JP2006283957A - シリンダ型ダンパー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 全体がコンパクトな構成で、取扱いが容易で、設置部分への設置や接続も容易に行え、しかも応答性が充分で、安定したエネルギー吸収能力、復元力が得られるシリンダ型のダンパー装置を得る。
【解決手段】 シリンダ型ダンパー装置1は、一端に接続部11を有するシリンダ10と、他端に接続部21を有するとともに一端が前記シリンダ内に進退自在に挿通されるロッド20と、前記シリンダ内の一端側から前記ロッドの一端側外周部にかけて充填して内封された流動性を有する減衰材としての鉛30とを備える。前記ロッドは鋼鉄材からなり、前記シリンダ内に挿通されて前記鉛中に埋設される一端側部分は山部と谷部とを螺旋状に形成したねじれ棒形状(ツイストバー部23)で形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 シリンダ型ダンパー装置1は、一端に接続部11を有するシリンダ10と、他端に接続部21を有するとともに一端が前記シリンダ内に進退自在に挿通されるロッド20と、前記シリンダ内の一端側から前記ロッドの一端側外周部にかけて充填して内封された流動性を有する減衰材としての鉛30とを備える。前記ロッドは鋼鉄材からなり、前記シリンダ内に挿通されて前記鉛中に埋設される一端側部分は山部と谷部とを螺旋状に形成したねじれ棒形状(ツイストバー部23)で形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、建物や橋等の構造物の揺れを低減するために用いられる鉛ダンパー等のシリンダ型ダンパー装置に関する。
この種のシリンダ型ダンパー装置として知られている鉛ダンパーは、地震や風に対する揺れを低減し、安全性を向上させ、施設の機能を守り、居住性などを改善しようとする建物や構造物に設置される制震装置として用いられるものであり、従来から種々の構造が提案されている。
従来この種の鉛ダンパーとしては、たとえばじゃばら管のなかに減衰材として鉛を充填するとともに、じゃばら管の上下両端部に構造体に固定するための固定板を取り付けた構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような従来構造のものは、建物等の構造物には使用できるが、他の大型構造物、たとえば橋等の構造物には使用することは難しい。
このため、鉛ダンパーを、コンパクトな構成で扱いの容易なシリンダ型とし、設置部分へ容易に確実に接続でき、微少変形から大変形まで安定したエネルギー吸収能力、復元力特性が得られるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上述した特許文献2による従来構造では、複数枚の鉛円板をロッドの長手方向に配設し、外力が作用したときに各鉛円板の面外変形によりエネルギーを吸収しているから、応答性の面で問題であり、また構造も複雑で、コスト高を招くといった不具合があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、全体がコンパクトな構成で、取扱いが容易で、設置部分への設置や接続も容易で、しかも応答性が充分で、安定したエネルギー吸収能力、復元力が得られ、構造も簡単で低コスト化も図れる鉛ダンパー等といったシリンダ型ダンパー装置を得ることを目的とする。
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係るシリンダ型ダンパー装置は、一端に接続部を有するシリンダと、他端に接続部を有するとともに一端が前記シリンダ内に進退自在に挿通されるロッドと、前記シリンダ内の一端側から前記ロッドの一端側外周部にかけて充填して内封された流動性を有する減衰材とを備え、前記ロッドは鋼鉄材からなり、前記シリンダ内に挿通されて前記減衰材中に埋設される一端側部分は、山部と谷部とを螺旋状に形成したねじれ棒形状で形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、外力が作用したときに、減衰材(たとえば鉛等)が、それ自身の塑性流動抵抗力によって、鋼鉄製ロッドのねじれ棒部分でねじれの谷部内を山部に沿って斜め方向に相対的に移動することになり、従来構造のような直交する方向に移動するよりもスムーズに動くことができるから、応答性に優れ、しかも上記の鉛の塑性変形により外力エネルギーを効率よく吸収し、安定したエネルギー吸収能力、復元力を得ることができるのである。
