JP2006268898A - 記録ディスクカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録ディスクメディアの汚損を極力防止し、高い剛性を有する記録ディスクカートリッジを提供することを課題とする。
【解決手段】 センタコアを有する磁気ディスクメディアと、前記記録ディスクメディアを収納するカートリッジケースとを備える記録ディスクカートリッジであって、前記センタコアの側面は、前記カートリッジケースの下壁を構成するとともにディスクメディアのスピンドルを前記センタコアに結合させるためのチャック用センタ孔が形成された下プレート側に向け先細りとなるテーパ面を有し、前記チャック用センタ孔を開閉するためのスイングシャッタは、前記テーパ面に当接し前記センタコアを前記カートリッジケース内に押し入れることを特徴とする。
【選択図】 図9

Description

本発明は、記録ディスクメディアをカートリッジケースに収容した記録ディスクカートリッジに関する。
従来、ポリエステルシートなどからなる円盤状の支持体の両面に磁性層を形成したフレキシブルな磁気ディスクメディアや、光磁気ディスクメディア、相変化ディスクメディアなどの記録ディスクメディアをカートリッジケースに収納した記録ディスクカートリッジが知られている。これらの記録ディスクメディアは、年々、高密度記録化されており、その記録トラック幅はより狭くなって来ていると共にその記録長はより短くなってきている。このため、磁気ディスクカートリッジは、磁気ディスクメディアと磁気ヘッドとの間にわずかな塵埃が介在するだけで読取エラーが生じやすくなっている。また、光ディスクメディアは、塵埃に比較的強いといわれているものの、高記録密度になると、光ピックアップのレンズの開口率が大きくなる結果、メディアとレンズとを近づける必要が生じ、やはり塵埃による読取エラーが生じやすくなる。
記録ディスクカートリッジに塵埃が侵入する部分としては、磁気ヘッドや光ピックアップを記録ディスクメディアにアクセスさせるためにカートリッジケースに設けられたアクセス用開口部や、ディスクドライブのスピンドルを記録ディスクメディアに結合させるためにカートリッジケースの中央に設けられたチャック用センタ孔などがある。そして、従来の記録ディスクカートリッジは、カートリッジケース内への塵埃の侵入を防止するために、アクセス用開口部やチャック用センタ孔を非使用時に閉じるように構成されている(例えば、特許文献1、2および3参照)。
特開2004−013921号公報 特開2002−063778号公報 特開2004−348885号公報
しかしながら、従来の記録ディスクカートリッジは、アクセス用開口部やチャック用センタ孔を閉じるシャッタが、カートリッジケースの外側で作動していたために、その携帯時や保管時に他の物に引っ掛かって開くおそれがあった。また、従来の記録ディスクカートリッジは、シャッタが外部から容易に接触可能となっているために、シャッタを不用意に開けてしまうおそれもあった。そして、従来の記録ディスクカートリッジは、アクセス用開口部がカートリッジケースの記録ディスクメディアに平行な上面もしくは下面またはその両方に設けられているために、シャッタが開いてしまった場合には、記録ディスクメディアが大きく露出して容易に汚損される状態となる。さらに、従来の記録ディスクカートリッジは、カートリッジケースの上面もしくは下面またはその両方にアクセス用開口部が形成されているので、カートリッジケースの剛性が低下してカートリッジケースを薄型化しにくいという問題もあった。また、チャック用センタ孔をシャッタで閉じるに際しては、スピンドルと記録ディスクメディアとの結合部が円滑にカートリッジケース内に収納されることが望ましい。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、高い剛性を有し、カートリッジケース内への塵埃の侵入と記録ディスクメディアの汚損を極力防止すべく、スピンドルと記録ディスクメディアとの結合部を円滑にカートリッジ内に収納することのできる記録ディスクカートリッジを提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、センタコアを有する記録ディスクメディアと、前記記録ディスクメディアを収納するカートリッジケースとを備える記録ディスクカートリッジであって、前記記録ディスクメディアの半径方向外側を略囲んで前記カートリッジケースの側壁を構成するとともに前記記録ディスクメディアを外部に臨ませる側部開口を有するベースフレームと、前記記録ディスクメディアの下方に配置されて前記カートリッジケースの下壁を構成するとともにディスクドライブのスピンドルを前記センタコアに結合させるためのチャック用センタ孔が形成された下プレートと、前記記録ディスクメディアの上方に配置されて前記カートリッジケースの上壁を構成する上プレートと、前記カートリッジケース内で回動することで前記側部開口を開閉するロータリシャッタと、前記記録ディスクメディアと前記下プレートの間に配置されるとともに前記ロータリシャッタと係合することで前記ロータリシャッタの回動動作に応じて揺動して前記チャック用センタ孔を開閉するスイングシャッタとを備え、前記センタコアの側面は少なくとも下端に前記チャック用センタ孔側に向けて先細りとなるテーパ面を有し、
前記スイングシャッタは、前記チャック用センタ孔を閉じる際に、前記テーパ面に当接して前記センタコアを前記カートリッジケース内に押し入れることを特徴とする。
このような記録ディスクカートリッジによれば、記録ディスクメディアを外部に臨ませる側部開口、つまり磁気ヘッドや光ピックアップが記録ディスクメディアにアクセスするためのアクセス用開口部が、カートリッジケースの側壁を形成するベースフレームに設けられ、上プレートおよび下プレートは、それぞれカートリッジケースの上壁および下壁を構成してベースフレームの上側および下側を塞いでいる。そのため、アクセス用開口部がカートリッジケースの上面または下面に形成されることによるカートリッジケースの剛性の低下が防止される。また、アクセス用開口部が側壁にしか形成されていないため、ユーザがアクセス用開口部を開閉するロータリシャッタを開いてしまった場合でも、アクセス用開口部からは記録ディスクメディアの外周のエッジが臨めるだけで、記録ディスクメディアの記録面に直接触れるのが困難である。そのため、記録ディスクメディアの記録面の汚損を防止することができる。そして、アクセス用開口部の大きさも最小限で済むので、カートリッジケース内に塵埃が侵入しにくい。
