JP2006268065A - 位相差フィルム、光学フィルム、画像表示装置、液晶パネル及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 応力によって位相差値のズレやムラが生じ難く、且つnx>nz>nyの関係を有する位相差フィルムを提供すること。
【解決手段】 ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムの延伸フィルムであって、下記式(1)及び式(2)を満足することを特徴とする位相差フィルム。
100nm≦(nx−ny)・d≦350nm ・・・(1)
0.1≦(nx−nz)/(nx−ny)<0.9 ・・・(2)
[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。]
【選択図】 図2
【解決手段】 ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムの延伸フィルムであって、下記式(1)及び式(2)を満足することを特徴とする位相差フィルム。
100nm≦(nx−ny)・d≦350nm ・・・(1)
0.1≦(nx−nz)/(nx−ny)<0.9 ・・・(2)
[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。]
【選択図】 図2
Description
本発明は、位相差フィルムに関する。また本発明は、当該位相差フィルムと偏光子または偏光板を組み合わせた光学フィルムに関する。前記位相差フィルム、光学フィルムは、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等の画像表示装置に適用できる。特に本発明の位相差フィルムは、TNモード、VAモード、IPSモード、FFSモード又はOCBモードの液晶セルの視野角補償に好適であり、当該位相差フィルムを用いた光学フィルムは、液晶パネル、液晶表示装置に好適に適用できる。
液晶表示装置には、一般に液晶セルの両側に偏光子が配置された液晶パネルが用いられている。また、上記液晶パネルでは、液晶セルの複屈折による位相差を正面方向および斜視方向において光学補償するため、上記液晶セルと偏光子との間には位相差フィルムが配置されている。液晶表示装置の斜視方向の表示特性を改善するためには、位相差フィルムの位相差値が斜視方向において、角度に伴いどのように変化するかということが非常に重要とされている。
そこで、角度によらず位相差値がほぼ一定である位相差フィルムが提案されている(特許文献1)。上記の位相差フィルムは、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとしたとき、nx>nz>nyの関係を示す。このような位相差フィルムと偏光板を用いた光学フィルムや、上記の位相差フィルムを用いて、斜視方向の視野角特性を改善したIPSモードやVAモードの液晶表示装置も提案されている(特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
nx>nz>nyの関係を示す位相差フィルムの製造方法としては、高分子フィルムの片面又は両面に収縮性フィルムを接着して積層体を形成し、その積層体を加熱延伸処理して作製する方法が提案されている(特許文献5)。この製造方法では、高分子フィルムの屈折率分布を延伸前後で大きく変化させている。このため、用いられる高分子フィルムとしては、低い延伸倍率で位相差が生じやすいものが好ましく、通常、ポリカーボネート系樹脂や、ポリアリレート系樹脂、ポリサルフォン系樹脂等の芳香族系高分子フィルムが用いられてきた。しかしながら、上記のような芳香族系高分子フィルムは光弾性係数の絶対値が大きいために、応力に対して位相差が変化しやすい。そのため、液晶セルと偏光子との間に貼合配置された状態で高温に曝された場合に、偏光子の収縮応力によって位相差値が設計値からずれたり、液晶表示装置に用いた場合にバックライトの熱によって発生する応力のムラによって、位相差値のムラが発生したりして、表示特性を悪化させることが問題となっていた。一方、ノルボルネン系樹脂フィルム等の脂肪族系樹脂フィルムは、光弾性係数の絶対値は小さい。しかし、脂肪族系樹脂フィルムは位相差が生じにくいため、芳香族系高分子フィルムのような低い延伸倍率では勿論のこと、高い延伸倍率で延伸した場合にも所望の位相差値を得ることができなかった。また、高い延伸倍率で延伸する場合には、フィルムが破断してしまうことが問題となっていた。
特開平2−160204号公報
特開平11−305217号公報
特開2000−39610号公報
特開平4−305602号公報
特開平5−157911号公報
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、応力によって位相差値のズレやムラが生じ難く、且つnx>nz>nyの関係を有する位相差フィルムを提供することを目的とする。
また本発明は、上記位相差フィルムと偏光子を組み合わせた光学フィルムを提供すること、当該光学フィルムを用いた液晶パネルを提供すること、さらには位相差フィルム、光学フィルムを用いた液晶表示装置等の画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、以下に示す位相差フィルム等により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムの延伸フィルムであって、下記式(1)及び式(2)を満足することを特徴とする位相差フィルム、に関する。
100nm≦(nx−ny)・d≦350nm ・・・(1)
0.1≦(nx−nz)/(nx−ny)<0.9 ・・・(2)
[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。]
0.1≦(nx−nz)/(nx−ny)<0.9 ・・・(2)
[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。]
前記位相差フィルムは、23℃における光弾性係数の絶対値が、1.0×10-12m2/N〜12.0×10-12m2/Nであることが好ましい。
前記位相差フィルムにおいて、前記ノルボルネン系樹脂が、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加した樹脂であることが好ましい。
前記位相差フィルムは、下記式(5)の波長分散特性:D(Re)値が、
0.80≦D(Re)≦1.20
を満足することが好ましい。
0.80≦D(Re)≦1.20
を満足することが好ましい。
D(Re)=Re(480)/Re(590) ・・・(5)
[ただし、Re(480)、Re(590)は、それぞれ波長480nm、590nmの光に対するフィルム面内の位相差値である。]
[ただし、Re(480)、Re(590)は、それぞれ波長480nm、590nmの光に対するフィルム面内の位相差値である。]
前記位相差フィルムとしては、厚みが80〜160μmであり、かつ
200nm≦(nx−ny)・d≦350nm、を満足するものを用いることができる。
200nm≦(nx−ny)・d≦350nm、を満足するものを用いることができる。
前記位相差フィルムとしては、厚みが25〜75μmであり、かつ
100nm≦(nx−ny)・d≦200nm、を満足するものを用いることができる。
100nm≦(nx−ny)・d≦200nm、を満足するものを用いることができる。
前記位相差フィルムは、IPS用モードの液晶表示装置に好適に適用されるものである。
また本発明は、前記位相差フィルムが、偏光子または偏光子の片側もしくは両側に透明保護フィルムを備えた偏光板の少なくとも片側に積層された光学フィルムであって、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と平行又は直交であることを特徴とする光学フィルム、に関する。
また本発明は、前記位相差フィルムが、偏光子の片側または両側に透明保護フィルムを備えた偏光板の少なくとも片側に積層された光学フィルムであって、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と平行又は直交であり、上記位相差フィルムが積層される偏光板の少なくとも片側には透明保護フィルムを有し、当該透明保護フィルムが下記式(3)及び式(4)を満足することを特徴とする光学フィルム、に関する。
0nm<(nx−ny)・d≦5nm ・・・(3)
0nm<(nx−nz)・d≦15nm ・・・(4)
[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。]
0nm<(nx−nz)・d≦15nm ・・・(4)
[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。]
前記光学フィルムは、IPS用モードの液晶表示装置に適用されるものである。
また本発明は、前記位相差フィルム又は前記光学フィルムを用いたことを特徴とする画像表示装置、に関する。
また本発明は、液晶セルの両側に偏光子を有する液晶パネルであって、
液晶セルの少なくとも片側には、前記光学フィルムを含むことを特徴とする液晶パネル、に関する。
液晶セルの少なくとも片側には、前記光学フィルムを含むことを特徴とする液晶パネル、に関する。
前記液晶パネルにおいて、前記液晶セルとしては、TNモード、VAモード、IPSモード、FFSモード又はOCBモードがあげられる。
前記液晶パネルにおいて、前記液晶セルとしては、IPSモードが好適である。
また本発明は、前記液晶パネルを含むことを特徴とする液晶表示装置、に関する。
また本発明は、前記液晶パネルを含むことを特徴とする液晶テレビ、に関する。
本発明の位相差フィルムは、ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムの延伸フィルムである。かかる位相差フィルムは、光弾性係数の絶対値が小さいため、液晶表示装置に用いた場合にも応力によって位相差値のズレやムラが生じ難い。ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムの延伸により、nx>nz>nyの関係を有する位相差フィルムは得られていなかったが、本発明では上記高分子フィルムの片面又は両面に所定の収縮率を有する収縮性フィルムを貼り合わせて、加熱延伸することで、nx>nz>nyの関係を有し、前記式(1)及び式(2)を満足する位相差フィルムを得ている。また本発明の製造方法によれば、ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムを延伸して位相差フィルムを製造するにあたっても、低い延伸倍率で広範囲の位相差値を制御できる。
本発明の位相差フィルムについて説明する。上記の通り、本発明の位相差フィルムは、ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムの延伸フィルムである。なお、本明細書において、ノルボルネン系樹脂とは、出発原料(モノマー)の一部または全部に、ノルボルネン環を有するノルボルネン系モノマーを用いて得られる重合体をいう。なお、上記ノルボルネン系樹脂は、出発原料(モノマー)にはノルボルネン環(ノルボルナン環に二重結合を有するもの)を有するものが用いられるが、(共)重合体の状態では、構成単位にノルボルナン環を有していても、有していなくてもよい。上記構成単位にノルボルナン環を有さないノルボルネン系樹脂には、例えば、開裂により5員環となるようなもの、代表的には、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−フェニルノルボルネン等やそれらの誘導体等が挙げられる。上記ノルボルネン系樹脂が共重合体である場合、その分子の配列状態は、特に制限はなく、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
前記ノルボルネン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体、さらにはこれのマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加等のポリマー変性物、さらにはこれらを水素添加した樹脂;ノルボルネン系モノマーを付加重合させた樹脂などが挙げられる。なお、上記ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体には、1種以上のノルボルネン系モノマーと、α−オレフィン類、シクロアルケン類、および/または非共役ジエン類との開環共重合体を水素添加した樹脂を包含する。また、上記ノルボルネン系モノマーを付加(共)重合させた樹脂には、1種以上のノルボルネン系モノマーと、α−オレフィン類、シクロアルケン類、および/または非共役ジエン類との付加型共重合させた樹脂を包含する。
好ましくは、本発明の位相差フィルムは、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムの延伸フィルムである。成形加工性に優れ、均一性が高く、大きな位相差値を有する位相差フィルムを得ることができるからである。
更に好ましくは、本発明の位相差フィルムは、構成単位の一部または全部が、下記一般式(I)、下記一般式(II)、および/または下記一般式(III)で表される構造であるノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムの延伸フィルムである。
一般式(I)、(II)および(III)中、R1〜R14は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、C1−C4のアルキル基、C1−C4のアルキリデン基、C1−C4のアルケニル基、C1−C4のアルコキシカルボニル基、アリール基、アルアルキル基、アルアルキルオキシ基、ヒドロキシアルキル基、シアノ基、C4−C10のシクロアルキル基、アシルオキシ基、およびその置換誘導体から選ばれる置換基であり、それぞれ同一であるかまたは異なる。nは2以上の整数である。
特に好ましくは、一般式(I)中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、C1−C4のアルキル基、C1−C4のアルキリデン基、C1−C4のアルケニル基、C1−C4のアルコキシカルボニル基、アリール基、アルアルキル基、アルアルキルオキシ基、C4−C10のシクロアルキル基、およびアシルオキシから選ばれる置換基であり、それぞれ同一であるかまたは異なる。nは2以上の整数である。また、特に好ましくは、一般式(II)中、R5〜R8は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、C1−C4のアルキル基、C1−C4のアルキリデン基、C1−C4のアルケニル基、およびC1−C4のアルコキシカルボニル基から選ばれる置換基であり、それぞれ同一であるかまたは異なる。nは2以上の整数である。また、特に好ましくは、一般式(III)中、R9〜R14は、水素原子およびC1−C4のアルキル基から選ばれる置換基であり、それぞれ同一であるかまたは異なる。nは2以上の整数である。
最も好ましくは、一般式(I)中、R1およびR2は、水素原子、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基、メチリデン基、エチリデン基、ビニル基、プロペニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェニル基、エチルフェニル基、ベンゾイルオキシ基、およびシクロヘキシル基から選ばれる置換基であり、それぞれ同一であるかまたは異なる。R3およびR4は水素原子である。nは2以上の整数である。また、最も好ましくは、一般式(II)中、R5およびR6は、水素原子、トリフルオロメチル基、メチル基、エチル基、メチリデン基、エチリデン基、ビニル基、プロペニル基、メトキシカルボニル基、およびエトキシカルボニル基から選ばれる置換基であり、それぞれ同一であるかまたは異なる。R7およびR8は水素原子である。nは2以上の整数である。また、最も好ましくは、一般式(III)中、R9〜R12は、水素原子および/またはメチル基であり、それぞれ同一であるかまたは異なる。R13およびR14は水素原子である。nは2以上の整数である。
上記ノルボルネン系モノマーとしては、従来公知のものから適宜、適切なものが選択され得る。具体例としては、ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、およびその誘導体、例えば、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−プロピル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−ベンゾイルオキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−トリフルオロメチル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5,6−ビス(トリフルオロメチル)−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−ベンジル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−トリル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−(エチルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−(イソプロピルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、ビシクロ[2,2.1]−へプト−5−エニル−2−プロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]−へプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]−へプト−5−エン−5,6−ジカルボン酸二無水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−5−エン等、およびこれらのハロゲン等の極性基置換体が挙げられる。
また、トリシクロ[4.3.12,5.01,6]−デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、およびその誘導体、例えば、トリシクロ[4.3.12,5.01,6]−デカ−3−エン、2−メチル−トリシクロ[4.3.12,5.01,6]−デカ−3−エン、5−メチル−トリシクロ[4.3.12,5.01,6]−デカ−3−エン等、およびこれらのハロゲン等の極性基置換体が挙げられる。
また、トリシクロ[4.4.12,5.01,6]−ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ「4.4.12,5.01,6]−ウンデカ−3,8−ジエン、およびその誘導体、例えば、トリシクロ[4.4.12,5.01,6]−ウンデカ−3−エン等、およびこれらのハロゲン等の極性基置換体が挙げられる。
また、テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、およびその誘導体、例えば、8−メチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ「4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ「4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ「4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−エトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−n−プロポキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−ブトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.12’5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−トリフルオロメチル−テトラシクロ[4.4.12’5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−トリフルオロメチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン等、およびこれらのハロゲン等の極性基置換体が挙げられる。上記ノルボルネン系モノマーは、単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることもできる。また、上記ノルボルネン系モノマーは、任意の適切な変性を行ってから用いることもできる。
