JP2006288877A - 測定子の位置決め機構および測定子保持具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被測定者の測定対象部の特定部位に測定子を位置決めするに際し、被測定者の負担を軽減し、従前の測定に対する測定状態の再現性を容易に確保できるようにする。
【解決手段】 ベース板10上に配設された上腕保持具20とプローブ保持具30とを備え、エコープローブPを上腕動脈に位置決めする位置決め機構であって、プローブ保持具は、ベース板上にロック/アンロック可能に配設される基部31と、該基部上に取り付けられて3次元動作可能なアーム部32と、該アーム部の先端に設けられエコープローブを保持するホルダ部33とを備え、上腕保持具には、上腕保持具上でのエコープローブの位置を表示する第1座標M1が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、測定子の位置決め機構および測定子保持具、より詳しく言えば、基台上の測定対象保持具に保持された被測定者の測定対象部の特定部位に所定の測定子を位置決めする位置決め機構、及びかかる測定子を保持する保持具に関する。
近年、動脈硬化の発生メカニズムの研究が進展する過程で、動脈硬化の初期段階では、血管の内皮機能不全が動脈硬化に関与することが見出された。すなわち、血管の内皮細胞から放出される生理活性物質である一酸化窒素(NO)が平滑筋を拡張させ、血小板凝縮の抑制や血液単球の内皮への付着抑制など、動脈硬化を抑制する上で重要な指標となることが判ってきた。そして、この一酸化窒素の放出機能が不全になることと動脈硬化が生じることとの間に、相関があることが発見された。
上述のように、血管の内皮細胞から放出される一酸化窒素は、平滑筋を拡張させる作用を有している。従って、血管の内皮細胞から一酸化窒素を放出する放出機能の不全(以下、適宜、血管の「内皮機能不全」と言う。)を評価するためには、血管の拡張度を測定すれば良いことになる。
そこで、血管の内皮機能不全を非侵襲的に比較的短時間で測定する方法として、血管を強制的に弛緩させて測定する方法が考えられている。この方法は、例えば以下のような手順(一連のステップ)で実施することができる。
[a] まず、被験者を所定期間(例えば15分間)安静に保つ。
[b] 上記安静期間経過後、被験者の心拍を心電計にて測定するとともに、超音波発射部の長手方向が被験者の上腕動脈の中心線(以下、適宜、「長軸」と称する。)を含む面に一致するように、所定周波数(例えば、7.5−15MHz)の超音波リニアプローブをセットし、血管の拡張末期を心拍のR波に同期させて、エコー画像を複数の拍動期について取得する。このように心拍R波と同期させることで、拍動による血管径の変動の影響を受けないエコー画像を得ることができる。
[c] このエコー画像から安静時の上腕動脈径を計測し、複数の拍動期分の平均値を求める。
[d] 次に、前腕部にカフを巻いて、所定以上の圧力(例えば250−300mmHg)で所定時間(例えば5分間)保持し、動脈を阻血させる。
[e] この阻血期間経過後、カフによる圧力を解除し血流を急速に解放する。
[f] この血流の急速解放に伴う充血反応過程で、解放から所定時間(例えば1分間)経過後に、上記ステップ[b]における場合と同様の方法でエコー画像を取得する。カフ圧を解放すると、上腕動脈は充血期の約1分間で徐々に血管径を拡張させ、約45−60秒後に最大値を取るとされているので、カフ圧解放から1分間経過後にエコー画像を取ることで、最大値の血管径を計測することができる。
[g] このエコー画像から充血反応後の血管径(上腕動脈径)を計測し、複数の拍動期分の平均値を求める。
[h] そして、上記ステップ[c]で得られた平均値(安静時の血管径)に対するステップ[g]で得られた平均値(充血反応後の血管径)の増加分および増加割合を算出し、この増加割合を血管径の変化量として百分率(%:パーセント)で表示する。
この値が、所謂、%FMD(Flow-Mediated Dilatation)であり、血流依存性血管拡張反応を示す指標として、血管の内皮機能不全の診断、つまり、動脈硬化の診断等において有効に活用することができる。
上述の血流依存性血管拡張反応(FMD)測定方法は、阻血によって生体に生じた代謝異常を補償するための充血反応が血管の拡張を最大にするであろう事を利用したもので、血管の内皮細胞の機能不全を、比較的簡易かつ短時間で非侵襲的に測定する方法として普及しつつある。
しかも、%FMDは、基本原理としては、血管内皮細胞からの一酸化窒素放出機能の不全を評価するものであり、この一酸化窒素の動態を間接的に観測することとなるので、抗酸化作用などより短期間(例えば、数時間あるいは数日間)での効果を判定することが可能である。従って、その応用範囲が広く、動脈硬化の診断のみならず、例えば、抗酸化サプリメント等や健康食品分野、運動の影響、或いは高脂血症や糖尿病などの薬効判定など、幅広い分野での応用が考えられている。
しかしながら、従来では、%FMDを測定する場合、エコープローブを被験者の上腕動脈の中心線に沿って(つまり、血管の長軸に沿って)且つ皮膚表面に対し垂直に当接させなければならず、15分間の安静期間経過後の測定(前述のステップ[b]参照)と、その後の5分間阻血後の測定(前述のステップ[f]参照)とで、エコープローブの当接部位を一致させることがなかなかに難しいという問題があった。また、カフによる阻血作業やエコー画像からの血管径の測定などについても、より簡便で正確に行えるようにすることが求められていた。
かかる諸問題に対して、例えば特許文献1には、エコープローブをマジックバンドにより被験者の上腕部に固定すること、阻血用カフの吸気および排気にポンプを用いて阻血作業を自動化すること、更には、エコー画像をパーソナルコンピュータに転送し画像処理技術を適用して血管径を測定すること等が提案されている。
また、本願出願人は、特許文献2において、血管の中心線と実質的に直交する面に沿った(つまり、短軸方向の)エコー画像を撮像して血管径を測定すること、被測定者の上腕部表面とエコープローブの超音波発射面との間にウォータバッグを介在させること等を提案した。
特開2003−180690号 特開2005−028123号