また、チャック用センタ孔を開閉するスイングシャッタが下プレートとフレキシブルディスクの間、つまり下プレートより内側に位置することで、携帯時や保管時に、スイングシャッタに他の物が引っ掛かることがない。
なお、本発明における上プレート、下プレートは、通常、ディスクドライブが記録ディスクメディアのチャック部に対し下方からアクセスする場合が多いため、便宜上、チャック用センタ孔のある側を下方としているが、本発明の記録ディスクカートリッジの下プレートを水平方向に向けて使用したり、上方に向けて使用したりできることはいうまでもない。
また、センタコアの側面は、少なくとも下端にチャック用センタ孔側に向けて先細りとなるテーパ面を形成しているので、スイングシャッタは、テーパ面上を滑りながら円滑にセンタコアをカートリッジケース内に押し入れていく。
また、前記スイングシャッタは、少なくとも前記センタコアの前記テーパ面との当接部をR面形状としている。この結果、初期動作が滑らかとなって、スイングシャッタは、センタコアをスムーズにカートリッジケース内に移動させることができる。
また、前記スイングシャッタは、少なくとも前記センタコアの前記テーパ面と当接する部分を面取り形状としている。この結果、初期動作が滑らかとなり、スイングシャッタは、センタコアをスムーズにカートリッジケース内に移動させることができる。
また、前記スイングシャッタは、少なくとも前記センタコアの前記テーパ面と当接する部分を鈍角としている。この結果、初動動作が滑らかとなり、スイングシャッタは、センタコアをスムーズにカートリッジケース内に移動させることができる。
また、前記スイングシャッタは、少なくとも前記センタコアの前記テーパ面に当接する部分を前記テーパ面に合致する斜面としている。この結果、初期動作が滑らかとなり、スイングシャッタは、センタコアをスムーズにカートリッジケース内に移動させることができる。
また、前記センタコアは、前記テーパ面の大径部の径を前記下プレートの前記チャック用センタ孔の径より小さいものとしたため、センタコア(記録ディスクメディア)の回転動作の際に、センタコアのテーパ面の大径部が、下プレートに形成されたチャック用センタ孔に引っ掛かることがない。その結果、センタコア(記録ディスクメディア)の回転動作は安定して行われる。
また、前記センタコアの前記テーパ面の大径部の径と前記下プレートに形成された前記チャック用センタ孔の径との差が0.2mmから0.8mmであるものが望ましい。本来、塵埃吸入の抑制のためには、両寸法は同径に設定することが考えられるが、記録ディスクメディアの回転動作の余裕を確保しつつ、動作中の空気流による外部塵埃吸入を抑制するという双方の効果を発揮することができるよう、当該径に差を設けた。
なお、両者の径の差は、本発明の目的を最も効果的に達成するためには、0.3mmから0.4mmがより望ましい。
本発明によれば、カートリッジケースの剛性を向上でき、また、カートリッジケース内への塵埃の侵入や記録ディスクメディアの汚損を防止することができる。また、チャック用センタ孔を開閉するスイングシャッタが外部の物に引っ掛かるのを防止することができる。また、スピンドルと記録ディスクメディアとの結合部をカートリッジケース内にスムーズに押し入れることができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態においては、記録ディスクメディアの一例として磁気ディスクメディアを採用した磁気ディスクカートリッジの場合について説明する。
図1は、一実施形態に係る磁気ディスクカートリッジとディスクドライブを示す外観斜視図であり、図2は、アクセス用開口部が開いた状態の磁気ディスクカートリッジを下方から見た外観斜視図である。なお、以下の説明において、上下は、磁気ディスクカートリッジの典型的な使用状態を基準とし、便宜上磁気ディスクメディアの面に垂直な方向を上下とし、センタコアを外部に露出させるチャック用センタ孔がある方を下方とする。また、磁気ディスクカートリッジ1の挿入方向を前方として、図1に示す前後左右の方向を用いて説明する。
図1に示すように、磁気ディスクカートリッジ1は、カートリッジケースC内に磁気ディスクメディアDMが収納されて構成されている。カートリッジケースCは、ベースフレーム10と、このベースフレーム10の下側に接合された下プレート20と、ベースフレーム10の上側に接合された上プレート30とを含んで構成されている。
カートリッジケースCは、その外形が平面視で略矩形のカード状である。この矩形の一つの角は、面取り状に切り欠かれて面取部C1を形成し、ディスクドライブDへの挿入方向の目印とされている。この挿入方向は、平面視で面取部C1が右前方になるように設定されているが、これに限られるものではない。
挿入方向に対して直交した方向、図1においては、右方向の側部に、磁気ディスクメディアDMを外部に臨ませる側部開口としてアクセス用開口部C2が形成されている。ディスクドライブDが有する、磁気ヘッドHを先端に有したスイングアームSAは、このアクセス用開口部C2からカートリッジケースCの内部に進入し、磁気ディスクメディアDMにアクセスする。
アクセス用開口部C2は、磁気ディスクカートリッジ1の非使用時、例えば保管時においてロータリシャッタ40により閉じられており、使用時にロータリシャッタ40を回動させることで開かれる。
図2に示すように、カートリッジケースCの下側には、その中央に、ディスクドライブDのスピンドルSP(図1参照)を磁気ディスクメディアDMに結合させるためのチャック用センタ孔C3が形成されている。チャック用センタ孔C3は、磁気ディスクカートリッジ1の非使用時において、スイングシャッタ50により閉じられており、使用時にスイングシャッタ50を揺動させることで開かれ、磁気ディスクメディアDMが有するチャック部を有するセンタコア61(チャック部61a)を外部へ露出させる。
