ得る基を示す。
たとえば、水酸基に対し反応活性を有する基とは、直接反応してエステル結合を生じるカルボン酸クロライドやアミド結合を生じるイソシアネート基、またジシクロヘキシルカルボジイミド(以下DCCと略す)や1−エチル―3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(以下WSCと略す)及びその塩酸塩のような脱水縮合剤の存在下エステル結合を生じるカルボキシル基、さらにアルコキシ基等を示す。
また、カルボキシル基に対し反応活性を有する基とは、直接反応してウレタン結合を生じるイソシアネート基やDCC、WSCのような脱水縮合剤の存在下でアミド結合を生じるアミノ基やエステル結合を生じる水酸基等を示す。さらに、カルボキシル基を塩化チオニルや5酸化リン等でカルボン酸クロライドに処理することで、アミノ基やカルボキシル基、水酸基が反応活性を有する基として挙げることができる。これらの基の中でも水酸基とカルボキシル基の双方に対し反応活性を有することからイソシアネート基が好ましい。なお、ここで直接反応するとしたものに対しても、反応速度を上げるために触媒を添加することは当然可能である。
一般式(I)式で示される具体的な化合物としては、たとえばカルボキシル基を有する化合物としては、アクリル酸や、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸のアルキルエステル、フマル酸のアルキルエステル等を用いることができる。水酸基を有する化合物としては、たとえばヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシベンジルメタクリレート等を用いることができる。イソシアネート基を有する化合物としては2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等を用いることができる。
本発明の電気泳動粒子1の高分子重合体としては、分散媒に対して不溶な材料であれば特に限定はされないが、例えばポリエステル重合体、ポリスチレン重合体、ポリ(メタ)アクリレート重合体、スチレン(メタ)アクリレート共重合体、ポリカーボネート重合体、ポリアリレート重合体、ポリアクリロニトリル、ポリ尿素重合体、ナイロン重合体、ウレタン重合体、メラミン重合体等の高分子重合体が挙げられる。これら高分子重合体を2種類以上使用してもよい。これらの中で、ポリスチレン重合体、ポリ(メタ)アクリレート重合体、あるいはスチレン(メタ)アクリレート共重合体が、分散媒中への分散性が優れている点で好ましい。さらに高分子重合体は、溶媒に対する不溶化を目的として架橋処理を施して使用することもできる。
本発明の電気泳動粒子1の平均粒径は、0.1μm以上7μm以下の範囲であり、好ましくは0.1μm以上3μm以下の範囲が好ましい。0.1μm未満であると、ハンドリングが低下し、7μmを超えると表示の解像度が低下する。本発明の電気泳動粒子1においては、必要に応じて乾式分級、湿式分級等の公知の方法で、平均粒径を本発明の範囲内に制御することができる。
本発明の電気泳動粒子1は、着色度合いを調節するために、必要に応じて染料で染色することができる。染料に使用する染色剤としては、例えば、Valifast Red、Valifast Yellow、Oplas Red、Oil Scarlet〔オリエント化学社製〕、Oil Blue V、Oil Green、Bright Green、Sudan IV、Sudan III〔大和化工社製〕、Sumiplast Blue、Sumiplast Red HFG、Sumiplast Red HF4G、Sumiplast Yellow、Whiteflour B〔住友化学工業社製〕、Macrolex Red GS〔バイエル・ジャパン社製〕;Microlis Blue、Microlis Green〔日本チバガイギー社製〕等の油性染料、Orient Oil Black〔オリエント化学社製〕、Sumikaron Brilliant Blue、Sumikaron Violet〔住友化学工業社製〕、Kayacryl Black、Kayalon Polyester Blue、Kayaron Polyester Red〔日本化薬社製〕等が挙げられる。
