JP2006275077A - 動圧軸受装置を搭載するモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】動圧軸受装置を備えるモータにおいて、軸受部のオイル外部流出防止、オイル劣化防止、放熱効果向上、軸受剛性低下防止等を行い、高速化、広範囲回転数対応、低コスト化、長寿命化、機器のオイルによる汚損防止の要求にこたえることを目的とする。
【解決手段】動圧流体軸受の2ヶ所のヘリングボーン溝の両端にオイルだまり段部を配置し、軸受両出口付近にオイルを圧送するスパイラル溝を配置し、上側から順にヘリングボーン溝パターン幅をa、b、c、dとし、スパイラル溝パターン幅をe、fとし、オイルだまり段部長をp、q、r、sとした時、e>b−a≧0、q>e+p−(b−a)、q>p、f>c−d≧0、r>f+s−(c−d)、r>sに設定することにより、軸受端部からのオイル流出及び、外部空気の巻き込みを防止する。
【選択図】図1

Description

本発明はスピンドルモータ等動圧流体軸受を使用するモータに関するものである。
従来、ポリゴンミラー、磁気ディスク、光ディスク等の各種回転板を高精度且つ高速に駆動するために、そのスピンドルモータはオイル等の動圧を用いた軸受装置が種々提案されている。これら軸受装置には一般的には複数の動圧軸受部に動圧発生溝が刻設され、回転時の動圧発生溝のポンピング作用により昇圧され発生する動圧によって、回転部材の回転支持を行っている。
軸受装置の信頼性向上のための要素として、オイルの外部漏れを防止することが挙げられる。軸受開放端側からのオイルの流出防止策として、軸受出口部分付近にスパイラルの動圧溝を設けて、端部から軸受内部方向にオイルを圧送する方法が提唱されており、すでに公知である(例えば、特許文献1参照)。
上記構成では通常、オイル流出路を遮断する意味合いから、軸受片端(反開放端側)に通気路等を設けず密封する方法が主であるが、回転軸と軸受スリーブとを注油嵌合の際に巻き込んだ空気が、特に回転軸先端部のスラスト軸受に近い箇所に溜まった場合、膨張や収縮をすることによりロータを開放端側へ押し出すような浮上力を発生させる危険性があり、これを避けるためには軸受内部に空気を介在させないように真空注油等の特殊な工法で空気を追い出すような特殊な組立方法が必要となる。また、端部から軸受内部方向にオイルを圧送する力が大きくなりすぎても、同様にロータを開放端側へ押し出すような浮上力を発生させてしまう。これを避けるためにはロータ浮上を打ち消すようにロータをスラスト方向へ押し付ける力が必要となり、例えば、マグネットとコアで発生させるスラスト方向への吸引力を大きく設定したりすることになるが、その押し付ける力が大きくなるとスラスト軸受部への荷重も大きくなり、スラスト軸受の寿命低下を起こす場合もある。
また、軸受内の余剰オイル分を含めたオイルの流動及び循環が起こりにくくなりオイルの劣化を早めることと、外部との熱のやりとりがなくなるため発熱面で不利となる面がある。
逆に、軸受反開放端側に通気路等を設けて、密封されていた軸受片端を外気と連通させると、組立が簡単になり、オイル劣化が少なく、放熱で有利となるが、通気路等からのオイル流出による軸受オイルの枯渇や流出オイルでの機器の汚損がおこりやすくなる。
これら軸受反開放端側を密封する時のロータの浮上や軸受反開放端側に通気路等を設けた場合のオイル流出等を抑えるために、反開放端側の軸受出口部分付近にも軸受内部方向にオイルを圧送する動圧溝を設ける方法が提唱されている(例えば、特許文献2参照)。
図2に軸受出口部分付近及び反開放端側の軸受出口部分付近にも軸受内部方向にオイルを圧送する動圧溝を設けた従来の軸受装置の構造を示す。図2において、回転軸101にはフレーム102が固定され、さらにフレーム102の内周部はマグネット103が取付けられ、ロータを構成している。前記回転軸101は軸受スリーブ104に挿入され、回転軸101と軸受スリーブ104とのクリアランス部分にはオイルが配置され、回転可能に軸架されている。軸受スリーブ104の底部にはスラスト板112が配置され、回転軸101の先端とで、スラスト軸受を構成している。さらに、前記軸受スリーブ104には基板105が取付けられているとともに、マグネット103に対向した位置に巻線111が施されたステータコア106が取付けられ、巻線に電流を流すことで、ステータコア106で起磁力を発生させ、マグネット103との磁気的作用によりロータを回転駆動させ
