JP2006267813A - 画像形成装置および混合比計測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 混合現像剤の混合比を高精度に計測する画像形成装置を提供する。
【解決手段】 本発明に係る画像形成装置2は、色相がほぼ同一で反射濃度および球形度が異なる2種類のトナーを混合してなる現像剤を収容する混合現像剤収容器14と、クリーニング手段39によってクリーニングされた中間転写手段18上に残留するトナーの量を検出する検出手段52と、検出手段52が検出したトナー量に基づいて混合現像剤収容器14内の2種類のトナーの混合比を計測する混合比計測手段74とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明に係る画像形成装置2は、色相がほぼ同一で反射濃度および球形度が異なる2種類のトナーを混合してなる現像剤を収容する混合現像剤収容器14と、クリーニング手段39によってクリーニングされた中間転写手段18上に残留するトナーの量を検出する検出手段52と、検出手段52が検出したトナー量に基づいて混合現像剤収容器14内の2種類のトナーの混合比を計測する混合比計測手段74とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリやそれらの複合機など電子写真方式による画像形成装置に関する。本発明は特に、色相がほぼ同一で反射濃度の異なる複数種類のトナーを有する混合現像剤を用いた画像形成装置に関する。また、混合現像剤の混合比の計測方法に関する。
ハイライト部を含む画像の画質を高めつつ現像剤の消費量を抑制するために、色相が同一で反射濃度が異なる2種類のトナーからなる混合現像剤を利用した画像形成装置が、例えば特許文献1に開示されている。
この装置では、低反射濃度のトナーの帯電量を高反射濃度のトナーの帯電量よりも小さくし、これにより低反射濃度トナーを高反射濃度トナーに比べて現像ローラから感光体ドラムに供給し易くしてある。したがって、感光体ドラム上の(露光量が少なくしたがって電位減衰レベルの小さな)低濃度の潜像領域を現像する場合、低反射濃度トナーが主に用いられることになる。これにより、反射濃度の高いトナーのみを用いた場合に生じうる濃度ムラを抑制し、粒状性のないきめ細やかな画像を得ることができる。
また、現像装置内の高反射濃度トナーの量を低反射濃度トナーよりも多く設定している。したがって、感光体ドラム上の(露光量が多くしたがって電位減衰レベルの大きな)高濃度の潜像領域を現像する場合、高反射濃度トナーが主に用いられることになる。これにより、反射濃度の低いトナーのみを用いて感光体ドラム上の高濃度の潜像領域を現像する場合に比べて現像剤の消費量を抑制できる。
上記画像形成装置において、印字枚数が増えても安定して良好な画質を得るためには、現像剤の2種類のトナーの混合比を予め決められた範囲内に制御する必要がある。
特許文献2には、テストパッチ画像を感光体ドラム上に形成して該画像の反射濃度を検出し、テストパッチ画像の検出反射濃度が減少すると低反射濃度トナーをトナーホッパから補給する画像形成装置が記載されている。
特開2000−98712公報
特開2000−293009公報
しかしながら、現像剤の混合比(トナーの混合比)を感光体ドラム上のテストパッチ画像に基づいて高精度に求めることは困難である。
そこで、本発明は、高精度で容易に行える混合現像剤の混合比計測方法と、該混合比計測方法を用いて混合現像剤の混合比を計測することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、
色相がほぼ同一で反射濃度および球形度が異なる2種類のトナーを混合してなる現像剤を収容する混合現像剤収容器と、
クリーニング手段によってクリーニングされた中間転写手段上に残留するトナーの量を検出する検出手段と、
検出手段が検出したトナー量に基づいて混合現像剤収容器内の2種類のトナーの混合比を計測する混合比計測手段とを備えることを特徴とする。
