JP2006267358A - 電気光学装置および電子機器 - Google Patents

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JP2006267358A JP2005083379A JP2005083379A JP2006267358A JP 2006267358 A JP2006267358 A JP 2006267358A JP 2005083379 A JP2005083379 A JP 2005083379A JP 2005083379 A JP2005083379 A JP 2005083379A JP 2006267358 A JP2006267358 A JP 2006267358A
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Abstract


【課題】 電気光学装置において、画素容量に直流が印加されるのを防止する。
【解決手段】 画素容量は、画素毎に個別の画素電極118と各画素にわたって共通の共通電極108とによって液晶105を挟持した構成となっている。画素110は、この画素容量と、走査線112が選択されたときに導通状態となって、データ線114に供給されたデータ信号に応じた電圧を画素容量に書き込むTFT116と、一端が画素電極118に接続され、他端が容量線107に接続された蓄積容量109と、一端が画素電極118に接続され、他端が容量線107に接続された抵抗素子129とを含む。容量線107と共通電極108とを電気的に接続して電圧LCcomを印加する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電気光学装置における表示品位の低下を防止する技術に関する。
液晶などの電気光学材料の電気光学的な変化を用いて画像を表示する電気光学装置は、
複数行の走査線と複数列のデータ線との各交差において、スイッチング素子(典型的には
薄膜トランジスタ)と、画素容量とをそれぞれ有する構成となっている。このうち、画素
容量は、画素毎に個別の画素電極と、各画素にわたって共通であって一定の電位に保たれ
た共通電極とによって電気光学材料を挟持する。この構成において、ある1行の走査線が
選択されると、当該選択走査線に対応するスイッチング素子が導通(オン)状態となって
、データ線が画素電極に接続され、当該データ線に供給されたデータ信号に応じた電圧が
、画素容量に保持される。画素容量は、保持電圧に応じて透過(または反射)光量が変化
するように構成されているので、所定の順番で走査線を選択するとともに、選択した走査
線に位置する画素に対し、階調に応じた電圧のデータ信号をデータ線に供給することによ
って、画素毎に階調を制御した表示が可能となる。
ところで、上述したように画素容量は電圧保持性を有するので、画素容量に電圧が保持
されたまま電源を遮断すると、画素容量に直流が印加された状態が長期間にわたって継続
し、液晶が劣化する。
このため、画像表示の停止時や電源の遮断時には、各画素電極および共通電極に印加さ
れる電位を電源の低位側電位(接地電位)にさせることによって画素容量に保持される電
圧をゼロに近づける技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−147416号公報(段落0068、0077および図8)
しかしながら、この技術では、画像表示の停止時や電源の遮断時に、画素電極の電位が
直ちに接地電位に到達するのに対し、共通電極の電位が、接地電位に到達するまでに時間
を要する場合がある。特に、共通電極の電位を平滑化するためのコンデンサが共通電極と
接地線との間に介挿された構成では、コンデンサの放電の分、時間を必要としてしまう。
このため、結果的に、画素電極と共通電極とで電位差が生じて、画素容量に直流が印加さ
れてしまう状態が発生し得るという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、画素
容量に保持される電圧を迅速にゼロに近づけて、画素容量に直流が印加されるのを防止し
た電気光学装置および電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、複数行の走査線と複数列のデータ線との交差に
対応して設けられた複数の画素と、前記走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と
、選択された走査線に対応する画素の階調に応じたデータ信号を、前記データ線に供給す
