JP2006269154A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】水が凍結する環境下でも破損のおそれのない金属イオンの除去構成を持つ燃料電池システムの提供。
【解決手段】燃料電池システムは、金属イオン(A)を含む水が流れる配管と、前記配管中で前記水と接触するように配置され、前記金属イオン(A)よりもイオン化傾向の高い金属(B)とを含む。水が金属(B)に接触すると、水に含まれた金属イオン(A)と、該金属(B)の金属イオンとの置換反応が起こり、金属イオン(A)が析出され、水から金属イオン(A)が除去される。
【選択図】図2

Description

本発明は、配管内を流れる水に含まれた金属イオンを除去する構成を持つ燃料電池システムに関する。
従来、燃料電池の分野では、固体高分子型燃料電池を循環する循環水中に溶出した金属イオンをイオン交換樹脂を用いて除去する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
また、本発明に関連する先行技術文献として、以下の特許文献2、3に開示された技術がある。
特開平11−283649号公報 特開2000−260459号公報 特開2002−313404号公報
特許文献1に開示された技術では、イオンを除去するためにイオン交換樹脂を用いる。しかしながら、氷点下の環境下においては、イオン交換樹脂内に入り込んだ水分が凍結・膨張することによって、イオン交換樹脂が破損する可能性があるという問題があった。
本発明は、そのような問題を解決するためになされたものであり、低温環境下でも破損のおそれのない金属イオンを除去する構成を有する燃料電池システムを提供することをその目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するために以下の構成を採用する。
即ち、本発明は、燃料電池システムであり、
金属イオンを含む水が流れる配管と、
前記配管内に前記水と接触するように設けられ、前記金属イオンよりも高いイオン化傾向を有する金属と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、金属イオン(この項で「金属(A)」と称する)を含む水が配管内の金属(この項で「金属(B)」と称する)に接触すると、金属(B)が金属(A)よりもイオン化傾向が高いことからイオンの置換反応が起こり、金属(A)が析出され、代わりに金属(B)のイオンが水に溶出される。このような置換反応による金属(A)の析出により、金属イオンを水から除去(回収)することができる。
また、本発明は、前記配管が金属配管であり、
前記金属は前記金属配管に対して絶縁されており、
前記イオン化傾向の高い金属が陰極となり前記金属配管が陽極となるように電圧を印加する電圧印加手段をさらに備えるように構成しても良い。
このように構成すれば、金属配管と金属(B)への電圧印加により水に含まれた金属イオンが金属(B)に引き寄せられ析出される。これにより、水に含まれた金属(A)を除去することができる。金属配管は、例えば、金属(B)よりもイオン化傾向の低い金属(金属(A)を含む金属)を材質とするものを適用可能である。この場合、金属配管から水に溶出する
金属イオンを除去することが可能となる。
本発明は、金属(A)を析出するために、金属(B)を用いる。金属(B)は、イオン交換樹脂よりも強度が高く、また、水が入り込まない構成とすることができる。よって、水が凍結する環境下での使用においても、接触している水の凍結・膨張により破損することがない。従って、寒冷地でも好適に使用可能な燃料電池システムを提供することができる。
本発明は、前記水がニッケルイオンとクロムイオンとの少なくとも一方を含み、
前記金属は主たる成分としてアルミニウムを含む
ように構成することができる。
このような構成によれば、金属配管から水に溶出したニッケル(Ni)やクロム(Cr)のような金属イオンを除去することができる。アルミニウム(Al)が溶出する場合には、その下流における水のpH値が大きくなり、金属配管の酸化を抑制することが期待できる。