本発明(請求項2記載の発明)に係るシリンダ型ダンパー装置は、上述した請求項1記載のシリンダ型ダンパー装置を技術的に限定したものであり、前記シリンダの他端側には、前記ロッドの他端側部分を進退自在に支持するとともに前記減衰材のシリンダ外への流出を防ぐ支持部が設けられていることを特徴とする。
本発明(請求項3記載の発明)に係るシリンダ型ダンパー装置は、上述した請求項1または請求項2記載のシリンダ型ダンパー装置を技術的に限定したものであり、前記シリンダ内で前記ロッドの一端側には、該ロッドの端部をシリンダ内で進退自在に支持するとともに該シリンダ内での減衰材(たとえば鉛等)の流動を許容するガイド部が設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、ロッドのシリンダ他端からの突出する部分、さらにはロッドのシリンダ内に臨むねじれ棒部分を含めた一端側部分を、シリンダ内で安定して支持することが確実に行え、該ロッドの長手方向に沿った摺動動作を、安定して得ることができるから、ダンパー装置としての性能を発揮させることができるのである。
本発明(請求項4記載の発明)に係るシリンダ型ダンパー装置は、上述した請求項1、請求項2または請求項3記載のシリンダ型ダンパー装置を技術的に限定したものであり、前記減衰材として鉛が用いられていることを特徴とする。
このような構成によれば、建物や構造物に設置される制震装置として用いられるダンパー装置を、鉛ダンパーによって提供することができるのである。
このような構成によれば、建物や構造物に設置される制震装置として用いられるダンパー装置を、鉛ダンパーによって提供することができるのである。
以上説明したように本発明に係るシリンダ型ダンパー装置によれば、シリンダ内でロッドのねじれ棒部分を減衰材(たとえば鉛等)中に臨ませるという簡単な構成であるにもかかわらず、全体がコンパクトな構成で、取扱いが容易で、設置部分への設置や接続も容易であり、しかも応答性が充分で、また安定したエネルギー吸収能力、復元力が得られる等の種々優れた効果を奏する。
図1(a),(b),(c),(d)は本発明に係るシリンダ型ダンパー装置としての鉛ダンパーの一実施の形態を示す。
これらの図において、全体を符号1で示すシリンダ型鉛ダンパーは、一端にクレビスと呼ばれる接続部11を有するシリンダ10と、他端にクレビスと呼ばれる接続部21を有するとともに一端が前記シリンダ10内に進退自在に挿通されるロッド20とを備えている。
これらの図において、全体を符号1で示すシリンダ型鉛ダンパーは、一端にクレビスと呼ばれる接続部11を有するシリンダ10と、他端にクレビスと呼ばれる接続部21を有するとともに一端が前記シリンダ10内に進退自在に挿通されるロッド20とを備えている。
また、接続部21側には、ロッド20の長さを調整するロッド長さ調整部22が設けられている。このロッド長さ調整部22はタンバックなどの軸方向の長さを調整できる部材が用いられている。
そして、前記シリンダ10内には、その一端側から前記ロッド20の一端側外周部にかけて、流動性を有する減衰材である鉛30が充填されている。
そして、前記シリンダ10内には、その一端側から前記ロッド20の一端側外周部にかけて、流動性を有する減衰材である鉛30が充填されている。
前記シリンダ10は、金属製のパイプ体とその一端部を塞ぐように連設された接続部11を有する部材とで構成されている。
前記ロッド20は、鋼鉄材からなり、前記シリンダ10内に挿通される一端側部分は、図1(a),(c)に示すように、山部と谷部とを螺旋状に形成したねじれ棒形状(ツイストバー部23)として形成されている。また、このツイストバー部23の他端側にはロッド部24を介して前記接続部21が一体に連設されている。
前記ロッド20は、鋼鉄材からなり、前記シリンダ10内に挿通される一端側部分は、図1(a),(c)に示すように、山部と谷部とを螺旋状に形成したねじれ棒形状(ツイストバー部23)として形成されている。また、このツイストバー部23の他端側にはロッド部24を介して前記接続部21が一体に連設されている。
前記シリンダ10の他端部には、図1(a),(d)に示すように、前記ロッド20のロッド部24部分を摺動自在に支持するとともに、前記シリンダ10の端部を塞ぐことで鉛30のシリンダ10外への流出を防ぐほぼスリーブ形状の支持部33が設けられている。
