JP2006271575A - 人工関節ステム - Google Patents

人工関節ステム Download PDF

Info

Publication number
JP2006271575A
JP2006271575A JP2005093455A JP2005093455A JP2006271575A JP 2006271575 A JP2006271575 A JP 2006271575A JP 2005093455 A JP2005093455 A JP 2005093455A JP 2005093455 A JP2005093455 A JP 2005093455A JP 2006271575 A JP2006271575 A JP 2006271575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bone
artificial joint
main body
stem
joint stem
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005093455A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4468849B2 (ja
Inventor
Shunichi Bando
舜一 板東
Nobuhiko Sugano
伸彦 菅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BI TEC KK
Original Assignee
BI TEC KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BI TEC KK filed Critical BI TEC KK
Priority to JP2005093455A priority Critical patent/JP4468849B2/ja
Publication of JP2006271575A publication Critical patent/JP2006271575A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4468849B2 publication Critical patent/JP4468849B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2/00Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
    • A61F2/02Prostheses implantable into the body
    • A61F2/30Joints
    • A61F2/32Joints for the hip
    • A61F2/36Femoral heads ; Femoral endoprostheses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F2/00Filters implantable into blood vessels; Prostheses, i.e. artificial substitutes or replacements for parts of the body; Appliances for connecting them with the body; Devices providing patency to, or preventing collapsing of, tubular structures of the body, e.g. stents
    • A61F2/02Prostheses implantable into the body
    • A61F2/30Joints
    • A61F2002/30001Additional features of subject-matter classified in A61F2/28, A61F2/30 and subgroups thereof

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Prostheses (AREA)

Abstract

【課題】 骨への早期固定を促進すると共に、薬剤等の効果を長期に亘って持続させることのできる人工関節ステムを提供する。
【解決手段】 人工関節ステム1に、骨2に穿設された挿入孔3の内面形状と略一致する外面形状とされた本体部4と、本体部4の先端側近傍の内部に形成された空洞部5と、空洞部5内に配置され、少なくとも本体部4と接する挿入孔3の内面の骨2に、薬剤16を付与する作用付与手段6と、本体部4の基端側に備えられ人工関節における球形状のヘッド部を取付けるネック部7とを具備させ、本体部4の先端側から挿入孔3に挿入されると共に、骨2にセメントレスで固定させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セメントレスタイプの人工関節ステムに関するもので、特に、骨への早期固定を促進することのできる人工関節ステムに関するものである。
従来より、人工関節のステムを骨に穿設した挿入孔に固定する方法として、所定の接着剤(セメント)を用いて骨に固定するセメントタイプのものが知られている。このセメントタイプでは、セメントの硬化によりステムが早急に固定されるので、患者の早期復帰を図ることができ、患者の負担を軽減させることができる。
しかしながら、セメントタイプでは、主剤と硬化剤とを混合することで硬化するセメントを用いており、撹拌不良や混合比不良等によりセメント中に未反応モノマーが残留すると、人体に有害な影響を及ぼす場合がある。また、セメントを骨に穿設された挿入孔に充填する際に、脂肪塞栓を引き起こす事例が報告されている。更に、長期間の使用に伴ってセメントに疲労破壊が発生し、再手術(再固定)する必要が生じた場合、骨からステムを容易に抜くことができず、既存の骨を残しながら以前のセメントを除去する作業が困難であり、再手術が難しいものとなっていた。
