JP2006292753A - 光ファイバジャイロスコープ及び光強度値獲得方法 - Google Patents

光ファイバジャイロスコープ及び光強度値獲得方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバジャイロにおいて、低角速度における感度を高める。
【解決手段】複数の後方励起光線間の位相変調を行う干渉方式光ファイバジャイロスコープにおいて、2本の後方励起(counter-propagating)光線間の位相差を一時的に調整することにより光ファイバジャイロスコープ(FOG)の光強度を獲得し、この位相差の調整によって引き起こされる光度変化量を測定し、この測定された光度変化量を、光ファイバジャイロスコープの公知の方法を用いて光強度値を計算する。この光強度値をしきい値または先に得られた値と比較し、所定値を超えた場合に不合格信号を出力する。この位相差の一時的な調整は、光ファイバジャイロスコープの通常の動作を妨げないようになされることが好ましい。
【選択図】図15

Description

本発明は、光ファイバジャイロスコープと光強度値獲得方法とに関する。
光ジャイロスコープは、微少な動きの変化を検出することを目的とし、ミラードリング(レーザ又は「リングレーザ」ジャイロスコープ)又はファイバループ(光ファイバジャイロスコープ)の内部で反対方向に進む2本の光線が生成する干渉パターンを測定するものである。光ジャイロスコープは、20世紀初頭に発見された「サニャク効果」と呼ばれる原理に基づいている。光ジャイロスコープは、様々に活用されているが、特に、宇宙船や航空機等の誘導、ナビゲーション、制御等を行なうシステムでの使用によく適している。光ジャイロスコープの一例が、特許文献1に記載されている。
光ファイバジャイロスコープには、干渉方式光ファイバジャイロスコープ(IFOG)と共振方式光ファイバジャイロスコープ(RFOG)とを含む、いくつかの異なる種類が存在する。干渉方式光ファイバジャイロスコープは、回転するファイバコイル内で、2本の後方励起(counter-propagating)光線/光波間の光位相差を生成する、サニャク効果を有する位相敏感装置である。共振方式光ファイバジャイロスコープは、共振時計回り周波数及び共振反時計回り周波数に固定されたリングファイバ空洞共振器内で、2本の共振線間の周波数差を生成する、サニャク効果を有する周波数敏感装置である。
干渉方式光ファイバジャイロスコープは、一般に、開ループ構造と閉ループ構造とのいずれかで動作する。閉ループ構造では、サニャク効果によって生成される位相シフトと大きさが等しく、記号が反対の位相シフトを生成し、当該生成した位相シフトの大きさを、それを生成した装置から決定する。
低い角回転率での感度を高めるために、干渉方式光ファイバジャイロスコープは、複数の後方励起光線間の位相変調を行う。そのようなバイアス変調が、特許文献2に説明されている。
米国特許第4,545,682号 米国特許出願第10/078,182号(米国公開第2003/0169428号)
多くの場合、干渉方式光ファイバジャイロスコープは、コイルアセンブリからの光出力(2本の後方励起光線が結合されたもの)をアナログ信号又はデジタル信号に変換する、光受信機等の機構を含む。以下、干渉方式光ファイバジャイロスコープの「光強度(optical power)」とは、コイルアセンブリから出力され、光受信機に入力される光の強度を測定した値をいう。
図1は、干渉方式光ファイバジャイロスコープの一例を示す。図1において、干渉方式光ファイバジャイロスコープ1は、光ファイバループ3と、光位相変調器(OPM)5と、カプラ7と、光源9と、光検出器11と、制御アセンブリ13とを有する。光源9からの光信号は、時計回り(cw)信号と反時計回り(ccw)信号とに分割され、光ファイバループ3と光位相変調器5とを通過し、カプラ7において再結合され、光検出器11に送られる。光検出器11の出力は、制御アセンブリ13に供給される。制御アセンブリ13は、光位相変調器5を制御するが、その他に光源9をも制御するものとしてもよい。
図2は、干渉方式光ファイバジャイロスコープ1の時計回り信号及び反時計回り信号の経路を示す。図に示すように、時計回り信号は、カプラ7における点P1を起点とし、光ファイバループ3上の点P3を通り、光位相変調器5を通り、カプラ7における点P2に戻る。又、反時計回り信号は、カプラ7における点P2を起点とし、光ファイバループ3上の点P3を通り、光位相変調器5を通り、カプラ7における点P1に戻る。
