JP2006267679A - 現像剤補給容器及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】現像剤のより高密度な充填を、従来の充填機や振動付与を用いて従来並みの時間で効率良く行い、現像剤を収納する補給容器として未完成な状態においても完成した状態と変わらない量の現像剤充填を可能とした現像剤補給容器を提供すること。
【解決手段】画像形成装置本体に現像剤を補給するための現像剤補給容器であって、前記現像剤補給容器は現像剤を排出するための排出口と、現像剤を前記現像剤補給容器に充填するための充填開口とを有する容器枠体と、前記充填開口を密封するための蓋部材とを有し、前記充填開口部には可撓性シート部材を前記充填開口部の縁から立ち上がるようにして設け、現像剤充填後に蓋部材を取り付けて前記充填開口を密封する際に、前記可撓性シート部材が前記蓋部材と前記容器枠体内に収納されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電式複写機やプリンタ等の画像形成装置の現像装置に現像剤を供給する現像剤補給容器とその製造方法に関する。
電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置(以下、「画像形成装置」と言う)の例としては、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、レーザプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
ところで、画像形成装置へ現像剤を補給する際、現在の主流として、大きく分けて3つの形式に分けられる。その1つは、現像剤を収納した現像剤補給容器(又は現像剤収納容器)を直接用いて補給する方法、もう1つは現像手段が一体化された現像カートリッジを交換することにより現像剤を補給する方法、更にもう1つは電子写真感光体、帯電手段、クリーニング手段等が一体化されたプロセスカートリッジを交換することにより現像剤を補給する方法である。
これら現像カートリッジやプロセスカートリッジには、通常画像形成装置に現像剤を補給する際に用いる現像剤収納容器(以下、「現像剤容器」と言う)も予め一体化されている。
ここで、現像カートリッジとは、現像手段と現像剤容器とを一体的にカートリッジ化し、画像形成装置本体に着脱可能としたものであり、少なくとも現像手段を有している。又、プロセスカートリッジとは、像担持体としての電子写真感光体(以下、「感光体ドラム」と言う)、該感光体ドラムに作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段及びクリーニング手段を一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能としたもの、又は、帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうち少なくとも一つと、感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能としたものである。或は、少なくとも現像手段と感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能としたものを言う。
ところで、画像形成装置においては、従来から、感光体ドラムと該感光体ドラムに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が多く採用されている。このプロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずにユーザー自身で行うことができるので、格段に操作性の向上を図ることができる。このため、このプロセスカートリッジ方式は、画像形成装置において広く用いられている。
又、現像手段と現像剤容器とを一体的にカートリッジ化し、装置本体に着脱可能とした現像カートリッジも用いられている。
このような静電写真法を利用した画像形成装置には現像剤が使用されているが、一般的に現像剤は粒子径が数ミクロン〜数十ミクロン程度のものが使用され、黒を含む様々なカラーの現像剤が存在する。
これらの現像剤は、画像形成装置の本体に設置された現像剤受入部又は現像カートリッジやプロセスカートリッジに設けられた現像手段に現像剤容器から現像剤を排出することにより補充される。