また、本発明における前記配管は、燃料電池システムに含まれる燃料電池の一部を構成、又は該燃料電池に接続されているように構成される。「該燃料電池に接続されている」には、燃料電池に直接接続されている場合と、他の部材(例えば他の配管)を介して燃料電池に接続されている場合とを含む。また、本発明の「配管」は、「燃料電池から排出される水が流れる配管」とすることもできる。
本発明によれば、水が凍結する環境下でも破損のおそれのない金属イオンを除去する構成を持つ燃料電池システムを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
〈燃料電池システムの構成例〉
図1は、本発明が適用される燃料電池システムの構成例を示す図である。図1において、燃料電池1として、固体高分子型燃料電池(PEFC)が適用されている。燃料電池1は、少なくとも1つのセルからなる。
セルは、固体高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜を両側から挟む燃料極(アノード)及び空気極(酸化剤極:カソード)と、燃料極及び空気極を挟む燃料極側セパレータ及び空気極側セパレータとからなる。
燃料極は、拡散層と触媒層とを有し、水素ガスや水素リッチガスなどの水素を含む燃料が燃料供給系により燃料極に供給される。燃料極に供給された燃料は、拡散層で拡散され触媒層に到達する。触媒層では、水素がプロトン(水素イオン)と電子とに分離される。水素イオンは固体高分子電解質膜を通って空気極に移動し、電子は外部回路(図示せず)を通って空気極に移動する。
一方、空気極は、拡散層と触媒層とを有し、空気等の酸化剤ガスが酸化剤供給系により空気極に供給される。空気極に供給された酸化剤ガスは、拡散層で拡散され触媒層に到達する。触媒層では、酸化剤ガスと、固体高分子電解質膜を通って空気極に到達した水素イオンと、外部回路を通って空気極に到達した電子とによる反応により水が生成される。
このような燃料極及び空気極における反応の際に外部回路を通る電子が、燃料電池1の
セルスタックの両端子間に接続される図示しない負荷に対する電力として使用される。
燃料電池1には、燃料を供給及び排出するための燃料供給/排出系と、酸化剤を供給及び排出するための酸化剤供給/排出系とが接続される。図1において、燃料供給/排出系は次のように構成されている。
すなわち、燃料電池1に設けられた燃料入口1Aは、水素源(例えば、高圧水素を貯留したタンク)2及び調圧弁3と配管4を介して接続されている。一方、燃料電池1に設けられた燃料出口1Bは、配管5を介して、燃料ガスの気液分離器6の入口に接続されている。燃料電池1の内部には、燃料入口1Aと燃料出口1Bとを結び、且つセルの燃料極を経由する燃料通路1Cが設けられている。
燃料気液分離器6の気体側出口は、配管7を介して、モータにより駆動する循環ポンプ8の入口に接続されている。循環ポンプ8の出口は、配管9が設けられており、配管9は、逆止弁10を介して配管4に接続されている。また、配管9には、排気管11及び排気弁12が配置されている。排気弁12から排出されるガスは図示せぬ希釈器を通って水素濃度が薄められた後、外部に排出される。
以上の構成において、燃料ガスが通過する配管のうち、配管5、気液分離器6、配管7、配管9は、ステンレス(SUS)のような金属製の材質で構成されている。これらの配管5、気液分離器6、配管7、循環ポンプ8、配管9等が本発明の「金属配管」に相当する。
このような構成により、水素源2から送り出される高圧の水素ガス(燃料ガス)は、調圧弁3で調圧された後、配管4を通って燃料入口1Aから燃料電池1に入り、燃料通路1Cを通過する際に燃料極にて電極反応に消費される。その後、燃料極を通過した水素ガスは、燃料オフガスとして燃料出口1Bから配管5(燃料電池1の外部)へ排出され、気液分離器6へ送られる。
気液分離器6では、燃料オフガスが気相成分と液相成分とに分離され、気相成分は配管7を通って循環ポンプ8により再び配管4に供給される。このように、燃料電池1に供給される燃料ガスが循環するように構成されている。さらに、調圧弁3及び排気弁11の開閉制御により、燃料ガスの濃度が適正な範囲で保たれるように構成されている。
