JP2006292524A - 熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ、及び、光計測装置 - Google Patents

熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ、及び、光計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 小型化され、熱、ラジカル、プラズマ等によって光学特性が影響を受けることがない光学系を内蔵し、既存の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火と交換するだけで、光計測装置等による熱機関またはプラズマ装置における物理・化学反応領域の一または複数の局所における物理・化学反応量及びその状態からの光の計測を可能とする熱機関、プラズマ装置用点火・放電プラグを提供する。
【解決手段】 碍子部1と、碍子部1の先端部に設けられた点火(放電)部2と、碍子部1内を通り点火部2に接続された電路3と、碍子部に穿設された透孔4内に配設され先端部を碍子部1の先端面に望ませている少なくとも一の光学センサ用光学系5とを備える。光学センサ用光学系5は、先端面を碍子部の先端面に望ませた一体的に形成されたマイクロカセグレン光学素子である光学素子10を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、自動車のエンジンやガスタービンなどの熱機関またはプラズマ装置において用いられる熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグに関し、この熱機関またはプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)からの光を検出する少なくとも一の光学センサ用光学系を内蔵したものに関する。
また、本発明は、前記熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグを有して構成され、前記光学センサ用光学系を介して熱機関またはプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所における物理・化学反応量及びその状態からの光を計測する光計測装置に関する。
自発光、プラズマ発光、蛍光、燐光、散乱光、放射光等の物理・化学反応の諸特性は、この物理・化学反応の微細構造とその時間変化に大きく依存しており、そのような微細構造を計測することによって、物理・化学反応量の特性やそれらの相関を知ることができる。また、計測された物理・化学反応の微細構造と、それらの高時間分解能計測データからの時間変動量等から、構造データのフィードバックによる物理・化学反応の制御や、物理・化学反応を発生する装置の改良のためのデータを得ることが可能となる。このような計測は、例えば、自動車のエンジンやガスタービンなどの熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応、例えば、燃焼やプラズマ反応の解析など、様々な物理・化学反応装置の制御及び改良において非常に重要である。
前述した物理・化学反応の微細構造を計測するためには、まず、局所計測、すなわち、物理・化学反応の構造の空間スケールに比して充分に小さい計測体積に対する計測が必要となる。また、時系列計測、すなわち、物理・化学反応の構造変化の時間スケールに比して充分に短い計測時間について繰り返して連続的に行う計測も必要となる。
このような計測を実現するものとして、「Proceedings of the Thirty-FifthJapanese Symposium on Combustion, p.54-56 (1997)」には、物理・化学反応による自然発光である自発光を計測する光計測装置が記載されている。この光計測装置は、局所点計測用に最適設計された反射光学系を集光光学系として適用し、計測体積を1.6mm×φ0.2mmと小さくし、また、高速処理が可能な受光素子として光電子増倍管を使用して、250kHzの高速のサンプリングレートで計測を行うことにより、物理・化学反応についての局所的な時系列計測を実現している。また、この文献には、自発光については、OH、CH、C の3つの成分からの発光について、各々の対応する波長を計測することによって同時に計測を行うことが記載されている。
また、このような計測装置について、自動車のエンジンに関して複数の計測点について別個に計測を行った例が「Proceedings of the Fourth InternationalSymposium on Diagnostics and Modeling of Combustion in Internal Combustion Engines, p.411-416 (1998)」に記載されている。
さらに、本発明者らは、先に、特許文献1に記載されているように、複数の計測点からの光の局所的な時系列計測を効率的に行うことができるようにした光計測装置を提案している。この光計測装置は、反射光学系を用いて、物理・化学反応領域、例えば、燃焼室内の局所の物理・化学反応(燃焼)による発光計測を行い、局所的な物理・化学反応特性の検出を行うものである。
反射光学系は、図31に示すように、物点101からの光を第1凹面鏡102により反射して集光させ、この反射光を第2凸面鏡103によって再び反射させ、この反射光を第1凹面鏡102の中央部に設けられた透孔104を介してこの第1凹面鏡102の後方側に出射させて、焦点を結ばせる光学系である。
この光計測装置においては、反射光学系の焦点位置105に光ファイバ106の入射端面107を配置し、この光ファイバ106によって導かれた光を分光することにより、この反射光学系の物点101にあたる燃焼室内の局所における物理・化学反応による光の計測を行う。反射光学系は、結像に寄与する面が反射面であるため、色収差の発生がなく、物理・化学反応による光の良好な計測を実現することができる。
特開2000−111398公報
ところで、上述のような光計測装置において使用されている反射光学系は、2枚の反射鏡を向かい合わせに配置して構成されるものであるため、各反射鏡間の位置合わせが困難であり、また、小型化が困難である。すなわち、この反射光学系は、例えば、エンジンなどの熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグに内蔵することができる程度に小型化することは困難である。
また、この反射光学系においては、結像特性が、各反射鏡間の空気の温度変動、密度変動、圧力変動による屈折率の変化や、各反射鏡間の乱気流の影響を受ける虞れがある。また、この反射光学系においては、各反射鏡間に塵挨が侵入して各反射鏡が汚れ、結像特性が劣化する虞れがある。
したがって、この反射光学系は、例えば、エンジンなどの熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグに内蔵した場合には、熱機関またはプラズマ装置の発する熱、ラジカル、プラズマ、電磁波、気流及び塵挨などにより、光学特性を維持することが困難となる虞れがある。
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、小型化され、かつ、熱、ラジカル、プラズマ、電磁波、気流及び塵挨によって光学特性が影響を受けることがない光学センサ用光学系を内蔵し、既存の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグと交換するだけで、光計測装置等による熱機関またはプラズマ装置における物理・化学反応領域の一または複数の局所における物理・化学反応量及びその状態からの光の計測を可能とする熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグを提供しようとするものである。
また、本発明は、このような熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグを備え、熱機関またはプラズマ装置の発する熱、ラジカル、プラズマ、電磁波、気流及び塵挨などにより計測精度に影響を受けることのない光計測装置を提供しようとするものである。
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明に係る熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、以下の構成のいずれか一を有するものである。
〔構成1〕
碍子部と、碍子部の先端部に設けられた点火・放電部と、碍子部内を通り点火・放電部に接続された電路と、碍子部に穿設された透孔内に配設され先端部を該碍子部の先端面に望ませている少なくとも一の光学センサ用光学系とを備え、光学センサ用光学系は、先端面を碍子部の先端面に望ませている光学素子を有して構成されており、光学素子は、第1面及び第2面を有して一体的に形成され、第1面及び第2面がそれぞれ第1領域と第2領域とを有し、第1面の第1領域が凹面の透過面であり、第2面の第1領域が凹面反射面であり、第1面の第2領域が反射面であってこの第1面の物点側表面に反射物質膜が被着されて形成され、この反射物質膜の物点側が防護層によって覆われており、物点からの光が第1面の第1領域に入射され、この光を第2面の第1領域において反射し、この反射光を第1面の第2領域において反射し、この反射光を像点に集光させることを特徴とするものである。
〔構成2〕
構成1を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学センサ用光学系を複数備えることを特徴とするものである。
〔構成3〕
構成1、または、構成2を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の防護層は、耐熱性、耐食性、耐蝕性、耐触性の少なくともいずれか一を有するものであることを特徴とするものである。
〔構成4〕
構成1乃至構成3のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の防護層は、クロム、フッ化マグネシウム、二酸化珪素、二酸化ジルコニア、酸化チタン、アルミナのいずれかの材料からなる単層膜、または、これらの二以上の材料からなる多層膜によって形成されていることを特徴とするものである。
〔構成5〕
構成4を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の防護層は、第1面の全面に亘って形成され、第1面の第1領域への入射光についての反射防止膜の機能を有していることを特徴とするものである。
〔構成6〕
構成1乃至構成3のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の防護層は、第1面と第2面との間の媒質と同一の材料によって、第1面の全面に亘って形成されていることを特徴とするものである。
〔構成7〕
構成1乃至構成6のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第1面は、第2面よりも小径の面となされており、第1面及び第2面の間には、該第1面の外径から該第2面の外径への拡径部が形成されており、拡径部により、不要光が遮断されることを特徴とするものである。
〔構成8〕
構成1乃至構成6のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第1面及び第2面の間の媒質には、側面部に切欠き部が形成されており、切欠き部により、不要光が遮断されることを特徴とするものである。
〔構成9〕
構成1乃至構成8のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第1面の第2領域は、凸面反射面であることを特徴とするものである。
〔構成10〕
構成1乃至構成9のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第2面の第1領域には、像点側より、金属材料からなる反射膜が被着形成されていることを特徴とするものである。
〔構成11〕
構成1乃至構成9のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第2面の第1領域は、特定の波長帯域の光のみを選択的に反射することを特徴とするものである。
〔構成12〕
構成1乃至構成11のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第2面の第1領域は、物点を焦点とする回転楕円面であることを特徴とするものである。
〔構成13〕
構成1乃至構成12のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第2面の第2領域は、像点を曲率中心とした凸球面の透過面となっていることを特徴とするものである。
〔構成14〕
構成1乃至構成13のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の像点は、第2面の第2領域上、または、第2面よりも第1面の側にあることを特徴とするものである。
〔構成15〕
構成1乃至構成14のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第1面及び第2面がそれぞれ複数の第1領域と第2領域とを有し、第2面の各第1領域は、互いに異なる曲率中心、または、焦点を有する複数の部分に分割された凹面からなる反射面であり、物点からの光は、第1面の各第1領域に入射され、第2面の各第1領域において対応して反射され、第1面の各第2領域において反射され、像点に集光されることを特徴とするものである。
〔構成16〕
構成1乃至構成15のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、少なくとも一の光ファイバを備え、光ファイバの入射端面は、光学素子の単数、または、複数の像点の位置に配置されていることを特徴とするものである。
〔構成17〕
構成1乃至構成15のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、複数の光ファイバからなる光ファイバアレイを備え、各光ファイバの各入射端面は、光学素子の複数の像点の位置に配置されており、光軸に対して所定角度をなす一平面上、または、光軸方向について互いに異なる位置に1次元乃至3次元配列されていることを特徴とするものである。
〔構成18〕
構成14を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、少なくとも一の光ファイバを備え、光ファイバの入射端面は、光学素子の第2面の第2領域上、または、第2面よりも第1面の側の単数、または、複数の像点の位置に配置されていることを特徴とするものである。
〔構成19〕