ところで、現像剤を現像剤容器に充填する方法として、ホッパーより直接現像剤を現像剤容器に充填する方法が一般的に用いられている。この場合、ホッパーより排出された現像剤は、例えばオーガースクリュー式充填法によって排出ノズルから排出される(図5参照)。
排出されたトナーは、図3に示すような現像剤補給容器に設けた充填口41を通って現像剤容器に収納される。尚、現像剤容器は容器枠体とフタ部材を超音波溶着や接着等の固着手段によって現像剤を容器内に封入できるようにしている。
この際、現像剤の充填量が現像剤容器の容積に対してより高密度な充填を行う場合は、1次充填の後、一定期間の振動を加えつつ一時保管することにより現像剤の粉面を可能な限り低下させて、再び1回(2次充填)、若しくは2回程度(3次に分けて)充填する多数回充填法が多く採用されている。
以上のように現像剤をより高密度に充填する理由として、次のような背景がある。
特に、最近では廃棄物に関する地球環境問題が大きくクローズアップされており、現像剤容器に充填する現像剤の充填量をできるだけ増やし、廃棄される現像剤容器の量を減らすように製造側も努力している。
更に、充填量を増やして高密度充填することにより、現像剤容器を補充する回数が減り、1枚当りのコピーコストが下がる。
以上のような環境問題、ユーザビリティ(交換頻度低減)及びコスト削減の理由で現像剤の高密度な充填が要望されている。
ここで、以上に述べた充填方法や振動を与える方法を行うために、特許文献1に開示されている発明では、上記一定期間の振動を現像剤容器に与えている間、該現像剤容器を保持するためパレットが使用されている。
ここで、一般的なパレットの構造は、底板と横押えブロックから成る。底板の構造においては、振動箇所に直接接触する底部分に金属を用い、上部の現像剤容器との接触部分にはポリアセタール樹脂、テフロン樹脂等、現像剤容器に傷が付きにくい樹脂材料が用いられている。又、横押えブロックは同様な樹脂材料で構成されている。
底板と横押えブロックは、ネジによる結着等で現像剤容器をガタが無いように確実に固定するもの、或は底板の金属部分と底板上部及び横押えブロックが同一樹脂で一体成型されたものとが接着剤等で確実に密着されたもの等が使用されている。
このようなパレットは、底板上部及び横押えブロックの樹脂材料により、現像剤容器に振動を伝えにくくしており、直接的な振動よりかなり減衰された振動を現像剤容器に伝えている。このため、現像剤の現像剤容器内の振動による粉面低下が当初の想定に満たなくなり、2次充填或いは3次充填において所定量の現像剤を充填することができない場合があることに対応するため、より振動が減衰しにくいアルミニウム等の軽金属を用いたり、金属バネを追加して現像剤容器への振動伝達を補助し、振動の減衰を従来よりも抑える形で現像剤の高密度化を行っている。
更に、複数のパレットが装備された回転装置に該容器をセットして回転させることにより、それぞれの現像剤及び容器に回転遠心力を与えて現像剤を圧密させ、更なる高密度化充填を行っている。
しかし、一方では画像形成装置のコンパクト化のニーズやそれに対応する設計に伴い、現像剤容器も益々コンパクト化が要求されている。それに合わせて充填口の口径も小さくなってきており、その口径に対応可能でより小径化したオーガースクリュー式充填機材が必要となり、その分現像剤を単位時間内に送り込める量が減ることにより、現像剤を充填する時間が増える方向となる。
又、最近では画像形成装置内の僅かな隙間も有効に機能させるために、例えば現像剤容器や現像カートリッジ、プロセスカートリッジの現像剤を充填するための充填口を設ける等を極力省いて、現像剤補給容器の構成する部品(例えば、容器枠体とフタ部材等)の組立前に現像剤を収納した後で補給容器の組立ができないか、等の必要性も挙げられてきている。
その1つの例として図9を用いて示す。
図9は本発明の実施の形態に用いたプロセスカートリッジにおける、現像剤収納容積を拡大する工夫を表した一例を示す図である。図9(a)は従来から設けている現像剤充填口を備えた現像剤補給容器の図である。図9(b)は本発明の実施の形態2(後述)に用いた、従来の現像剤充填口部分のスペースを利用して補給容器の内容積を拡大した図である。
図9(b)に示すような工夫を施すことにより、同じ大きさのプロセスカートリッジでも現像剤を収納できる空間は拡大でき、より多くの現像剤を収納することが可能となる。
又、収納できる空間の拡大や現像剤充填量の増量を必要としない場合では、現像剤充填口を封止するキャップ部材(不図示)を不要とすることができ、組立部品点数の削減を図ることができる。
