JP2006270345A - 情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体 - Google Patents

情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体 Download PDF

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義人 石橋
Susumu Kusakabe
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Abstract

【課題】 携帯電話などの機器の所有者を容易に探索することができるようにする。
【解決手段】 携帯電話機1005−1の所有者と、携帯電話機1005−2の所有者が接近したとき、それぞれの所有者の人体1101および1103、並びに導体1102を通信媒体として、信号電極1056と信号電極1156との間で電気信号の送受信が行われ、メモリ1054に、携帯電話機1005−2のID、所有者の氏名などの情報が記録される。メモリ1054に記録された情報は、管理サーバに送信され、携帯電話機1005−1の所有者の接触情報として記録される。
【選択図】図10

Description

本発明は、情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関し、特に、携帯電話などの機器の所有者を容易に探索することができるようにする情報処理装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。
近年、失踪者の探索、または誘拐などの犯罪を防止するため、携帯電話にGPS(Global Positioning System)機能を付加して、携帯電話機の所有者の所在地(現在位置)を追跡するシステムが提案されている。また、携帯電話機が交信した基地局を特定することにより、携帯電話機の所有者の所在地をおおよそ推定することも可能である。さらに、他人との接触に際し、メモによる書き取り作業や名刺交換等を行う必要なく、接触相手と情報交換を行うための通信機能付き電子機器も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また近年、無線通信の技術も進歩しており、例えば、2.4GHz帯域を用いる無線伝送方式(いわゆるBluetooth)によりパソコン、周辺機器、家電、携帯電話機など、デバイスを問わないデータ交換を実現が期待されているほか、人体など通常の通信媒体とはことなる導体を用いて送信機と受信機による通信を行う技術も提案されている(例えば、特許文献2または特許文献3参照。)。
特開2000−194666号公報 特表平11−509380号公報 特開10−229357号公報
しかしながら、従来の技術における所有者の探索は、GPSの利用などにともなうコストが伴うものであり通常の携帯電話機と比較すると割高になる。また、緊急を要する事態においては携帯電話の所有者の所在地の追跡だけでは不十分なこともある。例えば、所有者が失踪または誘拐される過程で携帯電話を手放してしまった場合など、その後の所有者の行方を探索するための手がかりが少なくなり、所有者の探索は極めて困難である。
一方、特許文献2の技術では、送信器、人体、受信器、アースグラウンドと結合された閉回路が構成され、信号が伝達されるというものであるため、送信器および受信器の人体から遠い方の電極とアースグラウンドとの結合はきわめて希薄で、実質には閉回路を構成しにくい。また、特許文献3の技術では、送信器、人体、受信器、大気と結合された閉回路が構成され、信号を伝達するというものであるため、大気を介して結合するには、送信器と受信器がかなり近くに配置されなければならない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、携帯電話などの機器の所有者を容易に探索することができるようにするものである。
本発明の情報処理装置は、通信媒体を介して伝送させる信号を送信または受信するための信号電極と、信号の出力値を判定するための基準点を得るための基準電極とを有する情報処理装置であって、他の情報処理装置との信号の送信または受信による通信が可能か否かを判定する通信可否判定手段と、通信可否判定手段により他の情報処理装置との通信が可能と判定された場合、他の情報処理装置を特定する情報を他の情報処理装置から取得する取得手段と、取得手段により取得された情報および情報が取得された時刻を、予め登録された宛先に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
前記信号電極は、基準電極よりも通信媒体に対して静電結合が強くなるように設けられ、信号電極と基準電極の間に生じた電位差に対応する信号が送信または受信されるようにすることができる。
前記通信媒体は、人体であり、通信可否判定手段は、情報処理装置の所有者と、他の情報処理装置の所有者とが接触したとき、通信媒体を介して信号の送信または受信による通信が可能と判定するようにすることができる。
前記通信媒体は、人体および人体に接触する導電体または誘電体であり、通信可否判定手段は、情報処理装置の所有者と、他の情報処理装置の所有者とが同時に導電体または誘電体に接触したとき、通信媒体を介して信号の送信または受信による通信が可能と判定するようにすることができる。
予め設定されるモードを判定するモード判定手段をさらに備え、モード判定手段の判定結果に基づいて、取得手段が他の情報処理装置を特定する情報を他の情報処理装置から取得するようにすることができる。
前記他の情報処理装置を特定する情報には、他の情報処理装置の所有者に関する情報が含まれるようにすることができる。
前記送信手段により送信された取得手段により取得された情報および情報が取得された時刻は、情報処理装置を特定する情報に対応付けられて情報管理装置に記憶されるようにすることができる。
前記他の情報管理装置に記憶された取得手段により取得された情報および情報が取得された時刻は、予め登録されたユーザの指令に基づいて出力されるようにすることができる。
本発明の情報処理方法は、通信媒体を介して伝送させる信号を送信または受信するための信号電極と、信号の出力値を判定するための基準点を得るための基準電極とを有する情報処理装置の情報処理方法であって、他の情報処理装置との信号の送信または受信による通信が可能か否かを判定する通信可否判定ステップと、通信可否判定ステップの処理により他の情報処理装置との通信が可能と判定された場合、他の情報処理装置を特定する情報を他の情報処理装置から取得する取得ステップと、取得ステップの処理により取得された情報および情報が取得された時刻を、予め登録された宛先に送信する送信ステップとを含む。
本発明のプログラムは、通信媒体を介して伝送させる信号を送信または受信するための信号電極と、信号の出力値を判定するための基準点を得るための基準電極とを有する情報処理装置に情報処理を行わせるプログラムであって、他の情報処理装置との信号の送信または受信による通信が可能か否かの判定を制御する通信可否判定制御ステップと、通信可否判定制御ステップの処理により他の情報処理装置との通信が可能と判定された場合、他の情報処理装置を特定する情報の他の情報処理装置からの取得を制御する取得制御ステップと、取得制御ステップの処理により取得された情報および情報が取得された時刻の、予め登録された宛先への送信を制御する送信制御ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明の記録媒体は、通信媒体を介して伝送させる信号を送信または受信するための信号電極と、信号の出力値を判定するための基準点を得るための基準電極とを有する情報処理装置に情報処理を行わせるプログラムが記録されている記録媒体であって、他の情報処理装置との信号の送信または受信による通信が可能か否かの判定を制御する通信可否判定制御ステップと、通信可否判定制御ステップの処理により他の情報処理装置との通信が可能と判定された場合、他の情報処理装置を特定する情報の他の情報処理装置からの取得を制御する取得制御ステップと、取得制御ステップの処理により取得された情報および情報が取得された時刻の、予め登録された宛先への送信を制御する送信制御ステップとをコンピュータに実行させるプログラムが記録されていることを特徴とする。
本発明の情報処理装置および方法、並びにプログラムにおいては、他の情報処理装置との信号の送信または受信による通信が可能か否かが判定され、他の情報処理装置との通信が可能と判定された場合、他の情報処理装置を特定する情報が他の情報処理装置から取得され、取得された情報および情報が取得された時刻が、予め登録された宛先に送信される。
本発明によれば、機器の所有者を探索できる。特に、携帯電話などの機器の所有者を容易に探索することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本明細書に記載した発明と、発明の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本明細書に記載されている発明をサポートする実施の形態が明細書に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書には記載されているが、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その発明以外の発明には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、明細書に記載されている発明が、全て請求されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、明細書に記載されている発明であって、この出願では請求されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により出願、または追加される発明の存在を否定するものではない。
