JP2006274477A - 製紙用化学パルプの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リグノセルロース物質を原料とするパルプを漂白する方法において、未漂白繊維による夾雑物が改善された製紙用化学パルプの製造方法を提供するものである。
【解決手段】リグノセルロース物質を蒸解して得られた未漂白パルプを漂白する多段漂白工程が、少なくとも一つ以上のアルカリ抽出段を有し、該アルカリ抽出段以後の処理段に酵素処理段を含むことを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】リグノセルロース物質を蒸解して得られた未漂白パルプを漂白する多段漂白工程が、少なくとも一つ以上のアルカリ抽出段を有し、該アルカリ抽出段以後の処理段に酵素処理段を含むことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、リグノセルロース材料から得られる製紙用化学パルプに関するものである。更に詳しくは、リグノセルロース物質を蒸解して得られる未漂白パルプを多段漂白工程で漂白して製紙用化学パルプを製造する方法において、多段漂白工程中のアルカリ抽出段以後の処理段において酵素処理を行い、漂白後のパルプ中に含まれる未漂白繊維による夾雑物量を改善する、製紙用化学パルプの製造方法に関するものである。
従来、リグノセルロース物質を原料とした製紙用化学パルプは水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム及び硫化ナトリウム等を主成分とするアルカリ性薬品を用いて蒸解した後、アルカリ酸素脱リグニンされ、その後、多段漂白方法によりISO白色度80〜90%のパルプとして製造される。多段漂白方法としては、大別して元素状塩素を使用する塩素漂白法、元素状塩素を用いないECF漂白法、及び、元素状塩素に加え二酸化塩素や次亜塩素酸塩等の塩素系の薬品も全く使用しない漂白方法(以下、TCF漂白法と称す。)等がある。
蒸解において、最も望ましい形態は、木材チップの品質、蒸解に使用される薬品と木材チップとの混合、蒸解温度及び蒸解時間等が均一な条件下で行われて、蒸解に使用している木材チップが全て均一に蒸解され、パルプ繊維化されることである。しかしながら、実際には前記の蒸解条件が全く均一に行われることは困難であり、特に木材の節の部分は蒸解薬品が浸透し難いため、ほとんど蒸解されず、木材チップ形状を保持したままの状態となり易い。また均一な蒸解であれば十分に蒸解される木材チップでも、前記の蒸解条件が不均一となって未蒸解となり、チップ形状を保持した状態となるものもある。これらを一般にノットと称する。
また、蒸解が不十分で、完全にはパルプ繊維化されないものがあり、このような未解繊状態の未蒸解繊維物は一般にリジェクトと呼ばれる。このリジェクトは、一般的にはバスケットタイプのスクリーンを有した精選工程でパルプ繊維と分離されて蒸解釜に戻され、再度蒸解される。しかしながら、精選工程では完全にリジェクトを分離することはできず、分離されなかったリジェクトは次工程のアルカリ酸素脱リグニン工程、多段漂白工程等で処理される。
アルカリ酸素脱リグニン工程や多段漂白工程において処理された結果、リジェクトの一部は完全にパルプ繊維化される。しかしながら、通常のパルプ繊維と比較して、リジェクトは着色物質であるリグニンを多量に含有していること、薬品の浸透性が劣ることなどから、アルカリ酸素脱リグニン処理や漂白処理を受けにくく、リジェクトの一部は最終の漂白パルプ中に茶色に着色した状態で残り、未漂白繊維の夾雑物として現れて、パルプ品質を著しく損なうことになる。
上記の問題点を改善するために、蒸解工程においては薬品添加率を増やす、温度を上げる、あるいは蒸解時間を長くするなど、蒸解条件を強化して、蒸解度を強めてできるだけ脱リグニンを進める方法がある。また連続蒸解釜においては均一な蒸解を行うために蒸解薬品を数点に分割して添加して蒸解を進める修正された蒸解方法等がある。アルカリ酸素脱リグニン工程においても、アルカリ添加率を高めて脱リグニンを強化する方法、アルカリ酸素脱リグニン工程を連続させた2段で行って脱リグニンを進める方法や亜硝酸の様な前処理薬品を用いて脱リグニンを進める方法(例えば、特許文献1参照。)等がある。多段漂白工程においては、塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素などの漂白薬品添加量を増やす方法、アルカリ抽出段に酸素や過酸化水素などを併用して抽出を強化する方法等、漂白処理を強化する方法がある。