ところで、上述の%FMD測定等のために、エコープローブを用いて血管のエコー画像を撮像し血管径の測定を行う場合、被測定者の測定対象部(例えば上腕部など)の特定部位(例えば上腕動脈に対応する部位)にエコープローブを正確に位置決めすることが必須である。
しかしながら、従来では、エコープローブは、動作の自由度が低いアームを備えた保持具を用いて、保持具自体の位置およびアームの長さや角度を調節することで、プローブの位置調整を行っており、正確な位置決め状態を得るのに非常に手間と時間が掛かるという問題があった。
また、上述の%FMD測定の場合、健康状態を効果的にチェックするためには、定期的に測定を行い、各測定データを時系列的に比較して総合的に判断することが求められるが、測定のたびに、その前準備として上述のようなエコープローブの位置決め作業を行う必要がある。従来では、このプローブの位置決め作業が非常に煩わしくて、測定者および被測定者に負担感を及ぼし、また、従前の測定に対して測定状態の再現性を確保することも難しいという、問題もあった。
そこで、この発明は、基台上の測定対象保持具に保持された被測定者の測定対象部の特定部位に所定の測定子を位置決めするに際して、位置決め作業の煩わしさによる被測定者の負担を軽減し、また、従前の測定に対する測定状態の再現性を比較的容易に確保できるようにすることを基本的な目的とする。
尚、本明細書において、「測定子」とは、直接に測定値を得るものだけでなく、例えば、上述の%FMD測定に用いられるエコープローブなどのように、特定の測定値を得るための何らかのデータや画像などを得るものをも含むものである。
このため、本願第1の発明に係る測定子の位置決め機構は、基台上に配設され被測定者の測定対象部を保持する測定対象保持具と、所定の測定子を保持する測定子保持具とを備え、上記測定子を上記測定対象部の特定部位に位置決めする測定子の位置決め機構であって、上記測定子保持具は、上記基台上にロック/アンロック可能に配設されるベース部と、該ベース部上に取り付けられ該ベース部に対して3次元動作可能なアーム部と、該アーム部の先端に設けられ上記測定子を保持する測定子ホルダ部とを備え、上記測定対象保持具には、当該測定対象保持具上での上記測定子の位置を表示する第1座標が設けられている、ことを特徴としたものである。
また、本願第2の発明は、上記第1の発明において、上記基台表面には、当該基台上でのベース部の位置を表示する第2座標が設けられていることを特徴としたものである。
更に、本願第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記測定子は被測定者の所定の血管のエコー画像を撮像するためのエコープローブであり、該エコープローブは、上記測定子保持具に回動可能に保持されたプローブ本体部と、該プローブ本体部の中心軸廻りに往復回動可能に支持された超音波発射部とを有し、該超音波発射部の上記プローブ本体部に対する回動角度を90度毎に規制する回動角度規制手段が設けられている、ことを特徴としたものである。
また更に、本願第4の発明は、上記第1〜第3の発明の何れか一において、上記測定子保持具のアーム部は複数のアーム部材を有し、各アーム部材は、それぞれ関節部を介して、隣り合うアーム部材に対して回動可能で且つロック/アンロック可能に結合されており、少なくとも2個の関節部のロック/アンロック状態が、1つの操作で同時に切り換えられる、ことを特徴としたものである。
また更に、本願第5の発明は、上記第1〜第3の発明の何れか一において、上記アーム部の先端に、上記測定対象部を把持し得る開閉可能な略環状の開閉体が設けられ、該開閉体を閉じ操作することにより、該開閉体によって上記測定対象部が把持され、且つ上記測定子が上記特定部位へ位置決めされる、ことを特徴としたものである。
また、本願第6の発明に係る測定子保持具は、基台上の測定対象保持具に保持された被測定者の測定対象部の特定部位に位置決めされるべき測定子を保持する測定子保持具であって、上記基台上にロック/アンロック可能に配設されるベース部と、該ベース部上に取り付けられ該ベース部に対して3次元動作可能なアーム部と、該アーム部の先端に設けられ上記測定子を保持する測定子ホルダ部とを備え、上記アーム部は複数のアーム部材を有し、各アーム部材は、それぞれ関節部を介して、隣り合うアーム部材に対して回動可能で且つロック/アンロック可能に結合されており、少なくとも2個の関節部のロック/アンロック状態が、1つの操作で同時に切り換えられる、ことを特徴としたものである。
更に、本願第7の発明は、上記第1の発明において、上記測定子は被測定者の所定の血管のエコー画像を撮像するためのエコープローブであり、該エコープローブは、上記測定子保持具に回動可能に保持されたプローブ本体部と、該プローブ本体部の中心軸廻りに往復回動可能に支持された超音波発射部とを有し、該超音波発射部の上記プローブ本体部に対する回動角度を90度毎に規制する回動角度規制手段が設けられている、ことを特徴としたものである。
本願第1の発明に係る測定子の位置決め機構によれば、測定子保持具は、基台上にロック/アンロック可能に配設されるベース部上に取り付けられ該ベース部に対して3次元動作可能なアーム部を備えているので、該アーム部の先端に設けられた測定子ホルダ部で保持された測定子の動作について高い自由度を確保することができる。従って、比較的容易に測定子の正確な位置決め状態を得ることができ、この位置決め作業による測定者および被測定者の負担感を軽減することができる。
また、測定対象保持具上での測定子の位置を表示する第1座標が測定対象保持具に設けられていることにより、測定子の特定部位への位置決め状態を、数値化した位置データ(第1座標の座標データ)として得ることができる。これにより、測定子の位置決め作業の一層の容易化を図り、また、同じ被測定者について例えば定期的に同様の測定を繰り返して行う場合などに、従前の測定に対する測定状態の再現性の確保に資することができる。
また、本願第2の発明によれば、基本的には上記第1の発明と同様の作用効果を奏することができる。特に、上記基台表面に当該基台上での上記ベース部の位置を表示する第2座標を設けたことにより、測定子保持具のベース部の基台上での位置決め状態を、数値化した位置データ(第2座標の座標データ)として得ることができ、測定子の位置決め作業のより一層の容易化を図ることができる。