請求項1に記載の情報処理装置は、通信媒体を介して伝送させる信号を送信または受信するための信号電極(例えば、図10の信号電極1056)と、前記信号の出力値を判定するための基準点を得るための基準電極(例えば、図10の基準電極1057)とを有する情報処理装置であって、他の情報処理装置(例えば、図10の携帯電話機1005−2)との前記信号の送信または受信による通信が可能か否かを判定する通信可否判定手段(例えば、図15のステップS101の処理を実行する図10の制御部1055)と、前記通信可否判定手段により前記他の情報処理装置との通信が可能と判定された場合、前記他の情報処理装置を特定する情報を前記他の情報処理装置から取得する取得手段(例えば、図15のステップS108の処理を実行する図10の制御部1055)と、前記取得手段により取得された情報および前記情報が取得された時刻を、予め登録された宛先に送信する送信手段(例えば、図15のステップS110の処理を実行する図10の制御部1055)とを備える。
請求項3に記載の情報処理装置は、前記通信媒体が、人体であり、通信可否判定手段は、前記情報処理装置の所有者(例えば、所有者H1)と、前記他の情報処理装置の所有者(例えば、所有者H2)とが接触したとき、前記通信媒体を介して前記信号の送信または受信による通信が可能と判定するようにすることができる。
請求項4に記載の情報処理装置は、前記通信媒体が、人体および人体に接触する導電体または誘電体(例えば、図12の導電体または誘電体1102)であり、通信可否判定手段は、前記情報処理装置の所有者(例えば、所有者H1)と、前記他の情報処理装置の所有者(例えば、所有者H2)とが同時に前記導電体または誘電体に接触したとき、前記通信媒体を介して前記信号の送信または受信による通信が可能と判定するようにすることができる。
請求項5に記載の情報処理装置は、予め設定されるモードを判定するモード判定手段(例えば、図15のステップS104の処理を実行する図10の制御部1055)をさらに備え、前記モード判定手段の判定結果に基づいて、前記取得手段が前記他の情報処理装置を特定する情報を前記他の情報処理装置から取得するようにすることができる。
請求項7に記載の情報処理装置は、前記送信手段により送信された前記取得手段により取得された情報および前記情報が取得された時刻は、前記情報処理装置を特定する情報に対応付けられて情報管理装置(例えば、管理サーバ1021)に記憶されるようにすることができる。
請求項9に記載の情報処理方法は、通信媒体を介して伝送させる信号を送信または受信するための信号電極(例えば、図10の信号電極1056)と、前記信号の出力値を判定するための基準点を得るための基準電極(例えば、図10の基準電極1057)とを有する情報処理装置の情報処理方法であって、他の情報処理装置(例えば、図10の携帯電話機1005−2)との前記信号の送信または受信による通信が可能か否かを判定する通信可否判定ステップ(例えば、図15のステップS101の処理)と、前記通信可否判定ステップの処理により前記他の情報処理装置との通信が可能と判定された場合、前記他の情報処理装置を特定する情報を前記他の情報処理装置から取得する取得ステップ(例えば、図15のステップS108の処理)と、前記取得ステップの処理により取得された情報および前記情報が取得された時刻を、予め登録された宛先に送信する送信ステップ(例えば、図15のステップS110の処理)とを含む。
請求項10に記載のプログラムは、通信媒体を介して伝送させる信号を送信または受信するための信号電極(例えば、図10の信号電極1056)と、前記信号の出力値を判定するための基準点を得るための基準電極(例えば、図10の基準電極1057)とを有する情報処理装置に情報処理を行わせるプログラムであって、他の情報処理装置(例えば、図10の携帯電話機1005−2)との前記信号の送信または受信による通信が可能か否かの判定を制御する通信可否判定制御ステップ(例えば、図15のステップS101の処理)と、前記通信可否判定制御ステップの処理により前記他の情報処理装置との通信が可能と判定された場合、前記他の情報処理装置を特定する情報の前記他の情報処理装置からの取得を制御する取得制御ステップ(例えば、図15のステップS108の処理)と、前記取得制御ステップの処理により取得された情報および前記情報が取得された時刻の、予め登録された宛先への送信を制御する送信制御ステップ(例えば、図15のステップS110の処理)とをコンピュータに実行させる。
請求項11に記載の記録媒体は、通信媒体を介して伝送させる信号を送信または受信するための信号電極(例えば、図10の信号電極1056)と、前記信号の出力値を判定するための基準点を得るための基準電極(例えば、図10の基準電極1057)とを有する情報処理装置に情報処理を行わせるプログラムが記録されている記録媒体であって、他の情報処理装置(例えば、図10の携帯電話機1005−2)との前記信号の送信または受信による通信が可能か否かの判定を制御する通信可否判定制御ステップ(例えば、図15のステップS101の処理)と、前記通信可否判定制御ステップの処理により前記他の情報処理装置との通信が可能と判定された場合、前記他の情報処理装置を特定する情報の前記他の情報処理装置からの取得を制御する取得制御ステップ(例えば、図15のステップS108の処理)と、前記取得制御ステップの処理により取得された情報および前記情報が取得された時刻の、予め登録された宛先への送信を制御する送信制御ステップ(例えば、図15のステップS110の処理)とをコンピュータに実行させるプログラムが記録されている。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。最初に本発明において利用する無線通信について図1乃至図8を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した通信システムの一実施形態に係る構成例を示す図である。
図1において、通信システム100は、送信装置110、受信装置120、および通信媒体130により構成され、送信装置110と受信装置120が通信媒体130を介して信号を送受信するシステムである。つまり、通信システム100において、送信装置110より送信された信号は、通信媒体130を介して伝送され、受信装置120により受信される。
送信装置110は、送信信号電極111、送信基準電極112、および送信部113を有している。送信信号電極111は、通信媒体130を介して伝送させる信号を送信するための電極であり、信号の高低差を判定するための基準点を得るための電極である送信基準電極112よりも通信媒体130に対して静電結合が強くなるように設けられる。送信部113は、送信信号電極111と送信基準電極112との間に設けられ、これらの電極間に受信装置120へ伝達したい電気信号(電位差)を与える。
受信装置120は、受信信号電極121、受信基準電極122、および受信部123を有している。受信信号電極121は、通信媒体130を介して伝送される信号を受信するための電極であり、信号の高低差を判定するための基準点を得るための電極である受信基準電極122よりも通信媒体130に対して静電結合が強くなるように設けられる。受信部123は、受信信号電極121と受信基準電極122との間に設けられ、これらの電極間に生じた電気信号(電位差)を所望の電気信号に変換し、送信装置110の送信部113で生成された電気信号を復元する。
通信媒体130は、電気信号を伝達可能な物理的特性を有する物質、例えば、導電体や誘電体等により構成される。例えば、通信媒体130は、金属に代表される導電体(例えば、銅、鉄、またはアルミ等)により構成される。また例えば、通信媒体130は、純水、ゴム、ガラス、若しくは食塩水等の電解液、または、これらの複合体である生体等の誘電体により構成される。この通信媒体130はどのような形状であってもよく、例えば、線状、板状、球状、角柱、または円柱等、任意の形状であってもよい。
このような通信システム100において、最初に、各電極と、通信媒体または装置周辺空間との関係について説明する。なお、以下において、説明の便宜上、通信媒体130が完全導体であるものとする。また、送信信号電極111と通信媒体130との間、および、受信信号電極121と通信媒体130との間には空間が存在し、電気的な結合はないものとする。すなわち、送信信号電極111または受信信号電極121と、通信媒体130との間には、それぞれ、静電容量が形成される。
また、送信基準電極112は送信装置110周辺の空間に向くように設けられており、受信基準電極122は受信装置120周辺の空間に向くように設けられている。一般的に、導体が空間に存在する場合、その導体の表面近傍の空間に静電容量が形成される。例えば、導体の形状を半径r[m]の球としたとき、その静電容量Cは、以下の式(1)のように求められる。
Figure 2006270345
式(1)において、πは円周率を示す。また、εは、導体を取り囲む媒質の誘電率を示し、以下の式(2)のように求められる。
Figure 2006270345
