JP2006292818A - 膜作製方法、膜構造体、光学デバイス及びスクリーン - Google Patents

膜作製方法、膜構造体、光学デバイス及びスクリーン Download PDF

Info

Publication number
JP2006292818A
JP2006292818A JP2005109717A JP2005109717A JP2006292818A JP 2006292818 A JP2006292818 A JP 2006292818A JP 2005109717 A JP2005109717 A JP 2005109717A JP 2005109717 A JP2005109717 A JP 2005109717A JP 2006292818 A JP2006292818 A JP 2006292818A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
film material
substrate
adhering
pair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005109717A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotaka Akao
裕隆 赤尾
Atsushi Toda
淳 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2005109717A priority Critical patent/JP2006292818A/ja
Publication of JP2006292818A publication Critical patent/JP2006292818A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】
本発明の課題は、縞構造や斑のない大面積の膜を作製するとともに、膜の生産速度を向上させることができる方法を提供することを目的とする。また、この方法により作製される膜構造体を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の膜作製方法によれば、膜作製基材を張り合わせて膜材料の膜材料溶液を塗布することにより、膜材料溶液の不要な液滴の付着により生じる不均一な乾燥を防ぐとともに、一定の速度で引き上げることにより均一な膜を形成することができる。そして、基材の引き上げ速度を速くしても、基材を張り合わせることにより、膜材料付着部10以外、特に膜材料付着部10の裏側の面に付着する液滴をなくすことができため、斑のない膜を作製することができる。
【選択図】
図1

Description

本発明は、膜の作製方法に関し、また、その方法により作製された膜構造体、光学デバイス及びスクリーンに関するものである。
規則的に配列された微粒子により作製された膜を持った構造体は、フォトニック結晶、半導体材料、ディスプレイ用光学散乱体、磁気記録材料、バイオチップ、細胞培養基材等の多様な用途への応用が検討されている。従来から知られているリソグラフィーやレーザーによる微細加工方法では加工に関する材料、時間、工程に制限がある。また、ある種の物理的パターン構造を利用した微細形状の作製法も知られているが、構造体の形状の均一性、精密度、任意性等に課題がある。さらには、これらの物理的パターン構造を利用した技術を用いた場合、やはり上記と同様に制限がある。一方、自己組織化による微細加工を用いた構造体作製法では、溶媒の蒸発などを利用して従来方法よりも簡易に構造を制御できるようになってきた。現在では、ナノメートルから数百マイクロメートルの程度の微粒子を用いて、任意に規則的な配列を実現することができ、上記応用への可能性が広がってきた。
微粒子を規則的に配列させる方法は、数多く知られている。機械的にはレーザーや走査型プローブ顕微鏡によって微粒子1つ1つをトラップして任意の位置に配置するレーザーマニピュレーション法がある(例えば、非特許文献1参照)。これにより微粒子を2次元、3次元の構造に配列させることができる等、光重合反応等と組み合わせることでパターニングして固定化することができる。またインクジェットにより基板に微粒子を堆積させた構造体の形成方法もある(例えば、非特許文献2及び非特許文献3参照)。また、周りとぬれ性を変化させたスポット上にサブマイクロメートルの高分子粒子を基板上に精密配列させる等の任意のパターン上に微粒子を配列させる手法もある(例えば、非特許文献4参照)。さらに、酸化チタンによる光誘起親水効果を利用したパターニングも同様の事例として報告されている(例えば、非特許文献5参照)。
また、2次元単粒子膜(コロイド結晶)を自己組織化により作製する手法もいくつか試みられている(例えば、非特許文献6参照)。1つ目として、LB膜のような手法で気液界面に単粒子層を形成させ、基板に写し取る方法がある(例えば、非特許文献7参照)。2つ目に、固体基板上にコロイド溶液を塗布し、溶媒の蒸発による液架橋力を用いて単粒子層を成長させる方法があり、例えば、ラテックス微粒子の2次元結晶化(例えば、非特許文献8参照)や、シリカ粒子の2次元凝集成長(例えば、非特許文献9参照)が研究されている。3つ目として、電気泳動を用いて電極に単粒子層を成長させる方法(例えば、非特許文献10参照)や、電気泳動と紫外光を利用した粒子集積パターン法(例えば、非特許文献11参照)がある。
上記2つ目の方法に似ているが、コロイド溶液の移動と乾燥によるコロイド粒子の結晶化を制御した移流集積法を用いて単粒子層を大面積に作製しようという試みもある(例えば、非特許文献12参照)。例えば、峡間セルを用いた3次元フォトニック結晶作製法(例えば、非特許文献13及び非特許文献14参照)や、テーパードセルを利用して単粒子膜を作製する方法(例えば、非特許文献15参照)も同様である。また、峡間セルによる毛管法もある(例えば、非特許文献16参照)。そして、固体基板をベースとせずに液架橋力を最大限利用した、ポリマーフレームを用いた微粒子の二次元成長も報告されている(例えば、非特許文献17参照)。さらに、バイアルに基板を垂直に差し、温度を制御しながらコロイド溶液の溶媒を蒸発させる方法がある(例えば、非特許文献18参照)。
また、テンプレート等の形状を利用して任意の位置に粒子を配列する方法も試みられている(例えば、非特許文献19参照)。マイクロモールドによるポリマー粒子の集積パターンの作製(例えば、非特許文献20参照)や、フォトレジストによる井戸構造中に細密に粒子を配置する(例えば、非特許文献21参照)方法も行われている。
通常多結晶となる自然沈降法によるコロイド溶液からの結晶化も様々な工夫により結晶性の向上が検討されている。例えば、自然沈降によるフォトニック結晶作製と加熱による波長の変化の関係が研究されている(例えば、非特許文献22参照)。また、2次元配列したシリカ粒子をテンプレートにしたコロイドエピタキシー法も報告されている(例えば、非特許文献23参照)。
粒径の異なる微粒子を利用し、かつ自己組織的に配列させる例もある。例えば、ポリスチレン球によるシリカ球のインバースオパール(例えば、非特許文献24参照)や、3次元微粒子結晶間隙への金微粒子導入(例えば、非特許文献25参照)が挙げられる。これにより、応用の幅が広がる可能性を秘めている。
自己組織化により微粒子を規則的に配列させたフォトニック結晶を作製する際、近年結晶欠陥が少ない結晶ができるようになってきたが、非特許文献1から非特許文献25のような従来技術では作製できるフォトニック結晶は非常に小さく数マイクロメートルから数ミリメートル程度である。均一な平面上に2次元成長させることができるようになってきたが、成長速度は非常に遅く、1時間あたり数マイクロメートルから数ミリメートルというものもある。この成長速度はテンプレートを用いても同程度である。従来発明を利用してより大きなフォトニック結晶を作製しようと試みると、非常に長い作製時間を必要とすることが予測される。逆に、成長速度を速めてより速くフォトニック結晶を作製しようと試みると、フォトニック結晶の結晶性が非常に悪くなるという問題点がある。
フォトニック結晶における粒径の波長依存性(構造性発色)については、以下のように報告されている(例えば、非特許文献26参照)。
上記式からも明らかなように、フォトニック結晶の周期は、結晶の厚さ方向に規則性をもたせることにより、任意の反射波長を得ることができる。例えば、スクリーンの作製には、粒界は生じていても大面積に均一作製することが重要な条件となる。微粒子の粒径と反射波長の関係を図28に示す。
また以下に、比較的大きい数十マイクロメートルから数ミリメートルの規則的な2次元フォトニック結晶のディフェクトや欠陥の無い単結晶膜の作製において、大面積な微粒子膜を連続的に作製する手法として広く研究されている移流集積法の作製条件の例を挙げる。スライドガラスを濃硫酸に1日浸した後、このスライドガラスを洗浄し、ポリスチレン球の1.5〜3.0%のイオン交換水溶液にスライドガラスを浸漬させ、スライドガラスを引き上げる。この引き上げ速度は0.1〜70(0.1〜0.2)μm/secである。この実験系は23℃で行われている(例えば、非特許文献27参照)。移流集積法において作製される膜厚と作製条件の関係式は以下の通りである(例えば、非特許文献28参照)。