好ましくは、上記ノルボルネン系モノマーとしては、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]−へプト−2−エン、トリシクロ[4.3.12,5.01,6]−デカ−3,7−ジエン、トリシクロ[4.3.12,5.01,6]−デカ−3−エン、テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、および8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]−ドデカ−3−エンから選ばれる少なくとも1種以上のノルボルネン系モノマーが用いられる。
上記α−オレフィン類としては、好ましくは炭素原子数2〜20のものであり、さらに好ましくは2〜10のものであって、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−へキセン、3−メチル−1−へキセン、4,4−ジメチル−1−へキセン、4−エチル−1−へキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−へキサデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらのなかでも、特にエチレンが好ましい。これらのα−オレフィン類は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。また、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、他のビニル系モノマーを共重合させることもできる。
上記シクロアルケン類としては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチル−シクロヘキセン、3,4−ジメチル−シクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、6−ブロモ−3−クロロ−4−メチルシクロヘキセン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン等が挙げられる。これらのシクロアルケン類は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。また、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、他のビニル系モノマーを共重合させることもできる。
非共役ジエン類としては、例えば、1,4−へキサジエン4−メチル−1,4−へキサジエン、5−メチル−1,4−へキサジエン、1,7−オクタジエン等が挙げられる。これらの非共役ジエン類は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。また、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、他のビニル系モノマーを共重合させることもできる。
上記ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加した樹脂は、ノルボルネン系モノマー等をメタセシス反応させて,開環(共)重合体を得、さらに、当該開環(共)重合体を水素添加して得ることができる。例えば、(株)エヌ・ティー・エス出版「オプティカルポリマー材料の開発・応用技術」第103頁〜第111頁(2003年版)に記載の方法や、特開平11−116780号公報の段落[0059]〜[0060]に記載の方法、特開2001−350017号公報の段落[0035]〜[0037]に記載の方法、特開2005−008698号公報の段落[0053]に記載の方法等により製造される。
上記メタセシス反応に用いられる開環重合用の触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物;硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる重合触媒;あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒などが挙げられる。重合温度、圧力等の反応条件は、ノルボルネン系モノマーの種類や目的とする分子量等に応じて適宜選択され得るが、通常、重合温度の範囲は−50℃〜100℃が好ましく、重合圧力の範囲は0〜50kgf/cm2が好ましい。
上記ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加した樹脂は、公知の水素化触媒の存在下で、水素を吹き込んで行う水素添加反応によって得ることができる。水素化触媒の具体例としては、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/N−ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/sec−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネ−ト/ジメチルマグネシウム等の遷移金属化合物/アルキル金属化合物の組合せからなる均−系触媒;ニッケル、パラジウム、白金などの不均一系金属触媒;ニッケル/シリカ、ニッケル/けい藻土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/けい藻士、パラジウム/アルミナ等の金属触媒を担体に担持してなる不均一系固体担持触媒などが挙げられる。
上記ノルボルネン系モノマーを付加(共)重合させた樹脂は、例えば、特開昭61−292601号公報の実施例1に記載の方法により得ることができる。
本発明に用いられるノルボルネン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、トルエン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法で測定した値が、好ましくは20,000〜400,000、さらに好ましくは30,000〜300,000、特に好ましくは40,000〜200,000、最も好ましくは40,000〜80,000の範囲のものである。重量平均分子量が上記の範囲であれば、機械的強度に優れ、溶解性、成形性、流延の操作性が良いものができる。
前記ノルボルネン系樹脂が、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加して得られるものである場合、水素添加率は、耐熱劣化性、耐光劣化性の観点から、通常90%以上のものが用いられる。好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは99%以上である。上記水素添加率は、当該樹脂の1H−NMR(500MHz)を測定し、パラフィン系水素とオレフィン系水素の、それぞれの積分強度比から求めることができる。
本発明の位相差フィルムは、前記ノルボルネン系樹脂を2種類以上含む高分子フィルムの延伸フィルムであってもよい。また、前記ノルボルネン系樹脂と他の熱可塑性樹脂とを含む高分子フィルムの延伸フィルムであってもよい。他の熱可塑性樹脂の含有量としては、好ましくは、該位相差フィルムの全固形分100に対して、0(重量比)を超え50(重量比)以下であり、さらに好ましくは0(重量比)を超え40(重量比)以下である。上記の範囲とすることによって、位相差フィルムは、光弾性係数の絶対値が小さく、良好な波長分散特性を示し、且つ、耐久性や機械的強度、透明性に優れるものを得ることができる。
他の熱可塑性樹脂としては、目的に応じて適宜、適切なものが選択される。具体例としては、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂、アクリロニトリル・スチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等の汎用プラスチック;ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等の汎用エンジニアリングプラスチック;ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、液晶性樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂等のスーパーエンジニアリングプラスチック等が挙げられる。上記の熱可塑性樹脂は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。また、上記の熱可塑性樹脂は、任意の適切なポリマー変性を行ってから用いることもできる。上記ポリマー変性の例としては、共重合、架橋、分子末端、立体規則性等の変性が挙げられる。
本発明の位相差フィルムが、前記ノルボルネン系樹脂と他の熱可塑性樹脂とを含む高分子フィルムの延伸フィルムである場合、他の熱可塑性樹脂として好ましくは、スチレン系樹脂である。上記スチレン系樹脂は、該位相差フィルムの波長分散特性や光弾性係数の絶対値を調整する目的で使用される。なお、本明細書において、「スチレン系樹脂」とは、スチレン系モノマーを重合させることによって得られる重合体をいう。上記スチレン系モノマーとしては、スチレン、およびα−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ニトロスチレン、p−アミノスチレン、p−カルボキシスチレン、p−フェニルスチレン、2,5−ジクロロスチレンなどが挙げられる。
上記スチレン系樹脂は、上記スチレン系モノマーと2種類以上の他のモノマーとを反応させて得られる共重合体であってもよい。その具体例としては、スチレン・マレイミド共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・メチルメタクリレート共重合体などが挙げられる。上記スチレン系樹脂が、上記スチレン系モノマーと2種類以上の他のモノマーとを反応させて得られる共重合体である場合、スチレン系モノマーの含有率は、好ましくは50(モル%)以上100(モル%)未満であり、さらに好ましくは60(モル%)以上100(モル%)未満であり、最も好ましくは70(モル%)以上100(モル%)未満である。上記の範囲であれば、光弾性係数の絶対値が小さく、波長分散特性に優れる位相差フィルムを得ることができる。
上記スチレン系樹脂は、テトラヒドロフラン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法で測定した重量平均分子量(Mw)が好ましくは1,000〜400,000、さらに好ましくは2,000〜300,000の範囲のものである。重量平均分子量が上記の範囲であれば、溶解性、成形性が良いものが得られ得る。
前記ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムは、一般に用いられる溶液からのキャスティング法や溶融押出法により得ることができる。上記高分子フィルムを形成するノルボルネン系樹脂は、単独あるいは2種類以上のものを混合して用いてもよい。樹脂を混合して用いる場合、その混合方法については特に限定はなく、例えばキャスティング法を用いてフィルムを作製する場合は、混合成分を所定の割合で溶媒とともに撹拌混合して均一溶液として用いることができる。また、溶融押出法を用いてフィルムを作製する場合は、両者を所定の割合で溶融混合して用いることができる。得られる位相差フィルムの平滑性を高め、良好な光学均一性を得るために、溶液からのキャスティング法が好ましく用いられる。
前記キャスティング法で用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類、n−ブタノールや2−ブタノール、シクロヘキサノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコールやグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、メチルセロソルブ、酢酸メチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル等のエステル類、その他、塩化メチレン、二硫化炭素、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなども前記溶媒の例として挙げられるがこれらに限定されない。
前記溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、トリメチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、クロロベンゼン等が好適である。溶解性とドープの安定性が良好である点から、より好ましくはキシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼンが用いられる。これらは、単独あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
前記キャスティング法で用いられる溶液の全固形分濃度は、樹脂の溶解性、塗工粘度、基材上へのぬれ性、塗布後の厚みなどによって異なるが、平滑性の高い高分子フィルムを得るためには、溶媒100重量部に対して固形分を2〜100重量部、更に、4〜50重量部、特に5〜30重量部溶解させたものが好ましい。
前記高分子フィルムには、本発明の目的を損なわない範囲で、残存溶媒、安定剤、可塑剤、老化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤など、その他の成分を必要に応じて含有させることができる。また、表面粗さを小さくするため、レベリング剤を添加することもできる。
前記レベリング剤としては、例えば、フッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤など塗料用レベリング剤を用いることができるが、これらの中でも溶媒との相溶性の良いものが好ましい。添加量は、ノルボルネン系樹脂の固形分100重量部に対して0.005重量部以下が好ましく、0.0001〜0.005重量部がより好ましい。さらに好ましくは0.0005〜0.003重量部である。
前記高分子フィルムの厚みの範囲は、設計する位相差値や延伸性、位相差値の生じやすさ等に応じて選択できるが、10〜500μmのものが好ましく用いられる。より好ましくは、20〜300μmである。上記の範囲であれば、フィルムの十分な自己支持性が得られ、広範囲の位相差値を得ることができる。
前記高分子フィルムの光透過率は、波長590nmにおいて80%以上であることが好ましい。より好ましくは、85%以上である。特に好ましくは、90%以上である。得られる位相差フィルムについても同様の光透過率を有するものが好ましい。
前記高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)は、特に制限はないが、110〜185℃であることが好ましい。Tgが110℃以上であれば、耐久性の高いフィルムが得やすくなり、185℃以下の温度であれば延伸によってフィルム面内及び厚み方向の位相差値を制御しやすい。より好ましくは120〜170℃である。特に好ましくは、135〜160℃である。ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じたDSC法により求めた値である。
本発明の位相差フィルムは、前記ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムの延伸フィルムであって、下記式(1)及び式(2)を満足する。
100nm≦(nx−ny)・d≦350nm ・・・(1)
0.1≦(nx−nz)/(nx−ny)<0.9 ・・・(2)
[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。]。
100nm≦(nx−ny)・d≦350nm ・・・(1)
0.1≦(nx−nz)/(nx−ny)<0.9 ・・・(2)
[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。]。
また前記位相差フィルムの厚みの範囲は、100〜500μmのものが好ましく用いられる。より好ましくは、20〜300μmである。上記の範囲であれば、フィルムの十分な自己支持性が得られ、広範囲の位相差値を得ることができる。
前記式(1)は、波長590nmの光に対するフィルム面内の位相差値:Re(590)の範囲を示すものであり、Re(590)=(nx−ny)×d、である。すなわち、本発明の位相差フィルムは、100nm≦Re(590)≦350nm、を満足するものである。
位相差フィルムがλ/2板として用いられる場合、好ましいRe(590)としては、200nm<Re(590)≦350nmである。更に好ましくは、240nm≦Re(590)≦300nmである。特に好ましくは、260nm≦Re(590)≦280nmである。最も好ましくは、265nm≦Re(590)≦275nmである。上記Re(590)の値を、測定波長の約1/2とすることによって、液晶表示装置の表示特性をより一層改善することができる。
位相差フィルムがλ/2板として用いられる場合、その厚みの範囲は80〜160μmのものが好ましく用いられる。より好ましくは85〜145μm、さらに好ましくは95〜135μmである。
位相差フィルムがλ/4板として用いられる場合、好ましいRe(590)としては、100nm<Re(590)≦200nmである。更に好ましくは、120nm≦Re(590)≦160nmである。特に好ましくは、130nm≦Re(590)≦150nmである。最も好ましくは、135nm≦Re(590)≦145nmである。上記Re(590)の値を、測定波長の約1/4とすることによって、液晶表示装置の表示特性をより一層改善することができる。
位相差フィルムがλ/4板として用いられる場合、その厚みの範囲は25〜75μmのものが好ましく用いられる。より好ましくは35〜65μmである。
また前記位相差フィルムは、波長590nmの光に対する厚み方向の位相差値:Rth(590)が、35nm≦Rth(590)≦190nmであることが好ましい。厚み方向の位相差値:Rth(590)は、Rth(590)=(nx−nz)×d、である。
位相差フィルムがλ/2板として用いられる場合、好ましいRth(590)としては、90nm≦Re(590)≦190nmである。更に好ましくは、100nm≦Re(590)≦165nm、特に好ましくは、120nm≦Re(590)≦155nmである。
前記位相差フィルムがλ/4板として用いられる場合、好ましいRth(590)としては、45nm≦Re(590)≦110nmである。更に好ましくは、50nm≦Re(590)≦85nm、特に好ましくは、60nm≦Re(590)≦80nmである。
Rthの算出方法は、位相差値、遅相軸の角度(配向角)、屈折率を、例えば、王子計測機器(株)製の商品名「KOBRA21−ADH」を用いて測定した結果から求めることができる。フィルム面内の位相差値(Re)、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定した位相差値(R40)、位相差フィルムの厚み(d)及び位相差フィルムの平均屈折率(n0)を用いて、以下の式(i)〜(iii)からコンピュータ数値計算によりnx、ny及びnzを求め、次いで式(iv)によりRthを計算した。ここで、φ及びny’はそれぞれ以下の式(v)及び(vi)で示される。
Re=(nx−ny)×d ・・・(i)
R40=(nx−ny’)×d/cos(φ) ・・・(ii)
(nx+ny+nz)/3=n0 ・・・(iii)
Rth=(nx−nz)×d ・・・(iv)
φ=sin-1[sin(40°)/n0] ・・・(v)
ny’=ny×nz[ny2×sin2(φ)+nz2×cos2(φ)]1/2 ・・・(vi)。
R40=(nx−ny’)×d/cos(φ) ・・・(ii)
(nx+ny+nz)/3=n0 ・・・(iii)
Rth=(nx−nz)×d ・・・(iv)
φ=sin-1[sin(40°)/n0] ・・・(v)
ny’=ny×nz[ny2×sin2(φ)+nz2×cos2(φ)]1/2 ・・・(vi)。
また、前記位相差フィルムにおいて、前記式(2)で表すように、波長590nmの光で測定した厚み方向の位相差値:Rth(590)と、フィルム面内の位相差値:Re(590)との比(Nz係数ともいう)は、0.1≦Nz<0.9である。
Nzは、Nz=Rth/Re=(nx−nz)/(nx−ny)、である。
Nzは、より好ましくは、0.2≦Nz≦0.8である。更に好ましくは、0.3≦Nz≦0.7である。特に好ましくは、0.4≦Nz≦0.6である。最も好ましくは、0.45≦Nz≦0.55である。上記位相差フィルムのNz係数の値を0.5とすることにより、角度によらず位相差値がほぼ一定の特性を達成することができ、液晶表示装置の表示特性をより一層改善することができる。
Nzは、Nz=Rth/Re=(nx−nz)/(nx−ny)、である。
Nzは、より好ましくは、0.2≦Nz≦0.8である。更に好ましくは、0.3≦Nz≦0.7である。特に好ましくは、0.4≦Nz≦0.6である。最も好ましくは、0.45≦Nz≦0.55である。上記位相差フィルムのNz係数の値を0.5とすることにより、角度によらず位相差値がほぼ一定の特性を達成することができ、液晶表示装置の表示特性をより一層改善することができる。