そこで、セメントを用いずにステムを固定するセメントレスタイプのものも知られている。このセメントレスタイプのステムは、ステムの外形形状と略同じ形状のヤスリを製作し、そのヤスリを用いて骨にステムの挿入孔を穿設することで、ステムの外面形状と挿入孔の内面形状とを略一致させ、骨がステム側に成長することでステムを骨に固定するようにしたものである。これにより、上述のようなセメントを用いることに起因する問題を解決することのできるものとなっている。
しかしながら、セメントレスタイプのステムでは、骨の成長によりステムを固定するようにしているので、骨とステムとの間の隙間が完全に埋まるまでに数ヶ月という長期の安静期間を必要とし、特に高齢者の場合、長期安静により筋力などが衰えてしまい却って寝たきりになってしまう問題があった。また、ステムの外面形状は加工性や挿入性等の制約により、骨髄腔の内面形状に対しては一致した形状となっておらず、骨の海綿質部に対してステムが固定されることとなるため、ステムを強固に固定することができず、ステムに緩みが発生する問題があった。そこで、早期に社会復帰させるために、ステムの表面に所定の凹凸を付けた上で骨の挿入孔に打ち込んで、通常の生活では緩まない程度の初期固定を得るようにしたものが知られている。
ところで、ステムを骨に埋設することで生体拒絶反応が発生したり、細菌等による感染症が発生したりする恐れがあり、ステムの表面に薬剤を塗布した上で骨に挿入して人体内に埋設する方法が知られている。しかしながら、ステム表面に薬剤を塗布した場合、付着する薬剤の量が微量で、早急に消費されてしまい長期に亘って薬効を持続させることが困難であった。そこで、ステムの上部に薬剤を充填したリザーバーを設けることで、より多くの薬剤を保持し、長期に亘って薬効を持続可能としたものが提案されている(特許文献1)。
また、ステムの埋設により、特に、感染症が発生した場合、抗生剤を経口投与しても細菌を抑えることができないため、より患部に近い部位に抗生剤を投与することが望ましく、現状の感染したステムを抜去し、人工関節の形をした抗生剤の入った骨セメントを一旦挿入し、その抗生剤により感染症が治まったら新しいステムを挿入する方法が知られている。この骨セメントとして多孔体セラミックスに抗生剤を含浸したものが提案されている(特許文献2)。
特開2004−277421号公報 特開2000−350779号公報
しかしながら、従来のセメントレスタイプのステムでは、骨にステムを打ち込むことでアンカー効果という楔と摩擦による固定をしているが、その際に骨が損傷し疼痛の発生原因となる恐れがあった。また、骨の強度の弱い高齢者や、骨粗鬆症の患者の場合、骨髄腔が拡大し骨表面の緻密質部が薄くなっており、ステムをハンマーで骨に打ち込むような手術に耐えることができず、セメントレスタイプのステムを用いることができなかった。
また、従来のステムは、所定の強度剛性を必要とされると共に、人体に影響の少ないものとされ、コバルト合金やTi−6Al−4Vなどのチタン合金が主に用いられているが、これら合金は難切削材であり、特にセメントレスタイプのステムに用いた場合、その外形形状を、骨の挿入孔(骨髄腔)の内面形状と略一致した形状に加工することが困難であり、形状の不一致により局部的な片辺り現象が発生し、骨の一部に集中荷重が作用して骨が破損したり、回転固定性が悪く緩みが発生したりして耐久性の良いものとは言えなかった。
ところで、骨は通常、常に吸収と再生を繰り返しており、一般の構造物のように一定の形状に固定されているわけではない。そのため、骨に力が作用すると太くなり、作用しなければ次第に細くなる。そして、人工関節ステムを骨に埋め込むことで、骨の上部骨端部等には力が作用しなくなり、骨が細くなって骨折し易くなる。このように、骨に応力が作用しなくなって骨が痩せてしまう現象をストレス・シールディング(Stress Shielding)と呼び、人工関節に特有の問題がある。これを改善するために、出来る限り骨の上部骨端部に力が作用するようにする必要があるが、セメントタイプではセメントの強度が低いため長さを短縮することは困難であるし、長いステムでは接着部の両端に集中して力が伝達されるので、結果的に骨端部から遠い遠位部で固定(遠位固定)されることとなり、ストレス・シールデスングの発生を防止することは困難であった。
一方、セメントレスタイプでも従来のステムのように長いものを密着させると遠位固定となり、上述のストレス・シールディングが発生する。そのため、従来のセメントレスタイプのステムでは「近位部」とよばれる骨の上部骨端部に相対するステムの表面に凹凸をつけ、アンカー効果という摩擦力で力を伝達すると共に、その下端部は表面を平滑・鏡面状態として、骨との接合をなくすことで、骨端部の近位で固定されるような「近位固定」という方法が取られている。しかしながら、現実には構想通りに力が伝達されず、ストレス・シールディングの発生を抑えることができなかった。
上述の問題は、骨に穿設された挿入孔の内面形状とステムの外面形状との不一致によるものがある。詳しくは、骨への挿入孔の穿設は、近年、手術用ロボットの登場により高精度で穿設できるようになったものの、殆どの手術では、未だに医師の手作業により穿設されている。そのため、ステムが高精度に仕上げられていても、挿入孔の精度が悪く、例えば、骨とステムとの隙間が2mm以上あると、通常の骨の成長ではその隙間が埋められることは略永久に期待することができなかった。また、高齢者等の場合、骨髄腔が拡大しているため、患者の体のサイズに対して大きめのステムが必要となり、そのため、関節の形状バランスが崩れると共に、骨に対してステムの剛性が相対的に高くなり、ストレス・シールディングが発生し痛みの原因となっていた。