更に、本願第3の発明によれば、特に、エコープローブを用いて被測定者の所定の血管のエコー画像を撮像する場合において、エコープローブを被測定者の所定の血管に対応する部位に位置決めするに際して、基本的には上記第1又は第2の発明と同様の作用効果を奏することができる。しかも、エコープローブのプローブ本体部に対する超音波発射部の回動角度を90度毎に規制する回動角度規制手段を設けたことにより、同一の血管について、短軸方向のエコー画像の撮像と長軸方向のエコー画像の撮像とを容易に切り換えることができ、利便性が向上するとともに、一般にエコープローブの位置決めが特に難しい血管長軸方向のエコー画像の撮像において、エコープローブの位置決めを比較的容易に行えるようになる。
また更に、本願第4の発明によれば、基本的には上記第1〜第3の発明の何れか一と同様の作用効果を奏することができる。特に、上記測定子保持具のアーム部は複数のアーム部材を有し、各アーム部材はそれぞれ関節部を介して相互に回動可能に結合されていることにより、きめ細かいアーム部の動作が得られ、動作の自由度をより高めることができる。また、各アーム部材が上記関節部でロック/アンロック可能に結合され、少なくとも2個の関節部のロック/アンロック状態が1つの操作で同時に切り換えられることにより、測定子の位置決め操作をより一層容易化することができる。
また更に、本願第5の発明によれば、基本的には上記第1〜第3の発明の何れか一と同様の作用効果を奏することができる。特に、アーム部の先端に測定対象部を把持し得る開閉可能な略環状の開閉体を設け、この開閉体を閉じ操作することで、該開閉体によって測定対象部が把持され、且つ測定子が特定部位へ位置決めされるようにすることにより、測定子の位置決め操作をより簡単なものとすることができる。
また、本願第6の発明に係る測定子保持具によれば、基台上にロック/アンロック可能に配設されるベース部上に取り付けられ該ベース部に対して3次元動作可能なアーム部を備えているので、該アーム部の先端に設けられた測定子ホルダ部で保持された測定子の動作について高い自由度を確保することができる。従って、比較的容易に測定子の正確な位置決め状態を得ることができ、この位置決め作業による測定者および被測定者の負担感を軽減することができる。しかも、アーム部は複数のアーム部材を有し、各アーム部材はそれぞれ関節部を介して相互に回動可能に結合されていることにより、きめ細かいアーム部の動作が得られ、動作の自由度をより高めることができる。また、各アーム部材が上記関節部でロック/アンロック可能に結合され、少なくとも2個の関節部のロック/アンロック状態が1つの操作で同時に切り換えられることにより、測定子の位置決め操作をより一層容易化することができる。
更に、本願第7の発明によれば、特に、エコープローブを用いて被測定者の所定の血管のエコー画像を撮像する場合において、エコープローブを被測定者の所定の血管に対応する部位に位置決めするに際して、基本的には上記第6の発明と同様の作用効果を奏することができる。しかも、エコープローブのプローブ本体部に対する超音波発射部の回動角度を90度毎に規制する回動角度規制手段を設けたことにより、同一の血管について、短軸方向のエコー画像の撮像と長軸方向のエコー画像の撮像とを容易に切り換えることができ、利便性が向上するとともに、一般にエコープローブの位置決めが特に難しい血管長軸方向のエコー画像の撮像において、エコープローブの位置決めを比較的容易に行えるようになる。
以下、本発明の実施形態を、血管のエコー画像の撮像に用いるエコープローブの位置決め及び該プローブの保持具に適用した場合を例に取って、添付図面を参照しながら説明する。尚、かかるエコー画像は、例えば血流依存性血管拡張反応(所謂FMD)による血管の拡張度(%FMD)の測定に用いられるものである。
まず、第1実施形態について説明する。
図1及び図2は、本発明の第1実施形態に係る血管エコー画像撮像装置(以下、適宜、単に「撮像装置」或いは「装置」と略称する)のエコープローブPを保持するプローブ保持具30の使用状態を概略的に示す斜視図である。図1は血管の短軸側の(血管の中心線に垂直な断面の)エコー画像を得る場合を示し、図2は血管の長軸側の(血管の中心線(長軸)に沿った断面の)エコー画像を得る場合を示している。
これらの図に示すように、測定テーブルT上に配置されたベース板10(基台)の上面に、被測定者(不図示)の測定対象部としての上腕部を保持する上腕保持具20が配設され、この上腕保持具20の前方(図1及び図2における左方)には、被測定者の前腕部にカフ圧を加えて阻血し得る阻血部Cが設けられている。
上記上腕保持具20は、断面の周縁が半円状でベース板10に対し所定角度で傾斜した本体部21と、該本体部21に対し本体部21の傾斜方向にスライド可能で上腕の上部を保持するスライダ部22と、本体部21の底部に連接され被測定者の肘を受け合う肘受け部23とを備えている。
尚、より好ましくは、上記上腕保持部20の本体部21及びスライダ部22は共に、鋼等の鉄系金属で製作されており、スライダ部22と本体部21との間には、電磁石の作用でロック及びロック解除を行う公知の電磁式のロック機構が設けられており、スライダ部22は本体部21の傾斜方向に沿った任意の位置でロック/ロック解除できるようになっている。上腕保持部20には、例えば本体部21の側面に、このロック/ロック解除を行うためのスイッチボタン24が設けられている。
また、より好ましくは、上腕保持部20の肘受け部23には、形状追従性を有する低反発樹脂でなる肘当てが設けられている。これにより、個々の被測定者の肘の形状に応じた肘受け部23の形状で肘を保持することができ、より高い肘の拘束性を確保できる。また、肘当てに低反発性の樹脂材料を用いたことにより、長時間にわたって肘を拘束する際の被測定者の負担を、有効に軽減することができる。
プローブ保持具30は、上記ベース板10上にロック/アンロック可能に配設される略円板状の基部31と、該基部31上に取り付けられ基部31に対して3次元動作可能とされたアーム部32と、該アーム部32の先端に設けられ測定子としての上記エコープローブPを回動可能に保持するホルダ部33とを備えている。また、該ホルダ部33には、プローブ保持具30を手動で操作するための操作ハンドル34が一体的に取り付けられている。