構成14を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、複数の光ファイバからなる光ファイバアレイを備え、各光ファイバの各入射端面は、光学素子の第2面の第2領域上、または、第2面よりも第1面の側の複数の像点の位置に配置されており、光軸に対して所定角度をなす一平面上、または、光軸方向について互いに異なる位置に1次元乃至3次元配列されていることを特徴とするものである。
〔構成20〕
構成1乃至構成15のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の像点に複数の受光部を配置させた受光素子を備え、受光素子により、光学素子の物点側の複数の計測点における光の光学素子による複数の像点からの光を検出することを特徴とするものである。
〔構成21〕
構成20を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、複数の計測点は、1次元配列されており、複数の受光部は、複数の計測点に対応する複数の像点の位置に1次元配列されていることを特徴とするものである。
〔構成22〕
構成20を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、複数の計測点は、マトリクス状に2次元配列されており、複数の受光部は、複数の計測点に対応する複数の像点の位置にマトリクス状に2次元配列されていることを特徴とするものである。
〔構成23〕
構成20を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、複数の計測点は、3次元配列されており、複数の受光部は、複数の計測点に対応する複数の像点の位置に3次元配列されていることを特徴とするものである。
また、本発明に係る光計測装置は、以下の構成のいずれか一を有するものである。
〔構成24〕
熱機関またはプラズマ装置における物理・化学反応領域の一または複数の局所における物理・化学反応量及びその状態からの光を計測するための光計測装置であって、構成1乃至構成15のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグと、光学素子の像点における光を分光する分光手段と、分光手段により分光された光を受光する受光素子を有する光計測手段と、計測手段により得られた信号を処理する信号処理手段とを備え、物理・化学反応領域の一または複数の局所から発せられる任意の波長の光を検出することを特徴とするものである。
〔構成25〕
熱機関またはプラズマ装置における物理・化学反応領域の一または複数の局所における物理・化学反応量及びその状態からの光を計測するための光計測装置であって、構成16乃至構成19のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグと、光学素子の像点における光が光ファイバを介して入射され、この光を分光する分光手段と、分光手段により分光された光を受光する受光素子を有する光計測手段と、計測手段により得られた信号を処理する信号処理手段とを備え、
物理・化学反応領域の一または複数の局所から発せられる任意の波長の光を検出することを特徴とするものである。
〔構成26〕
熱機関またはプラズマ装置における物理・化学反応領域の一または複数の局所における物理・化学反応量及びその状態からの光を計測するための光計測装置であって、構成20乃至構成23のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグと、受光素子により得られた信号を処理する信号処理手段とを備え、物理・化学反応領域の一または複数の局所から発せられる任意の波長の光を検出することを特徴とするものである。
〔構成27〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域のプラズマ場の一または複数の局所における異なる波長の発光強度を計測することを特徴とするものである。
〔構成28〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域のプラズマ場における異なる波長の光強度比、スペクトルの線幅、または、シフト量から、プラズマ特性量を同定することを特徴とするものである。
〔構成29〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布を計測することを特徴とするものである。
〔構成30〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその時間的変化を計測することを特徴とするものである。
〔構成31〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、物理・化学反応領域の一または複数の局所における局所空燃比を計測することを特徴とするものである。
〔構成32〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の厚さを計測することを特徴とするものである。
〔構成33〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の到達速度を計測することを特徴とするものである。
〔構成34〕
構成33を有する光計測装置において、信号処理手段は、ラジカルの組成ごとに異なる火炎帯もしくは反応帯の到達速度を計測することを特徴とするものである。
〔構成35〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動を計測することを特徴とするものである。
〔構成36〕
構成35を有する光計測装置において、信号処理手段は、ラジカルの組成ごとに異なる火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動を計測することを特徴とするものである。
〔構成37〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動周波数を計測することを特徴とするものである。
〔構成38〕
構成37を有する光計測装置において、信号処理手段は、ラジカルの組成ごとに異なる火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動周波数を計測することを特徴とするものである。
〔構成39〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の広がる方向を計測することを特徴とするものである。
〔構成40〕
構成39を有する光計測装置において、信号処理手段は、ラジカルの組成ごとに異なる火炎帯もしくは反応帯の広がる方向を計測することを特徴とするものである。
〔構成41〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、熱機関またはプラズマ装置の時系列変動(サイクル変動など)を計測することを特徴とするものである。
〔構成42〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、熱機関またはプラズマ装置におけるノッキングなどの異常反応を検出することを特徴とするものである。
〔構成43〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、物理・化学反応領域の一または複数の局所における火炎もしくは反応の核の形成情報を計測することを特徴とするものである。
〔構成44〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、物理・化学反応領域の一または複数の局所における火炎、ガス、または、プラズマの温度情報を計測することを特徴とするものである。
〔構成45〕
構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるガスの組成・濃度を計測することを特徴とするものである。
構成1を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいては、碍子部に穿設された透孔内に配設され先端部を該碍子部の先端面に望ませている光学センサ用光学系の光学素子は、第1面及び第2面を有する一体的な光学素子であるため、第1面及び第2面間の媒質の温度変動、密度変動、圧力変動による屈折率変化が少なく、各面間には、乱流、ガス種変動が生じたり、塵挨が侵入する虞れがない。また、この光学素子においては、結像に寄与する面が反射面であるため、色収差の発生がなく、良好な結像特性を有する。さらに、この光学素子においては、反射面である第1面の第2領域は、第1面の物点側表面に反射物質膜が被着されて形成されこの反射物質膜の物点側が防護層によって覆われているので、物点側の空間からの熱、ラジカル、プラズマ、電磁波及び塵挨などによって、反射物質膜が損傷を被ることがない。
したがって、この熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグの光学素子は、製造が容易であり、また、小型化が可能でありながら、良好な結像特性を有するとともに、熱、ラジカル、プラズマ、電磁波、気流及び塵挨の影響による光学特性の劣化を回避することができる。また、この光学素子においては、反射物質膜と光学素子をなす媒質との界面が反射面となるので、反射物質膜の外側表面が汚れても、光学特性が劣化することがない。
構成2を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学センサ用光学系を複数備えるので、これら光学センサ用光学系により、単数、または、複数の物点からの光を、同時に複数の像点に集光させることができる。
構成3を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1、または、構成2を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の防護層が、耐熱性、耐食性、耐蝕性、耐触性の少なくともいずれか一を有するので、反射物質膜は、物点側からの熱、ラジカル、プラズマ、電磁波及び塵挨などによる腐食、腐蝕、接触から保護される。
構成4を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1乃至構成3のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の防護層が、クロム、フッ化マグネシウム、二酸化珪素、二酸化ジルコニア、酸化チタン、アルミナのいずれかの材料からなる単層膜、または、これらの二以上の材料からなる多層膜によって形成されているので、物点側からの熱、ラジカル、プラズマ、電磁波及び塵挨などによる腐食、腐蝕、接触による反射物質膜の損傷を確実に防止することができる。
構成5を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成3を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の防護層が、第1面の全面に亘って形成され、第1面の第1領域への入射光についての反射防止膜の機能を有しているので、物点側からの熱、ラジカル、プラズマ、電磁波、気流及び塵挨等による反射物質膜の損傷が防止されるとともに、第1面の第1領域における入射光の透過率を向上させることができる。
構成6を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1乃至構成3のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の防護層は、第1面と第2面との間の媒質と同一の材料によって、第1面の全面に亘って形成されているので、この防護層と光学素子をなす媒質とを良好に接合させることができる。
構成7を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1乃至構成6のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第1面は、第2面よりも小径の面となされており、第1面及び第2面の間には、該第1面の外径から該第2面の外径への拡径部が形成されており、拡径部により、不要光が遮断されるので、良好な結像特性を実現することができる。
構成8を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1乃至構成6のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第1面及び第2面の間の媒質には、側面部に切欠き部が形成されており、切欠き部により、不要光が遮断されるので、良好な結像特性を実現することができる。
構成9を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1乃至構成8のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第1面の第2領域は、凸面反射面であるので、像点の位置を、第2面の後方に十分に離れた位置とすることができる。
構成10を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1乃至構成9のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第2面の第1領域には、像点側より、金属材料からなる反射膜が被着形成されているので、この領域における反射率を上げることができるとともに、反射膜と光学素子をなす媒質との界面が反射面となるので、反射膜の外側表面が汚れても、光学特性が劣化することがない。
構成11を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1乃至構成9のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第2面の第1領域は、特定の波長帯域の光のみを選択的に反射するので、物点における特定の波長帯域の光のみを結像させることができる。
構成12を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1乃至構成11のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第2面の第1領域は、物点を焦点とする回転楕円面であるので、無収差の良好な結像特性を実現することができる。
構成13を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1乃至構成12のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の第2面の第2領域は、像点を曲率中心とした凸球面の透過面となっているので、この光学素子からの出射光が第2面の第2領域において屈折することがなく、この領域において収差が生ずることがない。