特許第3347372号(特開平6−110304号公報)
ところが、このままでは現像剤補給容器の製造工程において弊害も発生する。従来は現像剤充填口41cがあるお陰げで、容器枠体41wとフタ部材41rを組み立てた後に現像剤の充填ができていたが、図4に示すように充填口を省くと(充填口41cが無い状態)、現像剤を充填する際は、フタ部材41rを組み立てる前に予め容器枠体41wへ現像剤を入れておかなければならなくなる。その際、現像剤容器(詳しくは容器枠体のみ)の収容スペースは、図4に示すようなフタ部材41r に形成された収容スペース41d が生かされない状態になるため、結果として従来よりも現像剤の封入量を増やすことが容易ではなくなる。
フタ部材が平面なものであれば組立前、組立後の内容積に変化はないので問題はないが、特に画像形成装置本体内のような、単純な形状で収納スペースを確保できない場合には、図4に示すような受け入れ空間41dの分割が必要となる場合が多くなる。
又、現像剤補給容器の都合に合わせるような収納スペース確保のためにフタ部材を平面にして、それに合わせた画像形成装置の設計は総合的なコンパクト化を進める上で好ましくない。
又、フタ部材が無い状態で充填するために、従来のオーガースクリュー式充填方法(オーガースクリュー式充填機)をそのまま用いて受け入れ空間41dに直接充填しようとすると、図5(a)に示すように、充填ノズル51の周辺が開放状態のため、図5(b)のように充填ノズル51のすぐ直近を充填口41cで取り囲めないので、現像剤の充填中及び充填後において現像剤が飛散し易くなってしまう。
ここで、上記に述べたような振動付与を用いれば、図5(a)に示す状態では、従来よりも現像剤が飛散し易くなり、清掃で時間が掛かる方向となってしまう。
従って、本発明の目的とする処は、現像剤のより高密度な充填を、従来の充填機や振動付与を用いて従来並みの時間で効率良く行い、現像剤を収納する補給容器として未完成な状態においても完成した状態と変わらない量の現像剤充填を可能とした現像剤補給容器及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、画像形成装置本体に現像剤を補給するための現像剤補給容器であって、前記現像剤補給容器は現像剤を排出するための排出口と、現像剤を前記現像剤補給容器に充填するための充填開口とを有する容器枠体と、前記充填開口を密封するための蓋部材とを有し、前記充填開口部には可撓性シート部材を前記充填開口部の縁から立ち上がるようにして設け、現像剤充填後に蓋部材を取り付けて前記充填開口を密封する際に、前記可撓性シート部材が前記蓋部材と前記容器枠体内に収納されることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記シート部材の装着によって生成される現像剤受け入れ口を、装着前の前記補給容器の前記充填開口よりも広く、大きくするための前記シート部材を装着したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記シート部材は厚さ10μm以上0.5mm以下であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記補給容器は現像剤の受け入れ可能な空間を持つ容器枠体と、同じく現像剤の受け入れ可能な空間を持つ蓋部材で構成される現像剤補給容器の枠体であって、前記シート部材の装着によって、前記蓋部材を組み立てて完成した現像剤補給容器内で前記蓋部材の形状に対応して前記シート部材が変形し、その状態を保持することにより前記容器枠体と蓋部材との空間の合計と同等以上の現像剤受け入れ空間を生成することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の現像剤補給容器において、現像剤充填時は現像剤を、前記充填開口部を超えて、シート部材に掛かるまで充填することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記補給容器の中及び前記シート部材の中に渡って現像剤を充填し、前記シート部材の上端を折り畳んで前記蓋部材を組み立てることを特徴とする。
請求項1及び2記載の発明によれば、可撓性シート部材が現像剤補給容器内に収納された際に補給容器内で現像剤が可撓性シート部材によって押し流されるので、現像剤が行き渡りにくいような補給容器内隅部に現像剤を行き渡らせ充填率を向上できる。又、これまで通りの振動付与条件下の現像剤充填が可能なことに加えて、前記シート部材の可撓性と折り畳み作用によって現像剤の更なる圧密化もできる。