ただし、式(2)において、ε0は、真空中の誘電率を示し、8.854×10−12[F/m]である。また、εrは比誘電率を示し、真空の誘電率ε0に対する比率を示す。
上述した式(1)に示されるように半径rが大きい程、静電容量Cは大きくなる。なお、球以外の複雑な形状の導体の静電容量Cの大きさは、上述した式(1)のように、簡単に表現することはできないが、その導体の表面積の大きさに応じて変化することは明らかである。
以上のように、送信基準電極112は、送信装置110周辺の空間に対して静電容量を形成し、受信基準電極122は、受信装置120周辺の空間に対して静電容量を形成する。すなわち、送信装置110および受信装置120の外部の仮想無限遠点からみたとき、送信基準電極112や受信基準電極122の電位は固定的であり、変動しにくいことを示している。
次に、通信システム100における通信の仕組みの原理について説明する。なお、以下において、説明の便宜上、または前後関係等から、コンデンサを単に静電容量と表現する場合もあるが、これらは同意である。
また、以下において、図1の送信装置110と受信装置120は、装置間が十分な距離を保つように配置されており、相互の影響を無視できるものとする。また、送信装置110において、送信信号電極111は通信媒体130とのみ静電結合し、送信基準電極112は送信信号電極111に対して十分な距離が置かれ、相互の影響は無視できる(静電結合しない)ものとする。同様に、受信装置120において、受信信号電極121は通信媒体130とのみ静電結合し、受信基準電極122は受信信号電極121に対して十分な距離が置かれ、相互の影響は無視できる(静電結合しない)ものとする。さらに、実際には、送信信号電極111、受信信号電極121、および通信媒体130も、空間内に配置されている以上、それぞれ空間に対する静電容量を有することになるが、ここでは、説明の便宜上、それらを無視できるものとする。
図2は、図1の通信システム100を等価回路で表した図である。通信システム200は、通信システム100を等価回路で表したものであり、実質的に通信システム100と等価である。
すなわち、通信システム200は、送信装置210、受信装置220、および接続線2230を有しているが、この送信装置210は図1に示される通信システム100の送信装置110に対応し、受信装置220は図1に示される通信システム100の受信装置120に対応し、接続線230は図1に示される通信システム100の通信媒体130に対応する。
図2の送信装置210において、信号源213−1および接地点213−2は、図1の送信部113に対応する。信号源213−1は、送信用の信号として、特定周期ω×t[rad]の正弦波を生成する。ここで、t[s]は時間を示す。また、ω[rad/s]は角周波数を示し、以下の式(3)のように表すことができる。
Figure 2006270345
式(3)において、πは円周率、f[Hz]は信号源213−1が生成する信号の周波数を示す。接地点213−2は、送信装置210内における回路のグランドに接続される点である。つまり信号源213の端子の一方は、送信装置210内における回路の、所定の基準電位に設定される。
Cte214は、コンデンサであり、図1の送信信号電極111と通信媒体130との間の静電容量を表すものである。つまり、Cte214は、信号源213−1の接地点213−2と反対側の端子と、接続線230との間に設けられている。また、Ctg215は、コンデンサであり、図1の送信基準電極112の空間に対する静電容量を表すものである。Ctg215は、信号源213−1の設置点213−2側の端子と、空間上の、送信装置110を基準とした無限遠点(仮想点)を示す接地点216との間に設けられている。
図2の受信装置220において、Rr223−1、検出器223−2、および接地点223−3は、図1の受信部123に対応する。Rr223−1は、受信信号を取り出すための負荷抵抗(受信負荷)であり、増幅器により構成される検出器223−2は、このRr223−1の両側の端子間の電位差を検出して増幅する。接地点223−3は、受信装置220内における回路のグランドに接続される点である。つまりRr223−1の端子の一方(検出器223−2の入力端子の一方)は、受信装置220内における回路の、所定の基準電位に設定される。
なお、検出器223−2が、さらに、例えば、検出した変調信号を復調したり、検出された信号に含まれる符号化された情報を復号したりする等、その他の機能を備えるようにしてもよい。
Cre224は、コンデンサであり、図1の受信信号電極121と通信媒体130との間の静電容量を表すものである。つまり、Cre224は、Rr223−1の接地点223−3と反対側の端子と、接続線230との間に設けられている。また、Crg225は、コンデンサであり、図1の受信基準電極122の空間に対する静電容量を表すものである。Crg225は、Rr223−1の設置点223−3側の端子と、空間上の、受信装置120を基準とした無限遠点(仮想点)を示す接地点226との間に設けられている。
接続線230は、完全導体である通信媒体130を表している。なお、図2の通信システム200において、Ctg215とCrg225は、等価回路上、接地点216と接地点226を介して、互いに電気的に接続されているように表現されているが、実際には、これらは互いに電気的に接続されている必要はなく、それぞれが、送信装置210または受信装置220周辺の空間に対して静電容量を形成していればよい。つまり、接地点216と接地点226が電気的に接続されている必要はなく、互いに独立であってもよい。
なお、導体があれば、周囲の空間に対して、必ずその表面積の大きさに比例した静電容量が形成される。つまり、例えば、送信装置210と受信装置220は、互いにどんなに離れていてもよい。例えば、図1の通信媒体130が完全導体である場合、接続線230の導電率は無限大とみなせるので、接続線230の長さは通信に影響しない。なお、通信媒体130が導電率の十分な導体であれば、実用上、送信装置と受信装置間との距離は通信の安定性に影響しない。
通信システム200において、信号源213−1、Rr223−1、Cte214、Ctg215、Creコンデンサ224、およびCrg225から成る回路が形成されている。直列接続された4つのコンデンサ(Cte214、Ctg215、Creコンデンサ224、およびCrg225)の合成容量Cxは以下の式(4)で表すことができる。
Figure 2006270345
また、信号源213−1が生成する正弦波vt(t)を、以下の式(5)のように表す。
Figure 2006270345
ここで、Vm[V]は信号源電圧の最大振幅電圧を表しており、θ[rad]は初期位相角を表している。つまり、信号源213−1による電圧の実効値Vtrms[V]は以下の式(6)のように求めることができる。
Figure 2006270345
回路全体での合成インピーダンスZは、次の式(7)のように求めることができる。
Figure 2006270345
つまり、Rr223−1の両端に生じる電圧の実効値Vrrmsは式(8)のように求めることができる。
Figure 2006270345
従って、式(8)に示されるように、Rr223−1の抵抗値が大きい程、また、静電容量Cxが大きく、信号源213−1の周波数f[Hz]が高い程、1/((2×π×f×Cx)2)の項が小さくなり、Rr223−1の両端に、より大きな信号を生じさせることができる。
例えば、送信装置210の信号源213−1による電圧の実効値Vtrmsを2[V]に固定し、信号源213−1が生成する信号の周波数fを1[MHz]、10[MHz]、または100[MHz]とし、Rr223−1の抵抗値を10K[Ω]、100K[Ω]、または1M[Ω]とし、回路全体の静電容量Cxを0.1[pF]、1[pF]、または10[pF]としたときの、Rr223−1の両端に生じる電圧の実効値Vrrmsの計算結果は図3に示される表250のようになる。
表250に示されるように、実効値Vrrmsの計算結果は、その他の条件が同じ場合、周波数fが1[MHz]のときよりも10[MHz]のときの方が大きくなり、受信負荷であるRr223−1の抵抗値が10K[Ω]のときよりも1M[Ω]の時のほうが大きくなり、静電容量Cxが0.1[pF]のときよりも10[pF]の時のほうが大きな値をとる。すなわち、周波数fの値、Rr223−1の抵抗値、および静電容量Cxが大きいほど、大きな実効値Vrrms得られる。
また、表250より、ピコファラド以下の静電容量でも、Rr223−1には電気信号が発生することが分かる。すなわち、伝送される信号の信号レベルが微小な場合、受信装置220の検出器223−2によって検出した信号を増幅する等すれば、通信が可能となる。
以上の結果から、基本原理として、空間と成す静電容量を利用することによって、送信装置から受信装置への信号の受け渡しが可能である。
以上において説明した送信基準電極や受信基準電極の空間に対する静電容量は、各電極の位置に空間が存在すれば形成可能である。従って、上述した送信装置および受信装置は、通信媒体によって送信信号電極と受信信号電極が結合されていれば、互いの距離に依存せずに通信の安定性を得ることができる。