一方、図1において、酸化剤供給/排出系は、次のように構成されている。すなわち、燃料電池1に設けられた酸化剤入口1Dは、配管13を介してエアコンプレッサ14に接続されている。また、燃料電池1に設けられた酸化剤出口1Eは、配管15を介して酸化剤ガスの気液分離器16の入口に接続されている。燃料電池1の内部には、酸化剤入口1Dと酸化剤出口1Eとを結び、且つセルの空気極を経由する酸化剤通路1Fが設けられている。さらに、気液分離器6の液相成分の出口は、ドレン弁53(図4)を介して配管17の一端に接続されており、配管17の他端は配管15に接続されている。
このような構成によれば、エアコンプレッサ14のモータによる駆動により、酸化剤ガスとしての空気が配管13を介して燃料電池1に供給される。空気は酸化剤入口1Dから燃料電池1に入り、酸化剤通路1Fを通過する際に、空気極にて電極反応に消費される。その後、空気極を通過した空気は、酸化剤オフガスとして酸化剤出口1Eから配管15(燃料電池1の外部)に排出される。配管15に送り出された酸化剤オフガスは、配管17から合流する液相成分とともに気液分離器16へ導入される。
気液分離器16では、気相成分と液相成分との分離が行われる。気相成分は、気相成分
出口16Aから排出され、図示せぬ希釈器を通り、濃度が薄まった状態で外部に排出される。液相成分は、液相成分出口(ドレン)16Bから排出され、回収される。
ところで、燃料電池1では、空気極での反応によって水(生成水)が生成される。生成水は、固体高分子電解質膜を通じて空気極から燃料極に到達する。固体高分子電解質膜には、フッ素系樹脂系高分子膜が適用されている。このため、燃料極へ移動する生成水中にフッ酸(フッ素イオン)が溶出することがある。
燃料極へ到達した生成水は、燃料ガスとともに、燃料電池1の外部(配管5)に排出される。このとき、燃料電池1から排出される生成水中のフッ素イオンは、配管5等を構成する金属と反応し金属イオン(ステンレス(SUS)であれば、鉄(Fe),ニッケル(Ni),クロム(Cr)等の各イオン)が溶出する要因となることがある。生成水は、気液分離器6で液相成分として燃料オフガスから分離され、配管17、15を通じて気液分離器16に導入される。
本発明の実施形態は、このような水に溶出した金属イオンをイオン交換樹脂を用いることなく除去する構成について例示する。
〈本発明によるイオン除去の原理〉
図2(A)は、本発明によるイオン除去の第1の構成の原理説明図であり、図2(B)は、本発明によるイオン除去の第2の構成の原理説明図である。
図2(A)に示す第1の構成では、金属配管を構成する金属Aと、金属配管内に配置(例えば固着)され、金属Aよりもイオン化傾向の高い犠牲材としての金属Bとが示されている。金属Aは、例えばステンレス(SUS(Ni+Cr+Fe))である。金属Bには、金属AがSUSであることに鑑み、ニッケル(Ni)やクロム(Cr)に対する犠牲材としてアルミニウム(Al)が適用されている。金属Bは、主たる成分(例えば70%以上)としてアルミニウムが含まれていれば良く、或る程度の不純物の混入は許容される。
また、図2(A)では、燃料電池から排出された生成水Cが紙面の左側から右側へ流れるようになっており、生成水中には、金属Aから溶出した金属イオン(ニッケルイオン(Ni2+)やクロムイオン(Cr3+)等)が含まれているものと仮定する。
第1の構成によれば、金属イオンを含む生成水Cが金属Bと接触すると、生成水C中の金属イオン(金属A)と金属Bとの間で置換反応が起こり、ニッケルやクロムが金属B上に析出される。その代わりに金属Bからアルミニウムイオン(Al3+)が溶出し、生成水Cに含まれて下流側へ運搬される。このようにして、金属イオンが析出されることにより、生成水から金属イオンを除去することができる。
もっとも、図2(A)では、金属Bが配置された配管が金属Aで構成されているが、上記した置換反応は、配管が金属Aであることを要件とするものではない。従って、図2(A)に示した配管の材質たる金属Aは、他の金属や非金属(樹脂、ゴム等)に置き換えることもできる。言い換えれば、第1の構成では、金属イオンを含む水が流れる配管(その材質を問わない)に、該金属イオンよりもイオン化傾向の高い金属が水と接触するように配置されていれば良い。
図2(B)に示される第2の構成は、図2(A)に示した第1の構成と次のように異なる。第2の構成では、金属製の配管(例えば金属A製の配管)が適用される。金属配管内に配置される金属Bは金属配管から絶縁される。図2(B)では、金属A(金属配管)と金属Bとの間に絶縁体Dが介装されている。