請求項3記載の発明によれば、確実にシート部材の折り畳み作業や現像剤を折り畳む時の現像剤を行き渡らせる作用効果が容易に得られる。
請求項4〜6記載の発明によれば、蓋部材が組み立てられていなくても、蓋部材が組み立てられて補給容器として完成した状態と同等以上の現像剤受け入れ空間を生成できるため、蓋部材組み立て前において所定量の現像剤を充填でき、製造工程においても製造順番を変更できる等の工程設定の自由度を増すことができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の実施の形態1及び2(後述)については図1、図2、図3(b)、図4、図5(a)、図6、図7、図8、図9(b)、図10、図11を用いて説明する。
本発明の従来例(後述)については図3(a)、図4、図5(b)を用いて説明する。
本発明の実施の形態には、実施例として図4、図5(a)及び図9(b)に示すような現像剤容器41(図9においては現像枠体41wとシート部材41sが相当)を用いた。ここで、現像剤容器とは、画像形成装置本体に装着が可能な現像剤補給容器としての現像カートリッジ又はプロセスカートリッジの現像剤収納部である。本実施の形態においては、図11に示すようなプロセスカートリッジUの現像剤収納部(現像剤容器41)を用いた。
又、本実施の形態で言う現像剤容器とは、乾式の粉体現像剤を充填する容器であって、現像剤容器単独で画像形成装置に着脱可能なものと、現像カートリッジ又はプロセスカートリッジの現像剤収納部のことである。
又、現像カートリッジとは、現像手段と現像剤容器とを一体的にカートリッジ化し、画像形成装置本体に着脱可能としたものであり、少なくとも現像手段を有しているものを言う。
又、プロセスカートリッジとは、像担持体としての感光体ドラムと該感光体ドラムに作用するプロセス手段としての帯電手段、現像手段及びクリーニング手段を一体的にカートリッジ化したものを言う。又は、帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうち少なくとも1つと、感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化したものを言う。或は、少なくとも現像手段と感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能としたものを言う。
又、現像剤とは乾式一成分磁性トナー、乾式一成分非磁性トナー、乾式二成分非磁性トナー、乾式二成分キャリア及びこれらの混合物のことであり、何れも粉体である。
第1実施例としては、図4に示すような現像剤容器41、図6に示すような現像剤容器41w(X)を用いた。第2実施例としては、図9(b)に示すような内容積拡張タイプの現像剤容器41w(X)を用いた。
以下にそれぞれの実施例について順次詳細を説明する。
(本実施例の現像剤容器に関する説明)
本実施例に用いたプロセスカートリッジUは、図3に示すように現像剤が収容される現像剤容器41が用いられている。そして、現像剤容器41の外観は、図3(b)及び図4に示すように、容器枠体41wとフタ部材41r、と現像剤シール部材41b(図2も参照)で構成される。更に、現像剤を収納するためのシート部材41sを前もって容器枠体41wと構成したものを用いて現像剤の充填を行った。
図1に示すように、現像剤供給用の開口部41aが形成されていて、この開口部41aには、図2及び図3に示すように、現像剤シール部材41bが熱溶着等により剥離可能に固着されている。この現像剤シール部材41bで現像剤容器41に現像剤を密封させることにより、例えば現像カートリッジが使用者に届くまでの間の輸送中等に現像剤が飛散するのを防止している。尚、本実施の形態において現像剤シール部材41bは、可撓性を持つシート状の材質で構成している。
(従来例の現像剤容器に関する説明)
又、従来の現像剤容器41には、図3(a)に示すように、現像剤を収容するための現像剤充填口41cが一側面に設けられ、そこから現像剤が図4に示されるような容器枠体41wとフタ部材41rで形成された空間(受け入れ空間41dに相当)に収容される。尚、これまでに述べてきた現像剤容器41(又は容器枠体41w)は現像剤容器Xと言い換えて説明を続ける。
(本実施例及び従来例の現像剤充填に関する説明)
次に、本発明に係る現像剤tの充填方法について図5(a),(b)を用いて説明する。