次に、送信装置と受信装置の間の距離の大きさによる通信への影響について説明する。上述したように、本発明の原理によれば、送信基準電極と受信基準電極の空間に十分な静電容量を形成できていれば、送受信装置間近辺の大地による経路や、その他の電気的な経路を必要とせず、送信信号電極と受信信号電極の距離に依存しない。従って、例えば、図4に示される通信システム700のように、送信装置710と受信装置720を遠距離におき、十分な導電性あるいは誘電性を持った通信媒体730により送信信号電極711、受信信号電極721を静電的に結合することによって通信が可能である。このとき、送信基準電極712は送信装置710の外部の空間と静電結合し、受信基準電極722は受信装置720の外部の空間と静電結合する。従って、送信基準電極712と受信基準電極722は、互いに静電結合する必要がない。但し、通信媒体730がより長く、大きくなることによって空間に対する静電容量も増加するため、各パラメータを決定する際にこれらについて考慮する必要がある。
なお、図4の通信システム700は、図1の通信システム100に対応するシステムであり、送信装置710は送信装置110に対応し、受信装置720は受信装置120に対応し、通信媒体730は通信媒体130に対応する。
送信装置710において、送信信号電極711、送信基準電極712、および信号源713−1は、それぞれ、送信信号電極111、送信基準電極112、および送信部113(またはその一部)に対応する。同様に、受信装置720において、受信信号電極721、受信基準電極722、および信号源723−1は、それぞれ、受信信号電極121、受信基準電極122、および受信部123(またはその一部)に対応する。
従って、これらの各部についての説明は省略する。
以上のように通信システム700は、物理的な基準点経路を不要とし、通信信号伝達経路のみによる通信を実現することができる。
なお、以上においては、送信信号電極および受信信号電極が通信媒体と非接触であるように説明したが、これに限らず、送信基準電極および受信基準電極がそれぞれの装置周辺空間との間で十分な静電容量が得られるのであれば、送信信号電極と受信信号電極の間を、導電性を有する通信媒体で接続するようにしてもよい。
次に、以上のような通信システムの具体的な適用例について説明する。例えば、以上のような通信システムは、生体を通信媒体とすることもできる。図5は、人体を介して通信を行う場合の通信システムの例を示す模式図である。図5において、通信システム750は、人体の腕部に取り付けられた送信装置760から音楽データを送信し、人体の頭部に取り付けられた受信装置770によってその音楽データを受信して音声に変換し、出力してユーザに視聴させるシステムである。この通信システム750は、上述した通信システム(例えば、通信システム100)に対応したシステムであり、送信装置760や受信装置770は、それぞれ、送信装置110や受信装置120に対応する。また、通信システム750において人体780は、通信媒体であり、図1の通信媒体130に対応する。
つまり、送信装置760は、送信信号電極761、送信基準電極762、および送信部763を有しており、それぞれ、図1の送信信号電極111、送信基準電極112、および送信部113に対応する。また、受信装置770は、受信信号電極771、受信基準電極772、および受信部773を有しており、それぞれ、図1の受信信号電極121、受信基準電極122、および受信部123に対応する。
従って、通信媒体である人体780に、送信信号電極761および受信信号電極771が接触または近接されるように、送信装置760および受信装置770が設置される。送信基準電極762および受信基準電極772は、空間に対して静電容量を持てばよいので、周辺に大地との結合や、送受信装置(または電極)同士の結合も不要である。
図6は、通信システム750を実現する他の例について説明する図である。図6において、受信装置770は、人体780に対して足裏部において接触(または近接)し、人体780の腕部に取り付けられた送信装置760との間で通信を行う。この場合も、通信媒体である人体780に接触(または近接)されるように、送信信号電極761と受信信号電極771が設けられ、空間に向けて送信基準電極762と受信基準電極772が設けられている。特に、大地を通信経路の1つとしていた従来技術では実現不可能な応用例である。
このように、本発明によれば、人体などを通信媒体として、ケーブルなどの有線設備を設けることなく、無線通信を行うことが可能となる。
以上のような通信システムにおいて、通信媒体に流す信号の変調方式としては、送信装置と受信装置の両方において対応可能であれば、特に制限はなく、通信システム全体の系の特性を踏まえた上で、最適な方式を選択することが出来る。具体的に変調方式としては、ベースバンド、または振幅変調、または周波数変調されたアナログ信号か、ベースバンド、または振幅変調、または周波数変調、または位相変調されたデジタル信号のうちのいずれか1つ、または複数の混合であってもよい。
さらに、以上のような通信システムにおいて、1つの通信媒体を利用して、複数の通信が成立させ、全二重通信や、単一の通信媒体による複数の装置同士による通信等を実行することができるようにしてもよい。
このような多重通信を実現する方法の例を説明する。1つ目は、スペクトラム拡散方式を適用させる方法である。この場合、送信装置と受信装置の間で互いに周波数帯域幅と特定の時系列コードを取り決めておく。そして送信装置は、この周波数帯域幅の中で、もとの信号を時系列コードによって周波数的に変化させ、周波数帯域全体に拡散させてから送信する。受信装置は、この拡散した成分を受信した後、その受信した信号を積分することで受信信号を復号する。
周波数の拡散によって得られる効果を説明する。シャノンとハートレーのチャネル容量の定理によれば、次の式が成り立つ。
Figure 2006270345
ここで、C[bps]はチャネル容量を示し、通信路に流すことの出来る理論上の最大データレートを示す。B[Hz]はチャネル帯域幅を示す。S/Nは信号対ノイズ電力比(SN比)を示す。さらに、上式をマクローリン展開し、S/Nが低いものとすると、上述した式(23)は、次の式(24)のように近似することができる。
Figure 2006270345
これにより、例えばS/Nがノイズフロア以下のレベルであったとすると、S/N<<1となるが、チャネル帯域幅Bを広げることで、チャネル容量Cを所望のレベルに引き上げることが出来る。
時系列コードを通信路毎に異なるようし、周波数拡散の動きを異なるようにすれば、相互に干渉することなく周波数が拡散し、相互の混信がなくなることで、同時に複数の通信を行うことができる。
2つ目は、送信装置と受信装置の間で互いに周波数帯域幅を決め、それをさらに複数の領域に分割する周波数分割方式を適用させる方法である。この場合、送信装置(または受信装置)は、特定の周波数帯域割り振りの規則に従うか、通信開始時に空いている周波数帯域を検出し、その検出結果に基づいて周波数帯域の割り振りを行う。
つまり、通信経路毎に異なる周波数帯域を利用することにより、相互の混信を抑制し、1つの通信媒体において、同時に複数の通信を行うことができる。また、周波数分割方式を用いることにより、多対一通信や、多対多通信も行うことができる。
3つ目は、送信装置と受信装置の間で互いに通信時間を複数に分割する時分割方式を適用させる方法である。この場合、送信装置(または受信装置)は、特定の時間分割規則に従うか、通信開始時に空いている時間領域を検出し、その検出結果に基づいて通信時間の分割を行う。
つまり、通信経路毎に異なる時間帯域において通信を行うことにより、相互の混信を抑制し、1つの通信媒体において、同時に複数の通信を行うことができる。また、時分割方式を用いることにより、多対一通信や、多対多通信も行うことができる。
さらに、上述した以外の方法として、1つ目から3つ目までの通信方式のうちの2つ以上を組み合わせるようにしてもよい。
送信装置および受信装置が、同時に複数の他の装置と通信を行うことができるということは、特定のアプリケーションにおいては、特に重要になる。例えば、交通機関のチケットへの応用を想定すると、定期券の情報を有する装置Aと電子マネー機能を有する装置Bの両方を所持した利用者が、自動改札機を利用する際、上記のような方式を使用することで、装置A及び装置Bと同時に通信することで、例えば、利用区間が定期券外の区間も含まれていた場合に、不足金額分を装置Bの電子マネーから差し引くといった便利な用途に利用することが出来る。
以上のような送信装置と受信装置との間の通信において実行される通信処理の流れについて、図1の通信システム100の送信装置110と受信装置120との通信の場合を例に、図7のフローチャートを参照して説明する。
送信装置110の送信部113は、ステップS11において、送信対象となる信号を発生し、ステップS12において、その発生した信号を、送信信号電極111を介して、通信媒体130上に送信する。信号を送信すると送信装置の送信部113は、通信処理を終了する。送信装置110より送信された信号は、通信媒体130を介して受信装置120に供給される。受信装置120の受信部123は、ステップS21において、受信信号電極121を介して、その信号を受信し、ステップS22において、その受信した信号を出力する。受信した信号を出力した受信部123は、通信処理を終了する。
以上のように、送信装置110および受信装置120は、通信媒体130を介して、複雑な処理を必要とせずに、単純な処理により、基本的な通信を行うことができる。つまり、送信装置110および受信装置120は、基準電極を用いて閉回路を構築する必要がないため、信号電極を介して送受信するのみで、環境に影響されずに安定した通信処理を容易に行うことができる。これにより送信装置110および受信装置120(通信システム100)は、環境に影響されずに安定した通信を行うための通信処理の負荷を軽減し、製造コストを削減することもできる。また、通信処理の構造が単純化されることにより、通信システム100は、変調、符号化、暗号化、または多重化など、多様な通信方式を容易に併用することができる。