るデータ線駆動回路とを有し、前記複数の画素は、画素毎に個別の画素電極と、各画素に
わたって共通の共通電極と、一端が前記画素電極に電気的に接続され、他端が所定の電位
の電位線に電気的に接続された抵抗素子とを含むことを特徴とする。
この構成によれば、各画素容量に蓄積された電荷は抵抗素子を介してリークするので、
画素容量に保持された電圧を速やかにゼロとすることが可能となる。また、表示時にあっ
ては、スイッチング素子のオフ時におけるリークが正極性と負極性とで異なっても、スイ
ッチング素子のオフリークよりも、抵抗素子を介したリークが大きければ、極性の相違に
よるリーク差の影響を少なくすることも可能となる。
本発明において、前記画素は、前記画素電極と同電位になる一の電極と、各画素にわた
って共通の容量線と同電位になる二の電極とを備えた蓄積容量を有し、前記抵抗素子の他
端は、前記容量線に接続された構成としても良い。この構成において、前記容量線と前記
共通電極とが電気的に接続されるのが望ましい。
また、本発明において、前記抵抗素子の他端は、前記共通電極に接続された構成として
も良い。さらに、電子機器として、上記電気光学装置を有する構成としても良い。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る
電気光学装置の全体構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、電気光学装置10は、処理回路50と表示パネル100とに
大別される。このうち、処理回路50は、プリント基板に形成された回路モジュールであ
り、表示パネル100とは、FPC(Flexible Printed Circuit)基板等によって接続さ
れている。
処理回路50は、さらに、データ信号供給回路300、走査制御回路52および電圧生
成回路54から構成される。このうち、データ信号供給回路300は、S/P変換回路3
20、D/A変換回路群340および増幅・反転回路350を有する。
S/P変換回路320は、垂直走査信号Vs、水平走査信号Hsおよびドットクロック
信号DCLKに同期して図示しない上位装置から供給されるディジタルの画像データVd
を、6チャネルに分配するとともに、それぞれ時間軸に6倍に伸長して(相展開またはシ
リアル−パラレル変換ともいう)、画像データVd1d〜Vd6dとして出力するもので
ある。ここで、画像データVdは、画素の階調(明るさ)を指定するディジタルデータで
あり、水平帰線期間では、最低階調(黒色)に指定する。なお、水平帰線期間において最
低階調に指定する理由は、主に、タイミングズレなどにより画素に供給されたとしても、
当該画素を表示に寄与させないためである。説明の便宜上、画像データVd1d〜Vd6
dをそれぞれチャネル1〜6と称している。
D/A変換回路群340は、チャネル毎に設けられたD/A変換器の集合体であって、
画像データVd1d〜Vd6dを、それぞれ階調値に応じた電圧のアナログ信号に変換す
るものである。
増幅・反転回路350は、アナログ変換された信号を、後述する電圧Vcを基準にして
正転または極性反転して、データ信号Vid1〜Vid6として表示パネル100に供給
するものである。
極性反転については、(a)走査線毎、(b)データ線毎、(c)画素毎、(d)面(
フレーム)毎など様々な態様があるが、本実施形態にあっては(a)走査線毎の極性反転
であるとする。ただし、本発明をこれに限定する趣旨ではない。
なお、電圧Vcは、後述する図5に示されるように画像信号の振幅中心電圧である。ま
た、本実施形態では、便宜上、データ信号Vid1〜Vid6について、振幅中心電圧V
cよりも高位側を正極性と、低位側を負極性と、それぞれ称している。
本実施形態では、画像データVdをシリアル−パラレル変換した後にアナログ変換する
構成とするが、シリアル−パラレル変換前にアナログ変換しても良いのはもちろんである
ここで、便宜上、表示パネル100の構成について説明する。この表示パネル100は
、電気光学変化によって所定の画像を形成するものである。図2は、表示パネル100の
電気的な構成を示すブロック図であり、図3(a)は、表示パネル100の画素の詳細な
構成を示す図である。この表示パネル100は、素子基板と共通電極が形成された対向基
板とを一定の間隙をもってシール材によって貼り合わせるとともに、この間隙に液晶を封
止した構成となっている。
図2に示されるように、表示パネル100では、864行の走査線112が図において
X(水平)方向に延在する一方、1152(=192×6)列のデータ線114が図にお
いてY(垂直)方向に延在している。そして、これらの走査線112とデータ線114と