尚、具体的には図示しなかったが、上記エコープローブPには画像処理装置が電気的に接続され、この画像処理装置は血管拡張度(%FMD)測定装置の制御演算機構(共に不図示)に接続されている。これらエコープローブP,画像処理装置,血管拡張度測定装置およびその制御演算機構は、何れも公知のもので、例えば特許文献1や特許文献2に開示されたものと同様のものを適用することができる。
上記ベース板10及びプローブ保持具30の基部31は共に、鋼等の鉄系金属で製作されており、基部31とベース板10との間には、電磁石の作用でロック及びロック解除を行う公知の電磁式のロック機構が設けられており、基部31はベース板10上の任意の位置でロック/ロック解除できるようになっている。プローブ保持具30には、例えば基部31の上面に、このロック/ロック解除を行うスイッチボタン39が設けられている。
プローブ保持具30の上記アーム部32は、例えば、基部31上に垂直方向に立設された第1アームA1と、第1関節部J1を介して第1アームA1の上端に連結された第2アームA2と、第2関節部J2を介して上記第2アームA2の先端側に結合された第3アームA3とを備えている。上記ホルダ部33は、第3関節部J3を介して上記第3アームA3の先端側に結合されており、エコープローブPの本体部Pbは、このホルダ部33の先端側に保持されている。
上記第1〜第3関節部J1〜J3は何れも、例えば鋼製の継ぎ手球体部を備えた所謂ボールジョイントとして構成されている。従って、第2アームA2は第1アームA1の上端に位置する第1関節部J1を中心にして、第3アームA3は第2アームA2の先端に位置する第2関節部J2を中心にして、また、ホルダ部33は第3アームA3の先端に位置する第3関節部J3を中心にして、それぞれ3次元の回動動作を行うことができる。
本実施形態では、アーム部32に設けた3つの関節部J1〜J3のうち、第2アームA2の両端部に位置する2つの関節部J1及びJ2が電磁ロック式とされている。
図3〜図5は上記第2アームA2の説明図で、図3及び図4は、それぞれ第2アームA2の全体斜視図および正面説明図、また、図5は、図4のY5−Y5線に沿った断面説明図である。
これらの図に示すように、第2アームA2は、中空円筒状の本体部Aaと、その一端に位置する基端部Abと、他端に位置する継ぎ手ボール部B2とを備えている。これらの部分は、鋼等の鉄系金属製で、より好ましくは一体に形成されている。上記本体部Aaの内部には、棒状の鉄心Arを有する電磁コイルAcが組み付けられている。上記鉄心Arは、その一端が継ぎ手ボール部B2の内側に固定される一方、他端側は基端部Abの内側に固定されている。尚、本体部Aaの一部には、上記電磁コイルAcを内部に組み込む際に開かれるカバー部Adが設けられている。また、本体部Aaの側部には、上記スイッチボタン39の押下操作により上記電磁コイルAcへの給電を行う給電コード38が繋ぎ込まれている。
上記基端部Abには凹部Ahが形成されており、この凹部Ahに第1アームA1の継ぎ手ボール部B1が3次元回動自在に嵌合される。一方、第2アームA2の継ぎ手ボール部B2は、第3アームA3の基端部(不図示)の凹部に3次元回動自在に嵌合される。
そして、スイッチボタン39のON操作により上記電磁コイルAcが給電されることにより、基端部Ab及び継ぎ手ボール部B2を含む第2アームA2全体が磁化され、第1関節部J1及び第2関節部J2が同時に任意の回動位置でロックされる。
そして、スイッチボタン39のOFF操作により上記電磁コイルAcへの給電が停止されることにより、基端部Ab及び継ぎ手ボール部B2を含む第2アームA2全体の磁化が解除され、第1関節部J1及び第2関節部J2が同時にロック解除されるようになっている。つまり、第1関節部J1と第2関節部J2のロック/アンロック状態、更には、これに加えて基部31のロック/アンロック状態は、1つのスイッチ操作で同時に切り換えられるようになっている。
尚、第1関節部J1と第2関節部J2のロック/アンロック状態を切り換えるスイッチを、基部31のロック/アンロック状態を切り換えるスイッチボタン39とは別途に設けるようにしても良い。また、このような第1関節部J1と第2関節部J2のロック機構としては、図3〜図5に例示されたものに限らず、種々の公知のものが適用可能である。
一方、上記第3関節部J3は、第3アームA3の継ぎ手ボールをホルダ部33の基端部の凹部(不図示)に3次元回動自在に嵌合することによって構成されている。この第3関節部J3は、第2アームA2の両端の関節部J1及びJ2のように電磁ロック式ではなく、基部31並びに上記第1関節部J1及び第2関節部J2を同時に電磁ロックした後においても、マニュアルでの微調整ができるように、第3アームA3の継ぎ手ボールとホルダ部33の基端部の凹部(不図示)との嵌合隙間がかなり小さく設定されており、任意の回動位置への円滑な3次元回動動作は許容するものの、微調整後に操作者が手を離しても、容易に回動角度が変動することがないように(いわばロック状態を保つように)なっている。
また、エコープローブPの本体部Pbは、ホルダ部33の先端側に設けられた貫通孔(不図示)を挿通して保持され、その軸線Lpを中心にして回動動作を行うことができる。
エコープローブPの本体部Pbがこのように自在に回動できるので、その先端に設けられた略直方体状の超音波発射部Paを、その長手方向が血管の中心線(長軸)に直交する面に一致するようにセットして血管の短軸側で撮像したり(図1参照)、或いはエコープローブPを90度旋回させて血管の長軸側のエコー画像を得ることも容易に行える(図2参照)。
尚、エコープローブPの本体部Pbをホルダ部33に保持させる場合、ホルダ部33の先端側に設ける貫通孔(不図示)の内径寸法と上記本体部Pbの外径寸法とを、所定の締め代をもって締まり嵌めとなるように設定しておくことで、操作者等のマニュアル操作により、任意の回動位置への円滑な回動動作は許容するものの、超音波発射部Paのセット位置を微調整後に操作者が手を離しても、容易に回動角度が変動することがないようになっている。
以上のように、上記プローブ保持具30は、ベース板10上にロック/アンロック可能に配設される基部31に対して3次元動作可能なアーム部32を備えているので、該アーム部32の先端に設けられたホルダ部33で保持されたエコープローブPの動作について高い自由度を確保することができる。従って、上腕の血管(例えば上腕動脈)に対するエコープローブPの正確な位置決め状態を比較的容易に得ることができ、この位置決め作業による測定者および被測定者の負担感を軽減することができるのである。