本発明の電気泳動粒子1を分散させる分散媒2としては、導電率の低い高絶縁性有機溶媒が使用される。具体的には、ベンゼン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロシンなどのパラフィン系炭化水素溶媒、ナフテン系炭化水素ならびにイソパラフィン系炭化水素溶媒などの脂肪族炭化水素溶媒、クロロホルム、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、トリクロロトリフルオロエチレン、臭化エチルなどのハロゲン化炭化水素溶媒、あるいはシリコンオイル、高純度石油等が挙げられるが、中でも脂肪族炭化水素溶媒が好適に使用され、具体的にはアイソパーG、H,M,L、P、V(いずれもエクソン化学社製)、Shellsol(昭和シェルジャパン)、IPソルベント1016、1620、2028、2835(出光石油化学)、日石アイソゾール200、300、400(いずれも日本石油化学)が挙げられる。これらを単独、あるいは2種類以上混合して用いることができる。
本発明においては、電気泳動粒子1を分散させる分散媒2には、帯電制御剤を含有することができる。帯電制御剤としては、分散媒に可溶であるならば特に限定されないが、たとえばナフテン酸コバルト、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸鉄、ナフテン酸鉛、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸亜鉛等のナフテン酸系金属石鹸、オクテン酸コバルト、オクテン酸ジルコニウム、オクテン酸鉄、オクテン酸鉛、オクテン酸ニッケル、オクテン酸マンガン、オクテン酸亜鉛等のオクテン酸系金属石鹸、ステアリン酸系金属石鹸等の金属石鹸、ポリアミノポリブテルコハク酸イミド、レシチン等の公知のものが挙げられる。これらの帯電制御剤の中でも、金属石鹸が好ましい。帯電制御剤を用いる場合の含有量は、その種類によって適宜決められるが、分散媒100重量部に対して好ましくは0.0001〜5重量部、さらに好ましくは0.001〜1重量部の範囲である。
また、本発明の分散媒2中には、帯電制御剤の補助剤として、ロジンエステルまたはロジン誘導体を含有することができる。ロジンエステルまたはロジン誘導体としては分散媒に可溶であるならば特に限定されないが、たとえばガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、ロジン変性マレイン酸、ロジン変性ペンタエリスリトール、ロジングリセリンエステル、部分水素添加ロジンメチルエステル、部分水素添加ロジングリセリンエステル、部分水素添加ロジントリエチレングリコールエステル、完全水素添加ロジンペンタエリスリトールエステル、マレイン酸変性ロジンエステル、フマル酸変性ロジンエステル、アクリル酸変性ロジンエステル、マレイン酸変性ロジンペンタエリスリトールエステル、フマル酸変性ロジンペンタエリスリトールエステル、アクリル酸変性ロジングリセリンエステル、マレイン酸変性ロジングリセリンエステル、フマル酸変性ロジングリセリンエステル、アクリル酸変性ロジングリセリンエステル等が挙げられる。
さらに、本発明の分散媒2中には、分散媒に可溶する高分子樹脂を分散安定剤として使用することができる。具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、スチレンブタジエン共重合体、スチレンイソプレン共重合体、スチレン無水マレイン酸共重合体、ノルボルネン樹脂、ポリエチレンワックスが挙げられる。中でも、スチレンブタジエン共重合体が好ましく、例えば市販の材料としては、E−SBR、S−SBR(JSR(株)製)、NIPOL 1502、NIPOL 1712、NIPOL NS112、NIPOL NS116、NIPOL 1006、NIPOL 1009(日本ゼオン(株)製)、タフデン、タフプレン、アサプレン(旭化成社製)、住友SBR(住友化学(株)製)を使用することができる。
本発明においては、分散媒2に含有する上記成分を単独または2種類以上混合して用いることができる。また、本発明の分散媒中には、必要に応じて分散媒に可溶な陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤を含有してもよく、これらは単独、または2種以上混合して用いても良い。
本発明に用いる分散媒2は、使用する電気泳動表示装置の表示方法に合わせて粒子と異なる色に着色することができる。着色剤としては、分散媒に溶解可能な油溶性染料であれば特に限定はされない。
