JP2006267351A - 光重合性組成物、感光性平版印刷版材料及び平版印刷版の製造方法 - Google Patents
光重合性組成物、感光性平版印刷版材料及び平版印刷版の製造方法Info
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Abstract
Description
本発明は、光重合性組成物、感光性平版印刷版材料及び平版印刷版の製造方法に関するものであり、詳しくは、感度が高く耐刷性および保存性に優れた光重合性組成物、感光性平版印刷版材料及び感光性平版印刷版の製造方法に関する。
従来より、親水化表面処理を行った支持体上に、光重合性層及び保護層を積層した平版印刷版材料が知られている。特に近年は、迅速に高解像度の平版印刷版材料を得るため、又、フィルムレス化を目的として、レーザーを使用する画像情報に基づくデジタル露光を行い、これを現像して平版印刷版を製造する方法が汎用化されている。一例を挙げると、電子製版システムや画像処理システム等からの出力信号ないしは通信回線等により伝送された画像信号により光源を変調し、平版印刷版材料に直接走査露光して平版印刷版を形成するシステムが知られている。
上記光重合性層は、一般的に、アクリル系単量体、アルカリ可溶性樹脂及び光重合開始剤、更に必要に応じて(特にレーザー書込みを行う際)波長に適合させるための増感色素を含有することが知られている。
光重合型の平版印刷版材料を露光・製版する光源としては、Arレーザー(488nm)やFD−YAGレーザー(532nm)の様な長波長の可視光源が用いられている。更に近年では、例えばInGaN系やZnSe系の材料を用い、350〜450nm域で連続発振可能な半導体レーザーが実用段階となっている。これらの短波光源を用いた走査露光システムは、半導体レーザーが構造上、安価に製造できるため、十分な出力を有しながら、経済的なシステムを構築できるといった長所を有する。更に、従来のFD−YAGレーザーやArレーザーを使用するシステムに比較して、より明るいセーフライト下での作業が可能な感光域が、より短波長な平版印刷版材料が使用できる可能性がある。これらの理由から、350〜450nmの比較的短波な半導体レーザーを用いて露光・製版する平版印刷版材料を得ることが、本産業分野において強く望まれるようになっている。
350〜450nm域の短波半導体レーザー域に対し高い感光性を有する光重合性組成物に添加する増感色素としてケトクマリン系化合物が記載されて(例えば特許文献1参照)いる。さらに、光重合開始剤として鉄アレーン錯体化合物及びハロゲン化アルキル基含有化合物を含有することを特徴とする技術が開示されているが(例えば特許文献2参照)、効果は不十分であり早急な解決手段の開発が要求されていた。
特開2003−21901号公報 (特許請求の範囲、実施例)
特開2005−18012号公報 (特許請求の範囲、実施例)
本発明の目的は、感度が高く耐刷性および保存性に優れた光重合性組成物、感光性平版印刷版材料及び感光性平版印刷版の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく種々検討の結果、特定構成の光重合開始剤組成物を含有する感光性平版印刷版材料により、感度及び耐刷性の向上を達成できることを見い出し、本発明を為すに至った。即ち、本発明の目的は、以下の構成により達成された。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
増感色素として下記一般式(A1)、一般式(A2)、一般式(A3)で表される化合物の少なくとも1種と、光重合開始剤として鉄アレーン化合物、および分子量が500以上のトリブロモ酢酸エステル化合物を含有することを特徴とする光重合性組成物。
増感色素として下記一般式(A1)、一般式(A2)、一般式(A3)で表される化合物の少なくとも1種と、光重合開始剤として鉄アレーン化合物、および分子量が500以上のトリブロモ酢酸エステル化合物を含有することを特徴とする光重合性組成物。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R11、R12、R13、R14、R15、R16は各々水素原子または置換基を表し、Y1は酸素原子または硫黄原子を表し、Y2は酸素原子またはN−R17を表し、R17は水素原子または置換基を表す。ただしR11〜R16のうち少なくとも1つは置換基を表す。)
(式中、R1、R2、R3、R5、Y1、Y2は一般式(A1)におけるR1、R2、R3、R5、Y1、Y2と同義であり、R6、R21、R22、R23、R24、R25、R26は各々水素原子または置換基を表す。ただしR21〜R26のうち少なくとも1つは置換基を表す。)
(式中、R1〜R3、R11〜R16、Y1、Y2は一般式(A1)におけるR1〜R3、R11〜R16、Y1、Y2と同義であり、R21〜R26は一般式(A2)におけるR21〜R26と同義である。ただしR11〜R16、R21〜R26のうち少なくとも1つは置換基を表す。)
(請求項2)
支持体上に、付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する高分子結合材、及び請求項1に記載の光重合性組成物を含有する光重合性感光層を有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
(請求項2)
支持体上に、付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する高分子結合材、及び請求項1に記載の光重合性組成物を含有する光重合性感光層を有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
(請求項3)
請求項2に記載の感光性平版印刷版材料に350〜450nmの波長のレーザー光源で像様に走査記録して製造することを特徴とする平版印刷版の製造方法。
請求項2に記載の感光性平版印刷版材料に350〜450nmの波長のレーザー光源で像様に走査記録して製造することを特徴とする平版印刷版の製造方法。
本発明により、感度が高く耐刷性および特に保存性に優れた光重合性組成物、感光性平版印刷版材料及び感光性平版印刷版の製造方法を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。まず、前記一般式(A1)で表される増感色素について説明する。