図3は、光位相変調器5の制御方法を示す。図3に示すように、光位相変調器5は、区間T0から区間T3のそれぞれにおいて、45度の位相差を設け、当該位相差の記号を各区間毎に交互に変化させる。カプラ7に戻った時計回り信号と反時計回り信号との間に90度の位相差が生じるように、これらの区間を、光が光ファイバループ3を通過する時間に対応させることができる。
図4は、図1に示す干渉方式光ファイバジャイロスコープの別の形態を示す。図4において、干渉方式光ファイバジャイロスコープ1‘は、図1の光位相変調器5に替えて単一の集積光チップ5Cを構成する光位相変調器5A及び5Bを含む以外は、図1に示す干渉方式光ファイバジャイロスコープ1の構成要素と同じ構成要素を有する。光位相変調器5A及び5Bは、それぞれが時計回り信号及び反時計回り信号において観測される位相シフトの半分ずつを提供するように(集積光チップ5Cの制御を介して)制御される。
図5は、干渉方式光ファイバジャイロスコープ1‘の時計回り信号及び反時計回り信号の経路を示す。図に示すように、時計回り信号は、カプラ7における点P1を起点とし、光位相変調器5Aを通り、光ファイバループ3上の点P3を通り、光位相変調器5Bを通り、カプラ7における点P2に戻る。又、反時計回り信号は、カプラ7における点P2を起点とし、光位相変調器5Bを通り、光ファイバループ3上の点P3を通り、光位相変調器5Aを通り、カプラ7における点P1に戻る。
図6は、光位相変調器5A及び5Bの制御方法を示す。ここで、光位相変調器5A及び5Bはそれぞれ、区間T0から区間T3のそれぞれに、22.5度の位相差を設け、当該位相差の記号を各区間毎に交互に変化させる。光位相変調器5Aと光位相変調器5Bとが設ける位相差の記号はお互いに反対である。光位相変調器5A及び5Bが合計で45度(22.5×2)の位相差を時計回り信号及び反時計回り信号のそれぞれに設け、その結果カプラ7に戻った時計回り信号と反時計回り信号との間に90度の位相差が生じるように、区間T0から区間T3のそれぞれを、光が光ファイバループ3を通過する時間に対応させる。
尚、干渉方式光ファイバジャイロスコープ1と干渉方式光ファイバジャイロスコープ1‘とのいずれにおいても、光位相変調器(5、5A、5B)は、光検出器11に送られる前にカプラ7において再結合される時計回り信号と反時計回り信号との位相差を制御するために用いられる。ここで、点P4から光検出器11に入力され、検出される信号は、時計回り信号と反時計回り信号との結合から生じる干渉信号である。図3に示す方法と図6に示す方法とのいずれにおいても、光位相変調器は、時計回り信号と反時計回り信号との間に90度の位相差が生じるように制御される。このため、図7に示すように時計回り信号と反時計回り信号との位相差がT0からT4の各区間において90度となるような制御を可能とするために、この2つの方法を用いることができる。
後に説明するように、本発明の実施例は、図3、6〜8に示す制御方法とは異なる方法、即ち位相差パターンを生成するように光位相変調器を制御する方法を用いる。このような方法にとっては、図7のパターンを、第1位相差D1の繰り返しとして一般化することが好都合である。第1位相差D1は、90度である必要はなく、T0からT4の各区間において設けられる。このような理由から、図8においては、図7と同様の制御パターンが示されているが、D1の値は明示されていない。
前記課題を解決するために、本発明の干渉方式光ファイバジャイロスコープは、第1光信号と、前記第1光信号とは位相が異なる第2光信号との組み合わせであるところの干渉信号の強度を測定する干渉方式光ファイバジャイロスコープ(IFOG)であって、前記干渉信号の第1測定強度と前記干渉信号の第2測定強度との差分を計算する一組の1以上のコントローラを備え、前記第1測定強度は、1回目に生じる前記第1光信号と前記第2光信号との第1位相差から得られ、前記第2測定強度は、2回目に生じる前記第1光信号と前記第2光信号との第2位相差から得られ、前記第1位相差の絶対値は、前記第2位相差の絶対値とは異なることを特徴とする。
また、干渉方式光ファイバジャイロスコープによる光強度値獲得方法は、2本の後方励起光線間の位相差の変化によって引き起こされる光度変化量を獲得するステップと、前記獲得された光度変化量を用いて光強度値を計算するステップとを備えることを特徴とする。