色相がほぼ同一で反射濃度および球形度が異なる2種類のトナーを混合してなる現像剤を収容する混合現像剤収容器と、
クリーニング手段によってクリーニングされた中間転写手段上に残留するトナーの量を検出する検出手段と、
検出手段が検出したトナー量に基づいて混合現像剤収容器内の2種類のトナーの混合比を計測する混合比計測手段とを備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る混合比計測方法は、
色相がほぼ同一で反射濃度および球形度が異なる2種類のトナーを混合してなる現像剤の混合比を画像形成装置において計測する混合比計測方法であって、
中間転写手段に画像を形成する工程と、
上記画像を二次転写する工程と、
中間転写手段をクリーニング手段によってクリーニングする工程と、
クリーニングされた中間転写手段上に残留するトナーの量を検出する工程と、
検出されたトナー量に基づいて2種類のトナーの混合比を計測する工程とを有することを特徴とする。
色相がほぼ同一で反射濃度および球形度が異なる2種類のトナーを混合してなる現像剤の混合比を画像形成装置において計測する混合比計測方法であって、
中間転写手段に画像を形成する工程と、
上記画像を二次転写する工程と、
中間転写手段をクリーニング手段によってクリーニングする工程と、
クリーニングされた中間転写手段上に残留するトナーの量を検出する工程と、
検出されたトナー量に基づいて2種類のトナーの混合比を計測する工程とを有することを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置と混合比計測方法によれば、色相がほぼ同一で反射濃度が異なる2種類のトナーは球形度が異なるようにしているため、トナーの球形度によって影響を受けるクリーニングが行われた後の中間転写手段上に残留するトナーの量を検出することにより、該収容器内のトナーの混合比を高精度で容易に計測できる。
図1は、本発明に係る第1の実施形態であるカラープリンタを示す。プリンタ2は、像担持体として図面時計回り方向に回転駆動可能な感光体ドラム4を備える。感光体ドラム4の周囲には、該ドラムの回転方向に沿って帯電装置6、露光装置8、4つの現像装置10C,10M,10Y,10K、および中間転写ユニット12が順に配置されている。
帯電装置6は、感光体ドラム4の表面を一様に帯電する(表面電位V0)ためのものである。露光装置8は、画像データに応じてレーザ光8aを感光体ドラム4上に選択的に照射し、これにより感光体ドラム上に潜像を形成するためのものである。
各現像装置10C〜10Kは、感光体ドラム4に対応するトナーを供給して潜像を顕像化するためのものである。詳しくは、現像装置10C,10M,10Y,10Kはそれぞれ、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Y)の現像剤をそれぞれ収容する現像剤収容器14C,14M,14Y,14Kと、図面反時計回り方向に回転可能に不図示のモータに駆動連結された現像ローラ16C,16M,16Y,16Kとを備える。各現像ローラ16C〜16Kが回転することで、現像ローラ表面に付着した現像剤が現像ローラと感光体ドラム4との対向領域に搬送され、そこで現像剤が感光体ドラムの潜像領域に供給されることになる。各現像ローラ16C〜16Kには、バイアス電圧VBが印加されている。
現像剤収容器(混合現像剤収容器)14C内のシアン現像剤は、色相がほぼ同一な低反射濃度および高反射濃度の2種類のトナーからなる(キャリアを含まない意味で)「一成分」の混合現像剤である。同様に、現像剤収容器(混合現像剤収容器)14M内のマゼンタ現像剤は、色相がほぼ同一な低反射濃度および高反射濃度の2種類のトナーからなる一成分混合現像剤である。現像剤収容器14Y内のイエロー現像剤は、1種類のイエロートナーからなる。同様に、現像剤収容器14K内のブラック現像剤は、1種類のブラックトナーからなる。混合現像剤であるシアン現像剤およびマゼンタ現像剤については後でさらに詳しく述べる。