また、本発明では、電気泳動表示装置の表示方法に合わせて、粒子径、粒子成分、あるいは着色等が異なる2種類以上の電気泳動粒子1を使用してもよい。
本発明の電気泳動表示用分散液は、図3に示すように、マイクロカプセル7内に内包させて用いることができる。マイクロカプセルの内包方法としては、in−situ法、界面重合法、コアセルベーション法等の通常の方法が挙げられる。
マイクロカプセルの壁材としてはポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エポキシ、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ゼラチン等が挙げられる。
本発明の電気泳動表示装置に用いられるマイクロカプセルの大きさは1μm以上500μm以下の範囲であり、好ましくは20μm以上100μm以下の範囲である。
本発明の電気泳動粒子1は分散液2に対して任意の重量比で用いることが可能であるが、好ましくは、分散媒100重量部に対して0.1重量部以上20重量部以下の範囲である。
次に電気泳動表示装置を、図1を用いて説明する。
基板3a,3bには、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリカーボネート(PC)等のポリマーフィルム、ガラス、石英等の無機材料、あるいは表面に絶縁層を有するステンレス基板を使用することができる。なお、観察者側の基板3aには、可視光の透過率が高い材料、たとえば透明なポリマーフィルムやガラスを使用するとよい。また、基板3aの分散液と接する面にはゴム硬度が10以上90以下の範囲にある高分子材料、具体的にはシリコン樹脂、天然ゴム、熱可塑性エラストマー樹脂等を形成させてもよい。
電極4a,4bには、パターニング可能な導電性材料なら特に限定されないが、例えば酸化インジウムすず(ITO)、アルミ、チタンなどを挙げることができる。なお、図1に示す水平移動型電気泳動表示装置では、一方の電極4bが画素全体に形成され、他方の電極4aは、電極4bとは異なる高さに、画素の一部に該電極4bと重なるように形成されているが、もちろんこれに限られるものではなく、両電極4a,4bを同一高さに形成しても良く、その場合、電極4bは画素全体には形成できず、電極4a,4bは重なり合うことはない。あるいは電極が画素毎に分割されて形成されていても良い。
さらに、電極4a,4b等を覆うように絶縁層6を形成すると良く、絶縁層を形成した場合には、各電極4a,4bから電気泳動粒子1への電荷注入を防止できる。この絶縁層6に用いる材料としては、薄膜でピンホールが形成されにくいものが良い。具体的には、高い透明性を有するポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
また、隔壁5にはポリマー樹脂を使用すれば良い。具体的には、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ノボラック樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
隔壁5を形成する方法としては、光感光性樹脂層を塗布した後露光及びウエット現像を行う方法、印刷法によって形成する方法、隔壁を形成した後に基板に接着する方法、光透過性の基板表面にモールドによって形成しておく方法等を挙げることができる。
水平移動型の場合、上述した第1電極4a及び第2電極4bの内、いずれか一方の電極が配置された領域には電気泳動粒子1と同じ色を付し、他方の電極が配置された領域には異なる色に着色することができる。この場合、電極自体を着色してもよく、あるいは着色層を電極とは別に設けてもよく、電極と重なるように絶縁層を配置すると共に、その絶縁層を着色してもいずれでも良い。
垂直移動型の場合、電気泳動粒子を分散させる分散媒2を、粒子1と異なる色に着色することができる。これらにより2色表示が可能となるが、隣接される複数の画素で異なる色を表示することにより、表示装置全体としてはカラー表示をすることもできる。
以下、水平移動型の電気泳動表示装置の実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
電気泳動粒子の作製