また、精選工程においては、一般的に1〜10mm径の丸穴や0.1〜0.5mm幅のスリットを有するバスケットタイプのスクリーンが好適に用いられる。リジェクトの分離効率向上、即ち精選度を改善するために、これら丸穴径やスリット幅を小さくする手段がとられる。
しかしながら、蒸解やアルカリ酸素脱リグニン処理を強化して脱リグニンを進めた場合には、同時にパルプ繊維も傷め易く、パルプ強度を損なうという危険を伴うとともに収率も低下するという欠点がある。多段漂白工程における漂白処理を強化する方法においてもパルプ強度を低下させ易いことや設定された白色度に対して高くなり過ぎて、紙製品となった時の色調が変化する等の様々な問題点が発生する。
一方、リジェクトを処理する方法として、精選工程で分離されたリジェクトを解繊し、アルカリと酸素で処理して漂白可能なパルプを製造することを特徴とするリジェクトの処理方法(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
しかしながら、解繊工程における電力消費量の増大やアルカリと酸素による処理を低いパルプ濃度で行うために大きな反応塔が必要となり設備費が増大するという欠点がある。
また酵素を用いて漂白効率を改善する方法がある。例えば、多段漂白の前にキシラン分解活性を有する酵素を用いて処理する方法(例えば、特許文献3参照。)がある。キシラン分解活性を有する酵素でパルプ処理を行うと脱リグニン作用があり、その後の漂白効率の向上効果が認められている。しかし、リジェクト処理を目的とした場合には、多段漂白工程前におけるリジェクト量が多いために、必要とする酵素添加率も高くなる。酵素添加率が高い場合には、パルプ収率やパルプ強度の低下等の悪影響が現れることがあり、好ましくない。
特開平4−316690号公報
特開平4−119185号公報
特開平2−264087号公報
本発明の目的は、リグノセルロース物質を原料とするパルプを漂白する方法において、未漂白繊維による夾雑物が改善された製紙用化学パルプの製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記の課題について鋭意研究した結果、本発明の未漂白繊維による夾雑物が改善された製紙用化学パルプの製造方法を完成するに至った。
即ち、本発明はリグノセルロース物質を蒸解して得られた未漂白パルプを漂白する多段漂白工程が、少なくとも一つ以上のアルカリ抽出段を有し、該アルカリ抽出段以後の処理段に酵素処理段を含むことを特徴とする製紙用化学パルプの製造方法である。
また、本発明は酵素処理工程に用いられる酵素がキシラン分解活性を有する酵素であることを特徴とする前項記載の製紙用化学パルプの製造方法である。
リグノセルロース物質を蒸解して得られた未漂白パルプを漂白する多段漂白工程が、少なくとも一つ以上のアルカリ抽出段を有し、該アルカリ抽出段以後の処理段に酵素処理段を含む製紙用化学パルプの製造方法により、パルプ繊維の強度低下やパルプ収率の低下なしに、未漂白繊維による夾雑物が改善された製紙用化学パルプを得ることが可能となる。
本発明において用いられるリグノセルロース物質は、広葉樹や針葉樹のような木材が好ましく用いられるが、ケナフ、バガス、イネ等の非木材であってもよく、特に限定されるものではない。
また、本発明で使用される未漂白パルプを得るための蒸解方法としては、クラフト蒸解、ポリサルファイド蒸解、ソーダ蒸解、アルカリサルファイト蒸解等の公知の蒸解法を用いることができるが、パルプ収率、パルプ品質やエネルギー効率等を考慮するとクラフト蒸解、またはポリサルファイド蒸解等が好ましい。
例えば、木材をクラフト蒸解する場合、クラフト蒸解液の硫化度は5〜40%、好ましくは20〜30%であり、有効アルカリ添加率は絶乾木材質量あたり、5〜20質量%、好ましくは10〜15質量%である。蒸解温度は120〜170℃、好ましくは130〜160℃であり、蒸解方式は、連続蒸解法あるいはバッチ蒸解法のどちらでも良く、連続蒸解法においては、蒸解液を分割して多点で添加する改良された修正蒸解法でも良く、その方式は特に限定されるものではない。