中間転写ユニット12は中間転写ベルト(中間転写手段)18を備える。中間転写ベルト18は、ポリカーボネートなどの樹脂シートからなり、中間転写ベルトの表面電気抵抗値が105〜1012Ω/cm2程度となるよう樹脂シートにはカーボンブラックが分散されている。中間転写ベルト18は、5つのローラ20,22,24,26,28の外周で支持されている。ローラ22は、中間転写ベルト18にテンションを与えるテンションローラである。ローラ20は不図示のモータに駆動連結されている。ローラ20が回転することで、ローラ22,24,26,28が回転し、中間転写ベルト18が図面反時計回り方向に回転することになる。ローラ26、28間の中間転写ベルト18部分は、感光体ドラム4の外周と接触して、感光体ドラム上のトナー画像(シアントナー画像、マゼンタトナー画像、イエロートナー画像、またはブラックトナー画像)が中間転写ベルトに転写される一次転写領域30を形成している。
中間転写ベルト18の回転方向に関してローラ24の直ぐ上流側のベルト部分34に対向して、図面時計回り方向に回転する二次転写ローラ32が設けてある。二次転写ローラ32は、シリコーンやウレタンなどの発泡ゴム材からなり、二次転写ローラの表面電気抵抗値が105〜1012Ω/cm2程度となるよう発泡ゴム材にはカーボンブラックが分散されている。ベルト部分34と二次転写ローラ32は、矢印方向に沿ってシート(記録媒体)Sが通過しこれにより中間転写ベルト18上の重ね合わせトナー画像(後述)がシート上に転写される二次転写領域36を形成している。二次転写領域36を通過した中間転写ベルト18部分上のトナー(未転写トナー)を除去するためのクリーニング手段として、ローラ24と26との間のベルト18部分にクリーニングユニット38が設けられている。
クリーニングユニット38は、硬度67°のポリウレタンゴム製のブレード39を食い込み量1mmで中間転写ベルト18に対して15°の角度で当接させて(このときの当接力は、20N/m2)、中間転写ベルト18上の未転写トナーを除去するように構成されている。なお、未転写トナーを除去するのはブレードでなくてもよく、例えばクリーニングブラシであってもよい。
かかる構成を備えたプリンタ2において、コントローラ(後述)は帯電装置6を駆動して感光体ドラム4表面を一様に帯電させる。コントローラは、画像メモリ(図示せず)に記憶されたカラー画像データに基づいて制御信号を生成し、露光装置8に送出する。露光装置8は、感光体ドラム4上にレーザ光8aを選択的に照射する。その結果、レーザ光8aが照射された表面部分の電位は減衰し、感光体ドラム4上にシアン用の潜像が形成される。感光体ドラム4上のシアン用潜像は、該潜像に現像装置10Cにより混合シアン現像剤が供給されることにより顕像化されて、シアントナー画像が形成される。シアントナー画像は、感光体ドラム4の回転により一次転写領域30に搬送され、中間転写ベルト18上に転写される。
次に、混合マゼンタ現像剤を用い同様にして感光体ドラム4上に形成されたマゼンタトナー画像は、シアントナー画像と重ね合わさるように中間転写ベルト18上に転写される。続いて、単一のイエロー現像剤を用い同様にして感光体ドラム4上に形成されたイエロートナー画像は、シアンおよびマゼンタトナー画像と重ね合わさるように中間転写ベルト18上に転写される。その後、単一のブラック現像剤を用い同様にして感光体ドラム4上に形成されたブラックトナー画像は、シアン、マゼンタ、およびイエロートナー画像と重ね合わさるように中間転写ベルト18上に転写される。
重ね合わせ画像は、中間転写ベルト18の移動により二次転写領域36に搬送される。他方、シートSは、不図示のシート供給カセットから二次転写領域36に供給される。重ね合わせ画像は、二次転写ローラ32の作用により二次転写領域36を通過するシートSに転写される。
カラートナー画像が形成されたシートSは不図示の定着装置に供給され、カラートナー画像がシートSに定着される。