る。回転軸101にはヘリングボーン溝107及び108が刻設され、ロータが回転することにより発生する動圧にてロータを非接触状態で回転させ、動圧ラジアル軸受を構成している。また、回転軸101にはスパイラル溝109及び110が刻設され、それぞれがオイルを軸受の内側方向に押し戻し、オイルが外部に漏れ出すことを防止している。なお、これら動圧を発生させるヘリングボーン溝及びスパイラル溝を軸受スリーブ104に刻設しても動圧発生の原理としては同じである。
特開平10−37947号公報(第8頁、図1) 特開2001−119893号公報(第4頁、図1)
しかしながら上記従来の構成では、オイルを押し戻す際に、部分的に外部空気を巻き込んでしまい、最悪はオイル切れによる動圧低下を引き起こすことがある。通常、回転軸の軸受開放端側付近の位置にポリゴンミラー、磁気ディスク、光ディスク等のスピンドルモータの各種回転板等の負荷が配置されることが多い。これら偏荷重による回転軸のすりこぎ運動等により、軸受内部での回転軸の振れ回りは一定ではないので、2対のヘリングボーン溝で発生するラジアル動圧だけでなく、2対のスパイラル溝で発生するオイルの圧送力を等しくするのは難しい。特に近年モータの高速回転化に伴い、これまで無視できた回転軸のタワミ等の影響も無視できなくなってきている。即ち、お互いに他方に向かって流体を圧送していた力が釣合わず、力のバランスが崩れてしまうことになる。
従って、通常に外部空気を巻き込むだけでなく、特にモータの起動停止を繰り返した場合には、さらに内部に送り込まれ、オイル不足による動圧低下を引き起こし、寿命を悪化させたりすることになる。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、高速化、長寿命化が実現でき、信頼性に優れた動圧軸受装置を搭載するモータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、円筒状軸受スリーブの内周面に設けられた2カ所のヘリングボーン溝のそれぞれの両端に、リング状の逃がし部よりも小さな内径を有し、且つ表面張力にてオイルを保持できるギャップを有するリング状のオイルだまり段部を設け、軸受の一端側にスラスト軸受を配設した動圧軸受装置であって、前記回転軸と前記スラスト軸受に近い方の前記ヘリングボーン溝と前記スラスト軸受とで形成される空間に空気抜き通路を設け、前記スラスト軸受に近い方のヘリングボーン溝の軸方向外側のパターン幅をd、軸方向内側のパターン幅をcとし、前記スラスト軸受とは反対側のもう一方のヘリングボーン溝の軸方向内側のパターン幅をb、軸方向外側のパターン幅をaとし、さらに、前記スラスト軸受に近い方の前記スパイラル溝パターン幅をf、もう一方のスパイラル溝パターン幅をeとし、さらに、前記スラスト軸受に近い方のヘリングボーン溝の両側のオイルだまり段部長を前記スラスト軸受に近い方から、それぞれ、s及びrとし、さらに、もう一方のヘリングボーン溝の両側のオイルだまり段部長をそれぞれ、q及びpとした時、
e>b−a≧0・・・(式1)
q≧e+p−(b−a)・・・(式2)
q≧p・・・(式3)
f>c−d≧0・・・(式4)
r≧f+s−(c−d)・・・(式5)
r≧s・・・(式6)
とした動圧軸受装置を備えるモータである。
請求項1記載の発明によれば、回転起動時に回転軸のすりこぎ運動やたわみが生じない場合は、パターン幅e、fであるスパイラル溝でお互いに軸受中央方向に流体を圧送する際に外部空気を巻き込んだとしでも、その空気は最大でもスパイラル溝の範囲から流体が全て押し出される位置、即ち長さp、sを有するオイルだまり段部までしか到達することはないが、さらに、ヘリングボーン溝パターンa、b、c、dで与えられる
e>b−a≧0・・・(式1)
f>c−d≧0・・・(式4)
の関係式によって、ヘリングボーン溝からスパイラル溝へ押し返す力も加味されるので、回転軸のすりこぎ運動やたわみ等による影響により流体を圧送する力のバランスが少々狂った場合でも外部空気はスパイラル溝パターンe、fの途中までしか到達しないことになり、オイルだまり段部に空気を溜め込むことがなく、その溜め込んだ空気がヘリングボーン溝部へ入り込むことがない。