上記式では、微粒子層の成長速度は微粒子の層数、つまり膜厚に反比例していることが理解できる。しかし、反射強度が強くなるフォトニック結晶の周期数は、11周期であり、微粒子層22層と考察されている(例えば、特許文献1参照)。そのため、移流集積現象を利用して上記の代表的な作製条件によりフォトニック結晶を大面積に作製する場合、数センチメートル作製するのに100時間以上必要となる。また、引き上げ速度を速くして薄いフォトニック結晶を繰り返し積層させても、同じ大きさの作製には同程度の時間を有することが容易に推察される。どちらにしても非特許文献26から非特許文献27記載の方法では、反射特性に優れたフォトニック結晶の作製には膨大な作製時間を必要とする。また、この移流集積法では微粒子特有の縞構造が生成されることも知られており、ぬれ膜中の微粒子体積分率を制御することにより縞構造をなくす作製条件も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
増原極微変換プロジェクト編、"マイクロ化学"(化学同人、1993) J.H.Song, M.J.Edirisinghe, and J.R.G.Evans, J.Am.Ceram.Soc., 82(1999), 3374 J.E.Smay, J.CesaranoIII, and J.A.Lewis, Langmuir, 18(2002), 5429 J.Aizenberg, P.V.Braun, and P.Wiltzius, Phys.Rev.Lett., 84(2000), 2997 Z.Z.Gu, A.Fujishima, and O.Sato, Angew.Chem.Int.Ed., 42(2002), 2067 Y.Xia, B.Gates, Y.Yin, and Y.Lu, Adv.Mater., 12(2000), 693 A.J.Hurd and D.W.Schaefer, Phys.Rev.Lett., 54(1985), 1043 N.D.Denkov,O.D.Velev, P.A.Kralchevsky, I.B.Ivanov, H.Yoshimura, and K.Nagayama, Langmuir, 8(1992), 3183 C.D.Dushkin, H.Yoshimura, and K.Nagayama, Chem.Phys.Lett., 204(1993), 455 M.Trau, D.A.Saville, and I.A.Aksay, Langmuir, 13(1997), 6375 R.C.Hayward, D.A.Saville, and I.A.Aksay, Nature, 404(2000), 56 S.I.Matsushita, T.Miwa, D.A.Tryk, and A.Fujishima, Langmuir, 14(1998), 6441 S.H.Park, B.Gates, and Y.Xia, Adv,Mater., 11(1999), 462 S.H.Park and Y.Xia, Langmuir, 15(1999), 266 T.Yamasaki and T.Tsutsui, Jpn.J.Appl.Phys., 38(1999), 5916 Z.Z.Gu, Q.B.Meng, S.Hayami, A.Fujishima, and O.Sato, J.Appl.Phys., 90(2001), 2042 Q.H.Wei, D.M.Cupid, and X.L.Wu, Appl.Phys.Lett., 77(2000), 1641 Y.H.Ye, F.L.Blanc, A.Hache, and V.V.Truong, Appl.Phys.Lett., 78(2001), 52 A.V.Blaaderen, R.Ruel, and P.Wiltzius, Nature, 385(1997), 321 E.Kim, Y.Xia, and G.M.Whitesides, Adv.Mater., 8(1996), 245 Y.Yin and Y.Xia, Adv.Mater., 13(2001), 268 H.Miguez, F.Meseguer, C.Lopez, A.Blanco, J.S.Moya, J.Requena, A.Mifsud, and V.Fornes, Adv.Mater., 10(1998), 480 S.I.Matsushita, T.Miwa, D.A.Tryk, and A.Fujishima, Langmuir, 14(1998), 6441 Z.Z.Gu, H.Uetsuka, K.Takahashi, R.Nakajima, H.Onishi, A.Fujishima, and O.Sato, Angew.Chem.Int.Ed., 42(2003), 894 Z.Z.Gu, R.Horie, S.Kubo, Y.Yamada, A.Fujishima, and O.Sato, Angew.Chem,Int.Ed.,41(2002), 1153 Z.Z.Gu, S.Hayami, S.Kubo, Q.B.Meng, Y.Einaga, D.A.Tryk, A.Fujishima, and O.Sato, J.Am.Chem.Soc., 123(2001), 175 Z.Z.Gu, A.Fujishima, and O.Sato, Chem.Mater., 14(2002), 760 A.S.Dimitrov and K.Nagayama, Langmuir, 12(1996), 1303 国際公開第03/050612号明細書 特許第2834416号公報
しかしながら、上記特許文献2の方法は、ぬれ膜と粒子との接触線を光学的に検出し、この結果をもとに引き上げ速度を制御する方法である。すなわち、粒子膜に表れる膜の縞構造は、基板の引き上げ速度に依存し、縞構造のない粒子膜を作製するためには、基板をゆっくり引き上げなければならい。したがって、粒子膜の作製に長い時間を必要とし、特に大面積の膜を作製する場合、より長い時間を必要とし、膜の生産速度を上げることができないという問題点がある。
そこで、上記のような従来の実情に鑑み、縞構造や斑のない大面積の膜を作製するとともに、膜の生産速度を向上させることができる方法を提供することを目的とする。本発明では数十センチメートルから数メートルの面積にフォトニック結晶を数十マイクロメートルから数百マイクロメートル単位の粒界群で連続に均一作製でき、成長速度は1時間あたり数メートルが可能になる。特に、3次元成長させつつ、厚膜にフォトニック結晶を作製する方法であり、高い結晶性のフォトニック結晶構造体を作製することができる。また、この方法により作製される膜構造体を提供することを目的とする。
本発明の膜作製方法は、一方の面に膜材料を付着させる膜材料付着部を有する一対の略平板状の膜作製基材を前記面の裏側の面を向かい合わせるように張り合わせる工程と、張り合わせた一対の前記膜作製基材に前記膜材料を含む膜材料溶液を塗布する工程と、前記膜材料付着部に付着した前記膜材料を前記膜作製基材上で膜化する工程とを有することを特徴とする。
本発明の膜作製方法によれば、膜作製基材上に設けられた膜材料付着部に膜材料を付着させることができるとともに、膜材料を分散させた膜材料溶液の不要な液滴の付着により生じる不均一な乾燥を防ぐことにより、膜作製基材上に均一に成膜することができる。そして、基材を張り合わせることにより、膜材料付着部以外、特に膜材料付着部の裏側の面に付着する液滴をなくすことができため、斑のない膜を作製することができる。また、同時に2枚の基材に膜を作製することができるため、膜の生産速度を2倍にすることができ、より迅速に膜を作製することができる。
また、本発明の別の膜作製方法は、一方の面に膜材料を付着させる膜材料付着部を有する略平板状の膜作製基材と前記面の裏側の面に配置する略平板状の張合基材とを張り合わせる工程と、張り合わせた前記膜作製基材と前記張合基材とに前記膜材料を含む膜材料溶液を塗布する工程と、前記膜材料付着部に付着した前記膜材料を前記膜作製基材上で膜化する工程とを有することを特徴とする。
本発明の別の膜作製方法によれば、膜作製基材上に設けられた膜材料付着部に膜材料を付着させることができるとともに、膜材料を分散させた膜材料溶液の不要な液滴の付着により生じる不均一な乾燥を防ぐことにより、膜作製基材上に均一に成膜することができる。また、張合基材の形状を変えることにより、膜材料溶液の分散溶媒の蒸発を制御することができ、例えば、1枚の膜上に結晶状態の異なる膜を作製することができる。
本発明の膜構造体は、一方の面に膜材料を付着させる膜材料付着部を有する一対の略平板状の膜作製基材と、前記一対の膜作製基材を前記面の裏側の面を向かい合わせるように張り合わせる工程、張り合わせた一対の前記膜作製基材に前記膜材料を含む膜材料溶液を塗布する工程と、前記膜材料付着部に付着した前記膜材料を前記膜作製基材上で膜化する工程とにより前記膜作製基材上に作製された膜とを有することを特徴とする。
本発明の膜構造体によれば、上記膜作製方法により形成されるため、基材上に斑のない斑のない均一な膜を有している。そのため、本発明の膜構造体は種々のデバイスに応用することができる。例えば、膜材料に微粒子を用いると、作製される微粒子膜は、微粒子が自己組織化により規則的に配列したフォトニック結晶となる。また、したがって、膜構造体は、所定の光を反射することができる。