冷却器を取り付けた300mlフラスコにカーボンブラック(三菱化学(株)製、MA77、粒径23nm、以下CBと略す)1gと、脱水ジメチルフォルムアミド40ml、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製、カレンズMOI)0.8g、二ラウリン酸ジブチルすず(和光純薬工業(株)製)数滴を仕込み、窒素気流下100℃で7時間加熱撹拌を行う。反応終了後反応液を室温まで冷却し、3000rpmで30分間遠心分離にかけることで固形分としてメタクリロイルオキシエチル処理CBを取り出す。この処理CBをエタノール/ヘキサン混合溶媒での洗浄、遠心分離による固形分の分取を2回繰り返すことで未反応のイソシアネートならびに触媒を取り除き、表面処理CBを得る。
次に、この表面処理CBを用いた電気泳動粒子の合成を行う。ホモジナイザー用の30mlカップに、先に合成した表面処理CBを0.45g、スチレンを2.9g、架橋剤としてジビニルベンゼンを1.6g、重合開始材としてアゾビスイソブチロニトリルを0.1g、メタノールを20ml仕込み、氷水浴中10000rpmで15分撹拌を行いCB分散モノマー溶液を作製する。これとは別にホモジナイザー用500mlカップに、懸濁重合用リン酸カルシウム(日本化学工業(株)製、スーパータイト)を100g、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウムを0.06g、先に調整したCB分散モノマー溶液の全量を仕込み、氷水浴中10000rpmで15分間撹拌を行い、CB分散モノマー懸濁液を作製する。これを冷却管、窒素導入管ならびに撹拌機を備え付けた300mlセパラブルフラスコに仕込み、窒素気流下80℃で8時間重合反応を行う。なおその際撹拌は150rpmで行う。
反応終了後反応液を室温まで冷却した後、0.1規定塩酸を加えて燐酸カルシウムを溶解させ、固形分としてCB分散スチレン/ジビニルベンゼン共重合体粒子を取り出す。ついでこの重合体粒子を洗浄液が中性を示すまで水洗を繰り返した後、減圧下で乾燥して黒色のカーボンブラック分散電気泳動粒子を得る。得られた電気泳動粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒径分布を確認すると粒径は正規分布状となっていることが確認され、中心の粒径が2μm程度の粒子が得られることが確認される。また、透過型電子顕微鏡を用い電気泳動粒子の断面観察を行うとカーボンブラックが粒子内部に均一に分散されていることが確認される。
電気泳動素子の作製
本実施例においては、図5(e)に示す電気泳動表示装置を作製する。なお、図5は、本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法を示す工程図である。
まず、基板3bのポリイミド(PI)フィルムの表面に厚み100nmでアルミを蒸着して第2電極4bを形成する(図5(a)参照)。なお、ポリイミドフィルムには50mm×50mmの寸法で200μmの厚さのものを用いる。
次に、第2電極4bの表面には、酸化チタン微粒子を混合させて白色化させたポリウレタン樹脂層を形成し、絶縁層6とする。
この絶縁層6の表面には第1電極4aを、図5(b)に示すように、すなわち、第2電極4bと重なるように1つの画素における一部の領域に形成する。そして、この第1電極4aを覆うように絶縁層6上にポリアクリレート樹脂(オプトマーSS6699 JSR(株)製)からなる透明樹脂層9を形成する。なお、この第1電極4aは、暗黒色の炭化チタンを成膜し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングによりライン状にパターニングして形成する。第1電極4aの厚みは50nmであり、線幅は35μmとする。
そして、絶縁層6の表面には、画素と画素とを仕切るように隔壁5を形成する。この隔壁5は、光感光性エポキシ樹脂(SU8 日本マグダーミッド(株)製)の塗布、露光及びウエット現像の各工程を行うことにより、高さ30μm、幅12μm、間隔120μmで形成する。その後、隔壁5の上面(基板3aとの接合面)に熱融着性の接着層8を形成する。
先に合成した電気泳動粒子1重量部、分散媒として脂肪族炭化水素溶媒であるアイソパーH(エクソン社製)100重量部、ネオトール125HK(ハリマ化成(株)製)2.5重量部とを混合し、1時間攪拌して電気泳動表示用分散液を調整する。このように調製された分散液を隔壁5内に充填する(図5(c)参照)。