逆に、回転を停止させると、軸受中央部の空間に圧縮された空気層がオイルを初期状態に押し戻そうとするが、この時、p、q、r、s、e、fとa、b、c、dで与えられるq≧e+p−(b−a)・・・(式2)
q≧p・・・(式3)
r≧f+s−(c−d)・・・(式5)
r≧s・・・(式6)
の関係式により、軸受中央部の圧縮された空気は最悪でも長さq、rを有するオイルだまり段部の途中までしか入らないので、ヘリングボーン溝部でのオイル切れによる動圧低下を防ぐことが出来る。
また、密封を行わず軸受両端が外部と連通されるので、組立が簡単であり、軸受内のオイル流動及び循環でオイル劣化が防止されるとともに、外部との熱のやりとりが出来、放熱面でも有利となる。それゆえ、高速回転化にも対応できるとともに、対応回転数範囲も広くすることができ、可変速仕様にも対応が可能で、低コスト、高速、長寿命で機器を汚損することのないの軸受装置を備えるモータを実現できるという有利な効果が得られる。
また、請求項2記載の発明によれば、スパイラル溝が刻設された内径をヘリングボーン溝が刻設された内径よりも大きな内径にすることにより、常に回転軸がスパイラル溝と隙間を持つため直接金属接触状態となって磨耗劣化を生じることが防止できるので、信頼性が向上するとともに、スパイラル溝が刻設された内半径とスパイラル溝深さの和を、ヘリングボーン溝が刻設された内半径とヘリングボーン溝深さの和と略等しくすることにより、例えば転造加工法等を採用し、内径の溝加工を行う場合には、それぞれの溝加工に使用する加工ツールを使い分ける必要がなく共通化でき、工程の簡略化及び低コスト化で有利となる。
また、請求項3記載の発明によれば、軸受開放端側の外側に位置する回転軸部分もしくは、軸受の外側出口面の少なくとも一方に撥油剤を塗布するか、または、空気抜き通路に撥油剤を塗布することにより、撥油剤でのシール作用が働き、オイルの流出をより防止できるので信頼性が一層向上する。
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1のおける軸受装置を搭載するモータの縦断面であり、その軸受装置部分縦断面を図1(a)に、スリーブ内径部の詳細図を図1(b)に示す。図1
(a)、(b)において、軸受スリーブ1の内径部に下端凸球面状部を有する回転軸2の外形部が挿入されている。そして、その隙間にオイルを介在させ回転可能に軸支している。
回転軸2にはフレーム14が固定され、さらにフレーム14の内周部はマグネット15が取付けられ、ロータを構成している。軸受スリーブ1底部にはスラスト板3及び底板4が配置されている。前記回転軸2の凸球面状部とスラスト板3とで、スラスト軸受が構成されている。前記軸受スリーブ1の内径部の2ヶ所には上側よりヘリングボーン溝5及び6が刻設されている。前記軸受スリーブ1には基板16が取付けられているとともに、マグネット15に対向した位置に巻線が施されたステータコア17が取付けられ、巻線に電流を流すことで、ステータコア17で起磁力を発生させ、マグネット15との磁気的作用によりロータを回転駆動させる。そしてヘリングボーン溝5及び6で発生する動圧にてロータを非接触状態で回転させ、動圧ラジアル軸受を構成している。
ヘリングボーン溝5及び6の間には、ヘリングボーン溝5及び6より大きな内径を有するリング状の逃がし部7が設けられている。さらに、軸受スリーブ1の内径部には、ヘリングボーン溝5及び6が刻設されている位置を挟み込むようにして、オイルを回転時の動圧で端部から内側のヘリングボーン溝方向へ圧送するためのスパイラル溝8及び9が刻設されている。さらに前記スパイラル溝8とヘリングボーン溝5との間及び、ヘリングボーン溝5とリング状の逃がし部7との間及び、リング状の逃がし部7とヘリングボーン溝6との間及び、ヘリングボーン溝6とスパイラル溝9との間には、リング状の逃がし部7よりも小さな内径を有するとともに、表面張力にてオイルを保持できるギャップを有するリング状のオイルだまり段部10、11、12、13がそれぞれ設けられている。さらに軸受スリーブ1には切欠20が設けられ、下側ラジアル軸受とスラスト軸受とで構成される隙間を外気と連通させることにより、組み立て性の向上と、オイル劣化の低減を図っている。