さらに、第2の構成では、金属Aが陽極となり、金属Bが陰極となるように、電圧源Eからの電圧が印加される。電圧値は、この例では、各金属A(SUS)、B(Al)の構成金属の標準電位に基づき1V程度の電圧が適用される(ニッケル,クロム及びアルミニウムの標準電位は、夫々Ni=−0.23V,Cr=−0.74V,Al=−1.66Vであるため)。これら以外の構成は、第1の構成と同様である。
第2の構成によれば、電圧が金属A(金属配管)及び金属Bに印加された状態で、金属イオンを含む生成水Cが金属Bと接触すると、生成水に含まれる金属イオン等の陽イオンが金属Bに引きつけられ、金属B上に析出される。このようにして、生成水Cからニッケルやクロム等の金属イオンを除去することができる。
〈適用例1〉
図3(A)及び(B)は、適用例1を示す図であり、図3(A)は、図1に示した配管5,7,9のような金属配管(図3では配管5を例示)に対し、図2(A)に示した第1の構成を適用した例を示す図であり、図3(B)は、金属配管に対して図2(B)に示した第2の構成を適用した例を示す図である。
図3(A)において、金属A(SUS)が適用された円筒状の配管5内では、燃料電池1(図1)から排出された燃料オフガスが紙面の上から下に向かって流れるようになっており、燃料オフガス中には、燃料電池1から排出された生成水が含まれている。生成水は、金属配管(配管5を含む)から溶出したニッケルやクロム等の金属イオンを含んでいる。
配管5の内面には、円筒状の金属B(Al)が取り付けられている。金属Bは円筒状の部材を配管内周面にはめ込むようにしても良く、メッキやコーティング技術を用いて形成するようにしても良い。
このような構成によれば、燃料オフガス中の生成水が金属B内を通過する際に金属Bと接触すると、置換反応が起きてニッケルやクロムが金属B上に析出されるとともに、置換されたアルミニウムイオンが生成水中に溶出し、下流側へ運ばれる。下流側では、アルミニウムの溶出によりできた塩基により生成水が中和(pH値が上昇)するので、酸性の生成水が金属配管を酸化させるのを抑えることが可能となる。
図3(B)では、円筒状の金属B(Al)が、絶縁体Dを介して取り付けられている。また、配管5の外部には、電圧源Eが設けられている。電圧源Eは、配管5(金属A)に正電圧を印加し、金属Bに負電圧を印加する。電圧源Eによる電圧印加のオン/オフは、例えば、ECU(Electronic Control Unit)51により制御されるように構成されている。
ECU51は、CPU,メモリ,入出力インタフェース(I/O)等から構成されており、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することによって、電圧印加を制御する。例えば、ECU51は、燃料電池1による発電量を監視し、燃料電池1による発電が行われている場合に、電圧源Eから電圧が印加されるように電圧源Eを制御する。或いは、ECU51は、燃料電池システムが搭載された移動体(例えば車両)の速度を監視し、速度が0以上になった場合(移動体が移動している場合)に、電圧源Eから金属A及びBに電圧が印加されるように構成することもできる。もっとも、常時電圧印加が行われるように構成可能である。
適用例1によれば、配管5内を流れる生成水が金属Bと接触すると、生成水中に含まれた金属Bよりイオン化傾向の低い金属イオン(ニッケルイオンやクロムイオン等)が金属Bに引きつけられて析出される。これによって、配管5から下流側へ流れる生成水(燃料オ
フガス)から金属イオンが除去される。
〈適用例2〉
図4は、適用例2として、図1に示した気液分離器6のような金属配管に対し、図2に示した第2の構成を適用した例を示す図である。図4において、金属製(例えば金属A(SUS)製)の気液分離器6には、配管5と配管7とが接続されている。配管5は、円筒状の気液分離器6本体の接線方向からその内部に燃料オフガスが導入するように取り付けられており、配管7は気液分離器6本体の上面に取り付けられている。