一般的に光学フィルムは、外力を加えて内部に応力を起こさせると、一時的に光学的異方性を呈し、複屈折を示すようになる。これを光弾性効果という。その指標として用いられる光弾性係数は、絶対値が小さいほうが、光学均一性に優れ、歪による位相差ムラなどが生じにくいため好ましい。上記光弾性係数の絶対値は、例えば、日本分光株式会社製の製品名:分光エリプソメーター「M−220」を用いて、2cm×10cmの試験片に23℃で応力をかけながら、フィルム面内の位相差値を測定し、位相差値と応力の関数の傾きから算出することができる。
前記位相差フィルムの前記光弾性係数の絶対値は、波長590nmで測定した値の絶対値:C値(m2/N)が、1.0×10-12≦C≦12.0×10-12の範囲にあるものが好ましく用いられる。より好ましくは、1.0×10-12≦C≦9.0×10-12、さらに好ましくは、1.5×10-12≦C≦7.0×10-12である。特に好ましくは、2.0×10-12≦C≦6.0×10-12である。上記の範囲であれば、偏光子の収縮応力やバックライトの熱による位相差値のズレやムラが生じにくく、nx>nz>nyの関係を有する位相差フィルムを得ることができる。
また本発明の前記位相差フィルムの波長分散特性としては、下記式(5):
D(Re)=Re(480)/Re(590) ・・・(5)
[ただし、Re(480)、Re(590)は、それぞれ波長480nm、590nmの光に対するフィルム面内の位相差値である。]で算出されるD(Re)値が、0.80≦D(Re)≦1.20の範囲にあるものが好ましく用いられる。D(Re)値の範囲としては、0.90≦D(Re)≦1.10、が好ましく、更に好ましくは、0.95≦D(Re)≦1.05である。上記D(Re)値は、上記の範囲で小さいほど、可視光の広い領域で位相差値が一定になるため、液晶パネルのコントラスト比とカラーシフトを改善することができる。
D(Re)=Re(480)/Re(590) ・・・(5)
[ただし、Re(480)、Re(590)は、それぞれ波長480nm、590nmの光に対するフィルム面内の位相差値である。]で算出されるD(Re)値が、0.80≦D(Re)≦1.20の範囲にあるものが好ましく用いられる。D(Re)値の範囲としては、0.90≦D(Re)≦1.10、が好ましく、更に好ましくは、0.95≦D(Re)≦1.05である。上記D(Re)値は、上記の範囲で小さいほど、可視光の広い領域で位相差値が一定になるため、液晶パネルのコントラスト比とカラーシフトを改善することができる。
前記位相差フィルムの遅相軸の角度(配向角ともいう)は、バラツキが大きいと、偏光子又は偏光板に積層した場合に偏光度の低下されるため、上記配向角のバラツキは小さければ小さいほど良い。好ましくは、フィルム幅方向で等間隔に設けた5点の測定箇所における配向角のバラツキの範囲が、±2°〜±1°であるものが好ましく用いられる。更に好ましくは、±1°〜±0.5°である。
次に本発明の位相差フィルムの製造方法について説明する。本発明の位相差フィルムの製造方法は、ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムの片面又は両面に収縮性フィルムを貼り合わせて、加熱延伸することにより行う。
本発明の位相差フィルムの製造方法の一例について、図14を参照して説明する。図14は、本発明の位相差フィルムの代表的な製造工程の概念を示す模式図である。例えば、ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルム402は、第1の繰り出し部401から繰り出され、ラミネートロール407、408により、当該高分子フィルム402の両面に、第2の繰り出し部403から繰り出された粘着剤層を備える収縮性フィルム404と、第3の繰り出し部405から繰り出された粘着剤層を備える収縮性フィルム406とが貼着される。高分子フィルム402の両面に収縮性フィルムが貼着された積層体は、乾燥手段409によって一定温度に保持されながら、速比の異なるロール410、411、412、および413でフィルムの長手方向の張力を付与され(同時に収縮性フィルムによって、厚み方向への張力を付与される)ながら、延伸処理に供される。延伸処理されたフィルム418は、第1の巻き取り部414および第2の巻き取り部416にて、収縮性フィルム415、417が粘着剤層と共に剥離され、得られた位相差フィルム418は、第3の巻き取り部419で巻き取られる。
前記高分子フィルムは、前記の通り、厚み10〜500μmのものが好ましく用いられるが、設計する位相差値に応じて厚さを選択するのが好ましい。位相差フィルムがλ/2板として用いられる場合、その厚みの範囲は70〜150μmのものが好ましく、さらに好ましくは70〜130μm、特に好ましくは80〜120μmである。位相差フィルムがλ/4板として用いられる場合、その厚みの範囲は20〜60μmのものが好ましく用いられる。より好ましくは30〜50μmである。
収縮性フィルムは、加熱延伸時に延伸方向と直交する方向の収縮力を付与するために用いられる。上記収縮性フィルムに用いられる材料としては、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられるが、これに限定されない。収縮均−性、耐熱性が優れる点から、ポリプロピレンフィルムが好ましく用いられる。
また、上記収縮性フィルムは、好ましくは、二軸延伸フィルムおよび一軸延伸フィルム等の延伸フィルムである。上記収縮性フィルムは、例えば、押出法によりシート状に成形された未延伸フィルムを同時二軸延伸機等で所定の倍率に縦および/または横方向に延伸して得ることができる。なお、成形および延伸条件は、用いる樹脂の組成や種類や目的に応じて、適宜選択され得る。収縮均−性、耐熱性が優れる点から、二軸延伸ポリプロピレンフィルムが、特に好ましく用いられる。
前記収縮性フィルムは、140℃におけるフィルム長手方向の収縮率:S140(MD)が、4〜20%であり、且つ、幅方向の収縮率:S140(TD)が4〜30%であるものが好ましい。更に好ましくは、S140(MD)が5〜10%、S140(TD)が7〜25%である。特に好ましくは、S140(MD)が6〜10%、S140(TD)が10〜25%である。最も好ましくは、S140(MD)が6〜8%、S140(TD)が10〜20%である。なお、上記の収縮率は、実施例に記載の方法により求めることができる。
また、前記収縮性フィルムは、160℃におけるフィルム長手方向の収縮率:S160(MD)が、10〜30%であり、且つ、幅方向の収縮率:S160(TD)が32〜65%であるものが好ましい。更に好ましくは、S160(MD)が13〜25%、S160(TD)が34〜60%である。特に好ましくは、S160(MD)が15〜23%、S160(TD)が38〜58%である。最も好ましくは、S160(MD)が17〜21%、S160(TD)が40〜52%である。なお、上記の収縮率は、実施例に記載の方法により求めることができる。
前記収縮性フィルムは、140℃における幅方向の収縮率と長手方向の収縮率の差:△S140=S140(TD)−S140(MD)が、0.5%≦△S140≦10%の範囲にあるものが好ましい。より好ましくは1%≦△S140≦10%である。更に好ましくは2%≦△S140≦10%である。特に好ましくは4%≦△S140≦10%である。最も好ましくは6%≦△S140≦10%である。MD方向の収縮率が大きいと、延伸張力に加え、上記収縮性フィルムの収縮力が延伸機に加わり均一な延伸が困難となる。上記の範囲であれば、延伸機等の設備に過度の負荷をかけることなく、均一な延伸を行なうことができる。
また、前記収縮性フィルムは、160℃における幅方向の収縮率と長手方向の収縮率の差:△S160=S160(TD)−S160(MD)が、5%≦△S160≦50%の範囲にあるものが好ましい。より好ましくは10%≦△S160≦45%である。更に好ましくは18%≦△S160≦40%である。特に好ましくは20%≦△S160≦35%である。最も好ましくは25%≦△S160≦35%である。MD方向の収縮率が大きいと、延伸張力に加え、上記収縮性フィルムの収縮力が延伸機に加わり均一な延伸が困難となる。上記の範囲であれば、延伸機等の設備に過度の負荷をかけることなく、均一な延伸を行なうことができる。
前記収縮性フィルムは、140℃における幅方向の収縮応力T140(TD)が、0.2〜1.2N/2mmの範囲にあるものが好ましい。更に好ましくは、上記T140(TD)が0.35〜1.1N/2mmであり、特に好ましくは0.4〜1N/2mmであり、最も好ましくは0.6〜0.9N/2mmである。
また、前記収縮性フィルムは、150℃における幅方向の収縮応力T150(TD))が、0.3〜1.3N/2mmの範囲にあるものが好ましい。更に好ましくは、上記T150(TD)が0.4〜1.2/2mmであり、特に好ましくは0.5〜1.1N/2mmであり、最も好ましくは0.7〜1N/2mmである。上記の範囲であれば、目的とする位相差値が得られ、且つ、均一な延伸を行なうことができる。
前記収縮性フィルムの好ましい厚みの範囲は、上記収縮率や、設計する位相差値等に応じて選択できるが、例えば10〜500μmが好ましく、更に好ましくは、20〜300μmである。特に好ましくは、30〜100μmである。最も好ましくは、40〜80μmである。上記の範囲内であれば、十分な収縮率が得られ、良好な光学均一性を有する位相差フィルムを作製することができる。
前記収縮性フィルムとしては、本発明の目的を満足するものであれば、一般包装用、食品包装用、パレット包装用、収縮ラベル用、キャップシール用、および電気絶縁用等の用途に使用される市販の収縮性フィルムも適宜、選択して用いることができる。これら市販の収縮性フィルムは、そのまま用いてもよく、延伸処理や収縮処理などの2次加工を施してから用いてもよい。市販の収縮性フィルムの具体例としては、王子製紙(株)製の商品名「アルファンシリーズ」、グンゼ(株)製の商品名「ファンシートップシリーズ」、東レ(株)製の商品名「トレファンシリーズ」、サン・トックス(株)の商品名「サントックス−OPシリーズ」、東セロ(株)の商品名「トーセロOPシリーズ」等が挙げられる。
前記収縮性フィルムを前記高分子フィルムへ貼り合わせる方法は、上記収縮性フィルムの収縮方向が少なくとも延伸方向と直交する方向の成分を含むように行われる。すなわち、上記収縮性フィルムの収縮力の全部又は一部が上記高分子フィルムの延伸方向と直交する方向に作用するように行われる。従って、上記収縮性フィルムの収縮方向が上記高分子フィルムの延伸方向と斜交していても良く、完全に直交する方向にある必要はない。
前記収縮性フィルムの貼り合わせ方法としては、特に制限はないが、前記高分子フィルムと上記収縮性フィルムとの間に粘着剤層を設けて接着する方法が、生産性に優れる点から好ましい。上記粘着剤層は、上記高分子フィルム又は上記収縮性フィルムの一方又は両方に形成することができる。通常、前記収縮性フィルムは、前記位相差フィルムを作製した後に剥離されるので、上記粘着剤としては、加熱延伸工程では接着性と耐熱性に優れ、その後の剥離工程では、容易に剥離できて、上記位相差フィルムの表面に粘着剤が残存しないものが好ましい。剥離性に優れる点で、上記粘着剤層は、上記収縮性フィルムに設けるほうが好ましい。
前記粘着剤層を形成する粘着剤としては、アクリル系、合成ゴム系、ゴム系、シリコーン系等が用いられる。接着性、耐熱性、剥離性に優れる点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系ポリマーのGPC法によって算出される重量平均分子量(Mw)がGPC法で測定されるポリスチレン換算で30,000〜2,500,000のものが好ましい。
前記アクリル系ポリマーに使用されるモノマーとしては、各種(メタ)アクリル酸アルキルを使用できる。たとえば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、イソノニルエステル、イソデシルエステル、ドデシルエステル、ラウリルエステル、トリデシルエステル、ペンタデシルエステル、ヘキサデシルエステル、ヘプタデシルエステル、オクタデシルエステル、ノナデシルエステル、エイコシルエステル等の炭素数1〜20アルキルエステル)を例示でき、これらを単独もしくは組み合わせて使用できる。
また、得られるアクリル系ポリマーに極性を付与するために前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとともに、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有単量体;N−メチロールアクリルアミド等のアミド基含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体;酢酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体などを共重合モノマーとして用いることができる。
なお、前記アクリル系ポリマーの重合法は特に制限されず、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、UV重合などの公知の重合法を採用できる。
また、前記粘着剤には、架橋剤を含有することができる。架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。さらに前記粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を適宜に使用することもできる。
前記粘着剤層を形成する方法は、特に制限されず、離型フィルムに粘着剤を塗布し、乾燥後、前記高分子フィルムに転写する方法(転写法)、前記高分子フィルムに、直接、粘着剤を塗布、乾燥する方法(直写法)等が挙げられる。
前記粘着剤層の好ましい厚みの範囲としては、特に制限はないが、粘着力や前記位相差フィルムの表面状態に応じて適宜決定される。例えば1〜100μmが好ましく、更に好ましくは、5〜50μmである。特に好ましくは、10〜30μmである。上記の範囲内であれば、十分な収縮率が得られ、良好な光学均一性を有する位相差フィルムを作製することができる。上記粘着剤層は、異なる組成のもの又は種類の異なるものを積層して用いることもできる。また、上記粘着剤層は、必要に応じて、接着力の制御を目的に粘着性付与樹脂の如き天然物や合成物の樹脂類、酸化防止剤などの適宜な添加剤を配合することができる。
前記粘着剤層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的に剥離紙又は離型フィルム(セパレータともいう)が仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着剤層に接触することを防止できる。上記セパレータとしては、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いることができる。
上記高分子フィルムと粘着剤層との界面における23℃の接着力は、特に制限はないが、0.1〜10N/50mmであることが好ましい。より好ましくは、0.1〜5N/50mmである。特に好ましくは、0.2〜3N/50mmである。上記接着力は、前記収縮性フィルムを、上記高分子フィルムに、JIS Z 0237に準じた手動ローラで3往復して圧着したものを接着力測定用サンプルとし、該サンプルをオートクレーブ処理(50℃、15分、5kg/cm2)した後、JIS B 7721に準じた装置により、JIS Z 0237に準じた90度引きはなし法(引き上げ速度:300mm/min)で測定することができる。上記接着力の達成は、例えば上記高分子フィルムの粘着剤層が設けられる側の表面にコロナ処理やプラズマ処理等の適宜な表面処理を施して粘着剤層との接着力を制御する方式、上記高分子フィルムと上記収縮性フィルムを接着した状態で加熱処理やオートクレーブ処理等の適宜な処理を施して接着力を制御する方式等の適宜な方式の1種又は2種以上を行うことができる。
前記収縮性フィルムは、設計する収縮力等に応じて前記高分子フィルムの片面又は両面に1枚又は2枚以上の適宜な数を接着することができるが、両面に接着する場合や片面に複数枚を接着する場合には、その表裏や上下における収縮性フィルムの収縮率は、同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
本発明の前記加熱延伸する方法としては、特に制限はなく、前記高分子フィルムの延伸方向への張力と、上記延伸方向と直交する方向への収縮力とが付与することができる方法であれば、従来公知の延伸処理法を用いることができる。例えば、縦一軸延伸法、横一軸延伸法、縦横同時二軸延伸法、縦横逐次二軸延伸法等が挙げられる。上記延伸処理法は、例えば、ロール延伸機、テンターや二軸延伸機等の適宜な延伸機を用いて行うことができる。また、上記加熱延伸は、2回又は3回以上の工程に分けて行うこともできる。前記高分子フィルムを延伸する方向は、フィルム長手方向(MD方向)であっても良いし、幅方向(TD方向)であっても良い。また、特開2003−262721公報の図1に記載の延伸法を用いて、斜め方向とすることもできる。
前記位相差フィルムの加熱延伸する温度(延伸温度ともいう)は、前記高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)以上で行うことが、上記位相差フィルムの位相差値が均一になり易く、また、フィルムが結晶化(白濁)しにくいなどの点より好ましい。上記延伸温度は好ましくは、前記高分子フィルムのTg+1℃〜Tg+30℃である。より好ましくは、Tg+2℃〜Tg+20℃である。更に好ましくは、Tg+3℃〜Tg+15℃である。特に好ましくは、Tg+5℃〜Tg+10℃である。延伸温度が上記の範囲であれば、均一な加熱延伸を行うことができる。また、上記延伸温度は、フィルム幅方向で一定であることが、位相差値のバラツキが小さい良好な光学均一性を有する位相差フィルムを作製することができる。
前記延伸温度を一定に保持する具体的な方法については、特に制限はないが、熱風又は冷風、マイクロ波もしくは遠赤外線などを利用したヒーター、温度調節用に加熱又は冷却されたロール、ヒートパイプロール又は金属ベルトなどを用いた公知の加熱又は冷却方法や温度制御方法を挙げることができる。
前記延伸温度は、ばらつきが大きいと、延伸ムラが大きくなり、最終的に得られた位相差フィルムの位相差値のばらつきを招く。従って、フィルム幅方向の温度ばらつきは、小さければ小さいほど好ましく、より好ましくは面内方向の温度ばらつきを±1℃以下の範囲内とすることが望ましい。
前記加熱延伸時の延伸倍率は、用いる高分子フィルム、揮発性成分等の種類、揮発性成分等の残留量、設計する位相差値等から決められるものであって、特に限定されるものではないが、例えば、1.05〜3倍が好ましく用いられる。より好ましくは、1.1〜2.5倍である。特に好ましくは、1.1〜2倍である。最も好ましくは、1.2〜1.8倍である。また、延伸時の送り速度は、特に制限はないが、延伸装置の機械精度、安定性等から好ましくは0.5m/分以上、より好ましくは1m/分以上である。
本発明の位相差フィルムは、所定の面内の位相差値:Reとなるように位相差値が設計されたもの、たとえば、λ/2板、λ/4板等として用いられる。本発明の位相差フィルムは1枚を用いてもよく、2枚以上を任意の角度で積層したものを用いることができる。また、本発明の位相差フィルムは、他の位相差フィルムを組み合わせたものを用いることができる。他の位相差フィルムと組み合わせる場合においても、本発明の位相差フィルムは1枚または2枚以上を用いることができる。他の位相差フィルムも1枚または2枚以上を用いることができる。位相差フィルムの積層は、粘着剤や接着剤等により、積層することができる。
上記他の位相差フィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・エチレン・スチレン樹脂、スチレン・マレイミド共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。また、シクロ系オレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系樹脂、芳香族ポリイミドやポリイミドアミド等のイミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、又は前記樹脂のブレンド物等からなる高分子フィルムに複屈折特性を付与したフィルムや、基材上に液晶性化合物を含む混合溶液を塗工し、硬化したフィルムが挙げられる。上記複屈折特性は、該高分子フィルムの製膜時に自発的に発生する場合もあるし、該高分子フィルムを一軸又は二軸に延伸することによって付与することもできる。
前記他の位相差フィルムの複屈折特性は、特に制限はないが、例えば、IPSモード、VAモード及びOCBモードの液晶表示装置に用いる場合は、Re(590)=80〜140nm(Rth(590)/Re(590)=0.9〜1.3)の一軸性位相差フィルム、Re(590)=0〜5nmであってRth(590)=90〜400nmである負の一軸性位相差フィルム、基板法線から光軸が10〜80°に傾斜した一軸性傾斜配向位相差フィルムの他、Re(590)=30〜60nm(Rth(590)/Re(590)=2.0〜6.0)の二軸性位相差フィルム、Re(590)=100〜300nm(Rth(590)/Re(590)=0.2〜0.8)の二軸性位相差フィルムや、ディスコチック液晶分子又は棒状液晶分子が基板法線に対して徐々に傾斜したハイブリッド配向位相差フィルムが好ましく用いられる。上記の一軸性位相差フィルムや二軸性位相差フィルムは、本発明の光学フィルムと併用することで、液晶表示装置のより一層の視野角特性向上が期待できる。