なお、以上の通信システムにおいては、送信装置と受信装置を別体として構成するように説明したが、これに限らず、上述した送信装置と受信装置の両方の機能を有する送受信装置を用いて通信システムを構築するようにしてもよい。
図8は、本発明を適用した通信システムの他の構成例を示す図である。
図8において、通信システム950は、送受信装置961、送受信装置962、および通信媒体130を有する。通信システム950は、送受信装置961と送受信装置962が通信媒体130を介して双方向に信号を送受信するシステムである。
送受信装置961は、図1の送信装置110と同様の送信部110と、受信装置120と同様の受信部120の両方の構成を有している。すなわち、送受信装置961は、送信信号電極111、送信基準電極112、送信部113、受信信号電極121、受信基準電極122、および受信部123を有している。
つまり送受信装置961は、送信部110を用いて通信媒体130を介して信号を送信し、受信部120を用いて通信媒体130を介して供給される信号を受信する。このとき、送受信装置961は、送信部110による通信と、受信部120による通信とが混信しないように構成されている。
送受信装置962は、送受信装置961と同様の構成を有し、同様に動作するのでその説明を省略する。つまり送受信装置961と送受信装置962は、互いに同様の方法で、通信媒体130を介して、双方向に通信を行う。
このようにすることにより、通信システム950(送受信装置961および送受信装置962)は、ケーブルなどの有線設備を設けることなく、双方向の無線通信を容易に実現することができる。
なお、図8の例では、送受信で異なる電極を用いているが、信号電極、および基準電極を一組だけ設け、送受信を切り替えるようにしてもよい。
次に、図1乃至図8を参照して上述した無線通信を利用した所有者探索システムについて説明する。図9は、本発明を適用した所有者探索システム1000の構成例を示すブロック図である。
同図において、携帯電話会社1001は、ユーザと携帯電話機1005の利用に関する契約を行い、ユーザに、携帯電話機1005を利用した通話、メールなどのサービスを提供する。携帯電話会社1001は、契約するユーザに関する情報を管理する管理サーバ1021を有しており、管理サーバ1021は、インターネットなどのネットワーク1003を介してユーザが所有するパーソナルコンピュータ1004などの機器と相互に接続されている。
ユーザが所有する携帯電話機1005は、携帯電話会社1001の基地局1002を介して他の携帯電話機またはネットワーク1003などとの通信を行う。なお、この例では、基地局1002が1つ図示されているが、実際には複数の基地局が存在する。また、携帯電話機1005は、例えばW-CDMA方式、cdma2000方式などの通信方式により最寄の基地局1002と定期的に通信を行っている。
さらに、携帯電話機1005は、W-CDMA方式、cdma2000方式などの通信方式とは異なる方式であって、図1乃至図8を参照して上述したように人体などを通信媒体とした無線通信を行う。これにより携帯電話機1005は、自身の所有者の近傍に存在する他の携帯電話機と情報の交換を行う。
基地局1002は、携帯電話機1005との通信を制御するとともに、必要に応じて通信の経緯などの情報を記録する中継サーバ1022を有しており、中継サーバ1022は、ネットワークなどを介して管理サーバ1021と接続されている。
すなわち、中継サーバ1022により記録された携帯電話機1005の通信の経緯などの情報(後述する接触情報など)は、管理サーバ1021にも提供され、パーソナルコンピュータ1004を用いて、ネットワーク1003を介して管理サーバ1021にアクセスすることにより閲覧することができるようになされている。また、中継サーバ1022は、管理サーバ1021の制御に基づき、必要に応じて携帯電話機1005から所定の情報を取得する。すなわち、中継サーバ1022は、管理サーバ1021から送信される指令に基づいて、基地局1002から所定の電波を出力し、携帯電話機10005をサーチ(探索)し、携帯電話機1005に対して、所定の情報を送信させるように制御するコマンドなどを送信する。
図10は、図9の携帯電話機1005の内部構成例を示すブロック図である。この例では、2台の携帯電話機1005−1および1005−2が示されているが、携帯電話機1005−1および1005−2は、それぞれ同様の構成とされるので、携帯電話機1005−1の構成例を説明する。なお、便宜上、携帯電話機1005−1の信号電極と携帯電話機1005−2の信号電極に別々の符号(1056と1156)が付されているが、実際には両者は同等のものである。
この例では、携帯電話機1005−1(信号電極1056)と、携帯電話機1005−2(信号電極1156)とが、人体1101と1103が直接接触するか、または人体1101と1103とが導体(導電体または誘電体)1102を介して間接的に接触し、人体1101、1103または導体1102をを通信媒体として互いに上述した無線通信を行い、例えば、それぞれの携帯電話機のIDなどの情報を交換する。この場合、携帯電話機1005−1と、携帯電話機1005−2とにより、図8の通信システム950と同様の通信システムが構成され、例えば、携帯電話機1005−1は、図8の送受信装置961に対応し、携帯電話機1005−2が図8の送受信装置962に対応することになる。なお、この無線通信が行われる条件(人体1101、1103または導体1102のそれぞれの位置関係など)については後述する。
同図における携帯電話機能部1041は、携帯電話機1005が行う他の携帯電話機との通話またはメールなど、一般の携帯電話機能に関する処理を実行する機能ブロックであり、アンテナ1042を介して、基地局1002から送信される受信信号を受信し、また送信信号を基地局1002に送信する。
また、携帯電話機能部1041は、例えば、音声通話または情報通信などの通信状態に応じて、受信信号に対して所定の変換処理を行いアナログ音声信号を、図示せぬスピーカに出力したり、マイクで集音した音声信号に対して所定の変換処理を行い、送信信号を生成する機能や、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)等で構成され、ユーザの操作入力による指令に基づいて、電子メールの送受信、データのダウンロード処理など音声通話以外の各種のアプリケーション処理を実行する機能を内部に有している。
さらに、携帯電話機能部1041は、一般の携帯電話機と同様にタイマなどの計時機能を有しており現在時刻を計時し、必要に応じて出力する。
携帯電話機能部1041は、例えば、一般的な携帯電話機に利用される目的で製造され、市場に流通する携帯電話機用のICチップなどを用いて構成するようにすることも可能である。
信号発生部1051は、携帯電話機1005−2など他の携帯電話機に対して情報を送信するとき、制御部1055の制御に基づいてその情報に対応する信号を発生する。信号復調部1052は、携帯電話機1005−2から情報(情報に対応する信号)を受信したとき、信号を復調し、復調した信号を制御部1055に供給する。
送受信切替部1053は、信号電極1056との接続を、例えば制御部1055からの制御に基づいて信号発生部1051または信号復調部1052のいずれか一方に切り替える。
制御部1055は、信号発生部1051、信号復調部1052または携帯電話機能部1041の動作を制御する。例えば、制御部1055は、信号発生部1051、または信号復調部1052を制御して、他の携帯電話機との間で送受信される信号の生成または復調を行わせる。また、制御部1055は、携帯電話機能部1041を制御して、基地局1002へ送信するデータに対応する送信信号を発生させ、または基地局1002から受信した受信信号に基づいて信号復調部1052による処理を経て供給される信号に対応するデータに対して所定の処理を実行する。さらに制御部1055は、必要に応じて、各種のデータをメモリ1054に記憶させ、また、メモリ1054に記憶されているデータを読み出す。
メモリ1054は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などにより構成され、制御部1055の制御に基づいて、例えば、交信した他の携帯電話機(例えば、携帯電話機1005−2)のIDなどの情報を記憶する。なお、メモリ1054には、予め携帯電話機1005−1(個々の携帯電話機)に固有のIDが記憶されている。
なお、上述したように携帯電話機1005−2も、携帯電話機1005−1と同様の構成(機能ブロック)を有している。
基準電極1057および信号電極1056は、上述した無線通信に用いられる基準電極および信号電極であり、信号電極1056は、通信媒体(例えば、人体など)に近接するように設けられ、基準電極1057は、空間に向くように設けられる。例えば、基準電極1057は、図8の送信基準電極112、または受信基準電極122に対応し、信号電極1056は、図8の送信信号電極111、または受信信号電極121に対応することになる。なお、通信媒体は、単一の物体であってもよいし、複数の導電体や誘電体が組み合わせられたものであってもよい。
次に、図11乃至図13を参照して携帯電話機1005−1と携帯電話機1005−2の間で上述した無線通信が行われる条件について説明する。
図11は、携帯電話機1005−1と携帯電話機1005−2の間で上述した無線通信が行われる第1の例を表しており、携帯電話機1005−1の所有者H1と携帯電話機1005−2の所有者H2がそれぞれ同一の導電体または誘電体1102の上に載っている。
