JP2006272930A - 耐擦傷性化粧シート - Google Patents
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Abstract
【課題】基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂から形成される透明性表面保護層を有するポリオレフィン系化粧シートの耐擦傷性を高める技術を提供する。
【解決手段】基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層、及び電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂からなる透明性表面保護層を順に有する化粧シートであって、前記透明性樹脂層の一部又は全部がポリアミド樹脂層であることを特徴とする化粧シート。
【選択図】なし
【解決手段】基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層、及び電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂からなる透明性表面保護層を順に有する化粧シートであって、前記透明性樹脂層の一部又は全部がポリアミド樹脂層であることを特徴とする化粧シート。
【選択図】なし
Description
本発明は、耐擦傷性化粧シートに関する。
現在、建具又は床材を装飾するための建材用化粧シートとしては、ポリオレフィン系樹脂シートが一般に用いられている。
例えば、特許文献1には、ポリオレフィン系エラストマーからなる基材シート上に、絵柄模様層、接着剤層、ポリオレフィン系樹脂からなる透明性樹脂層、及び透明性表面保護層を順に積層してなる化粧シートが開示されている。
現在、上記のようなポリオレフィン系樹脂シートとして、基材シートに濃色(黒系)の着色がなされたものが多用されている。かかる濃色の着色がなされた化粧シートは、最表面層に擦傷が生じた場合に、淡色(白系)の着色がなされた化粧シートに比して、擦傷が目立ち易く、意匠性が損なわれやすい。よって、表面保護層を電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂から形成し、耐擦傷性を高める試みがなされている。
しかしながら、特定の樹脂により表面保護層を形成した上記化粧シートに対して、より良好な耐擦傷性を付与すべきとの要望がある。従って、かかる要望を満たすことのできる技術の開発が望まれている。
特開2003−103742号公報
本発明は、電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂から形成される表面保護層を有するポリオレフィン系化粧シートの耐擦傷性を高める技術を提供することを目的とする。
具体的には、基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層及び電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂から形成される透明性表面保護層を有するポリオレフィン系化粧シートの耐擦傷性を高める技術を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、透明性樹脂層の一部又は全部をポリアミド樹脂層とすることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シートに関するものである。
1.基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層、及び電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂からなる透明性表面保護層を順に有する化粧シートであって、前記透明性樹脂層の一部又は全部がポリアミド樹脂層であることを特徴とする化粧シート。
2.前記透明性樹脂層が2層以上からなり、当該透明性樹脂層のうちの少なくとも最表層がポリアミド樹脂層である、上記項1に記載の化粧シート。
3.前記透明性樹脂層が2層以上からなり、当該透明性樹脂層のうちの少なくとも最表層がポリアミド樹脂層であり、ポリアミド樹脂層以外の層がポリオレフィン系樹脂層である、上記項1に記載の化粧シート。
4.前記透明性樹脂層が2層以上からなり、当該透明性樹脂層のうちの少なくとも最表層がポリアミド樹脂層であり、ポリアミド樹脂層以外の層として、透明性樹脂層中に引張弾性が700MPa以上の樹脂層を含む、上記項1に記載の化粧シート。
5.前記ポリアミド樹脂層が、ナイロン6、ナイロン66及びナイロン12からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂からなる、上記項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
6.前記透明性樹脂層の厚みが10〜500μmである、上記項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
7.上記項1〜6のいずれかに記載の化粧シートが被着体に積層されてなる化粧板。
以下、本発明の化粧シートについて、詳細に説明する。
以下、本発明の化粧シートについて、詳細に説明する。