本発明は、統合的強度測定能力を有する光ファイバジャイロスコープと、それに関連する方法と装置とに関する。具体的には、本発明は、公知の位相差の変化に対応する光度の変化を測定することにより光ファイバジャイロスコープ(FOG)の光強度を獲得し、この測定された光度変化量を、位相差の変化と光ファイバジャイロスコープの公知の特徴と一緒に用いて光強度値を計算することを主題とする。より具体的な好ましい実施の形態においては、2本の後方励起光線間の位相差を一時的に調整することにより光強度を獲得し、この位相差の調整によって引き起こされる光度変化量を測定し、この測定された光度変化量を、光ファイバジャイロスコープの公知の特徴と一緒に用いて光強度値を計算する。この位相差の一時的な調整は、光ファイバジャイロスコープの通常の動作を妨げないようになされることが好ましい。
本発明の好ましい実施の形態について説明する。これらの実施の形態の例は、添付図面に示されている。本発明を好ましい実施の形態に関連して説明するとはいえ、これらの実施の形態は本発明を限定するために示すものではないことが理解されよう。その反対に、本発明は、添付クレームが定義する本発明の精神及び範囲に含まれ得る代替物や、変形物、同等物をも対象とすることを意図している。
以下の詳細な説明において、本発明が完全に理解されるよう、多くの具体的かつ詳細な説明が提供される。しかし、当業者には、本発明がこれらの具体的かつ詳細な説明なしに実践され得ることが理解されよう。また、本発明の重要な特徴を不必要にあいまいにしないために、公知の方法や、手順、要素、回路については、詳細に説明していない。
少なくとも干渉方式光ファイバジャイロスコープについては、2本の後方励起光線間の位相差を一時的に調整し、当該位相差の調整によって引き起こされる光度の変化を測定し、測定された光度の変化を光ファイバジャイロスコープの公知の特徴と一緒に用いて光強度値を計算することにより、光強度の獲得が可能であることが発見された。この方法は、図9に、ステップ51、53、55を含む方法50として示されている。ステップ51、53、55を実行する1以上の機構を有するジャイロスコープを備えることにより、この方法の実施が容易になることが考えられる。
図10は、図9に示す方法50の実施の形態を示す。図10では、干渉方式光ファイバジャイロスコープの時計回り信号と反時計回り信号との位相差|cw-ccw|が、3つの時間区間に渡ってD1に一定に保たれ、4番目の区間においてD2に変化されている。区間T3における位相差の変化となって現れる光強度の変化は、干渉方式光ファイバジャイロスコープの光強度値を獲得するのに用いることができる。具体的には、区間T0〜T2の任意の区間間の位相差に対応する第1光度値(又は、平均光度値)と、区間T3に対応する第2光度値との差分により、干渉方式光ファイバジャイロスコープの光強度出力の大きさが得られる。
一時的な位相差の導入は、例えば入力要求に応答して光強度を獲得する際等、たまにしか必要ではないかも知れないし、周期的に必要とされるかも知れない。図11では、位相差|cw-ccw|が、3つの区間に渡って第1の値D1に一定に保たれ、4番目の区間においてD2に変化され、次の3つの区間に渡ってD1に一定に保たれ、再び4番目の区間においてD2に変化されている。このように、差D2は、周期的に4番目の区間毎に導入されている。明瞭化のため、図11の方法では、測定期間は4つの区間からなる。即ち、4区間からなる期間における位相差パターンが用いられている。従って、図11は、2つの測定期間を示している。第1測定期間は、区間T0〜T3からなり、第2測定期間は、区間T4〜T7からなる。以下、光強度の獲得を目的とし、光度を変化させるために位相差を変化させる時間区間を、強度偏差区間ということがある。
図11は、4つの区間からなる測定期間を活用する方法を示しているが、一般に、測定期間における区間の数は、実施の態様により異なるであろう。さらに、測定期間で発生する位相差のパターンは、3つ以上となる可能性もある。そのような例を、図12に示す。図12に示す方法では、10の区間及び3つの値が用いられている。図12に示すように、各測定期間(T0〜T9からなる測定期間及びT10〜T19からなる測定期間)において、位相差|cw-ccw|が、4つの区間に渡ってD1に一定に保たれ、5番目の区間においてD2に変化され、6番目の区間においてD3に変化され、7番目の区間においてD2に変化され、それ以後の3つの区間においてD1に戻っている。
位相差の一時的な調整は、干渉方式光ファイバジャイロスコープの通常の動作を妨げないように、即ち、基本回転データが失われないように行われるのが好ましい。これにより、その機能を損なうことなく、干渉方式光ファイバジャイロスコープを周期的に検証することが可能となる。これは、図12に示す上記位相差|cw-ccw|の変更方法により実現される。