なお、導電体は良導体であることが好ましいが、それに準ずる性質のものでもよい。また、導電体又は誘電体1102と表現されているが、この2つの性質が混ざった媒体(たとえば、生理食塩水、人体など)でもよい。
例えば、建物の中などの一角に無線通信を想定した領域を設けて、その領域の床の充分に浅い部分に導電体または誘電体1102が埋設されている場合などが図11の例に該当する。所有者H1とH2が同時にその領域(導電体または誘電体1102が埋設されている床の上)に立ったとき、人体1101(所有者H1)、人体1102(所有者H2)、導電体または誘電体1102を通信媒体として、携帯電話機1005−1と携帯電話機1005−2の間で図1乃至図8を参照して上述した無線通信が行われることになる。
図12は、携帯電話機1005−1と携帯電話機1005−2の間で上述した無線通信が行われる第2の例を表しており、携帯電話機1005−1の所有者H1と携帯電話機1005−2の所有者H2がそれぞれ同一の導電体または誘電体1102に触れている。例えば、会議室などのテーブルに導電体または誘電体1102が埋め込まれている場合などが図12の例に該当する。例えば、会議に出席した所有者H1とH2が同時にそのテーブルに触れたとき、人体1101(所有者H1)、人体1102(所有者H2)、導電体または誘電体1102を通信媒体として、携帯電話機1005−1と携帯電話機1005−2の間で図1乃至図8を参照して上述した無線通信が行われることになる。
図13は、携帯電話機1005−1と携帯電話機1005−2の間で上述した無線通信が行われる第3の例を表しており、携帯電話機1005−1の所有者H1と携帯電話機1005−2の所有者H2が直接触れ合っている。例えば、所有者H1とH2が握手などをしたとき、人体1101(所有者H1)、人体1102(所有者H2)を通信媒体として、携帯電話機1005−1と携帯電話機1005−2の間で図1乃至図8を参照して上述した無線通信が行われることになる。
なお、携帯電話機1005には、例えばユーザ(所有者)の操作に基づいて設定可能な緊急モードが設けられており、図11乃至図13を参照して上述したように他の所有者と近接したとき、自身の情報を、相手の携帯電話機に送信してもよい場合、ユーザは、携帯電話機1005を緊急モードに設定しておくものとする。このようにすることで、緊急モードを解除すれば、自身の情報を、相手の携帯電話機に送信しないようにすることができ、ユーザのプライバシーが尊重される。
また、緊急モードをさらに詳細に設定するようにしてもよい。例えば、緊急モードには、緊急モード1および緊急モード2の2種類があるものとし、緊急モード1が設定されている場合、相手の携帯電話機の緊急モードが設定されているときのみ、自身の情報を、相手の携帯電話機に送信し、緊急モード2が設定されている場合、相手の携帯電話機の緊急モードが設定されているか否かにかかわらず、自身の情報を、相手の携帯電話機に送信し、また相手の情報も取得する。例えば、所有者が通常でかける場合などは、身の携帯電話機1005を緊急モード1に設定しておき、所有者が誘拐されるなどした場合(緊急性が極めて高い場合)、自身の携帯電話機1005を緊急モード2に設定することにより、それぞれの状況に応じて適切に情報交換を行うことができる。
図14は、管理サーバ1021の構成例を示すブロック図である。同図において、CPU(Central Processing Unit)1201は、ROM(Read Only Memory)1202に記憶されているプログラム、または記憶部1208からRAM(Random Access Memory)1203にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1203にはまた、CPU1201が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
記憶部1208は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)として構成され、中継サーバ1022から送信される携帯電話機1005の通信の経緯に関する情報などは記憶部1208に記憶される。
CPU1201、ROM1202、およびRAM1203は、バス1204を介して相互に接続されている。このバス1204にはまた、入出力インタフェース1205も接続されている。
入出力インタフェース1205には、キーボード、マウスなどよりなる入力部1206、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部1207、ハードディスクなどより構成される記憶部1208、モデム、LANカードなどのネットワークインタフェースカードなどより構成される通信部1209が接続されている。通信部1209は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース1205にはまた、必要に応じてドライブ1210が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア1211が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部1208にインストールされる。
なお、中継サーバ1022またはパーソナルコンピュータ1004の構成は、図14を参照して上述した構成と同様の構成なので、同図を適用する。
次に、図15のフローチャートを参照して、図11乃至図13を参照して上述した場合において、携帯電話機同士が上述したように情報交換を行うときの処理について説明する。なお、ここでは、携帯電話機1005−1の所有者が携帯電話機1005−1を上述した緊急モードに設定している場合の例について説明する。
ステップS101において、携帯電話機1005−1の制御部1055は、ポーリングに応答があったか否かを判定し、応答があったと判定されるまで待機する。例えば、携帯電話機1005−1の信号電極1056から所定の間隔でポーリングを送信し、そのポーリングが信号電極1156を介して携帯電話機1005−2に受信され、携帯電話機1005−2からポーリングに対する応答があった場合、図11乃至図13を参照して上述したように他の携帯電話機と通信できたと判定される。ステップS101においてポーリングに応答があったと判定された場合、処理は、ステップS102に進む。
ステップS102において、携帯電話機1005−1は、認証処理を実行する。ここで、図16のフローチャートを参照して図15のステップS102の認証処理の詳細について説明する。
ステップS121において、制御部1055は、通信相手を認証する。このとき例えば、公開鍵暗号アルゴリズムを用いたチャレンジレスポンスなどの手続きによる認証が行われるようにしてもよいし、復調に用いられるコードの正当性または通信に伴って交換されるIDなどの正当性により認証が行われるようにしてもよい。
ステップS122において、制御部1055は、ステップS121の処理に基づいて通信相手は正当かを判定し、正当な通信相手(例えば、他の携帯電話機1005−2)であると判定された場合、ステップS123に進み、例えば認証結果OKを表すフラグをONに設定する。一方、ステップS122において、正当な通信相手ではないと判定された場合、ステップS124に進み、エラー処理を実行する。
このようにして認証処理が実行される。なお、上述した処理を実行しなくても、通信相手の正当性が確信できる状況にある場合、図16を参照して上述した処理は省略されるようにしてもよい。
図15に戻って、ステップS103において、制御部1055は、上述したフラグに基づいてステップS102の処理結果はOKか否かを判定する。ステップS103において処理結果はOKではないと判定された場合、ステップS111においてエラー処理が実行され、処理は終了する。一方、ステップS103において処理結果はOKであると判定された場合、処理は、ステップS104に進む。
ステップS104において、制御部1055は、自身(携帯電話機1005−1)の緊急モードをチェックする。ステップS104において、緊急モード1が設定されていると判定された場合、処理は、ステップS106に進む。
上述したように、緊急モード1が設定されている場合、相手の携帯電話機の緊急モードが設定されているときのみ、自身の情報を、相手の携帯電話機に送信するので、ステップS106において、制御部1055は、相手(例えば、携帯電話機1005−2)の緊急モードをチェックして、ステップS107において、相手は緊急モードか否かを判定し、ステップS107において、相手は緊急モードではないと判定された場合、自身の情報を送信することなく処理は終了する。
一方、ステップS104において、緊急モード2が設定されていると判定された場合、処理は、ステップS105に進む。
上述したように、緊急モード2が設定されている場合、極めて緊急性が高く、相手の携帯電話機の緊急モードが設定されているか否かにかかわらず、自身の情報を、相手の携帯電話機に送信し、また相手の情報も取得するので、相手に緊急通信の記録を通知(送信)する。緊急通信の記録としては、例えば、自身のIDと所有者の氏名、緊急連絡先などに加え現在時刻が通知される。なお、緊急モード2が設定されている場合、メモリ1054に既に記憶されている情報を含め相手の情報を、すぐに基地局1002の中継サーバ1022に送信させるようにしてもよい。
ステップS105の処理の後、またはステップS107において、相手は緊急モードであると判定された場合、処理は、ステップS108に進む。