本発明の化粧シートは、基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層、及び電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂からなる透明性表面保護層を順に有する化粧シートであって、前記透明性樹脂層の一部又は全部がポリアミド樹脂層であることを特徴とする。
基材シート
基材シートとしては特に限定されず、例えば、紙、不織布、熱可塑性樹脂シート、これらの積層体等を使用できる。
基材シートとしては特に限定されず、例えば、紙、不織布、熱可塑性樹脂シート、これらの積層体等を使用できる。
紙としては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、上質紙、リンター紙、バライタ紙、硫酸紙、和紙等が挙げられる。
不織布としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ナイロン、ビニロン、ガラス等の繊維からなる不織布が挙げられる。
これらの紙及び不織布には、材料強度の強化、表面のケバ立ち抑制等を目的として、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等が添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)されていてもよい。
熱可塑性樹脂シートとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂等のシートが挙げられる。熱可塑性樹脂シートの中では、特にポリオレフィン系樹脂シートが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は特に限定されない。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
これらの樹脂は、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等の公知の方法によりシート化できる。
基材シートの厚みは特に限定されないが、40〜150μm程度が好ましく、50〜100μm程度がより好ましい。
基材シートは、着色剤により着色されていてもよい。着色剤としては、公知の無機顔料及び有機顔料が使用できる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムエロー、ニッケルチタンエロー、クロムチタンエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。着色態様は、透明性着色又は不透明着色のいずれでも良い。例えば、化粧シートを被着材に積層し、被着材の地色を隠蔽したい場合には、不透明着色にする。
基材シートは、着色剤以外に添加剤を含んでもよい。例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤などが挙げられる。添加剤の種類及び配合量は、化粧シートの種類に応じて設定できる。
基材シートは、好ましくは表面処理したものを用いる。表面処理としては、コロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等が挙げられる。これらの表面処理は、後記する他の層の表面処理にも適用できる。
基材シートの裏面には、プライマー層を設けてもよい。プライマー層を設ける場合には、被着体との密着性を高めることができる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース樹脂系プライマー剤等が挙げられる。プライマー層の厚みは限定的ではないが、0.01〜10μm程度が好ましい。
絵柄模様層
基材シートのおもて面には、絵柄模様層が形成されている。
基材シートのおもて面には、絵柄模様層が形成されている。
絵柄模様層は、化粧シートに意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、化粧シートの種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、基材シートのおもて面に絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤とバインダー樹脂とを含む公知のインキが使用できる。着色剤としては、前記顔料が使用できる。バインダー樹脂は基材シートの種類に応じて設定できるが、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。印刷インキに含まれる溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
絵柄模様層の厚みは絵柄模様の種類より異なるが、0.1〜10μm程度が好ましい。
着色隠蔽層
基材シートと絵柄模様層との間には着色隠蔽層を設けてもよい。着色隠蔽層は、例えば、被着体の地色を隠蔽するために形成する。具体的には、透明性基材シートを用いる場合に適用できる。
基材シートと絵柄模様層との間には着色隠蔽層を設けてもよい。着色隠蔽層は、例えば、被着体の地色を隠蔽するために形成する。具体的には、透明性基材シートを用いる場合に適用できる。
着色隠蔽層は、基材シートのおもて面に着色インキを全面ベタ状に塗布することにより形成できる。着色インキは、前記印刷インキの中から選択できる。
着色インキを全面ベタ状に塗布する方法としては、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等が挙げられる。