図12に示す方法による位相差パターンは、図4に示す干渉方式光ファイバジャイロスコープ1‘の光位相変調器5A及び5Bを、図12及び13に示すように制御することにより実現される。図13では、光位相変調器5Aへの入力信号(制御アセンブリ13から提供される)は、区間T0〜T3において、第1振幅A1の正と負の値の間で変化し、区間T4及びT5では、第2振幅A2の正と負の値の間で変化し、以後の区間、即ち区間T6〜T9では、第1振幅A1の正と負の値の間で変化する。このパターンは、次の測定期間、即ち区間T10〜T19、及び以後の測定期間(図示せず)においても繰り返される。図14は、そのような、区間T(n)から始まり区間T(n+9)で終わる測定期間における信号を示している。そのようなパターンを活用することにより、光強度を獲得するのに適した光度の変化が引き起こされる。しかし、干渉方式光ファイバジャイロスコープの、回転を感知し報告する動作には干渉しない。
ここで用いられる変化のパターンは、D3が2つの変化の合計であることから、D2を、D1とD3とともに減少させるものである。従って、D2の使用によって引き起こされる光度の変化を用いることができるものの、D3によって引き起こされる光度の変化を用いれば、D2によって引き起こされる光度の変化の2倍の信号がもたらされるため、それにともなう利点も得られる。
図15は、図9の方法におけるステップ51、53、55を実行する機構を備えた干渉方式光ファイバジャイロスコープの、他の実施の形態を示す。図15において、好ましい形態としての光ファイバジャイロスコープ90は、コントローラアセンブリ100と、コイルアセンブリ200と、超発光ダイオード(SLD)300とを有する。コントローラアセンブリ100は、光/デジタル変換モジュール110と、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)120と、出力変調モジュール140と、発振器150とを有する。
光ファイバジャイロスコープ90は、光強度値を計算すると、計算結果の値を用いて、当該光強度値がしきい値より上か下かを判断する。以下、この処理をBIT試験を実施するという。このように、BIT試験は、図9に示すステップ51、53、55を含むだけでなく、光強度がしきい値より上か下か判断することと、その判断の結果が肯定的であった場合にはBIT合格信号を送ることと、否定的であった場合にはBIT不合格信号を送ることとを含む。
光/デジタル変換モジュール110は、光受信機112と、前置増幅器114と、スパイクフィルタ116と、信号調節器117と、アナログ/デジタル(A/D)変換器118とを有する。光受信機112は、コイルアセンブリ200から出力された結合光線を電気信号に変換する光ダイオード等の装置である。前置増幅器114は、生成された信号の振幅を調整する。スパイクフィルタ116は、変調信号が変化し、干渉パターンのピークを超えたときに生じるスパイクを取り除く。信号調節器117は、さらにアナログ信号を増幅する。又、信号調節器117は、アナログ/デジタル変換器118によるサンプリングの実行の前に高周波数ノイズを取り除く低域通過フィルタリングとして機能する。前置増幅器114と、スパイクフィルタ116と、信号調節器117とにより、光受信機112からの出力信号は、アナログ/デジタル変換器118への入力に合った信号形態に変換される。アナログ/デジタル変換器118は、増幅されてフィルタリングされた光受信機からのアナログ信号を、デジタル信号に変換する。当該デジタル信号は、フィールドプログラマブルゲートアレイ120に供給され、そこで変調周波数にデジタルに復調される。当該変調周波数は、フィールドプログラマブルゲートアレイにより、光がコイルアセンブリ200のコイル230の長さ分(実施の形態により異なる)を移動するのに要する時間に基づいて設定される。図15に示す実施の形態の場合、周波数は、約80KHzである。
フィールドプログラマブルゲートアレイ120は、コントローラアセンブリ100の重要な機能を実行するようにプログラムされる。当該重要な機能は、光/デジタル変換モジュール110によって提供される信号の復調と、角速度や位置等の所望のデータ(シリアルデータレジスタ127のところで詳しく説明される)を表すデジタル値の獲得及び出力と、コイルの後方励起光線の位相等の特性を調整する集積光チップ(IOC)に与えられるべき変調信号及び位相ランプ信号の生成とを含む。このように、復調器121は、基本周波数で復調を行い、制御ループで発生するエラーに比例した値を出力する。積分器123は、復調器121からの値を、光ファイバジャイロスコープの回転率を表す時間だけ積分し、当該積分結果をランプ生成器及び変調アセンブリ125に出力する。ランプ生成器125からの出力は、変調モジュール140とシリアルデータレジスタ127とに送信される。