また、厚さ100μmのポリカーボネートフィルムからなる基板3aと接着層8の位置合せを行った後(図5(d)参照)、基板3aを隔壁(端部支持部材)5に加熱接着し、本実施例の電気泳動表示装置を作製する(図5(e)参照)。なお、第1電極4aの上部は黒色に視認され、第1電極4aが配置されていない領域の上部は絶縁層6の白色が視認される。
このように作製した表示装置に、電圧±20V、周波数0.5Hzの矩形波の電圧を印加し、電気泳動粒子の泳動を観察すると、電気泳動粒子は負極性に帯電していることが確認される。
さらに詳細に電気泳動粒子の泳動挙動を観察すると、負極性に帯電した電気泳動粒子1は、例えば、第2電極4bを負極性にし、第1電極4aを正極性にした場合、第1電極4aを覆うように速やかに移動し、次に、印加電圧の極性を反転させ、第2電極4bを正極性に、第1電極4aを負極性にすると、第1電極4a上に滞留することなく、速やかに第2電極4b上に移動することが確認される。
次に、黒表示時の反射率の測定を行う。反射率の測定はゴニオメーター((株)村上色彩技術研究所製)を用い、第2電極4bに+20V、第1電極4aに−20Vを印加して黒表示とした時の入射光角度30°に対する0°方向の反射率を測定することにより行う。本実施例の電気泳動表示装置の黒反射率は2.2%である。
実施例2〜5
実施例1の電気泳動粒子の作製について以下に示すように作製条件を変更して電気泳動粒子を作製する以外は実施例1と同様にして電気泳動表示装置を作製し、それぞれの泳動観察を行う。
電気泳動粒子の物性について表1に、泳動観察の結果について表2にそれぞれ示す。
実施例2
実施例1の「電気泳動粒子の作製」におけるスチレン2.9gの替わりにメタクリル酸メチルを2.0g、架橋剤としてのジビニルベンゼン1.6gの替わりにエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル1G)を4.0g、表面処理CBを0.6g用いる以外は実施例1と同様にしてCB分散メタクリレート系電気泳動粒子を作製する。得られた電気泳動粒子を走査型電子顕微鏡で観察すると中心粒径が2.5μm程度の粒子が得られることが確認される。また、透過型電子顕微鏡を用い電気泳動粒子の断面観察を行うとカーボンブラックが粒子内部に均一に分散されていることが確認される。
実施例3
100mlフラスコにCB(三菱化学(株)製、MA77)1gと脱水テトラヒドロフラン60ml、メタクリル酸 2―ヒドロキシエチル(キシダ化学(株)製)0.8g、WSCの塩酸塩1.0g(和光純薬工業(株)製)、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(和光純薬工業(株)製)0.7gを加え、さらに氷冷下でトリエチルアミン(キシダ化学(株)製)0.5mlを加え2時間撹拌後、室温で一晩放置する。その後、遠心分離をして反応溶媒を留去し、得られた黒色粉末を1規定塩酸、飽和濃度の炭酸水素ナトリウム水溶液、水、エタノールの順で洗浄する。その後、十分に減圧乾燥を行い、表面処理CBを得る。
次に、この表面処理CBを用いた電気泳動粒子の合成は実施例1と同じ工程で行う。得られた電気泳動粒子を走査型電子顕微鏡で観察すると中心粒径が2μm程度の粒子が得られることが確認される。また、透過型電子顕微鏡を用い電気泳動粒子の断面観察を行うとカーボンブラックが粒子内部に均一に分散されていることが確認される。
実施例4
100mlフラスコにCB(三菱化学(株)製、MA77)10gに対し、30%過酸化水素水30g(キシダ化学(株)製)を加え、常温で48時間反応させた後、ろ過、水洗及び乾燥を行い、CBの酸化処理を行う。
この酸化処理されたCBを用い、実施例1と同じ工程で表面処理CB及びそれを用いた電気泳動粒子を作製する。
得られた電気泳動粒子を走査型電子顕微鏡で観察すると中心粒径が2μm程度の粒子が得られることが確認される。また、透過型電子顕微鏡を用い電気泳動粒子の断面観察を行うとカーボンブラックが粒子内部に均一に分散されていることが確認される。
実施例5
CBのフェロセン処理した実施例を示す。
500mlフラスコにCB(三菱化学(株)製、MA77)5g、シクロヘキサン(キシダ化学(株)製)400mlを加え10分撹拌する。そこへ、フェロセンカルボン酸(東京化成(株)製)20g、塩化アルミニウム(キシダ化学(株)製)133g、アルミニウム粉末6.8gを加え、窒素雰囲気下で8時間還流させる。その後メタノールを加えて0℃にし、遠心分離、デカンテーションを行って残った粉末を超音波を印加しながらメタノールで洗浄し、遠心分離操作を3回行う。その後60℃で減圧乾燥をすることにより、CBのフェロセン処理を行う。