の交差部分に対応するように画素110が設けられている。したがって、画素110は、
本実施形態では、縦864行×横1152列のマトリクス状に配列することになるが、本
発明をこれに限定する趣旨ではない。
なお、本実施形態において、1152列のデータ線114は、6列毎にブロック化され
ている。説明の便宜上、左から数えて1、2、3、…、192番目のブロックを、それぞ
れB1、B2、B3、…、B192と表記する。
画素110の詳細な構成については、図3(a)に示されるように、nチャネル型のT
FT(薄膜トランジスタ)116のソースがデータ線114に接続されるとともに、ドレ
インが画素電極118に接続される一方、ゲートが走査線112に接続されている。
また、素子基板に形成された画素電極118に対向するように共通電極108が全画素
に対して共通に設けられて、時間的に一定の電圧LCcomに維持される。そして、これら
の画素電極118と共通電極108との間に液晶105が挟持されている。このため、画
素毎に、画素電極118、共通電極108および液晶105からなる画素容量が構成され
ることになる。
特に図示はしないが、両基板の各対向面には、液晶分子の長軸方向が両基板間で例えば
約90度連続的に捻れるようにラビング処理された配向膜がそれぞれ設けられる一方、両
基板の各背面側には配向方向に応じた偏光子がそれぞれ設けられる。
画素電極118と共通電極108との間を通過する光は、画素容量に印加される電圧実
効値がゼロであれば、液晶分子の捻れに沿って約90度旋光する一方、当該電圧実効値が
大きくなるにつれて、液晶分子が電界方向に傾く結果、その旋光性が消失する。このため
、例えば透過型において、入射側と背面側とに、配向方向に合わせて偏光軸が互いに直交
する偏光子をそれぞれ配置させると、当該電圧実効値がゼロに近ければ、その単位時間に
おける平均的な光の透過率が最大となって白色表示になる一方、電圧実効値が大きくなる
につれて透過する光量が減少して、ついには透過率が最小である黒色表示になる(ノーマ
リーホワイトモード)。
また、蓄積容量109が画素毎に形成されている。この蓄積容量109の一端は、画素
電極118(TFT116のドレイン)に接続される一方、その他端は、容量線107に
接続されている。
この容量線107は、図2に示されるように、各画素110にわたって共通であり、共
通電極108と同じ電圧LCcomが印加されている。なお、対向基板に形成された共通電
極108は、容量線107に接続された電極107aと、上記シール材に混入された導通
粒子とを介して電気的に接続されている。
一方、図3(a)に示されるように、各画素110においては、画素電極118と容量
線107との間において、抵抗素子129が電気的に介挿されている。
なお、画素110におけるTFT116は、次に説明する走査線駆動回路130や、ブ
ロック選択回路140、サンプリングスイッチ151などと共通の製造プロセスで形成さ
れて、装置全体の小型化や低コスト化に寄与している。
続いて、画素110が配列する領域の周辺には、走査線駆動回路130や、ブロック選
択回路140などの周辺回路が設けられている。このうち、走査線駆動回路130は、図
4に示されるように、順次排他的に1水平走査期間にわたってHレベルになる走査信号G
1、G2、G3、…、G864を、それぞれ1行目、2行目、3行目、…、864行目の
走査線112に供給するものである。なお、走査線駆動回路130の詳細については、本
発明と直接関連しないので省略するが、1垂直走査期間(1F)の最初に供給されるとと
もに、クロック信号CLYの半周期程度のパルス幅(Hレベル)を有する転送開始パルス
DYを、当該クロック信号CLYのレベルが遷移する(立ち上がる、または、立ち下がる
)毎に順次シフトして、走査信号G1、G2、G3、…、G864として出力して、表示
パネル100を垂直走査する構成となっている。
次に、ブロック選択回路140は、図4に示されるように、1水平走査期間の開始時に
供給されるとともに、クロック信号CLXの1周期程度のパルス幅(Hレベル)を有する
転送開始パルスDXを、クロック信号CLXのレベルが遷移する毎に順次シフトするとと
もに、そのパルス幅を狭めて、サンプリング信号S1、S2、S3、…、S192として
出力して、表示パネル100を水平走査するものである。
なお、走査信号やサンプリング信号のHレベルに相当する電圧は電源の高位側電圧Vdd
であり、Lレベルに相当する電圧は電源の低位側電圧Vssであって、この電圧Vssが接地
電位Gnd(電圧ゼロ)となっている。
