JP2006283735A - 内燃機関の再始動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両の乗員が走行挙動に違和感を感じることを防止しつつ燃費を向上させる。
【解決手段】 再始動以後において内燃機関の車速が所定車速#V0に到達せずに低下傾向に変化する場合、再始動後アイドル停止禁止タイマの計数が実行される所定時間Bまたは再始動以後において車速がゼロに到達するまでの車速ゼロ到達時間Dのうちの何れか長い方と、車速がゼロに到達してからの経過時間である所定時間Cとを加算して得た値を再アイドル停止許可遅延時間αとして設定し、再アイドル停止許可遅延時間αの経過後に再度のアイドル停止の実行を許可する。再始動以後に再始動後燃料噴射開始遅延タイマの計数が実行される所定時間Aまたはアイドル停止許可遅延時間αのうちの何れか長い方を燃料噴射開始遅延時間βとして設定し、燃料噴射開始遅延時間βの期間に亘って内燃機関への燃料噴射を開始するタイミングを遅延する。
【選択図】 図4
Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車両の乗員が走行挙動に対して違和感を感じることを防止しつつ燃費を向上させることが可能な内燃機関の再始動制御装置を提供することを目的とする。
これにより、内燃機関の再始動と運転停止とが交互に頻繁に繰り返されてしまうハンチングが発生してしまうことを防止し、車両挙動が不安定となることを防止することができると共に、内燃機関の再始動以後の運転停止の許可判定と、内燃機関への燃料供給とを協調的に制御することができ、燃費を向上させることができる。
さらに、請求項2に記載の本発明の内燃機関の再始動制御装置によれば、内燃機関の再始動と運転停止とが交互に頻繁に繰り返されてしまうハンチングが発生してしまうことを防止し、車両挙動が不安定となることを防止することができる。
さらに、請求項3に記載の本発明の内燃機関の再始動制御装置によれば、内燃機関の再始動以後に内燃機関への燃料供給が禁止される場合であっても、モータにより車両を駆動させることができ、車両の走行挙動に運転者の意志を的確に反映させることができる。
さらに、請求項4に記載の本発明の内燃機関の再始動制御装置によれば、内燃機関の再始動と運転停止とが交互に頻繁に繰り返されてしまうハンチングが発生してしまうことを防止し、車両挙動が不安定となることを防止することができると共に、内燃機関の再始動以後の運転停止の許可判定と、内燃機関への燃料供給開始の許可判定とを協調的に制御することができ、燃費を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の再始動制御装置10は、例えば図1に示すように、内燃機関(ENG)11と、モータ(MOT)12と、トランスミッション(T/M)13とを直列に直結した構造のハイブリッド車両1に搭載されており、このハイブリッド車両1では、例えば内燃機関11およびモータ12の両方の駆動力は、例えばオートマチックトランスミッション(AT)あるいはマニュアルトランスミッション(MT)等のトランスミッション13から左右の駆動輪(前輪あるいは後輪)W,W間で駆動力を配分するディファレンシャル(図示略)を介して車両の駆動輪W,Wに伝達される。
そして、モータ12はハイブリッド車両1の運転状態に応じてハイブリッド車両1および内燃機関11を駆動する駆動力あるいは内燃機関11の駆動力を補助する補助駆動力を発生するようになっている。また、ハイブリッド車両1の減速時に駆動輪W側からモータ12側に駆動力が伝達されると、モータ12は発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。さらに、ハイブリッド車両1の運転状態に応じて、モータ12は内燃機関11の出力によって発電機として駆動され、発電エネルギーを発生するようになっている。
パワードライブユニット14にはモータ12と電力(例えば、モータ12の駆動またはアシスト動作時にモータ12に供給される供給電力や回生動作時にモータ12から出力される回生電力)の授受を行う高圧系のバッテリ(高圧バッテリ)15が接続されている。
そして、パワードライブユニット14は、制御装置16からの制御指令を受けてモータ12の駆動および回生作動を制御する。例えばモータ12の駆動時には、制御装置16から出力されるトルク指令に基づき、高圧バッテリ15から出力される直流電力を3相交流電力に変換してモータ12へ供給する。一方、モータ12の回生動作時には、モータ12から出力される3相交流電力を直流電力に変換して高圧バッテリ15を充電する。
このパワードライブユニット14の電力変換動作は、制御装置16からPWMインバータの各スイッチング素子に入力されるパルス、つまりパルス幅変調(PWM)により各スイッチング素子をオン/オフ駆動させるためのパルスに応じて制御され、このパルスのデューティ、つまりオン/オフの比率のマップ(データ)は予め制御装置16に記憶されている。
制御装置16により電力変換動作が制御されるDC−DCコンバータ19は、例えば双方向のDC−DCコンバータであって、高圧バッテリ15の端子電圧(蓄電電圧VB)あるいはモータ12を回生作動または昇圧駆動した際のパワードライブユニット14の端子電圧を所定の電圧値まで降圧して12Vバッテリ18を充電すると共に、高圧バッテリ15の残容量(SOC:State Of Charge)が低下している場合には、12Vバッテリ18の端子電圧を昇圧して高圧バッテリ15を充電可能である。