次に、図3から図7を参照しながら、磁気ディスクカートリッジ1の詳細について説明する。図3は、磁気ディスクカートリッジ1の分解斜視図であり、図4は、ベースフレームの拡大分解斜視図を示し、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図である。また、図5は、図1のV−V断面図であり、図6は、上プレートを外した状態の磁気ディスクカートリッジの平面図であり、図7は、ロータリシャッタを下方から見た斜視図である。
図3に示すように、ベースフレーム10は、カートリッジケースCの側壁を構成するものであって、磁気ディスクメディアDMを略囲む矩形の枠の一辺を切り欠いた形状に形成されたC字型の部材である。具体的には、右辺10Rに前記したアクセス用開口部C2が形成されている。アクセス用開口部C2は、ベースフレーム10の側部に開口していれば十分なので、必ずしもベースフレーム10の一辺を切り欠いて形成する必要はなく、例えば、一辺の一部を薄くして形成したり、一辺の側部にスリットを設けることで形成したりしてもよい。また、ベースフレーム10の左辺10Lには、前後に沿ってスリット状のシャッタ作動用開口部C4が形成されている。シャッタ作動用開口部C4は、ロータリシャッタ40が外部に露出する開口となる。
ベースフレーム10の内周は、図4(a)に示すように、ロータリシャッタ40(図3参照)の外周に合ったシリンダ状内壁11を有し、このシリンダ状内壁11は、ロータリシャッタ40を回動可能に支持している。ベースフレーム10の内周のうち、左前方の一部は、シリンダ状内壁11よりも外側へ凹んでいる。この凹みの部分は、後記するロックスプリング64(図3参照)を収容するスプリング収容部17である。
ベースフレーム10は、メインフレーム10Xとサブフレーム10Yとに分割されて構成されている。サブフレーム10Yは、シャッタ作動用開口部C4の上側を構成する短冊状の部材である。メインフレーム10Xの左辺10Lは、サブフレーム10Yに対応してシャッタ作動用開口部C4を形成すべく薄く形成されている(「薄片部12a」とする)。メインフレーム10Xの左辺10Lの両端には、薄片部12aより一段高くなった接合台座12bが形成されている。接合台座12bにサブフレーム10Yを接合することにより、薄片部12aとサブフレーム10Yの間にスリット状のシャッタ作動用開口部C4が形成される(図3参照)。また、シャッタ作動用開口部C4の前後方向の両端は、外部から見るとシャッタ作動用開口部C4に連続する所定幅の溝18となっている(図8(a)参照)。
なお、接合台座12bの高さは、接合台座12bにサブフレーム10Yを接合した後に、サブフレーム10Yの上面13aがメインフレーム10Xの上面13aと同一高さになるように設定されている。また、本実施形態においては、ベースフレーム10をメインフレーム10Xとサブフレーム10Yの2つの部材を接合して構成しているが、一体に成形してもよいし、3つ以上の部材に分けて構成してもよい。
また、ベースフレーム10の外周の縁には、略全周にわたって上下に向けてリブ14が形成されている。ベースフレーム10の上面13aおよび下面13bからのリブ14の高さは、下プレート20および上プレート30の各厚さと同一または高くなっている。このため、ベースフレーム10に下プレート20および上プレート30を接合すると、図5に示すように、下プレート20のエッジ29および上プレート30のエッジ39がリブ14により隠れ、磁気ディスクカートリッジ1を取り扱う際にエッジ29,39に引っ掛からなくなる。このため、下プレート20および上プレート30がベースフレーム10から剥離しにくくなっている。
このような意味から、上面13aおよび下面13b(図4(b)参照)からのリブ14の高さは、それぞれ上プレート30および下プレート20の各厚さより高いことが望ましい。
図4(a)に示すように、ベースフレーム10の面取部C1には、奥に行くほど幅が広がる蟻溝型の凹部15が形成されている。この凹部15は、機能部品が格納される。例えば、凹部15には、凹部15に対応した透明なプラスチック片(「識別部材66」とする)を光学部品として配置することができる(図3参照)。
このような識別部材66を磁気ディスクカートリッジ1の種類により変えて、磁気ディスクカートリッジ1の識別に利用してもよい。例えば、識別部材66の色や反射率を変えれば、識別部材66の反射率や色を検知することで磁気ディスクカートリッジ1の識別が可能である。このように、面取部C1を識別部位として利用することができる。識別部材66は、このような光学部品を用いる場合に限らず、RFIDタグを用いてもよい。面取部C1にRFIDタグを配置した場合、磁気ディスクカートリッジ1の前側と右側の2方向からRFIDタグにアクセスして磁気ディスクカートリッジ1の識別をすることができる。
ベースフレーム10の、凹部15の後方には、上下に貫通する接合用貫通孔16が形成されている。接合用貫通孔16は、下プレート20および上プレート30と接合されるときに使用される。
ベースフレーム10の材質は、複雑な形状の成形のしやすさから、樹脂を選択するのが望ましいが、金属やセラミックスなどを選択しても構わない。
図3に示すように、下プレート20は、カートリッジケースCの下壁を構成する略矩形の板部材であり、中央にセンタコア61を外部へ露出させるチャック用センタ孔C3を有する。下プレート20の平面視における大きさは、ロータリシャッタ40より若干大きく、ロータリシャッタ40の外周部は下プレート20の縁部よりも内側に位置している。下プレート20の右前の角は、面取部C1に倣って面取部C1′が形成されている。また、下プレート20の上面20aには、左前の角の近傍に、スイングシャッタ50を回動可能に支持するための凸部21と、ロータリシャッタ40が有する係合凸部42cとの干渉を避けるための逃げ溝22が形成されている。
凸部21は、バーリング加工により円筒状に形成されている。凸部21の外側にはスイングシャッタ50の軸受51が外嵌され、内筒部21aには抜け止めピン63が嵌入される。