そのため、骨の成長を促進させるような薬剤を投与して、早期にステムを骨に固定させることが考えられるが、特許文献1のものでは、リザーバーの開口部が関節腔に向けて開口しているので、薬剤が骨とステムとの間に浸入し難く、骨の成長を促進させることが困難で、セメントレスタイプのステムに適用することができなかった。また、特許文献1のものでは、そのリザーバーに抗生剤等の薬剤を充填することで、関節腔に対しては細菌等による感染症の予防効果が期待できるが、骨とステムとの間に対しての感染症の予防効果は、上述と同様の理由により期待することができなかった。
そのため、細菌等に感染した場合は、感染したステムを抜去して特許文献2のものを挿入する手術をした上で、感染症が治まった後に新しいステムを挿入する手術をすることとなり、二度に亘って手術をすることで患者に大きな負担を与える問題があった。また、特許文献2のものは、多孔体セラミックスを用いているので、恒久的に埋め込まれるステムとするには強度剛性が不十分であると共に、金属ステムと比較しても多孔体セラミックによるステムは特殊な焼成による成型を必要とするためステムのコストが増大する問題がある。
なお、特許文献1のものと特許文献2のものとを組み合わせて、多孔体の金属ステムとすることが考えられるが、セラミックスと同様に金属を多孔体とするためには特殊な焼成が必要になると共に、従来の金属ステムよりも強度剛性が低下するため、恒久的なステムとして用いることは困難である。また、ステムの素材を金属に代えて複合材料としても、複合材料を多孔体に形成するのは容易ではなく、何れにしても特許文献1及び2を組み合わせても所望とするステムを得ることができないのが現状であった。
そこで、本発明は、上述の実情に鑑み、骨への早期固定を促進すると共に、薬剤等の効果を長期に亘って持続させることのできる人工関節ステムの提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る人工関節ステムは、「骨に穿設された挿入孔の内面形状と略一致するような外面形状とされた本体部と、該本体部における先端側近傍の内部に形成された空洞部と、該空洞部内に配置され、少なくとも前記本体部と接する前記挿入孔の内面の骨に、所定の生理学的な作用を付与する作用付与手段と、前記本体部の基端側に備えられ、人工関節における球形状のヘッド部を取付けるネック部とを具備し、前記本体部の先端側から前記挿入孔に挿入されると共に、骨にセメントレスで固定される」構成とするものである。
ここで、「作用付与手段」としては、例えば、「骨の成長を促進する成長因子とよばれるBMP(Bone Morphogeneic Protein)を薬剤としたもの」、「TGFβ」、「感染を抑止する抗生剤」、「骨の成長を促進する超音波を発信可能なマイクロマシン」、「痛みを緩和させるための鎮痛剤」、等が挙げられる。なお以下、薬剤とは、上述のBMP、抗生剤、鎮痛剤等を含むものの総称として用いることとする。
また、空洞部内に作用付与手段を配置する方法としては、本体部を成形する際に予め作用付与手段を埋設した状態で成形する方法、本体部を分割可能に構成し本体部を分割することで空洞部内に作用付与手段を配置する方法、本体部の端(例えば、先端)に空洞部を開口させその開口から作用付与手段を空洞部内に配置する方法、等が挙げられる。
本発明の人工関節ステムによると、人工関節ステムにおける本体部の先端側近傍の内部に空洞部を備え、その空洞部内に作用付与手段を配置したものである。これにより、作用付与手段を、挿入孔の内面と本体部の外面とが接する位置に、可及的に近づけることが可能となり、確実に挿入孔の内面に作用させることができる。例えば、作用付与手段として、骨の成長を促進させるものの場合、挿入孔内面の骨の成長を促進させて、短期間で骨と人工関節ステムとの間の隙間を完全に埋めることが可能となり、短期間で患者を社会復帰させることができる。また、骨の成長を促進させることができるので、挿入孔の精度が悪くて人工関節ステムとの隙間が大きくなっても、その隙間を埋めることができるので、手作業により穿設された挿入孔にも対応することが可能となり、手術用ロボット等を備えていない医療機関でも人工関節ステムを良好に用いることができる。
また、作用付与手段を本体部の空洞部内に配置しているので、作用付与手段を所定の薬剤とした場合、従来のようにステムの表面に薬剤を塗布した場合と比較して、より多くの薬剤を保持することができるので、より長期(例えば、数ヶ月(2〜4ヶ月))に亘って薬効を維持することができ、人工関節ステムを確実に骨に固定することができる。
更に、早期に人工関節ステムを骨に固定することができるので、従来のセメントレスタイプのステムのように、固定する際に、骨にステムを打ち込む必要がないので、高齢者や骨粗鬆症の患者にも用いることができる。
ところで、従来では、感染症の予防のために人工関節ステムの埋め込み手術から約48時間の間抗生剤の投与を行うのが一般的であったが、その期間内の投与だけでは充分な予防効果が得られないことがあった。しかしながら、本発明の人工関節ステムによると、長期に亘って薬効を維持することができるので、細菌等を略完全に死滅させることが可能となり、感染症の発生を予防することができる。
また、本発明の人工関節ステムは、感染症が発生した従来のステムの差し替え用のステムに用いるのにも好適である。この場合、上述と同様の理由により感染症を抑制して治すことができるので、従来のように、感染したステムを抜去して感染症を治療するための手術と、感染症の治癒後に新たなステムを埋め込む手術の二度に亘る手術をしなくても、感染したステムを抜去して本発明の人工関節ステムを埋め込む手術をするだけで感染症の治療も行うことができるので、一度の手術で済み、患者に与える負担を軽減させることができる。