構成14を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1乃至構成12のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の像点は、第2面の第2領域上、または、第2面よりも第1面の側にあるので、この光学素子に光ファイバ等を接合させれば、この光ファイバ等に対して、像点の光を直接導入させることができる。
構成15を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいては、光学素子の第2面の第1領域が、互いに異なる曲率中心、または、焦点を有する複数の部分に分割された凹面からなる反射面であるので、単数、または、複数の物点からの光を、同時に複数の像点に集光させることができる。
構成16を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1乃至構成15のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、少なくとも一の光ファイバを備え、光ファイバの入射端面は、光学素子の単数、または、複数の像点の位置に配置されているので、この光ファイバの入射端面に対して共役な領域からの光をこの光ファイバを介して検出することができる。
構成17を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1乃至構成15のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、複数の光ファイバからなる光ファイバアレイを備え、各光ファイバの各入射端面は、光学素子の複数の像点の位置に配置されており、光軸に対して所定角度をなす一平面上、または、光軸方向について互いに異なる位置に1次元乃至3次元配列されているので、これら光ファイバの入射端面に対して共役な領域からの光をこの光ファイバを介して検出することができる。
構成18を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成14を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、少なくとも一の光ファイバを備え、光ファイバの入射端面は、光学素子の第2面の第2領域上、または、第2面よりも第1面の側の単数、または、複数の像点の位置に配置されているので、
この光ファイバの入射端面に対して共役な領域からの光を光学素子から光ファイバに直接導入することができる。
構成19を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成14を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、複数の光ファイバからなる光ファイバアレイを備え、各光ファイバの各入射端面は、光学素子の第2面の第2領域上、または、第2面よりも第1面の側の複数の像点の位置に配置されており、光軸に対して所定角度をなす一平面上、または、光軸方向について互いに異なる位置に1次元乃至3次元配列されているので、これら光ファイバの入射端面に対して共役な1次元乃至3次元配列された領域からの光をこの光ファイバを介して検出することができる。
構成20を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成1乃至構成15のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、光学素子の像点に複数の受光部を配置させた受光素子を備え、受光素子により、光学素子の物点側の複数の計測点における光の光学素子による複数の像点からの光を検出するので、単一の光学系を用いていることにより装置の小型化が可能であり、かつ、装置の移動や再配置等を行うことなく、複数の計測点について効率的に光の検出を行うことができる。
受光素子としては、例えば、ラインセンサやCCDなどを用いた位置検出型光計測装置を用いることができる。
そして、構成21を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成20を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、複数の計測点は、1次元配列され、複数の受光部が複数の計測点に対応する複数の像点の位置に1次元配列されており、また、構成22を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成20を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、複数の計測点は、マトリクス状に2次元配列され、複数の受光部が複数の計測点に対応する複数の像点の位置にマトリクス状に2次元配列されており、さらに、構成23を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、構成20を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいて、複数の計測点は、3次元配列され、複数の受光部が複数の計測点に対応する複数の像点の位置に3次元配列されている。
このように複数の受光部を1次元乃至3次元に配列させることによって、複数の計測点に対応する複数の光を効率的に検出することができる。
すなわち、本発明は、小型化され、かつ、熱、ラジカル、プラズマ、電磁波、気流及び塵挨によって光学特性が影響を受けることがない光学センサ用光学系を内蔵し、既存の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグと交換するだけで、光計測装置等による熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所における物理・化学反応量及びその状態からの光の計測を可能とする熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグを提供することができるものである。
なお、前述のように、本発明に係る熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、点火または放電プラグとしての機能を有しているが、このような点火または放電プラグとしての機能を使用せずに、排ガス成分分析装置やガス濃度検出装置として使用することもできる。
そして、構成24を有する光計測装置は、構成1乃至構成15のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグと、光学素子の像点における光を分光する分光手段と、分光手段により分光された光を受光する受光素子を有する光計測手段と、計測手段により得られた信号を処理する信号処理手段とを備え、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所から発せられる任意の波長の光を検出するので、単一の光学系を用いていることにより装置の小型化が可能であり、かつ、装置の移動や再配置等を行うことなく、一、または、複数の計測点について効率的な光計測を行うことができる。
火炎が発する任意の波長の光としては、例えば、OH、CH、C など、プラズマ反応では、H、O、N、N、OHなど、特定の成分からの光を選択的に計測することができる。また、計測点における光は、自発光、プラズマ発光、蛍光、燐光、散乱光、放射光であるので、種々の物理・化学反応に対応することができる。
また、この光計測装置においては、光学素子として、第1面及び第2面を有する一体的な光学素子を用いているため、第1面及び第2面間の媒質の温度変動、密度変動、圧力変動による屈折率変化が少なく、各面間には、乱流、ガス種変動が生じたり、塵挨が侵入する虞れがない。この光学素子は、製造が容易であり、また、小型化が可能でありながら、良好な結像特性を有するとともに、熱、ラジカル、プラズマ、電磁波、気流及び塵挨の影響による光学特性の劣化を回避することができる。
さらに、この光計測装置においては、光学素子において結像に寄与する面が反射面であるため、色収差の発生がなく、良好な結像特性を実現することができる。
構成25を有する光計測装置は、構成16乃至構成19のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグと、光学素子の像点における光が光ファイバを介して入射されこの光を分光する分光手段と、分光手段により分光された光を受光する受光素子を有する光計測手段と、計測手段により得られた信号を処理する信号処理手段とを備え、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所から発せられる任意の波長の光を検出するので、単一の光学系を用いていることにより装置の小型化が可能であり、かつ、装置の移動や再配置等を行うことなく、一、または、複数の計測点について効率的な光計測を行うことができる。
火炎が発する任意の波長の光としては、例えば、OH、CH、C など、プラズマ反応では、H、O、N、N、OHなど、特定の成分からの光を選択的に計測することができる。また、計測点における光は、自発光、プラズマ発光、蛍光、燐光、散乱光、放射光であるので、種々の物理・化学反応に対応することができる。
また、この光計測装置においては、光学素子として、第1面及び第2面を有する一体的な光学素子を用いているため、第1面及び第2面間の媒質の温度変動、密度変動、圧力変動による屈折率変化が少なく、各面間には、乱流、ガス種変動が生じたり、塵挨が侵入する虞れがない。この光学素子は、製造が容易であり、また、小型化が可能でありながら、良好な結像特性を有するとともに、熱、ラジカル、プラズマ、電磁波、気流及び塵挨の影響による光学特性の劣化を回避することができる。
さらに、この光計測装置においては、光学素子において結像に寄与する面が反射面であるため、色収差の発生がなく、良好な結像特性を実現することができる。
構成26を有する光計測装置は、構成20乃至構成23のいずれか一を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグと、受光素子により得られた信号を処理する信号処理手段とを備え、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所から発せられる任意の波長の光を検出するので、単一の光学系を用いていることにより装置の小型化が可能であり、かつ、装置の移動や再配置等を行うことなく、一、または、複数の計測点について効率的な光計測を行うことができる。
火炎が発する任意の波長の光としては、例えば、OH、CH、C など、プラズマ反応では、H、O、N、N、OHなど、特定の成分からの光を選択的に計測することができる。また、計測点における光は、自発光、プラズマ発光、蛍光、燐光、散乱光、放射光であるので、種々の物理・化学反応に対応することができる。
また、この光計測装置においては、光学素子として、第1面及び第2面を有する一体的な光学素子を用いているため、第1面及び第2面間の媒質の温度変動、密度変動、圧力変動による屈折率変化が少なく、各面間には、乱流、ガス種変動が生じたり、塵挨が侵入する虞れがない。この光学素子は、製造が容易であり、また、小型化が可能でありながら、良好な結像特性を有するとともに、熱、ラジカル、プラズマ、電磁波、気流及び塵挨の影響による光学特性の劣化を回避することができる。
さらに、この光計測装置においては、光学素子において結像に寄与する面が反射面であるため、色収差の発生がなく、良好な結像特性を実現することができる。
構成27を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域のプラズマ場の一または複数の局所における異なる波長の発光強度を計測するので、単一の光学系を用いていることにより装置の小型化が可能であり、かつ、装置の移動や再配置等を行うことなく、一、または、複数の計測点について効率的な光計測を行うことができる。
プラズマが発する任意の波長の光としては、例えば、H、O、N、N、OHなど特定の成分からの光を選択的に計測することができる。また、この光計測装置においては、光学素子として、第1面及び第2面を有する一体的な光学素子を用いているため、第1面及び第2面間の媒質の温度変動、密度変動、圧力変動による屈折率変化が少なく、各面間には、乱流、ガス種変動が生じたり、塵挨が侵入する虞れがない。この光学素子は、製造が容易であり、また、小型化が可能でありながら、良好な結像特性を有するとともに、熱、ラジカル、プラズマ、電磁波、気流及び塵挨の影響による光学特性の劣化を回避することができる。
さらに、この光計測装置においては、光学素子において結像に寄与する面が反射面であるため、色収差の発生がなく、同じ点からの異なる波長の同時計測を実現することができる。
構成28を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域のプラズマ場における異なる波長の光強度比、スペクトルの線幅、または、シフト量から、プラズマ特性量を同定するので、単一の光学系を用いていることにより装置の小型化が可能であり、かつ、装置の移動や再配置等を行うことなく、一、または、複数の計測点について効率的な光計測を行うことができる。
プラズマが発する任意の波長の光としては、例えば、H、O、N、N、OHなど特定の成分からの光を選択的に計測することができる。また、この光計測装置においては、光学素子として、第1面及び第2面を有する一体的な光学素子を用いているため、第1面及び第2面間の媒質の温度変動、密度変動、圧力変動による屈折率変化が少なく、各面間には、乱流、ガス種変動が生じたり、塵挨が侵入する虞れがない。この光学素子は、製造が容易であり、また、小型化が可能でありながら、良好な結像特性を有するとともに、熱、ラジカル、プラズマ、電磁波、気流及び塵挨の影響による光学特性の劣化を回避することができる。
構成29を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布を計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態に関する多くの情報を取得することができる。
構成30を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその時間的変化を計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態に関する多くの情報を取得することができる。
構成31を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所における局所空燃比を計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態から局所空燃比に関する情報を取得することができる。