一般式(A1)において、R1〜R5、R11〜R16は各々水素原子または置換基を表し、R11〜R16のうち少なくとも1つは置換基を表す。該置換基としてはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、等が挙げられる。これらの置換基は、上記の置換基によってさらに置換されていてもよい。
一般式(A1)において、R1〜R5、R11〜R16は各々水素原子または置換基を表し、R11〜R16のうち少なくとも1つは置換基を表す。該置換基としてはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、等が挙げられる。これらの置換基は、上記の置換基によってさらに置換されていてもよい。
R1〜R5のうち隣接する複数の基が互いに結合して環を形成していてもよい。これらのうち、R1は感度および吸収波長の観点からアリール基、複素環基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基が好ましく、またR11〜R16で表される置換基としてはアルキル基およびアリール基が好ましい。
Y1は酸素原子または硫黄原子を表し、感度の点で酸素原子が好ましい。Y2は酸素原子またはN−R17を表し、R17は水素原子または置換基を表す。R17で挙げられる置換基としてはR1〜R5等で表される置換基と同様の基が挙げられる。Y2としては酸素原子が好ましい。
一般式(A2)において、R1、R2、R3、R5、Y1、Y2は一般式(A1)におけるR1、R2、R3、R5、Y1、Y2と同義である。R6、R21〜R26は各々水素原子または置換基を表し、R21〜R26のうち少なくとも1つは置換基を表す。置換基としては前述のR1〜R5等で挙げられる置換基が挙げられる。これらのうち、R21〜R26で表される置換基としてはアルキル基およびアリール基が好ましい。
前記一般式(A3)において、R1〜R3、R11〜R16、Y1、Y2は一般式(A1)におけるR1〜R3、R11〜R16、Y1、Y2と同義であり、R21〜R26は一般式(A2)におけるR21〜R26と同義である。ただしR11〜R16、R21〜R26のうち少なくとも1つは置換基を表し、置換基としては前述のR1〜R5等で挙げられる置換基と同義であり、好ましくはアルキル基およびアリール基である。
一般式(A1)、一般式(A2)、一般式(A3)のうち、感度および保存性の点で一般式(A3)が最も好ましい。
以下、一般式(A1)、一般式(A2)および一般式(A3)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これら本発明の増感色素は、従来公知の方法により容易に合成することができる。
本発明の増感色素の添加量は、エチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有する化合物100質量部に対して、通常、0.05〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部である。本発明の増感色素は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明において、光重合開始剤として用いる鉄アレーン化合物とは、芳香族炭化水素化合物又は芳香族複素環化合物又は不飽和化合物のπ電子と鉄イオンとがπ結合した化合物であり、特に限定されないが、例えば下記構造のものが挙げられる。
式中、Rは置換基を表し、nは正の整数を表し、nが複数の場合Rは同じであっても異なってもよく、Xはアニオンを表す。X-としては、PF6 -、BF4 -、SbF6 -、AlF4 -、CF3SO3 -等が挙げられる。好ましい具体例としては、下記の化合物が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の光重合開始剤として更に用いられるトリブロモ酢酸エステル化合物の分子量は500以上である。500未満では十分な感度が得られない。本発明で用いられるトリブロモ酢酸エステル化合物は具体的には一般式(B1)で表される。
一般式(B1)において、R31として表される置換基としては、前述のR1等で挙げられる置換基が挙げられ、さらに置換基を有していても良く、縮合環を有していても良い。これらのうちアルキル基、シクロアルキル基が感度の点でより好ましい。以下、一般式(B1)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これら光重合開始剤の配合量は特に限定されないが、好ましくは、付加重合又は架橋可能な化合物100質量部に対して0.1〜20質量部である。光重合開始剤と増感色素の配合比率は、モル比で1:100〜100:1の範囲が好ましい。
本発明に係る付加重合可能なエチレン性二重結合を有する化合物には、一般的なラジカル重合性のモノマー類、紫外線硬化樹脂に一般的に用いられる分子内に付加重合可能なエチレン性二重結合を複数有する多官能モノマー類や、多官能オリゴマー類を用いることができる。該化合物に限定は無いが、好ましいものとして、例えば2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、又はこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル;例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、又はこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル;例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、又はこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができる。
又、プレポリマーも上記同様に使用することができる。プレポリマーとしては、後述する様な化合物等が挙げることができ、又、適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸、又はメタクリル酸を導入し、光重合性を付与したプレポリマーも好適に使用できる。これらプレポリマーは、1種又は2種以上を併用してもよいし、上述の単量体及び/又はオリゴマーと混合して用いてもよい。