前記ロッド20のシリンダ10内の一端部には、該ロッド20の端部25をシリンダ10内で進退自在に支持するとともにシリンダ10内での鉛30の流動を許容するガイド部32が設けられている。すなわち、図1(b)に示すように、ガイド部32は3本の脚部32aを有し、これらの脚部32aでロッド端部25をシリンダ10内で支持するとともに、その間の空隙が鉛30の流動を許容する部分である。
以上の構成によるシリンダ型鉛ダンパー1は、シリンダ10の一端(接続部11)とロッド20の他端(接続部12)との間に外力が作用したときに、鉛30が、鋼鉄製ロッド20のねじれ棒部分(ツイストバー部23)でねじれの谷部内で、それ自身の塑性流動抵抗力によって、山部に沿って斜め方向に相対的に移動することになる。そして、その際に鉛30とツイストバー部23の山部との間で外力のエネルギーを、鉛30の塑性変形によって所要の状態で吸収することができるのである。
このような構造では、従来構造のような直交する方向に移動するよりもスムーズに動くことができるから、応答性の面に優れており、しかも安定したエネルギー吸収能力、復元力を得ることができるのである。
また、このような構成による鉛ダンパー1は、主な構成部品が、シリンダ10、ロッド20、鉛30からなり、ロッド20のガイド部品を含めても、きわめて簡単な構造であるから、構成が簡単でコスト面でも安価である等の利点もある。
以上のようにして得られる鉛ダンパー1のユニットを、建物や橋等の構造物の設置箇所に配置し、接続部11,21を取付ピン等を介して接続部分に連結すれば、該構造物に加わる外力を所要の状態で吸収し、鉛ダンパーとしての効果を発揮させることができるのである。
図2(a)〜(e)は上述した鉛ダンパー1を建物や構造物に設置した例である。
ここで、同図(a)は橋脚3上に設置される橋桁4と橋桁4との間に設置することによりこれらの橋桁4,4間に作用する外力エネルギーを吸収できるようにした例である。
同図(b)は橋脚3,3上に架設された橋桁4において、該橋脚3と橋桁4とを本発明に係る鉛ダンパー1で連結した例である。
ここで、同図(a)は橋脚3上に設置される橋桁4と橋桁4との間に設置することによりこれらの橋桁4,4間に作用する外力エネルギーを吸収できるようにした例である。
同図(b)は橋脚3,3上に架設された橋桁4において、該橋脚3と橋桁4とを本発明に係る鉛ダンパー1で連結した例である。
同図(c)は梁5とブレース6とを本発明による鉛ダンパー1で連結した例であり、同図(d)は梁5と鉄筋コンクリート壁7とを本発明による鉛ダンパー1で連結した例、同図(e)は垂れ壁と腰壁をそれぞれ構成する小架構8と小架構9とを本発明による鉛ダンパー1で連結した例である。
以上の構成において、地震や風などの外力が作用して建物や構造物が振動したときに、本発明に係る鉛ダンパー1を構成するシリンダ10とロッド20とが相対移動し、鉛30とツイストバー部23の山部との組合せでエネルギを吸収する。特に、斜め方向によるねじれでエネルギーを吸収していることから、吸収効率の面で優れており、高い吸収能力が得られ、また復元力も高い。したがって、上述したように本発明の鉛ダンパー1を建物や構造物に設置すれば、所要の状態で外力を吸収し、鉛ダンパーとしての効果を発揮させることができるのである。
図3(a),(b)は本発明に係るシリンダ型ダンパー装置としての鉛ダンパー1の別の実施の形態を示している。
すなわち、前述した図1の実施の形態では、シリンダ10内でロッド20におけるツイストバー部23を支持する部材としてガイド部32を用いた例を説明したが、これに限定されず、ツイストバー部23の外側部分を、シリンダ10の内壁に直接支持させる構造としてもよい。
すなわち、前述した図1の実施の形態では、シリンダ10内でロッド20におけるツイストバー部23を支持する部材としてガイド部32を用いた例を説明したが、これに限定されず、ツイストバー部23の外側部分を、シリンダ10の内壁に直接支持させる構造としてもよい。
これを詳述すると、図3(a),(b)から明らかなように、ツイストバー部23を構成するねじれ棒は、その山部の頂部が、シリンダ10の内周壁に摺動自在に摺接して支持されている。この場合、この山部の頂部には、適宜の面取り加工が施され、ロッド20の動きによってシリンダ10の内周壁との間でかじり等を生じないような形状とされている。なお、このようなツイストバー部23の形状以外の構造は、前述した図1に示す例と同等であるから、ここでの詳細な説明は省略する。