本発明の位相差フィルムは、偏光子又は偏光板の少なくとも片側に積層された光学フィルムとして用いることができる。偏光板は、通常、偏光子の片側または両側に透明保護フィルムを有するものである。偏光子の両面に透明保護フィルムを設ける場合は、表裏の透明保護フィルムは、同じ材料であっても良いし、異なる材料であってもよい。偏光板は、通常、液晶セルの両側に配置され、2枚の偏光板は吸収軸が互いに直交するように配置される。本発明の位相差フィルムは、接着剤や粘着剤などを用いて偏光子又は偏光板と積層することができる。
前記光学フィルムは、上記位相差フィルムの遅相軸が偏光子の吸収軸と平行又は直交になるように積層したものが好ましく用いられる。上記位相差フィルムの遅相軸と上記偏光子の吸収軸のなす角度は、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と平行に配置される場合、0°±2°であることが好ましい。より好ましくは、0°±1°である。更に好ましくは、0°±0.5°である。また、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と直交に配置される場合、90°±2°であることが好ましい。より好ましくは、90°±1°である。更に好ましくは、90°±0.5°である。これらの角度範囲から外れる程度が大きくなるほど、偏光板の偏光度が低下し、液晶表示装置に用いた際に、コントラストが低下する。なお、前記光学フィルムにおいては、位相差フィルムは特に制限されないが、λ/2板であることが好ましい。λ/2板は、2枚のλ/4板を遅相軸が平行になるように配置して用いることができる。
図1〜図4に本発明の光学フィルムの一例を示す。図1の光学フィルム3Aは、偏光子1aの一方の面に透明保護フィルム1cが配置された偏光板1Aと位相差フィルム2が配置されている。位相差フィルム2は、偏光子1aに対し透明保護フィルム1cとは反対側に配置されている。位相差フィルム2の遅相軸は、偏光子1aの吸収軸に対し平行である場合を示しているが、これは直交であっても良い。
図2の光学フィルム3Bは、偏光子1aの両側に透明保護フィルム1b及び透明保護フィルム1cが配置された偏光板1Bと位相差フィルム2が配置されている。位相差フィルム2は、透明保護フィルム1bの側に配置されている。位相差フィルム2の遅相軸は、偏光子1aの吸収軸に対し平行である場合を示しているが、これは直交であっても良い。
図3の光学フィルム3Cは、偏光子1aの一方の面に透明保護フィルム1cが配置された偏光板1Aと2枚の位相差フィルム2a、2bが配置されている。位相差フィルム2a、2bは、偏光子1aに対し透明保護フィルム1cとは反対側に配置されている。位相差フィルム2a、2bの遅相軸は、偏光子1aの吸収軸に対し平行である場合を示しているが、これは直交であっても良い。
図4の光学フィルム3Dは、偏光子1aの両側に透明保護フィルム1b及び透明保護フィルム1cが配置された偏光板1Bと位相差フィルム2a、2bが配置されている。位相差フィルム2a、2bは、透明保護フィルム1bの側に配置されている。位相差フィルム2a、2bの遅相軸は、偏光子1aの吸収軸に対し平行である場合を示しているが、これは直交であっても良い。
前記偏光子としては、特に制限されず、各種のものを使用できる。たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいてもよいヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。
ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
前記偏光子の片面又は両面に設けられる透明保護フィルムとしては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、位相差値の安定性などに優れるものが好ましい。上記透明保護フィルムを形成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・エチレン・スチレン樹脂、スチレン・マレイミド共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。また、シクロ系オレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系樹脂、芳香族ポリイミドやポリイミドアミド等のイミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、又は前記樹脂のブレンド物等からなる高分子フィルムなども前記透明保護フィルムを形成する樹脂の例として挙げられる。また、上記透明保護フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
前記透明保護フィルムとして好ましくは、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂及び、ノルボルネン系樹脂が用いられる。具体的には、富士写真フイルム(株)製の製品名「フジタック」や、日本ゼオン(株)製 製品名「ゼオノア」、JSR(株)製の製品名「アートン」などが挙げられる。
前記透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。より好ましくは、5〜200μmである。特に好ましくは、10〜150μmである。上記の範囲であれば、偏光子を機械的に保護し、高温高湿下に曝されても偏光子が収縮せず、安定した光学特性を保つことができる。
前記透明保護フィルムは、フィルム面内の位相差値及び厚み方向の位相差値が液晶表示装置の視野角特性に影響を及ぼす場合があるので、位相差値が最適化されたものを用いることが好ましい。ただし、位相差値の最適化が望まれる透明保護フィルムとは、液晶セルに近い側の偏光子の表面に積層される透明保護フィルムであり、液晶セルに遠い側の偏光子の表面に積層される透明保護フィルムは、液晶表示装置の光学特性を変化させることはないので、この限りではない。
従って、前記液晶セルに近い側の偏光子の表面に積層される透明保護フィルムは、複屈折や光弾性係数の絶対値ができる限り小さいものが好ましい。
前記光学フィルム3A〜3Dにおいて、通常は、位相差フィルム2(2a、2b)の側が液晶セル側に配置される。したがって、光学フィルム3A〜3Dでは、位相差フィルム2(2a、2b)が積層される側の透明保護フィルム1bが位相差値が最適化されたものを用いることが好ましい。
前記透明保護フィルムは下記式(3)及び式(4)を満足することが好ましい。
0nm<(nx−ny)・d≦5nm ・・・(3)
0nm<(nx−nz)・d≦15nm ・・・(4)
[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。]
0nm<(nx−ny)・d≦5nm ・・・(3)
0nm<(nx−nz)・d≦15nm ・・・(4)
[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。]
前記同様に、フィルム面内の位相差値:Re(590)=(nx−ny)・d、である。フィルム面内の位相差値:Re(590)は、更に好ましくは、0nm<Re(590)≦3nmである。特に好ましくは、0nm<Re(590)≦2nmである。最も好ましくは、0nm<Re(590)≦1nmである。また前記同様に、フィルムの厚み方向の位相差値:Rth(590)=(nx−nz)・dである。フィルムの厚み方向の位相差値:Rth(590)は、0nm<Rth(590)≦10nmであることが好ましい。更に好ましくは、0nm<Rth(590)≦6nmである。特に好ましくは、0nm<Rth(590)≦4nmである。最も好ましくは、0nm<Rth(590)≦3nmである。本発明の位相差フィルムが積層される透明保護フィルムの位相差値が上記の範囲であれば、液晶表示装置に用いた際にコントラスト比やカラーシフト等の表示特性に悪影響を及ぼさず、良好な表示特性を得ることができる。
前記液晶セルに近い側の偏光子の表面に積層される透明保護フィルムの光弾性係数の絶対値は、波長590nmの光で測定した値の絶対値:C値(m2/N)が、2.0×10-13≦C≦2.0×10-11の範囲にあるものが好ましく用いられる。更に好ましくは、5.0×10-13≦C≦8.0×10-12である。特に好ましくは、2.0×10-12≦C≦6.0×10-12である。最も好ましくは、2.0×10-12≦C≦5.0×10-12である。
なお、本発明の位相差フィルムは、光弾性係数の絶対値が従来の芳香族系高分子フィルムよりも小さいので、偏光子に接着剤又は粘着剤を介して直接積層しても、液晶表示装置に用いた際に、偏光子の収縮応力やバックライトの熱による位相差値のズレやムラを生じにくく、良好な表示特性を得ることができるが、複屈折や光弾性係数の絶対値が小さい透明保護フィルムの表面に、本発明の位相差フィルムを積層すれば、上記位相差フィルムに伝播する偏光子の収縮応力や、バックライトの熱を低減できるので、位相差値のズレやムラをより一層低減することができる。
前記複屈折や光弾性係数の絶対値が小さい透明保護フィルムを形成する材料としては、例えば、特開平6−51117号公報に記載のノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を、必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加のごときポリマー変性を行った後に、水素添加したノルボルネン系樹脂;ノルボルネン系モノマーを付加型重合させたノルボルネン系樹脂;ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノマーと付加型共重合させたノルボルネン系樹脂などが用いられる。また、特開2002−348324号公報に記載のノルボルネン等の多環シクロオレフィンモノマー又は単環シクロオレフィンモノマー又は非環式1−オレフィンモノマーの少なくとも一種類を溶液状態、懸濁状態、モノマー溶融状態または気相において、メタロセン触媒下で重合したシクロオレフィン系樹脂なども用いられる。
また、特開2001−253960号公報に記載の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを側鎖に有するポリカーボネート系樹脂や、特開平7−112446号公報に記載のセルロース系樹脂などが用いられる。更に、特開2001−343529号公報に記載の高分子フィルム、たとえば、(A)側鎖に置換及び/又は非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換及び/非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物なども用いられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物の高分子フィルムが用いられる。また、(株)エヌ・ティー・エス出版「オプティカルポリマー材料の開発・応用技術」2003年版194頁〜207頁に記載の正の配向複屈折を示すポリマーを構成するモノマーと、負の配向複屈折を示すポリマーを構成するモノマーのランダム共重合体や異方性低分子や複屈折性結晶をドープしたポリマーなども用いられる。
前記透明保護フィルムの偏光子との積層方法は、特に限定されず、例えばアクリル系ポリマーやビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤、あるいはホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミンやシュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤から少なくともなる接着剤等を介して行うことができる。これにより湿度や熱の影響で剥がれにくく光透過率や偏光度に優れるものとすることができる。前記接着剤としては、偏光子の原料であるポリビルアルコールとの接着性に優れる点より、ポリビニルアルコール系接着剤を用いることが好ましい。
前記ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムを透明保護フィルムとして、偏光子と積層する場合の粘着剤としては、透明性に優れ、複屈折などが小さく、薄い層として用いても充分に粘着力を発揮できるものが好ましい。そのような粘着剤としては、例えば、ポリウレタン系樹脂溶液とポリイソシアネート樹脂溶液を混合するドライラミネート用接着剤、スチレンブタジエンゴム系接着剤、エポキシ系二液硬化型接着剤、例えば、エポキシ樹脂とポリチオールの二液からなるもの、エポキシ樹脂とポリアミドの二液からなるものなどを用いることができ、特に溶媒型接着剤、エポキシ系二液硬化型接着剤が好ましく、透明のものが好ましい。接着剤によっては、適当な接着用下塗り剤を用いることで接着力を向上させることができるものがあり、そのような接着剤を用いる場合は接着用下塗り剤を用いることが好ましい。
上記接着用下塗り剤としては、接着性を向上できる層であれば特に制限はないが、例えば、同一分子内にアミノ基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基等の反応性官能基と加水分解性のアルコキシシリル基とを有するシラン系カップリング剤、同一分子内にチタンを含む加水分解性の親水性基と有機官能性基とを有するチタネート系カップリング剤、および同一分子内にアルミニウムを含む加水分解性の親水性基と有機官能性基とを有するアルミネート系カップリング剤等のいわゆるカップリング剤、エポキシ系樹脂、イソシアネート系樹脂、ウレタン系樹脂、エステルウレタン系樹脂等の有機反応性基を有する樹脂を用いることができる。なかでも、工業的に取扱いやすいという観点から、シラン系カップリング剤を含有する層であることが好ましい。
前記偏光板は、液晶セルへの積層を容易にするため、上記偏光板の透明保護フィルムの両面又は片面に接着剤層や粘着剤層を設けておくことができる。また前記光学フィルムについても位相差フィルム等に接着剤層や粘着剤層を設けておくことができる。
前記接着剤又は粘着剤としては特に制限されない。例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、光学的透明性に優れ、適度なぬれ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるという点で、アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
前記接着剤又は粘着剤にはベースポリマーに応じた架橋剤を含有させることができる。また、粘着剤層には必要に応じて例えば天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビーズ、金属粉やその他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤や酸化防止剤などの適宜な添加剤を配合することもできる。また透明微粒子を含有させて光拡散性を示す粘着剤層とすることもできる。
なお、前記の透明微粒子には、例えば平均粒径が0.5〜20μmのシリカや酸化カルシウム、アルミナやチタニア、ジルコニアや酸化錫、酸化インジウムや酸化カドミウム、酸化アンチモン等の導電性のこともある無機系微粒子や、ポリメチルメタクリレートやポリウレタの如き適宜なポリマーからなる架橋又は未架橋の有機系微粒子などの適宜なものを1種又は2種以上用いることができる。
前記接着剤又は粘着剤は、通常、ベースポリマー又はその組成物を溶媒に溶解又は分散させた固形分濃度が10〜50重量%程度の接着剤溶液として用いられる。上記溶媒としては、トルエンや酢酸エチル等の有機溶媒や水等の接着剤の種類に応じたものを適宜に選択して用いることができる。
前記接着剤又は粘着剤は、異なる組成又は種類等のものの積層物として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。上記接着剤又は粘着剤の厚みは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
前記接着剤層又は粘着剤層等の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的に剥離紙又は離型フィルム(セパレータともいう)が仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で接着剤層又は粘着剤層に接触することを防止できる。上記セパレータとしては、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鏡アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いることができる。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理や、拡散処理(アンチグレア処理ともいう)を施すことができる。
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
光学フィルムは、実用に際して他の光学層と積層して用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板などの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、偏光板に更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行なうことができる。
反射型偏光板の具体例としては、必要に応じマット処理した保護フィルムの片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成したものなどがあげられる。また前記保護フィルムに微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有する。また微粒子含有の保護フィルムは、入射光及びその反射光がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制しうる利点なども有している。保護フィルムの表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を透明保護層の表面に直接付設する方法などにより行うことができる。
反射板は前記の偏光板の保護フィルムに直接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなどとして用いることもできる。なお反射層は、通常、金属からなるので、その反射面が保護フィルムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別途付設の回避の点などより好ましい。
なお、半透過型偏光板は、上記において反射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得ることができる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用である。
偏光板と輝度向上フィルムを貼り合わせた偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバックライトや裏側からの反射などにより自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射される。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。すなわち、輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合には、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
輝度向上フィルムと上記反射層等の間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、すなわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にもどす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の明るい表示画面を提供することができたものと考えられる。
前記の輝度向上フィルムとしては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光は反射する特性を示すもの(住友3M(株)製のD−BEFなど)、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持したものの(日東電工社製,PCF350やMerck社製,Transmax等)如き、左回り又は右回りのいずれか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものなどの適宜なものを用いうる。
従って、前記した所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