構成32を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の厚さを計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態から火炎帯もしくは反応帯の厚さに関する情報を取得することができる。
構成33を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の到達速度を計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態から火炎帯もしくは反応帯の到達速度に関する情報を取得することができる。
構成34を有する光計測装置は、構成33を有する光計測装置において、信号処理手段は、ラジカルの組成ごとに異なる火炎帯もしくは反応帯の到達速度を計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態から火炎帯もしくは反応帯の到達速度に関してラジカルの組成ごとの情報を取得することができる。
構成35を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動を計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態から火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動に関する情報を取得することができる。
構成36を有する光計測装置は、構成35を有する光計測装置において、信号処理手段は、ラジカルの組成ごとに異なる火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動を計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態から火炎帯もしくは反応帯の到達速度に関してラジカルの組成ごとの情報を取得することができる。
構成37を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動周波数を計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態から火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動周波数に関する情報を取得することができる。
構成38を有する光計測装置は、構成37を有する光計測装置において、信号処理手段は、ラジカルの組成ごとに異なる火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動周波数を計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態から火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動周波数に関してラジカルの組成ごとの情報を取得することができる。
構成39を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の広がる方向を計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態から火炎帯もしくは反応帯の広がる方向に関する情報を取得することができる。
構成40を有する光計測装置は、構成39を有する光計測装置において、信号処理手段は、ラジカルの組成ごとに異なる火炎帯もしくは反応帯の広がる方向を計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態から火炎帯もしくは反応帯の広がる方向に関してラジカルの組成ごとの情報を取得することができる。
構成41を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置の時系列変動(サイクル変動など)を計測するので、熱機関またはプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態から時系列変動(サイクル変動など)に関する情報を取得することができる。
構成42を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置におけるノッキングなどの異常反応を検出するので、熱機関またはプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態からノッキングなどの異常反応に関する情報を取得することができる。
構成43を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所における火炎もしくは反応の核の形成情報を計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態から火炎もしくは反応の核の形成情報を取得することができる。
構成44を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の一または複数の局所における火炎、ガス、または、プラズマの温度情報を計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態から火炎、ガス、または、プラズマの温度情報を取得することができる。
構成45を有する光計測装置は、構成24乃至構成26のいずれか一を有する光計測装置において、信号処理手段は、物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるガスの組成・濃度を計測するので、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応など)の状態からガスの組成・濃度に関する情報を取得することができる。
すなわち、本発明は、前記のような熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグを備え、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置の発する熱、ラジカル、プラズマ、電磁波、気流及び塵挨などにより計測精度に影響を受けることのない光計測装置を提供することができるものである。
なお、前述のように、本発明に係る光計測装置は、点火または放電プラグとしての機能を有する熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグを備えているが、このような点火または放電プラグとしての機能を使用せずに、排ガス成分分析装置やガス濃度検出装置として使用することもできる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら説明する。
〔熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグの実施の形態〕
本発明に係る熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、図1に示すように、碍子部1と、この碍子部1の先端部に設けられた点火(放電)部2と、碍子部1内を通り点火(放電)部2に接続された電路3とを備えている。
そして、この熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいては、碍子部1に穿設された透孔4内に、少なくとも一の光学センサ用光学系5が配設されている。この光学センサ用光学系5は、先端部を碍子部1の先端面に望ませている。この光学センサ用光学系5は、先端面を碍子部1の先端面に望ませている光学素子10を有して構成されている。
この熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、対象となる熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置に既存の点火プラグと置き換えることができるように、既存の点火プラグと同一の大きさ及び外形形状を有して構成されている。対象となる熱機関またはプラズマ装置は、自動車用その他のガソリンエンジン(レシプロエンジン及びロータリーエンジン)、ディーゼルエンジン、オイルバーナーを用いた噴霧燃焼方式の火炉やボイラー、航空機や火力発電に使用されるガスタービン、ラム、スクラムジェットエンジン燃焼器、給湯器、燃料電池、水素エンジン、除菌・滅菌装置など、様々な熱機関や、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置のような物理・化学反応装置である。
本発明に係る熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、これら熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置におけるスパークプラグやグロープラグと置き換えることができるようになっている。すなわち、点火(放電)部2としては、昇温による点火を行う点火部や、アーク放電やグロー放電などの放電を行う放電部のいずれとして構成されていてもよい。
なお、本発明に係る熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、光学センサ用光学系5を複数備えていることとしてもよい。
〔光学素子の構成〕
本発明に係る熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおける光学センサ用光学系5を構成する光学素子10は、図2に示すように、第1面11及び第2面12を有する一体的な光学素子である。これら第1面11及び第2面12間は、いわゆる光学ガラスや合成石英等の一様な媒質となっている。
第1面11及び第2面12は、それぞれ外周側の第1領域11a,2aと、中央部の第2領域11b,2bとを有している。なお、各面1,2における第2領域11b,2bは、各面1,2における中心部である必要はなく、各面1,2に対して偏芯した位置に形成されていてもよい。
この光学素子においては、物点Oからの光は、第1面11の第1領域11aに入射し、第1面11及び第2面12間の媒質中を進行して、第2面12の第1領域12aにおいて反射される。そして、第2面12の第1領域12aにおいて反射された光は、第1面11の第2領域11bにおいて反射され、第2面12の第2領域12bを通して出射され、像点Iに集光する。
第1面11の第1領域11aは、凹面の透過面である。この第1面11の第1領域11aは、物点Oを曲率中心とした凹球面の透過面とすることが望ましい。この場合には、物点Oからの光は、第1面11の第1領域11aを透過するときには、屈折されることがなく、直進する。
第2面12の第1領域12aは、凹面反射面であり、入射光を集光させる特性を有する。第1面11の第2領域11bは、反射面である。そして、第2面12の第2領域12bは、(光の入射側から見て)凸面の透過面である。この第2面12の第2領域12bは、像点を曲率中心とする凸球面の透過面とすることが望ましい。この場合には、像点Iへ向かう光は、第2面12の第2領域12bを透過するときには、屈折されることがなく、直進する。すなわち、この場合には、この光学素子において、結像に寄与する面は反射面のみとなり、色収差の発生がない。
なお、第2面12の第2領域12bは、像点を曲率中心とする凸球面とせずに、平面や、第2面12の第1領域12aに連続した(光の入射側から見て)凹球面としてもよい。この場合にも、この第2面12の第2領域12bに対する入射光の角度は垂直に近いので、実用上問題となるような大きな収差が発生することはない。
そして、この光学素子においては、第1面11は、第2面12よりも小径の面となされている。そして、第1面11及び第2面12との間には、これら第1面11の外径から第2面12の外径に拡径する段差部13が形成されている。この段差部13は、物点O以外の点から第1面11を経て第2面12に入射する不要光の一部を遮断するので、この光学素子の光学特性を向上させる。
また、この光学素子においては、図3に示すように、第1面11及び第2面12との間を、テーパ状に拡径する拡径部13aとして形成してもよい。この場合にも、この拡径部13aの外面部に遮光物質を塗布したり遮光部材を配置することにより、物点O以外の点から第1面11を経て第2面12に入射する不要光を遮断することができ、この光学素子の光学特性を向上させることができる。
さらに、この光学素子においては、図4に示すように、第1面11及び第2面12の間の媒質の側面部に切欠き部13bを形成し、この切欠き部13b切欠き部により、不要光が遮断されるようにしてもよい。この場合には、この切欠き部13b内に遮光物質を塗布したり遮光部材を配置するようにしてもよい。また、この場合には、第1面11と第2面12とは、同一の径の面となっていてもよい。
さらに、この光学素子においては、第2面12の第1領域12a及び第1面11の第2領域11bには、金属材料などの反射材料、例えば、アルミニウムからなる反射膜14,15が被着形成されている。これら反射膜14,15は、第2面12の第1領域12a及び第1面11の第2領域11bにおける反射率を向上させる。
この光学素子においては、これら反射膜14,15と光学素子をなす媒質との界面が反射面となるので、これら反射膜14,15の外側表面が熱、ラジカル、プラズマ、電磁波、気流及び塵挨などにより損傷し、または、汚れていたとしても、光学特性が劣化することがない。また、この光学素子においては、これら反射膜14,15の外側表面の面形状が粗面であったとしても、第2面12の第1領域12a及び第1面11の第2領域11bにおける反射特性が劣化することがない。
また、第1面11の第2領域11bに形成された反射膜14は、この反射膜14の外面側に形成された防護層4aによって保護されている。この防護層4aは、反射膜14の表面部及び外周縁部を保護し得るように、この反射膜14よりも広い領域に亘って形成され、外周側を光学素子の第1面11に接合されている。
この防護層4aは、耐熱性、耐プラズマ性、耐電磁波性、耐食性、耐蝕性、耐触性の少なくともいずれか一を有するものである。すなわち、この防護層4aは、反射膜14を、熱、ラジカル、プラズマ、電磁波及び塵挨などによる腐食、腐蝕、接触などの損傷から防護するものである。
このような防護層4aをなす材料としては、耐熱性等の特性と、合成石英などの媒質に対する親和性の点から、例えば、クロム(Cr)、フッ化マグネシウム(MgF)、二酸化珪素(SiO)、二酸化ジルコニア(ZrO)、酸化チタン(TiO)、アルミナ(Al)などが好ましい。この防護層4aは、これらいずれかの材料からなる単層膜としてもよいし、また、これらのうちの二以上の材料からなる多層膜としてもよい。