このため、制御装置16には、例えばパワープラント(つまり内燃機関11およびモータ12)の状態を検出する各種のセンサ(例えば、内燃機関11の回転数を検出する回転数センサや、モータ12のロータの磁極位置(位相角)を検出する回転角センサ等)から出力される信号およびハイブリッド車両1の状態を検出する各種のセンサ、例えば速度を検出する車速センサ20から出力される信号等に加えて、高圧バッテリ15の蓄電電圧VBを検出するバッテリ電圧センサ21から出力される信号と、高圧バッテリ15の充電電流および放電電流を検出するバッテリ電流センサ22から出力される信号と、高圧バッテリ15の温度(バッテリ温度)TBを検出するバッテリ温度センサ23から出力される信号と、パワードライブユニット14の温度(PDU温度)TPを検出するPDU温度センサ24から出力される信号と、DC−DCコンバータ19の温度(DC−DCコンバータ温度)TDを検出するDC−DCコンバータ温度センサ25から出力される信号とが入力されている。
また、制御装置16は、例えば電流積算法等により高圧バッテリ15の残容量を算出する。この電流積算法では、制御装置16は、電圧センサ21により検出される高圧バッテリ15の充電電流および放電電流を所定期間毎に積算して積算充電量および積算放電量を算出し、これらの積算充電量および積算放電量を初期状態あるいは充放電開始直前の残容量に加算または減算することで残容量を算出する。このとき、制御装置16は、例えばバッテリ温度TBによって変化する内部抵抗等に対する所定の補正処理や高圧バッテリ15の蓄電電圧VBに応じた所定の補正処理を行う。
この協調制御では、先ず、ステップS01からステップS08でのアイドル停止許可判定の処理を実行し、次に、ステップS11からステップS17での燃料噴射許可判定の処理を実行する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進み、このステップS02においては、再度のアイドル停止の実行を禁止して、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS03に進む。
そして、ステップS03においては、内燃機関11の再始動以後においてアイドル停止の実行を禁止する所定時間Bが経過したか否かを判定する。
ステップS03の判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS02に進む。
一方、ステップS03の判定結果が「YES」の場合には、ステップS04に進む。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS07に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進む。
そして、ステップS05においては、他のアイドル停止条件、例えば内燃機関11の冷却水の温度が所定温度以上となる状態や、アクセルペダルの踏み込み量が所定値未満となる状態や、ブレーキスイッチのON状態や、高圧バッテリ15の残容量が所定値以上となる状態等が成立したか否かを判定する。
ステップS05の判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS02に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS06に進む。
そして、ステップS06においては、アイドル停止の実行を許可し、一連の処理を終了する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS02に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS08に進む。
そして、ステップS08においては、車速が所定車速、例えばゼロに到達してから所定時間Cが経過したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS02に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS05に進む。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS12に進み、このステップS12においては、燃料噴射の停止状態として、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS13に進む。
そして、ステップS13においては、内燃機関11の再始動以後において燃料噴射を実行したか否かを判定する。
ステップS13の判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS15に進む。