なお、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
また偏光板は、上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
また上記の偏光板と位相差フィルムを積層した光学フィルム等は、液晶表示装置の製造過程で順次別個に積層することよって形成することができるが、予め積層しておくほうが、品質の安定性や積層作業性等に優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させることができるため好ましい。
次に本発明の光学フィルムが用いられる液晶パネルについて説明する。図5〜図10は、本発明の液晶パネルの一例を示す。
図5の液晶パネル6Aは、液晶セル5の一方の面に光学フィルム3Aが、位相差フィルム2が液晶セルに近い側になるよう配置されている。また、上記液晶セル5の他方の面には偏光子4aの両面に透明保護フィルム4b及び4cが配置された偏光板4が、透明保護フィルム4bが液晶セル5に近い側になるように配置されている。上記位相差フィルム2の遅相軸は、上記偏光子1aの吸収軸と平行である場合を示しているが、これは直交であっても良い。
図6の液晶パネル6Bは、液晶セル5の一方の面に光学フィルム3Bが、位相差フィルム2が液晶セルに近い側になるように配置されている。また、上記液晶セル5の他方の面には偏光板4が、透明保護フィルム4bが液晶セル5に近い側になるように配置されている。上記位相差フィルム2の遅相軸は、上記偏光子1aの吸収軸と平行である場合を示しているが、これは直交であっても良い。
図7の液晶パネル6Cは、液晶セル5の両面に光学フィルム3Aが、各位相差フィルム2が液晶セル5に近い側になるように配置されている。各位相差フィルム2の遅相軸は互いに直交するように配置されている。上記位相差フィルム2の遅相軸は、上記偏光子1aの吸収軸と平行である場合を示しているが、これは直交であっても良い。
図8の液晶パネル6Dは、液晶セル5の両面に光学フィルム3Bが、各位相差フィルム2が液晶セル5に近い側になるように配置されている。各位相差フィルム2の遅相軸は互いに直交するように配置されている。上記位相差フィルム2の遅相軸は、上記偏光子1aの吸収軸と平行である場合を示しているが、これは直交であっても良い。
図9の液晶パネル6Eは、液晶セル5の一方の面に光学フィルム3Cが、位相差フィルム2が液晶セル5に近い側になるように配置されている。各位相差フィルム2の遅相軸はそれぞれ平行である場合を示しているが、これは直交であっても良い。また、上記液晶セル5の他方の面に偏光板4が、透明保護フィルム4bが液晶セルに近い側になるように配置されている。上記位相差フィルム2(2a、2b)の遅相軸は、上記偏光子1aの吸収軸と平行である場合を示しているが、これは直交であっても良い。
図10の液晶パネル6Fは、液晶セル5の一方の面に光学フィルム3Dが、位相差フィルム2が液晶セル5に近い側になるように配置されている。各位相差フィルム2の遅相軸はそれぞれ平行である場合を示しているが、これは直行であっても良い。また、上記液晶セル5の他方の面に偏光板4が、透明保護フィルム4bが液晶セルに近い側になるように配置されている。上記位相差フィルム2(2a、2b)の遅相軸は、上記偏光子1aの吸収軸と平行である場合を示しているが、これは直交であっても良い。
本発明の液晶パネルは、ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムの延伸フィルムを含むことによって、例えば、黒画像を表示した場合にパネル全面にムラのない均一な表示を得ることができる。好ましくは、本発明の液晶パネルは、黒表示を表示したパネル全面において、最大輝度と最小輝度の差が、1.79以下であり、さらに好ましくは1.57以下である。
本発明の位相差フィルム、光学フィルムは各種の画像表示装置に適用できる。位相差フィルム、光学フィルムを用いた液晶パネルは、液晶表示装置は従来より知られている各種装置に適用できる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行ないうる。液晶表示装置は一般に、液晶パネル、さらにバックライトを有する。液晶表示装置は、前記構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成される。
上記液晶表示装置の種類には特に制限はなく、透過型、反射型、反射透過型いずれの形でも使用することができる。上記液晶表示装置に用いられる液晶セルとしては、例えばツイステッドネマチック(TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(STN)モードや、水平配向(ECB)モード、垂直配向(VA)モード、インプレーンスイッチング(IPS)モード、フリンジフイールドスイッチング(FFS)モード、ベンドネマチック(OCB)モード、ハイブリッド配向(HAN)モード、強誘電性液晶(SSFLC)モード、反強誘電液晶(AFLC)モードの液晶セルなど種々の液晶セルが挙げられる。このうち、本発明の位相差フィルム及び偏光板は、特に、TNモード、VAモード、IPSモード、OCBモード、FFSモード、OCBモードの液晶セルと組み合わせて用いることが好ましい。最も好ましくは、本発明の位相差フィルム及び偏光板は、IPSモード、またはFFSモードの液晶セルと組み合わせて用いられる。
前記ツイステッドネマチック(TN)モードの液晶セルとは、2枚の基材の間に正の誘電異方性のネマチック液晶をはさんだものであり、ガラス基材の表面配向処理によって液晶分子配向を90度ねじらせてあるものをいう。具体的には、培風館株式会社「液晶辞典」p.158(1989年版)に記載の液晶セルや、特開昭63−279229号公報に記載の液晶セルが挙げられる。
前記垂直配向(VA)モードの液晶セルとは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringnence)効果を利用し、透明電極間に誘電率異方性が負のネマチック液晶が、電圧無印加時において、垂直配列した液晶セルのことをいう。具体的には、特開昭62−210423号公報や、特開平4−153621号公報に記載の液晶セルが挙げられる。また、上記VAモードの液晶セルは、特開平11−258605号公報に記載されているように、視野角拡大のために、画素内にスリットを設けたものや、表面に突起を形成した基材を用いることによって、マルチドメイン化したMVAモードの液晶セルであっても良い。更に、特開平10−123576号公報に記載されているように、液晶中にカイラル剤を添加し、ネマチック液晶電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるVATNモードの液晶セルであっても良い。
前記インプレーンスイッチング(IPS)モードの液晶セルとは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringnence)効果を利用し、2枚の平行な基板の間に液晶を封入したいわゆるサンドイッチセルにおいて、電界が存在しない状態でホモジニアス配向させたネマチック液晶を基板に平行な電界(横電界ともいう)で応答させるものをいう。具体的には、テクノタイムズ社出版「月刊ディスプレイ7月号」83頁〜88頁(1997年版)や、日本液晶学会出版「液晶vol.2 No.4」303頁〜316頁(1998年版)に記載されているように、液晶分子の長軸と入射側偏光板の偏光軸と一致させて、上下の偏光板を直交配置させると、電界のない状態で完全に黒表示になり、電界があるときは、液晶分子は基板に平行を保ちながら回転動作することによって、回転角に応じた透過率を得ることができるものをいう。なお、上記のIPSモードは、ジグザグ電極を採用した、スーパー・インプレーンスイッチング(S−IPS)モードや、アドバンスド・スーパー・インプレーンスイッチング(AS−IPS)モードを包含する。上記のようなIPSモードを採用した市販の液晶表示装置としては、例えば、(株)日立製作所製の20V型ワイド液晶テレビ 商品名「Wooo」、イーヤマ(株)製の19型液晶ディスプレイ 商品名「ProLite E481S−1」、(機)ナナオ製の17型TFT液晶ディスプレイ 商品名「FlexScan L565」等が挙げられる。
上記FFSモードの液晶セルとは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringence)効果を利用し、電界が存在しない状態でホモジニアス分子配列に配向させたネマチック液晶を、例えば、透明導電体で形成された対向電極と画素電極とで発生させた基板に平行な電界(横電界ともいう)で応答させるものをいう。なお、FFSモードもこおける横電界は、フリンジ電界ともいう。このフリンジ電界は、透明導電体で形成された対向電極と画素電極との間隔を、上下部基板間の間隔より狭く設定することによって発生させることができる。より具体的には、SID(Society for Information Display)2001 Digest,第484頁−第487頁や、特開2002−031812号公報に記載されているように、ノーマリーブラック方式では、液晶分子の長軸と入射側偏光板の吸収軸と一致させて、上下の偏光板を直交配置させると、電界のない状態で完全に黒表示になり、電界があるときは、液晶分子は基板に平行を保ちながら回転動作することによって、回転角に応じた透過率を得ることができる。なお、上記のFFSモードは、ジグザグ電極を採用した、アドバンスド・フリンジフイールドスイッチング(A−FFS)モードや、ウルトラ・フリンジフィールドスイッチング(U−FFS)モ−ドを包含する。上記のようなFFSモードを採用した市販の液晶表示装置としては、例えばMotion Computing社のタブレットPC 商品名「M1400」が挙げられる。
前記ベンドネマチック(OCB:Optically Compensated Bend or Optically Compensated Birefringnence)モードの液晶セルとは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringnence)効果を利用し、透明電極間に誘電率異方性が正のネマチック液晶が、電圧無印加時において、中央部にねじれ配向が存在するベンド配向した液晶セルのことをいう。上記OCBモードの液晶セルは、「πセル」とも言われる。具体的には、共立出版株式会社出版「次世代液晶ディスプレイ」(2000年)p.11〜p.27に記載のものや、特開平7−084254号公報に記載のものが挙げられる。
このような種々の液晶セルに、本発明の光学フィルムを用いることにより、コントラスト比や、カラーシフト等の表示特性を改善することができ、しかもその機能を長期間維持することができる。
バックライトとしては、直下型バックライト、サイドライト型バックライト、面状光源を用いたことができる。またバックライトには反射板を用いることができる。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板などの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置が用いられる用途は、特に制限はないが、パソコンモニター、ノートパソコン、コピー機などのOA機器;携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機などの携帯機器;ビデオカメラ、液晶テレビ、電子レンジなどの家庭用電気機器;バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオなどの車載用機器;商業店舗用インフォメーション用モニターなどの展示機器、監視用モニターなどの警備機器、介護用モニター、医療用モニターなどの介護・医療機器などの各種用途に用いることができる。
特に好ましくは、本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置は大型の液晶テレビに用いられる。本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置が用いられる液晶テレビの画面サイズとしては、好ましくはワイド17型(373mm×224mm)以上であり、さらに好ましくはワイド23型(499mm×300mm)以上であり、特に好ましくはワイド26型(566mm×339mm)以上、であり、最も好ましくはワイド32型(687mm×412mm)以上である。
次いで有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光板との間に位相差板を設けることができる。
位相差板および偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板を1/4波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光となるが、とくに位相差板が1/4波長板でしかも偏光板と位相差板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
本発明について、以下の実施例および比較例を用いて更に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例で用いた各析方法は、以下の通りである。
(1)重量平均分子量の測定方法:ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)法よりポリスチレンを標準試料として算出した。具体的には、トルエンを展開溶媒とし、流速1mL/min、カラム温度は40℃にて測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)の測定方法:以下の装置を用いJISK7121に準じて求めた。
・セイコー電子株式会社製 示差走査熱量計「DSC5500」
・測定雰囲気:20ml/分の窒素下
・昇温速度10℃/分
・セイコー電子株式会社製 示差走査熱量計「DSC5500」
・測定雰囲気:20ml/分の窒素下
・昇温速度10℃/分
(3)位相差値、複屈折率、波長分散特性、遅相軸の角度、光透過率の測定方法:平行ニコル回転法を原理とする位相差計〔王子計測機器(株)製 製品名「KOBRA21−ADH」〕を用いて、波長590nmの値を測定した(波長分散特性については波長480nmの光源も使用した)。
(4)光弾性係数の絶対値の測定方法:分光エリプソメーター〔日本分光株式会社製 製品名「M−220」〕を用いて、応力下でサンプルの位相差値を測定し、応力と位相差値の関数の傾きから算出した。具体的には、23℃において、2cm×10cmの試験片に5N〜15Nの応力をかけたときの波長590nmにおけるフィルム面内の位相差値を測定した。
(5)厚み測定方法:アンリツ製デジタルマイクロメーター「K−351C型」を使用して測定した。
(6)収縮性フィルムの収縮率の測定方法: JIS Z 1712の加熱収縮率A法に準じて求めることができる(ただし、加熱温度は120℃に代えて140℃とし、試験片に加重3gを加えたことが異なる)。具体的には、幅20mm、長さ150mmの試験片を縦(MD)、横(TD)方法から各5枚採り、それぞれの中央部に約100mmの距離において標点をつけた試験片を作製する。該試験片は、温度140℃±3℃または温度160℃±3℃に保持された空気循環式恒温槽に、加重3gをかけた状態で垂直につるし、15分間加熱した後、取り出し、標準温度(室温)に30分間放置してから、JIS B 7507に規定するノギスを用いて、標準間距離を測定して、5個の測定値の平均値を求め、S=[<加熱前の標準間距離(mm)−加熱後の標準間距離(mm)>/加熱前の標準間距離(mm)]×100、より、S140(MD)およびS140(TD)、並びにS160(MD)およびS160(TD)を算出した。
(7)収縮性フィルムの幅(TD)方向の収縮応力の測定方法:以下の装置を用い、TMA法にて140℃および150℃における幅(TD)方向の収縮応力T140(TD)および収縮応力T150(TD)を測定した。
・装置:セイコーインスツルメンツ(株)製 「TMA/SS 6100」
・データ処理:セイコーインスツルメンツ(株)製 「EXSTAR6000」
・測定モード:等速昇温測定(10℃/分)
・測定雰囲気:大気中(室温)
・荷重:20mN
・サンプルサイズ:15mm×2mm(長辺が幅(TD)方向)
・装置:セイコーインスツルメンツ(株)製 「TMA/SS 6100」
・データ処理:セイコーインスツルメンツ(株)製 「EXSTAR6000」
・測定モード:等速昇温測定(10℃/分)
・測定雰囲気:大気中(室温)
・荷重:20mN
・サンプルサイズ:15mm×2mm(長辺が幅(TD)方向)
(8)液晶表示装置のコントラスト比の測定方法:以下の方法、測定装置を用いて、23℃の暗室でバックライトを点灯させてから、30分間が経過した後、測定を行った。液晶表示装置に、白画像および黒画像を表示させ、ELDIM社製の製品名「EZ Contrast160D」により、表示画面上で最も光漏れが大きい方向の一つである、表示画面の方位角45°方向、極角60°方向におけるXYZ表示系のY値を測定した。そして、白画像におけるY値(YW)と、黒画像におけるY値(YB)とから、斜め方向のコントラスト比「YW/YB」を算出した。なお、方位角45°とは、パネルの長辺を0°としたときに反時計周りに45°回転させた方位を表し、極角60°とは表示画面の正面方向を0°としたときに、角度60°に傾斜した方向を表す。
(9)液晶パネルの表示ムラの評価方法:以下の液晶セルと測定装置を用いて表示画面を撮影した。表中「○」は、黒画像を表示したパネル全面において、最大輝度と最小輝度の差が1.79以下であるものを表す。「×」は、黒画像を表示したパネル全面において、最大輝度と最小輝度の差が1.79を超えるものを表す。
・液晶セル:SONY製 KLV−17HR2に搭載されているもの
・パネルサイズ:375mm×230mm
・測定装置:ミノルタ製 2次元色分布測定装置「CA−1500」
・測定環境:暗室(23℃)
・液晶セル:SONY製 KLV−17HR2に搭載されているもの
・パネルサイズ:375mm×230mm
・測定装置:ミノルタ製 2次元色分布測定装置「CA−1500」
・測定環境:暗室(23℃)
〔収縮性フィルム〕
下記収縮性フィルム(A)乃至(F)を用いた。これらの物性は表1の通りである。
収縮性フィルム(A):二軸延伸ポリプロピレンフィルム〔東レ製,商品名「トレファン」BO 2570A−1(厚み60μm)〕
収縮性フィルム(B):二軸延伸ポリプロピレンフィルム〔東レ製,商品名「トレファン」BO 2570A−2(厚み60μm)〕
収縮性フィルム(C):二軸延伸ポリプロピレンフィルム〔東レ製,商品名「トレファン」BO 2570A−3(厚み60μm)〕
収縮性フィルム(D):二軸延伸ポリプロピレンフィルム〔東レ製,商品名「トレファン」BO 2570A−4(厚み60μm)〕
収縮性フィルム(E):二軸延伸ポリプロピレンフィルム〔東レ製,商品名「トレファン」BO 2570A−5(厚み60μm)〕
収縮性フィルム(F):二軸延伸ポリプロピレンフィルム〔東レ製,商品名「トレファン」BO 2570A−6(厚み60μm)〕
下記収縮性フィルム(A)乃至(F)を用いた。これらの物性は表1の通りである。
収縮性フィルム(A):二軸延伸ポリプロピレンフィルム〔東レ製,商品名「トレファン」BO 2570A−1(厚み60μm)〕
収縮性フィルム(B):二軸延伸ポリプロピレンフィルム〔東レ製,商品名「トレファン」BO 2570A−2(厚み60μm)〕
収縮性フィルム(C):二軸延伸ポリプロピレンフィルム〔東レ製,商品名「トレファン」BO 2570A−3(厚み60μm)〕
収縮性フィルム(D):二軸延伸ポリプロピレンフィルム〔東レ製,商品名「トレファン」BO 2570A−4(厚み60μm)〕
収縮性フィルム(E):二軸延伸ポリプロピレンフィルム〔東レ製,商品名「トレファン」BO 2570A−5(厚み60μm)〕
収縮性フィルム(F):二軸延伸ポリプロピレンフィルム〔東レ製,商品名「トレファン」BO 2570A−6(厚み60μm)〕
〔実施例1〕
厚み100μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(日本ゼオン(株)製,商品名「ゼオノアZF14−100」)の両側に、収縮性フィルム(E)を、アクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合せた。その後、ロール延伸機でフィルムの長手方向を保持して146℃±1℃の空気循環式恒温オーブン内で1.38倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。なお、上記ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)は136℃であり、延伸前のフィルム面内の位相差値は5.0nm、厚み方向の位相差値は12.0nmであった。