シートSに転写されなかったトナーはクリーニングユニット38によって除去される。
次に、感光体ドラム4に形成される潜像および混合現像剤について詳しく説明する。プリンタ2は、階調を表現するためにレーザビーム8aのパルス幅変調制御を行う。したがって、潜像は、電位減衰レベルの小さな「低濃度」領域と電位減衰レベルの大きな「高濃度」領域とを含む。レーザ照射時間が比較的短ければ、感光体ドラム表面の電位減衰は小さく(電位は飽和せず)、したがって低濃度領域が形成される。他方、レーザ照射時間が十分長ければ、感光体ドラム表面の電位減衰は大きく(電位は飽和)、したがって高濃度領域が形成される。本願において、「低濃度」の潜像領域および「高濃度」の潜像領域はそれぞれ現像剤が供給されてハイライト部およびシャドウ部が形成される領域を表す。
上述したように、シアン現像剤は、色相がほぼ同一で反射濃度が異なる2種類のトナーからなる混合現像剤である。現像剤収容器14C内の現像剤の混合比は、RL以上となるように調整される。本実施形態では、混合比を低反射濃度トナーの高反射濃度トナーに対する重量比と定義するが、別の定義を用いてもよい。上述の定義に従えば、RLは0より大きく1より小さな値である。すなわち、現像剤収容器14C内には、高反射濃度シアントナーが低反射濃度シアントナーよりも多く混合されている。
図2(a),(b)は、低反射濃度シアントナーと高反射濃度シアントナーの例を示す。図2(a)の例では、高反射濃度トナー40Hは、樹脂42に着色剤44Hおよび帯電制御剤46を分散してなる。外添処理剤48を添加してもよい。低反射濃度トナー40Lは、着色剤44Lが着色剤44Hより反射濃度が低い点を除いて高反射濃度トナー40Hとほぼ同一である。図2(b)の例では、着色剤44H,44Lの反射濃度を同一にし、樹脂42に対する着色剤44Hの重量比を着色剤44Lの場合よりも大きくしている。後者の例では、一例として、混合比の適正な範囲を0.45以上とし、上記重量比を低反射濃度シアントナーでは4%、高反射濃度シアントナーでは10%とする。
現像装置10Cの現像ローラ16Cに対する低反射濃度シアントナーの付着力を高反射濃度トナーに比べて小さくし、これにより低反射濃度シアントナーが感光体ドラム4により容易に付着できるようにするために、低反射濃度シアントナーの帯電量を高反射濃度シアントナーに比べて小さくしている。これを実現するために、各シアントナーに添加する電荷制御剤などの後処理剤の量を異ならせている。
図3を参照して、低反射濃度および高反射濃度シアントナーからなる混合シアン現像剤の特性について説明する。図3は、バイアス電圧VBが印加された現像ローラと感光体ドラム上の潜像領域との間の電位差の関数として、感光体ドラム上に付着する低反射濃度シアントナーおよび高反射濃度シアントナーの各量を示す。
図3に示すように、現像ローラと感光体ドラム上の潜像領域との間の電位差が比較的小さければ、低反射濃度シアントナーと現像ローラとの間の付着力は高反射濃度シアントナーの場合に比べて小さいので、低反射濃度シアントナーが主として潜像領域に供給される。現像ローラと感光体ドラム上の潜像領域との間の電位差がある値ΔV1よりも小さい場合、電位差が大きいほど、感光体ドラムの潜像領域に供給される低反射濃度シアントナーの量は多い。電位差がΔV1よりも大きい場合、感光体ドラムに供給される低反射濃度シアントナーの量は実質的に一定である(すなわち低反射濃度トナーの供給量は飽和する。)。これは、電位差がある程度大きければ、潜像領域に対向する混合シアン現像剤中の大部分の低反射濃度シアントナーが潜像領域に供給されることを意味する。