なお、人工関節ステムとしては、股関節、膝関節、など特に限定するものではないが、股関節に用い大腿骨に埋め込まれる人工関節ステムに適用することが望ましい。また、骨に穿設する挿入孔としては、骨髄腔の内面形状に略沿った形状とすることが望ましい。更に、人工関節ステムの材料としては、従来のステムと同様に、コバルト合金やTi−6Al−4Vなどのチタン合金としても良いし、繊維強化樹脂(例えば、炭素繊維強化樹脂)等の複合材料としても良い。
本発明に係る人工関節ステムは、上記の構成に加えて、「前記本体部の外面と前記空洞部とを連通させる複数の連通孔を更に具備する」構成とすることもできる。
ここで、「連通孔」としては、その直径が約0.1〜2mmの範囲内が望ましく、これよりも小さくても大きくても作用付与手段を充分に作用させることができなくなる恐れがあるためであり、また、これよりも小さいと加工が困難になるためであり、これよりも大きいと人工関節ステムの強度が低下する恐れがあるためである。
本発明の人工関節ステムによると、連通孔を通して作用付与手段を、人工関節ステムと接する骨に直接作用させることができるので、作用付与手段の作用効果をより高めることが可能となり、より短期間で人工関節ステムを骨に固定することができる。また、連通孔内にまで骨が成長すれば、骨と人工関節ステムとの機械的結合が更に強くなり、より強固に人工関節ステムが骨に固定され、緩みの発生などを確実に防止することができる。
また、作用付与手段を所定の薬剤とした場合、連通孔を通って人工関節ステム内の薬剤を骨に浸出させたり、細胞間液や骨髄液等の体液が連通孔を通って人工関節ステム内へと浸入させた上で薬剤と混合させ、再び連通孔を通って人工関節ステム外へと浸出させて薬剤を挿入孔内つまり骨髄腔内に供給させたりすることができる。
本発明に係る人工関節ステムは、上記の構成に加えて、「前記本体部の外面に、底部に前記連通孔が開口する複数の溝を更に具備する」構成とすることもできる。
ここで、「溝」としては、その幅及び深さが約0.25〜1mmの範囲内が望ましく、これよりも小さいとアンカーとしての効果が期待できないためであり、これよりも大きいと骨が成長してアンカー効果が発揮されるまでの期間が長くなりすぎるためである。なお、溝の数や向きについては特に限定するものではないが、骨の繊維方向に略沿った溝を少なくとも備えていることが望ましく、人工関節ステムの軸方向に沿った溝では、回転固定性を向上させることができ、軸直角方向に沿った溝では抜け防止を向上させることができ、人工関節ステムの位置によってそれら溝を適宜備えるようにしても良い。また、溝を人工関節ステムの軸方向に対して斜め又はスパイラルに設けるようにしても良い。
本発明の人工関節ステムによると、溝内に骨が成長することで骨と人工関節ステムとの機械的結合を更に強固なものとすることができる。また、溝の底部に連通孔が開口しているので、連通孔から外部へ浸出する薬剤等が溝を伝ってより広く拡散し、薬剤等の作用効果を更に高めて、より早期に人工関節ステムが骨に固定されるようにして、患者の早期社会復帰を可能とすることができる。
また、例えば、軸方向に沿った溝を全体に備えつつ、軸直角方向に沿った溝を近位側に多く備えるようにした場合、人工関節ステムを近位固定することができると共に、軸方向に沿った溝により作用付与手段としての薬剤を拡散させることができる。
本発明に係る人工関節ステムは、上記の構成に加えて、「前記本体部の先端に、前記作用付与手段を前記空洞部内に配置するための開口が形成され、該開口を閉鎖するキャップを更に具備する」構成とすることもできる。
本発明の人工関節ステムによると、本体部の先端に空洞部に続く開口が形成されているので、その開口を介して作用付与手段を容易に空洞部内に配置することができると共に、開口を閉鎖するキャップを備えているので、空洞部内に配置された作用付与手段が、手術中などの際に、空洞部内から脱落するのを防止することができる。
本発明に係る人工関節ステムは、上記の構成に加えて、「前記作用付与手段が、所定の薬剤であり、該薬剤が前記連通孔を介して前記本体部の外面に浸出可能とされている」構成とするものである。
ここで、「浸出可能」としては、例えば、「浸透膜で薬剤を包み、外部の体液の浸透圧により薬剤が外部に浸出するようにしたもの」、「薬剤を液溶性の固体(例えば、粉末や顆粒状等)として、体液により溶解することで浸出するようにしたもの」、「薬剤を高分子吸収体等に吸収させてゲル状とし、体液により溶出するようにすることで浸出するようにしたもの」、「体液により溶解する容器内に固体又は液体の薬剤を封入し、容器が体液によって溶解することで薬剤が浸出するようにしたもの」、等が挙げられる。
本発明の人工関節ステムによると、作用付与手段を薬剤とし、連通孔を介して浸出可能としたものであり、これにより、本体部の外面、つまり、本体部と接する骨に薬剤を直接作用させることができるので、薬剤の薬効を高めることができる。特に、薬剤として骨の成長を促進するものとした場合、人工関節ステムと接する骨の成長を直接的に促進することができるので、より短期間で人工関節ステムを骨に固定することができる。
本発明に係る人工関節ステムは、上記の構成に加えて、「前記作用付与手段は、所定の超音波を発信可能なマイクロマシンである」構成とするものである。
ここで、「マイクロマシン」としては、骨の成長を促進する所定の超音波(例えば、1〜2MHzの音波)を発信可能なものであれば良く、電源内蔵型のものであっても良いし、外部から高周波を照射することで電源を供給するタイプのものであっても良い。
本発明の人工関節ステムによると、所定の超音波を発信可能なマイクロマシンを人工関節ステムに内蔵したものであり、これにより、作用付与手段としてのマイクロマシンから本体部と接する骨に超音波を作用させて、骨の成長を促進させ、早期に人工関節ステムを骨に固定することができる。なお、人工関節ステムの材料を複合材料とすることが望ましく、これにより、マイクロマシンからの超音波を良好に骨に伝達させることができる。また、人工関節ステムの材料を従来と同じくチタンなどの合金製とした場合、マイクロマシンからの超音波が骨に伝わり難くなるので、上述の連通孔を複数備えるようにすることが望ましい。