厚み100μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(日本ゼオン(株)製,商品名「ゼオノアZF14−100」)の両側に、収縮性フィルム(E)を、アクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合せた。その後、ロール延伸機でフィルムの長手方向を保持して146℃±1℃の空気循環式恒温オーブン内で1.38倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。なお、上記ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)は136℃であり、延伸前のフィルム面内の位相差値は5.0nm、厚み方向の位相差値は12.0nmであった。
上記アクリル系粘着剤は、テトラヒドロフランを溶媒とするGPC法で求めた重量平均分子量が55万のイソノニルアクリレート重合体100重量部に対して、日本ポリウレタン社製 商品名「コロネートL」3重量部、東京ファインケミカル製,商品名「OL−1」10重量部を混合したものを用いた。
〔実施例2〕
実施例1において、延伸温度を146℃から140℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.08倍に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例1において、延伸温度を146℃から140℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.08倍に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例3〕
実施例1において、延伸温度を146℃から140℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.09倍に変更した以外はこと実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例1において、延伸温度を146℃から140℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.09倍に変更した以外はこと実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例4〕
実施例1において、延伸温度を146℃から155℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.30倍に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例1において、延伸温度を146℃から155℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.30倍に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例5〕
実施例1において、延伸温度を146℃から150℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.20倍に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例1において、延伸温度を146℃から150℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.20倍に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例6〕
実施例1において、延伸温度を146℃から145℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.20倍に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例1において、延伸温度を146℃から145℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.20倍に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例7〕
実施例1において、延伸温度を146℃から148℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.30倍に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例1において、延伸温度を146℃から148℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.30倍に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例8〕
実施例1において、延伸温度を146℃から148℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.35倍に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例1において、延伸温度を146℃から148℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.35倍に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例9〕
実施例1において、延伸温度を146℃から148℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.40倍に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例1において、延伸温度を146℃から148℃に変更し、延伸倍率を1.38倍から1.40倍に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例10〕
厚み40μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(日本ゼオン(株)製,商品名「ゼオノアZF14−040」)の両側に、収縮性フィルム(E)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合せた。その後、ロール延伸機でフィルムの長手方向を保持して143℃±1℃で1.58倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。なお、上記ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)は136℃であり、延伸前のフィルム面内の位相差値は1.0nm、厚み方向の位相差値は3.0nmであった。
厚み40μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(日本ゼオン(株)製,商品名「ゼオノアZF14−040」)の両側に、収縮性フィルム(E)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合せた。その後、ロール延伸機でフィルムの長手方向を保持して143℃±1℃で1.58倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。なお、上記ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)は136℃であり、延伸前のフィルム面内の位相差値は1.0nm、厚み方向の位相差値は3.0nmであった。
〔実施例11〕
実施例10において、延伸倍率を1.58倍から1.52倍に変更したこと以外は実施例10と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例10において、延伸倍率を1.58倍から1.52倍に変更したこと以外は実施例10と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例12〕
実施例10において、延伸倍率を1.58倍から1.45倍に変更したこと以外は実施例10と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例10において、延伸倍率を1.58倍から1.45倍に変更したこと以外は実施例10と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例13〕
厚み40μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(日本ゼオン(株)製,商品名「ゼオノアZF14−040」)の両側に、収縮性フィルム(A)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合せた。その後、ロール延伸機でフィルムの長手方向を保持して143℃±1℃で1.65倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
厚み40μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(日本ゼオン(株)製,商品名「ゼオノアZF14−040」)の両側に、収縮性フィルム(A)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合せた。その後、ロール延伸機でフィルムの長手方向を保持して143℃±1℃で1.65倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例14〕
実施例13において、延伸倍率を1.65倍から1.50倍に変更したこと以外は実施例13と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例13において、延伸倍率を1.65倍から1.50倍に変更したこと以外は実施例13と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例15〕
実施例13において、延伸倍率を1.65倍から1.40倍に変更した以外は実施例10と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例13において、延伸倍率を1.65倍から1.40倍に変更した以外は実施例10と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例16〕
厚み130μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(JSR(株)製,商品名「アートンFLZU130D0」の両側に、収縮性フィルム(C)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機で、フィルム長手方向を保持して、146℃±1℃の空気循環式恒温オーブン内で、1.42倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
厚み130μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(JSR(株)製,商品名「アートンFLZU130D0」の両側に、収縮性フィルム(C)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機で、フィルム長手方向を保持して、146℃±1℃の空気循環式恒温オーブン内で、1.42倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例17〕
厚み130μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(JSR(株)製,商品名「アートンFLZU130D0」の両側に、収縮性フィルム(F)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機で、フィルム長手方向を保持して、146±1℃の空気循環式恒温オーブン内で、1.37倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。なお、上記ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)は125℃であり、延伸前のフィルム面内の位相差値は9.6nm、厚み方向位相差は31.3nmであった。また重量平均分子量は74,000、数平均分子量は23,500であった。
厚み130μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(JSR(株)製,商品名「アートンFLZU130D0」の両側に、収縮性フィルム(F)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機で、フィルム長手方向を保持して、146±1℃の空気循環式恒温オーブン内で、1.37倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。なお、上記ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)は125℃であり、延伸前のフィルム面内の位相差値は9.6nm、厚み方向位相差は31.3nmであった。また重量平均分子量は74,000、数平均分子量は23,500であった。
〔実施例18〕
実施例17において、延伸倍率を1.37倍から1.26倍に変更したこと以外は、実施例17と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例17において、延伸倍率を1.37倍から1.26倍に変更したこと以外は、実施例17と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例19〕
厚み130μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(JSR(株)製,商品名「アートンFLZU130D0」の両側に、収縮性フィルム(D)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機で、フィルム長手方向を保持して、146±1℃の空気循環式恒温オーブン内で、1.39倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
厚み130μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(JSR(株)製,商品名「アートンFLZU130D0」の両側に、収縮性フィルム(D)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機で、フィルム長手方向を保持して、146±1℃の空気循環式恒温オーブン内で、1.39倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例20〕
実施例19において、延伸温度を146℃から148℃に変更し、延伸倍率を1.39倍から1.26倍に変更したこと以外は、実施例19と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例19において、延伸温度を146℃から148℃に変更し、延伸倍率を1.39倍から1.26倍に変更したこと以外は、実施例19と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例21〕
実施例19において、延伸倍率を1.39倍から1.43倍に変更したこと以外は、実施例19と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例19において、延伸倍率を1.39倍から1.43倍に変更したこと以外は、実施例19と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例22〕
厚み100μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(日本ゼオン(株)製,商品名「ゼオノアZF14−100」の両側に、収縮性フィルム(C)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機で、フィルム長手方向を保持して、146℃の空気循環式恒温オーブン内で、1.39倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
厚み100μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(日本ゼオン(株)製,商品名「ゼオノアZF14−100」の両側に、収縮性フィルム(C)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機で、フィルム長手方向を保持して、146℃の空気循環式恒温オーブン内で、1.39倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例23〕
実施例22において、延伸温度を146℃から150℃に変更し、延伸倍率を1.39倍から1.32倍に変更したこと以外は、実施例22と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例22において、延伸温度を146℃から150℃に変更し、延伸倍率を1.39倍から1.32倍に変更したこと以外は、実施例22と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例24〕
実施例22において、延伸温度を146℃から149℃に変更し、延伸倍率を1.39倍から1.35倍に変更したこと以外は、実施例22と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例22において、延伸温度を146℃から149℃に変更し、延伸倍率を1.39倍から1.35倍に変更したこと以外は、実施例22と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例25〕
厚み130μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(JSR(株)製,商品名「アートンFLZU130D0」の両側に、収縮性フィルム(B)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機で、フィルム長手方向を保持して、146±1℃の空気循環式恒温オーブン内で、1.42倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
厚み130μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(JSR(株)製,商品名「アートンFLZU130D0」の両側に、収縮性フィルム(B)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機で、フィルム長手方向を保持して、146±1℃の空気循環式恒温オーブン内で、1.42倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例26〕
実施例25において、延伸温度を146℃から155℃に変更し、延伸倍率を1.42倍から1.44倍に変更したこと以外は、実施例25と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例25において、延伸温度を146℃から155℃に変更し、延伸倍率を1.42倍から1.44倍に変更したこと以外は、実施例25と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例27〕
実施例25において、延伸倍率を1.42倍から1.13倍に変更したこと以外は、実施例25と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
実施例25において、延伸倍率を1.42倍から1.13倍に変更したこと以外は、実施例25と同様の方法で位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔実施例28〕
厚み100μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(日本ゼオン(株)製,商品名「ゼオノアZF14−100」の両側に、収縮性フィルム(A)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機で、フィルム長手方向を保持して、153±1℃の空気循環式恒温オーブン内で、1.23倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
厚み100μmのノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(日本ゼオン(株)製,商品名「ゼオノアZF14−100」の両側に、収縮性フィルム(A)を、実施例1と同じアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機で、フィルム長手方向を保持して、153±1℃の空気循環式恒温オーブン内で、1.23倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