プレポリマーとしては、例えばアジピン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、マロン酸、琥珀酸、グルタール酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルタール酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価アルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステルアクリレート類;例えばビスフェノールA・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸、フェノールノボラック・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類;例えばエチレングリコール・アジピン酸・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフタリルメタクリレート・キシレンジイソシアネート、1,2−ポリブタジエングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパン・プロピレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレートのように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタンアクリレート;例えばポリシロキサンアクリレート、ポリシロキサン・ジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレート類;その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類、スピラン樹脂アクリレート類等のプレポリマーが挙げられる。
本発明の感光性組成物には、ホスファゼンモノマー、トリエチレングリコール、イソシアヌール酸EO(エチレンオキシド)変性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、アルキレングリコールタイプアクリル酸変性、ウレタン変性アクリレート等の単量体及び該単量体から形成される構成単位を有する付加重合性のオリゴマー及びプレポリマーを含有することができる。
更に、本発明に併用可能なエチレン性単量体として、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を含有する燐酸エステル化合物が挙げられる。該化合物は、燐酸の水酸基の少なくとも一部がエステル化された化合物であり、しかも、(メタ)アクリロイル基を有する限り特に限定はされない。
その他に、特開昭58−212994号、同61−6649号、同62−46688号、同62−48589号、同62−173295号、同62−187092号、同63−67189号、特開平1−244891号等に記載の化合物などを挙げることができ、更に「11290の化学商品」化学工業日報社,286〜294頁に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会,11〜65頁に記載の化合物なども好適に用いることができる。これらの中で、分子内に二つ以上のアクリル基又はメタクリル基を有する化合物が本発明においては好ましく、更に分子量が10,000以下、より好ましくは5,000以下のものが望ましい。
又、本発明では、分子内に3級アミノ基を含有する付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体を使用することが好ましい。構造上の限定は特に無いが、水酸基を有する三級アミン化合物を、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸クロリド、アクリル酸クロリド等で変性したものが好ましく用いられる。具体的には、特開平1−165613号、同1−203413号記載の重合可能な化合物等が好ましく用いられる。
更に本発明では、分子内に3級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、及び分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物の反応生成物を使用することが好ましい。
ここで言う、分子内に3級アミノ基を含有する多価アルコールとしては、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノ−ルアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン、N,N,N′,N′−テトラ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、p−トリルジエタノ−ルアミン、N,N,N′,N′−テトラ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン、アリルジエタノールアミン、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオ−ル、N,N−ジ(プロピル)アミノ−2,3−プロパンジオール、N,N−ジ(i−プロピル)アミノ−2,3−プロパンジオール、3−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)−1,2−プロパンジオ−ル等が挙げられるが、これらに限定されない。
ジイソシアネート化合物としては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、オクタン−1,8−ジイソシアネート、1,3−ジイソシアナートメチル−シクロヘキサノン、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,5−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン等が挙げられるが、これらに限定されない。
分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物としては、下記MH−1〜MH−13等の化合物等が挙げられるが、これらに限定されない。
好ましくは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート等が挙げられる。
これらの反応は、通常のジオール化合物、ジイソシアネート化合物、ヒドロキシル基含有アクリレート化合物の反応で、ウレタンアクリレートを合成する方法と同様に行うことが出来る。
これらの分子内に3級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、及び分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物の反応生成物の具体例を以下に示す。
M−1:トリエタノールアミン/ヘキサン−1,6−ジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(1/3/3モル)の反応生成物
M−2:トリエタノールアミン/イソホロンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルアクリレート(1/3/3モル)の反応生成物
M−3:N−ブチルジエタノ−ルアミン/1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン/2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(1/2/2モル)の反応生成物
M−4:N−ブチルジエタノ−ルアミン/1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン/2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(1/2/2モル)の反応生成物
M−5:N−メチルジエタノールアミン/トリレン−2,4−ジイソシアネート/2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート(1/2/2モル)の反応生成物
この他にも、特開平1−105238号、同2−127404号記載のアクリレート又はアルキルアクリレートを用いることが出来る。
M−2:トリエタノールアミン/イソホロンジイソシアネート/2−ヒドロキシエチルアクリレート(1/3/3モル)の反応生成物
M−3:N−ブチルジエタノ−ルアミン/1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン/2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(1/2/2モル)の反応生成物
M−4:N−ブチルジエタノ−ルアミン/1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン/2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(1/2/2モル)の反応生成物
M−5:N−メチルジエタノールアミン/トリレン−2,4−ジイソシアネート/2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート(1/2/2モル)の反応生成物
この他にも、特開平1−105238号、同2−127404号記載のアクリレート又はアルキルアクリレートを用いることが出来る。
本発明の光重合性組成物には、エチレン性二重結合含有化合物、光重合開始剤として鉄アレーン化合物、および分子量が500以上のトリブロモ酢酸エステル化合物、一般式(A1)、一般式(A2)、一般式(A3)で表される増感色素に加えて高分子結合材を含有する。この高分子結合材としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、その他の天然樹脂等も使用できる。又、これらを2種以上併用しても構わない。好ましくはアクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合体である。
更に、高分子結合材の共重合組成として、(a)カルボキシル基含有モノマー、(b)メタクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸アルキルエステルの共重合体であることが好ましい。
カルボキシル基含有モノマーの具体例としては、α,β−不飽和カルボン酸類、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。その他、フタル酸と2−ヒドロキシメタクリレートのハーフエステル等のカルボン酸も好ましい。
メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等の無置換アルキルエステルの他、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等の環状アルキルエステルや、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等の置換アルキルエステルも挙げられる。
更に、本発明の高分子結合材は、他の共重合モノマーとして、下記(1)〜(14)に記載のモノマー等を用いることが出来る。
1)芳香族水酸基を有するモノマー:例えばo−(又はp−,m−)ヒドロキシスチレン、o−(又はp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレート等。
2)脂肪族水酸基を有するモノマー:例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
3)アミノスルホニル基を有するモノマー:例えばm−(又はp−)アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−(又はp−)アミノスルホニルフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等。
4)スルホンアミド基を有するモノマー:例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等。
5)アクリルアミド又はメタクリルアミド類:例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
6)弗化アルキル基を含有するモノマー:例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等。
7)ビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
8)ビニルエステル類:例えばビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等。
9)スチレン類:例えばスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
10)ビニルケトン類:例えばメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等。
11)オレフィン類:例えばエチレン、プロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン等。
12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
13)シアノ基を有するモノマー:例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シアノエチルアクリレート、o−(又はm−,p−)シアノスチレン等。
14)アミノ基を有するモノマー:例えばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
更に、これらのモノマーと共重合し得る他のモノマーを共重合してもよい。
更に、上記ビニル系共重合体の分子内に存在するカルボキシル基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物を付加反応させることによって得られる、不飽和結合含有ビニル系共重合体も高分子結合材として好ましい。分子内に不飽和結合とエポキシ基を共に含有する化合物としては、具体的にはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、特開平11−271969号に記載されるエポキシ基含有不飽和化合物等が挙げられる。
これらの共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定された質量平均分子量が1〜20万であるものが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。
感光層組成物中における高分子重合体の含有量は、10〜90質量%の範囲が好ましく、15〜70質量%の範囲が更に好ましく、20〜50質量%の範囲で使用することが感度の面から特に好ましい。
更に樹脂の酸価については10〜150の範囲で使用するのが好ましく、30〜120の範囲がより好ましく、50〜90の範囲で使用することが、感光層全体の極性のバランスをとる観点から特に好ましく、これにより感光層塗布液での顔料の凝集を防ぐことができる。
以下に、合成例、支持体作製例、実施例を具体的に示すが、本発明の実施態様は、これ等に限定されるものでない。尚、特に断りない限り、実施例における「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
〈アクリル系共重合体1の合成〉
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタクリル酸30部、メタクリル酸メチル50部、メタクリル酸エチル20部、i−プロピルアルコール500部及びα,α′−アゾビス−i−ブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、i−プロピルアルコールの沸点で1時間還流した後、トリエチルアンモニウムクロライド3部及びグリシジルメタクリレート25部を加えて3時間反応させ、バインダーとしてのアクリル系共重合体1を得た。GPCを用いて測定した質量平均分子量は約35,000、DSC(示差熱分析法)を用いて測定したガラス転移温度(Tg)は約85℃であった。
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタクリル酸30部、メタクリル酸メチル50部、メタクリル酸エチル20部、i−プロピルアルコール500部及びα,α′−アゾビス−i−ブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、i−プロピルアルコールの沸点で1時間還流した後、トリエチルアンモニウムクロライド3部及びグリシジルメタクリレート25部を加えて3時間反応させ、バインダーとしてのアクリル系共重合体1を得た。GPCを用いて測定した質量平均分子量は約35,000、DSC(示差熱分析法)を用いて測定したガラス転移温度(Tg)は約85℃であった。
〈支持体の作製〉
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050,調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウム板を、0.3%の硝酸水溶液中で、25℃、電流密度100A/dm2の条件下に交流電流により60秒間、電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を、15%硫酸溶液中で、25℃、電流密度10A/dm2、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行い、更に1%ポリビニルホスホン酸で75℃で親水化処理を行って支持体を作製した。
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050,調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウム板を、0.3%の硝酸水溶液中で、25℃、電流密度100A/dm2の条件下に交流電流により60秒間、電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を、15%硫酸溶液中で、25℃、電流密度10A/dm2、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行い、更に1%ポリビニルホスホン酸で75℃で親水化処理を行って支持体を作製した。
この時、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.65μmであった。
〈平版印刷版材料の作製〉
上記支持体上に、下記組成の光重合性感光層塗工液を乾燥時1.5g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、95℃で1.5分間乾燥し、光重合感光層塗布試料を得た。
(光重合性感光層塗工液)
付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体(表1記載) 表1記載量
光重合開始剤(表1記載) 表1記載量
増感色素(表1記載) 表1記載量
アクリル系共重合体1 40.0部
N−フェニルグリシンベンジルエステル 4.0部
フタロシアニン顔料(MHI454:御国色素社製) 6.0部
2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−
4−メチルフェニルアクリレート(スミライザーGS:住友3M社製) 0.5部
弗素系界面活性剤(F−178K:大日本インキ社製) 0.5部
メチルエチルケトン 80部
シクロヘキサノン 820部
上記光重合感光層塗布試料上に、下記組成の酸素遮断層塗工液を乾燥時1.8g/m2になるようになるようアプリケーターで塗布し、75℃で1.5分間乾燥して、感光層上に酸素遮断層を有する平版印刷版材料(試料1〜17)を作製した。
(酸素遮断層塗工液)
ポリビニルアルコール(GL−05:日本合成化学社製) 89部
水溶性ポリアミド(P−70:東レ社製) 10部
界面活性剤(サーフィノール465:日信化学工業社製) 0.5部
水 900部
〈平版印刷版の作製と評価〉
各平版印刷版材料に、408nm、30mV出力のレーザー光源を備えたプレートセッター(タイガーキャット:ECRM社改造品)を用いて、2400dpi(dpiは1インチ即ち2.54cm当たりのドット数)で露光を行った。
上記支持体上に、下記組成の光重合性感光層塗工液を乾燥時1.5g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、95℃で1.5分間乾燥し、光重合感光層塗布試料を得た。
(光重合性感光層塗工液)
付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体(表1記載) 表1記載量
光重合開始剤(表1記載) 表1記載量
増感色素(表1記載) 表1記載量
アクリル系共重合体1 40.0部
N−フェニルグリシンベンジルエステル 4.0部
フタロシアニン顔料(MHI454:御国色素社製) 6.0部
2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−
4−メチルフェニルアクリレート(スミライザーGS:住友3M社製) 0.5部
弗素系界面活性剤(F−178K:大日本インキ社製) 0.5部
メチルエチルケトン 80部
シクロヘキサノン 820部
上記光重合感光層塗布試料上に、下記組成の酸素遮断層塗工液を乾燥時1.8g/m2になるようになるようアプリケーターで塗布し、75℃で1.5分間乾燥して、感光層上に酸素遮断層を有する平版印刷版材料(試料1〜17)を作製した。
(酸素遮断層塗工液)
ポリビニルアルコール(GL−05:日本合成化学社製) 89部
水溶性ポリアミド(P−70:東レ社製) 10部
界面活性剤(サーフィノール465:日信化学工業社製) 0.5部
水 900部
〈平版印刷版の作製と評価〉
各平版印刷版材料に、408nm、30mV出力のレーザー光源を備えたプレートセッター(タイガーキャット:ECRM社改造品)を用いて、2400dpi(dpiは1インチ即ち2.54cm当たりのドット数)で露光を行った。
露光パターンは、100%画像部と、175LPI(LPIは1インチ即ち2.54cm当たりの線数)・50%のスクエアードットを使用した。次いで、版材を105℃で10秒加熱処理するプレヒート部、現像前にオーバーコート層を除去する前水洗部、下記組成の現像液を充填した現像部、版面に付着した現像液を取り除く水洗部、画線部保護のためのガム液(GW−3:三菱化学社製を2倍希釈したもの)処理部を備えたCTP自動現像機(PHW23−V:Technigraph社製)で現像処理を行い、平版印刷版を得た。
(現像液組成)
A珪酸カリウム 8.0%
ニューコールB−13SN(日本乳化剤社製) 3.0%
苛性カリウム pH=12.3となる添加量
《感度》
得られた平版印刷版の版面に記録された100%画像部において、膜減りが観察されない最低量の露光エネルギー量を記録エネルギーとし、感度の指標とした。記録エネルギーが小さいほど高感度であることを示す。
(現像液組成)
A珪酸カリウム 8.0%
ニューコールB−13SN(日本乳化剤社製) 3.0%
苛性カリウム pH=12.3となる添加量
《感度》
得られた平版印刷版の版面に記録された100%画像部において、膜減りが観察されない最低量の露光エネルギー量を記録エネルギーとし、感度の指標とした。記録エネルギーが小さいほど高感度であることを示す。
《耐刷性》
175線の画像を200μJ/cm2で露光、現像して作製した平版印刷版を、印刷機(三菱重工業社製:DAIYA1F−1)で、コート紙、印刷インキ(大日本インキ化学工業社製:大豆油インキ「ナチュラリス100」)及び湿し水(東京インク社製:H液SG−51,濃度1.5%)を用いて印刷を行い、ハイライト部の点細りの発生する印刷枚数を耐刷性の指標とした。多いほど耐刷性に優れる。
175線の画像を200μJ/cm2で露光、現像して作製した平版印刷版を、印刷機(三菱重工業社製:DAIYA1F−1)で、コート紙、印刷インキ(大日本インキ化学工業社製:大豆油インキ「ナチュラリス100」)及び湿し水(東京インク社製:H液SG−51,濃度1.5%)を用いて印刷を行い、ハイライト部の点細りの発生する印刷枚数を耐刷性の指標とした。多いほど耐刷性に優れる。
《保存性評価》
作製した感光性平版印刷版試料を55℃で3日間保存した後、感度評価と同様の処理により感度を求めた。結果を併せて表1に示す。
作製した感光性平版印刷版試料を55℃で3日間保存した後、感度評価と同様の処理により感度を求めた。結果を併せて表1に示す。
上記する実施例から明らかな様に、本発明に係る試料では感度、耐刷性および保存性に優れ、良好な感光性平版印刷版材料及び感光性平版印刷版の製造方法を提供することができる。
Claims (3)
- 増感色素として下記一般式(A1)、一般式(A2)、一般式(A3)で表される化合物の少なくとも1種と、光重合開始剤として鉄アレーン化合物、および分子量が500以上のトリブロモ酢酸エステル化合物を含有することを特徴とする光重合性組成物。
- 支持体上に、付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する高分子結合材、及び請求項1に記載の光重合性組成物を含有する光重合性感光層を有することを特徴とする感光性平版印刷版材料。
- 請求項2に記載の感光性平版印刷版材料に350〜450nmの波長のレーザー光源で像様に走査記録して製造することを特徴とする平版印刷版の製造方法。
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JP2013227552A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-11-07 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 化合物 |
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2005
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