ステップS108において、制御部1055は、相手(例えば、携帯電話機1005−2)の情報を取得してメモリ1054に記憶する。このとき、メモリ1054には、図17に示されるような情報が記憶される。
図17の例では、3人(3台の携帯電話機)の相手の情報が記憶されており、この例では、所有する携帯電話機のIDがそれぞれ「10011」、「25022」、「29004」である3人の相手の情報がそれぞれ記憶されている。ステップS108で取得される情報を構成する属性は、それぞれ相手によって異なるものとなる。
例えば、IDが「10011」である携帯電話機の所有者(相手)の情報は、属性「接触日時」、「メールアドレス」、「住所」、「氏名」の内容がそれぞれ記述されている。一方、IDが「25022」である携帯電話機の所有者(相手)の情報は、属性「接触日時」、「メールアドレス」の内容が記述されているが、「住所」と「氏名」の内容は記述されていない。また、IDが「29004」である携帯電話機の所有者(相手)の情報は、属性「接触日時」の内容のみが記述されており、「メールアドレス」、「住所」、および「氏名」の内容は記述されていない。
これら情報を構成する属性の内容は予め相手が設定した内容に基づいて記述されるため、相手の設定などの差異により、ステップS108で取得される情報を構成する属性は異なるものとなるが、少なくとも属性「ID」と「接触日時」の内容は記述されるものとする。なお、属性「接触日時」の内容は、携帯電話機能部1041により計時された時刻に基づいて、あるいはまた、基地局1002から通知される時刻情報に基づいて記述される。
このようにすることで、携帯電話機1005−1の所有者がいつだれと会った(接触した)のかを後から追跡することができる。
図15に戻って、ステップS109において、制御部1055は、自身(携帯電話機1005−1)の情報を相手(例えば、携帯電話機1005−2)に送信し、通知する。ここで通知する情報とは、例えば、「ID」、「接触日時」、「メールアドレス」、「住所」、「氏名」などであり、ユーザが予め設定した内容に基づいて構成されるが、少なくとも「ID」と「接触日時」は通知されるものとする。
ステップS110において、制御部1055は、携帯電話機能部1041を制御して、メモリに記憶された図17に示されるような情報を、中継サーバ1022を経由して、管理サーバ1021に送信する。このとき、例えば、上述した情報が所定のフォーマットの通信パケットとして送信されるようにしてもよいし、電子メールとして、緊急連絡先として予め登録されているメールアドレスに送信されるようにしてもよい。ここで、送信された情報は、管理サーバ1021に取得されて、例えば、記憶部1208に、携帯電話機1005−1の所有者の接触情報として記憶される。あるいはまた、携帯電話機1005−1の所有者の家族などが保有する他の携帯電話機またはパーソナルコンピュータなどにメールが通知されるようにしてもよい。なお、ステップS110の処理は、自身が緊急モード2に設定されている場合だけ実行されるようにしてもよい。
また、予め携帯電話会社と契約したユーザが管理サーバ1021に携帯電話機の接触情報の取得要求を出すことで、初めて管理サーバ1021が携帯電話機に情報の取得要求をするようにしてもよい。なお、携帯電話機に記憶される情報は、管理サーバ1021に送信された時点で削除してもよいし、所有者が携帯電話機で削除操作をするまで保存するようにしてもよい。また同様に、管理サーバ1021に送信された情報も、予め携帯電話会社と契約したユーザにより取得された時点で削除してもよいし、保存しておいてもよい。
このようにして、携帯電話機1005の所有者がいつだれと会った(接触した)のかを表す情報が蓄積される。このようにすることで、例えば、誘拐されたり失踪したりした携帯電話機1005の所有者の行き先を、その所有者が接触した相手と連絡をとるなどして後から追跡することができる。
例えば、Bluetoothなどの無線通信を利用して、自分の携帯電話機1005と他の携帯電話機との情報交換を行うと、通信を傍受されて他の人に情報を盗み見られる心配があるが、本発明によれば、直接触れ合うか、図11乃至図13を参照して上述したように、導電体又は誘電体若しくは人体を介した無線通信により通信しているときだけに情報を提供するため、情報が漏洩する可能性を低くすることができる。
また、既存の無線通信技術(例えば、赤外線通信、BlueTooth等)では、狭い空間で多くの通信が行われた場合、通信速度の低下、混信が発生していたが、本発明においては、導電体や誘電体、接触している人毎に帯域を確保できるため、より多くに情報を同時にやりとりすることができる。
例えば、電車内において携帯電話機1005のIDなどの情報を交換することを考えてみる。既存の無線技術の場合、車内で電波等が乱反射し、遠方まで信号が伝わってしまう。そのため、同時に多くの人の携帯電話機1005から信号が発せられ、電波の衝突が発生してしまう。これに対して、本発明の場合、つり革、いす、床面、壁面など、任意の物体(通信媒体)に接している人(その人が所有する携帯電話機1005)だけで通信できるため、これらの通信媒体毎に帯域を設けることができ、同時に同じ帯域を使用することができる。そのため、混信や通信速度の低下を防ぐことができる。
このように、本発明によれば、特別な装置や環境などがなくても簡単かつ確実に携帯電話機1005同士で情報を交換することができる。
以上においては、携帯電話機1005が導電体又は誘電体若しくは人体を介した無線通信を行う例について説明したが、携帯電話機に代えて、時計、携帯オーディオプレイヤなど人が身につける(通常携帯されることが多い)小型の機器を用いるようにしてもよい。
次に、図18のフローチャートを参照して、パーソナルコンピュータ1004のユーザが、図15を参照して上述した処理により生成される接触情報を取得する接触情報取得処理について説明する。
この処理は、パーソナルコンピュータ1004のユーザがパーソナルコンピュータ1004を操作することにより実行される。ここで、パーソナルコンピュータ1004のユーザは、例えば、携帯電話機1005−1の所有者の家族などであり、携帯電話会社1001との間で予め情報の閲覧に関する契約を結んでいるものとする。例えば、パーソナルコンピュータ1004のユーザは、携帯電話会社1001との契約により、予め発行されたパスワードを用いて管理サーバ1021にアクセスし、自身がアクセス可能な接触情報として予め登録されている携帯電話機1005−1の所有者の接触情報を取得することができるものとする。
ステップS201において、パーソナルコンピュータ1004のユーザは、自身のIDとパスワードを、パーソナルコンピュータ1004に入力し、管理サーバ1021の所定のアカウントなどにログインする。これにより、パーソナルコンピュータ1004のユーザは、ネットワーク1003を介して管理サーバ1021にアクセスしたことになる。
ステップS202において、管理サーバ1021は、携帯電話機1005−1の所有者の接触情報が記憶部1208に記憶されているか否かを判定する。例えば、図15のステップS110の処理により、携帯電話機1005−1のメモリ1054に記憶されている情報が送信され、管理サーバ1021により取得されている場合、携帯電話機1005−1の所有者の接触情報が記憶部1208に記憶されていると判定され、処理は、ステップS206に進む(ステップS203乃至S205の処理はスキップされる)。携帯電話機1005−1の所有者の接触情報が記憶部1208に記憶されていないと判定された場合、処理は、ステップS203に進む。
ステップS203において、管理サーバ1021は、中継サーバ1022を制御して、携帯電話機1005−1をサーチ(探索)させる。このとき、例えば、基地局1002から携帯電話機1005−1の応答を促す所定の電波(信号)が送信される。
ステップS204において、管理サーバ1021は、携帯電話機1005−1が見つかったか否かを判定する。例えば、ステップS203の処理に伴って基地局1002から送信された所定の信号に対して、携帯電話機1005−1からの応答があった場合、中継サーバ1022を介してその応答が管理サーバ1021に送信され、管理サーバ1021は、携帯電話機1005−1が見つかったと判定し、処理は、ステップS205に進む。ステップS204において、携帯電話機1005−1が見つからなかったと判定された場合、ステップS207に進みエラー処理が実行され、処理は終了する。
ステップS205において、管理サーバ1021は、中継サーバ1022を制御して携帯電話機1005−1のメモリ1054に記憶されている情報を受信させる。このとき例えば、基地局1002から携帯電話機1005−1に対して、メモリ1054に記憶されている情報の送信を制御するコマンドなどに対応する所定の電波(信号)が送信され、送信された信号が携帯電話機1005−1により受信される。そして、携帯電話機1005−1は、受信した信号のコマンドに基づいて、メモリ1054に記憶されている情報に対応する信号を基地局1002に送信し、これが基地局1002の中継サーバ1022により受信されて、管理サーバ1021に送信され、管理サーバ1021の記憶部1208に記憶される。
なお、このとき、中継サーバ1022から携帯電話機1005−1と通信可能な基地局1002の情報も合わせて送信され、管理サーバ1021の記憶部1208に記憶されるようにしてもよい。このようにすることで、携帯電話機1005−1の所有者の現在地をおおよそ推定することができる。