逃げ溝22は、チャック用センタ孔C3と同心の円弧上に位置している。これは、ロータリシャッタ40の回動動作に従い、係合凸部42cが、カートリッジケースCの中心(磁気ディスクメディアDMの中心)と同心に回動するためである。逃げ溝22の深さは、係合凸部42cとの干渉を避けられる深さを有していればよい。なお、下プレート20の上面20a(カートリッジケースCの内面にあたる)が十分に滑らかで、係合凸部42cと下プレート20との摺動による摩擦が小さく、摩耗粉も発生しない場合には、逃げ溝22を設けなくてもよい。
下プレート20の右前の角部近傍には、接合用貫通孔16に対応して上方に立ち上げられた接合用爪部23が形成されている。接合用爪部23は、前記したベースフレーム10の接合用貫通孔16に圧入されることで、ベースフレーム10と下プレート20の接合力を発生する。ベースフレーム10と下プレート20の接合は、この接合用爪部23によることなく、接着剤の使用、下プレート20とリブ14の圧入嵌合、カシメ用突起をベースフレーム10に形成して下プレート20の適宜な開口に嵌入した後、熱カシメするなどの方法があるが、その方法は特に限定されない。
上プレート30は、カートリッジケースCの上壁を構成する略矩形の板部材であり、右前の角に、面取部C1に倣って面取部C1′が形成されている。上プレート30の平面視における大きさは、ロータリシャッタ40より若干大きく、ロータリシャッタ40の外周部は上プレート30の縁部よりも内側に位置している。上プレート30の下面30aの中央には、非使用時にセンタコア61を固定する突起31が形成されている。また、上プレート30の右前の角部近傍には、接合用貫通孔16に対応して下方に向けて突出した接合用爪部33が形成されている。接合用爪部33は、前記したベースフレーム10の接合用貫通孔16に圧入されることで、ベースフレーム10と上プレート30の接合力を発生する。ベースフレーム10と上プレート30の接合は、ベースフレーム10と下プレート20の接合と同様に、他の方法により行うこともできる。
上プレート30の下面30a、すなわちカートリッジケースCの内面に当たる部分には、フレキシブルディスクFDのクリーニング用のライナ65が貼り付けられている。ライナ65の材質は、不織布や、超高分子量ポリエチレンを発泡させたシートなどを好適に用いることができる。ライナ65は、円形のシート状部材であり、中央にセンタコア61の大きさに合った円形の貫通孔65aを有する。また、スイングアームSAの動作範囲に合わせて、スイングアームSAとの干渉を防止する切欠65bが形成されている。
下プレート20および上プレート30の材質は特に問わないが、少なくとも一方、望ましくは双方を金属、例えばステンレス鋼により構成することで、薄くても必要な剛性を確保することができる。
さらに、ベースフレーム10の形状が複雑である場合や、アンダカット形状がある場合には、ベースフレーム10の一部、例えばメインフレーム10Xと下プレート20を一体に成形し、ベースフレーム10の他部、例えばサブフレーム10Yと上プレート30とを一体に成形してもよい。このようにベースフレーム10を分割した構成とすることで、型抜きをスムーズにして製品の形状精度を高めることができる。
ロータリシャッタ40は、C字型のシャッタ部材41と、シャッタ部材41の下側に接合された補強板42とを備えてなる。
シャッタ部材41は、例えば樹脂を射出成形してなる部材であり、図6に示すように、外周の約3分の1にわたって従動ギヤ41aが形成されている。従動ギヤ41aは、シャッタ作動用開口部C4から外部に露出し、磁気ディスクカートリッジ1をディスクドライブDへ挿入するときにディスクドライブDが有する駆動ギヤ110(図1参照)と噛合する。したがって、磁気ディスクカートリッジ1の挿入動作により、ロータリシャッタ40が駆動ギヤ110により回転させられ、ロータリシャッタ40を開くことが可能となっている。
図7に示すように、シャッタ部材41は、外周の下縁に沿って摺接リブ41bが形成されている。この摺接リブ41bの下端面は、下プレート20と一定の円周上で摺接して(図5参照、なお、摺接リブ41bは変位図示している)、下プレート20に対するロータリシャッタ40の滑らかな回動を可能にしている。もっとも、摺接リブ41bは、シャッタ部材41の全周に形成されるのではなく、C字型に切れている部分に対向する一定範囲で形成されず窓部41b′を形成している。窓部41b′は、シャッタ部材41がスイングシャッタ50の動作と干渉しないようにするために形成されたものである。より具体的にいうと、スイングシャッタ50は、図6に示すように、シャッタ部材41の半径方向外側で軸支され、ロータリシャッタ40(シャッタ部材41)と下プレート20の間で揺動するため、下プレート20とシャッタ部材41の摺接部分である摺接リブ41bを一部切り欠くことで、スイングシャッタ50とシャッタ部材41(摺接リブ41b)の干渉を防止している。これにより、スイングシャッタ50の滑らかな動作を可能にしている。
なお、摺接リブ41bは、連続したリブとして形成されるものに限らず、断続した突起状に形成することもできるが、カートリッジケースCの外部から塵埃の侵入を防止するためには、連続したリブ形状であることが望ましい。
図3に示すように、補強板42は、例えばステンレス鋼など金属のプレートからなる略円形の部材であり、中央に形成されたセンタコア61を挿通させるセンタ孔42aと、スイングアームSAの動作範囲に合った切欠42bと、下側(スイングシャッタ50側)に突出した係合凸部42cとを有する。補強板42の上面には、上プレート30に貼付されているライナ65と同じライナ65が貼付されている。
補強板42は、シャッタ部材41の剛性を補強するとともに、ロータリシャッタ40の動作をスイングシャッタ50に伝えるための係合部(本実施形態では、係合凸部42c)を形成するための部材である。シャッタ部材41が十分な剛性を有するとともに、スイングシャッタ50と係合する係合部を有していれば、補強板42は必ずしも必要ではない。
また、センタ孔42aは、センタコア61が通ることができればよいので、本実施形態よりも大きく形成し、例えば切欠42bと連続した開口となっていてもよい。