他方、現像ローラと感光体ドラム上の潜像領域との間の電位差が比較的小さければ、該潜像領域に供給される高反射濃度シアントナーの量は少ない。しかしながら、現像ローラと感光体ドラム上の潜像領域との間の電位差が大きいほど、電位差がある値ΔV2よりも小さければ、感光体ドラムの潜像領域に供給される高反射濃度シアントナーの量は多い。電位差がΔV2よりも大きい場合、感光体ドラムに供給される高反射濃度シアントナーの量は実質的に一定である(すなわち高反射濃度トナーの供給量は飽和する。)。これは、電位差が十分大きければ、潜像領域に対向する混合シアン現像剤中の大部分の高反射濃度シアントナー(したがって潜像領域に対向する大部分の混合シアン現像剤)が潜像領域に供給されることを意味する。電位差がΔV2より大きい場合の感光体ドラムに供給される2種類のシアントナーの重量比は、現像剤収容器内の2種類のシアントナーの混合比とほぼ同一である。
上記説明から明らかなように、高濃度の潜像領域(シャドウ部に対応)を現像する際においても低反射濃度シアントナーが供給されることは避けられない。したがって、高濃度の潜像領域を現像する場合に、1種類のシアントナーのみを利用する従来の画像形成装置と同一の付着量で同一の画像濃度を得るためには、本実施形態に係るプリンタ2に用いられる高反射濃度シアントナーは、従来の画像形成装置で用いられるシアントナーよりも反射濃度を大きくする必要がある。一例として、従来の単一のシアントナーの樹脂に対する着色剤の重量比が8%の場合、高反射濃度シアントナーの上記重量比を10%とする。
以上のように、低濃度の潜像領域(ハイライト部に対応)を現像するのに低反射濃度シアントナーが主として用いられる。このことはマゼンタ現像剤に関しても成り立つ。したがって、プリンタ2は、低濃度の潜像領域を主に低反射濃度トナーで現像することで粒状性のないきめ細やかな画像を可能にする。
シアンおよびマゼンタ現像剤に関し、写真画像など比較的多くのハイライト部を含む画像をプリンタ2を用いて連続印刷する場合、多量の低反射濃度トナーが消費される。その結果、現像剤中の単位体積当たりの低反射濃度トナー量は減少する。このため、現像ローラから低濃度潜像領域に供給される高反射濃度トナー量が増加し、画像の粒状性が増加する。低反射濃度トナー量が減少するほど現像剤の上記混合比は小さくなる。そこで、プリンタ2は、シアンおよびマゼンタ現像剤の各混合比を制御して予め決められた適正な値RL以上となるように構成してある。
このトナー混合比を計測する目的のため、シアンおよびマゼンタ現像剤に関して、低反射濃度トナーと高反射濃度トナーの球形度を異ならせている。本実施形態において、球形度は、トナー粒子の投影像の面積と等しい面積の円の周囲長さを該投影像の周囲長さで除算して求めている。球形度は複数のトナー粒子の平均から求められる。「トナー粒子の投影像の面積と等しい面積の円の周囲長さ」と「トナー粒子の投影像の周囲長さ」は、例えば、粒子像解析装置(例えば、ホソカワミクロン株式会社製FPIA−2100)を利用して求められる。球形度の値は、1に近いほどトナー粒子は真円に近く、トナー粒子表面の凹凸状態の程度を正確に示す指標となる。
本実施形態では、図4に示す低反射濃度及び高反射濃度シアントナーの球形度のように、低反射濃度トナーの球形度を高反射濃度トナーの球形度より大きくしてある。これにより、球形度の違いによってクリーニング効率が異なることを利用して、クリーニング後の中間転写ベルト上のトナー(残留トナー)の量から混合比を計測することができる。すなわち、トナーの球形度が高いほどクリーニング効率が低くなり、その結果、クリーニングしきれずに中間転写ベルト上に残留したトナー量が多くなることを利用している。以下、混合比の計測について詳細に説明する。
図1を参照して、クリーニング後の中間転写ベルト上の残留トナー量を検出する手段として、クリーニングユニット38(ブレード39)の下流の中間転写ベルト18の部分と対向する位置に光学式センサ52が配置されている。光学式センサ52は、中間転写ベルト18に光を照射する発光部(図示せず)と、中間転写ベルト18からの反射光を受光する受光部(図示せず)とを備える。また、光学式センサ52は、受光した反射光量に対応する電圧を信号として出力するように構成されている。例えば、反射光量が増加すると、出力電圧も高くなる。