なお、この防護層4aは、第1面11の全面に亘って形成してもよい。この場合において、防護層4aは、第1面11の第1領域11aへの入射光についての反射防止膜の機能を有するものとすることができる。このように、防護層4aに反射防止膜の機能を持たせるには、この防護層4aの厚さを、入射光の波長λに対する一定の関係、例えば、〔nλ/4〕となっているものとする必要がある。
また、この光学素子は、図5に示すように、防護層4aを光学素子をなす媒質と同一材料からなるものとするとともに、この防護層4aを十分な厚さを有して第1面11の全面に亘って形成されたものとしてもよい。
この場合には、この防護層4aは、反射膜14を挟んで、第1面11に対して溶着などによって接合されたものとすることができる。なお、この場合には、防護層4aの物点側の面は、物点Oを曲率中心とした凹球面とすることが望ましい。そして、この場合には、防護層4aと第1面11との接合面は、物点Oを曲率中心とした凹球面とする必要はないので、平面としたり、あるいは、反射膜14の形状(すなわち、第1面11の第2領域11bの面形状)が望ましい形状となる面形状とすることができる。
そして、この光学素子においては、第2面12の第1領域12aは、物点Oを焦点とする回転楕円面とすることが好ましい。第2面12の第1領域12aが回転楕円面であることにより、この回転楕円面の第1焦点から発した光は、無収差で第2焦点に集光することとなるので、良好な結像特性を実現することができる。
また、この光学素子においては、第1面11の第2領域11bは、凸面反射面とすることが望ましい。第1面11の第2領域11bが凸面反射面であることにより、像点Iの位置を、第2面12の後方側に十分に離れた位置とすることができ、この像点Iにおける光検出等を容易に行うことができるようになる。
このような光学素子は、一体的な光学素子であるため、第1面及び第2面間の媒質の温度変動、密度変動、圧力変動による屈折率変化が少なく、各面間には、乱流、ガス種変動が生じたり、塵挨が侵入する虞れがない。すなわち、この光学素子は、熱、ラジカル、プラズマ、電磁波、気流及び塵挨の影響による光学特性の劣化が極めて少ないので、温度変化の激しい環境下や、塵挨の多い環境下や、ラジカル、プラズマに接触し得る環境下においても、良好な光学特性を維持することができる。
また、この光学素子は、第2面12の直径を1mm程度としても容易に高精度のものを作成することができ、前述したように、熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグに組み込むことができる程度に小型化することができる。さらに、この光学素子は、透過面及び反射面における収差が生じないので、容易に高い開口数(NA)のものを作成することができる。なお、第2面12の直径を1mm程度とした場合において、物点Oから第1面11までの距離(ワーキングディスタンス)が0.8mm程度、第2面12から像点Iまでの距離(バックフォーカス)が0.3mm程度のものを作成することができる。また、第2面12の直径を3.6mmとした場合においては、例えば、物点Oから第1面11までの距離(ワーキングディスタンス)が3.0mm、第2面12から像点Iまでの距離(バックフォーカス)が1.2mmのものを作成することができる。
また、この光学素子10においては、多点である計測点からの光は、各面1,2において反射され、第2面12の第2領域12bを通過して、集光面上の複数の集光点にそれぞれ集光・結像される。
さらに、この光学素子は、図6に示すように、第2面12の第1領域12aを、互いに異なる曲率中心、または、焦点を有する複数の部分に分割された凹面からなる面として構成してもよい。この場合には、第2面12の第1領域12aの各部分がそれぞれ異なる焦点を結ぶので、一つの光学素子によって複数の像点を形成することができる。
また、第2面12の第1領域12aの反射膜15は、例えば、誘電体膜等によって形成することにより、反射率について分光特性を有するものとすることもできる。この場合には、特定の波長帯域の光のみを反射させて結像させる光学素子を構成することができる。
さらに、第2面12の第1領域12aを、互いに異なる曲率中心、または、焦点を有する複数の部分に分割された凹面からなる面として構成した場合において、これら各部分の分光反射特性を互いに異なるものとすることもできる。
〔光学センサ用光学系の構成〕
そして、本発明に係る熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおける光学センサ用光学系は、図2に示すように、前述の光学素子と、光ファイバ16とからなるものとすることができる。
この光学センサ用光学系は、光学素子の像点Iに、光ファイバ16の入射端面16aが配置されて構成されている。光学素子からの出射光は、迷光絞り17を介して、光ファイバ16の入射端面16aに入射される。
この光学センサ用光学系においては、光ファイバ16の入射端面16aに対して共役な領域、すなわち、物点Oの周囲の光ファイバ16の径に対応する領域からの光を、この光ファイバ16を介して検出することできる。
また、この光学センサ用光学系においては、図7に示すように、複数の光ファイバ16を、それぞれの入射端面16aを像点Iを含む領域内に2次元状(マトリクス状)に配列させて配置することにより、検出対象となる領域を、物点Oを含む領域内において2次元状に配列された領域とすることができる。すなわち、各光ファイバ16の各入射端面16aには、複数の物点O12、O、O・・・Oからの光が対応して入射される。
さらに、このように配置された複数の光ファイバ16を光学素子に対する接離方向に移動させたり、または、各光ファイバ16の入射端面16aの位置を光学素子までの距離が異なる位置とすることにより、検出対象となる領域を、物点Oを含む領域内において三次元状に配列された領域とすることができる。
また、この光学センサ用光学系は、図8に示すように、光学素子における像点が第2面12の第2領域12a上に形成されるようにし、あるいは、図9に示すように、光学素子における像点が第2面12よりも第1面11の側の位置に形成されるようにし、光ファイバ16の入射端面16aを、光学素子の第2面12の第2領域12a上、または、第2面12よりも第1面11の側の像点の位置に配置して構成してもよい。この場合には、光ファイバ16の入射端面16aに対して共役な領域である物点からの光を、光学素子から光ファイバ16に直接導入することができる。
また、複数の光ファイバ16を用いる場合においては、これら複数の光ファイバ16の入射端面は、光学素子による複数の集光点位置に、それぞれ対応して配置される。また、これらの計測点に対応する集光点及び光ファイバは、1次元配列、または、マトリクス状の2次元配列、あるいは、3次元配列とすることができ、これによって、より効率的に、物理・化学反応状態の計測及び観測が行える光計測装置を構成することができる。
これらの光学センサ用光学系及び光ファイバ等の設定・選択については、計測に必要とされる位置分解能・計測体積や、多点間の間隔等に基づいて好適なものを適宜選択することができる。例えば、光学センサ用光学系の作業距離(Working Distance)としては、エンジンや小型バーナーを対象とした短距離焦点(150mm以下)から、中距離焦点(150〜600mm)、長距離焦点(600mm以上)まで、様々に設定可能である。
さらに、光学センサ用光学系は、前述の説明中において、光ファイバ16の入射端面16aが配置されていた位置、すなわち、光学素子における像点の位置に、複数の受光部が位置するように受光素子を配置することによって構成してもよい。この光学センサ用光学系においては、光ファイバを用いる必要がない。
この光学センサ用光学系において、受光素子は、光学素子の物点側の複数の計測点における光の光学素子による複数の像点からの光を検出することができる。この受光素子の受光部は、複数の計測点に対応させて、1次元配列としたり、マトリクス状に2次元配列としたり、または、3次元配列とすることができる。
〔熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおける光学センサ用光学系の構成〕
前述のように構成された光学センサ用光学系は、図10に示すように、ケース20内に収納されることにより、本発明に係る熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグの碍子1内に組込まれる。このケース20は、ステンレス等の材料により、内径が前述の光学素子の第2面12の直径に略々等しい円筒状に形成されている。このケース20の先端部には、光学素子の第1面11の直径に略々等しい内径の開口部20aが形成されている。
このケース20内においては、光学素子10は、先端側に収納されて、第1面11を開口部20aより外方側に臨ませる。そして、この光学素子10の後面側には、O−リング21を介して、光ファイバ16を保持するフェルール22が挿入される。そして、このケース20の後端側は、キャップ23が螺入されることにより、閉塞される。なお、光ファイバ16は、フェルール22及びキャップ23の中心軸に沿って形成された透孔を介して、後方側に引き出される。
このケース20内に収納された光学素子10及び光ファイバ16は、図11に示すように、それぞれがケース20及びフェルール22によって保持されることによって、互いに所定の位置関係となされる。また、フェルール22の先端側の光ファイバ16の入射端面16aが臨む開口部は、その開口径や開口形状を適宜に設定することにより、光ファイバ16の入射端面16aに対する開口絞りとしての機能を有するものとすることができる。
このようにケース20内に収納された光学センサ用光学系は、このケース20ごと熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグの碍子1内に組込むことができる。熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグの碍子1内に組込まれた光学センサ用光学系は、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応、例えば、燃焼やプラズマ反応の所定の局所を物点Oとして、この物点Oの周囲の領域からの光を、光ファイバ16を介して、後述する分光器に導くことができ、この分光器によって分光することにより該所定の局所における物理・化学反応(燃焼やプラズマ反応)による光の計測を行うことを可能とする。
そして、この光学センサ用光学系においては、前述の光学素子10に対して、光ファイバ16の入射端面16aの位置を移動させることにより、検出対象となる領域(物点)を光学素子10に対して移動させることができる。この場合には、光の検出対象となる領域から光ファイバ16の入射端面16aに至る光に若干の球面収差やコマ収差が生じ得るが、この収差量が光ファイバ16の径よりも小さい範囲のものであれば、光の検出結果に対する影響は少ない。
〔光計測装置の実施の形態〕
本発明に係る光計測装置は、前述のように、多点からの光を検出できるようにした光学センサ用光学系を有する光計測装置である。この光計測装置においては、種々の熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応、例えば、燃焼やプラズマ反応の一または複数の局所における自発光、プラズマ発光、蛍光、燐光、散乱光、放射光等の物理・化学反応による光の計測を、同時に、または、順次的に行うことができる。
すなわち、この光計測装置は、例えばエンジンなどの熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域、例えば、燃焼やプラズマ反応の物理・化学反応の発生箇所の移動(火炎帯もしくは反応の空間的移動)や、移動中の物理・化学反応状態の変化(時間的変化)や、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応)における物理化学反応特性の計測などを行うことができる。
この光計測装置は、前述した本発明に係る熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグを備えて構成され、この熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグを、エンジンなどの熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置に既存の点火プラグまたは放電プラグと置き換えて使用する。前述した本発明に係る熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグは、熱機関またはプラズマ装置に既存の点火プラグと同一の大きさ及び外形形状を有して構成されているので、熱機関またはプラズマ装置の改造をすることなく、この熱機関またはプラズマ装置に取付けることができる。
この実施の形態においては、図12に示すように、本発明に係る光計測装置をガソリンレシプロエンジン201に取り付けた状態を示しており、本発明に係る熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグの光学センサ用光学系の光学素子10は、第1面11を物理・化学反応領域202、例えば、燃焼室内やプラズマ反応領域に望ませて設置される。そして、この光学センサ用光学系は、物理・化学反応領域(燃焼室やプラズマ反応領域)202における物理・化学反応(燃焼やプラズマ反応)により発せられる局所的な計測点における光を集光させて、光ファイバ16に導くこととなる。
なお、このガソリンレシプロエンジン201においては、エアクリーナ203及びフローメータ204を経た吸気が、インテークマニホールド205を経て、物理・化学反応領域(燃焼室)202内に導入される。この吸気には、インテークマニホールド205において、燃料(ガソリン)が混合される。この燃料は、燃料タンク206より、燃料フィルタ207を経て、燃料ポンプ208により、レギュレータ209を介して、インテークマニホールド205に送られる。すなわち、物理・化学反応領域(燃焼室)202内には、空気と燃料との混合気が導入される。この物理・化学反応領域(燃焼室)202内において、混合気が物理・化学反応(燃焼)を生じ、物理・化学反応(燃焼)後の排ガスは、エキゾーストマニホールド210より排出される。
混合気の物理・化学反応(燃焼)によるエネルギーは、ピストン211を移動させる。ピストン211の移動は、クランクシャフト212を介して回転力として取り出される。物理・化学反応領域(燃焼室)202内には、圧力センサ213が設置されている。
なお、この実施の形態においては、ガソリンレシプロエンジン201として、排気量223cc(ボア・ストローク:70mm×58mm)、圧縮比9.5の単気筒エンジンを使用した。
このようなガソリンレシプロエンジン201に取付けられた本発明に係る熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグにおいては、光学センサ用光学系は、物理・化学反応(燃焼やプラズマ反応)により生じた局所的な計測点における光を、光ファイバ16を介して、分光手段となる分光器30、もしくは、分光ユニット31に入射させる。