着色隠蔽層の厚みは限定的ではないが、0.1〜5μm程度が好ましい。
透明性接着剤層
絵柄模様層のおもて面には、透明性接着剤層が形成されている。
絵柄模様層のおもて面には、透明性接着剤層が形成されている。
透明性接着剤層は、絵柄模様層と後記の透明性樹脂層とを接着するために設ける。
透明性接着剤層は、化粧シートの分野で公知の透明性接着剤(樹脂)から形成できる。例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂;熱硬化性ウレタン樹脂等の硬化性樹脂などから形成できる。その他、イソシアネートを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂も使用できる。
透明性接着剤は、透明性接着剤を全面ベタ状に塗布することにより形成できる。塗布方法は、着色隠蔽層の形成の場合と同じである。
透明性接着剤層の厚みは限定的ではないが、0.1〜30μm程度が好ましい。
透明性樹脂層
透明性接着剤層のおもて面には、透明性樹脂層が形成されている。
透明性接着剤層のおもて面には、透明性樹脂層が形成されている。
透明性樹脂層の一部又は全部は、ポリアミド樹脂層とする。このように透明性樹脂層の一部又は全部をポリアミド樹脂層とすることにより、化粧シートおもて面の耐擦傷性を向上できる。
ポリアミド樹脂層としては、樹脂中に繰り返し単位としてアミド結合を有するものなら限定されず、いわゆるナイロンからなる層が該当する。具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12等が挙げられる。これらの中でも、ナイロン6、ナイロン66及びナイロン12が好ましい。
透明性樹脂層は、上記ポリアミド樹脂層のみから形成してもよく、一部をポリアミド樹脂層としてもよい。一部をポリアミド樹脂層とする場合には、透明性樹脂層を2層以上の層から構成し、1層以上をポリアミド樹脂層とすればよい。なお、透明性樹脂層を2層以上から構成する場合には、当該透明性樹脂層のうちの少なくとも最表層をポリアミド樹脂層とすることが好ましい。
透明性樹脂層を2層以上から構成する場合には、ポリアミド樹脂層以外の層は、ポリオレフィン系樹脂層とすることが好ましい。2層以上から構成する場合には、各樹脂層は、熱ラミネート、ドライラミネート等により積層してもよいし、本発明の効果を妨げない範囲内において接着剤を用いて積層してもよい。
また、透明性樹脂層を2層以上から構成する場合には、少なくとも最表層をポリアミド樹脂層とし、ポリアミド樹脂層以外の層として、透明性樹脂層中に引張弾性が700MPa以上の樹脂層を含めることが好ましい。引張弾性の値は、特に800MPa以上が好ましく、1000〜2000MPa程度がより好ましい。なお、引張弾性の値は、JIS K7127(試験速度:50mm/min)に基づいて測定した値である。
ポリオレフィン系樹脂層を構成する樹脂は、基材シートの欄で説明した樹脂と同じものが使用できる。なお、透明性樹脂層であるため、当該ポリアミド樹脂層及びポリオレフィン系樹脂層は、いずれも透明性である。
透明性樹脂層の厚みは限定的ではないが、10〜500μm程度が好ましく、40〜100μm程度がより好ましい。透明性樹脂層を2層以上から構成する場合には、例えば、上段をポリアミド樹脂層とし、下段をポリオレフィン系樹脂層(好ましくは引張弾性が700MPa以上)とする2層構成が好ましい。上段及び下段の各層厚みは限定的ではないが、上段樹脂層(ポリアミド樹脂層)の厚みを10〜150μm程度とし、下段樹脂層(ポリオレフィン系樹脂層)の厚みを30〜350μm程度とすることが好ましい。
透明性樹脂層は、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等の成膜方法により形成できる。特に透明性樹脂層を2層以上から構成する場合には、Tダイ押出し法により2層以上を同時成膜することが好ましい。
透明性表面保護層
透明性樹脂層のおもて面には、電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂の透明性表面保護層が形成されている。これらの樹脂層を最表面に形成することにより、化粧シートに良好な耐摩擦性、耐衝撃性、耐汚染性等を付与できる。
透明性樹脂層のおもて面には、電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂の透明性表面保護層が形成されている。これらの樹脂層を最表面に形成することにより、化粧シートに良好な耐摩擦性、耐衝撃性、耐汚染性等を付与できる。
電離放射線硬化型樹脂としては、紫外線、電子線等の照射により架橋可能な重合性不飽和結合又はエポキシ基を分子中に有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの1種以上が使用できる。例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート樹脂;シロキサン等の珪素樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