本発明の光学デバイスは、一方の面に膜材料を付着させる膜材料付着部を有する一対の略平板状の膜作製基材と、前記一対の膜作製基材を前記一方の面の裏側の面を向かい合わせるように張り合わせる工程、張り合わせた一対の前記膜作製基材に前記膜材料を含む膜材料溶液を塗布する工程、及び、前記膜材料付着部に付着した前記膜材料を前記膜作製基材上で膜化する工程により前記膜作製基材上に作製された膜とを有することを特徴とする。
本発明の光学デバイスによれば、基材上に斑のない均一な膜を有している。例えば、膜材料が微粒子である場合、自己組織化により微粒子が規則的に配列し、作製される微粒子膜は、結晶性の良いフォトニック結晶となる。したがって、所定の波長の光を選択的に反射することができる光学デバイスとなる。
本発明のスクリーンは、一方の面に膜材料を付着させる膜材料付着部を有する一対の略平板状の膜作製基材と、前記一対の膜作製基材を前記一方の面の裏側の面を向かい合わせるように張り合わせる工程、張り合わせた一対の前記膜作製基材に前記膜材料を含む膜材料溶液を塗布する工程、及び、前記膜材料付着部に付着した前記膜材料を前記膜作製基材上で膜化する工程により前記膜作製基材上に作製された膜とを有することを特徴とする。
本発明のスクリーンによれば、上記膜作製方法により、斑のない均一な膜を作成することができる。この膜材料として微粒子を用いることにより、自己組織化により微粒子が規則的に配列し、結晶性のよいフォトニック結晶を作製することができる。したがって、より選択的に赤、緑、青色の光を反射することができる。そのため、3原色光の波長のみを反射させることが可能となり、鮮明な映像を映し出すことができる。
本発明の膜作製方法によれば、膜作製基材上に設けられた膜材料付着部に膜材料を付着させることができるとともに、膜材料を分散させた膜材料溶液の不要な液滴の付着により生じる不均一な乾燥を防ぐことにより、膜作製基材上に均一に成膜することができる。そして、基材を張り合わせることにより、膜材料付着部以外、特に膜材料付着部の裏側の面に付着する液滴をなくすことができるため、斑のない膜を作製することができる。また、同時に2枚の基材に膜を作製することができるため、膜の生産速度を2倍にすることができ、より迅速に膜を作製することができる。また、張合基材の形状を変えることにより、膜材料溶液の分散溶媒の蒸発を制御することができ、例えば、1枚の膜上に結晶状態の異なる膜を作製することができる。
本発明の膜構造体によれば、斑のない均一な膜を有する膜構造体であるため、例えば、膜材料として微粒子を用いることにより、上記の膜作製方法によって微粒子を3次元的に規則的に配列させた微粒子膜を作製することができ、3次元的に配列させた微粒膜を有する構造体を作製することができる。これにより、膜構造体の膜を所定の波長の光を反射させることができるフォトニック結晶とすることも可能となり、この膜構造体は、フォトニック結晶を利用するデバイス等に利用することができる。また、斑のない均一な膜を有しているため、スクリーンやディスプレイ用光学散乱体等の光学デバイス、若しくは、半導体材料等に利用することができる好適な材料を提供することができる。
以下、本発明の膜作製方法及び膜構造体について図面を参照しながら説明する。なお、本発明においては、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明の膜作製方法は、一方の面100に膜材料2を付着させる膜材料付着部10を有する一対の略平板状の膜作製基材1を面100の裏側の面101を向かい合わせるように張り合わせ、張り合わされた一対の膜作製基材1に膜材料2を含む膜材料溶液20を塗布し、膜材料付着部10に付着した膜材料2を膜作製基材1上で成膜させる方法である。また、一対の膜作製基材1のうち一方の膜作製基材1を膜材料付着部10のない張合基材6としてもよい。このときの膜作製方法は、膜作製基材1の面101に張合基材6を張り合わせ、張り合わせた膜作製基材1と張合基材6とに膜材料2を含む膜材料溶液20を塗布し、膜材料付着部10に付着した膜材料2を膜作製基材1上で膜化させる方法である。
膜作製基材1は、略平板状であり、一方の面100に親水性の膜材料付着部10を有している。また、膜材料付着部10を有する面100の裏側の面101は、疎水性となっている。膜作製基材1の形状は、作成する膜の用途により適宜変更することができる。例えば、成膜した膜作製基材1をスクリーンとして利用する場合、膜作製基材1を所定の大きさのシート状部材を利用してもよい。膜作製基材1の材質は、特に限定されるものではなく、ガラス等の無機酸化物、アルミニウム等の金属、ポリエチレンテレフタレート等の有機材料等でもよく、これら無機酸化物、金属、有機材料の表面に有機材料を塗布されていてもよい。これにより、親水性の材料により形成された膜作製基材1であっても、有機材料を塗布することにより表面を疎水性とすることができる。
膜材料付着部10は、膜作製基材1の一方の面100にあり、その面100の一部又はその面100の全体に設けられている。また、膜材料付着部10は、親水性である。膜材料付着部10を親水性にすることにより、膜材料2を分散させた膜材料溶液20を塗布し、膜材料2を膜作製基材1に付着させることができる。膜材料付着部10の形状は、特に限定されるものではなく、作製したい膜の用途や形状により適宜変更することができる。また、膜材料付着部10の形成方法も膜作製基材1の材質等により適宜変更することができる。例えば、膜作製基材1の表面が疎水性である場合、膜材料2を付着させる部分に親水性を持たせるように物理的又は化学的に処理を施してもよい。例えば、サンドブラストによって膜作製基材1の疎水性の表面を加工することによって親水性を持たせてもよい。また、膜材料付着部10の表面にヒドロキシル基、アミノ基といった親水性基を有する化合物を塗布することで親水性を持たせてもよい。さらに、膜作製基材1の膜材料付着部10にガラスをコーティングし、プラズマ処理等を行って親水性を持たせてもよい。また、膜作製基材1がガラス等の親水性の材質により形成されている場合、膜材料2を付着させる部分以外を有機材料の塗布等で疎水性とすることにより膜材料付着部10を作製することができる。さらに、既に親水性を有する膜作製基材1でその親水性の部分が膜材料2を付着させる部分である場合、特に加工せずにそのまま使用することもできる。
膜材料2は、下記で説明する分散溶媒200に分散され膜材料溶液20として、膜作製基材1の膜材料付着部10に塗布され、膜作製基材1上に膜を形成することができる。本発明において塗布とは、膜材料2及び膜材料溶液20を膜作製基材1又は膜材料付着部10に付着させることを指し、例えば膜材料溶液20を噴霧して膜材料2を膜材料付着部10に付着させることも含むものとする。膜材料2は、下記で説明する膜作製方法により、膜作製基材1上に膜を作製することができる材料であり、例えば、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナといった無機の微粒子や、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、フェノール樹脂、アクリルポリマー、シリコンポリマー、天然高分子といった高分子樹脂の微粒子等が挙げられる。膜材料2の大きさは、膜材料2を付着させた膜作製基材1の用途により適宜変更することができる。また、膜材料2は、1種類に限らず複数の種類の微粒子を用いてもよい。さらに、例えば、膜材料2として微粒子を使用することにより、膜材料2が自己組織化により規則的に配列し、膜作製基材1上にフォトニック結晶を作製することもできる。
膜材料溶液20は、膜材料2を分散させた溶液であり、主に膜材料2とそれを分散させる分散溶媒200から構成される。また、膜材料溶液20には、膜材料2とは別に、膜を形成する膜形成物質を含んでいてもよい。例えば、膜形成物質として、重合することによりポリビニルアルコールとなる化合物等が挙げられる。このように、膜形成物質を含むことにより、膜材料付着部10に付着した膜材料2を膜材料溶液20の分散溶媒200に再び分散されることを防ぐことができる。すなわち、下記で説明する膜作製方法を複数回行っても、膜材料付着部10に付着した膜材料2を分散溶媒200に分散させることなく、その上に新たな膜材料2を付着させ、膜を作製することができる。分散溶媒200は、特に限定されるものではなく、膜作製基材1への膜材料溶液20の塗布方法等や膜材料2により適宜変更される。例えば、分散溶媒200を蒸発させ、微粒子からなる膜材料2で微粒子膜を作製する場合、分散溶媒200は、水等の蒸発する液体を用いることができる。
張合基材6は、膜作製基材1の膜材料付着部10を有する面100の裏面側の面101と張り合わせる面601と面601の裏側の面600とを有する略平板状部材で表面を疎水性とする基材である。また、張合基材6の面601は、膜作製基材1の面101と対向して張り合わせられる。または、面600を膜作製基材1と張り合わせてもよい。このように、膜作製基材1と張合基材6とを張り合わせることで、下記で説明するように膜材料溶液20の塗布において、張り合わされる膜作製基材1の面101と張合基材6の面601との両面に膜材料溶液20が付着することを防ぐことができる。したがって、膜作製基材1の面101への膜材料溶液20の液滴の付着による膜材料付着部10の不均一な乾燥を防ぐことができ、均一に乾燥された均一な膜を作製することができる。張合基材6の形状は、膜作製基材1と略同じ形状でもよいが、作製する膜の形状や用途などに合わせて適宜変更することができる。また、張合基材6の材質は、特に限定されるものではないが、ポリカーボネイト、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、メタクリル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等の高分子材料等を利用してもよい。