又、フィールドプログラマブルゲートアレイ120は、ゲイン復調器122と、ゲイン積分器124と、タイミング回路126と、2クロック遅延アセンブリ128と、比較器129と、遅延アセンブリ130と、BITタイミングパルス生成器131とを含むことが好ましい。BITタイミングパルス生成器131は、BIT機能を開始する信号を生成する。即ち、当該信号により、位相変調が変化され、それに伴い位相差が変化し、その変化は光強度を獲得するのに用いられる。BIT機能開始信号が生成される時間間隔は、光ファイバジャイロスコープ90の測定期間と一致する。光ファイバジャイロスコープ90の実施において、BITタイミングパルス生成器131は、10秒に1度信号を生成するように設定された。しかし、これに限定されることはなく、どのような時間間隔にも設定可能である。BITタイミングパルス生成器131の出力を受け、ランプ生成器125は、変調の1サイクルに対する位相変調差を生成する。光ファイバジャイロスコープ90の実施において、通常変調は、+90度と−90度であった。1以上のサイクルについて90−x度及び90+x度の変調という条件下では、値はx度だけ変化する。90度の変調も、xという値も、決定的に重要というわけではなく、当該BIT機能は、他のタイプの変調にも適用可能である。尚、結果に変わりがないため、BIT試験は90−x度と90+x度とのいずれから開始してもよい。
又、BITタイミングパルス生成器131は、遅延アセンブリ130にトリガ信号を供給する。遅延アセンブリ130は、当該トリガを、フィールドプログラマブルゲートアレイ100及び光/デジタル変換モジュール110の遅延を構成するように数サイクルだけ遅延する。この遅延は、BIT試験の直前に、比較器129が−90+x信号の結果と−90度変調とを比較することができるように行われる。90−xサンプルの前に2つのサンプルの平均値を求めることにより、より正確な結果を得ることができるが、その必要はない。
2クロック遅延アセンブリ128は、−90度変調の結果と−90+x信号とが同時に比較器の中に存在するように、−90度変調の結果を遅延し、比較器に送る。
比較器129の出力が、ゲインと変調信号に与えられた変化とから獲得された光強度しきい値よりも大きい場合、比較器129は、BIT合格信号を出力する。比較器129の出力が光強度しきい値よりも小さい場合、比較器129は、BIT不合格信号を出力する。
モジュール140は、ゲインDAC141と、ランプ乗算DAC142と、増幅器148とを有する。ゲインDAC141は、集積光チップ220に与えられたランプ信号が、2piの範囲に加えて180度の変調に渡って変化するように、ランプ乗算DAC142に指示を与える。増幅器148は、適切な駆動が集積光チップ220に提供されるように、DACの出力を条件付ける。
ゲイン復調器122は、アナログ/デジタル変換器118からの信号を復調し、復調した信号をゲイン積分器124に供給する。要求されたランプ信号がランプ乗算DAC142の範囲外にあるとゲイン積分器124が判断すると、積分器123は更新される。積分器123は、集積光チップ220が隣接するフリンジにリセットされるようにリセットを行う。ゲイン積分器124は、リセット前のアナログ/デジタル変換器118の出力とリセット後の値とを比較し、エラーが0になるように調節する。
コイルアセンブリ200は、カプラ210と、集積光チップ220と、2.5km長の光ファイバコイル230とを有する。当該コイルの長さは、実施の形態により異なるであろう。当該コイルの長さは、本発明にとって決定的に重要なわけではなく、時間区間の長さを決定するのに必要な1要素であるに過ぎない。しかし、当該コイルの長さは、多くの実施の形態において1mから10,000mの範囲であろう。特に約120mから3,000mの範囲の長さが有効と思われる。コイルアセンブリ200は、超発光ダイオード(SLD)300からの光と、光ファイバジャイロスコープ電子制御モジュール100からの変調電圧及び位相ランプ電圧とを、入力として受信する。カプラアセンブリ210は、1以上のカプラを有しており、超発光ダイオード300からの光を2本の光線に分割し、当該2本の光線を集積光チップ220に供給し、それらの光線がコイル230を通過した後に結合し、その結合された光線をコイルアセンブリ200からコントローラアセンブリ100に供給するように構成される。集積光チップ220は、光ファイバジャイロスコープコントローラからの出力を受け付けると、自身を通過する2本の光線を反対方向に位相シフトすることにより、それらの光線間の位相差を無効にする。