さらに、切欠42bは、スイングアームSAがカートリッジケースC内に進入するのを容易にするためのものであるので、スイングアームSAがカートリッジケースC内に進入するスペースがあれば、必ずしも必要ではない。
スイングシャッタ50は、図3に示すように下プレート20のチャック用センタ孔C3を開閉するための部材であり、下プレート20とロータリシャッタ40の間に介装されている。スイングシャッタ50は、基端側が狭く、先端側が広く形成された略扇形のプレートで、先端の広い部分は、チャック用センタ孔C3を閉じるのに十分な大きさを有している。
スイングシャッタ50の基端側には、バーリング加工により円筒状に成形された軸受51が形成されている。軸受51は、下プレート20の凸部21に外嵌して、スイングシャッタ50は、下プレート20に揺動可能に軸支される。下プレート20の凸部21に外嵌されたスイングシャッタ50は、凸部21の内筒部21aに抜け止めピン63が嵌入されることで、下プレート20からの脱落が防止される。なお、抜け止めピン63は、ピン部63aとヘッド部63bとを有し、ヘッド部63bの外周は、軸受51の外周とほぼ同じ直径となっている。
スイングシャッタ50は、基端と先端の間の中程の外周沿いに、略長孔状の係合孔部52が形成されている。係合孔部52は、係合凸部42cと係合して、係合凸部42cの回動動作をスイングシャッタ50に伝える機能を果たす。係合孔部52に係合した係合凸部42cは、その先端(下端)が係合孔部52の下へ若干突出する可能性があるが、この突出した部分は、逃げ溝22に収容されるので、ロータリシャッタ40の滑らかな動作は阻害されない。
本実施形態においては、係合孔部52は、貫通孔として形成されているが、貫通孔に限られない係合部であってもよい。例えば、貫通孔ではなく溝(係合溝部)として形成してもよいし、貫通孔や溝が、スイングシャッタ50の縁部に開口していてもよい。また、ロータリシャッタ40とスイングシャッタ50の係合は、ロータリシャッタ40の係合凸部42cとスイングシャッタ50の係合孔部52により行っているが、凹凸の関係を逆にしても構わない。すなわち、スイングシャッタ50にロータリシャッタ40に向けて突出した係合凸部を設けて、ロータリシャッタ40に、この係合凸部に係合する係合孔部または係合溝部を形成してもよい。
抜け止めピン63のヘッド部63bと軸受51の外周とは、同じ直径に形成されることで、一つの連続した軸のようになっており、この連続した軸は、磁気ディスクカートリッジ1の非使用時にロータリシャッタ40の不要な回動を止めるためのロックスプリング64を軸支している。
ロックスプリング64は、ロック脚部64aと、バネ脚部64bと、ロック解除脚部64cと、これらを抜け止めピン63に軸支させるための軸受部64dとから構成されている。このロックスプリング64は、図6に示すように、ロック脚部64aの先端がシャッタ部材41の従動ギヤ41aに係合し、バネ脚部64bがベースフレーム10の内周、具体的にはスプリング収容部17の内壁に当接している。そして、ロック解除脚部64cがシャッタ作動用開口部C4からカートリッジケースCの外部へ臨んだ配置で、ロックスプリング64の軸受部64dが抜け止めピン63および軸受51(図3参照)に外嵌されている。この図6の状態で、バネ脚部64bは、スプリング収容部17の内壁との間に付勢力を発生しており、ロック脚部64aを従動ギヤ41a側へ押し付ける時計回りのトルクを発生し、ロックスプリング64がロータリシャッタ40の回動をロックしている。一方、磁気ディスクカートリッジ1をディスクドライブDへ挿入したときには、駆動ギヤ110がロック解除脚部64cに当接して、ロック脚部64aを図6における反時計回りに回動させることで、ロックスプリング64は、ロータリシャッタ40のロックを解除するようになっている。
図3に示すように、磁気ディスクメディアDMは、フレキシブルディスクFDと、センタコア61とから構成されている。
フレキシブルディスクFDは、中央に円形の開口部FD1を有する円盤形状であり、一般には、ポリエステルなどの樹脂フィルムなどからなる支持体の両面または片面に磁性層を設けて構成される。この支持体および磁性層の材質および層構成は、従来公知のものを適宜選択して使用することができ、特に限定されない。
センタコア61は、前記した開口部FD1に貼着部材62により接合される、ある程度の剛性がある部材である。センタコア61は、一般的には、ディスクドライブDのスピンドルSPが磁気吸着しうるように、メッキ鋼板やクロム系ステンレスなどの磁性材料により構成される。
センタコア61は、図3に示すように円錐台形状のチャック部61aと、チャック部61aの大径部分から半径方向外側に延びたフランジ部61bとから構成されている。チャック部61aには中央に上下に貫通するセンタ孔61cが形成されている。このセンタ孔61cは、スピンドルSPとセンタ合わせをするためにスピンドルSPのセンタ突起SP1(図1参照)と係合しうる大きさに形成されている。また、センタ孔61cの大きさは、前記した上プレート30の突起31の大きさにも対応している。チャック部61aの外周の円錐面61dは、スイングシャッタ50が閉まるときにスイングシャッタ50に当接して磁気ディスクメディアDM自身をカートリッジケースC内に押し入れるための係合斜面となる。なお、円錐面61dは、特許請求の範囲における「テーパ面」に相当する。
センタコア61は、チャック部61aの小径側を下側にして配置され、フランジ部61bにおいて下側、つまり、チャック部61aが突出している側からフレキシブルディスクFDが貼付されている。
図10(a)(b)は、図9の磁気ディスクカートリッジの断面図において、スイングシャッタ50とセンタコア61の外周の円錐面61dが当接する部分の拡大図である。
図10(a)に示すように、スイングシャッタ50は、少なくともセンタコア61の円錐面61dとの当接部50aがR面形状に形成されている。このように当接部50aがR面形状になっているので、ロータリシャッタ40の回動動作に応じて、スイングシャッタ50が揺動してチャック用センタ孔C3を閉じる際に、当接部50aとセンタコア61の円錐面61dとが滑らかに摺接する。その結果、センタコア61がカートリッジケースC内に円滑に押し入れられる。