接線方向に導入された燃料オフガスは気液分離器6内でその内面を周方向に旋回する。このとき、燃料オフガスに含まれた比重の重い生成水(液相成分)は気液分離器6内の底部に溜まり、比重の軽い燃料オフガス(気相成分)は配管5から導入される燃料オフガスに押し出されるようにして配管7に排出される。
気液分離器6の底部には、貯留された生成水を排出するためのドレン管52及びドレン弁(電磁弁)53が設けられており、ドレン弁53の出口は配管17(図1)に接続されている。ドレン弁53の開弁により、貯留した生成水は配管17に排出される。
図2(B)に示した第2の構成は、次のようにして気液分離器6に設けられている。すなわち、気液分離器6の内面には、絶縁体Dを介して金属Bが取り付けられている。金属Bは、少なくとも一部が生成水中に没するように設けられている。気液分離器6の外部には、電圧源Eが設けられている。電圧源Eは、生成水と接する気液分離器6の内面(金属A)に正電圧を印加し、金属Bに負電圧を印加するように構成されている。電圧源Eによる電圧印加は、図3に示した例と同様に、ECU51によって制御される。
適用例2によれば、配管5から気液分離器6内に導入された生成水を含む燃料オフガスは、気相成分と液相成分(生成水)とに分離され、気相成分は配管7に排出される。生成水は、気液分離器6の底部に貯留され、金属A及びBに接触する。電圧源Eから金属A及びBに電圧が印加されると、金属A及びBに接触する生成水中の金属イオン(ニッケルイオンやクロムイオン)は、金属Bに引きつけられ、金属B上に析出される。このようにして、生成中から金属イオンが除去される。金属イオンが除去された生成水は、ドレン弁53の開弁により配管17に排出される。このような構成により、本実施形態による燃料電池システムは、気液分離器6内に貯留された生成水中のイオンを除去するイオン交換樹脂を配置することが省略されている。
ドレン弁53の開閉タイミングは、貯留された生成水の水位、生成水中のイオン濃度、燃料電池1に対する負荷(移動体速度等の運転履歴)に応じてECU51により制御される。また、電圧源Eによる電圧印加は常時行われるようにしても良く、燃料電池1に対する負荷(運転履歴)に応じて電圧印加が行われるようにしても良い。
或いは、気液分離器6内に貯留された生成水の水位を計測する水位センサ54を設け、水位センサ54の出力信号がECU51に入力されるように構成し、ECU51が水位センサ54で計測される水位に応じて電圧印加を制御するように構成することもできる。例えば、生成水の水位が所定の第1の水位より上昇すると電圧印加が開始され、その後、水位が所定の第2の水位まで上昇すると配管17への排出(ドレン弁53の開弁)が開始され、その後、水位が所定の第3の水位まで下降すると、電圧印加の停止(及びドレン弁53の閉弁)が行われるように構成される。また、配管17へ排出される生成水中のイオン濃度が低下するようにドレン弁53の開度が調整されるように構成することも可能である。
なお、気液分離器6に対し、図2(A)に示した第1の構成を適用することもできる。ま
た、第1及び第2の構成は、適用例1及び2に示した燃料ガスの循環路(供給/排出系)における配管や気液分離器の他、循環路の一部を構成するバルブやポンプにも適用が可能である。
言い換えれば、本発明における「配管」の語は、パイプのような配管部材の他、金属イオンを含む生成水が流れる経路を構成する部材又は部品(例えば、経路を構成するバルブ、ポンプ、気液分離器、燃料電池内部の構成(セパレータ、マニホールド等))を含む。また、後述する適用例3で説明される冷却液の循環経路を構成する部材、部品(配管、バルブ、ポンプ、燃料電池内の冷却液通路(セパレータ、マニホールド等))も「配管」に含まれる。
このため、図1に示した配管15,17、気液分離器16内に金属イオンを含む生成水が流れる場合(例えば燃料電池1内のメタルセパレータ(例えばSUS製)から溶出した金属イオンを含む生成水が酸化剤出口1Eから配管15に排出される場合、或いは、気液分離器6から排出された生成水に金属イオンが残っている場合)には、このような酸化剤ガスの排出系にも本発明が適用される。