電離放射線としては、前記樹脂を架橋硬化させ得る電磁波又は荷電粒子が使用できる。例えば、紫外線、電子線、可視光線、X線等が挙げられる。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等が挙げられる。紫外線の波長としては、190〜380nm程度が好ましい。紫外線を使用する場合には、前記樹脂中にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン類等の光重合開始剤を配合することが好ましい。また、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の光増感剤も配合できる。
電子線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。この中でも100〜1000keV程度(好ましくは100〜300keV程度)のエネルギーを有する電子を照射できるものが好ましい。
2液硬化型ウレタン系樹脂としては、主剤であるOH基を有するポリオール成分(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール等)と、硬化剤であるイソシアネート成分(トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート等)とを含むものが好適である。
透明性表面保護層は、透明性樹脂層のおもて面に電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂をグラビアコート、ロールコート等により塗工後、塗膜を硬化させることにより形成できる。
透明性表面保護層の厚みは限定的ではないが、0.1〜50μm程度が好ましく、1〜20μm程度がより好ましい。
被着体
本発明の化粧シートは、基材シート側を被着材に積層することにより化粧板となる。
本発明の化粧シートは、基材シート側を被着材に積層することにより化粧板となる。
被着体としては、平板、曲面板等の板材、立体形状物品などが挙げられる。具体的には、杉、檜、松、ラワン、チーク等の木材からなる単板、合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF);鉄、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、真鍮、Al−Mg合金等からなる金属板;アクリル樹脂、ポリカーボネート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアセテート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ABS樹脂、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、ゴム等からなる有機板などが挙げられる。その他、ガラス、陶磁器、アルミナ等のセラミックス;ALC(発泡軽量コンクリート)等のセメント硬化体;珪酸カルシウム、石膏等の非セメント窯業系材料なども挙げられる。
被着体への積層
化粧シートを被着体に積層する際には、接着剤を好適に使用できる。
化粧シートを被着体に積層する際には、接着剤を好適に使用できる。
接着剤としては、熱可塑性樹脂系接着剤、熱硬化性樹脂系接着剤、ゴム系接着剤等が好適である。
熱可塑性樹脂系接着剤としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー等が挙げられる。
熱硬化性樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等が挙げられる。
ゴム(エラストマー)系接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スフチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS,SIS,SEBS等)等が挙げられる。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
60μm厚の黒色着色ポリプロピレン(基材シート)のおもて面に、絵柄模様層をグラビア印刷した。
60μm厚の黒色着色ポリプロピレン(基材シート)のおもて面に、絵柄模様層をグラビア印刷した。
ウレタン系ドライラミネート用接着剤を用いて、絵柄模様層のおもて面に透明性樹脂層を積層した。透明性樹脂層は、2層構成からなり、上段を20μmのナイロン6の層とし、下段を60μmのポリプロピレン樹脂層(引張弾性:700MPa)とした。
透明性樹脂層のおもて面に電離放射線硬化型樹脂からなる透明性表面保護層を形成した。透明性表面保護層の厚みは15μmであった。
以上より、化粧シートを作製した。
実施例2
透明性樹脂層を1層構成(ナイロン6の層:厚み80μm)とした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
透明性樹脂層を1層構成(ナイロン6の層:厚み80μm)とした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
実施例3
下段のポリプロピレン樹脂層の引張弾性を1100MPaとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
下段のポリプロピレン樹脂層の引張弾性を1100MPaとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
比較例1
透明性樹脂層を1層構成(ポリプロピレン樹脂層:厚み80μm)とした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