また、図10(b)に示すように当接部50aは、面取り形状としてもよい。このとき、当接部50aとセンタコア61の円錐面61dとの角度を合せておくことにより、より滑らかに摺接し、さらに、当接部50aの磨耗を抑えることができる。
また、本発明は前記実施形態には限定されず、次のように実施することもできる。
例えば、図12(a)に示した例は、図10(a)の当接部50aの変形例である。図12(a)に示すように、スイングシャッタ50のセンタコア61の円錐面61dとの当接部のR面形状の曲率半径を大きくしてスイングシャッタ50の下面まで、R面形状が延びていてもよい。
例えば、図12(b)に示した例は、図10(b)の当接部50aの変形例である。図12(b)に示すように、スイングシャッタ50の当接部50aを鈍角としてもよい。
例えば、図12(c)に示した例は、図10(b)の当接部50aの変形例である。図12(c)に示すように、スイングシャッタ50の当接部50aは、テーパ面に合致する斜面としてもよい。
これらの形状によっても、初動動作が滑らかとなり、円滑にセンタコア61をカートリッジケースC内に押し入れることができる。
次に、図11に示すように、センタコア61の円錐面61dにおける大径部61eの径D1は、下プレート20に形成されたチャック用センタ孔C3の径よりも、小さくなっており、その差は0.2mm〜0.8mmの範囲内である。このように、センタコア61の円錐面61dの大径部の径は、チャック用センタ孔C3の径D2よりも小さく構成されているため、チャック用センタ孔C3に引っ掛かることを防止することができ、これにより、センタコア61を円滑にカートリッジケースC内に押し入れることができる。
両方の径の差は、0.2mmから0.8mmの微小差の範囲であるため、回転動作の余裕を確保しつつ、外部からの塵埃の吸入を抑制しうる。さらに好適には、両方の径の差は0.3mmから0.4mmが望ましい。
以上のように構成された磁気ディスクカートリッジ1は、次のように使用される。
図8は、ロータリシャッタの動作を示し、(a)は閉じた状態を左前方から見た斜視図、(b)は開いた状態を左前方から見た斜視図である。また、図9は、磁気ディスクカートリッジの断面図を示し、(a)はロータリシャッタが閉じた状態、(b)はロータリシャッタが開いた状態である。図10は、磁気ディスクカートリッジの断面図を示し、R面形状または面取り形状に形成されたスイングシャッタのセンタコアのテーパ面との当接部がセンタコアのテーパ面に当接する様子を表した拡大図である。図11は、センタコアと下プレートを表した斜視図である。図12は、磁気ディスクカートリッジの断面図を示し、R面形状、鈍角、または、テーパ面に合致する斜面に形成されたスイングシャッタのセンタコアとの当接部がセンタコアのテーパ面に当接する様子を表した拡大図である。
磁気ディスクカートリッジ1は、非使用時には、図1に示すように、ロータリシャッタ40がアクセス用開口部C2を閉じている。そして、図6に示すように、ロックスプリング64のロック脚部64aの先端が、シャッタ部材41の従動ギヤ41aに係合していることで、ロータリシャッタ40はロックされ、外部からの振動などにより開くことがない。したがって、カートリッジケースCの内部には、塵埃が侵入しにくく、フレキシブルディスクFDへのデータの記録・再生におけるエラーが抑制される。さらに、図9(a)に示すように、センタコア61のセンタ孔61cが上プレート30の下面30aに形成された突起31に係合していることにより、直径方向への移動が抑制され、フレキシブルディスクFDを傷めることがない。
磁気ディスクカートリッジ1をディスクドライブDに挿入するときには、図1に示す挿入方向を前にして挿入される。そして、この挿入動作により、図8(a)に示すように、溝18にディスクドライブDの駆動ギヤ110が進入して、ロックスプリング64のロック解除脚部64cに当接し、ロック脚部64aと従動ギヤ41aの係合を解除する。駆動ギヤ110が溝18のさらに奥へ進入すると、図8(b)に示すように駆動ギヤ110が従動ギヤ41aに噛合して、従動ギヤ41aを回動、つまりロータリシャッタ40を回動させる。
ロータリシャッタ40が回動すると、ロータリシャッタ40の係合凸部42c(図3参照)が、スイングシャッタ50の係合孔部52(図3参照)に係合してスイングシャッタ50を押し動かし、図6における時計回りに揺動させる。スイングシャッタ50が回動することにより、チャック用センタ孔C3が開いて、図2に示すようにセンタコア61がチャック用センタ孔C3から外部へ露出する。
このとき、ロータリシャッタ40は、図6に示すように円周に沿って形成された摺接リブ41bで下プレート20と摺接するので滑らかに回動する。また、スイングシャッタ50は、ロータリシャッタ40と下プレート20の間で揺動するが、摺接リブ41bが切れた窓部41b′の範囲で揺動するので摺接リブ41bと干渉することはなく、ロータリシャッタ40の滑らかな回動を維持したまま揺動が可能となっている。そして、図9(b)に示すように、センタコア61は、上プレート30の突起31から離脱して、自由に動けるようになる。同時に、ロータリシャッタ40の回動自体で、シャッタ部材41の開口部分がアクセス用開口部C2と合って、アクセス用開口部C2からフレキシブルディスクFDを外部へ臨ませる。
そして、センタコア61にディスクドライブDのスピンドルSPが磁気吸着により結合して、磁気ディスクメディアDMを保持する。このとき、スピンドルSPのセンタ突起SP1がセンタコア61のセンタ孔61cに係合して中心合わせがなされる。また、フレキシブルディスクFDは、カートリッジケースCの上下方向(厚み方向)で略中央に位置する。このため、磁気ディスクメディアDMを回転させたときに、フレキシブルディスクFDの上下の空気の流れが安定し、フレキシブルディスクFDの面振れが抑制される。