サンプリング回路150は、データ線114の各々に対応して設けられたサンプリング
スイッチ151の集合体である。各サンプリングスイッチ151は、例えばnチャネル型
のTFTであり、そのドレインはデータ線114に接続されている。
ここで、同一ブロックに属するデータ線114に対応する6個のサンプリングスイッチ
151のゲートには、ブロックに対応するサンプリング信号が共通に供給される。例えば
、ブロックB4に属する19〜24列目のデータ線114に対応する6個のサンプリング
スイッチ151のゲートには、当該ブロックB4に対応するサンプリング信号S4が共通
に供給される。
サンプリングスイッチ151のソースは、次のような関係でデータ信号Vid1〜Vi
d6が供給される6本の画像信号線171のいずれかに接続されている。
すなわち、図2において左から数えてj列目のデータ線114の一端にドレインが接続
されたサンプリングスイッチ151は、jを6で割った余りが「1」であるならば、その
ソースが、データ信号Vid1が供給される画像信号線171に接続され、同様に、jを
6で割った余りが「2」、「3」、「4」、「5」、「0」であるデータ線114にドレ
インが接続されたサンプリングスイッチ151は、そのソースが、データ信号Vid2〜
Vid6が供給される画像信号線171にそれぞれ接続されている。例えば、図2におい
て23列目のデータ線114にドレインが接続されたサンプリングスイッチ151のソー
スは、「23」を6で割った余りが「5」であるから、データ信号Vid5が供給される
画像信号線171に接続される。なお、jは、データ線114の列を説明するための符号
であり、本実施形態では1以上1152以下の整数である。
ここで、あるサンプリング信号がHレベルになると、当該サンプリング信号に対応する
ブロックの6個のサンプリングスイッチ151がオンして、画像信号線171に供給され
ているデータ信号Vid1〜Vid6を、当該ブロックに属する6列のデータ線114に
サンプリングする。このため、ブロック選択回路140およびサンプリング回路150に
よって、データ線駆動回路が構成されることになる。
再び説明を図1に戻すと、走査制御回路52は、上位装置から供給されるドットクロッ
ク信号DCLK、垂直走査信号Vsおよび水平走査信号Hsから、転送開始パルスDXお
よびクロック信号CLXを生成してブロック選択回路140による水平走査を制御すると
ともに、転送開始パルスDYおよびクロック信号CLYを生成して、走査線駆動回路13
0による垂直走査を制御するものである。また、走査制御回路52は、水平走査に同期し
て、上述したS/P変換回路320における相展開を制御するとともに、増幅・反転回路
350における書込極性を指定する。
電圧生成回路54は、電圧LCcomを生成するとともに、当該電圧LCcomを、容量線1
07および電極107a(導通粒子)を介して共通電極108に、容量線107を介して
各画素110の蓄積容量109の他端に、それぞれ印加する。
次に、本実施形態の電気光学装置10の動作について説明する。図4は、本実施形態に
係る電気光学装置10の垂直および水平走査を示すタイミングチャートであり、図5は、
連続する水平走査期間にわたって供給されるデータ信号の電圧波形の例を示す図である。
上述したように、走査信号G1、G2、G3、…、G864が、図5に示されるように
、走査線駆動回路130によって1水平走査期間毎に順次排他的にHレベルになる。
各水平走査期間では、水平走査に同期して供給される画像データVdが、第1に、S/
P変換回路320によって6チャネルに分配されるとともに、時間軸に対して6倍に伸長
され、第2に、D/A変換回路群340によってそれぞれアナログ信号に変換され、第3
に、当該アナログ信号が、増幅・反転回路350によって正極性書込であれば電圧Vcを
基準に正転出力され、負極性書込であれば電圧Vcを基準にして反転出力される。
ここで、走査信号G1がHレベルになる水平走査期間では、正極性で書き込みが行われ
るものとすると、当該水平走査期間において、増幅・反転回路350によるデータ信号V
id1〜Vid6の電圧は、画素を暗くさせるほど、電圧Vcよりも高位となる(図5参
照)。
一方、走査信号G1がHレベルになる水平走査期間では、転送開始パルスDXがブロッ
ク選択回路140によって順次シフトされるとともに、そのパルス幅が狭められて、サン
プリング信号S1、S2、S3、…、S192が出力される。
走査信号G1がHレベルになる水平走査期間では、1行目の走査線112に位置する画
素110のTFT116において、ソース・ドレイン間が導通(オン)状態となる。一方