インターフェースアレイ400は、コントローラ100の入力及び出力の大多数を扱う。インターフェースアレイ400は、条件付けられた強度を光ファイバジャイロスコープに供給し、シリアルクロックをシリアルデータレジスタ127に供給する。シリアルデータアウト信号は、光ファイバジャイロスコープからの出力データを含む。シリアルデータアウト信号は、角度位置及び/又は角速度、BIT試験結果等を含んでもよい。
以上から、後方励起光線間の位相を一時的に調整することにより光強度を測定するという概念には、一般的な適用可能性のあることが明らかとなった。この概念は、特に干渉方式光ファイバジャイロスコープに適しているが、後方励起光線を活用しているものであればどのような装置にも適用可能であり、光線間の位相差を第1の値に設定し、第1の光度値を提供するのに十分な長さの時間第1の値に保ち、その後、位相差を第2の値に設定し、位相差の変化によって引き起こされる強度の変化を見極めるの十分な長さの時間第2の値に保つことを可能にするものである。このように、この概念は、光強度の測定を伴うあらゆる種類の装置に適用可能であり、後方励起光線間の位相を調整することにより光強度を獲得することができるようにするものである。
1以上のモニタされた出力の全て又は一部から強度を計算する方法であれば、どのような方法を用いてもよい。好ましい方法は、結果的に出力される光信号の強度の変化と、装置の公知の特徴とを用いることであるが、場合によっては、他の方法を用いることもできる。
ここに開示された装置及び方法は、3軸クラスタジャイロシステムの製造工程の各ステージでの光強度の測定を容易にするために用いることができる。製造工程において、3軸クラスタから出てくるファイバは、経路が定められ、光源や光受信機に対して相対的な、恒久的な位置が定められる。各ファイバは、角を回るように経路が定められるため、光強度の減衰を最小限に抑えるようにすることが決定的に重要である。刺激が与えられた位相シフトから光強度を計算することも、非侵略的(non-invasive)である。即ち、光強度の測定のためにファイバを移動させる必要はない。
又、ここに開示された光強度測定方法を用いることにより、他にも数多くの利点がもたらされる。例えば、光ファイバジャイロスコープシステムにおける結合点(coupling points)におけるファイバの機械的配列を、所定の期間(例えば、数ヶ月)に渡りシフトさせることができる。それにより光強度が変化する。ここに記載された方法を用いることにより、傾向を簡単に把握することができる。他の例として、ファイバ結合(coupling)の機械的配列及びコイルにおけるファイバの固有の損失を、温度分析結果(temperature profile)に従って変化させることが可能である。これにより受信機における光強度の変化が引き起こされる。ここに説明された強度測定方法の使用は、これらの現象を素早く簡単にモニタする方法を提供する。さらに他の例は、衛星上の光ファイバジャイロスコープへの適用である。衛星上の光ファイバジャイロスコープにとって、ファイバにおけるイオン化プロセスのために、ファイバが公知の放射ファイバ暗黒化プロセスにさらされる。加えて、超発光ダイオード光源は、何年かの期間で崩壊する。ここに説明された強度測定方法は、このプロセスを素早く簡単にモニタする方法を提供する。光源超発光ダイオード電流の1機能としての、光ファイバジャイロスコープ角度ランダムウォーク(ARW)の特性を示すプロセスは、ここに説明された強度測定方法を用いることにより、より速く、より簡単なプロセスとすることができる。さらに、制御ループは、所定範囲の光強度に対応するように設計されているため、制御ループは、フィールドプログラマブルゲートアレイ又はアナログ回路におけるゲインを調整したり、光強度を獲得する超発光ダイオード駆動電流を調整することにより、一定のバンド幅を供給するために用いることができる。
ここに開示された方法を光ジャイロスコープに組み入れるにあたっては、その程度を変えることが可能である。従って、位相差の調整を外部的に入力できるように入力を用い、光度を外部的に測定し、強度の値を外部的に計算することができるように出力を用いるジャイロスコープであってもよい。又、内部的に完全にサポートされ、光強度値を定期的に又は外部からのトリガに応じて出力する機構を備えたジャイロスコープであってもよい。