分光器30は、入射された光を、3種類のラジカル(OH、CH及びC )のうちのいずれからの発光かによって分ける装置であり、例えば、図13に示すように、分光素子として回折格子30aを用いて、炭化水素の物理・化学反応(燃焼やプラズマ反応)において特に重要な中間生成物であるOH、CH及びC (プラズマ反応では、H、O、N、N、OHなど)からの光成分を計測するように装置が構成されている。また、C に関しては、2成分(C (1)及びC (2))について計測を行うようにしてもよい。OH発光は物理・化学反応(燃焼やプラズマ反応)及び高温ガスに対応して観測され、CH/C 発光は物理・化学反応領域(反応帯)と高い相関があり、さらに、C 発光は反応及びすす生成と強い関係がある。したがって、これらラジカルから発する光を計測することによって、物理・化学反応(燃焼やプラズマ反応)に関する重要な情報を得ることができる。また、同一ラジカル(例えば、C )についての2波長成分以上の同時計測を行うことによって、温度に関する情報等を得ることができる。
この分光器30においては、光による2次元の光像を位置検出型光計測素子によって計測または撮像することができる。高感度・高速の位置検出型光計測素子としては、高速動作可能なCCD(固体撮像素子)などのイメージセンサ36を用いることができる。
また、位置検出型光計測素子としては、イメージセンサ36を用いたもの、例えば、イメージインテンシファイアなどのイメージ管にCCDを接続したものや、蛍光面に電子打ち込み型CCDが用いられているイメージ管などを用いることもできる。
なお、このような位置検出型光計測素子は、前述したように、光センサ用光学系の一部をなすものとして、光ファイバアレイによる導光を行わずに、光学素子の集光面に直接配置するか、または、光ファイバアレイの出射端面に配置することも可能である。また、光ファイバアレイにより導光された複数点からの光を、光学フィルタ(干渉フィルタ等)を配置した上記したような位置検出型光計測素子により、同時に分光・検出することによって、多点についての光計測装置の小型化が可能になる。
また、この分光器30においては、図13に示すように、回折格子30aにより分光されたOH、CH、C (1)及びC (2)による光に対応して、前述のイメージセンサ36に代えて、光計測手段、例えば、マルチアノード型光電子増倍管の如き4つの受光素子36a〜36dを配置して、高分解能分光計測を行うようにしてもよい。
この分光器30において、光ファイバ16によって導入された光は、回折格子30aによって波長分解され、各光成分の波長帯の光が対応する受光素子36a〜36dに入射される。受光素子36a〜36dは、図13に示すように、波長分解の方向にアノードの分割の方向が一致されて配置されており、これによって、選択された各波長帯をさらに高分解能に波長分解して計測し、各光成分の強度を計測するたけでなく、その微細構造スペクトルを高速・時系列で計測して、物理・化学反応(燃焼やプラズマ反応)による温度や圧力などについてのさらに詳しい情報を得ることができる。
干渉フィルタなどの光学フィルタを用いた計測の場合には、選択波長帯が数nm〜数十nmの広いバンド幅によって計測される。しかし、温度解析や詳細な化学反応解析においては、1nm以下の波長分解能での光スペクトル計測が必要とされる場合がある。前述したような分光素子(回折格子)及び受光素子(マルチアノード型光電子増倍管)を用いた高分解能分光により、0.1〜0.5nm程度の高波長分解能での光スペクトル時系列計測が可能となり、これによって、従来困難であった局所温度の時系列計測等を実現することができる。
なお、受光素子36a〜36dとしてマルチアノード型光電子増倍管を用いることによって、複数の受光素子を配置するなどの構成とした場合に比較して、装置を大幅に小型化することができるが、このようなマルチアノード型光電子増倍管の適用は分光素子(回折格子)を用いた場合に限られるものではなく、例えば、光学フィルタ(干渉フィルタ)と組み合わせて用いることも可能である。
これらイメージセンサ36、または、受光素子36a〜36dからの出力は、図12に示すように、信号処理手段となるコンピュータ40に送られ、後述する種々の信号処理がなされる。
そして、分光ユニット31も、入射された光を、3種類のラジカル(OH、CH及びC )(プラズマ反応では、H、O、N、N、OHなど)のうちのいずれからの発光かによって分ける装置である。すなわち、この分光ユニット31は、光ファイバ16によって導光された光のうち、観測したい物質からの光成分を選択して計測する装置である。この分光ユニット31は、図14に示すように、OH、CH及びC からの光成分を計測するように装置が構成されている。また、C に関しては、2成分(C (1)及びC (2))について計測を行うようにしてもよい。
分光ユニット31は、それぞれ、OH、CH、C (1)及びC (2)による光に対応している第1乃至第4の分光素子31a〜31dを有して構成される。各分光素子31a〜31dにおける選択波長は、 第1の分光素子31aでは、波長306.4nm、半値幅10〜15nm、第2の分光素子31bでは、波長431.5nm、半値幅1〜2nm、第3の分光素子31cでは、波長473.3nm、半値幅1〜2nm、第4の分光素子31dでは、波長516.5nm、半値幅1〜2nmと設定されている。
第1の分光素子31aは、ダイクロイックミラー32a、干渉フィルタの如き光学フィルタ33a及び光電子増倍管の如き光計測手段となる受光素子34aから構成されている。ダイクロイックミラー32aによって入射光から分離された光は、光学フィルタ33aに入射され、OHからの光に対応する上述の選択波長の光成分が選択・透過され、受光素子34aに入射される。受光素子34aに入射した光成分は、この受光素子34aによって光電変換されて増倍され、信号増幅手段(アンプ)35に出力される。第2乃至第4の分光素子31b〜31dについても、その構成は、第1の分光素子31aと同様であるが、それぞれの選択波長が、前述の対応した光成分の波長に設定されている。
信号増幅手段35からの出力は、図12に示すように、信号処理手段となるコンピュータ41に送られ、後述する種々の信号処理がなされる。
本実施形態においては、特に、光計測に高速動作が可能な、光電子増倍管の如き受光素子34a〜34dを用いることによって、高速での時系列計測を可能にしている。これに対応して、計測のサンプリングレートも、例えば、100kHz〜数百MHz程度に設定することができる。
なお、このように複数の化学種についての計測を同時に行う場合、従来のレーザを用いた計測法では、化学種毎にレーザ光源が必要であり、装置が大型化・複雑化し、実用上そのような計測は困難であった。これに対して、本発明においては、光計測を利用することによって、容易に複数の化学種についての同時計測を行うことができる。
このようにして、この光計測装置においては、例えば、燃焼やプラズマ反応などの物理・化学反応領域内の計測点からの光が、光学センサ用光学系5を介して、各受光素子等によって計測される。この光は、燃焼やプラズマ反応などの物理・化学反応において、OH、CH、C など、プラズマ反応では、H、O、N、N、OHなどに起因して自然発光している物理・化学反応発光を言い、物理・化学反応の反応強度、あるいは、熱発生との相関を有し、物理・化学反応状態の直接的な指標となるものである。
なお、ここで、物理・化学反応発光は紫外線を含んでいるため、光ファイバ16としては、紫外線透過型の石英ファイバを用いることが望ましい。また、光ファイバ16のコア径を小さくすることによって計測の位置分解能を高めることができるが、一方で、コア径を小さくすると導光される光量が減少するので、計測において必要とされる条件によって、最適のものを選択する必要がある。
例えば、コア径200μmのものを用いた場合に、計測体積は、1.6mm×φ0.2mm程度となる。この計測体積は、レーザ・ドップラー流速計(LDV)、または、フェイズ・ドップラー流速計(PDA)の計測体積と同じオーダーである。
なお、複数の光ファイバ16を用いる場合においては、各光ファイバ16の出射端面を、それぞれ分光器30、または、分光ユニット31に接続し、各計測点からの光を分光器30、または、分光ユニット31に入射するようにする。このように構成することによって、多点からの光を、それぞれに対して別個に配置された分光器30、または、分光ユニット31を用いて同時に計測することができ、例えば、リアルタイムで2次元の物理・化学反応状態及びその時間変化を観測することが可能となる。
すなわち、この光計測装置においては、多点についての光の局所・時系列計測が実現され、これによって、プラズマ、蛍光、燃焼やプラズマ反応などの物理・化学反応の微細構造についての情報を得ることが可能となる。
〔光計測装置における計測手順〕
前述のような計測装置を様々な熱機関や半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置のような物理・化学反応装置における物理・化学反応の解析に用いることによって、多くの重要な情報を得ることができる。例えば、自動車のエンジンにおいては、物理・化学反応(燃焼やプラズマ反応)は、その幅が0.1mm以下のオーダーの物理・化学反応帯が形成され、所定の移動速度で移動・伝播される。このとき、計測点において光を計測すると、物理・化学反応帯の通過に対応した光の強度の立ち上がり(ピーク)が観測される。このピークの時間から通過時刻、ピーク幅Δtから通過に要した時間、また、ピーク強度から物理・化学反応の強度についての情報をそれぞれ得ることができる。
ただし、前述したような光計測を行っても、単一の計測点についての計測によっては、幅及び移動速度を求めることはできず、多点計測を行って、各計測点での光変化の相関をみることによって、はじめてそれらの物理・化学反応状態及びその時間変化についての直接的な情報を得ることが可能となる。さらに、例えば、多点をマトリクス状の2次元構成、または、3次元構成とすることによって、物理・化学反応の移動方向など多くの情報を効率的に得ることができる。
また、高分解能の計測を行うことによって、物理・化学反応帯内部の反応強度分布など、さらに微細な構造を解明することができる。その他にも、各化学種からの光の変化・相関等から、一または複数の局所的な空燃比(A/F:Air/Fuel)、乱流構造とそれに関する局所ダムケラー数、これらの時系列変動(サイクル変動など)、ノッキングなどの異常反応の状態、一または複数の局所における火炎もしくは反応の核の形成情報、火炎もしくは反応の核の温度情報等、多くの情報を得ることができる。
すなわち、この光計測装置においては、図15に示すように、熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグの光センサ用光学系を介して得られる光情報に基づいて、コンピュータ40,41において信号処理を行うことにより、種々の計測を行うことができる。すなわち、光センサ用光学系を介して得られる光情報からは、分光器30により、ラジカル発光スペクトルの時系列計測を行うことができる(図16)。また、光センサ用光学系を介して得られる光情報からは、分光ユニット31により、特徴ラジカル(OH、CH及びC )からの発光強度の時系列計測を行うことができる(図17)。
また、特徴ラジカル(OH、CH及びC )からの発光強度の時系列計測からは、火炎帯もしくは反応帯の到達速度及び火炎帯もしくは反応帯の厚さを計測することができる(図18)。さらに、各ラジカルからの発光強度のピークの平均値及び時系列変動(サイクル変動など)が求められ(図19)、各ラジカルからの発光強度のピーク比の平均値及び時系列変動(サイクル変動など)が求められる(図20)。そして、較正曲線(図23)を用いることにより、局所空燃比の平均値及び時系列変動(サイクル変動など)が求められる(図24)。
一方、火炎帯もしくは反応帯の厚さの平均値及び時系列変動(サイクル変動など)を計測することができ(図29)、火炎帯もしくは反応帯の到達速度の平均値及び時系列変動(サイクル変動など)を計測することができる(図30)。
(1)ラジカル発光スペクトルの時系列計測
ラジカル発光スペクトルの時系列計測結果は、熱機関、または、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置における物理・化学反応領域における発光スペクトルに基づいて、図16に示すように、横軸を波長、縦軸を発光強度、奥行きを時間として示すことができる。また、ラジカル発光スペクトルの時系列計測結果は、熱機関またはプラズマ装置における物理・化学反応領域における発光スペクトルに基づいて、図17に示すように、横軸を時間とし、圧力センサにより計測された物理・化学反応領域における圧力信号と、各ラジカル(OH、CH及びC )からの発光強度とを関連させた状態で示すことができる。ここでは、エンジンの物理・化学反応(燃焼やプラズマ反応)サイクルの5サイクル分の結果を示している。
(2)火炎帯もしくは反応帯の到達速度及び火炎帯もしくは反応帯の厚さの計測
火炎帯もしくは反応帯の到達速度及び火炎帯もしくは反応帯の厚さの計測は、図18に示すように、点火(放電)部と計測点との間の距離をdとして、点火時(イグニッションタイミング)から火炎発光スペクトルの立ち上がりまでの時間t及び火炎発光スペクトルの初期のピーク幅tに基づいて求めることができる。すなわち、火炎帯の到達速度は、d/tによって求めることができる。また、火炎帯の厚さは、d・t/tによって求めることができる。
(3)各ラジカルからの発光強度のピークの平均値及び時系列変動(サイクル変動など)
各ラジカルからの発光強度のピークの平均値及び時系列変動(サイクル変動など)は、図19に示すように、OH、CH及びC からの光のピーク強度の時間的変化をトレースすることによって計測することができる。図19には、発光強度ピークのサイクル変動が示されている。図19において、横軸はサイクル、縦軸はピーク強度を示しており、ドットは、連続したサイクルのピーク強度、実線はその平均値を示す。右側の棒グラフは、ピーク強度のヒストグラムを示し、図中の数値は、ピーク強度の平均値と標準偏差を示している。
(4)各ラジカルからの発光強度のピーク比の平均値及び時系列変動(サイクル変動など)
各ラジカルからの発光強度のピーク比の平均値及び時系列変動(サイクル変動など)は、図20に示すように、OH、CH及びC からの光のピーク強度の比(C /CH、C /OH、OH/CH)の時間的変化をトレースすることによって計測することができる。図20には、発光強度ピークの比のサイクル変動が示されている。図20において、横軸はサイクル、縦軸はピーク強度の比を示しており、ドットは、連続したサイクルのピーク強度の比、実線はその平均値を示す。右側の棒グラフは、ピーク強度の比のヒストグラムを示し、図中の数値は、ピーク強度の比の平均値と標準偏差を示している。