本発明に係る人工関節ステムは、上記の構成に加えて、「前記本体部は、前記挿入孔の内面と接し捩り剛性を高めた外側層と、該外側層の内側に配置され曲げ剛性を高めた主構造層と、該主構造層の内側に配置され前記空洞部の内壁となる最内層とを備え、前記本体部及び前記ネック部が複合材料により形成されている」構成とすることもできる。
ここで、「複合材料」としては、繊維強化樹脂を用いることができ、特に、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を炭素繊維で強化したものを用いることが望ましい。
本発明の人工関節ステムによると、本体部及びネック部を複合材料により形成すると共に、本体部を、捩り剛性を高めた外側層と、曲げ剛性を高めた主構造層と、空洞部を形成するための最内層とで構成したものであり、外側層の捩り剛性、主構造層の曲げ剛性、外側層と主構造層との割合を、夫々適宜設定することができ、これにより、患者に応じて最適な剛性を備えた人工関節ステムとすることができる。
また、型を用いて成形することができるので、例えば、人工関節ステムを固定する患者の骨を、CT、MRIなどの非破壊断面撮影装置を用いて幾つもの断面を撮影し、それら断面画像を基に3次元CADにより立体的に結合して数値データを作成し、その数値データを基にコンピュータ制御された手術用ロボットなどで、所定の内面形状を備えた挿入孔を患者の骨に穿設すると共に、同じ数値データを基に型を作成し、その型を基にステムの外形形状を成形することで、人工関節ステムの外面形状と挿入孔の内面形状とが略一致した形状のものとすることができ、より初期固定性の高いものとすることができると共に、近位固定を実現することができ、ストレス・シールディングの発生を防止することができる。
上記のように本発明によると、骨への早期固定を促進すると共に、薬剤等の効果を長期に亘って持続させることのできる人工関節ステムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態である人工関節ステムについて、図1及び図2に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る人工関節ステムの一例を要部拡大断面図と共に示す正面図である。図2(A)は図1に示す人工関節ステムの側面断面図であり、(B)は先端のキャップを外した状態で示す図である。本例の人工関節ステムは、接着剤(セメント)を用いずに、骨に穿設された挿入孔に固定することのできるセメントレスタイプの人工関節ステムである。
図示するように、本例の人工関節ステム1は、骨2に穿設された挿入孔3の内面形状と略一致するような外面形状とされた本体部4と、本体部4における先端側近傍の内部に形成された空洞部5と、空洞部5内に配置され、少なくとも本体部4と接する挿入孔3の内面の骨2に所定の生理学的な作用を付与する作用付与手段6と、本体部4の基端側に備えられ人工関節における球形状のヘッド部(図示しない)を取付けるネック部7とを具備するものである。
この人工関節ステム1は、本体部4の外面と空洞部5とを連通させる複数の連通孔8と、連通孔8がその底部9に開口し本体部4の外面に複数形成された溝10と、本体部4の先端に形成された作用付与手段6を空洞部5内に配置するための開口11を閉鎖するキャップ12とを更に具備するものである。
本体部4は、骨2の挿入孔3の内面と接し捩り剛性を高めた外側層13と、ネック部7から続き外側層13の内側に配置され曲げ剛性を高めた主構造層14と、主構造層14の内側に配置され空洞部5の内壁となる最内層15とを備えている。本体部4及びネック部7は、図示するように、一体に構成され、樹脂としてPEEK等を用いた炭素繊維強化樹脂により形成されている。
作用付与手段6は、所定の薬剤16と、薬剤16を包む浸透膜17とから構成されている。この薬剤16としては、骨の成長を促進するBMP、細菌などの感染を抑止する抗生剤(例えば、Basic FGF、ゲンタマイシン、ジベカシン、カネンドマイシン、リビドマイシン、トブラマイシン、アミカシン、フラジオマイシン、シソマイシン、テトラサイクリン、塩酸塩、オキシテトラサイクリン、塩酸塩、ロリテトラサイクリン、ドキシサイクリン塩酸塩、アンピシリン、ピペラシリン、チカルシン、セファロチン、セファロリジン、セフォチアム、セフスロジン、セフメノキシム、セフメタゾール、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モキソラクタム、ラタモキセフ、チエナマイシン、スルファゼシン、アズトレオナム)、痛みを緩和させる鎮痛剤(例えば、ブピバカイン、ロピバカイン、ジブカイン、エチドカイン、テトラカイン、リドカイン、キシロカイン、プロカイン、クロロプロカイン、メピビカイン、シンコカイン、プリロカイン、コカイン、ベンゾカイン、ブタンベンおよびモルヒネ、)、等を単独で、或いは適宜混合して用いることができる。また、浸透膜17は、公知のものを用いることができる。
連通孔8は、その直径が約0.1〜2mmの範囲内とされており、これよりも小さくても大きくても作用付与手段6を充分に作用させることができなくなる恐れがあるためである。また、これよりも小さいと加工が困難になるためであり、これよりも大きいと人工関節ステム1の強度が低下する恐れがあるためである。
溝10は、本例では、図示するように、人工関節ステム1の軸方向に延びるものと、軸直角方向に延びるものとで構成されており、その断面形状は、矩形状又は半円形状とすることが望ましい。なお、溝10の幅及び深さは、約0.25〜1mmの範囲内とされており、これよりも小さいとアンカーとしての効果が期待できないためであり、これよりも大きいと骨が成長してアンカー効果が発揮されるまでの期間が長くなりすぎるためである。