特に、上記プローブ保持具30のアーム部32は複数のアーム部材(第1アームA1,第2アームA2及び第3アームA3)を有し、第2アームA2は第1関節部J1を介し第1アームA1に対し3次元回動動作可能に結合され、また、第3アームA3は第2関節部J2を介し第2アームA2に対し回動動作可能に結合されているので、非常にきめ細かいアーム部32の動作が得られ、エコープローブPの動作の自由度をより高めることができる。
また、各アームA1,A2,A3間の関節部J1,J2のロック/アンロック状態は、1つのスイッチ操作で同時に切り換えられるので、エコープローブPの位置決め操作をより一層容易に行うことができる。
しかも、より好ましくは、これらの関節部J1,J2のロック/アンロック状態は、プローブ保持具30の基部31のベース板10に対するロック/アンロック状態の切換操作と同時に、つまり、基部31の上面に設けられたスイッチボタン39によって同時に行われることにより、エコープローブPの位置決め操作を更に一層容易に行うことができる。
尚、被測定者の例えば上腕動脈に対するエコープローブPの(具体的には超音波発射部Paの)位置決めを行う際には、エコープローブPを用いて撮像した血管画像を撮像装置の表示画面(不図示)を見ながら行うことができる。また、測定対象として探し出した血管が動脈であるか静脈であるかを知るには、所謂カラードップラーを用いて血流方向より判断すれば良い。カラードップラーを用いるためには、超音波発射部Paを当該血管に対して若干斜めに当てることが有効である。
位置決めが難しい血管長軸方向での測定を行う場合には、まず、測定対象の血管の短軸方向で超音波発射部Paをセットし、この超音波発射部Paの中心が血管中心と一致するように位置決めした後、血管が画面からずれないように気を付けながら、エコープローブPを直角に回転すれば良い。
本実施形態では、被測定者の測定対象部(上腕部)の特定部位(上腕動脈)に対するエコープローブPの位置決め作業を一層容易化し、また、同一の被測定者について従前の測定に対する測定状態の再現性を比較的容易に確保できるように、上腕保持具30には、例えば本体部31の側面に、当該上腕保持具30上でのエコープローブPの超音波発射部Paの位置を把握するための第1座標M1(目盛り)が設けられている。
上記超音波発射部Paの第1座標M1での座標値を読み取る場合には、当該超音波発射部Paの所定部位(例えば下端部)に対応する目盛りを読むように定めておく。
そして、エコープローブPの超音波発射部Paの上腕動脈への位置決め状態における上記第1座標M1の座標データは、個々の被測定者毎に、例えばパーソナルコンピュータ(不図示)のメモリ部に記憶される。また、個々の被測定者に応じて当該被測定者の前回測定時の第1座標M1の座標データを上記メモリ部から呼び出して用いられるようになっている。
このように、上腕保持具20上でのエコープローブPの(具体的には超音波発射部Paの)位置を表示する第1座標M1を上腕保持具20に設けたことにより、超音波発射部Paの上腕動脈への位置決め状態を数値化した位置データとして得ることができる。これにより、エコープローブPの超音波発射部Paの位置決め作業がより一層容易化でき、また、同じ被測定者について例えば定期的に同様の測定を繰り返して行う場合などには、従前の測定に対する測定状態の再現性の確保に役立たせることが可能になる。
すなわち、超音波発射部Paの上腕動脈への位置決め状態における第1座標M1の座標データ、つまり、上腕保持具20上での超音波発射部Paの位置データを、個々の被測定者毎に、上記パーソナルコンピュータのメモリ部(不図示)に記憶しておき、この位置データを個々の被測定者に応じて呼び出すことができることにより、体格等の身体的特徴が互いに異なる複数の被測定者について、例えば定期的に同様の測定を繰り返して行う場合に、被測定者に応じて固有の超音波発射部Paの位置データを呼び出して、当該超音波発射部Paの位置決めを行うことができる。従って、位置決め作業を一層容易化でき、また、従前の測定に対する測定状態の再現性を比較的容易に確保できるのである。
尚、上記第1座標M1の座標データの記憶あるいは記録には、必ずしもパーソナルコンピュータ(不図示)やメモリ部を用いる必要はなく、例えば、ノートやメモ用紙に書き留めておいて、必要時にそれらを参照することで、同様の目的は達せられるものである。
上述の実施形態では、エコープローブPは、その本体部Pbがホルダ部33に設けられた貫通孔(不図示)を挿通して保持され、軸線Lpを中心にして回動動作を行うように構成されていたが、超音波発射部Paのみを90度だけ回動できるように構成すればより便利である。
図6〜図8は変形例に係るエコープローブPの説明図で、図6,図7及び図8は、それぞれ変形例のエコープローブPの全体斜視図,正面説明図および平面説明図である。
これらの図に示すように、本変形例のエコープローブPでは、プローブ本体部Pbは中空の円筒スリーブ状に形成され、その内部に超音波発射部Paと一体の回動軸15が、プローブ本体部Pbの中心軸と同軸に回動自在に挿通されている。この回動軸15の端末側は、プローブ本体部Pbから脱落しないように止め輪18により係止されている。
尚、上記プローブ本体部Pbは、プローブ保持具30のホルダ部33に設けられた貫通孔(不図示)を挿通して保持され、軸線Lpを中心にして回動動作を行う。
プローブ本体部Pbの超音波発射部Paとの境界部の近傍には、所定幅の溝部17が形成され、一方、超音波発射部Paの上部には、上記溝部17と係合する係合突起部16が一体的に設けられている。
上記溝部17は、プローブ本体部Pbの外周に沿って90度と、上記係合突起部16の幅に相当する角度とを合わせた角度の範囲にわたって設けられており、超音波発射部Paをプローブ本体部Pbの中心軸廻りに回動させる際には、上記係合突起部16が溝部17の端部壁に当て止められることにより、それ以上の回動が規制される。
超音波発射部Paと一体の回動軸15を円筒スリーブ状のプローブ本体部Pbに保持させる場合、プローブ本体部Pbの内径寸法と上記回動軸15の外径寸法とを、所定の締め代をもって締まり嵌めとなるように設定しておくことで、操作者等のマニュアル操作により、超音波発射部Paの円滑な回動動作は許容するものの、上記係合突起部16が溝部17の端部壁に当て止められるまで超音波発射部Paを回動させてセットした後に、操作者が手を離しても、超音波発射部Paの角度位置が不用意に変動することがないようになっている。或いは、溝部17の端部壁の近傍において、係合突起部16の幅に対応する比較的浅い凹部若しくは段差部を溝部17の表面に設けておき、係合突起部16が当該溝部17の端部壁に当て止められた際には、係合突起部16が上記凹部若しくは段差部内に嵌り込んでロックされることにより、超音波発射部Paが、90度回動位置で、その角度位置が不用意に変動することがないようにロックされるように構成することもできる。
プローブ本体部Pbの外周部には、溝部17の端部壁に対応する箇所に第1,第2目盛りMb1,Mb2が付されており、一方、超音波発射部Paの係合突起部16には目盛りMaが付されている。この係合突起部16の目盛りMaは、係合突起部16が溝部17の一方の端部壁に当接している際には第1目盛りMb1と合致し、係合突起部16が溝部17の他方の端部壁に当接している際には第2目盛りMb2と合致するように設定されている。
従って、各図に示されるように、係合突起部16の目盛りMaがプローブ本体部Pbの第1目盛りMb1と合致した状態から、第2目盛りMb2と合致する状態まで超音波発射部Paを回動させることで、当該超音波発射部Paはプローブ本体部に対して90度だけ回動し、それ以上の回動が規制されることになる。超音波発射部Paを逆方向に回動させる場合も同様である。
すなわち、プローブ本体部Pbの外周部に設けた上記溝部17と、超音波発射部Paの上部に設けた係合突起部16とで、超音波発射部Paのプローブ本体部Pbに対する回動角度を90度毎に規制する回動角度規制手段が構成されている。
このような回動角度規制手段を設けたことにより、同一の血管について、短軸方向のエコー画像の撮像と長軸方向のエコー画像の撮像とを容易に切り換えることができ、利便性が向上する。特に、血管長軸方向のエコー画像を撮像する際には、一般にエコープローブPの(具体的には超音波発射部Paの)位置決めが特に難しいのであるが、この場合についても、まず、比較的位置決めが容易とされる血管短軸方向に超音波発射部Paを位置決めしておき、その位置決め状態から、上述の要領で超音波発射部Paを90度回動させることにより、血管長軸方向のエコー画像の撮像においても、超音波発射部Paの位置決めを比較的容易に行えるようになる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。尚、以下の説明おいて、上記第1実施形態における場合と同様の構成を備え同様の作用をなすものについては、同一の符号を付しそれ以上の説明は省略する。
図9及び図10は、第2実施形態に係る血管エコー画像撮像装置のエコープローブPを保持するプローブ保持具30の使用状態を概略的に示す斜視図である。図9は被測定者の手首の血管(例えばとう骨動脈)のエコー画像を得る場合を示し、図10は上腕部の血管(例えば上腕動脈)のエコー画像を得る場合を示している。
これらの図に示すように、本実施形態では、上腕保持具20は、ベース板40に形成され腕3の伸長方向に伸びるガイド溝41(第1ガイド溝)に沿ってスライド移動可能に設けられ、測定者の体格(例えば大中小)等に合わせて、その前後スライド位置を例えば3段階程度に調節(予備調節)できるようになっている。
また、阻血部Cの前方には、被測定者の手首7を保持する手首保持部50が配置されている。また、この手首保持部50の前側には、被測定者の手指8で(手のひら及び指で)把持されるグリップ部60が配置されている。本実施形態では、好ましくは、このグリップ部60は手首保持部50と一体的に設けられている。
上記手首保持部50は、上面側に手首受け部52が形成された基台部51を有し、この基台部51は、ベース板40に設けられた長手方向のガイド溝42(第2ガイド溝)に沿って、ベース板40の長手方向に移動できるようになっている。つまり、手首保持部50は、上腕保持部20に対して前後方向へ相対移動可能である。
上記手首保持部50の基台部51も鋼等の鉄系金属で製作されており、基台部51と第2ガイド溝42の間には、電磁石の作用でロック及びロック解除を行う公知の電磁式のロック機構が設けられ、上記基台部51は第2ガイド溝42に沿った任意の位置でロック/ロック解除できるように構成されている。上記基台部51には、例えば上面に、このロック/ロック解除を行うためのスイッチボタン54が設けられている。
このように、上腕保持具20を第1ガイド溝41に沿ってスライド移動可能とし、測定者の体格等に合わせて、その前後スライド位置を予備調節できるようにし、且つ、手首保持部50を上腕保持具20に対して前後方向へ相対移動可能としたことにより、個々の被測定者の体格等に応じて手首保持部50と上腕保持具20との位置関係を微細に調整でき、個々の被測定者にとってより自然な姿勢で腕3を保持することができる。この結果、長時間その姿勢を保持する場合の被測定者の負担をより軽減できるのである。
上記グリップ部60は、例えば1本の棒材を折曲成形して得られたもので、手首保持部50の基台部51を前後方向に挿通して回動可能に支持された枢支軸部61と、被測定者が手指8で把持する(握る)握り棒62とを備えている。この握り棒62は、前後方向と直交する(つまり、枢支軸部61と直交する)方向に延びており、枢支軸部61を中心にして前後方向と直交する面内で回動することができる。
以上のように、グリップ部60を手首保持部50と一体的に設けたことにより、構成を堅固で簡素なものとすることができる。また、グリップ部60の握り棒62を前後方向と直交する面内で回動可能に設けたことにより、個々の被測定者の好みや身体的特徴に応じて握り棒62を回動させて把持することができ、長時間にわたる場合の被測定者の負担をより軽減できる。また、上腕部4の血管だけでなく、手首7の血管を対象としてエコー画像を撮像する場合にも、握り棒62を回動させて手首7の方向を調節することで、好適に対応することができる。
尚、上記ベース板40の裏面側には、当該ベース板40を載置するテーブルTとの間での滑りを規制する滑り止め手段として、例えばゴム製の滑り止めパッド44が複数配設されている。このような滑り止め手段は、ベース板40の裏面側に、部分的に配置しても良く、或いは全面に貼り付けるようにしても良い。
本実施形態では、前述のように上腕保持具30に(具体的には本体部31の側面に)、当該上腕保持具30上でのエコープローブPの超音波発射部Paの位置を把握するための第1座標M1(目盛り)が設けられているだけでなく、ベース板40の表面に、当該ベース板40上でのプローブ保持具30の基部31の位置を表示する第2座標M2が設けられている。この第2座標M2は互いに直交する多数の目盛M2x,M2yで形成された所謂x−y座標として構成されている。
そして、エコープローブPの超音波発射部Paのとう骨動脈への位置決め状態(図3参照)又は上腕動脈への位置決め状態(図4参照)における上記第2座標M2の座標データ(M2x,M2y)は、第1座標M1の座標データとともに、個々の被測定者毎に、より好ましくは上記パーソナルコンピュータ(不図示)のメモリ部に記憶される。また、個々の被測定者に応じて、当該被測定者の前回測定時の第1座標M1及び第2座標M2の座標データを上記メモリ部から呼び出して用いられるようになっている。
このように、本実施形態では、上腕保持具30に(具体的には本体部31の側面に)、当該上腕保持具30上でのエコープローブPの超音波発射部Paの位置を表示するための第1座標M1を設けるだけでなく、ベース板40の表面に、当該ベース板40上でのプローブ保持具30の基部31の位置を表示する第2座標M2が設けたことにより、超音波発射部Paの上腕動脈への位置決め状態における第1座標M1の座標データ、つまり、上腕保持具20上での超音波発射部Paの位置データに加えて、超音波発射部Paのとう骨動脈または上腕動脈への位置決め状態における第2座標M2の座標データ、つまり、ベース板40上でのプローブ保持具30の基部31の位置データを得ることができる。
換言すれば、超音波発射部Paの上腕動脈への位置決め状態だけでなく、ベース板40上でのプローブ保持具30の基部31の位置決め状態についても、これを数値化した位置データとして得ることができる。これにより、エコープローブPの超音波発射部Paの位置決め作業がより一層容易化でき、また、同じ被測定者について例えば定期的に同様の測定を繰り返して行う場合などには、従前の測定に対する測定状態の再現性の確保に役立たせることが可能になる。
そして、上記の各位置データを、個々の被測定者毎に、上記パーソナルコンピュータのメモリ部に記憶しておき、これらの位置データを個々の被測定者に応じて呼び出すことができる。
これにより、体格等の身体的特徴が互いに異なる複数の被測定者について、例えば定期的に同様の測定を繰り返して行う場合に、被測定者に応じて固有の超音波発射部Pa及びプローブ保持具30の位置データを呼び出して、当該超音波発射部Paの位置決めを行うことができる。従って、位置決め作業をより一層容易化でき、また、従前の測定に対する測定状態の再現性を一層容易に確保できるのである。
尚、このような第2座標M2は、第1実施形態においても設けることができるものである。
また、上記第1座標M1及び第2座標M2の各座標データを記憶あるいは記録するに際して、パーソナルコンピュータ(不図示)やメモリ部に代えて、例えばノートやメモ用紙に書き留めておき、必要時にそれらを参照するようにしても良いことは、第1実施形態における場合と同様である。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。尚、以下の説明おいて、上記第1又は第2実施形態における場合と同様の構成を備え同様の作用をなすものについては、同一の符号を付しそれ以上の説明は省略する。
図11は、本発明の第3実施形態に係る血管エコー画像撮像装置のプローブ保持具の使用状態の一例を概略的に示す斜視図である。また、図12は、上記第3実施形態に係るプローブ保持具の使用状態を概略的に示す平面説明図である。
これらの図に示すように、本実施形態のプローブ保持具70では、基部31に立設された支柱72の先端に、継ぎ手ボール73を介してアーム74が3次元動作可能に結合されている。このアーム74の先端には、測定対象部としての上腕部4を把持し得る開閉可能な略環状の開閉体75が取り付けられている。尚、この実施形態には、好ましくは、エコープローブPの本体部Pbがアーム74として作用している。
この開閉体75は、エコープローブPの超音波発射部Paが装着された第1カバー76と、該第1カバー76に対して開閉する第2カバー77とで構成されている。そして、第2カバー77を第1カバー76に対して開いた状態で被測定者の上腕部4を取り囲み、次いで、第2カバー77を第1カバー76に対して閉じることにより、上腕部4が開閉体75で把持され、同時にエコープローブPの超音波発射部Paが上腕部4の上腕動脈に対応する部位に位置決めされるようになっている。
本実施形態においても、上述の第1及び第2実施形態おける場合と同様に、上腕保持具30に(具体的には本体部31の側面に)第1座標M1を設け、また、ベース板40の表面に第2座標M2を設けたことによる、位置決め作業を行う上での利点を得ることができる。
しかも、アーム74の先端に測定対象部たる上腕部4を把持し得る開閉可能な略環状の開閉体75を設け、この開閉体75を閉じ操作することで、該開閉体75によって上腕部4が把持され、且つエコープローブPの超音波発射部Paが上腕動脈へ位置決めされるので、超音波発射部Paの位置決め操作をより簡単なものとすることができる。
以上の実施形態では、上腕保持具20やプローブ保持具30,70などで用いられるロック機構に、所謂、電磁式のロック機構が採用されていたが、かかる例に限定されるものではなく、他の種々の公知のロック機構を用いることもできる。
また、以上の実施態様は、%FMDを測定する場合を例としたものであったが、本発明に係る装置は、かかる場合に限定されるものではなく、その他の目的で血管のエコー画像を撮像する種々の場合、更には、血管エコー画像の撮像に限らず、他の種類の測定子を用いて被測定者の測定対象部について何らかの測定を行う場合についても、有効に適用することができるものである。
このように、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更や改良を加え得るものであることは言うまでもない。
本発明の測定子の位置決め機構および測定子保持具は、基台上の測定対象保持具に保持された被測定者の測定対象部の特定部位に所定の測定子を位置決めし、また、かかる測定子を保持する保持具であり、例えば、血管の内皮機能や動脈硬化に深く関係すると言われている血流依存性血管拡張反応を示す指標である、所謂%FMD(Flow-Mediated Dilatation)の測定において、血管のエコー画像に基づいて血管の直径を測定する際などにおいて、有効に利用することができる。
本発明の第1実施形態に係る血管エコー画像撮像装置のプローブ保持具の使用状態の一例を概略的に示す斜視図である。 上記第1実施形態に係るプローブ保持具の使用状態の他の例を概略的に示す斜視図である。 上記プローブ保持具の第2アームの全体斜視図である。 上記第2アームの正面説明図である。 図4のY5−Y5線に沿った断面説明図である。 上記第1実施形態の変形例に係るエコープローブの全体斜視図である。 上記変形例に係るエコープローブの正面説明図である。 上記変形例に係るエコープローブの平面説明図である。 本発明の第2実施形態に係る血管エコー画像撮像装置のプローブ保持具の使用状態の一例を概略的に示す斜視図である。 上記第2実施形態に係るプローブ保持具の使用状態の他の例を概略的に示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る血管エコー画像撮像装置のプローブ保持具の使用状態の一例を概略的に示す斜視図である。 上記第3実施形態に係るプローブ保持具の使用状態を概略的に示す平面説明図である。
符号の説明
4…上腕
7…手首
10,40…ベース板
20…上腕保持具
50…手首保持具
30,70…プローブ保持具
31…基部
32,74…アーム部
33…ホルダ部
35,73…継ぎ手ボール
36…枢支軸
A1…第1アーム
A2…第2アーム
A3…第3アーム
J1…第1関節部
J2…第2関節部
J3…第3関節部
M1…第1座標
M2…第2座標
P…エコープローブ
Pa…超音波発射部
Pb…エコープローブ本体部

Claims (7)

  1. 基台上に配設され被測定者の測定対象部を保持する測定対象保持具と、所定の測定子を保持する測定子保持具とを備え、上記測定子を上記測定対象部の特定部位に位置決めする測定子の位置決め機構であって、
    上記測定子保持具は、上記基台上にロック/アンロック可能に配設されるベース部と、該ベース部上に取り付けられ該ベース部に対して3次元動作可能なアーム部と、該アーム部の先端に設けられ上記測定子を保持する測定子ホルダ部とを備え、
    上記測定対象保持具には、当該測定対象保持具上での上記測定子の位置を表示する第1座標が設けられている、
    ことを特徴とする測定子の位置決め機構。
  2. 上記基台表面には、当該基台上での上記ベース部の位置を表示する第2座標が設けられていることを特徴とする請求項1記載の測定子の位置決め機構。
  3. 上記測定子は被測定者の所定の血管のエコー画像を撮像するためのエコープローブであり、
    該エコープローブは、上記測定子保持具に回動可能に保持されたプローブ本体部と、該プローブ本体部の中心軸廻りに往復回動可能に支持された超音波発射部とを有し、
    該超音波発射部の上記プローブ本体部に対する回動角度を90度毎に規制する回動角度規制手段が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の測定子の位置決め機構。
  4. 上記測定子保持具のアーム部は複数のアーム部材を有し、
    各アーム部材は、それぞれ関節部を介して、隣り合うアーム部材に対して回動可能で且つロック/アンロック可能に結合されており、
    少なくとも2個の関節部のロック/アンロック状態が、1つの操作で同時に切り換えられる、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一に記載の測定子の位置決め機構。
  5. 上記アーム部の先端に、上記測定対象部を把持し得る開閉可能な略環状の開閉体が設けられ、
    該開閉体を閉じ操作することにより、該開閉体によって上記測定対象部が把持され、且つ上記測定子が上記特定部位へ位置決めされる、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一に記載の測定子の位置決め機構。
  6. 基台上の測定対象保持具に保持された被測定者の測定対象部の特定部位に位置決めされるべき測定子を保持する測定子保持具であって、
    上記基台上にロック/アンロック可能に配設されるベース部と、該ベース部上に取り付けられ該ベース部に対して3次元動作可能なアーム部と、該アーム部の先端に設けられ上記測定子を保持する測定子ホルダ部とを備え、
    上記アーム部は複数のアーム部材を有し、
    各アーム部材は、それぞれ関節部を介して、隣り合うアーム部材に対して回動可能で且つロック/アンロック可能に結合されており、
    少なくとも2個の関節部のロック/アンロック状態が、1つの操作で同時に切り換えられる、
    ことを特徴とする測定子保持具。
  7. 上記測定子は被測定者の所定の血管のエコー画像を撮像するためのエコープローブであり、
    該エコープローブは、上記測定子保持具に回動可能に保持されたプローブ本体部と、該プローブ本体部の中心軸廻りに往復回動可能に支持された超音波発射部とを有し、
    該超音波発射部の上記プローブ本体部に対する回動角度を90度毎に規制する回動角度規制手段が設けられている、
    ことを特徴とする請求項6記載の測定子保持具。
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JP2009219716A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Yunekusu:Kk 生体血管状態測定装置
JP2017209454A (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 株式会社ユネクス 上腕動脈用血管内皮機能測定装置

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