さらに、本発明にかかる光ファイバジャイロスコープの最初の電力(power)を手作業で設定する場合には、可変の電流源を挿入する作業と、当該電流源を所望の出力電力が得られるまで調整する作業を要する。しかし、そのような手作業に替えて、簡単に自己較正を行う機能を備えた特定のジャイロスコープを活用することもできる。この技術では、光ファイバジャイロスコープをコマンドで自己較正モードにし、自己較正モードでは、電流をデジタル/アナログ変換器やデジタルポテンショメータなどのデジタル装置により設定し、ここに記載された方法により所望の電力が得られるまで電流を変化させる。
さらに、電力を連続して又は周期的にモニタして光強度を調整することにより、一定の電力で動作するようにしてもよい。これにより、より低い駆動電流で動作させることで光ファイバジャイロスコープの必要電力を最小限にすることができ、さらに、光源と、当該光源を一定の温度に保つTECとの両方における必要電力を最小限にすることができる。これは、時間とともに、又は温度等によりシステムの電力が減少することを考慮に入れ、最初の光強度を必要な値より高く設定する必要をなくすものである。又、これは、低電池電力等のニーズや動作要件の縮小のために、システムの電力要件を最小限にする必要があるときに、より低い電力単位を提供するのに用いることができる。
さらに、ここに説明された方法は、光強度を経時的にモニタするのに用いることができる。このデータは、遠隔操作により記録する及び/又は送出することができる。又、装置の経年劣化に関する統計的データを収集するために用いることもできる。このデータは、内部的に光ファイバジャイロスコープのために用いることもできるし、現場で故障が発生する前にその故障を予測し、修理のために機械を回収することができるように用いることもできる。
光ジャイロスコープを示す。 図1のジャイロスコープの一部を通る時計回り及び反時計回りの経路を示す。 図1のジャイロスコープの光位相変調器の制御方法を示す表である。 光ジャイロスコープを示す。 図4のジャイロスコープの一部を通る時計回り及び反時計回りの経路を示す。 図4のジャイロスコープの光位相変調器の制御方法を示す表である。 図3及び図6の方法に対応する光ジャイロスコープにおける、cw信号・ccw信号間の位相差の制御方法を示す表である。 光ジャイロスコープにおけるcw信号・ccw信号間の位相差の制御方法を一般化した方法を示す表である。 本発明の実施例に従って光強度を測定する方法を示す。 本発明の実施例に従ってcw信号・ccw信号間の位相差を制御する方法を示す表である。 本発明の実施例に従ってcw信号・ccw信号間の位相差を制御する別の方法を示す表である。 本発明の実施例に従ってcw信号・ccw信号間の位相差を制御するさらに別の方法を示す表である。 図13の方法を実現するために、光位相変調を制御する方法を示す表である。 図14に示す方法に対応する変調信号を示すグラフである。 本発明の実施例にかかる光ジャイロスコープを示す。
符号の説明
90:光ファイバジャイロスコープ
100:コントローラアセンブリ100
200:コイルアセンブリ
300:超発光ダイオード
400:インターフェースアレイ

Claims (16)

  1. 第1光信号と、前記第1光信号とは位相が異なる第2光信号との組み合わせであるところの干渉信号の強度を測定する干渉方式光ファイバジャイロスコープ(IFOG)であって、
    前記干渉信号の第1測定強度と前記干渉信号の第2測定強度との差分を計算する一組の1以上のコントローラを備え、
    前記第1測定強度は、1回目に生じる前記第1光信号と前記第2光信号との第1位相差から得られ、
    前記第2測定強度は、2回目に生じる前記第1光信号と前記第2光信号との第2位相差から得られ、
    前記第1位相差の絶対値は、前記第2位相差の絶対値とは異なることを特徴とする干渉方式光ファイバジャイロスコープ。
  2. 前記第1光信号と前記第2光信号との間で時間により変化する位相差を生じさせる一組の1以上の光位相変調器を備え、前記第1位相差は、前記1回目に生じるところの時間により変化する位相差であり、前記第2位相差は、前記2回目に生じるところの時間により変化する位相差であり、
    前記一組の1以上のコントローラは、前記時間により変化する位相差の記号又は記号並びに振幅を、定期的に配された区間において変化させ、
    前記一組の1以上のコントローラは、定期的に配された連続する区間の偶数回数目の区間で、時間により変化する位相差の絶対値を、前記第2位相差の絶対値と等しい値とすることを特徴とする請求項1に記載の干渉方式光ファイバジャイロスコープ。
  3. 前記連続する区間の数は2であり、当該2つの連続する区間は、第1強度偏移区間と第2強度偏移区間とからなり、