配管15,17、気液分離器16内の材質が夫々金属製(例えばSUS)であれば、これらに対して図2(B)に示した第2の構成を適用することにより金属イオンを除去することが可能である。一方、図2(A)に示した第1の構成では、犠牲材としての金属Bが配置される配管の材質が金属製である必要はないので、配管15、17、気液分離器16内の材質に拘わらず、金属Bを配置すれば、金属イオンの除去が可能である。
〈適用例3〉
適用例1及び2として、燃料電池システムにおける燃料ガスの循環路(供給/排出系)を流れる金属イオンを除去する構成について説明した。もっとも、本発明の原理は、燃料電池システムを構成する燃料電池の冷却系についても適用することができる。
図1には、燃料電池の冷却系が例示されている。図1において、燃料電池1には、冷却水入口(入口マニホールド)1G及び冷却水出口(出口マニホールド)1Hが設けられており、冷却水入口1Gと冷却水出口1Hとの間は、各セルのセパレータに設けられた通水路を経由する冷却水通路1Iで結ばれている。
冷却水入口1Gは、配管19を介して、冷却水を循環させる循環ポンプ(冷却水ポンプ)20の出口に接続されている。一方、冷却水出口1Hは、配管21を介して冷却水を冷却するラジエータ(冷却器)22の入口に接続されている。また、ラジエータ22の出口は、配管23を介して三方弁24の第1入口に接続されている。三方弁24の出口は、配管25を介して循環ポンプ20の入口に接続されている。
また、配管21には、その途中から分岐するバイパス管26の一端が接続されており、バイパス管26の他端は、三方弁24の第2入口に接続されている。また、配管21とバイパス管25との間には、パイパス管27がバイパス管26に対して並列に設けられている。配管19,21,23,25,バイパス管26,27には、その材質としてSUSが適用されている。
このような構成によれば、燃料電池1の温度が低い場合には、三方弁24の第1入口が閉じられ第2入口が開かれることによって、冷却水はバイパス管26と燃料電池1との間を循環する。これに対し、燃料電池1の温度が発電に応じて所定温度を上回ると、三方弁24の第1入口が開かれ第2入口が閉じられて、冷却水が燃料電池1とラジエータ22との間を循環し、燃料電池1の冷却が図られる。また、冷却水の一部は、常時バイパス管2
7を通って循環する。
図5(A)〜(C)は、適用例3の構成例を示す図である。図5(A)には、図1に示したバイパス管27に対し、図2(A)に示した第1の構成が適用された例が示されている。図5(B)には、バイパス管27に対し、図2(B)に示した第2の構成が適用された例が示されている。図5(C)には、燃料電池1の冷却水出口1Hに対し、第1の構成が適用された例が示されている。
適用例3によれば、次の利点がある。冷却水は、エチレングリコールを主成分とし、燃料電池1内部を循環しているため、電圧がかかった状態にある。エチレングリコールは、使用過程において分解酸化し、ギ酸(マイナスイオン)になる(冷却水が劣化する)。ギ酸は冷却水中のpH値を低下させるので、冷却水が接触する金属配管(ラジエータ22,各配管,マニホールド(燃料電池1の冷却水入口、出口),ポンプ,バルブ,メタルセパレータ等)を酸化させる。冷却水中の金属イオンは、このような冷却水の劣化を招く要因となっている。
適用例3によれば、第1又は第2の構成が適用されることで、金属イオンが冷却水から除去されるので、冷却水の劣化を防止することができる。また、図5(A)及び(B)に示すように、バイパス管27に第1又は第2の構成が適用され、冷却水の一部がバイパス管27を流れ、冷却水中の金属イオンが除去されるように構成することで、循環ポンプ20の圧損が抑制される(循環ポンプ20の出力を上げなくても冷却水が円滑に循環する)。また、図5(A)及び(B)に示した構成が適用されることで、本実施形態の燃料電池システムでは、バイパス管27上にイオン交換樹脂を有するイオン交換器を配置することが省略されている。
また、図5(C)に示した構成を適用すれば、金属配管(SUS製の各配管,ラジエータ22,三方弁24,循環ポンプ20,燃料電池1の冷却水通路1I(SUS製のセパレータ等))から溶出した金属イオンを燃料電池1外の循環路に送出される際に効率的に除去することができ、燃料電池1の外部を流れる金属イオンの量を低減することができる。
また、図5(A)及び(C)に示した例によれば、金属B(犠牲材)からのアルミニウムイオンの溶出により生成される塩基による中和作用で、冷却液の酸化が抑えられることを期待することができる。