光学式センサ52が受光する反射光は、クリーニング後であるため、多くは中間転写ベルト18からの光である。したがって、クリーニング後の中間転写ベルト18上の残留トナー量に応じて光学センサ52が受光する反射光量は変化する(出力する電圧信号も変化する。)。例えば、残留トナー量が増加すると、反射光量は減少する。
プリンタ2は、混合比を計測する際、面積率が100%で単一色(本実施形態の場合、シアンまたはマゼンタ)のベタ画像(ベタトナーパッチ画像)を中間転写ベルト18に形成するように構成されている。
これに関連して、クリーニングユニット38によるクリーニングは、通常の画像(ベタトナーパッチ画像でない画像)がシートに二次転写されて残ったトナーを十分にクリーニングできるように構成されている。通常画像の場合、残留トナー量は多くても約1g/m2であり、これに対応している。それに対し、ベタトナーパッチ画像の場合、残留トナー量は約5g/m2である。したがって、クリーニングユニット38は、ベタトナーパッチ画像の場合、複数回クリーニングを行う。
ベタトナーパッチ画像に関連して複数回クリーニングを行うことを利用して(すなわち、ベタトナーパッチ画像が形成された部分にクリーニングされてもトナーが残留していることを利用して)、プリンタ2は、ベタトナーパッチ画像が二次転写されて続いてクリーニングされた後の該画像が形成されていた中間転写ベルト18の部分(ベタトナーパッチ画像由来の残留トナーが存在する部分)に対し、光学式センサ52に光を照射させて該部分からの反射光を受光させるように構成されている。
ベタトナーパッチ画像の現像は、図3に示す電位差ΔV2以上で行われる。そのため、収容器内の混合現像剤の混合比が適正な値RLであれば、中間転写ベルト18上の二次転写前のベタトナーパッチ画像を構成する混合トナーの混合比も同じである。また、クリーニングされずに残留したトナー量も対応する適正な量(適正残留トナー量)である。さらに、光学式センサ52が受光する反射光量も対応する適正な量(適正反射光量)である(出力する電圧も対応する適正な値(適正電圧)VLである。)。
これに対し、混合現像剤が消費されて現像剤収容器内の低反射濃度トナーが減少すると(混合比が減少すると)、中間転写ベルト18上の二次転写前のベタトナーパッチ画像を構成する混合トナーの混合比も減少する。この状態で二次転写されてクリーニングが行われると、残留トナー量は適正残留トナー量より減少する。これは、ベタトナーパッチ画像を構成する混合トナー中、クリーニング効率が低い(球形度が大きい)低反射濃度トナーの比率が小さく、また、クリーニング効率が高い(球形度が小さい)高反射濃度トナーの比率が大きいことによる。残留トナー量が少ないために、光学式センサ52が受光する反射光量は適正反射光量より増加する。したがって、光学センサ52が出力する電圧が適正電圧VLより高くなる。
逆に、混合現像剤が消費されて現像剤収容器内の低反射濃度トナーが増加すると(混合比が増加すると)、中間転写ベルト18上の二次転写前のベタトナーパッチ画像を構成する混合トナーの混合比も増加する。この状態で二次転写されてクリーニングが行われると、残留トナー量は適正残留トナー量より増加する。これは、ベタトナーパッチ画像を構成する混合トナー中、クリーニング効率が低い(球形度が大きい)低反射濃度トナーの比率が大きく、また、クリーニング効率が高い(球形度が大きい)高反射濃度トナーの比率が小さいことによる。残留トナー量が多いために、光学式センサ52が受光する反射光量は適正反射光量より減少する。したがって、光学式センサ52が出力する電圧が適正電圧VLより低くなる。
上述するように、現像剤収容器内の混合現像剤の混合比は、光学式センサ52の出力電圧に対応している。図5に混合比と出力電圧の関係を示す。プリンタ2は、予め調べられた図に示すような混合比と出力電圧の関係と光学式センサ52の出力電圧に基づいて、混合比が適正な値RL以上になるように混合比を調整する。