次に、スピンドルSPの回転により磁気ディスクメディアDMが回転を始める。ディスクドライブDのスイングアームSAは、磁気ディスクカートリッジ1の右側に開いたアクセス用開口部C2からカートリッジケースC内に進入し、フレキシブルディスクFD上にスイングアームSAに設けられた磁気ヘッドHがロードされる。
磁気ヘッドHで、データの記録・再生が行われた後は、スイングアームSAがカートリッジケースCから退出して磁気ヘッドHがアンロードされる。また、スピンドルSPがセンタコア61から離脱する。
磁気ディスクカートリッジ1をディスクドライブDから取り出すときには、挿入時と逆の動作がなされる。すなわち、磁気ディスクカートリッジ1をディスクドライブDから引き抜く動作により、駆動ギヤ110がロータリシャッタ40を閉じる方向へ回動させ、この回動動作により、ロータリシャッタ40の係合凸部42cがスイングシャッタ50の係合孔部52に係合してスイングシャッタ50を押し動かして図6における反時計回りに揺動させる。この回動動作によりチャック用センタ孔C3がスイングシャッタ50により閉じられる。このとき、図9(b)から図9(a)に示すように、スイングシャッタ50の当接部50aがセンタコア61の円錐面61dに当接して磁気ディスクメディアDMをカートリッジケースC内に押し入れる。そして、センタコア61のセンタ孔61cと突起31が係合して、磁気ディスクメディアDMがカートリッジケースC内で固定される。このように、センタコア61の外周の下端は円錐面を有しているため、スイングシャッタ50の当接部50aと摺接しやすくなる。
また、図8(b)の状態から(a)の状態に溝18から駆動ギヤ110が退出することで、ロックスプリング64のロック解除脚部64cと駆動ギヤ110の係合が解かれ、ロックスプリング64のロック脚部64aが図6における時計回りに回動して従動ギヤ41aと係合し、ロータリシャッタ40の回動をロックする。
以上のように説明した本実施形態の磁気ディスクカートリッジ1によれば、次のような効果を奏する。
まず、アクセス用開口部C2が、下プレート20および上プレート30に設けられることなく、側部、具体的には、ベースフレーム10の側部に形成されているので、カートリッジケースCの開口が最小限で済み、塵埃が入りにくい。また、アクセス用開口部C2からは、磁気ディスクメディアDMの側面しか臨むことができず、フレキシブルディスクFDの記録面を直接手などで触れることができないため、不意にフレキシブルディスクFDを汚損させてしまうこともない。したがって、磁気ディスクカートリッジ1は、これらの塵埃や汚損によるエラーが発生しにくい。
また、スイングシャッタ50は、下プレート20の内側で作動し、チャック用センタ孔C3を閉じるので、スイングシャッタ50が外部の物に引っ掛かって不意にスイングシャッタ50が開くことがない。特に、スイングシャッタ50は、単一の部材でチャック用センタ孔C3を閉じるように構成されているから、外部の物に引っ掛かりにくい。
また、センタコア61の側面は少なくとも下端にチャック用センタ孔側に向けて先細りとなる円錐面61dを有するため、センタコア61が円滑にカートリッジケースC内に押し入れられることとなる。
また、スイングシャッタ50は、少なくとも、センタコア61の円錐面61dとの当接部をR面形状としたため、センタコア61が円滑にカートリッジケースC内に押し入れられることとなる。
また、スイングシャッタ50は、少なくとも、センタコア61の円錐面61dとの当接部を面取り形状としたため、センタコア61が円滑にカートリッジケースC内に押し入れられる。
また、スイングシャッタ50は、少なくとも、センタコア61の円錐面61dとの当接部を鈍角としたため、センタコア61が円滑にカートリッジケースC内に押し入れられる。
また、スイングシャッタ50は、少なくとも、センタコア61の円錐面61dとの当接部をテーパ面に合致する斜面としたため、センタコア61が円滑にカートリッジケースC内に押し入れられる。
下プレート20および上プレート30の周囲には、ベースフレーム10の周囲に形成されたリブ14が配置されており、リブ14の高さは、下プレート20および上プレート30の厚みより大きいので、下プレート20および上プレート30のエッジ29,39が外部の物に引っ掛かることがない。
ロータリシャッタ40は、円周に沿って形成された摺接リブ41bにより下プレート20に摺接しているため、滑らかな回動動作が可能である。しかも、摺接リブ41bの一部は、スイングシャッタ50の揺動動作を妨げないように切り欠かれて窓部41b′を形成しているので、スイングシャッタ50の動作も良好である。
また、ロータリシャッタ40は、下プレート20側に補強板42を有しているので、安定した回動動作が可能になる。
さらに、補強板42に形成された係合凸部42cとスイングシャッタ50の係合孔部52の係合によりロータリシャッタ40の回動動作がスイングシャッタ50の揺動動作に伝えられて、ロータリシャッタ40を外部から動かす操作のみで、ロータリシャッタ40とスイングシャッタ50を同時に動かすことができる。この係合凸部42cは、係合孔部52から若干突出することもあるが、この突出した部分と下プレート20との干渉は、下プレート20に形成された逃げ溝22により避けられるので、ロータリシャッタ40の滑らかな回動動作が確保されるとともに、係合凸部42cと下プレート20の摺接による塵埃の発生も防止できる。
センタコア61は、磁気ディスクカートリッジ1の不使用時に突起31と係合しているので、磁気ディスクメディアDMが固定され、磁気ディスクメディアDMを傷めることがない。このため、磁気ディスクメディアDMとベースフレーム10のクリアランスを最小限にでき、磁気ディスクメディアDMの大きさを大きくして記憶容量を大きくすることができる。また、センタコア61の円錐面61dの大径部の径は、前記下プレートに形成されたチャック用センタ孔C3の径より小さく形成されているため、ロータリシャッタ40が回動する際に、チャック用センタ孔C3に引っ掛かることを防止することができる。
その結果、センタコア(記録ディスクメディア)の回転動作の安定が確保され、センタコア61をカートリッジケースC内に円滑に収納することができる。