キャップ12は、本例では、弾性力により本体部4の先端に形成された係止部に係止されるようになっており、本体部4と同様に、炭素繊維強化樹脂により形成されている。なお、キャップ12を、PEEK等の樹脂を用いた射出成形により形成するようにしても良い。
次に、本実施形態の人工関節ステム1の作用について説明する。この人工関節ステム1は、まず、人工関節ステム1を固定する患者の骨2を、CT、MRIなどの非破壊断面撮影装置を用いて幾つもの断面を撮影し、それら断面画像を基に3次元CADにより立体的に結合して数値データを作成した上で、その数値データを基にコンピュータ制御された手術用ロボットなどで、所定の内面形状を備えた挿入孔3を患者の骨2に穿設する。一方、同じ数値データを基に所定の成形型を作成し、その成形型を用いて人工関節ステム1を成形することで、人工関節ステム1の外形形状を挿入孔3の内面形状と略一致した形状のものとすることができる。
なお、空洞部5は、この人工関節ステム1を成形する際に、例えば、本体部4の先端側から変形可能なマンドレルを挿入することで空洞部5を形成するようにしても良いし、或いは、成形後に取出可能な充填材や発泡材を空洞部5の位置に配置して成形後に充填材等を取出すことで空洞部5を形成するようにしても良いし、更には、切削工具により空洞部5を切削することで形成するようにしても良い。
このようにして形成された人工関節ステム1の空洞部5内に、その先端に形成された開口11を介して、所定の薬剤16を有した作用付与手段6を挿入し、先端の開口11をキャップ12により閉鎖する。そして、この人工関節ステム1を、骨2に穿設された挿入孔3に挿入する。その際、キャップ12の先端が、図示するように、丸い形状とされているので、引っ掛かることなく、容易に挿入孔3に挿入することができるようになっている。つまり、キャップ12が、骨2の挿入孔3に挿入する際のガイドの役割をするようになっている。そして、挿入孔3に挿入された人工関節ステム1は、その外面形状が挿入孔3の内面形状と略一致する形状とされているので、ガタツクことなく的確に位置決めされ、患者の骨2に埋設されることとなる。
骨2に埋設された人工関節ステム1は、その後、骨髄腔内の骨髄液等の体液が、本体部4の表面に形成された複数の連通孔8を介して空洞部5内へと浸入し、空洞部5内の作用付与手段6が体液中に浸漬される。そして、体液との浸透圧の違いなどにより浸透膜17を通過して薬剤16が空洞部5内へ、更に、連通孔8を通って本体部4の表面に浸出し、複数の溝10により、本体部4の表面全体に拡散する。これにより、挿入孔3内面の骨2の成長が促進され、本体部4の表面に向かって骨2が成長する。
そして、本体部4の表面に向かって成長する骨2が、本体部4の表面と接触すると共に、溝10内に進入することで、骨2と人工関節ステム1とが機械的に強固に結合され、通常の生活では緩まない程度の固定が得られるので、患者は日常生活に復帰することができる。
なお、空洞部5内における作用付与手段6の薬剤16は、数ヶ月(2〜4ヶ月)に亘って、人工関節ステム1から浸出し続けるので、更に、骨2の成長が促進され、より強固に人工関節ステム1が骨2に固定されることとなる。
このように、本実施形態の人工関節ステム1によると、作用付与手段6を、挿入孔3の内面と本体部4の外面とが接する位置に、可及的に近い位置に配置しているので、連通孔8を通して作用付与手段6の薬剤16を確実に挿入孔3の内面に作用させることができ、挿入孔3内面の骨2の成長を促進させて、短期間で骨2と人工関節ステム1との間の隙間を完全に埋めることが可能となり、短期間で患者を社会復帰させることができる。
また、従来のようにステムの表面に薬剤を塗布した場合と比較して、空洞部5内により多くの薬剤16を保持することができるので、より長期(例えば、数ヶ月(2〜4ヶ月))に亘って薬効を維持することができ、人工関節ステム1を確実に骨2に固定することができる。また、抗生剤を含んだ薬剤16とすることで、人工関節ステム1の埋め込み手術による細菌等の感染症の発生を長期に亘って抑制することができるので、細菌等を略死滅させることができ、感染症が発生するのを防止することができる。
更に、本体部4の外面に、底部9に連通孔8が開口する溝10を形成しているので、溝10内に骨2が成長することで骨2と人工関節ステム1との機械的結合を更に強固なものとすることができると共に、連通孔8から外部へ浸出する薬剤16等が溝10を伝ってより広く拡散させることが可能となり、薬剤16等の作用効果を更に高めて、より早期に人工関節ステム1が骨2に固定されるようにして、患者の早期社会復帰を可能とすることができる。
また、本体部4及びネック部7を炭素繊維強化樹脂からなる複合材料により形成しているので、患者に応じて最適な剛性を備えた人工関節ステム1とすることができると共に、型を用いて成形しているので、人工関節ステム1の外面形状と挿入孔3の内面形状とが略一致した形状のものとすることが容易にでき、より初期固定性の高いものとすることができる上に、近位固定を実現することができ、ストレス・シールディングの発生を防止することができる。