このフェロセン処理されたCBを用い、実施例1と同じ工程で表面処理CB及びそれを用いた電気泳動粒子を作製する。
得られた電気泳動粒子を走査型電子顕微鏡で観察すると中心粒径が1.8μm程度の粒子が得られることが確認される。また、透過型電子顕微鏡を用い電気泳動粒子の断面観察を行うとカーボンブラックが粒子内部に均一に分散されていることが確認される。
また、実施例2〜5の電気泳動粒子を用いて、実施例1と同様に電気泳動表示装置で表示を評価した結果を表2に示す。
Figure 2006293027
(注)St:スチレン、DVB:ジビニルベンゼン、MMA:メタクリル酸メチル、EGDM:エチレングリコールジメタクリレート
Figure 2006293027
本発明による表面を重合性の官能基で処理した無機顔料を用い、無機顔料を高分子重合体の内部に均一に分散させた電気泳動粒子は、駆動安定性に優れた電気泳動表示装置に利用することができる。また、本発明の電気泳動表示装置は、薄型のペーパーディスプレイ等に利用することができる。
本発明に係る電気泳動表示装置の構造の一例を示す概略図である。 本発明に係る電気泳動表示装置の構造の他の例を示す概略図である。 本発明に係る電気泳動表示装置の構造の他の例を示す概略図である。 本発明に係る電気泳動表示装置の構造の他の例を示す概略図である。 本発明に係る電気泳動表示装置の製造方法を示す工程図である。
符号の説明
1、14 電気泳動粒子
2 分散媒
3a、3b 基板
4a 第1電極
4b 第2電極
5 隔壁
6 絶縁層
7 マイクロカプセル
8 接着層
9 透明樹脂
10 分散液
11 分散液

Claims (9)

  1. 表面に水酸基および/またはカルボキシル基を有する無機顔料粒子と、前記無機顔料粒子を被覆する高分子体とを含む電気泳動粒子であって、下記一般式(I)で示される化合物が、下記官能基Xを介して前記無機顔料粒子表面の水酸基および/またはカルボキシル基に結合し、かつ下記官能基Rを介して前記高分子体に結合していることを特徴とする電気泳動粒子。
    Figure 2006293027
    (式中、Rは重合性官能基、Xは水酸基および/またはカルボキシル基に対し反応活性を有する基を示す。)
  2. 前記電気泳動粒子の1粒子内に前記無機顔料粒子を複数個含有することを特徴とする請求項1記載の電気泳動粒子。
  3. 前記一般式(I)のRがビニル基を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電気泳動粒子。
  4. 前記一般式(I)のXが、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基またはアミノ基であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の電気泳動粒子。
  5. 前記無機顔料粒子がカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の電気泳動粒子。
  6. 前記無機顔料粒子が、酸化処理したカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項5に記載の電気泳動粒子。
  7. 前記無機顔料粒子が、フェロセンカルボン酸で処理したカーボンブラックからなることを特徴とする請求項5に記載の電気泳動粒子。
  8. 前記電気泳動粒子の表面にシェル層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電気泳動粒子。
  9. 表面に水酸基および/またはカルボキシル基を有する無機顔料粒子と、前記無機顔料粒子を被覆する高分子体とを含む電気泳動粒子の製造方法であって、
    (1)前記無機顔料粒子を下記一般式(I)で示される化合物で表面処理する工程、
    (2)前記表面処理された無機顔料粒子を重合性モノマー中に分散する工程、ならびに
    (3)重合性モノマーを重合させると同時に下記官能基Rと結合させ前記高分子体を得る工程
    を有することを特徴とする電気泳動粒子の製造方法。
    Figure 2006293027
    (式中、Rは重合性官能基、Xは水酸基および/またはカルボキシル基に対し反応活性を有する基を示す。)
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