、サンプリング信号S1がHレベルになると、ブロックB1に属する1〜6列目のデータ
線114には、データ信号Vid1〜Vid6がそれぞれサンプリングされる。このため
、サンプリングされたデータ信号Vid1〜Vid6は、図2において上から数えて1行
目の走査線112と当該6本(左から数えて1〜6列目)のデータ線114と交差する画
素の画素電極118にそれぞれ印加されることになる。
この後、サンプリング信号S2がHレベルになると、今度は、ブロックB2に属する7
〜12列目のデータ線114には、データ信号Vid1〜Vid6がそれぞれサンプリン
グされて、これらのデータ信号Vid1〜Vid6が、1行目の走査線112と当該7〜
12列目のデータ線114と交差する画素の画素電極118にそれぞれ印加されることに
なる。
以下同様にして、サンプリング信号S3、S4、……、S192が順次排他的にHレベ
ルになると、ブロックB3、B4、…、B192に属する6列のデータ線114にデータ
信号Vid1〜Vid6の対応するものがそれぞれサンプリングされ、これらのデータ信
号Vid1〜Vid6が、1行目の走査線112と当該6列のデータ線114と交差する
画素の画素電極118にそれぞれ印加されることになる。これにより、第1行目の画素の
すべてに対する書き込みが完了することになる。その後、走査信号G1がLレベルになっ
てTFT116がオフしても、書き込まれた電圧は、画素容量や蓄積容量109によって
保持される。
続いて、走査信号G2がHレベルになる期間について説明する。本実施形態では、上述
したように、走査線単位の極性反転が行われるので、この水平走査期間においては、負極
性書込が行われることになる。
一方、水平帰線期間において画像データVdは画素の黒色化を指定するが、直前の水平
有効表示期間では正極性書込であったので、データ信号Vid1〜Vid6は、図5に示
されるように、この水平帰線期間の略中心タイミングにおいて、画素電極118に印加さ
れた場合に当該画素を最低階調の黒色とさせる正極性電圧Vb(+)から当該画素を最低階調
の黒色とさせる負極性電圧Vb(-)へと切り替わる。
なお、図5における電圧の関係について言及すると、電圧Vw(-)、Vg(-)は、画素電極
118に印加された場合に当該画素を、それぞれ最高階調の白色、中間階調である灰色と
させる負極性電圧である。一方、Vw(+)、Vg(+)は、画素電極118に印加された場合に
、それぞれ当該画素を最高階調の白色、中間階調である灰色とさせる正極性電圧であり、
電圧Vcを基準にしたときにVw(-)、Vg(-)と対称関係にある。
走査信号G2がHレベルになる水平走査期間の動作は、走査信号G1がHレベルになる
水平走査期間と同様であり、サンプリング信号S1、S2、S3、…、S192が順次排
他的にHレベルになり、これにより、第2行目の画素のすべてに対する書き込みが完了す
ることになる。ただし、走査信号G2がHレベルとなる水平走査期間は負極性書込である
ので、増幅・反転回路350は、6チャネルに分配伸長された信号を、負極性書込に対応
して、電圧Vcを基準に反転して出力する。このため、データ信号Vid1〜Vid6の
電圧は、画素を暗くさせるほど、電圧Vcよりも低位となる(図5参照)。
以下同様にして、走査信号G3、G4、…、G864がHレベルになって、第3行目、
第4行目、…、第864行目の画素に対して書き込みが行われることになる。これにより
、奇数行目の画素については正極性書込が行われる一方、偶数行目の画素については負極
性書込が行われて、この1垂直走査期間では、第1行目〜第864行目の画素のすべてに
わたって書き込みが完了することになる。
なお、データ信号Vid1〜Vid6は、水平帰線期間の略中心タイミングにおいて、
正極性書込の水平有効表示期間から負極性書込の水平有効表示期間に移行する場合には電
圧Vb(+)から電圧Vb(-)へ、負極性書込の水平有効表示期間から正極性書込の水平有効表
示期間に移行する場合には電圧Vb(-)から電圧Vb(+)へ、それぞれ切り替わる。
また、次の1垂直走査期間においても、同様な書き込みが行われるが、この際、各行の
画素に対する書込極性が入れ替えられる。すなわち、次の1垂直走査期間において、奇数
行目の画素については負極性書込が行われる一方、偶数行目の画素については正極性書込
が行われることになる。
このように、1垂直走査期間毎に画素に対する書込極性が入れ替えられるので、液晶1
05に直流成分が印加されることがなくなり、液晶105の劣化が防止される。
一般に、画素容量に直流成分が長期間にわたって印加され続けると、液晶が劣化するの