〔比較例1〕
ホスゲンとビスフェノールAの縮合により得られたポリカーボネート系樹脂からなる高分子フィルム(厚み40μm)の両側に、収縮性フィルム(A)を、アクリル系粘着剤層を介して貼り合せた。その後、ロール延伸機でフィルムの長手方向を保持して160℃で1.10倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。本比較例で用いた二軸延伸ポリプロピレンフィルムとアクリル系粘着剤は、実施例1と同じものを用いた。なお、上記ポリカーボネート系樹脂からなる高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)は150℃であり、延伸前のフィルム面内の位相差値は7nm、厚み方向の位相差値は15nmであった。
ホスゲンとビスフェノールAの縮合により得られたポリカーボネート系樹脂からなる高分子フィルム(厚み40μm)の両側に、収縮性フィルム(A)を、アクリル系粘着剤層を介して貼り合せた。その後、ロール延伸機でフィルムの長手方向を保持して160℃で1.10倍に延伸した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。本比較例で用いた二軸延伸ポリプロピレンフィルムとアクリル系粘着剤は、実施例1と同じものを用いた。なお、上記ポリカーボネート系樹脂からなる高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)は150℃であり、延伸前のフィルム面内の位相差値は7nm、厚み方向の位相差値は15nmであった。
〔比較例2〕
比較例1において、高分子フィルムの厚みを40μmから60μmに変更し、延伸倍率を1.10倍から1.05倍に変更したこと以外は比較例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
比較例1において、高分子フィルムの厚みを40μmから60μmに変更し、延伸倍率を1.10倍から1.05倍に変更したこと以外は比較例1と同様の方法で、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムの特性は、表2の通りである。
図11は、実施例1〜15に記載の位相差フィルム及び比較例1〜2の位相差フィルムの面内位相差値:Re(nm)とNz係数との関係を示すグラフである。図11に示すように、実施例1〜9では、ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムを用いた場合にも、広範囲の面内位相差値およびNz係数を有する位相差フィルムが得られたことが分かる。また実施例10〜15では、λ/4板として好適な面内位相差値およびNz係数を有する位相差フィルムが得られたことが分かる。
実施例1−1
〔偏光板(P1)の作製〕
ポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて一軸延伸して偏光子を得た。上記偏光子の一方の面には、厚み40μmの未延伸のノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(日本ゼオン(株)製,商品名「ゼオノアZF14−040」,光弾性係数(絶対値)3.01×10-12m2/N)を、接着面に接着用下塗り剤(日本ユニカー(株)製,商品名「A−1110」)を薄く塗布した後、ポリビニルアルコール系接着剤(日本合成化学(株)製,商品名「ゴーセファイマーZ」)を介して接着し、他方の面には、40μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム(株)製,商品名「フジタック」)を、上記ポリビニルアルコール系接着剤を介して接着して偏光板(P1)を得た。上記ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムは、面内位相差(Re)が1.0nm、厚み方向の位相差(Rth)が3.0nmであった。
〔偏光板(P1)の作製〕
ポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて一軸延伸して偏光子を得た。上記偏光子の一方の面には、厚み40μmの未延伸のノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルム(日本ゼオン(株)製,商品名「ゼオノアZF14−040」,光弾性係数(絶対値)3.01×10-12m2/N)を、接着面に接着用下塗り剤(日本ユニカー(株)製,商品名「A−1110」)を薄く塗布した後、ポリビニルアルコール系接着剤(日本合成化学(株)製,商品名「ゴーセファイマーZ」)を介して接着し、他方の面には、40μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム(株)製,商品名「フジタック」)を、上記ポリビニルアルコール系接着剤を介して接着して偏光板(P1)を得た。上記ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムは、面内位相差(Re)が1.0nm、厚み方向の位相差(Rth)が3.0nmであった。
〔光学フィルム(Q1)の作製〕
上記偏光板(P1)のノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムの表面に、実施例1で得られた位相差フィルムを、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と平行(0°±1.0°)になるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、光学フィルム(Q1)を得た。
上記偏光板(P1)のノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムの表面に、実施例1で得られた位相差フィルムを、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と平行(0°±1.0°)になるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、光学フィルム(Q1)を得た。
〔液晶表示装置の作製〕
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕から液晶パネルを取り出し、上記液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、そのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルの視認側に前記光学フィルム(Q1)を、上記光学フィルム(Q1)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と平行となるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、一方、上記液晶セルのバックライト側に前記偏光板(P1)を、上記偏光板(P1)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と直交するように、アクリル系粘着剤を介して接着して液晶パネル(I)を作製した。上記光学フィルム(Q1)は、前記位相差フィルムが上記液晶セルに近い側になるように配置した。また、上記偏光板(P1)は、ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムが上記液晶セルに近い側になるように配置した。
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕から液晶パネルを取り出し、上記液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、そのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルの視認側に前記光学フィルム(Q1)を、上記光学フィルム(Q1)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と平行となるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、一方、上記液晶セルのバックライト側に前記偏光板(P1)を、上記偏光板(P1)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と直交するように、アクリル系粘着剤を介して接着して液晶パネル(I)を作製した。上記光学フィルム(Q1)は、前記位相差フィルムが上記液晶セルに近い側になるように配置した。また、上記偏光板(P1)は、ノルボルネン系モノマーの開環重合体を水素添加した樹脂を含む高分子フィルムが上記液晶セルに近い側になるように配置した。
前記液晶パネル(I)を、元の液晶表示装置に組み込んだ。得られた液晶表示装置について、バックライトを8時間点灯させた後、ミノルタ(株)製の2次元色分布測定装置「CA−1500」を用いて、暗室にて上記液晶表示装置の表示画面を撮影した。その結果、図12に示すように、バックライトの熱による表示ムラは小さかった。
また、このように作製した液晶パネル(I)をバックライトユニットと結合し、液晶表示装置(I)を作製した。バックライトを点灯させて30分後の方位角45°、極角60°のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比は75であった。
比較例2−1
実施例1−1において、実施例1で得られた位相差フィルムの代わりに、比較例2で得られた位相差フィルムを用いたこと以外は実施例1−1と同様にして、液晶パネル(I´)を作製した。これを実施例1−1と同様にして、液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕に組み込み液晶表示装置を得た。液晶表示装置のバックライトを8時間点灯させた後、実施例1−1と同様の方法で、表示画面を撮影した。その結果、図13に示すように、バックライトの熱による表示ムラは非常に大きかった。
実施例1−1において、実施例1で得られた位相差フィルムの代わりに、比較例2で得られた位相差フィルムを用いたこと以外は実施例1−1と同様にして、液晶パネル(I´)を作製した。これを実施例1−1と同様にして、液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕に組み込み液晶表示装置を得た。液晶表示装置のバックライトを8時間点灯させた後、実施例1−1と同様の方法で、表示画面を撮影した。その結果、図13に示すように、バックライトの熱による表示ムラは非常に大きかった。
実施例1に記載の位相差フィルムを用いた液晶パネルを組み込んだ液晶表示装置は、図12に示すように、バックライトの熱による表示ムラは小さかった。実施例2〜28についても実施例1と同様に評価したところ表示ムラは小さかった。実施例8、9、16、17、19、21、22、24、25以外では、位相差フィルムを遅相軸が平行になるように2枚用いた。比較例2に示す従来技術による位相差フィルムを用いた液晶パネルを組み込んだ液晶表示装置は、図13に示すように、バックライトの熱による表示ムラが非常に大きかった。なお、比較例1についても比較例2と同様に評価したところ表示ムラが非常に大きかった。比較例1では、位相差フィルムを遅相軸が平行になるように2枚用いた。
〔実施例23−1〕
〔偏光板(P2)の作製〕
ポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて一軸延伸して偏光子(厚み28μm,偏光度99.9%,単体透過率43.5%)を得た。上記偏光子の一方の面には、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム(株)製,商品名「ゼットタック」,面内位相差(Re)が1.0nm、厚み方向の位相差(Rth)が4.0nm)をポリビニルアルコール系接着剤(日本合成化学(株)製,商品名「ゴーセファイマーZ」)を介して接着し、偏光板(P2)を得た。
〔偏光板(P2)の作製〕
ポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて一軸延伸して偏光子(厚み28μm,偏光度99.9%,単体透過率43.5%)を得た。上記偏光子の一方の面には、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム(株)製,商品名「ゼットタック」,面内位相差(Re)が1.0nm、厚み方向の位相差(Rth)が4.0nm)をポリビニルアルコール系接着剤(日本合成化学(株)製,商品名「ゴーセファイマーZ」)を介して接着し、偏光板(P2)を得た。
〔光学フィルム(Q2)の作製〕
上記偏光板(P2)のトリアセチルセルロースフィルムの表面に、実施例23で得られた位相差フィルムを、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と直交(90°±0.5°)になるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、光学フィルム(Q2)を得た。
上記偏光板(P2)のトリアセチルセルロースフィルムの表面に、実施例23で得られた位相差フィルムを、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と直交(90°±0.5°)になるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、光学フィルム(Q2)を得た。
〔液晶表示装置(II)の作製〕
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕から液晶パネルを取り出し、上記液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、そのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルの視認側に前記光学フィルム(Q2)を、上記光学フィルム(Q2)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と平行となるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、一方、上記液晶セルのバックライト側に前記偏光板(P2)を、上記偏光板(P2)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と直交するように、アクリル系粘着剤を介して接着して液晶パネル(II)を作製した。上記光学フィルム(Q2)は、前記位相差フィルムが上記液晶セルに近い側になるように配置した。このように作製した液晶パネル(II)をバックライトユニットと結合し、液晶表示装置(II)を作製した。バックライトを点灯させて30分後の方位角45°、極角60°のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比は60であった。
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕から液晶パネルを取り出し、上記液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、そのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルの視認側に前記光学フィルム(Q2)を、上記光学フィルム(Q2)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と平行となるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、一方、上記液晶セルのバックライト側に前記偏光板(P2)を、上記偏光板(P2)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と直交するように、アクリル系粘着剤を介して接着して液晶パネル(II)を作製した。上記光学フィルム(Q2)は、前記位相差フィルムが上記液晶セルに近い側になるように配置した。このように作製した液晶パネル(II)をバックライトユニットと結合し、液晶表示装置(II)を作製した。バックライトを点灯させて30分後の方位角45°、極角60°のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比は60であった。
〔実施例23−2〕
〔偏光板(P3)の作製〕
ポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて一軸延伸して偏光子(厚み28μm,偏光度99.9%,単体透過率43.5%)を得た。上記偏光子の一方の面には、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム(株)製 商品名「フジタック」,面内位相差(Re)が1.0nm、厚み方向の位相差(Rth)が58.3nm)をポリビニルアルコール系接着剤(日本合成化学(株)製 商品名「ゴーセファイマーZ」)を介して接着し、偏光板(P3)を得た。
〔偏光板(P3)の作製〕
ポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて一軸延伸して偏光子(厚み28μm,偏光度99.9%,単体透過率43.5%)を得た。上記偏光子の一方の面には、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム(株)製 商品名「フジタック」,面内位相差(Re)が1.0nm、厚み方向の位相差(Rth)が58.3nm)をポリビニルアルコール系接着剤(日本合成化学(株)製 商品名「ゴーセファイマーZ」)を介して接着し、偏光板(P3)を得た。
〔光学フィルム(Q3)の作製〕
上記偏光板(P3)のトリアセチルセルロースフィルムの表面に、実施例23で得られた位相差フィルムを、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と直交(90°±0.5°)になるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、光学フィルム(Q3)を得た。
上記偏光板(P3)のトリアセチルセルロースフィルムの表面に、実施例23で得られた位相差フィルムを、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と直交(90°±0.5°)になるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、光学フィルム(Q3)を得た。
〔液晶表示装置(III)の作製〕
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕から液晶パネルを取り出し、上記液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、そのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルのバックライト側に前記光学フィルム(Q3)を、上記光学フィルム(Q3)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と直交するように、アクリル系粘着剤を介して接着し、一方、上記液晶セルの視認側に前記偏光板(P3)を、上記偏光板(P3)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と平行となるように、アクリル系粘着剤を介して接着して液晶パネル(III)を作製した。上記光学フィルム(Q3)は、前記位相差フィルムが上記液晶セルに近い側になるように配置した。このように作製した液晶パネル(III)をバックライトユニットと結合し、液晶表示装置(III)を作製した。バックライトを点灯させて30分後の方位角45°、極角60°のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比は45であった。
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕から液晶パネルを取り出し、上記液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、そのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルのバックライト側に前記光学フィルム(Q3)を、上記光学フィルム(Q3)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と直交するように、アクリル系粘着剤を介して接着し、一方、上記液晶セルの視認側に前記偏光板(P3)を、上記偏光板(P3)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と平行となるように、アクリル系粘着剤を介して接着して液晶パネル(III)を作製した。上記光学フィルム(Q3)は、前記位相差フィルムが上記液晶セルに近い側になるように配置した。このように作製した液晶パネル(III)をバックライトユニットと結合し、液晶表示装置(III)を作製した。バックライトを点灯させて30分後の方位角45°、極角60°のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比は45であった。