一方、ステップS13の判定結果が「YES」の場合には、ステップS14に進み、このステップS14においては、燃料噴射の実行を許可して、一連の処理を終了する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS12に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、所望の吸気管負圧が確保されたと判断して、ステップS16に進む。
そして、ステップS16においては、他のアイドル停止条件、例えば内燃機関11の冷却水の温度が所定温度以上となる状態や、アクセルペダルの踏み込み量が所定値未満となる状態や、ブレーキスイッチのON状態や、高圧バッテリ15の残容量が所定値以上となる状態等が成立したか否かを判定する。
ステップS16の判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS14に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS17に進む。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS12に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS14に進む。
そして、時刻t1以降において内燃機関11への燃料供給(燃料噴射)を開始するタイミングを少なくとも所定時間Aだけ遅延させるために、例えば減算タイマからなる再始動後燃料噴射開始遅延タイマの計数が開始されると共に、時刻t1以降の所定時間Bに亘って内燃機関11のアイドル停止の実行を禁止するために、減算タイマからなる再始動後アイドル停止禁止タイマの計数が開始される。
そして、この時刻t2以降のように、再始動以後において内燃機関11の状態(例えば、車速)が所定状態(例えば、所定車速#V0)に到達せずに、車速が低下傾向に変化する場合には、再始動後アイドル停止禁止タイマの計数が実行される期間である所定時間B、または、再始動以後において車速が所定車速(例えば、ゼロ)に到達するまでの時間(例えば、車速ゼロ到達時間D)のうちの何れか長い方と、車速が所定車速(例えば、ゼロ)に到達してからの経過時間である所定時間Cとを加算して得た値が、再アイドル停止許可遅延時間αとして設定され、この再アイドル停止許可遅延時間αの経過後に再度のアイドル停止の実行が許可される。
そして、例えば時刻t4から時刻t6の期間のように、車速ゼロ経過タイマの計数が継続される状態、つまり車速以外の他のアイドル停止条件が成立すると共に車速がゼロに到達してから所定時間Cが経過するまでの期間では、例えば時刻t5に示すように、再始動以後の所定時間Aに亘る再始動後燃料噴射開始遅延タイマの計数が終了した場合であっても、内燃機関11への燃料噴射の開始は禁止される。
つまり、再始動以後に再始動後燃料噴射開始遅延タイマの計数が実行される期間である所定時間A、または、再始動以後に所定時間Cに亘る車速ゼロ経過タイマの計数が終了するまでの期間(つまりアイドル停止許可遅延時間α)のうちの何れか長い方が、燃料噴射開始遅延時間βとして設定され、この燃料噴射開始遅延時間βの期間に亘って内燃機関11への燃料噴射を開始するタイミングが遅延される。
12 モータ(内燃機関駆動手段)
20 車速センサ(速度検出手段)
ステップS06 停止許可手段
ステップS12 燃料供給禁止手段
ステップS14 燃料供給手段
Claims (4)
- 所定条件下で運転停止された車両の駆動源としての内燃機関を再始動させる内燃機関の再始動制御装置であって、
車両の速度を検出する速度検出手段と、
前記内燃機関の再始動以後に前記内燃機関の回転数を所定回転数まで増大させる内燃機関駆動手段と、
所定の条件下で前記内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段と、
前記内燃機関の再始動以後に前記内燃機関の状態が所定状態に到達せず、かつ、前記速度が低下傾向に変化する場合には、前記速度が所定速度に到達してから所定遅延時間の経過後に前記内燃機関の運転停止を許可する停止許可手段と、
前記内燃機関の再始動時から前記停止許可手段により前記内燃機関の運転停止が許可されるまでの期間に亘って前記燃料供給手段による前記内燃機関への燃料供給を禁止する燃料供給禁止手段と
を備えることを特徴とする内燃機関の再始動制御装置。 - 前記停止許可手段は前記所定速度をゼロとし、前記内燃機関の再始動以後に前記内燃機関の状態が所定状態に到達せず、かつ、前記速度が低下傾向に変化する場合には、前記速度がゼロに到達してから所定遅延時間の経過後に前記内燃機関の運転停止を許可することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の再始動制御装置。
- 前記内燃機関駆動手段は車両を駆動可能なモータであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の再始動制御装置。
- 前記停止許可手段は、前記内燃機関の再始動時からの所定経過時間と、前記速度が所定速度に到達してからの所定遅延時間とに基づき、前記内燃機関の運転停止を許可することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の内燃機関の再始動制御装置。
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