なお、本実施形態の人工関節ステム1を感染症が発生した従来のステムの差し替え用のステムとして用いても良く、この場合、上述と同様の理由により感染症を抑制して治すことができるので、従来のように、感染したステムを抜去して感染症を治療するための手術と、感染症の治癒後に新たなステムを埋め込む手術の二度に亘る手術をしなくても、感染したステムを抜去して本発明の人工関節ステムを埋め込む手術をするだけで感染症の治療も行うことができるので、一度の手術で済み、患者に与える負担を軽減させることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、本実施形態の人工関節ステム1では、複合材料を用いた人工関節ステム1を示したが、これに限定するものではなく、例えば、従来のステムと同様に、コバルト合金やTi−6Al−4Vなどのチタン合金、等を用いたものとすることもでき、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、本実施形態では、本体部4の先端に空洞部5が開口するものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、本体部4を、分割可能に構成し、その分割した何れかの内部に空洞部を形成すると共に、複数の連通孔を介して空洞部内の作用付与手段の薬剤が表面に浸出するようにしても良い。具体的には、図3に示すように、この人工関節ステム20は、その本体部4が軸方向の途中において、基端部21と先端部22とに分割可能とされており、基端部21と先端部22とは互いにネジ結合されるようになっている。なお、上述の人工関節ステム1と略同じ構成のものについては、同一の符号を付すと共に詳細な説明は省略する。この先端部22の内部には基端部21側に開口11を有する空洞部5が形成されていると共に、先端部22の外面と空洞部5とを連通する連通孔8が複数備えられている。そして、空洞部5内に作用付与手段6が挿入配置されている。この人工関節ステム20によっても、上記と同様の作用効果を奏することができる。なお、この人工関節ステム20は、従来と同様に、チタン合金等の金属製としても良いし、複合材料製としても良い。また、上記の実施形態と同様に、その表面に複数の溝10を備えるようにしても良い。更に、先端部22を上記のキャップ12として捉えても良く、キャップ12内に作用付与手段6を保持する空洞部5を形成しても良い。また、人工関節ステム20では、空洞部5を先端部22側に備えたものを示したが、基端部21側に空洞部5を備えるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、作用付与手段6として、薬剤16を浸透膜17で包んだものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、薬剤を液溶性の固体(例えば、粉末や顆粒状等)として直接空洞部5内に配置して体液により溶解させるようにしたり、薬剤を高分子吸収体等に吸収させてゲル状とし体液により溶出するようにしたり、体液により溶解する容器内に固体又は液体の薬剤を封入し体液によって容器を溶解させるようにしたりしても良く、上記と同様の作用効果を奏することができる。なお、薬剤の種類によって浸出する時間を変化させるようにしても良く、これにより、手術後の変化に応じた薬剤を供給することができる。
また、上記の実施形態では、作用付与手段6として、骨2の成長を促進するBMP、感染を抑止する抗生剤、痛みを緩和させる鎮痛剤、等の薬剤16を示したが、これに限定するものではなく、例えば、骨の成長を促進する超音波を発信可能なマイクロマシンとしても良く、これにより、上記と同様に、早期に人工関節ステムを骨に固定することができる。なお、発信する超音波としては1〜2MHzのものとすることが望ましく、また、人工関節ステムの材料としては、超音波の透過性の良い複合材料を用いることが望ましい。
更に、上記実施形態では、人工関節ステム1を挿入する挿入孔3を、手術用ロボットにより穿設するものを示したが、これに限定するものではなく、手作業により穿設した挿入孔3としても良い。この場合でも、挿入孔3の内面形状を人工関節ステム1の外形形状に可及的に一致させることが望ましく、人工関節ステム1の形状と同じ形状に製作されたヤスリを用いて挿入孔3を穿設することが更に望ましい。これによっても、上記と同様の作用効果を奏すると共に、手術用ロボットを備えていない場合でも、本例の人工関節ステム1を好適に患者の骨2に埋め込むことができる。
本発明に係る人工関節ステムの一例を要部拡大断面図と共に示す正面図である。 (A)は図1に示す人工関節ステムの側面断面図であり、(B)は先端のキャップを外した状態で示す図である。 図1とは異なる本発明の人工関節ステムの一例を示す正面図である。
符号の説明
1 人工関節ステム
2 骨
3 挿入孔
4 本体部
5 空洞部
6 作用付与手段
7 ネック部
8 連通孔
9 底部
10 溝
11 開口
12 キャップ
13 外側層
14 主構造層
15 最内層
16 薬剤
17 浸透膜
20 人工関節ステム

Claims (7)

  1. 骨に穿設された挿入孔の内面形状と略一致するような外面形状とされた本体部と、
    該本体部における先端側近傍の内部に形成された空洞部と、
    該空洞部内に配置され、少なくとも前記本体部と接する前記挿入孔の内面の骨に、所定の生理学的な作用を付与する作用付与手段と、
    前記本体部の基端側に備えられ、人工関節における球形状のヘッド部を取付けるネック部とを具備し、
    前記本体部の先端側から前記挿入孔に挿入されると共に、骨にセメントレスで固定されることを特徴とする人工関節ステム。
  2. 前記本体部の外面と前記空洞部とを連通させる複数の連通孔を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の人工関節ステム。
  3. 前記本体部の外面に、底部に前記連通孔が開口する複数の溝を更に具備することを特徴とする請求項2に記載の人工関節ステム。
  4. 前記本体部の先端に、前記作用付与手段を前記空洞部内に配置するための開口が形成され、該開口を閉鎖するキャップを更に具備することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか一つに記載の人工関節ステム。
  5. 前記作用付与手段が、所定の薬剤であり、