透明性樹脂層を1層構成(ポリプロピレン樹脂層:厚み80μm)とした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
試験例1
実施例及び比較例で作製した化粧シートの耐擦傷性を調べた。
≪ホフマンスクラッチ試験≫
米国BYK−GARDNER社製のホフマンスクラッチ試験機を用いて試験を行った。具体的には、化粧材表面に対して45°の角度で接するようにスクラッチ刃(φ7の円柱形の刃)をセットし、試験機を化粧材上で移動させた。徐々に荷重(錘)を高めていき、化粧シート表面に擦り傷、圧痕等が生じるまで試験を繰り返し行った。
≪クレメンス試験≫
JIS K 5600−5−5に準拠して試験を行った。化粧材表面を引っ掻く針としては、ダイヤモンド製のものを用いた。
≪コインスクラッチ試験≫
コイン(10円玉)2枚を45°の角度で接するようにセットし(2点支持)、試験機を化粧材上で移動させた。徐々に荷重(錘)を高めていき、化粧シート表面に擦り傷、圧痕等が生じるまで試験を行った。
≪鉛筆硬度試験(高荷重評価)≫
鉛筆硬度試験機により試験を行った。試験機が水平位置のときに鉛筆の先が化粧シートに対して1000gの荷重を与えるように試験機を設定した以外は、JIS K 5600−5−4に準拠して試験を行った。
実施例及び比較例で作製した化粧シートの耐擦傷性を調べた。
≪ホフマンスクラッチ試験≫
米国BYK−GARDNER社製のホフマンスクラッチ試験機を用いて試験を行った。具体的には、化粧材表面に対して45°の角度で接するようにスクラッチ刃(φ7の円柱形の刃)をセットし、試験機を化粧材上で移動させた。徐々に荷重(錘)を高めていき、化粧シート表面に擦り傷、圧痕等が生じるまで試験を繰り返し行った。
≪クレメンス試験≫
JIS K 5600−5−5に準拠して試験を行った。化粧材表面を引っ掻く針としては、ダイヤモンド製のものを用いた。
≪コインスクラッチ試験≫
コイン(10円玉)2枚を45°の角度で接するようにセットし(2点支持)、試験機を化粧材上で移動させた。徐々に荷重(錘)を高めていき、化粧シート表面に擦り傷、圧痕等が生じるまで試験を行った。
≪鉛筆硬度試験(高荷重評価)≫
鉛筆硬度試験機により試験を行った。試験機が水平位置のときに鉛筆の先が化粧シートに対して1000gの荷重を与えるように試験機を設定した以外は、JIS K 5600−5−4に準拠して試験を行った。
これらの試験結果を下記表1に示す。
表1の結果からは、透明性樹脂層の一部又は全部(好ましくは全部)をポリアミド樹脂層から構成することにより、化粧シートおもて面の耐擦傷性を高められることが分かる。
Claims (7)
- 基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、透明性樹脂層、及び電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂からなる透明性表面保護層を順に有する化粧シートであって、前記透明性樹脂層の一部又は全部がポリアミド樹脂層であることを特徴とする化粧シート。
- 前記透明性樹脂層が2層以上からなり、当該透明性樹脂層のうちの少なくとも最表層がポリアミド樹脂層である、請求項1に記載の化粧シート。
- 前記透明性樹脂層が2層以上からなり、当該透明性樹脂層のうちの少なくとも最表層がポリアミド樹脂層であり、ポリアミド樹脂層以外の層がポリオレフィン系樹脂層である、請求項1に記載の化粧シート。
- 前記透明性樹脂層が2層以上からなり、当該透明性樹脂層のうちの少なくとも最表層がポリアミド樹脂層であり、ポリアミド樹脂層以外の層として、透明性樹脂層中に引張弾性が700MPa以上の樹脂層を含む、請求項1に記載の化粧シート。
- 前記ポリアミド樹脂層が、ナイロン6、ナイロン66及びナイロン12からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記透明性樹脂層の厚みが10〜500μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シートが被着体に積層されてなる化粧板。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012067552A (ja) * | 2010-09-27 | 2012-04-05 | Dainippon Printing Co Ltd | 床材用化粧シート |
JP2015148083A (ja) * | 2014-02-06 | 2015-08-20 | 東リ株式会社 | 床材 |
JP2017145584A (ja) * | 2016-02-16 | 2017-08-24 | 凸版印刷株式会社 | 床用化粧材 |
-
2005
- 2005-03-30 JP JP2005100104A patent/JP2006272930A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012067552A (ja) * | 2010-09-27 | 2012-04-05 | Dainippon Printing Co Ltd | 床材用化粧シート |
JP2015148083A (ja) * | 2014-02-06 | 2015-08-20 | 東リ株式会社 | 床材 |
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