さらにヘリングボーン溝5のパターンは上側よりパターン幅がa、bとなっており、また、ヘリングボーン溝6のパターンは上側よりパターン幅がc、dとなっている。またスパイラル溝8及び9のパターン幅はそれぞれe、fとなっている。オイルだまり段部10、11、12、13の長さはそれぞれ順にp、q、r、sとなっている。この時、
e>b−a≧0・・・(式1)
q≧e+p−(b−a)・・・(式2)
q≧p・・・(式3)
f>c−d≧0・・・(式4)
r≧f+s−(c−d)・・・(式5)
r≧s・・・(式6)
に設定されている。
この構成において、回転軸2が回転をはじめるとスパイラル溝8及び9で、オイルを端部から内側のヘリングボーン溝方向へ圧送する力が発生し、スパイラル溝8及び9のオイルをそれぞれヘリングボーン溝5、6へ移動させようとする。そして元々ヘリングボーン溝5、6にあったオイルはリング状の逃がし部7へ向かって移動し、リング状の逃がし部7の空気層を圧縮する。その際、スパイラル溝8及び9で送り出すオイルは距離にして最大でスパイラル溝8及び9のパターン幅e、fまで動くが、そのオイルに変わって外部から送り込まれた空気は、最大でもオイルだまり段部10、13までしか到達せず、ヘリングボーン溝5、6まで到達することはなくオイル切れによるラジアル動圧の低下を起こさない。
さらにこの時、ヘリングボーン溝5のパターン幅a、bとヘリングボーン溝6パターン幅c、dとで
e>b−a≧0・・・(式1)
f>c−d≧0・・・(式4)
とすることにより、ヘリングボーン溝5及び6からスパイラル溝8及び9へ押し返す力も発生させ、オイルだまり段部10及び13にまで、外部からの空気を送り込まず、スパイラル溝8及び9の途中までしか送り込まない状態を作り出すことができるので、オイルだまり段部10及び13に空気を溜め込むことがなく、溜め込んだ空気がヘリングボーン溝5及び6に入り込まず、オイル切れによる動圧低下の心配を抑えることができる。
逆に、回転を停止させると、リング状の逃がし部7で圧縮された空気層がオイルを初期状態に押し戻そうとするが、この時、オイルだまり段部10、11、12、13の長さp、q、r、sとで
q≧e+p−(b−a)・・・(式2)
q≧p・・・(式3)
r≧f+s−(c−d)・・・(式5)
r≧s・・・(式6)
とすることにより、圧縮された空気は最悪でもオイルだまり段部11、12の途中までしか入らず、ヘリングボーン溝5及び6まで到達せず、動圧低下の心配がない。
これら構成により、密封を行わず組立が簡単であり、軸受内空気の膨張や収縮による影響が少なく、オイルの外部への流出や空気の巻込みが無く動圧低下が起こらず、軸受内のオイル流動及び循環でのオイル劣化の防止がはかれ、外部との熱のやりとりによる放熱効果が向上し、高速回転化にも対応でき、さらに、使用回転数の違い等でのスパイラル溝でのオイル圧送力のばらつきにも関係しないため、対応回転数範囲を広げられ、可変速仕様にも対応でき、低コスト、高速、長寿命で機器を汚損することのない軸受装置を実現できる。
なお、スパイラル溝8及び9を刻設している箇所の内径を、ヘリングボーン溝5及び6を刻設している箇所の内径よりも大きくするとともに、スパイラル溝8及び9を刻設している箇所の内半径と溝深さの和を、ヘリングボーン溝5及び6を刻設している箇所の内半径と溝深さの和と略等しくすることにより、スパイラル溝の金属接触でおこる磨耗劣化を防止でき、信頼性向上がはかれ、さらには、例えば転造加工法等を採用し、内径の溝加工を行う場合には、それぞれの溝加工に使用する加工ツールを使い分ける必要がなく共通化でき、工程の簡略化及び低コスト化で有利となる。
また、回転軸2の軸受スリーブ1の開放端外側部分には撥油剤18が塗布されるとともに、切欠20にも撥油剤19が塗布されており、前記撥油剤18及び19でオイルシールを行い、さらに信頼性向上をはかっている。
なお、以上の説明では、周対向のアウターロータ型の構造例を示したが、面対向型やインナーロータ型のような他の構造でも適用できる。また、軸受隙間、溝の深さ、幅、角度、オイルの種類等にも制約はない。さらに、軸受開放端側において、撥油剤を回転軸側に塗布した例を示したが、軸受スリーブ側に塗布してもよく、また、両方に塗布してもよい。