図5(a)に示すように、製造されたばかりの現像剤tが貯蔵されているホッパー50の排出ノズル51の内部には、排出スピードを規制しながら現像剤tを排出するオーガー52が設けられている。
ホッパー50内の現像剤tは、一定の排出スピードで排出ノズル51から排出される。そして、排出ノズル51より排出された現像剤tは、現像剤容器Xに向かって排出され、現像剤容器X内に充填される。このとき、図5(a)に示す現像剤容器Xは従来の充填口41cを備えない場合の容器枠体41wにシート部材41sを組み立てたものである(後述する表1に示すところの実施例1及び実施例2)。
一方、図5(b)に示す現像剤容器は従来の充填口41cを備えた場合の現像剤容器41である(後述する表1に示すところの従来例1及び従来例2)。
以上のように、現像剤tの充填中もしくは充填が完了した後、図5(a)に示した現像剤容器Xにおいては、図6及び図7に示すように、シート部材41を折り畳んで(折り畳む前に図6に示すように適宜切り込みを入れても良い)、フタ部材41rを容器枠体41wに装着した。
(本実施例における現像剤充填に関する説明)
次に、現像枠体41wとシート部材41sを組み立てた現像剤容器X内に充填された現像剤tの状態について説明する。
図8に示すように、充填により現像剤tは容器枠体41の適宜水平移動(方向Mx、方向My)によって、受け入れ空間41dに充填され、現像剤容器X内での粉面がhfの位置(図6参照)まで充填される。このとき、充填中若しくは充填直後に、現像剤の粉面が均すための適宜振動付与を行うとより好ましい。
又、充填ノズル51とシート部材41sとの関係について補足すると、充填ノズル51がシート部材41sの受け入れ空間に入った状態(寸法Lxを確保)で充填を行うと、現像剤の多少の飛散があってもシート部材41の外によりはみ出しにくい状態を得ることができる。
よって、好ましくは容器枠体41wの位置を充填ノズル51に近づけて、シート部材41sの中にノズル51が入るようにした方が良い。本実施の形態においては、寸法Lxを10mmとした。
以上図6、図8に示すように、充填により現像剤tを現像剤容器X内での粉面がhfの位置まで充填する。
その際、粉面は容器枠体の受け入れ口の位置よりも高くした。本実施の形態では、フタ部材41r受け入れ空間41dの深さLr(図4参照)を25mmとし、粉面hfの高さを容器枠体の受け入れ口から22mmとした。
詳しく述べると、容器枠体の内容積を625cc、フタ部材の内容積を475ccとし、合わせて1100ccの現像剤容器になるように形成した。現像剤は図3(a)に示すような同形状の補給容器に充填口41cを備えて、従来の充填方法にて振動付与させて充填を行ったときの最大充填量を予め確認しておいた結果に基づいて充填量目標値を設定した。
充填量目標値を473gとし、そのときの充填率目標を0.43g/ccとした。
その結果、図6に示すところの(充填口41cの無い容器枠体41w及びシート部材41s)の現像剤容器Xに現像剤tを充填したところ、上記のように粉面hfの高さは22mmとなった。
この状態から次に図7に例示するようにシート部材41sを折り畳む。シート部材41sはポリオレフィン製の厚さ30ミクロンのものを用い、図1に示す現像枠体41wの内壁の全周に渡って両面テープRTで接合して組み立てた。因に、その他の材質や厚さ及び接合手段を用いても問題はなく、最終的に接合部adが隙間無くしっかりと接合されて、容器枠体41wから上方にはみ出している部分が折り曲げ(折り畳み)可能なシート部材であれば、各材質やシート部材の厚さ等は特に限定しない。
例えば、図10に示すような水平方向に広げたシート部材であっても、充填する際にシートの端を上方に持ち上げて充填を行えば、現像剤の粉面高さが容器枠体41wを超えても充填が可能である。
この時点で粉面hfが容器枠体41wの内壁を超えた高さになっている一方、容器枠体41wの隅部には現像剤が行き届いていない空間が発生することがある。ここで、この空間が極力発生しないように容器枠体に振動を付与すると現像剤の山が崩れたり、或る程度粉面が均されるようになって、上記の空間も或る程度埋まるようになる。
又、振動を付与しない場合は現像剤を充填しようとすると、粉面hfの頂点は更に高くなるので、容器枠体41wからはみ出した分の現像剤tは、フタ部材41rで押さえて同フタ部材41rの受け入れ空間41dで入るような量を見込んで充填する。
シート部材41sの折り畳みの要領も特に限定はしないが、本実施の形態においてはフタ部材41rを装着する際にフタ部材41rからはみ出すことがないように折り畳み、シート部材41s内の空間が或る程度無くなる程度まで折り畳んだ。更に、適当量の粘着テープ(不図示)で折り畳んだシート部材を仮止めして、その上から被さるフタ部材41rと付着するようにしても良い。