〔実施例24−1〕
〔偏光板(P4)の作製〕
ポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて一軸延伸して偏光子(厚み28μm,偏光度99.9%,単体透過率43.5%)を得た。上記偏光子の一方の面には、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富土写真フイルム(株)製 商品名「フジタック」,面内位相差(Re)が0.5nm,厚み方向の位相差(Rth)が40.0nm)をポリビニルアルコール系接着剤(日本合成化学(株)製商品名「ゴーセファイマーZ」)を介して接着し、偏光板(P4)を得た。
〔偏光板(P4)の作製〕
ポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて一軸延伸して偏光子(厚み28μm,偏光度99.9%,単体透過率43.5%)を得た。上記偏光子の一方の面には、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富土写真フイルム(株)製 商品名「フジタック」,面内位相差(Re)が0.5nm,厚み方向の位相差(Rth)が40.0nm)をポリビニルアルコール系接着剤(日本合成化学(株)製商品名「ゴーセファイマーZ」)を介して接着し、偏光板(P4)を得た。
〔光学フィルム(Q4)の作製〕
上記偏光板(P4)のトリアセチルセルロースフィルムの表面に、実施例24で得られた位相差フィルムを、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と直交(90°±0.5°)になるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、光学フィルム(Q4)を得た。
上記偏光板(P4)のトリアセチルセルロースフィルムの表面に、実施例24で得られた位相差フィルムを、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と直交(90°±0.5°)になるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、光学フィルム(Q4)を得た。
〔液晶表示装置(IV)の作製〕
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕から液晶パネルを取り出し、上記液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、そのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルの視認側に前記光学フィルム(Q4)を、上記光学フィルム(Q4)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と平行となるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、一方、上記液晶セルのバックライト側に、実施例23−1で作製した前記偏光板(P2)を、上記偏光板(P2)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と直交するように、アクリル系粘着剤を介して接着して液晶パネル(IV)を作製した。上記光学フィルム(Q4)は、前記位相差フィルムが上記液晶セルに近い側になるように配置した。このように作製した液晶パネル(IV)をバックライトユニットと結合し、液晶表示装置(IV)を作製した。バックライトを点灯させて30分後の方位角45°、極角60°のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比は60であった。
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕から液晶パネルを取り出し、上記液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、そのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルの視認側に前記光学フィルム(Q4)を、上記光学フィルム(Q4)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と平行となるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、一方、上記液晶セルのバックライト側に、実施例23−1で作製した前記偏光板(P2)を、上記偏光板(P2)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と直交するように、アクリル系粘着剤を介して接着して液晶パネル(IV)を作製した。上記光学フィルム(Q4)は、前記位相差フィルムが上記液晶セルに近い側になるように配置した。このように作製した液晶パネル(IV)をバックライトユニットと結合し、液晶表示装置(IV)を作製した。バックライトを点灯させて30分後の方位角45°、極角60°のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比は60であった。
〔実施例27−1〕
〔光学フィルム(Q5)の作製〕
上記偏光板(P3)のトリアセチルセルロースフィルムの表面に、実施例27で得られた位相差フィルムを、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と直交(90°±0.5°)になるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、光学フィルム(Q5)を得た。
〔光学フィルム(Q5)の作製〕
上記偏光板(P3)のトリアセチルセルロースフィルムの表面に、実施例27で得られた位相差フィルムを、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と直交(90°±0.5°)になるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、光学フィルム(Q5)を得た。
〔液晶表示装置(V)の作製〕
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕から液晶パネルを取り出し、上記液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、そのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルのバックライト側に前記光学フィルム(Q5)を、上記光学フィルム(Q5)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と直交するように、アクリル系粘着剤を介して接着し、一方、上記液晶セルの視認側に前記偏光板(P3)を、上記偏光板(P3)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と平行となるように、アクリル系粘着剤を介して接着して液晶パネル(V)を作製した。上記光学フィルム(Q5)は、前記位相差フィルムが上記液晶セルに近い側になるように配置した。このように作製した液晶パネル(V)をバックライトユニットと結合し、液晶表示装置(V)を作製した。バックライトを点灯させて30分後の方位角45°、極角60°のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比は50であった。
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕から液晶パネルを取り出し、上記液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、そのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルのバックライト側に前記光学フィルム(Q5)を、上記光学フィルム(Q5)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と直交するように、アクリル系粘着剤を介して接着し、一方、上記液晶セルの視認側に前記偏光板(P3)を、上記偏光板(P3)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と平行となるように、アクリル系粘着剤を介して接着して液晶パネル(V)を作製した。上記光学フィルム(Q5)は、前記位相差フィルムが上記液晶セルに近い側になるように配置した。このように作製した液晶パネル(V)をバックライトユニットと結合し、液晶表示装置(V)を作製した。バックライトを点灯させて30分後の方位角45°、極角60°のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比は50であった。
〔実施例28−1〕
〔光学フィルム(Q6)の作製〕
上記偏光板(P3)のトリアセチルセルロースフィルムの表面に、実施例28で得られた位相差フィルムを、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と直交(90°±0.5°)になるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、光学フィルム(Q6)を得た。
〔光学フィルム(Q6)の作製〕
上記偏光板(P3)のトリアセチルセルロースフィルムの表面に、実施例28で得られた位相差フィルムを、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と直交(90°±0.5°)になるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、光学フィルム(Q6)を得た。
〔液晶表示装置(VI)の作製〕
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕から液晶パネルを取り出し、上記液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、そのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルの視認側に前記光学フィルム(Q6)を、上記光学フィルム(Q6)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と平行となるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、一方,上記液晶セルの視認側に、前記偏光板(P3)を、上記偏光板(P3)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と直交するように、アクリル系粘着剤を介して接着して液晶パネル(VI)を作製した。上記光学フィルム(Q6)は、前記位相差フィルムが上記液晶セルに近い側になるように配置した。このように作製した液晶パネル(VI)をバックライトユニットと結合し、液晶表示装置(VI)を作製した。バックライトを点灯させて30分後の方位角45°、極角60°のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比は40であった。
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕から液晶パネルを取り出し、上記液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、そのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルの視認側に前記光学フィルム(Q6)を、上記光学フィルム(Q6)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と平行となるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、一方,上記液晶セルの視認側に、前記偏光板(P3)を、上記偏光板(P3)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と直交するように、アクリル系粘着剤を介して接着して液晶パネル(VI)を作製した。上記光学フィルム(Q6)は、前記位相差フィルムが上記液晶セルに近い側になるように配置した。このように作製した液晶パネル(VI)をバックライトユニットと結合し、液晶表示装置(VI)を作製した。バックライトを点灯させて30分後の方位角45°、極角60°のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比は40であった。
〔比較例3〕
〔液晶表示装置(VII)の作製〕
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕から液晶パネルを取り出し、上記液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、そのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルの視認側に前記偏光板(P3)を、上記偏光板(P3)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と平行となるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、一方、上記液晶セルの視認側に、前記偏光板(P3)を、上記偏光板(P3)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と直交するように、アクリル系粘着剤を介して接着して液晶パネル(VII)を作製した。このように作製した液晶パネル(VII)をバックライトユニットと結合し、液晶表示装置(VII)を作製した。バックライトを点灯させて30分後の方位角45°、極角60°のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比は10であった。
〔液晶表示装置(VII)の作製〕
IPSモードの液晶セルを含む液晶表示装置〔SONY製,KLV−17HR2〕から液晶パネルを取り出し、上記液晶セルの上下に配置されていた偏光板を取り除いて、そのガラス面(表裏)を洗浄した。続いて、上記液晶セルの視認側に前記偏光板(P3)を、上記偏光板(P3)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と平行となるように、アクリル系粘着剤を介して接着し、一方、上記液晶セルの視認側に、前記偏光板(P3)を、上記偏光板(P3)の偏光子の吸収軸が、上記液晶セルの長辺と直交するように、アクリル系粘着剤を介して接着して液晶パネル(VII)を作製した。このように作製した液晶パネル(VII)をバックライトユニットと結合し、液晶表示装置(VII)を作製した。バックライトを点灯させて30分後の方位角45°、極角60°のコントラスト比を測定したところ、コントラスト比は10であった。
本発明の位相差フィルムによれば、液晶表示装置に用いても応力によって、位相差値のずれやムラの生じないnx>nz>nyの関係を有し、且つ広範囲の位相差値を有する位相差フィルムを提供することができるので、液晶表示装置の表示特性向上に、極めて有用であるといえる。
1:偏光板
1a:偏光子
1b、1c:透明保護フィルム
2:位相差フィルム
3:光学フィルム
4:偏光板
4a:偏光子
4b、4c:透明保護フィルム
5:液晶セル
6:液晶パネル
402:ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルム
418:延伸フィルム(位相差フィルム)
1a:偏光子
1b、1c:透明保護フィルム
2:位相差フィルム
3:光学フィルム
4:偏光板
4a:偏光子
4b、4c:透明保護フィルム
5:液晶セル
6:液晶パネル
402:ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルム
418:延伸フィルム(位相差フィルム)
Claims (16)
- ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムの延伸フィルムであって、下記式(1)及び式(2)を満足することを特徴とする位相差フィルム。
100nm≦(nx−ny)・d≦350nm ・・・(1)
0.1≦(nx−nz)/(nx−ny)<0.9 ・・・(2)
[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。] - 前記位相差フィルムの23℃における光弾性係数の絶対値が、1.0×10-12m2/N〜12.0×10-12m2/Nであることを特徴とする請求項1記載の位相差フィルム。
- 前記ノルボルネン系樹脂が、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を水素添加した樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の位相差フィルム。
- 前記位相差フィルムは、下記式(5)の波長分散特性:D(Re)値が、
0.80≦D(Re)≦1.20
を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の位相差フィルム。
D(Re)=Re(480)/Re(590) ・・・(5)
[ただし、Re(480)、Re(590)は、それぞれ波長480nm、590nmの光に対するフィルム面内の位相差値である。] - 前記位相差フィルムは、厚みが80〜160μmであり、かつ
200nm≦(nx−ny)・d≦350nm、を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の位相差フィルム。 - 前記位相差フィルムは、厚みが25〜75μmであり、かつ
100nm≦(nx−ny)・d≦200nm、を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の位相差フィルム。 - IPS用モードの液晶表示装置に適用されるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の位相差フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の位相差フィルムが、偏光子または偏光子の片側もしくは両側に透明保護フィルムを備えた偏光板の少なくとも片側に積層された光学フィルムであって、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と平行又は直交であることを特徴とする光学フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の位相差フィルムが、偏光子の片側または両側に透明保護フィルムを備えた偏光板の少なくとも片側に積層された光学フィルムであって、上記位相差フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と平行又は直交であり、上記位相差フィルムが積層される偏光板の少なくとも片側には透明保護フィルムを有し、当該透明保護フィルムが下記式(3)及び式(4)を満足することを特徴とする光学フィルム。
0nm<(nx−ny)・d≦5nm ・・・(3)
0nm<(nx−nz)・d≦15nm ・・・(4)
[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。] - IPS用モードの液晶表示装置に適用されるものであることを特徴とする請求項8または9記載の光学フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の位相差フィルム又は請求項8〜10のいずれかに記載の光学フィルムを用いたことを特徴とする画像表示装置。
- 液晶セルの両側に偏光子を有する液晶パネルであって、
液晶セルの少なくとも片側には、請求項8〜10のいずれかに記載の光学フィルムを含むことを特徴とする液晶パネル。 - 前記液晶セルが、TNモード、VAモード、IPSモード、FFSモード又はOCBモードであることを特徴とする請求項12に記載の液晶パネル。
- 前記液晶セルが、IPSモードであることを特徴とする請求項13記載の液晶パネル。
- 請求項12〜13のいずれかに記載の液晶パネルを含むことを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項12〜13のいずれかに記載の液晶パネルを含むことを特徴とする液晶テレビ。
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-
2006
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