蒸解に蒸解助剤として、公知の環状ケト化合物、例えばベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン及び前記キノン系化合物のアルキル、アミノ等の核置換体、あるいは前記キノン系化合物の還元型であるアントラヒドロキノンの様なヒドロキノン系化合物等から選ばれた1種あるいは2種以上が添加されても良く、その添加率は木材チップ絶乾あたり0.001〜1.0質量%である。
本発明では、公知の蒸解法により得られた未漂白パルプは、洗浄、粗選、及び精選工程を経て、公知のアルカリ酸素脱リグニン工程においてリグニンを除去される。本発明に使用されるアルカリ酸素漂白法は公知の中濃度法あるいは高濃度法を適用できるが、現在一般的に用いられているパルプ濃度が8〜15質量%で行われる中濃度法が好ましい。
前記中濃度法によるアルカリ酸素脱リグニン法は、高温高圧処理を行うが、温度、時間、アルカリ添加量、酸素添加量、圧力の条件は一般に行われている条件に準じる。例えば、温度は60〜130℃、好ましくは90〜110℃、時間は20〜150分間、好ましくは30〜90分間であり、アルカリ添加量はNaOH換算で絶乾パルプあたり0.5〜5.0質量%であり、圧力は0.25〜1.0MPa、好ましくは0.35〜0.80MPaである。
本発明では、アルカリ酸素脱リグニン後の多段漂白工程は、少なくとも一つ以上のアルカリ抽出段とアルカリ抽出段の次段以後に酵素処理段を含む漂白シーケンスであれば、塩素漂白法、ECF漂白法、及びTCF漂白法のいずれでも構わない。
塩素漂白法は、通常初段が塩素段(以下C段と称す。)であり、パルプ中に含まれるリグニンを塩素化することによりリグニンをアルカリ可溶化とする。2段目にはアルカリ抽出段(以下E段と称す。)が続き、塩素化したリグニンを抽出する。その後は次亜塩素酸塩段(以下、H段と称す。)、過酸化水素段(以下、P段と称す。)、E段及び二酸化塩素段(以下D段と称す。)等を任意に組み合わせた漂白法である。H段、D段、P段では、パルプ中に残留している少量のリグニンを除去するとともに、パルプを漂白し、ISO白色度80%以上の高白色度パルプを得る。ここで、C段には二酸化塩素を併用する場合(以下、C/D段と称す。)、E段には抽出の強化を目的として酸素を併用する場合(以下、E/O段と称す。)や過酸化水素を併用する場合(以下、E/P段と称す。)等もある。
しかし、元素状塩素を用いたC段による漂白の際、有機塩素化合物が生成し、環境汚染の原因となることが問題となっている。有機塩素化合物の生成を低減、防止するには元素状塩素を使用しないことが効果的であり、近年ではECF漂白法が採用されてきている。ECF漂白法は主にD段、E段、P段、及びオゾン段(以下、Z段と称す。)等を組み合わせた漂白法であり、前記と同様にE/O段やE/P段処理を行う場合もある。H段は一般的に次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カルシウムが用いられ、これらの薬品は元素状塩素を有しないが、漂白中にクロロホルムが反応生成し、大気や廃水等、環境中に排出されることから、一般的にはECF漂白法には用いられない。
TCF漂白法は、主に酸素系の薬品を使用し、Z段、P段の他、過酢酸、過硫酸等の過酸も用いられる。しかしながら、過酢酸、過硫酸等の過酸は脱リグニンに対する選択性が低く、パルプ強度を低下させるおそれがあること、薬品コストが高いことや爆発性を有しており取り扱いが困難なこと等の理由から普及には至っていない。以上のことから、現在のところ世界的にはECF漂白法が主流となっており、TCF漂白法はほんの一部である。
本発明における多段漂白工程でのシーケンスとしては、酵素処理段(以下、X段と称す。)をE段の次段以降に設けたシーケンスであれば良く、例えば、C−E−X−D、C−E−H−X−D、C−E−X−P−D、D−E−X−D、D−E−X−P−D等がある。E段の作用は、その前段のC段やD段の処理でアルカリ可溶となったリグニンをアルカリで抽出することであり、リジェクトはこの段階で大幅に減少する。従って、その次段以降で酵素処理を行うことは、少ない酵素添加量で効率良く作用すると言える。一方、多段漂白の前で酵素処理を行う場合には、まだ多量のリジェクトを含んでいるため、少ない酵素量ではリジェクトを処理する効果が小さく、多くの酵素添加量を必要とする。しかも酵素添加量を増量した場合には、前述の通りパルプ強度を損なうため、紙製品となった時に十分な品質が得られず好ましくない。