その他の方法としては、例えば図6に示すようにシート部材41sの高さhsを粉面hfよりも10mm程度に調節しておいて、過剰なシート部材の余分が発生しないようにしてフタ部材をそのまま被せるようにしても良い。
以上のような調節を施すことにより、例えば厚さ0.5mmのシート部材でも摘要でき、余分なシートによる若干の内容積の損失やシートの撓み不良の弊害を無くすことができる。
次に、図4や図3(b)に示すように、フタ部材を被せて現像剤容器41を組み立てるが、その時にフタ部材41rは、現像剤tを(シート部材41s越しに)受け入れ空間41d内で押し動かす。押し動かされた現像剤tは、容器枠体41wやフタ部材41rの各受け入れ空間内に倣って収まるべく、充填中に行き渡らなかった隅部の空間やフタ部材の受け入れ空間41d等に移動して収まる。
このような作用を起こすことにより、現像剤容器Xの中に充填された現像剤tは、その粉面hfが見掛け上でフタ部材41rを被せた時の補給容器の全高よりも高い粉面(充填時)になっても、フタ部材41rに押し動かされることによって補給容器内に収まり、シート部材41sは、現像剤tが補給容器41から噴出したり漏れたりするのを抑える。
(実施例及び従来例の比較に関する説明)
以上のような、現像剤充填方法や各実施例、従来例の現像剤容器Xを用いて、充填性を確認すべく、以下のような共通条件にて充填率比較テストを行った。
オーガースクリュー回転数:400rpm
スクリュー外径 :φ21mm
スクリューピッチ :30mm
スクリュー軸径 :φ6.5mm
充填ノズル内径 :φ23mm
尚、振動付与については後述する表1に示す従来例2、実施例1−2、実施例2−2のテストにおいて、全振幅0.3mmにて、表1に示すオーガー稼動時間に現像剤容器Xへ振動を与えた。
尚、充填に用いた現像剤は二成分系、体積平均径6μmの乾式粉体トナーで、充填量はオーガー直下での粉面高さが、図6に示す粉面高さhfから下5mm以内に収まるように充填し、そのときの充填量(単位g)の結果確認をした。
又、従来例として、実施例1に用いた現像剤容器に充填口を設けたもの(図3参照)でも従来通りの充填方法で充填率の確認を行った。その際の条件は以下の通りである。
従来例1:振動付与無し、1回充填、丸穴の充填口有り(口径φ25mm)
従来例2:振動付与有り、1回充填、丸穴の充填口有り(口径φ25mm)
これら従来例1ないし2に対し、実施例1ないし2は以下のような条件で行った。
実施例1(図1参照):従来例と同じ内容積だが、丸穴の充填口無し。
容器枠体にシート部材を装着してから現像剤を充填し、充填中は容器枠体を適宜横移動させながら、受け入れ空間に満遍なく充填する。
実施例1−1は振動付与せず、同1−2は振動付与した。
実施例2(図9参照):従来例の充填口を無くし、その分のスペースを生かして内容積を拡張したもの。内容積1112cc
実施例2−1は振動付与せず、同2−2は振動付与した。
尚、実施例については移動可能な治具を製作し、そこに容器枠体を置いて移動させながら現像剤を充填した。
以上の条件にて、各従来例及び実施例の充填率を確認したところ、表1に示すように良好な結果が得られた。
Figure 2006267679

表1に示す結果によると、従来例1では通常1回充填のみで473gで留まっていたものが、従来例2の振動付与で500gと増えて振動付与による増量を再現できた。
これらの結果に対し、実施例1−1の振動付与がない状態では517gと充填量を増やすことができ、実施例1−2では振動付与の効果を得て539gと更に充填量を増やすことができ、且つ、現像剤のはみ出しを抑えながらシート部材41sを折り畳んでフタ部材41rを組み立てることができた。
因に、実施例1でシート部材41sを装着しないものでも充填してみた(本発明の比較例となる確認である。表1参照)が、目標充填量473g以上を充填しようとすると、充填中に容器枠体外への現像剤の飛散があり、更にフタ部材を被せたときに現像剤噴き出しが発生してしまう弊害が見られた。そのため、これらの弊害の無いように充填した結果、468gに留まった。
これに対し、シート部材41sを装着した実施例1では、上記のような飛散や噴き出しが抑えられ、弊害なく充填量を増やすことができた。よって、実施例1で充填した場合、清掃工程が極めて簡易的なもの(例えば、ハンディモップ等の拭き取り用具のみだけ)で事足りることが判明した。