さらに、下側ラジアル軸受を外気と連通するために軸受スリーブに切欠を設けた例を示したが、外気と連通できれば、切欠以外に穴等の違う手段でもよく、形状、場所等を変えても適用できる。
また、部品を構成する材料、材質にも制約はなく、適宜変形、変更してもよい。その他、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であるということは言うまでも無い。
本発明の軸受装置は、組立が簡単で、軸受の動圧発生部に外部からの空気の巻き込みがなく、さらにオイルの外部流出がないので、オイル切れ等による動圧低下が起こらず、軸受内部でのオイル流動及び循環でオイル劣化が防止でき、放熱効果も高くなるので、高速化、広範囲回転数対応、低コスト化、長寿命化の要求にこたえるモータ等の回転機器の用途として有用である。
(a)本発明の実施の形態1による軸受装置を示す縦断面図、(b)本発明の実施の形態1による軸受装置のスリーブ内径部詳細図 従来の軸受装置を示す縦断面図
符号の説明
1、104 軸受スリーブ
2、101 回転軸
3、112 スラスト板
4 底板
5、6、107、108 ヘリングボーン溝
7 リング状の逃がし部
8、9、109、110 スパイラル溝
10、11、12、13 オイルだまり段部
14、102 フレーム
15、103 マグネット
16、105 基板
17、106 ステータコア
18、19 撥油剤
20 切欠
111 巻線
a、b、c、d ヘリングボーン溝パターン幅
e、f スパイラル溝パターン幅
p、q、r、s オイルだまり段部長さ

Claims (3)

  1. 回転軸と、ヘリングボーン内周面にヘリングボーン溝が軸方向に距離を隔てて2ヶ所に刻設された軸受と、前記2ヶ所のヘリングボーン溝の間に配置され、前記溝部より大きな内径を有するリング状の逃がし部と、さらに回転時の動圧でオイルを前記軸受端部から軸方向内側へ圧送する方向に前記軸受の両端にそれぞれ刻設したスパイラル溝と、前記軸受の片端側に配置されたスラスト軸受とを有する動圧軸受装置であって、前記回転軸と前記スラスト軸受に近い方の前記ヘリングボーン溝と前記スラスト軸受とで形成される空間に空気抜き通路が形成され、前記2ヶ所のヘリングボーン溝のそれぞれの軸方向両端側には前記リング状の逃がし部よりも小さな内径を有するとともに、表面張力にてオイルを保持できるギャップを有するリング状のオイルだまり段部が設けられ、前記スラスト軸受に近い方のヘリングボーン溝の軸方向外側のパターン幅をd、軸方向内側のパターン幅をcとし、前記スラスト軸受とは反対側のもう一方のヘリングボーン溝の軸方向内側のパターン幅をb、軸方向外側のパターン幅をaとし、さらに、前記スラスト軸受に近い方の前記スパイラル溝パターン幅をf、もう一方のスパイラル溝パターン幅をeとし、さらに、前記スラスト軸受に近い方のヘリングボーン溝の両側のオイルだまり段部長を前記スラスト軸受に近い方から、それぞれ、s及びrとし、さらに、もう一方のヘリングボーン溝の両側のオイルだまり段部長をそれぞれ、q及びpとした時、
    e>b−a≧0・・・(式1)
    q≧e+p−(b−a)・・・(式2)
    q≧p・・・(式3)
    f>c−d≧0・・・(式4)
    r≧f+s−(c−d)・・・(式5)
    r≧s・・・(式6)
    としたことを特徴とする動圧軸受装置を備えるモータ。
  2. 軸受のスパイラル溝が刻設された部分の内径がヘリングボーン溝が刻設された部分の内径より大きく形成され、さらに、前記スパイラル溝が刻設された部分の内半径と前記スパイラル溝深さの和が、前記ヘリングボーン溝が刻設された部分の内半径と前記ヘリングボーン溝深さの和と略等しいことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 軸受のスラスト軸受とは反対側の開放端側の外側に位置する回転軸部分もしくは軸受の外側出口面の少なくとも一方に撥油剤を塗布するか、または、空気抜き通路に撥油剤を塗布した請求項1から請求項2のいずれか1項に記載のモータ。

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