本発明で用いられる酵素は、キシラン分解活性を有する酵素であれば良く、任意の適当なキシラナーゼ生産微生物、例えば、キシラナーゼ産生菌を培養することによって採取される。
本発明の酵素添加場所はパルプとに均一に混合させるために十分な撹拌を必要とし、低濃度ミキサー、中濃度ミキサー、あるいはスタティックミキサーなどで撹拌することが望ましい。
X段の条件は、一般的に温度は30〜75℃、好ましくは40〜60℃、pHは3〜10、好ましくは5〜9の範囲であるが、用いる酵素の至適条件に近いほど良い。pHの調整が必要な場合には任意にアルカリ性溶液や酸性溶液を添加して調整することができる。処理時間は10分間以上、好ましくは30分間以上であるが時間については特に限定されない。酵素の添加量は、処理温度、処理時間により左右され、目的の酵素処理効果が得られるように調整されて添加される。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
多段漂白工程前のパルプとして、工場の実機で製造したパルプを採取し使用した。該パルプは、連続蒸解釜で公知のコンベンショナルな蒸解方法によって蒸解された未漂白パルプが洗浄工程、精選工程、アルカリ酸素脱リグニン工程を経たパルプであり、ISO白色度52%、カッパー価10.3、6カットフラットスクリーンで精選した時のリジェクト個数がパルプ質量100gあたり340個であった。
多段漂白は塩素漂白法とし、C−E−X−Dの4段漂白とした。ここで、酵素は市販のパルプザイムHC(ノボザイムズ社製キシラナーゼ、キシラン分解活性1000unit/g)を用いた。該酵素はエンド−1,4型のキシラナーゼで、pH6〜9.5、温度40〜65℃の至適範囲を持つ。二酸化塩素は、副生塩素をほとんど発生しない公知の製造方法で製造された9.5g/l濃度の二酸化塩素水とした。その他、使用した塩素水、水酸化ナトリウム、硫酸等の薬品は市販の試薬を用いた。漂白薬品とパルプサンプルの混合スラリーはポリビニル袋内で行い、良く混合させた。その後、密封したポリビニル袋を処理温度に調整した恒温水温槽内に沈め、所定の処理時間静置した。各漂白段の終了後、ポリビニル袋内のスラリーはイオン交換水にてよく洗浄し、次の漂白段を実施した。
初段のC段条件は、塩素添加率を絶乾パルプあたり1.5質量%、パルプ濃度3質量%、温度55℃、時間40分間とした。2段目のE段条件は、水酸化ナトリウム添加率を絶乾パルプあたり1.7質量%、パルプ濃度10質量%、温度55℃、時間70分間とした。3段目のX段は、硫酸を添加して酵素の至適pHであるpH6.5に調整したあと、酵素添加率を絶乾パルプあたり0.03質量%、パルプ濃度10質量%、温度55℃、時間70分間とした。4段目のD段条件は、漂白後パルプのISO白色度が86.0〜86.5%となるように添加率を決定し、二酸化塩素添加率を絶乾パルプあたり0.22質量%、パルプ濃度10質量%、温度75℃、時間120分間とした。
多段漂白シーケンスをC−E−H−X−Dの5段漂白とし、D段の二酸化塩素添加率を絶乾パルプあたり0.15質量%、E段とX段の間である3段目にH段を挿入し、実機で製造された次亜塩素酸ナトリウム液を用いて、次亜塩素酸ナトリウム添加率を絶乾パルプあたり0.25質量%、パルプ濃度10質量%、温度55℃、時間70分間として処理した以外は、実施例1と同様の処理を行った。
(比較例1)
多段漂白シーケンスをC−E−Dの3段漂白とし、酵素処理段を削除し、D段の二酸化塩素添加率を絶乾パルプあたり0.25質量%とした以外は、実施例1と同様の処理を行った。
多段漂白シーケンスをC−E−Dの3段漂白とし、酵素処理段を削除し、D段の二酸化塩素添加率を絶乾パルプあたり0.25質量%とした以外は、実施例1と同様の処理を行った。
(比較例2)
多段漂白シーケンスをC−E−H−Dの4段漂白とし、酵素処理段を削除し、D段の二酸化塩素添加率を絶乾パルプあたり0.18質量%とした以外は、実施例2と同様の処理を行った。
多段漂白シーケンスをC−E−H−Dの4段漂白とし、酵素処理段を削除し、D段の二酸化塩素添加率を絶乾パルプあたり0.18質量%とした以外は、実施例2と同様の処理を行った。
(比較例3)
実施例1における3段目のX段をC段の前段とし、X−C−E−Dの4段漂白とした以外は実施例1と同様の処理を行った。