このような構成によれば、ロッド20、特にシリンダ10内で摺動動作するツイストバー部23の支持構造が簡単で、ガイド部等の部品も必要なくなるので、組立作業が簡単になり、また部品点数が削減され、コスト面でも有利である等の利点がある。
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、シリンダ型鉛ダンパー1を構成する各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
たとえばロッド20の可動ストロークや鉛30中に臨むねじれ棒(ツイストバー部23)の長さ等を始めとする各部の寸法などは、適用する構造物の設置箇所や許容外力などに応じて適宜設定されるものである。
たとえばロッド20の可動ストロークや鉛30中に臨むねじれ棒(ツイストバー部23)の長さ等を始めとする各部の寸法などは、適用する構造物の設置箇所や許容外力などに応じて適宜設定されるものである。
また、上述した実施の形態では、流動性を有する減衰材として、鉛30を用いた場合を説明したが、本発明はこれに限らず、種々の材料を用いることは自由である。要は、シリンダ10内に封入することで、それ自身の塑性流動抵抗力によって、ツイストバー部23の山部に沿って斜め方向に相対的に移動し、その際にツイストバー部23の山部との間で外力のエネルギーを所要の状態で吸収することができるような減衰材であればよい。
1…シリンダ型鉛ダンパー(シリンダ型ダンパー装置)
10…シリンダ
11…接続部
20…ロッド
21…接続部
23…ツイストバー部(ねじれ棒形状)
30…鉛
32…ガイド部
33…支持部
10…シリンダ
11…接続部
20…ロッド
21…接続部
23…ツイストバー部(ねじれ棒形状)
30…鉛
32…ガイド部
33…支持部
Claims (4)
- 一端に接続部を有するシリンダと、
他端に接続部を有するとともに一端が前記シリンダ内に進退自在に挿通されるロッドと、
前記シリンダ内の一端側から前記ロッドの一端側外周部にかけて充填して内封された流動性を有する減衰材とを備えてなり、
前記ロッドは鋼鉄材からなり、前記シリンダ内に挿通されて前記減衰材中に埋設される一端側部分は、山部と谷部とを螺旋状に形成したねじれ棒形状で形成されていることを特徴とするシリンダ型ダンパー装置。 - 請求項1記載のシリンダ型ダンパー装置において、
前記シリンダの他端側には、前記ロッドの他端側部分を進退自在に支持するとともに前記減衰材のシリンダ外への流出を防ぐ支持部が設けられていることを特徴とするシリンダ型ダンパー装置。 - 請求項1または請求項2記載のシリンダ型ダンパー装置において、
前記シリンダ内で前記ロッドの一端側には、該ロッドの端部をシリンダ内で進退自在に支持するとともに該シリンダ内での減衰材の流動を許容するガイド部が設けられていることを特徴とするシリンダ型ダンパー装置。 - 請求項1、請求項2または請求項3記載のシリンダ型ダンパー装置において、
前記減衰材として鉛が用いられていることを特徴とするシリンダ型ダンパー装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005132998A JP2006283957A (ja) | 2005-04-01 | 2005-04-01 | シリンダ型ダンパー装置 |
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ID=37406083
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JP (1) | JP2006283957A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012184836A (ja) * | 2011-03-08 | 2012-09-27 | Ttk Corp | シリンダ型ダンパー装置 |
KR101433326B1 (ko) * | 2013-03-29 | 2014-08-22 | 문병윤 | 굴삭기용 어태치먼트 장비의 타격증진장치 |
CN104453003A (zh) * | 2014-10-28 | 2015-03-25 | 沈阳建筑大学 | 螺旋铅挤压阻尼器 |
-
2005
- 2005-04-01 JP JP2005132998A patent/JP2006283957A/ja active Pending
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