アクセス用開口部C2は、磁気ディスクカートリッジ1の挿入方向に対して直交する方向、実施形態においては右側に設けられているので、スイングアームSAなどを右側に配置してディスクドライブDの奥行きを小さくすることができる。このため、薄く、奥行きが小さいカード型のディスクドライブDを実現することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、適宜変更して実施することが可能であり、前記した実施形態に限定されないことは当然である。
例えば、記録ディスクメディアは、磁気ディスクメディアに限らず、光磁気ディスクメディア、相変化ディスクメディアなどの光ディスクメディアでもよいし、フレキシブルなディスクメディアに限らず、DVD−RAMのような剛性を有したディスクメディアであってもよい。
また、実施形態において、スイングシャッタ50は下プレート20に揺動可能に支持されていたが、上プレート30またはベースフレーム10に揺動可能に支持される構成としてもよい。
また、駆動ギヤ110は、ディスクドライブD内に固定されているものに限らず、回転駆動されるものでも構わない。
一実施形態に係る磁気ディスクカートリッジとディスクドライブを示す外観斜視図である。 アクセス用開口部が開いた状態の磁気ディスクカートリッジを下方から見た外観斜視図である。 磁気ディスクカートリッジの分解斜視図である。 ベースフレームの拡大分解斜視図を示し、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図である。 図1のV−V断面図である。 上プレートを外した状態の磁気ディスクカートリッジの平面図である。 ロータリシャッタを下方から見た斜視図である。 ロータリシャッタの動作を示し、(a)は閉じた状態を左前方から見た斜視図、(b)は開いた状態を左前方から見た斜視図である。 磁気ディスクカートリッジの断面図を示し、(a)はロータリシャッタが閉じた状態、(b)はロータリシャッタが開いた状態である。 (a)は、磁気ディスクカートリッジの断面図を示し、R面形状に形成されたスイングシャッタの当接部が、センタコアのテーパ面に当接する様子を表した拡大図である。(b)は、磁気ディスクカートリッジの断面図を示し、面取り形状に形成されたスイングシャッタの当接部が、センタコアのテーパ面に当接する様子を表した拡大図である。 センタコアとロータリシャッタを表した斜視図である。 (a)は、磁気ディスクカートリッジの断面図を示し、R面形状に形成されたスイングシャッタの当接部が、センタコアのテーパ面に当接する様子を表した拡大図である。 (b)は、磁気ディスクカートリッジの断面図を示し、鈍角に形成されたスイングシャッタの当接部が、センタコアのテーパ面に当接する様子を表した拡大図である。 (c)は、磁気ディスクカートリッジの断面図を示し、センタコアのテーパ面に合致する斜面に形成されたスイングシャッタの当接部がセンタコアのテーパ面に当接する様子を表した拡大図である。
符号の説明
1 磁気ディスクカートリッジ
10 ベースフレーム
14 リブ
20 下プレート
30 上プレート
40 ロータリシャッタ
50 スイングシャッタ
50a 当接部
61 センタコア
61d 円錐面(テーパ面)
61e 大径部
110 駆動ギヤ
C カートリッジケース
C2 アクセス用開口部
C3 チャック用センタ孔
C4 シャッタ作動用開口部
D ディスクドライブ
H 磁気ヘッド
DM 磁気ディスクメディア
SA スイングアーム
SP スピンドル

Claims (7)

  1. センタコアを有する記録ディスクメディアと、前記記録ディスクメディアを収納するカートリッジケースとを備える記録ディスクカートリッジであって、
    前記記録ディスクメディアの半径方向外側を略囲んで前記カートリッジケースの側壁を構成するとともに前記記録ディスクメディアを外部に臨ませる側部開口を有するベースフレームと、
    前記記録ディスクメディアの下方に配置されて前記カートリッジケースの下壁を構成するとともにディスクドライブのスピンドルを前記センタコアに結合させるためのチャック用センタ孔が形成された下プレートと、
    前記記録ディスクメディアの上方に配置されて前記カートリッジケースの上壁を構成する上プレートと、
    前記カートリッジケース内で回動することで前記側部開口を開閉するロータリシャッタと、
    前記記録ディスクメディアと前記下プレートの間に配置されるとともに前記ロータリシャッタと係合することで前記ロータリシャッタの回動動作に応じて揺動して前記チャック用センタ孔を開閉するスイングシャッタとを備え、
    前記センタコアの側面は少なくとも下端に前記チャック用センタ孔側に向けて先細りとなるテーパ面を有し、
    前記スイングシャッタは、前記チャック用センタ孔を閉じる際に、前記テーパ面に当接して前記センタコアを前記カートリッジケース内に押し入れることを特徴とする記録ディスクカートリッジ。
  2. 前記スイングシャッタは、少なくとも前記テーパ面に当接する部分をR面形状としたことを特徴とする請求項1に記載の記録ディスクカートリッジ。
  3. 前記スイングシャッタは、少なくとも前記テーパ面に当接する部分を面取り形状としたことを特徴とする請求項1に記載の記録ディスクカートリッジ。
  4. 前記スイングシャッタは、少なくとも前記テーパ面に当接する部分を鈍角としたことを特徴とする請求項1に記載の記録ディスクカートリッジ。
  5. 前記スイングシャッタは、少なくとも前記テーパ面に当接する部分をテーパ面に合致する斜面としたことを特徴とする請求項1に記載の記録ディスクカートリッジ。
  6. 前記センタコアの前記テーパ面の大径部は下プレートのチャック用センタ孔の径より小さい径であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の記録ディスクカートリッジ。
  7. 前記テーパ面の前記大径部の径と前記下プレートの前記チャック用センタ孔の径との差は0.2mm〜0.8mmであることを特徴とする請求項6に記載の記録ディスクカートリッジ。
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