実施例1における3段目のX段をC段の前段とし、X−C−E−Dの4段漂白とした以外は実施例1と同様の処理を行った。
(比較例4)
実施例1における3段目のX段をC段の前段とし、X−C−E−Dの4段漂白として、酵素添加率を絶乾パルプあたり0.15質量%、二酸化塩素添加率を絶乾パルプあたり0.15質量%とした以外は実施例1と同様の処理を行った。
実施例1における3段目のX段をC段の前段とし、X−C−E−Dの4段漂白として、酵素添加率を絶乾パルプあたり0.15質量%、二酸化塩素添加率を絶乾パルプあたり0.15質量%とした以外は実施例1と同様の処理を行った。
上記により製造した漂白後のパルプについて、下記の評価方法により評価し、その結果を表1に示した。
<白色度測定用パルプシート作成方法>
漂白後パルプを離解後、パルプスラリーに硫酸バンドを対パルプ3.0%添加し、JIS P 8209に従って坪量60g/m2のシートを作製した。
漂白後パルプを離解後、パルプスラリーに硫酸バンドを対パルプ3.0%添加し、JIS P 8209に従って坪量60g/m2のシートを作製した。
<白色度の測定方法>
JIS P 8123に従ってISO白色度を測定を行った。
JIS P 8123に従ってISO白色度を測定を行った。
<パルプ粘度の測定方法>
J.TAPPI 44に準じて測定を行った。
J.TAPPI 44に準じて測定を行った。
<未漂白繊維による夾雑物量測定方法>
漂白後のパルプから、絶乾パルプ質量100gを採取し、6カットフラットスクリーンで精選し、フラットスクリーン上の残さを採取した。採取した残さの中からルーペで観察しながら分別し、茶色に着色している未漂白繊維の夾雑物を採取して個数を数え絶乾パルプ質量100gあたりの個数として表示した。
漂白後のパルプから、絶乾パルプ質量100gを採取し、6カットフラットスクリーンで精選し、フラットスクリーン上の残さを採取した。採取した残さの中からルーペで観察しながら分別し、茶色に着色している未漂白繊維の夾雑物を採取して個数を数え絶乾パルプ質量100gあたりの個数として表示した。
評価:
上記表1より、実施例1〜2と酵素処理を行わない比較例1〜2を比べると、明らかに実施例1〜2の方が未漂白繊維による夾雑物個数が減少していることが判る。パルプ強度の指標の一つであるパルプ粘度は、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2をそれぞれ比べると酵素処理を行うと若干低下傾向にあるが、紙品質に影響を及ぼすような差ではない。
上記表1より、実施例1〜2と酵素処理を行わない比較例1〜2を比べると、明らかに実施例1〜2の方が未漂白繊維による夾雑物個数が減少していることが判る。パルプ強度の指標の一つであるパルプ粘度は、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2をそれぞれ比べると酵素処理を行うと若干低下傾向にあるが、紙品質に影響を及ぼすような差ではない。
実施例1と比較例3から明らかに、初段で酵素処理を行うよりもアルカリ抽出段の次段で酵素処理を行った方が未漂白繊維の夾雑物が減少しており、酵素がリジェクトに効率良く作用していると言える。また、比較例4の初段で酵素を多量に添加した場合において、未漂白繊維による夾雑物は実施例1〜2とほぼ同等のレベルまで減少しているがパルプ粘度の低下が大きく品質上懸念されるレベルである。
本発明は、リグノセルロース物質を原料とする製紙用化学パルプに関するものであり、更に詳しくは酵素を用いて多段漂白法を改良し、未漂白繊維の夾雑物が改善された製紙用化学パルプに利用できる。
Claims (2)
- リグノセルロース物質を蒸解して得られた未漂白パルプを漂白する多段漂白工程が、少なくとも一つ以上のアルカリ抽出段を有し、該アルカリ抽出段以後の処理段に酵素処理段を含むことを特徴とする製紙用化学パルプの製造方法。
- 酵素処理工程に用いられる酵素がキシラン分解活性を有する酵素であることを特徴とする請求項1記載の製紙用化学パルプの製造方法。
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JP2005094418A JP2006274477A (ja) | 2005-03-29 | 2005-03-29 | 製紙用化学パルプの製造方法 |
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