以下、本発明の膜作製方法として、一対の膜作製基材1上に膜を作製する方法を説明する。この方法により、膜作製基材1の膜材料付着部10を有する面100の裏側の面101に膜材料2を分散させた膜材料溶液20を付着させずに、膜材料付着部10に膜材料2を付着させることができる。したがって、膜作製基材1の面101への膜材料溶液20の液滴の付着による不均一な乾燥を起こさず、膜作製基材1上に膜材料2による均一な膜を作製することができる。また、膜材料2として微粒子を用いることにより、この膜作製方法で膜材料2を規則的に配列させ、膜作製基材1上にフォトニック結晶を作製させることができる。自己組織化とは、一般的には、外界の情報構造に合わせて自律的に自己を組織化することを言うが、ここでは、微粒子を堆積させる系、例えば液相において、自律的に微粒子が堆積して規則的に配列することを言う。
図1は、一対の膜作製基材を張り合わせ膜材料付着部に膜材料を付着させる工程の一例を示す図である。まず、図1(a)のように、一対の膜作製基材1の膜材料付着部10を有する面100の裏側の面101同士を張り合わせる。一対の膜作製基材1を張り合わせることにより、下記に説明するように、一対の膜作製基材1の間に膜材料溶液の液滴を付着させなくすることができる。このときの張り合わせ方法は、作製した膜や膜作製基材1を破損させることなく一対の膜作製基材1を引き剥がすことができるものであれば、特に限定するものではない。例えば、静電気等を利用して一対の膜作製基材1を張り合わせてもよい。
張り合わせられた一対の膜作製基材1は、引き上げ法、すなわち、膜材料2を分散させた膜材料溶液20に親水性である膜材料付着部10を有する膜作製基材1を浸漬し、一定の速度で膜作製基材1を引き上げる方法により膜材料溶液20を塗布することができる。また、膜作製基材1への膜材料2の塗布方法としては、上記の引き上げ法に限らず、例えば、スピンコーティング法、グラビアコーティング法、カーテンコーティング法、ナイフコーティング法等適宜変更できる。図1(b)のように、上記の工程で張り合わせられた一対の膜作製基材1を分散溶媒200に膜材料2を分散させた膜材料溶液20に浸漬させる。このとき、膜材料付着部10は親水性であるため、その親水性の膜材料付着部10に膜材料2を付着させることができる。一方、膜作製基材1の膜材料付着部10を除く部分は、疎水性となっているため、膜材料溶液20の液滴の付着を防ぐことができる。特に、一対の膜作製基材1は、疎水性である面101同士を張り合わせているため、この2つの面101への膜材料溶液20の液滴の付着をより少なくすることができる。例えば、膜材料付着部10の裏面に膜材料溶液20の液滴が付着した場合、膜材料溶液20の液滴の付着した部分は、周囲の厚さに比べてこの液滴の分だけ厚くなり、膜材料付着部10に付着した膜材料溶液の乾燥が遅くなる。したがって、乾燥が不均一となり、膜を均一に作製することができない。これは、膜材料付着部10を有する膜作製基材1の厚さが薄いほど顕著となる。したがって、一対の膜作製基材1を張り合わせることにより、膜材料付着部10の均一な乾燥を行うことができ、膜材料2による均一な膜を作製することができる。
張り合わされた一対の膜作製基材1を膜材料溶液20に浸漬させた後、図1(c)のように、膜作製基材1を一定の速度で引き上げる。膜材料付着部10に形成される膜材料2の膜の厚さは、引き上げ速度と関連しており、引き上げ速度の変化によって膜厚が変化する。したがって、一定の速度で膜作製基材1を引き上げることにより、膜材料付着部10に付着した膜材料2の厚さを一定にすることができる。引き上げられた膜作製基材1の膜材料付着部10には、均一な厚さを有する膜材料2の層が形成されているが、その層には、膜材料2を分散させていた分散溶媒200も存在している。この分散溶媒200を蒸発させることにより、膜作製基材1上に膜材料2による膜を作製することができる。一対の膜作製基材1は、略同じ基材であり、面101同士を対向させて膜作製基材1を張り合わせている。また、引き上げ速度は一定であるため、2つの膜材料付着部10に付着した膜材料2の層の厚さも略同じであり、膜材料付着部10の乾燥にかかる時間も略同じである。したがって、分散溶媒200は、膜材料溶液20から引き上げられた部分から徐々に蒸発させることができ、この分散溶媒200の蒸発させることにより、一対の膜作製基材1上に膜材料2による均一な膜をそれぞれ作製することができる。また、膜作製基材1は、一対の膜作製基材1を張り合わせるように配置することにより、2つの膜材料付着部10において、略同じように乾燥を行うことができる。したがって、片面のみにある膜材料付着部を乾燥させることにより生じる反りを防ぐことができる。さらに、一対の膜作製基材1に膜材料溶液20を同時に塗布することができるため、生産速度を2倍にすることができる。膜作製基材1を引き上げる速度は、膜材料2や分散溶媒200、膜作製基材1の大きさや作製する膜材料2の膜により適宜変更される。従来の方法では、基材を引き上げる速度を速くすると膜材料が付着する部分以外に膜材料の溶液が付着してしまい、膜材料の溶液の乾燥を妨げ、斑のある膜が形成されていたが、この方法により、膜材料付着部10以外に膜材料溶液2の液滴を付着させることを防ぐことができるため、基材を引き上げる速度を速くしても、斑のない均一な膜を作製することができる。また、膜作製基材1の引き上げる方向は、液面に対して垂直でなくてもよく、傾いていてもよい。また、上記の膜作製方法と同様に、この工程を複数回繰り返すことにより、膜材料付着部10に形成された膜材料による膜の上に、新たに別の膜材料の膜を作製することができる。
上記のように本発明の膜作製方法を用いることにより、膜作製基材1上に設けられた膜材料付着部10に膜材料2を付着させることができる。膜材料2を分散させた膜材料溶液20の不要な液滴により生じる不均一な乾燥を防ぐとともに、一定の速度で引き上げることにより、均一な膜を形成することができる。そして、基材の引き上げ速度を速くしても、膜材料付着部10以外、特に膜材料付着部10の裏側の面に付着する液滴をなくすことができるため、不要な液滴により生じる不均一な乾燥を防ぐことができ、斑のない膜を作製することができる。また、同時に2枚の基材に膜を作製することができるため、膜の生産速度を2倍にすることができ、より迅速に膜を作製することができる。さらに、膜材料2として微粒子を用いることで、自己組織化により微粒子を規則的に配列させた微粒子膜を作製することができる。また、この膜作製方法により、膜材料溶液2の乾燥の方向を制御することができるため、膜材料2による結晶の成長方向を制御することが可能となり、より結晶性の良いフォトニック結晶を作製することができる。また、膜作製基材1は、膜材料付着部10の乾燥を十分に行った後、再び同じ作業を行うことで、作製された膜上に新たな膜材料2を付着させることもできる。これにより、膜の厚さを制御することができる。また、2種類以上の膜材料を用いることにより、1つの基材上に異なる2つ膜を作成することもできる。このとき、膜材料溶液20に、例えば、ポリビニルアルコール等の膜を形成する膜形成物質を用いることにより、膜材料2による作製された膜を固定し、再度上記の方法を繰り返すときに、基材上に形成された膜を膜材料溶液に分散させることなく、新たな膜材料による膜を作製することができる。
以上で説明した膜作製方法は、一対の膜作製基材1を張り合わせ行う膜作製方法であるが、本発明では、一対の膜作製基材1のうちいずれか一方の膜作製基材1の代わりに張合基材6を使用しても同様に膜を作製することができる。
図2は、膜作製基材と張合基材とを張り合わせ膜材料付着部に膜材料を付着させる工程の一例を示す図である。図2(a)のように、膜作製基材1の膜材料付着部10を有する面100の裏側の面101と張合基材6の膜作製基材1の面101に張り合わせる面601とを対向させて膜作製基材1と張合基材6とを張り合わせる。このとき使用する張合基材6は、図2(a)のように、所定の厚さを有し、膜作製基材1と略同じ形状の平面を有している。膜作製基材1に張合基材6を張り合わせることにより、下記で説明するように、膜作製基材1と張合基材6との間に膜材料溶液の液滴を付着させなくすることができる。また、膜作製基材1が薄い場合等のように、張合基材6を張り合わせることで膜作製基材1の形状を保持し、所定の強度を与えることができ、膜の作製を容易に行うことができる。このときの張り合わせ方法は、作製した膜や膜作製基材1等を破損させることなく膜作製基材1と張合基材6とを引き剥がすことができるものであれば、特に限定するものではない。例えば、静電気等を利用して膜作製基材1と張合基材6とを張り合わせてもよい。