で、各画素にオフ電圧(ノーマリーホワイトモードであれば白色にさせる電圧)を印加し
た後に、画像表示を停止させたり、電源を遮断したりする構成が採用される。このため、
背景技術で述べた技術を採用しない場合には、画像表示の停止時や電源の遮断時する前に
、このようなオフ電圧を少なくとも1垂直走査期間以上にわたって行うオフシーケンス動
作が必要となり、制御が煩雑となる。
一方、背景技術で述べた技術を採用しても、画素容量に直流が印加されてしまう状態が
発生し得るのは、上述した通りである。
これに対し、本実施形態では、各画素110において抵抗素子129が画素電極118
と容量線107との間において電気的に介挿されるとともに、容量線107が共通電極1
08に接続されているので、画素電極118に保持された電圧は、抵抗素子129の抵抗
値および画素容量と蓄積容量との合成容量とに応じた時定数で直ちに減衰する。したがっ
て、本実施形態によれば、オフシーケンス動作を実行しなくても、画像表示の停止時や電
源の遮断時することが可能となる。
なお、電源が遮断されると、電圧生成回路54も停止するので、電圧LCcomが不定と
なるが、各画素110において抵抗素子129が画素電極118と共通電極108との間
において容量線107を介して接続されているので、画素容量に蓄積される電荷のリーク
は、共通電極108の電位とは無関係に進行することになる。
また、本実施形態によれば、各画素110において抵抗素子129を画素電極118と
共通電極108との間に接続したことにより、フリッカー、すなわち明滅差が低減される
。この点について詳述する。
上述したように、共通電極108に印加される電圧LCcomは、極性反転の基準である
電圧Vcよりも低位となるように設定される。この理由は、いわゆるサンプリングスイッ
チ151を構成するTFTのプッシュダウンの影響を考慮したためである。このプッシュ
ダウンについて簡単に説明すると、TFTであるサンプリングスイッチ151のゲート電
圧(サンプリング信号)がHレベルからLレベルに変化するときに(オンからオフすると
きに)、ドレイン側で保持された電圧が低下する現象である。この原因は、特にゲート・
ドレイン間の寄生容量であり、ソース電圧が低いほど顕著に表れる。
このプッシュダウンの影響を波形として例示する。例えば、ある画素を灰色とするため
に、データ信号としてある垂直走査期間において電圧Vg(+)を正極性書込として書き込ん
だ後、次の垂直走査期間において、電圧Vg(-)を負極性書込として書き込んだ場合、当該
画素における画素電極118の電圧波形は、抵抗素子129を設けない構成であれば、図
6(b)に示される通りとなる。
詳細には、当該画素が選択される1水平走査期間にわたってTFT116はオンするが
、当該水平走査期間のうち、ブロックが選択される期間だけ、当該画素に対応するデータ
線のサンプリングスイッチ151がオンする。換言すれば、当該水平走査期間の途中でサ
ンプリングスイッチ151がオフする。このため、データ線114にサンプリングされた
データ信号は、サンプリングスイッチ151のオフ時におけるプッシュダウンの影響を受
けることになる。詳細には、この図に示されるように、正極性の灰色相当電圧Vg(+)を書
き込んだ直後のプッシュダウンPDよりも、負極性の灰色相当電圧Vg(-)を書き込んだ直
後のプッシュダウンNDの方が大きくなる。
ここで、共通電極108に、極性反転の基準である電圧Vcを印加したのでは、液晶容
量の実効的な電圧が、正極性書込よりも負極性書込の方が大きくなるので、液晶容量に直
流成分が印加されてしまう。これを避けるために、プッシュダウン量が極性で異なっても
、図6(b)に示されるように、共通電極108に印加する電圧LCcomを電圧Vcよりも
低位側に設定するのである。これにより、結果的に、液晶容量に印加される電圧実効値が
正負の極性にわたって互いに等しくなる。
なお、図6(b)において、ハッチングで示された領域が、画素電極118の電圧と共
通電極108の電圧LCcomとの差、すなわち、画素容量に印加される電圧の実効値に寄
与する部分である(後述する図6(a)においても同じ)。
次に、電圧LCcomを電圧Vcよりも低位側に設定した場合、保持期間における電圧変化
は、正極性書込が負極性書込よりも大きくなる。
上述したように画素容量の光透過率は電圧の実効値で定まるが、瞬間的な光透過率は、
液晶分子の応答遅延のために、画素容量における電圧変化の影響を受ける。詳細には、図
6(b)の下部に示されるように、正極性書込と負極性書込とにおける光透過率について