そして、実施例2では従来の充填口41cを無くした代わりにその分内容積拡大した現像剤容器Xで充填を行い、結果は内容積拡大によって更に充填量を増やすことができ(525g)、更にシート部材の装着によって実施例1と同じく現像剤の飛散や噴き出しを抑えることができた。実施例2−2でも内容積を拡大した分、更に充填量を増やすことができた(544g)。
このときのトータルな充填工程時間は、表1に示すオーガー稼動時間と組み立て工程に補給容器を置いたり、取り外したりする時間が加えられるため、実際は21秒以上の時間を必要となってしまうが、実施例1及び2で充填を行う場合、オーガースクリュー径は従来例1や2のような充填口の大きさに制約を受けないため、例えばφ25mmより大きな径のオーガースクリューを用いても良いので、例えばオーガースクリュー径をφ30mm等に大きくして現像剤の時間当たりの現像剤送り込み量を増やすことによって、充填工程時間を減らすことができる。
尚、ここまで現像剤補給容器としてのプロセスカートリッジ及び現像剤容器を例示して説明したが、本発明の現像剤充填方法及び充填装置は現像カートリッジにも同様に適用できる。
本発明の実施例1に係る現像剤容器の概略斜視図である。 本発明の実施例1に係る現像剤容器の概略斜視図である。 本発明の実施例及び従来例に係る現像剤容器の概略斜視図である。 本発明の実施例に係る容器枠体とフタ部材の組み立てを示す図である。 本発明の実施例及び従来例に係る現像剤充填の概略図(部分断面図示)である。 本発明の実施例に係る現像剤充填とシート部材の状態を示す図である。 本発明の実施例に係る現像剤充填とシート部材の状態を示す図である。 本発明の実施例に係る現像剤充填の状態を示す図である。 本発明の従来例及び実施例2に係る現像剤容器の概略を示す図である。 本発明の実施例に係るシート部材の一例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるプロセスカートリッジの概略斜視図である。
符号の説明
41 現像剤収容部(=現像剤容器Xに該当)
41a 開口部
41b 現像剤シール部材
41c 現像剤充填口
41d 現像剤収容部の空間
50 ホッパー
51 排出ノズル
52 オーガー
hf 粉面(充填終了レベル)
Mx 移動方向
My 移動方向
t 現像剤(トナー)
U プロセスカートリッジ
X 現像剤容器

Claims (6)

  1. 画像形成装置本体に現像剤を補給するための現像剤補給容器であって、
    前記現像剤補給容器は現像剤を排出するための排出口と、現像剤を前記現像剤補給容器に充填するための充填開口とを有する容器枠体と、前記充填開口を密封するための蓋部材とを有し、前記充填開口部には可撓性シート部材を前記充填開口部の縁から立ち上がるようにして設け、現像剤充填後に蓋部材を取り付けて前記充填開口を密封する際に、前記可撓性シート部材が前記蓋部材と前記容器枠体内に収納されることを特徴とする現像剤補給容器。
  2. 前記シート部材の装着によって生成される現像剤受け入れ口を、装着前の前記補給容器の前記充填開口よりも広く、大きくするための前記シート部材を装着したことを特徴とする請求項1記載の現像剤補給容器。
  3. 前記シート部材は厚さ10μm以上0.5mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の現像剤補給容器。
  4. 前記補給容器は現像剤の受け入れ可能な空間を持つ容器枠体と、同じく現像剤の受け入れ可能な空間を持つ蓋部材で構成される現像剤補給容器の枠体であって、前記シート部材の装着によって、前記蓋部材を組み立てて完成した現像剤補給容器内で前記蓋部材の形状に対応して前記シート部材が変形し、その状態を保持することにより前記容器枠体と蓋部材との空間の合計と同等以上の現像剤受け入れ空間を生成することを特徴とする現像剤補給容器。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の現像剤補給容器において、現像剤充填時は現像剤を、前記充填開口部を超えて、シート部材に掛かるまで充填することを特徴とする現像剤補給容器の製造方法。
  6. 前記補給容器の中及び前記シート部材の中に渡って現像剤を充填し、前記シート部材の上端を折り畳んで前記蓋部材を組み立てることを特徴とする請求項5記載の現像剤補給容器の製造方法。
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