張り合わせられた膜作製基材1と張合基材6とは、引き上げ法により膜材料溶液20が塗布される。図2(b)のように、上記の工程で張り合わせられた膜作製基材1と張合基材6とを分散溶媒200に膜材料2を分散させた膜材料溶液20に浸漬させる。このとき、膜材料付着部10は親水性であるため、その親水性の膜材料付着部10に膜材料2を付着させることができる。一方、膜作製基材1の膜材料付着部10を除く部分と張合基材6は、疎水性となっているため、膜材料溶液20の液滴の付着を防ぐことができる。特に、膜作製基材1の面101と張合基材6の面601とは、疎水性であるとともに張り合わされているため、この2つの面への膜材料溶液20の液滴の付着をより少なくすることができる。したがって、膜作製基材1と張合基材6とを張り合わせることにより、膜材料付着部10の均一な乾燥を行うことができ、膜材料2による均一な膜を作製することができる。
張り合わされた膜作製基材1と張合基材6を膜材料溶液20に浸漬させた後、図2(c)のように、張り合わせた膜作製基材1と張合基材6とを一定の引き上げ速度で引き上げる。一定の引き上げ速度で膜作製基材1を引き上げることにより、膜材料付着部10に付着した膜材料2の厚さを一定にすることができる。引き上げられた膜作製基材1の膜材料付着部10には、図3のように、均一な厚さを有する膜材料2の層が形成されているが、その層には、膜材料2を分散させていた分散溶媒200も存在している。この分散溶媒200を蒸発させることにより、膜作製基材1上に膜材料2による膜化することができる。引き上げられた膜作製基材1及び張合基材6は、それぞれ均一な厚さを有しており、また、膜材料付着部10に形成されている膜材料2の層の厚さも均一である。また、膜材料付着部10以外は、疎水性であるため、膜材料溶液20は付着していない。すなわち、膜材料付着部10に付着する膜材料2はどの部分においても略同じ状態であるため、乾燥にかかる時間も均一となる。したがって、分散溶媒200は、膜材料溶液20から引き上げられた部分から徐々に蒸発させることができる。分散溶媒200を蒸発させることにより、膜作製基材1上に膜材料2による均一な膜を作製することができる。膜作製基材1と張合基材6とを引き上げる速度は、膜材料2や分散溶媒200、膜作製基材1の大きさや作製する膜材料2の膜により適宜変更される。また、張り合わせた膜作製基材1と張合基材6の引き上げる方向は、液面に対して垂直でなくてもよく、傾いていてもよい。また、ローラー等を用いて引き上げとともに横方向に移動させることもできる。この場合、使用される膜作製基材1と張合基材6とは、湾曲することができる材質で形成されていることが望ましい。
本発明の膜作製方法は、膜作製基材1に張合基材6を張り合わせることにより、膜作製基材1上に設けられた膜材料付着部10に膜材料2を付着させることができる。そして、膜材料2を分散させた膜材料溶液20の不要な液滴により生じる不均一な乾燥を防ぐとともに、一定の速度で引き上げることにより、均一な膜を形成することができる。そして、基材の引き上げ速度を速くしても、膜材料付着部10以外、特に膜材料付着部10の裏側の面に付着する液滴をなくすことができるため、不要な液滴により生じる不均一な乾燥を防ぐことができ、斑のない膜を作製することができる。さらに、膜材料2として、微粒子を用いることにより、作製される膜は、均一な膜厚を有する微粒子膜を形成することができる。さらに、上記の方法により膜を作製する場合、膜材料付着部10の乾燥する時間が略一定であるため、乾燥する方向も引き上げられた上方から下方に向かうように一定の方向となり、膜材料2の結晶の成長方向を制御することができる。したがって、膜材料2の結晶性が向上し、より結晶性の良いフォトニック結晶を作製することができる。
また、膜作製基材1に張り合わせる張合基材は、必ずしも上記のような形状でなくてもよい。例えば、図4に示されるように、膜材料付着部10を有する面100の裏側の面101に膜材料付着部10よりも小さい張合基材6bを張り合わせてもよい。この膜作製基材1と張合基材6bとを張り合わせて上記の膜作製方法を用いることにより、張合基材6bを張り合わせた厚い部分と張合基材6bを張り合わせていない薄い部分とをつくることができる。これにより、膜材料付着部10の乾燥にかかる時間を意図的に変えることができる。すなわち、張合基材により、膜材料付着部10の乾燥の時間を制御することができる。乾燥時間の変化は、結晶性に影響を与えるため、乾燥時間を変えることにより、1枚の基材上に結晶性の異なる膜2a及び2bを作製することができる。
以下、本発明の膜作製方法に使用される引き上げ法における膜厚と引き上げ速度及び膜厚と粘度との関係について考察する。膜の厚さは、膜材料溶液の濃度、粘性、酸性度、温度、膜材料の分散程度、液膜作製速度、湿度、雰囲気調整、気体流体制御などにより膜の厚さを調整する。また、塗布した膜材料溶液を湿度調整、温度調整、基材角度調整、雰囲気調整、気体流体制御等を行うことにより乾燥時間や乾燥方向を制御して膜材料2の自己組織化を促すことができる。引き上げ法は、膜厚tと引き上げ速度vとの間に以下の関係がある。
また、膜厚tと粘度ηとの間にも以下のような関係がある。
これらの式により、logtとlogvによるプロットの勾配が1/2であることがわかる(C.C.Yang, J.Y.Josegowicz, and L.Alexandru, Thin Solid Films, 74(1980), 117)。また、金属アルコキシドから得られるゾルについてlogtとlogvの勾配が2/3であることが知られている(H.Dislich and E.Hussmann, Thin Solid Films, 77(1981), 129)。さらに、5wt%のSiOゾルによるSiO膜ではtがv1/2に比例であることや(S.P.Mukherjee, Applied Science, No.92, Glass-Current Issues, ed.by A.F.Wright and J.Dupuy, Marthinus Nijhff Publishers, Dordrecht-Boston-Lancaster, 1985, 232)、テトラエトキシシラン溶液によるコーティング膜では勾配が1/2に近いことが示されている。
以上のことから、引き上げ速度が増加するに伴い、塗布溶液の膜厚も増加するという関係であるといえる。膜材料2を微粒子とすると、膜材料溶液20の粘度は、分散溶媒200の粘度と相関し、膜材料溶液20の塗布する時点での変化はない。したがって、粘度が一定であるため、一定の厚さを有する膜を作製できることがわかる。また、塗布された溶液の乾燥の方向を一定の方向に制御することにより、結晶成長方向が制御され、結晶性を向上させることができる。
以下、上記膜作製方法により作製した膜構造体3について説明する。膜構造体3は、上記の膜作製方法で作製することにより、膜作製基材1上に膜材料2による均一な膜を作製することができる。このとき、膜材料2として微粒子を利用することで、自己組織化により微粒子を3次元的に規則的に配列させることができる。これにより、膜構造体3は、所定の波長の光を反射させることができるフォトニック結晶として利用することができる。反射させる光は、膜材料2の微粒子の粒径に依存する。例えば、粒径の大きい膜材料2の場合、長い波長の光を反射し、粒径の小さい膜材料2の場合、短い波長の光を反射することができる。また、膜構造体3の形状は、膜を作製する膜作製基材1と作製する膜の形状等により適宜変更される。さらに、膜構造体3の材質は、膜構造体3の用途により適宜変更される。また、膜構造体3は、上記の膜作製方法を複数回行うことにより、膜作製基材1上の膜の上に新たな膜を作製することができる。これにより、粒径の異なる微粒子膜を重ねることも可能となる。例えば、これらの膜がフォトニック結晶である場合、粒径により反射させる光が異なるため、1つの膜構造体3の中に異なる粒径の微粒子膜を有することにより、波長の異なる複数の光を反射させることができるようになる。
上記のように作製された膜構造体3は、膜材料2の微粒子を自己組織により3次元的に規則的に配列させて膜作製基材1上に微粒子膜を作製することができる。これにより、作製した膜をフォトニック結晶として利用することができる。フォトニック結晶は、所定の波長の光を反射することができるため、作製された微粒子膜は、所定の波長の光を反射することができる。したがって、この所定の波長の光を反射する性質を利用した光学デバイス等に応用することができる。本発明において光学デバイスとは、光の吸収や反射を利用して機能するデバイスのことであり、例えば、所定の波長の光を反射するスクリーン等が挙げられる。
以下、上記膜構造体としてスクリーン5の例を示す。図5は、スクリーン5の拡大断面図である。このスクリーンは、可視光吸収層を兼ねる膜作製基材1上に、赤色の光401を反射する微粒子膜201と、緑色の光402を反射する微粒子膜202と、青色の光403を反射する微粒子膜203の3層が作製されている。これは、まず、微粒子膜201の層を作製し、微粒子膜201の乾燥後、微粒子膜202の層を作製し、微粒子膜202の乾燥後、微粒子膜203により作製させるといったように、上記の膜作製方法を3回繰り返すことにより作製することができる。このとき使用される3種類の微粒子は、自己組織化により規則的に配列させる微粒子であり、作製された微粒子膜は、それぞれ所定の波長の光を反射することができるフォトニック結晶である。微粒子膜201、202、203は、例えば、プロジェクタ等の光投影装置から投影される3原色光を反射して、フルカラーの画像を表示させることができる。通常、このスクリーン5には光投影装置以外から発生する外部光404も照射されている。微粒子膜201、202、203は、所定の光、この例においては、微粒子膜201は赤色の光401、微粒子膜202は緑色の光402、微粒子膜203は青色の光403を選択的に反射し、それ以外の光は透過させることができる。したがって、外部光404は、3つの微粒子膜の層を透過し、可視光を吸収する膜作製基材1に吸収されることとなる。したがって、このスクリーン5は、赤色の光401、緑色の光402、青色の光403の3つの光すなわち3原色光のみを反射することが可能となり、外部光404による画質の低下を防ぎ、鮮明な画像を映し出すことができる。