なお、適用例3では、バイパス管27や冷却液出口1Hに第1又は第2の構成を適用した例を示したが、冷却系を構成するその他の金属配管内に第1又は第2の構成を適用することも可能である。また、バイパス管27がSUS製である例を示したが、循環路の一部がSUS製になっていれば、SUSから溶出した金属イオンを除去することができる。
〈実施形態の作用効果〉
以上説明した本発明の実施形態によれば、燃料電池システム内で金属イオン(金属A)を含む水が流れる配管中に犠牲材としての金属Bを配置する、又は該水が流れる金属配管中に金属配管から絶縁された金属Bを配置し、金属配管が陽極となり金属Bが陰極となるように電圧が印加される。これによって、水へ溶出した金属イオンを除去することができる。
金属Bは、その内部に水が入り込まない構成を適用すること、或いは水が入り込んでもその水の凍結・膨張により破損しない強度を持たせることが可能である。このため、イオン交換樹脂が氷点下の環境下で破損するといった問題は生じない。従って、図3〜5に示した構成を持つ燃料電池システムは、寒冷地等の低温環境下でも好適に使用することがで
きる。
なお、図3〜図5に示した適用例では、生成水や冷却水の流路に第1又は第2の構成を適用する例を説明したが、第1及び第2の構成は、1カ所だけに設けても良く、複数箇所に同時に設けるようにしても良い。
また、本実施形態では燃料電池1としてPEFCが適用された例を示したが、本発明が冷却液の循環系にも適用可能なこと、及びPEFC以外の燃料電池システムでも反応ガス(燃料ガス、酸化剤ガス)の流路を構成する金属配管(例えばSUS製)を有し、この金属配管を流れる生成水中に金属イオンが溶出される可能性があることに鑑み、本発明が適用される燃料電池は、PEFCに限られない。
図1は、本発明が適用される燃料電池システムの構成例を示す図である。 図2は、本発明の原理説明図である。 図3は、本発明の適用例1の構成例を示す図である。 図4は、本発明の適用例2の構成例を示す図である。 図5は、本発明の適用例3の構成例を示す図である。
符号の説明
A,B・・・金属
C・・・生成水
D・・・絶縁体
E・・・電圧源(電圧印加手段)
1・・・燃料電池
1A・・・燃料入口
1B・・・燃料出口
1C・・・燃料通路
1G・・・冷却水入口
1H・・・冷却水出口
1I・・・冷却水通路
4,5,7,9,15,17,19,21,23,25・・・配管
6,16・・・気液分離器
8,20・・・循環ポンプ
24・・・三方弁
26,27・・・バイパス管

Claims (4)

  1. 金属イオンを含む水が流れる配管と、
    前記配管内に前記水と接触するように設けられ、前記金属イオンよりも高いイオン化傾向を有する金属と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記配管は、金属配管であり、
    前記金属は、前記金属配管に対して絶縁されており、
    前記金属が陰極となり前記金属配管が陽極となるように電圧を印加する電圧印加手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記水は、ニッケルイオンとクロムイオンとの少なくとも一方を含み、
    前記金属は主たる成分としてアルミニウムを含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記配管は、燃料電池システムに含まれる燃料電池の一部を構成、又は該燃料電池に接続されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009224125A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Fuji Electric Holdings Co Ltd 燃料電池発電装置
JP2014061485A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Osaka Gas Co Ltd 純水浄化装置及び燃料電池システム

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