    該薬剤が前記連通孔を介して前記本体部の外面に浸出可能とされていることを特徴とする請求項2から請求項4までの何れか一つに記載の人工関節ステム。
  6. 前記作用付与手段は、所定の超音波を発信可能なマイクロマシンであることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか一つに記載の人工関節ステム。
  7. 前記本体部は、
    前記挿入孔の内面と接し捩り剛性を高めた外側層と、
    該外側層の内側に配置され曲げ剛性を高めた主構造層と、
    該主構造層の内側に配置され前記空洞部の内壁となる最内層とを備え、
    前記本体部及び前記ネック部が複合材料により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7までの何れか一つに記載の人工関節ステム。
JP2005093455A 2005-03-29 2005-03-29 人工関節ステム Expired - Fee Related JP4468849B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005093455A JP4468849B2 (ja) 2005-03-29 2005-03-29 人工関節ステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005093455A JP4468849B2 (ja) 2005-03-29 2005-03-29 人工関節ステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006271575A true JP2006271575A (ja) 2006-10-12
JP4468849B2 JP4468849B2 (ja) 2010-05-26

Family

ID=37206899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005093455A Expired - Fee Related JP4468849B2 (ja) 2005-03-29 2005-03-29 人工関節ステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4468849B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013090696A (ja) * 2011-10-24 2013-05-16 Shinkan Kogyo Kk 組織体の製造方法及び組織体形成用基材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013090696A (ja) * 2011-10-24 2013-05-16 Shinkan Kogyo Kk 組織体の製造方法及び組織体形成用基材

Also Published As

Publication number Publication date
JP4468849B2 (ja) 2010-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10349993B2 (en) Drug delivery implants
US8858207B2 (en) Total knee joint mold and methods
KR101257450B1 (ko) 인간 사지의 감염 치료용 일회용 기구
AU2003250711B2 (en) Implant for implanting in bone tissue or in bone tissue supplemented with bone substitute material
JP3901717B2 (ja) 複合材料を用いたセメントレス型人工関節ステム
CN1307952C (zh) 螺钉锚定的关节假体
US20220296376A1 (en) Ameliorating joint conditions including injuries and diseases
US20070270954A1 (en) Human bone substitutional implant
JP6005106B2 (ja) 整形外科インプラントシステム
US9681906B2 (en) Fixation of bone implants
CN104042361A (zh) 用于植入式髋关节假体的股骨部件
WO2007093192A1 (en) Surgical boring tool set
AU2003213264B2 (en) Penile prosthesis implant insertion tool
JP5658154B2 (ja) 薬物送達インプラント
JP4468849B2 (ja) 人工関節ステム
US9452058B2 (en) Artificial implant for carpometacarpal joint
CN220558143U (zh) 一种修复关节骨缺损定制式3d打印假体
CN216603038U (zh) 一种治疗桡骨远端脆性骨折的骨水泥增强型髓内钉
JP2005087243A (ja) 人工関節用中遠位チップ
CA2735235A1 (en) Drug delivery implants
JP2000245756A (ja) 人工骨補填材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4468849

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160305

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees