JP2006283993A - 廃棄物の前処理方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 供給された廃棄物Wの重量及び体積と含水率を計測し、前記重量及び体積に基づいて廃棄物Wのかさ比重を算出し、かさ比重が0.2未満の廃棄物Wはそのまま廃棄物焼却設備へ搬送し、又、かさ比重が0.2以上で且つ含水率が30%以上の廃棄物Wはこれに含まれている金属類Mを選別回収してからバイオガス設備へ搬送し、更に、かさ比重が0.2以上で且つ含水率が30%未満の廃棄物Wは破砕処理してから軽量物W2′と重量物W2″に分別処理し、その後軽量物W2′はそのまま廃棄物焼却設備へ搬送すると共に、重量物W2″はこれに含まれている金属類Mを選別回収してからバイオガス設備へ搬送する。
【選択図】 図1
Description
例えば、熱分解ガス化溶融設備に於いては、廃棄物の前処理として破砕、乾燥、金属類の除去等を行い、その後廃棄物をガス化炉へ投入して廃棄物の安定供給を行うようにしている(特許文献1参照)。
又、焼却設備に於いては、焼却炉内に一定重量のごみを一定間隔で供給したり、或いはごみ質に応じて一定重量のごみを焼却炉内に供給したりしてごみを安定燃焼させるようにしている(特許文献2及び特許文献3参照)。
更に、バイオガス設備に於いては、生ごみ等の固形有機性廃棄物に混入しているプラスチック類や金属類等のメタン発酵不適物及び堆肥不適物をスクリーンで除去してから固形有機性廃棄物をメタン発酵槽へ投入するようにしている(参考文献4参照)。
そして、固形燃料製造設備に於いては、ごみの破砕及び乾燥、ごみに含まれている金属類等の異物の除去を行った後、ごみを成形機へ投入するようにしている(特許文献5及び特許文献6参照)。
その結果、本発明の廃棄物の前処理方法は、廃棄物焼却設備とバイオガス設備を併設した廃棄物処理施設に用いた場合、前記廃棄物処理施設に搬入された雑多な廃棄物を、廃棄物焼却設備で焼却処理すべき廃棄物とバイオガス設備で処理すべき廃棄物とに効率的に分離することができ、複数の設備に対応できる前処理となり、廃棄物の処理効率の向上を図れる。又、廃棄物焼却設備に水分を多く含む厨芥類を投入すると云うことが殆んどなく、焼却炉の燃焼が安定すると共に、高温の燃焼を保持することができ、ダイオキシン類や一酸化炭素等の排出を大幅に抑制することができる。然も、バイオガス設備へも紙類や金属類の投入を大幅に抑制することができ、安定したガス化と発電を行える。
更に、本発明の廃棄物の前処理方法は、廃棄物を一定の形に圧縮成形してから廃棄物の重量及び体積と含水率を計測し、前記重量及び体積に基づいて廃棄物のかさ比重を算出するようにしているため、供給された廃棄物のかさ比重をより正確に算出することができ、雑多な廃棄物を、廃棄物焼却設備で焼却処理すべき廃棄物とバイオガス設備で処理すべき廃棄物とにより効率的に分離することができる。
又、本発明の廃棄物の前処理装置は、比重計測器が、廃棄物を受け取るベルトコンベヤと、ベルトコンベヤ上の廃棄物の重量を計測する計量器と、ベルトコンベヤ上の廃棄物との距離を計測する非接触式距離計と、ベルトコンベヤ上の廃棄物の含水率を計測する非接触式水分計とを備えているため、ベルトコンベヤ上の廃棄物のかさ比重と含水率を測定することができ、これによって廃棄物の内容物を推定することができる。然も、非接触式距離計及び非接触式水分計を使用しているため、メンテナンスにも手数が掛からない。
更に、又、本発明の廃棄物の前処理装置は、比重計測器の上流側位置に廃棄物を一定の形に圧縮成形する圧縮装置を配設しているため、供給された廃棄物のかさ比重をより正確に算出することができる。
図1は本発明の方法を実施する廃棄物Wの前処理装置1の概略系統図を示し、当該廃棄物Wの前処理装置1は、一般廃棄物や産業廃棄物等の廃棄物Wを焼却処理する廃棄物焼却設備と厨芥類や古紙等の有機性廃棄物を発酵させてメタンガスを発生させるバイオガス設備とを併設した廃棄物処理施設に設置されており、廃棄物処理施設に搬入された一般廃棄物や産業廃棄物等の雑多な廃棄物Wを、廃棄物焼却設備で焼却処理すべき廃棄物W3,W2′とバイオガス設備で処理すべき廃棄物W1,W2″とに効率的に分離できるようにしたものである。
又、バイオガス設備も、従来公知のものと同様構造に構成されており、厨芥類等の有機性廃棄物を嫌気性発酵させてメタンガスを発生させるメタン発酵槽3、メタン発酵槽3から排出された発酵汚泥を脱水処理する脱水装置(図示省略)、脱水ケーキの堆肥化装置(図示省略)、脱水ろ液の処理装置(図示省略)等を備えている。
而して、この比重計測器4によれば、ベルトコンベヤ11のベルト11cの幅、ベルト11c上面と非接触式距離計13との距離、ベルトコンベヤ11の搬送速度が一定の値であるため、非接触式距離計13によりベルトコンベヤ11上の廃棄物Wとの距離を検出することによって、ベルトコンベヤ11上の廃棄物Wの体積を算出することができる。又、計量器12により廃棄物Wの重量を計測しているため、計測した廃棄物Wの重量を算出した廃棄物Wの体積で除算することによって、廃棄物Wのかさ比重を求めることができる。更に、この比重測定器4は、廃棄物Wのかさ比重の他に非接触式水分計14によりベルトコンベヤ11上の廃棄物Wの含水率を計測しているため、ベルトコンベヤ11上の廃棄物Wの内容物を推定することができる。
この金属選別機5には、ドラム型選別機の他にベルトと永久磁石を組み合わせたベルト型磁選機を使用しても良く、或いはドラム型磁選機又はベルト型磁選機とアルミニウム等の非鉄金属類を選別回収する渦電流選別機(図示省略)とを組み合わせて使用するようにしても良い。
この破砕機6には、二軸式破砕機の他に一軸式破砕機や回転式破砕機を使用しても良い。又、破砕機6と風力選別機7を別体としても良い。
この風力選別機7には、回転式風力選別機の他に振動式風力選別機を使用しても良い。
一般家庭等から収集された廃棄物Wは、先ず廃棄物処理施設内の廃棄物ピット8に貯留される。このとき、廃棄物Wは、厨芥類や紙類、プラスチック類、金属類等が雑多に混ざった状態となっている。
又、かさ比重が0.2以上で且つ含水率が30%以上の廃棄物W1は、重量物としてベルトコンベヤ等の搬送装置(図示省略)により金属選別機5へ搬送され、ここで廃棄物W1中の磁性金属類を選別回収してから、ベルトコンベヤ等の搬送装置(図示省略)によりバイオガス設備のメタン発酵槽3へ搬送されてここで厨芥類等の有機性廃棄物を嫌気性発酵される。
更に、かさ比重が0.2以上で且つ含水率が30%未満の廃棄物W2は、厨芥類、金属類、紙類等が雑多に混入しているものと見なし、比重計測器4のベルトコンベヤ11から破砕機6へ供給されてここで一定の大きさに破砕処理された後、風力選別機7に供給されて廃棄物W2を紙類等の軽量物W2′と金属類等の重量物W2″に分別処理される。風力選別機7から排出された軽量物W2′は、そのままの状態で風力選別用空気を利用した空気輸送やベルトコンベヤ等の搬送装置(図示省略)によりストーカ式焼却炉2へ搬送され、又、風力選別機7から排出された重量物W2″は、ベルトコンベヤ等の搬送装置(図示省略)により金属選別機5へ搬送され、ここで廃棄物W中の磁性金属類を選別回収してから、厨芥類等の有機性廃棄物を多く含む重量物W2″としてベルトコンベヤ等の搬送装置(図示省略)によりメタン発酵槽3へ搬送される。
又、廃棄物焼却設備に水分を多く含む厨芥類を投入すると云うことが殆んどなく、焼却炉の燃焼が安定すると共に、高温の燃焼を保持することができ、ダイオキシン類や一酸化炭素等の排出を大幅に抑制することができる。然も、バイオガス設備へも紙類、金属類の投入を大幅に抑制することができ、安定したガス化と発電を行える。
尚、この廃棄物Wの前処理装置1は、比重計測器4の上流側位置に圧縮装置16を配設したこと以外は図1に示す廃棄物Wの前処理装置1と全く同一構造に構成されており、図1に示す廃棄物Wの前処理装置1と同じ部位・部材には同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
Claims (5)
- 供給された廃棄物の重量及び体積と含水率を計測し、前記重量及び体積に基づいて廃棄物のかさ比重を算出し、かさ比重が0.2未満の廃棄物はそのまま廃棄物焼却設備へ搬送し、又、かさ比重が0.2以上で且つ含水率が30%以上の廃棄物はこれに含まれている金属類を選別回収してからバイオガス設備へ搬送し、更に、かさ比重が0.2以上で且つ含水率が30%未満の廃棄物は破砕処理してから軽量物と重量物に分別処理し、その後軽量物はそのまま廃棄物焼却設備へ搬送すると共に、重量物はこれに含まれている金属類を選別回収してからバイオガス設備へ搬送するようにしたことを特徴とする廃棄物の前処理方法。
- 廃棄物を一定の形に圧縮成形してから廃棄物の重量及び体積と含水率を計測し、前記重量及び体積に基づいて廃棄物のかさ比重を算出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の廃棄物の前処理方法。
- 供給された廃棄物のかさ比重と含水率を計測する比重計測器と、かさ比重が0.2以上で且つ含水率が30%以上の廃棄物から金属類を選別回収する金属選別機と、かさ比重が0.2以上で且つ含水率が30%未満の廃棄物を破砕処理する破砕機と、破砕された廃棄物を軽量物と重量物に分別処理する風力選別機とを備えた廃棄物の前処理装置であって、前記前処理装置は、比重計測器により計測されたかさ比重が0.2%未満の廃棄物と風力選別機から排出された軽量物とを廃棄物焼却設備へ搬送すると共に、金属選別機により金属類を選別回収されたかさ比重が0.2以上で且つ含水率が30%以上の廃棄物と風力選別機から排出されて金属選別機により金属類を選別回収された重量物とをバイオガス設備へ搬送するようにしたことを特徴とする廃棄物の前処理装置。
- 比重計測器は、廃棄物を受け取るベルトコンベヤと、ベルトコンベヤ上に供給された廃棄物の重量を計測する計量器と、ベルトコンベヤ上の廃棄物との距離を計測する非接触式距離計と、ベルトコンベヤ上の廃棄物の含水率を計測する非接触式水分計とを備えていることを特徴とする請求項3に記載の廃棄物の前処理装置。
- 比重計測器の上流側位置に廃棄物を一定の形に圧縮成形する圧縮装置を配設したことを特徴とする請求項3及び請求項4に記載の廃棄物の前処理装置。
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