は、時間的な平均値は互いにほぼ等しいが、変化の度合いは、電圧変化の大きい正極性書
込の方が、電圧変化の小さい負極性書込よりも、大きい。
この結果、光透過率が大きく変化する期間と小さく変化する期間とが交互に発生するの
で、肉眼ではフリッカーとして視認される。
これに対して、本実施形態では、各画素110において抵抗素子129を画素電極11
8と共通電極108との間に接続したことにより、図6(a)に示されるように、保持期
間において、画素電極118の電圧、急速に共通電極108の電圧LCcomに向かう結果
、負極性書込においても光透過率が大きく変化する。
したがって、本実施形態では、図6(a)の下部に示されるように、正極性書込、負極
性書込のいずれにおいても、光透過率が大きく変化するので、周波数的にみれば高くなる
結果、肉眼ではフリッカーとして視認されにくいのである。
なお、上述した実施形態では、素子基板に画素電極118に形成される一方、対向基板
に共通電極108が形成される構成としたが、素子基板に両電極を形成して、液晶にかか
る電界方向を基板面方向とした、いわゆる面内スイッチング(in plane switching)方式
とすれば、容量線107(電極107aおよび導通粒子)を介することなく、直接、画素
電極118と共通電極108との間を抵抗素子129で接続することも可能である。
また、抵抗素子129の他端については、図3(b)に示されるように、データ線11
4に接続しても良い。
実施形態では、垂直走査方向がG1→G864の下方向であり、水平走査方向がS1→
S192の右方向であったが、後述するプロジェクタや回転可能な表示装置とする場合に
対処するために、走査方向を切替可能な構成としても良い。
また、実施形態にあっては、6列のデータ線114をブロック化して、画像データVd
1d〜Vd6dの6チャネルに変換する相展開駆動方式としたが、チャネル数および同時
に印加するデータ線数(すなわち、1ブロックに属するデータ線数)は、「6」に限られ
るものではない。また、いわゆる点順次駆動であっても良い。
さらに、データ信号供給回路300は、ディジタルの画像データVdを処理するものと
したが、アナログの画像信号を処理する構成としても良い。また、実施形態にあっては、
共通電極108と画素電極118との電圧実効値が小さい場合に白色表示を行うノーマリ
ーホワイトモードとして説明したが、黒色表示を行うノーマリーブラックモードとしても
良い。
上述した実施形態では、液晶としてTN型を用いたが、BTN(Bi-stable Twisted Ne
matic)型・強誘電型などのメモリ性を有する双安定型や、高分子分散型、さらには、分
子の長軸方向と短軸方向とで可視光の吸収に異方性を有する染料(ゲスト)を一定の分子
配列の液晶(ホスト)に溶解して、染料分子を液晶分子と平行に配列させたGH(ゲスト
ホスト)型などの液晶を用いても良い。
また、電圧無印加時には液晶分子が両基板に対して垂直方向に配列する一方、電圧印加
時には液晶分子が両基板に対して水平方向に配列する、という垂直配向(ホメオトロピッ
ク配向)の構成としても良いし、電圧無印加時には液晶分子が両基板に対して水平方向に
配列する一方、電圧印加時には液晶分子が両基板に対して垂直方向に配列する、という平
行(水平)配向(ホモジニアス配向)の構成としても良い。このように、本発明では、液
晶や配向方式として、種々のものに適用することが可能である。
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置を用いた電子機器の一例として、上述した
表示パネル100をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図7は、
このプロジェクタの構成を示す平面図である。この図に示されるように、プロジェクタ2
100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット2102が設けら
れている。このランプユニット2102から射出された投射光は、内部に配置された3枚
のミラー2106および2枚のダイクロイックミラー2108によってR(赤)、G(緑
)、B(青)の3原色に分離されて、各原色に対応するライトバルブ100R、100G
および100Bにそれぞれ導かれる。なお、B色の光は、他のR色やG色と比較すると、
光路が長いので、その損失を防ぐために、入射レンズ2122、リレーレンズ2123お
よび出射レンズ2124からなるリレーレンズ系2121を介して導かれる。
ここで、ライトバルブ100R、100Gおよび100Bの構成は、上述した実施形態