以上のように、本発明の膜作製方法により作製された膜構造体は、塗布斑及び乾燥斑のない均一な膜であり、膜材料に微粒子を使って作製される微粒子膜は、結晶性の良いフォトニック結晶となる。結晶性良くフォトニック結晶を作製することにより、より選択的に光を反射することができる。したがって、上記の膜構造体は、選択的に反射波長を制御することができる光学デバイスとして利用することができる。また、この膜構造体は、選択的に反射波長を制御することができるスクリーンとして利用することができる。そして、このスクリーンは、3原色光の波長のみを反射させることが可能となり、鮮明な映像を映し出すことができる。
以下、本発明の膜作製方法に使用する引き上げ法と移流集積法とを比較した実施例を示す。また、本発明の膜作製方法を用いたスクリーンの作製についての実施例を以下に示す。なお、本発明においては、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
[実施例1] 使用する溶液、基板の作製
自己組織化により規則的に配列させる微粒子としてシリカ微粒子であるシーホスター(日本触媒製)があり、粒径は200nmφ〜350nmφ程度である。この微粒子をイオン交換水に分散させて膜材料溶液である微粒子分散溶液を作製した。この微粒子を規則的に配列させてフォトニック結晶を作製すると、430nm〜745nm付近にブラッグ条件(λ=2nΛ/m、λ:入射光波長、n:モード屈折率、Λ:周期、m:次数)を充たす反射光が得られる。この反射光は、可視光領域の波長帯であるため、目視観察することができる。また、本実施例では、基板としてガラスとポリエチレンテレフタレート(PET)基板とを使用した。PET基板は、表面が疎水性であるため、微粒子分散溶液を均一に塗布することができない。そこで、表面にサンドブラスト加工を施したPET基板(帝人デュポンフィルム製、黒色)の表面にサンドブラスト加工を施し、表面を凸凹とすることで親水性の表面を形成した。表面を凸凹としてPET基板は、この凸凹の表面により、フォトニック結晶として利用できるほど自己組織化することができない。そこで、PET基板の凸凹の表面に、粒径が90nmφのシリカ微粒子であるシーホスターKE−W10(日本触媒製)を15.6wt%の濃度になるようにイオン交換水に分散させた分散溶液を塗布し、微粒子膜層を作製した。これにより、PET基板の凸凹の表面を平滑化と結晶性の向上に寄与することができる。このような微粒子膜層をバッファー層と呼ぶことにする。
[実施例2] 移流集積法と引き上げ法との比較
粒径の異なる9種類(210、213、220、230、250、255、280、289、290nmφ、各々約20wt%)のSiO微粒子である日本触媒製のシーホスターKE−Wシリーズを用いて移流集積法で微粒子薄膜作製を行った。移流集積法は、スライドガラス基板上に微粒子分散溶液を塗布して、プラスチックケースの中に入れ、非常に高い湿度の中で乾燥がゆっくり進み、微粒子を移流集積させる方法である。図6は、まだ乾燥が十分でない場合の微粒子膜の様子を示している。その後、プラスチックケースから基板を取り出す。移流集積法では、図7に示されるのように、微粒子膜にブラッグ反射特有の縞構造を確認することができる。移流集積法により作製された基板上の微粒子膜の反射特性を図8に示す。また、中心反射波長及び反射半値幅(FWHM)を図9に示した。可視光波長全領域において、微粒子の粒径により反射波長を制御できるとともに、反射強度反値幅も粒径に依存していることが確認できる。この結果、微粒子の自己組織化により規則的に配列した微粒子膜は、微粒子粒径によって任意の反射波長を選択でき、かつ、反射強度反値幅も想定できることが確認できる。しかし、膜厚を均一にすることができず、縞状構造が確認された。次に本発明の引き上げ法により、日本触媒製シーホスターKE−W25(250nmφ、20wt%)溶液及びプラズマ処理したスライドガラス基板を用いて、引き上げ速度10mm/secで塗布し、各々大気中室温で完全乾燥後に複数回塗布を繰り返した。作製された微粒子膜は、図10のように斑のない均一な膜となっている。この引き上げ法により作製された微粒子膜の反射特性を図11に、透過特性を図12に示す。それぞれの凡例は、塗布回数を示している。図13では塗布回数と反射特性が比例していないことが示され、塗布回数は2回で反射するに十分な周期構造を形成させることができる。図14は、塗布回数と膜厚の依存性とを示す図である。図13及び図14を見ると、膜厚方向に15粒子数以上の粒子数増加によっても反射特性が増えていないことからも周期構造として十分な膜厚と考えることができる。
[実施例3] 引き上げ回数の膜厚依存性について
スライドガラス基板を用い、引き上げ回数、微粒子分散溶液の濃度をパラメータとして、引き上げ速度は10mm/sec、温度25℃、湿度50%以上のグローブボックス中で引き上げ法により膜作製の実験を行った。SiO微粒子分散溶液は日本触媒製のシーホスターKE−W30(290nmφ)を使用した。引き上げ回数と膜厚との関係を図15に、微粒子分散溶液の濃度と膜厚との関係を図16に示す。図15から、引き上げ回数と膜厚とは、比例関係にあることがわかる。また、図16から、微粒子分散溶液の濃度と膜厚も略比例関係にあることがわかる。図17は、10wt%溶液を用いた場合の引き上げ回数の反射率依存性を示した図である。図15及び図17から膜厚が光学特性と比例関係にあることがわかる。SEM観察の結果、上記式中の定数Kと濃度を比較すると図18のようになり、10wt%以上はレイヤーバイレイヤーで最密六方構造に集積し、5wt%以下では縞状に成長した。これにより、10wt%以上の微粒子濃度の際に定数Kが安定していることがわかる。
[実施例4] 引き上げ速度及び塗布回数による膜厚及び反射率依存性について
実施例1で加工したPET基板を使用し、引き上げ法により幾つかの微粒子膜を作製した。作製したサンプルは、膜厚をSEM写真の断面観察像を基にして測定した。また、サンプルの反射率、600lx程度の明所での散乱強度を測定した。作製された微粒子膜が所定の波長を反射させる場合、散乱強度が大きいと、所定の波長以外の波長の光を散乱させるため選択的に所定の波長を反射させることができなくなる。そのため、スクリーンを作製するためには散乱強度が低く、反射率の高い微粒子膜が必要となる。図19は引き上げ速度の微粒子膜厚依存性を示したもので、図20は微粒子膜の厚さが塗布回数に比例することを前提に、微粒子膜の厚さを塗布回数で割ったものと、引き上げ速度との依存性を示したものである。その結果、引き上げ速度は8mm/sまで膜厚と比例していることがわかった。引き上げ速度が8mm/sより速くなると、塗布回数に関わらず膜厚にあまり変化が見られない。図20に示されるとおり、微粒子膜の厚さを塗布回数で割ったものの変化が見られなくなるまでは、logtがlogvの2/3に比例していることがわかる。これは、前記に示した文献と略同じ結果である(H.Dislich and E.Hussmann, Thin Solid Films, 77(1981), 129)。また、図21は引き上げ速度の反射率依存性を示したもので、図22は微粒子膜の膜厚の反射率依存性を示したものである。反射率も膜厚と同様に、引き上げ速度8mm/sec以上で、反射率に変化が見られなくなった。しかし、図22からわかるように、同じ厚さの膜でも塗布回数が少ない微粒子膜、すなわち1回に塗布される膜の厚さが厚い方が高い反射率を示している。図23は引き上げ速度の散乱強度依存性を示したものである。図24はサンプルの膜厚の散乱強度依存性を示したものである。散乱強度依存性は、反射率と同様に、引き上げ速度8mm/sec以上で散乱強度に変化が見られなくなっている。また、塗布回数の少ないサンプルの方が低い散乱強度を示している。また、図25では引き上げ速度の定数Kの依存性を示した。
[実施例5] 粒径の異なる微粒子による積層微粒子膜の作製
粒径が210nmφ、250nmφ、309nmφである3種類の微粒子をそれぞれ分散させた微粒子分散溶液を用いて、引き上げ法により基板上に微粒子膜を積層させた。まず、基板に309nmφの微粒子膜を作製し、その上に250nmφの微粒子膜を作製し、さらにその上に210nmφの微粒子膜を作製した。その結果、図26のように、積層された微粒子膜を作製することができた。
[実施例6] 本発明の膜作製方法による微粒子膜の作製