なお、混合比の計測に使用される画像は、クリーニングされずに残る残留トナー量が減少するものの、ベタトナーパッチ画像でなくてもよい。また、異なる複数種のトナーパッチ画像を用いてもよい。この場合、異なる複数種のトナーパッチ画像毎に対応する混合比と電圧の関係を予め調べておく。複数のトナーパッチ画像から得た光学式センサからの複数の出力電圧から混合比を計測することにより、現像剤収容器内の混合現像剤の正確な混合比が計測される。
図1に戻って、現像装置10C,10M,10Y,10Kはそれぞれ、画質を保証するある程度の量の現像剤が収容器14C,14M,14Y,14Kに残っているか否か(言い換えれば、現像装置(の現像剤収容器)がニアエンプティであるか否か)を検出するエンプティセンサ62C,62M,62Y,62Kを収容器側壁部に備える。エンプティセンサは、例えば、発光素子および受光素子を備えた光学式センサである。発光素子から出射した光が現像剤により遮光されて受光素子に入射しない場合、エンプティセンサは信号を出力しない。この場合、収容器には十分な量の現像剤が残っている。発光素子から出射した光が受光素子に入射する場合、エンプティセンサは信号を出力する。この場合、収容器には現像剤が僅かしか残っておらず画質が保証できなくなる。
現像装置10C,10M,10Y,10Kにはそれぞれ、現像装置に各現像剤を補給するための補給装置64C,64M,64Y,64Kが連結されている。より詳しくは、図6に示すように、補給装置64Cは、低反射濃度シアントナーTLおよび高反射濃度シアントナーTHをそれぞれ収容する2つの収容器66L,66Hと搬送スクリュ68L,68Hとを備える。搬送スクリュ68L,68Hは、低反射濃度シアントナーTLおよび高反射濃度シアントナーTHを搬送路69L,69Hを介して補給口70L,70Hまで搬送して現像剤収容器14Cに落下させるためのものである。現像剤収容器14Cは、低反射濃度および高反射濃度シアントナーを撹拌して混合するためのアジテータ(図示せず)を備える。スクリュ68L,68Hは、駆動回路72に電気的に接続されたモータ71L,71Hにそれぞれ駆動連結されている。駆動回路72は、プリンタ2の印字動作を制御するコントローラ74からの信号に応じてモータ71L,71Hを駆動するようになっている。
補給装置64Mは、2つのトナー収容器にそれぞれ低反射濃度マゼンタトナーおよび高反射濃度マゼンタトナーが収容されることを除いて、補給装置64Cと同様の構成を備える。
補給装置64Y,64Kはそれぞれ、1つのトナー収容器に1種類のトナーが収容される従来のもので、本明細書では説明を省略する。
光学式センサ52からの電圧信号は、コントローラ74に出力されるようになっている。以下に示すように、コントローラ74は、現像装置の一つに関する検出信号に応じて対応する補給装置を制御して、現像剤収容器に制御された量のトナーを補給する。
次に、図6とともに図7に示すフローチャートを参照して、シアン現像剤の補給シーケンスを説明する。このシーケンスは、例えば、プリンタ2を起動した場合や現像装置10Cを予め決められた期間使用する毎に行われる。まず、ステップS1で、コントローラ74は、検出信号がエンプティセンサ62Cから出力されているか否かを判断する。検出信号が出力されていない場合、すなわち、十分な量のシアン現像剤が収容器14Cに残っている場合、ステップS2に進み、収容器14Cのシアン混合現像剤の混合比を計測するために、シアンのベタトナーバッチ画像を中間転写ベルト18に形成して二次転写続いてクリーニングを行う。続いて、ステップS3に進み、ベタトナーパッチ画像由来の残留トナー量を光学式センサ52で検出する。このとき、二次転写はシートに行わず、二次転写ローラ32に行う。その後、二次転写ローラ32は、クリーニングされる。また、中間転写ベルト18に残留する、ステップS3でトナー量が検出された残留トナーを除去するために再度クリーニングが行われる。
次に、ステップS4に進み、光学式センサ52からの出力電圧がVL以下(混合比がRL以上)であるか否かを判断する(このように、コントローラ74は光学式センサ52からの出力電圧に基づいて二種類のトナーの混合比を計測する手段として機能する。)。出力電圧がVL以下である場合、補給は行わず、現像装置10Cはシアン現像剤を感光体ドラム4に供給できる状態となる(ステップS6)。その後、フローは終了する。