ステップS206において、パーソナルコンピュータ1004は、管理サーバ1021の記憶部1208に記憶された携帯電話機1005−1の所有者の接触情報を、ネットワーク1003を介して取得し、例えば、自身の記憶部1208またはRAM1203などに記憶するとともに、必要に応じて出力部1207に接続されるディスプレイなどに表示する。
このようにして、パーソナルコンピュータ1004により接触情報が取得される。このようにすることで、携帯電話機1005−1の所有者(例えば子供)の家族(例えば親)は、携帯電話機1005−1の所有者の行方を知りたいとき、簡単に、携帯電話機1005−1の所有者の接触情報を閲覧することができ、例えば、接触情報に記述されている接触相手の情報(「ID」、「接触日時」、「メールアドレス」、「住所」、「氏名」など)に基づいて、接触相手に連絡をとり、子供の行方を尋ねるなどすることができる。その結果、親は確実に子供の行方を追跡することができる。
なお、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、インターネットなどのネットワークや、リムーバブルメディアなどからなる記録媒体からインストールされる。
なお、この記録媒体は、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスク(登録商標)を含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディアにより構成されるものだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROMや、記憶部に含まれるハードディスクなどで構成されるものも含む。
本明細書において上述した一連の処理を実行するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
本発明を適用した通信システムの一実施形態に係る構成例を示す図である。 理想状態における、図1の通信システムの等価回路の例を示す図である。 図2のモデルにおいて、受信負荷抵抗の両端に生じる電圧の実効値の計算結果の例を示す図である。 図1の通信システムの配置例を示す図である。 本発明を適用した通信システムの一実施形態に係る実際の利用例を示す図である。 本発明を適用した通信システムの一実施形態に係る他の利用例を示す図である。 通信処理の流れの例を示すフローチャートである。 本発明を適用した通信システムの、さらに他の構成例を示す図である。 本発明を適用した所有者探索システムの一実施形態に係る構成例を示すブロック図である。 図9の携帯電話機の内部構成例を示すブロック図である。 携帯電話機と他の携帯電話機の間で上述した無線通信が行われる例を説明する図である。 携帯電話機と他の携帯電話機の間で上述した無線通信が行われる別の例を説明する図である。 携帯電話機と他の携帯電話機の間で上述した無線通信が行われるさらに別の例を説明する図である。 図9の管理サーバの内部構成例を示すブロック図である。 携帯電話機の処理の例を説明するフローチャートである。 認証処理の例を説明するフローチャートである。 携帯電話機に記憶される情報の例を示す図である。 接触情報取得処理の例を説明するフローチャートである。
符号の説明
100 通信システム, 110 送信装置, 111 送信信号電極, 112 送信基準電極, 113 送信部, 120 受信装置, 121 受信信号電極, 122 受信基準電極, 123 受信部, 130 通信媒体, 961および962 送受信装置, 1000 所有者探索システム, 1002 基地局, 1004 パーソナルコンピュータ, 1005 携帯電話機, 1051 信号発信部, 1052 信号復調部, 1054 メモリ, 1055 制御部, 1056 信号電極, 1057 基準電極

Claims (11)

  1. 通信媒体を介して伝送させる信号を送信または受信するための信号電極と、前記信号の出力値を判定するための基準点を得るための基準電極とを有する情報処理装置であって、
    他の情報処理装置との前記信号の送信または受信による通信が可能か否かを判定する通信可否判定手段と、
    前記通信可否判定手段により前記他の情報処理装置との通信が可能と判定された場合、前記他の情報処理装置を特定する情報を前記他の情報処理装置から取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された情報および前記情報が取得された時刻を、予め登録された宛先に送信する送信手段と
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記信号電極は、前記基準電極よりも前記通信媒体に対して静電結合が強くなるように設けられ、
    前記信号電極と前記基準電極の間に生じた電位差に対応する信号が送信または受信される
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記通信媒体は、人体であり、
    通信可否判定手段は、前記情報処理装置の所有者と、前記他の情報処理装置の所有者とが接触したとき、
    前記通信媒体を介して前記信号の送信または受信による通信が可能と判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記通信媒体は、人体および人体に接触する導電体または誘電体であり、
    通信可否判定手段は、前記情報処理装置の所有者と、前記他の情報処理装置の所有者とが同時に前記導電体または誘電体に接触したとき、
    前記通信媒体を介して前記信号の送信または受信による通信が可能と判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
  5. 予め設定されるモードを判定するモード判定手段をさらに備え、
    前記モード判定手段の判定結果に基づいて、前記取得手段が前記他の情報処理装置を特定する情報を前記他の情報処理装置から取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  6. 前記他の情報処理装置を特定する情報には、前記他の情報処理装置の所有者に関する情報が含まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 前記送信手段により送信された前記取得手段により取得された情報および前記情報が取得された時刻は、前記情報処理装置を特定する情報に対応付けられて情報管理装置に記憶される
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  8. 前記他の情報管理装置に記憶された前記取得手段により取得された情報および前記情報が取得された時刻は、予め登録されたユーザの指令に基づいて出力される
    ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 通信媒体を介して伝送させる信号を送信または受信するための信号電極と、前記信号の出力値を判定するための基準点を得るための基準電極とを有する情報処理装置の情報処理方法であって、
    他の情報処理装置との前記信号の送信または受信による通信が可能か否かを判定する通信可否判定ステップと、
    前記通信可否判定ステップの処理により前記他の情報処理装置との通信が可能と判定された場合、前記他の情報処理装置を特定する情報を前記他の情報処理装置から取得する取得ステップと、
    前記取得ステップの処理により取得された情報および前記情報が取得された時刻を、予め登録された宛先に送信する送信ステップと
    を含むことを特徴とする情報処理方法。
  10. 通信媒体を介して伝送させる信号を送信または受信するための信号電極と、前記信号の出力値を判定するための基準点を得るための基準電極とを有する情報処理装置に情報処理を行わせるプログラムであって、
    他の情報処理装置との前記信号の送信または受信による通信が可能か否かの判定を制御する通信可否判定制御ステップと、
    前記通信可否判定制御ステップの処理により前記他の情報処理装置との通信が可能と判定された場合、前記他の情報処理装置を特定する情報の前記他の情報処理装置からの取得を制御する取得制御ステップと、
    前記取得制御ステップの処理により取得された情報および前記情報が取得された時刻の、予め登録された宛先への送信を制御する送信制御ステップと
    をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  11. 通信媒体を介して伝送させる信号を送信または受信するための信号電極と、前記信号の出力値を判定するための基準点を得るための基準電極とを有する情報処理装置に情報処理を行わせるプログラムが記録されている記録媒体であって、
    他の情報処理装置との前記信号の送信または受信による通信が可能か否かの判定を制御する通信可否判定制御ステップと、
    前記通信可否判定制御ステップの処理により前記他の情報処理装置との通信が可能と判定された場合、前記他の情報処理装置を特定する情報の前記他の情報処理装置からの取得を制御する取得制御ステップと、
    前記取得制御ステップの処理により取得された情報および前記情報が取得された時刻の、予め登録された宛先への送信を制御する送信制御ステップと
    をコンピュータに実行させるプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
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