図21は、各ラジカルからの光のピーク強度とエンジン回転数との関係を示している。図21の(a)において、横軸はエンジン回転数、縦軸はピーク強度を示し、(b)において、横軸はエンジン回転数、縦軸はピーク強度比を示している。局所空燃比は14.7である。図21の(a)において、エンジン回転数が上昇すると火炎発光が強くなり、OH、CH及びC からの光のピーク強度は増加している。図21の(b)において、各ラジカルからの光の強度比は、エンジン回転数が変化してもコンスタントに近くなっている。このことから、信号の強度ではなく、相対比を使うと、回転数に関係なく一つのパラメータになりうることがわかる。
図22は、局所空燃比が16.0の場合の各ラジカルからの光のピーク強度とエンジン回転数との関係を示している。
図22の(a)において、横軸はエンジン回転数、縦軸はピーク強度を示し、(b)において、横軸はエンジン回転数、縦軸はピーク強度比を示している。図22の(a)において、エンジン回転数が上昇すると火炎発光が強くなり、OH、CH及びC からの光のピーク強度は増加している。図22の(b)において、各ラジカルからの光の強度比は、エンジン回転数が変化してもコンスタントに近くなっている。このことから、信号の強度ではなく、相対比を使うと、回転数に関係なく、また、局所空燃比(燃料濃度)が異なる条件でも、一つのパラメータになりうることがわかる。
(5)較正曲線
図23は、各ラジカルからの発光強度のピーク比と設定条件としての空燃比(A/F:Air/Fuel)との関係を、横軸を設定した空燃比(A/F)、縦軸を各ラジカルからの発光強度のピーク比として示す。エンジン回転数が一定(例えば、7000rpm)の場合には、ラジカルからの光のビーク強度と設定した空燃比(A/F)との関係が各ラジカル(OH、CH及びC )によって異なるため、これらの比をとると、図23に示すように、3本の曲線が得られる。この図23においては、縦軸の各ラジカルからの発光強度のピーク比から、空燃比(A/F)の値が算出できることがわかる。すなわち、この図23に示す曲線が、局所空燃比(A/F)を算出するための較正曲線となる。
(6)局所空燃比の平均値及び時系列変動(サイクル変動など)
局所空燃比の平均値及び時系列変動(サイクル変動など)は、図24に示すように、横軸をサイクル、縦軸を局所空燃比(A/F)として、図23に示した3本の較正曲線を用いて、各ラジカルからの発光強度に基づいて局所空燃比(A/F)の変動を算出した結果として得られる。
図23において、横軸はサイクル、縦軸は算出された局所空燃比(A/F)を示しており、ドットは、連続した局所空燃比(A/F)、実線はその平均値を示す。右側の棒グラフは、局所空燃比(A/F)のヒストグラムを示し、図中の数値は、局所空燃比(A/F)平均値と標準偏差を示している。すなわち、この図24は、本発明に係る熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグに内蔵された光センサ用光学系により求められた局所空燃比(A/F)のサイクル変動を示している。空燃比(A/F)の設定値は14.7であり、較正曲線を用いて得られた局所空燃比(A/F)の平均値は14.8乃至14.9であった。
なお、図25は、初期燃焼期間(ΔCA10%)と平均有効圧力(IMEP)の相関を示している。
この図25において、横軸は平均有効圧力(IMEP)を示し、縦軸は各ラジカル(OH、CH及びC )からの発光から求めた初期燃焼期間(ΔCA10%)を示す。初期燃焼期間(ΔCA10%)は、点火から火炎発光強度がピークの10%の強度に到達するまでの時間を示している。熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグに内蔵された光センサ用光学系により計測した初期火炎情報と、圧力センサで計測したIMEPとの関係を示している。
図26は、エンジン回転数による初期燃焼期間の変化を示している。
この図26において、横軸はエンジン回転数、縦軸はCHからの発光信号から求めた初期燃焼期間を示す。エンジン回転数と、熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグに内蔵された光センサ用光学系により計測した初期火炎情報との関係を示している。
図27は、初期燃焼期間と設定した空燃比(A/F)との関係を示している。
この図27において、横軸は設定した空燃比(A/F)を示し、縦軸は各ラジカル(OH、CH及びC )からの発光信号から求めた初期燃焼期間を示す。設定した空燃比(A/F)と、熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグに内蔵された光センサ用光学系により計測した初期火炎情報との関係を示している。
図28は、局所空燃比(A/F)及びと平均有効圧力(IMEP)のサイクル変動を示している。
この図28において、横軸はサイクル、縦軸は熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグに内蔵された光センサ用光学系により計測された局所空燃比(A/F)及び平均有効圧力(IMEP)を示している。熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグに内蔵された光センサ用光学系により計測された局所空燃比(A/F)と及び平均有効圧力(IMEP)のサイクル変動を示している。
(7)火炎帯もしくは反応帯の厚さの平均値及び時系列変動(サイクル変動など)の計測
火炎帯もしくは反応帯の厚さの平均値及び時系列変動(サイクル変動など)の計測は、図29に示すように、OH、CH及びC からの光に基づいて算出される火炎帯もしくは反応帯の厚さの時間的変化をトレースすることによって計測することができる。図29には、火炎帯の厚さのサイクル変動が示されている。図29において、横軸はサイクル、縦軸は各ラジカルについての火炎帯の厚さを示しており、ドットは、連続したサイクルの火炎帯の厚さ、実線はその平均値を示す。右側の棒グラフは、火炎帯の厚さのヒストグラムを示す。
(8)火炎帯もしくは反応帯の到達速度の平均値及び時系列変動(サイクル変動など)の計測
火炎帯もしくは反応帯の到達速度の平均値及び時系列変動(サイクル変動など)の計測は、図30に示すように、OH、CH及びC からの光に基づいて算出される火炎帯もしくは反応帯の到達速度の時間的変化をトレースすることによって計測することができる。図30には、火炎帯の到達速度のサイクル変動が示されている。図30において、横軸はサイクル、縦軸は各ラジカルについての火炎帯の到達速度を示しており、ドットは、連続したサイクルの火炎帯の到達速度、実線はその平均値を示す。右側の棒グラフは、火炎帯の到達速度のヒストグラムを示す。
(9)ノッキングなどの異常反応検出及び火炎もしくは反応の核の温度情報の計測
さらに、この光計測装置においては、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応)の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、熱機関またはプラズマ装置におけるノッキングなどの異常反応を検出することもできる。
ノッキングなどの異常反応の検出は、OH(OHラジカル)からの発光を検出した信号に基づいて行う。すなわち、ノッキングなどの異常反応が生じたときには、瞬間的な燃焼やプラズマ反応により、OHからの発光強度が増加するので、OHからの発光強度の急激な上昇、または、その他のラジカル(CH,C )との強度比、あるいは、ラジカル発生またはピークの位置を比較することにより、ノッキングなどの異常反応を検出することができる。また、複数の局所における計測を行うことにより、各局所でのノッキングなどの異常反応検出のタイムラグにより、ノッキングなどの異常反応の位置の同定を行うことができる。
また、この光計測装置においては、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応)の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、物理・化学反応領域(燃焼やプラズマ反応)の一または複数の局所における火炎もしくは反応の核、あるいは、火炎、ガス、または、プラズマの温度情報を計測することもできる。
火炎もしくは反応の核の温度情報は、詳細な分光スペクトルから、ボルツマンプロット、特徴スペクトルの強度比、スペクトル線幅のブロードニングなどから算出をすることができる。
さらに、本発明に係る光計測装置においては、プラズマ装置に適用した場合には、物理・化学反応領域のプラズマ場の一または複数の局所における異なる波長の発光強度を同一点にて計測することもできる。
また、本発明に係る光計測装置においては、プラズマ装置に適用した場合には、物理・化学反応領域のプラズマ場における異なる波長の光強度比、スペクトルの線幅、または、シフト量から、プラズマ特性量を同定することができる。
そして、本発明に係る光計測装置においては、物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるガスの組成・濃度を計測することもできる。
なお、前述したような種々の計測、検出の適用対象は、自動車のエンジンに限らず、オイルバーナーを用いた噴霧燃焼方式の火炉やボイラー、航空機や火力発電に使用されるガスタービン、ラム、スクラムジェットエンジン燃焼器、給湯器、燃料電池、水素エンジンなど、様々な熱機関や、半導体製造装置、医療機器などのプラズマ装置のような物理・化学反応装置や除菌、滅菌装置に対して適用することができる。
また、光計測以外の従来の物理・化学反応状態の計測法を併用することによって、さらに多くの情報を得ることが可能になる。特に、本発明に係る光計測装置における光学センサ用光学系は、通常のレンズ系と比較して非常に高い集光率を有しているので、物理・化学反応についてのレーザ計測の集光系としても適用することも可能である。
例えば、本発明に係る光計測の計測体積は、レーザ・ドップラー流速計(LDV)やフェイズ・ドップラー流速計(PDA)と同程度またはそれ以下であり、それらの計測と光計測の同時計測を行うことにより、局所的なガス流速速度と物理・化学反応の移動速度から、局所における物理・化学反応(燃焼やプラズマ反応)速度を見積もることができる。また、レーザ・ドップラー流速計(LDV)やフェイズ・ドップラー流速計(PDA)の計測体積は、一般に光軸方向に数百nm〜数十mm程度の長さを持つので、光計測装置を高分解タイプの設定として同時計測を行うことによって、レーザ・ドップラー流速計(LDV)やフェイズ・ドップラー流速計(PDA)の計測体積内の流速計測値の分布などを計測することが可能になる。また、LIF法による計測を併用することによって、化学反応メカニズムについての知見を得ることが可能となる。
本発明に係る熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグの構成を示す側面図である。 前記熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグの光学センサ用光学系の構成を示す側断面図である。 前記光学センサ用光学系の構成の他の例を示す側断面図である。 前記光学センサ用光学系の構成のさらに他の例を示す側断面図である。 前記光学センサ用光学系の構成のさらに他の例を示す側断面図である。 前記光学センサ用光学系の構成のさらに他の例を示す側断面図である。 前記光学センサ用光学系の構成のさらに他の例を示す側断面図である。 前記光学センサ用光学系の構成のさらに他の例を示す側断面図である。 前記光学センサ用光学系の構成のさらに他の例を示す側断面図である。 前記熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグの要部を示す側断面図である。 前記熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグの光学センサ用光学系の要部を示す側断面図である。 本発明に係る光計測装置の構成を示すブロック図である。 前記光計測装置における分光器の構成を示す斜視図である。 前記光計測装置における分光ユニットの構成を示す側面図である。 前記光計測装置における計測手順を示すフローチャートである。 前記光計測装置におけるラジカル発光スペクトルの時系列計測結果を示すグラフである。 前記光計測装置におけるラジカル発光スペクトルの時系列計測結果をサイクルごとに示すグラフである。 前記光計測装置における火炎帯の到達速度及び火炎帯の厚さの計測結果を示すグラフである。 前記光計測装置における各ラジカルからの発光強度のピークの平均値及びサイクル変動の計測結果を示すグラフである。 前記光計測装置における各ラジカルからの発光強度のピーク比の平均値及びサイクル変動の計測結果を示すグラフである。 前記光計測装置におけるラジカルピーク強度とエンジン回転数との関係(A/F=14.7)の計測結果を示すグラフである。 前記光計測装置におけるラジカルピーク強度とエンジン回転数との関係(A/F=16.0)の計測結果を示すグラフである。 前記光計測装置における較正曲線を示すグラフである。 前記光計測装置における局所空燃比の平均値及びサイクル変動の計測結果を示すグラフである。 前記光計測装置におけるΔCA10%とIMEPとの相関の計測結果を示すグラフである。 前記光計測装置におけるエンジン回転数における初期燃焼期間の計測結果を示すグラフである。 前記光計測装置における初期燃焼期間とA/Fの関係の計測結果を示すグラフである。 前記光計測装置におけるA/FとIMEPのサイクル変動の計測結果を示すグラフである。 前記光計測装置における火炎帯の厚さの平均値及びサイクル変動の計測結果を示すグラフである。 前記光計測装置における火炎帯の到達速度の平均値及びサイクル変動の計測結果を示すグラフである。 従来の光計測装置において使用される光学センサ用光学系の構成を示す側面図である。
符号の説明
1 碍子部
2 点火(放電)部
3 電路
4 透孔
5 光学センサ用光学系
10 光学素子
11 第1面
11a 第1領域
11b 第2領域
12 第2面
12a 第1領域
12b 第2領域
13 段差部
13a 拡径部
13b 切欠き部
14,15 反射膜
4,5 反射膜
16 光ファイバ
30 分光器
31 分光ユニット
40,41 コンピュータ

Claims (45)

  1. 碍子部と、
    前記碍子部の先端部に設けられた点火・放電部と、
    前記碍子部内を通り、前記点火・放電部に接続された電路と、
    前記碍子部に穿設された透孔内に配設され、先端部を該碍子部の先端面に望ませている少なくとも一の光学センサ用光学系とを備え、
    前記光学センサ用光学系は、先端面を前記碍子部の先端面に望ませている光学素子を有して構成されており、