上記実施例の結果を参考に、本発明の膜作製方法を用いてスクリーンを作製した。膜作製基材として、バッファー層を設けたサンドブラスト加工したPETフィルム(500mm×500mm)を2枚用いた。また、膜材料溶液としてシリカ微粒子である320nmφのシーホスターKE−W32(日本触媒製)の水溶液を用いた。水溶液の濃度は20.6wt%である。2枚のPET基板は、サンドブラスト加工されていない面同士を静電力により張り合わせ、張り合わせたPET基板を膜材料溶液に浸漬し、8mm/secの速度で引き上げた。引き上げて3分間膜を放置し、再び膜材料溶液に浸漬させた。この浸漬、引き上げ、放置を4回繰り返した後、再度PET基板を膜材料溶液に浸漬し、8mm/secの速度で引き上げ、約20分かけて完全に乾燥させた。完全乾燥後、同じ工程をもう一度繰り返し、PET基板上に微粒子膜を作成した。
[実施例7] PET基板1枚によるスクリーンの作製
比較のために実施例6のPET基板を張り合わせないで微粒子膜の作製した。作製方法は、上記実施例6と同じ条件で微粒子膜を作製した。図27は、上記実施例により作製されたスクリーンの膜材料溶液を塗布した側の表面を示す図である。本発明の方法、実施例1により作製されたスクリーンは、図27(a)に、実施例2により作製されたスクリーンは、図27(b)に示される。図27(a)と図27(b)との比較により明らかなように、本発明の方法により作製されたスクリーンの方が、斑のない均一な膜を形成していることが確認できる。
本発明の膜作製方法において、一対の膜作製基材を張り合わせ膜材料付着部に膜材料を付着させる工程の一例を示す図である。(a)は、一対の膜作製基材を張り合わせる状態を示す図であり、(b)は、張り合わせた膜作製基材を膜材料溶液に浸漬させる状態を示す図であり、(c)は、張り合わせた膜作製基材を膜材料溶液から引き上げる状態を示す図である。 本発明の膜作製方法において、膜作製基材と張合基材とを張り合わせ膜材料付着部に膜材料を付着させる工程の一例を示す図である。(a)は、膜作製基材と張合基材とを張り合わせる状態を示す図であり、(b)は、張り合わせた膜作製基材と張合基材とを膜材料溶液に浸漬させる状態を示す図であり、(c)は、張り合わせた膜作製基材と張合基材を膜材料溶液から引き上げる状態を示す図である。 本発明の膜作製方法において、張り合わせた膜作製基材と張合基材とを膜材料溶液から引き上げる状態を基材の側面方向から見た図である。 本発明の膜作製方法において、異なる張合基材を利用して膜作製基材に張り合わせ、膜材料溶液から引き上げる状態を基材の側面方向から見た図である。 本発明の膜作製方法により作製された光学デバイスの一例として挙げられたスクリーンの断面形状を示す拡大断面図である。 移流集積法により作製した加湿状態での微粒子膜を示す図である。 移流集積法により作製した乾燥状態での微粒子膜を示す図である。 移流集積法により作製した微粒子膜の反射特性を示す図である。 移流集積法により作製した微粒子膜の中心反射波長及び反射半値幅を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した乾燥状態での微粒子膜を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜の反射特性を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜の透過特性を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜の引き上げ回数による反射特性依存性を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜の引き上げ回数による膜厚依存性を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜の引き上げ回数と膜厚依存性を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜における溶液濃度の膜厚依存性を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜における引き上げ回数と反射率依存性を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜における定数Kと微粒子濃度との関係を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜における引き上げ速度の微粒子膜厚依存性を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜における微粒子膜厚を塗布回数で割ったものと引き上げ速度との依存性を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜における引き上げ速度の反射率依存性を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜における膜厚の反射率依存性を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜における引き上げ速度の散乱強度依存性を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜における膜厚の散乱強度依存性を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜における引き上げ速度の定数Kの依存性を示す図である。 本発明の膜作製方法により作製した微粒子膜における微粒子径の異なる3種類の微粒子の積層体の断面形状を示す図である。 実施例7において本発明の膜作製方法で作製された微粒子膜の表面を示す図である。(a)は、本発明の膜作製方法を用いて行われた実施例1で作製されたスクリーンの表面を示す図であり、(b)は、実施例2で作製されたスクリーンの表面を示す図である。 微粒子の粒径と反射波長の関係を示す図である。
符号の説明
1 膜作製基材
10 膜材料付着部
100、101、600、601 面
2 膜材料
2a、2b 膜
20 膜材料溶液
200 分散溶媒
201、202、203 微粒子膜
3 膜構造体
401 赤色の光
402 緑色の光
403 青色の光
404 外部光
5 スクリーン
6 張合基材

Claims (21)

  1. 一方の面に膜材料を付着させる膜材料付着部を有する一対の略平板状の膜作製基材を前記一方の面の裏側の面を向かい合わせるように張り合わせる工程と、
    張り合わせた一対の前記膜作製基材に前記膜材料を含む膜材料溶液を塗布する工程と、
    前記膜材料付着部に付着した前記膜材料を前記膜作製基材上で膜化する工程とを有する
    ことを特徴とする膜作製方法。
  2. 上記膜材料付着部は、前記膜材料付着部を有する面の一部又は前記膜材料付着部を有する面の全面であることを特徴とする請求項1の膜作製方法。
  3. 上記膜材料付着部は、親水性であることを特徴とする請求項1の膜作製方法。
  4. 上記膜材料付着部は、物理的又は化学的処理により親水加工されていることを特徴とする請求項1の膜作製方法。
  5. 上記膜材料付着部を有する面の裏側の面は、疎水性であることを特徴とする請求項1の膜作製方法。
  6. 上記膜材料は、乾燥又は重合により膜化することを特徴とする請求項1の膜作製方法。
  7. 上記膜材料は、無機又は有機の微粒子であることを特徴とする請求項1の膜作製方法。
  8. 上記膜材料溶液は、上記膜材料の他に膜を形成する膜形成物質を含むことを特徴とする請求項1の膜作製方法。
  9. 上記膜材料溶液は、上記微粒子を分散させた微粒子分散溶液であることを特徴とする請求項1の膜作製方法。
  10. 上記微粒子は、酸化物微粒子又は高分子樹脂微粒子であることを特徴とする請求項9の膜作製方法。
  11. 上記酸化物微粒子は、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、又は、これらの混合物であることを特徴とする請求項10の膜作製方法。
  12. 上記高分子樹脂微粒子は、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、フェノール樹脂、アクリルポリマー、シリコンポリマー、天然高分子、又は、これらの混合物であることを特徴とする請求項10の膜作製方法。
  13. 上記膜作製基材は、上記膜材料溶液に浸漬させた後、引き上げられることを特徴とする請求項1の膜作製方法。
  14. 一方の面に膜材料を付着させる膜材料付着部を有する略平板状の膜作製基材と前記一方の面の裏側の面に配置する略平板状の張合基材とを張り合わせる工程と、
    張り合わせた前記膜作製基材と前記張合基材とに前記膜材料を含む膜材料溶液を塗布する工程と、
    前記膜材料付着部に付着した前記膜材料を前記膜作製基材上で膜化する工程とを有する
    ことを特徴とする膜作製方法。
  15. 一方の面に膜材料を付着させる膜材料付着部を有する一対の略平板状の膜作製基材を前記一方の面の裏側の面を向かい合わせるように張り合わせる工程と、
    張り合わせた一対の前記膜作製基材に前記膜材料を含む膜材料溶液を塗布する工程と、
    前記膜材料付着部に付着した前記膜材料を前記膜作製基材上で膜化する工程とを有する膜作製方法を複数回行う
    ことを特徴とする膜作製方法。
  16. 一方の面に膜材料を付着させる膜材料付着部を有する一対の略平板状の膜作製基材と、
    前記一対の膜作製基材を前記一方の面の裏側の面を向かい合わせるように張り合わせる工程、張り合わせた一対の前記膜作製基材に前記膜材料を含む膜材料溶液を塗布する工程、及び、前記膜材料付着部に付着した前記膜材料を前記膜作製基材上で膜化する工程により前記膜作製基材上に作製された膜と