ステップ4で、出力電圧がVLより大きい場合(現像剤収容器14C内の低反射濃度シアントナー量が不足している場合)、ステップS5に進み、出力電圧がVL以下(混合比がRL以上)となるようにトナー収容器66Lから現像剤収容器14Cに低反射濃度シアントナーを補給する。その後、フローは、ステップS6に進む。
ステップS1で、エンプティセンサ62Cから信号が出力されている場合、すなわち、十分な量のシアン現像剤が収容器14Cに残っていない場合、ステップS7に進み、低反射濃度および高反射濃度シアントナーを適当な量(エンプティでなくなる)だけトナー収容器60L、60Hから現像剤収容器14Cに補給する。その後、ステップS1に戻る。
本補給シーケンスでは、プリンタ2を起動した場合や現像装置10Cを予め決められた期間使用する毎に行われるようにしたが、これに加えて、コントローラ74がエンプティセンサ62Cから現像装置10Cがニアエンプティであることを示す信号を受けた場合に自動的に開始されるようにしてもよい。この場合、ステップS2〜S6が行われる。
マゼンタ現像剤の補給動作はシアン現像剤の場合と同一である。
イエローおよびブラック現像剤の補給動作は従来と同じである。すなわち、コントローラ74は、エンプティセンサ62Yまたは62Kから信号を受けると、補給装置64Yまたは64Kを制御して、対応するトナーをトナー収容器から現像剤収容器14Yまたは14Kに補給する。
全ての現像装置10C〜10Kが感光体ドラム4に現像剤を供給可能な状態となれば、プリンタ2はプリント可能状態となる。
最後に、トナーは、重合トナーであってもよいし、粉砕トナーであってもよい。
2 画像形成装置
14 混合現像剤収容器
18 中間転写ベルト(中間転写手段)
39 ブレード(クリーニング手段)
52 光学式センサ(検出手段)
74 コントローラ(混合比計測手段)
14 混合現像剤収容器
18 中間転写ベルト(中間転写手段)
39 ブレード(クリーニング手段)
52 光学式センサ(検出手段)
74 コントローラ(混合比計測手段)
Claims (2)
- 色相がほぼ同一で反射濃度および球形度が異なる2種類のトナーを混合してなる現像剤を収容する混合現像剤収容器と、
クリーニング手段によってクリーニングされた中間転写手段上に残留するトナーの量を検出する検出手段と、
検出手段が検出したトナー量に基づいて混合現像剤収容器内の2種類のトナーの混合比を計測する混合比計測手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 色相がほぼ同一で反射濃度および球形度が異なる2種類のトナーを混合してなる現像剤の混合比を画像形成装置において計測する混合比計測方法であって、
中間転写手段に画像を形成する工程と、
上記画像を二次転写する工程と、
中間転写手段をクリーニング手段によってクリーニングする工程と、
クリーニングされた中間転写手段上に残留するトナーの量を検出する工程と、
検出されたトナー量に基づいて2種類のトナーの混合比を計測する工程とを有することを特徴とする現像剤の混合比計測方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005088073A JP2006267813A (ja) | 2005-03-25 | 2005-03-25 | 画像形成装置および混合比計測方法 |
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-
2005
- 2005-03-25 JP JP2005088073A patent/JP2006267813A/ja active Pending
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