    前記時間により変化する位相差の記号は、前記第1強度偏移区間と前記第2強度偏移区間とでは異なり、
    前記第2測定強度は、前記第2強度偏移区間における、前記第1光信号と前記第2光信号との間の前記時間により変化する位相差から得られることを特徴とする請求項2に記載の干渉方式光ファイバジャイロスコープ。
  4. 前記一組の1以上のコントローラは、前記第1強度と前記第2強度との間の前記計算された強度を用いて、前記干渉方式光ファイバジャイロスコープの光強度値を計算することを特徴とする請求項3に記載の干渉方式光ファイバジャイロスコープ。
  5. 前記干渉方式光ファイバジャイロスコープは、前記干渉方式光ファイバジャイロスコープの内的ゲインを用いて、前記光強度値を計算することを特徴とする請求項4に記載の干渉方式光ファイバジャイロスコープ。
  6. 前記干渉方式光ファイバジャイロスコープは、前記光強度値が、前記干渉方式光ファイバジャイロスコープ内に格納されているしきい値より小さいときには、不合格信号を出力することを特徴とする請求項5に記載の干渉方式光ファイバジャイロスコープ。
  7. 前記干渉方式光ファイバジャイロスコープは、定期的に配された区間において前記干渉方式光ファイバジャイロスコープの前記光強度値を計算し、前記干渉方式光ファイバジャイロスコープは、前記定期的に配された区間において光強度の計算を開始させる内部タイマを備えることを特徴とする請求項5に記載の干渉方式光ファイバジャイロスコープ。
  8. 複数の後方励起光線間の位相差を一時的に変化させ、当該変化を光強度の獲得に活用することを特徴とする干渉方式光ファイバジャイロスコープ(IFOG)。
  9. 前記複数の後方励起光線は光ファイバループを通過し、前記位相差の一時的な変化により、約3連続時間区間における動揺が引き起こされ、各時間区間の長さは、前記複数の後方励起光線が前記光ファイバループを通過する時間にほぼ等しいことを特徴とする請求項8に記載の干渉方式光ファイバジャイロスコープ。
  10. 前記干渉方式光ファイバジャイロスコープは、前記獲得された光強度が、所定のしきい値より小さいときには、不合格信号を出力することを特徴とする請求項9に記載の干渉方式光ファイバジャイロスコープ。
  11. 前記干渉方式光ファイバジャイロスコープは、前記干渉方式光ファイバジャイロスコープの前記光強度を複数回獲得し、最も最近獲得された光強度と以前に獲得された光強度との差率が所定の値を超えるとき、又は、以前に獲得された複数の光強度から計算される光強度が所定の値を超えるときには、不合格信号を出力することを特徴とする請求項10に記載の干渉方式光ファイバジャイロスコープ。
  12. 干渉方式光ファイバジャイロスコープ(IFOG)についての光強度値獲得方法であって、
    2本の後方励起光線間の位相差の変化によって引き起こされる光度変化量を獲得するステップと、
    前記獲得された光度変化量を用いて光強度値を計算するステップとを備えることを特徴とする光強度値獲得方法。
  13. 2本の位相の異なる後方励起光線間の位相差を一時的に調整するステップと、
    前記位相差の調整によって引き起こされる光度変化量を獲得するステップと、
    前記獲得された光度変化量を用いて光強度値を計算するステップとをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の光強度値獲得方法。
  14. 第1の連続する区間における2本の後方励起光線間の位相差の絶対値を維持するステップと、
    第2の連続する区間における2本の後方励起光線間の位相差の絶対値を維持するステップとをさらに備え、
    第1の連続する区間と第2の連続する区間とのいずれも複数の一定の時間長の区間を有し、前記一定の時間長は、光が前記干渉方式光ファイバジャイロスコープの光ファイバ検出ループを通過する時間に等しいことを特徴とする請求項13に記載の光強度値獲得方法。
  15. 前記干渉方式光ファイバジャイロスコープの1以上の内的ゲインを、前記獲得された変化量と一緒に用いることにより前記光強度値を得るステップをさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の光強度値獲得方法。
  16. 得られた光強度値及び/又は得られた光強度値の経時変化を記録するステップをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の光強度値獲得方法。
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