    を有することを特徴とする膜構造体。
  17. 上記膜作製基材は、無機酸化物、金属、又は、有機材料により形成されていることを特徴とする請求項16の膜構造体。
  18. 上記膜作製基材は、表面に有機材料を塗布されていることを特徴とする請求項16の膜構造体。
  19. 上記膜作製基材上に作製された膜は、上記膜作製基材に自己組織化により規則的に配列されていることを特徴とする請求項16の膜構造体。
  20. 一方の面に膜材料を付着させる膜材料付着部を有する一対の略平板状の膜作製基材と、
    前記一対の膜作製基材を前記一方の面の裏側の面を向かい合わせるように張り合わせる工程、張り合わせた一対の前記膜作製基材に前記膜材料を含む膜材料溶液を塗布する工程、及び、前記膜材料付着部に付着した前記膜材料を前記膜作製基材上で膜化する工程により前記膜作製基材上に作製された膜とを有する
    ことを特徴とする光学デバイス。
  21. 一方の面に膜材料を付着させる膜材料付着部を有する一対の略平板状の膜作製基材と、
    前記一対の膜作製基材を前記一方の面の裏側の面を向かい合わせるように張り合わせる工程、張り合わせた一対の前記膜作製基材に前記膜材料を含む膜材料溶液を塗布する工程、及び、前記膜材料付着部に付着した前記膜材料を前記膜作製基材上で膜化する工程により前記膜作製基材上に作製された膜とを有する
    ことを特徴とするスクリーン。
JP2005109717A 2005-04-06 2005-04-06 膜作製方法、膜構造体、光学デバイス及びスクリーン Pending JP2006292818A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005109717A JP2006292818A (ja) 2005-04-06 2005-04-06 膜作製方法、膜構造体、光学デバイス及びスクリーン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005109717A JP2006292818A (ja) 2005-04-06 2005-04-06 膜作製方法、膜構造体、光学デバイス及びスクリーン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006292818A true JP2006292818A (ja) 2006-10-26

Family

ID=37413491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005109717A Pending JP2006292818A (ja) 2005-04-06 2005-04-06 膜作製方法、膜構造体、光学デバイス及びスクリーン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006292818A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008003283A (ja) * 2006-06-22 2008-01-10 Toyoda Gosei Co Ltd 赤外線反射材、赤外線反射積層体および赤外線反射構造体
JP2011215618A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Samsung Corning Precision Materials Co Ltd ディスプレイ装置用カラーシフト低減光学フィルタ及びその製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5380449A (en) * 1976-12-25 1978-07-15 Nippon Sheet Glass Co Ltd Dip painting method
JP2004262151A (ja) * 2003-03-03 2004-09-24 Sony Corp 微粒子配列構造体及びその製造方法、光学媒体及びその製造方法、並びに下地微粒子配列構造体及びその製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5380449A (en) * 1976-12-25 1978-07-15 Nippon Sheet Glass Co Ltd Dip painting method
JP2004262151A (ja) * 2003-03-03 2004-09-24 Sony Corp 微粒子配列構造体及びその製造方法、光学媒体及びその製造方法、並びに下地微粒子配列構造体及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008003283A (ja) * 2006-06-22 2008-01-10 Toyoda Gosei Co Ltd 赤外線反射材、赤外線反射積層体および赤外線反射構造体
JP4743017B2 (ja) * 2006-06-22 2011-08-10 豊田合成株式会社 赤外線反射材、赤外線反射積層体および赤外線反射構造体
JP2011215618A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Samsung Corning Precision Materials Co Ltd ディスプレイ装置用カラーシフト低減光学フィルタ及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2418170B1 (en) Method for arranging fine particles on substrate by physical pressure
Zhang et al. Fabricating ordered 2-D nano-structured arrays using nanosphere lithography
Kim et al. Rapid fabrication of two‐and three‐dimensional colloidal crystal films via confined convective assembly
JP5220066B2 (ja) 機能性表面の製造方法
US20080199659A1 (en) Transparent hydrophobic article having self-cleaning and liquid repellant features and method of fabricating same
JP4849375B2 (ja) 微粒子配列体薄膜及びその製造方法、並びに、微粒子配列体薄膜製造装置
CN103370286A (zh) 在基材上沉积抗反射层的方法
EP2944446B1 (en) Mold for manufacturing optical element and production method for same
CN107851684B (zh) 纳米结构材料方法及装置
KR20130054939A (ko) 기판 상에 정렬된 입자층의 증착 방법
Wang et al. Large-area self assembled monolayers of silica microspheres formed by dip coating
Wang et al. Spherical antireflection coatings by large-area convective assembly of monolayer silica microspheres
CN100400717C (zh) 控制胶体微球自组装及制备二维、三维光子晶体的方法
US9777392B2 (en) Method of fabricating single crystal colloidal monolayer on substrate and display device comprising the substrate
JP2006292818A (ja) 膜作製方法、膜構造体、光学デバイス及びスクリーン
JP5721503B2 (ja) 装飾品およびその製造方法
JP4235890B2 (ja) 微粒子配列構造体の製造方法、及び反射型スクリーンの製造方法
JP5162816B2 (ja) コロイド結晶の製造方法
CN115083256A (zh) 防伪标签、复合光学结构及其制备方法和应用
JP2006292821A (ja) 微粒子配列構造体及びその製造方法、並びに光学媒体の製造方法
CN101070606A (zh) 一种动态物理限制条件下的光子晶体模板制备方法
CN108193278B (zh) 一种两步旋涂法制备单层胶体晶体的方法
JP2006035129A (ja) 微粒子配列方法、スクリーン及びデバイス
JP6817763B2 (ja) 電磁波調整用分散体の製造方法
KR20100013504A (ko) 광변색성 박막 및 그의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111011

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120221