における表示パネル100と同様であり、処理回路(図7では省略)から供給されるR、
G、Bの各色に対応する画像信号でそれぞれ駆動されるものである。すなわち、このプロ
ジェクタ2100では、表示パネル100を含む電気光学装置が、R、G、Bの各色に対
応して3組設けられた構成となっている。
ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、ダイク
ロイックプリズム2112に3方向から入射する。そして、このダイクロイックプリズム
2112において、R色およびB色の光は90度に屈折する一方、G色の光は直進する。
したがって、各色の画像が合成された後、スクリーン2120には、投射レンズ2114
によってカラー画像が投射されることとなる。
なお、ライトバルブ100R、100Gおよび100Bには、ダイクロイックミラー2
108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設
ける必要はない。また、ライトバルブ100R、100Bの透過像は、ダイクロイックミ
ラー2112により反射した後に投射されるのに対し、ライトバルブ100Gの透過像は
そのまま投射されるので、ライトバルブ100R、100Bによる水平走査方向は、ライ
トバルブ100Gによる水平走査方向と逆向きにして、左右を反転させた像を表示する構
成となっている。
電子機器としては、図7を参照して説明した他にも、テレビジョンや、ビューファイン
ダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子
手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジ
タルスチルカメラ、携帯電話機、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして
、これらの各種の電子機器に対して上述した電気光学装置が適用可能なのは言うまでもな
い。
本発明の実施形態に係る電気光学装置の全体構成を示すブロック図である。 同電気光学装置における表示パネルの構成を示す図である。 同表示パネルの画素の構成を示す図である。 同電気光学装置の垂直・水平走査を説明するための図である。 同電気光学装置におけるサンプリングを説明するための図である。 同電気光学装置において画素容量で保持される電圧等を示す図である。 同電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクタの構成を示す図である。
符号の説明
10…電気光学装置、50…処理回路、52…走査制御回路、54…電圧生成回路、1
00…表示パネル、107…容量線、108…共通電極、109…蓄積容量、110…画
素、112…走査線、114…データ線、116…TFT、118…画素電極、129…
抵抗素子、130…走査線駆回路、140…ブロック選択回路、151…サンプリングス
イッチ、2100…プロジェクタ

Claims (5)

  1. 複数行の走査線と複数列のデータ線との交差に対応して設けられた複数の画素と、
    前記走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と、
    選択された走査線に対応する画素の階調に応じたデータ信号を、前記データ線に供給す
    るデータ線駆動回路と
    を有し、前記複数の画素は、
    画素毎に個別の画素電極と、
    各画素にわたって共通の共通電極と、
    一端が前記画素電極に電気的に接続され、他端が所定の電位の電位線に電気的に接続さ
    れた抵抗素子と
    を含むことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記画素は、
    前記画素電極と同電位になる一の電極と、各画素にわたって共通の容量線と同電位にな
    る二の電極とを備えた蓄積容量を有し、
    前記抵抗素子の他端は、前記容量線に接続された
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記容量線と前記共通電極とが電気的に接続された
    ことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記抵抗素子の他端は、前記共通電極に接続された
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
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