    前記光学素子は、第1面及び第2面を有して一体的に形成され、前記第1面及び前記第2面がそれぞれ第1領域と第2領域とを有し、前記第1面の第1領域が凹面の透過面であり、第2面の第1領域が凹面反射面であり、前記第1面の第2領域が反射面であってこの第1面の物点側表面に反射物質膜が被着されて形成され、この反射物質膜の前記物点側が防護層によって覆われており、前記物点からの光が前記第1面の第1領域に入射され、この光を前記第2面の第1領域において反射し、この反射光を前記第1面の第2領域において反射し、この反射光を像点に集光させる
    ことを特徴とする熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  2. 前記光学センサ用光学系を複数備えることを特徴とする請求項1記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  3. 前記光学素子の防護層は、耐熱性、耐食性、耐蝕性、耐触性の少なくともいずれか一を有するものであることを特徴とする請求項1、または、請求項2記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  4. 前記光学素子の防護層は、クロム、フッ化マグネシウム、二酸化珪素、二酸化ジルコニア、酸化チタン、アルミナのいずれかの材料からなる単層膜、または、これらの二以上の材料からなる多層膜によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  5. 前記光学素子の防護層は、前記第1面の全面に亘って形成され、前記第1面の第1領域への入射光についての反射防止膜の機能を有していることを特徴とする請求項4記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  6. 前記光学素子の防護層は、前記第1面と前記第2面との間の媒質と同一の材料によって、前記第1面の全面に亘って形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  7. 前記光学素子の第1面は、前記第2面よりも小径の面となされており、
    前記第1面及び前記第2面の間には、該第1面の外径から該第2面の外径への拡径部が形成されており、
    前記拡径部により、不要光が遮断されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  8. 前記光学素子の第1面及び前記第2面の間の媒質には、側面部に切欠き部が形成されており、
    前記切欠き部により、不要光が遮断されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  9. 前記光学素子の第1面の第2領域は、凸面反射面であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  10. 前記光学素子の第2面の第1領域には、前記像点側より、金属材料からなる反射膜が被着形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  11. 前記光学素子の第2面の第1領域は、特定の波長帯域の光のみを選択的に反射することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  12. 前記光学素子の第2面の第1領域は、前記物点を焦点とする回転楕円面であることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  13. 前記光学素子の第2面の第2領域は、前記像点を曲率中心とした凸球面の透過面となっていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  14. 前記光学素子の像点は、前記第2面の第2領域上、または、前記第2面よりも前記第1面の側にあることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  15. 前記光学素子の第1面及び前記第2面がそれぞれ複数の第1領域と第2領域とを有し、
    前記第2面の各第1領域は、互いに異なる曲率中心、または、焦点を有する複数の部分に分割された凹面からなる反射面であり、
    前記物点からの光は、前記第1面の各第1領域に入射され、前記第2面の各第1領域において対応して反射され、前記第1面の各第2領域において反射され、像点に集光されることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  16. 少なくとも一の光ファイバを備え、
    前記光ファイバの入射端面は、前記光学素子の単数、または、複数の像点の位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  17. 複数の光ファイバからなる光ファイバアレイを備え、
    前記各光ファイバの各入射端面は、前記光学素子の複数の像点の位置に配置されており、光軸に対して所定角度をなす一平面上、または、光軸方向について互いに異なる位置に1次元乃至3次元配列されていることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  18. 少なくとも一の光ファイバを備え、
    前記光ファイバの入射端面は、前記光学素子の前記第2面の第2領域上、または、前記第2面よりも前記第1面の側の単数、または、複数の像点の位置に配置されていることを特徴とする請求項14記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  19. 複数の光ファイバからなる光ファイバアレイを備え、
    前記各光ファイバの各入射端面は、前記光学素子の前記第2面の第2領域上、または、前記第2面よりも前記第1面の側の複数の像点の位置に配置されており、光軸に対して所定角度をなす一平面上、または、光軸方向について互いに異なる位置に1次元乃至3次元配列されていることを特徴とする請求項14記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  20. 前記光学素子の像点に複数の受光部を配置させた受光素子を備え、
    前記受光素子により、前記光学素子の物点側の複数の計測点における光の前記光学素子による複数の像点からの光を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  21. 前記複数の計測点は、1次元配列されており、
    前記複数の受光部は、前記複数の計測点に対応する複数の像点の位置に1次元配列されていることを特徴とする請求項20記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  22. 前記複数の計測点は、マトリクス状に2次元配列されており、
    前記複数の受光部は、前記複数の計測点に対応する複数の像点の位置にマトリクス状に2次元配列されていることを特徴とする請求項20記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  23. 前記複数の計測点は、3次元配列されており、
    前記複数の受光部は、前記複数の計測点に対応する複数の像点の位置に3次元配列されていることを特徴とする請求項20記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグ。
  24. 熱機関またはプラズマ装置における物理・化学反応領域の一または複数の局所における物理・化学反応量及びその状態からの光を計測するための光計測装置であって、
    請求項1乃至請求項15のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグと、
    前記光学素子の像点における光を分光する分光手段と、
    前記分光手段により分光された光を受光する受光素子を有する光計測手段と、
    前記計測手段により得られた信号を処理する信号処理手段とを備え、
    前記物理・化学反応領域の一または複数の局所から発せられる任意の波長の光を検出することを特徴とする光計測装置。
  25. 熱機関またはプラズマ装置における物理・化学反応領域の一または複数の局所における物理・化学反応量及びその状態からの光を計測するための光計測装置であって、
    請求項16乃至請求項19のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグと、
    前記光学素子の像点における光が前記光ファイバを介して入射され、この光を分光する分光手段と、
    前記分光手段により分光された光を受光する受光素子を有する光計測手段と、
    前記計測手段により得られた信号を処理する信号処理手段とを備え、
    前記物理・化学反応領域の一または複数の局所から発せられる任意の波長の光を検出することを特徴とする光計測装置。
  26. 熱機関またはプラズマ装置における物理・化学反応領域の一または複数の局所における物理・化学反応量及びその状態からの光を計測するための光計測装置であって、
    請求項20乃至請求項23のいずれか一に記載の熱機関またはプラズマ装置に用いる点火または放電プラグと、
    前記受光素子により得られた信号を処理する信号処理手段とを備え、
    前記物理・化学反応領域の一または複数の局所から発せられる任意の波長の光を検出することを特徴とする光計測装置。
  27. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域のプラズマ場の一または複数の局所における異なる波長の発光強度を計測することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
  28. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域のプラズマ場における異なる波長の光強度比、スペクトルの線幅、または、シフト量から、プラズマ特性量を同定することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
  29. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布を計測することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
  30. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその時間的変化を計測することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
  31. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所における局所空燃比を計測することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
  32. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の厚さを計測することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
  33. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の到達速度を計測することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
  34. 前記信号処理手段は、ラジカルの組成ごとに異なる前記火炎帯もしくは反応帯の到達速度を計測することを特徴とする請求項33記載の光計測装置。
  35. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動を計測することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
  36. 前記信号処理手段は、ラジカルの組成ごとに異なる前記火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動を計測することを特徴とする請求項35記載の光計測装置。
  37. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動周波数を計測することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
  38. 前記信号処理手段は、ラジカルの組成ごとに異なる前記火炎帯もしくは反応帯の到達速度の変動周波数を計測することを特徴とする請求項37記載の光計測装置。
  39. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所における火炎帯もしくは反応帯の広がる方向を計測することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
  40. 前記信号処理手段は、ラジカルの組成ごとに異なる前記火炎帯もしくは反応帯の広がる方向を計測することを特徴とする請求項39記載の光計測装置。
  41. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、前記熱機関またはプラズマ装置の時系列変動を計測することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
  42. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、前記熱機関またはプラズマ装置におけるノッキングなどの異常反応を検出することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
  43. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所における火炎もしくは反応の核の形成情報を計測することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
  44. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所における火炎、ガス、または、プラズマの温度情報を計測することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
  45. 前記信号処理手段は、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるラジカルの光強度及びその空間的・時間的分布に基づいて、前記物理・化学反応領域の一または複数の局所におけるガスの組成・濃度を計測することを特徴とする請求項24乃至請求項26のいずれか一に記載の光計測装置。
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