JP2006265230A - 有害生物防除組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)が産生し得る殺虫性タンパク質を利用しながら、例えば、農園芸における有害生物に対して、より低薬量にて優れた防除効果を有する有害生物防除剤を提供可能とすること。
【解決手段】バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)が産生し得る殺虫性タンパク質及び分子量が2,000〜800,000の範囲であるポリエチレングリコールを含有することを特徴とする有害生物防除組成物等。
【選択図】なし

Description

本発明は、有害生物防除組成物、より具体的には、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)が産生し得る殺虫性タンパク質及びポリエチレングリコールを含有する有害生物防除組成物等に関する。
バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)が産生し得る殺虫性タンパク質が殺虫活性を有することが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
昆虫病理学 福原敏彦 著 (学会出版センター)01641-1104
バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)が産生し得る殺虫性タンパク質を利用しながら、例えば、農園芸における有害生物に対して、より低薬量にて優れた防除効果を有する有害生物防除剤の開発が望まれている。
本発明者等は、かかる状況下に鋭意検討した結果、単に混合した時に得られると予想される相加効果以上の相乗効果を得ることが出来、使用する薬量の低減を可能とする有害生物防除組成物における組み合わせを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1.バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)が産生し得る殺虫性タンパク質(以下、本タンパク質と記すこともある。)及び分子量が2,000〜800,000の範囲であるポリエチレングリコールを含有することを特徴とする有害生物防除組成物(以下、本発明組成物と記すこともある。);
2.バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)が産生し得る殺虫性タンパク質及びポリエチレングリコールが重量比で1:1000〜10:1の割合で含有されてなることを特徴とする前項1記載の有害生物防除組成物;
3.殺虫性タンパク質が、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の生菌体、その菌芽胞、それらを熱若しくは化学的手段により死菌化処理された菌体、又はそれら菌体の破砕物に含まれた状態である殺虫性タンパク質であることを特徴とする前項1又は2記載の有害生物防除組成物;
4.バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)が産生し得る殺虫性タンパク質とポリエチレングリコールとの両者の有効量を、混用又は同時に若しくは非同時に併用して、保護すべき植物、有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物防除方法;
5.有害生物が鱗翅目害虫の幼虫であることを特徴とする前項4記載の有害生物防除方法;
6.有害生物がハスモンヨトウであることを特徴とする前項4記載の有害生物防除方法;
7.有害生物防除のための、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)が産生し得る殺虫性タンパク質とポリエチレングリコールとの組み合わせ使用;
及びポリエチレングリコールを含有することを特徴とする有害生物防除組成物(以下、本発明組成物と記すこともある。);
等を提供するものである。
本発明は、単に混合した時に得られると予想される相加効果以上の相乗効果を得ることが出来、使用する薬量の低減を可能とする有害生物防除組成物を提供可能とする。
本発明組成物において一つの有効成分として用いられる本タンパク質は、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)が産生し得る殺虫性タンパク質であれば特に制限はないが、具体的には例えば、CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIB、CryIC、CryID、CryIF、CryIIA、CryIIB、CryV、CryVI等をあげることができる。
これら本タンパク質は、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌により産生されるが、その中でも例えば、クルスタキ(kurstaki)、アイザワイ(aizawai)等の亜種に属する前記細菌により産生されるものが本発明組成物に好ましく用いることができる。
また、本タンパク質は、天然に存在するバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌により産生されるものであっても、通常の遺伝子工学的な手法を用いて作製された形質転換体(例えば、大腸菌、枯草菌、植物等)により産生されるものであってもよい。尚、このような形質転換体を作製する際に用いられる、本タンパク質のアミノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子(以下、本遺伝子と記すこともある。)は、(1)天然に存在する遺伝子の中からクローニングされたものであってもよいし、(2)天然に存在する遺伝子であっても、このクローニングされた遺伝子の塩基配列において、その一部の塩基の欠失、置換又は付加が人為的に導入されてなる遺伝子(即ち、天然に存在する遺伝子を変異処理(部分変異導入法、突然変異処理等)を行ったもの)であってもよいし、(3)人為的に合成されたものであってもよい。
上記のような微生物は、天然から分離してもよいし、菌株保存機関等から購入してもよい。
天然から分離する場合には、まず、土壌を野外から採取する。採取された土壌を滅菌水で懸濁させた後、当該懸濁液を、例えば、枯草菌等の微生物分離用固体培地上に塗布し、これを25℃で培養し、数日後に生えてきた菌の独立したコロニーを切り取り、新しい、例えば、枯草菌等の微生物分離用固体培地に移植し、これをさらに25℃で培養する。生育してきた菌について、SNEATH, (P.H.A.), MAIR, (N.S.) SHARPE, (M.E.) and HOLT, (J.G.):Bergey's manual of Systematic Bacteriorogy. Vol.2. 1984, Williams and Wilkins, Baltimore.等に記載される方法等に従って、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌であるかを同定することにより、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌を選抜すればよい。
つぎに、選抜されたバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌から、当該細菌中に存在する殺虫性タンパク質の有無を、例えば、生物活性評価法や顕微鏡観察法等に従って確認することにより、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌を選抜すればよい。
本発明組成物で用いられる本タンパク質は、当該タンパク質自体そのままでもよいが、例えば、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の生菌体、その菌芽胞、それらを熱若しくは化学的手段により死菌化処理された菌体、又はそれら菌体の破砕物に含まれた状態である殺虫性タンパク質であってもよい。
尚、殺虫性タンパク質を産生し得るバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌を培養する培地としては、一般的細菌用培地、普通ブイヨン液体培地等があげられるが、当該細菌が増殖する培地であれば何でもよい。前述の如く、上記の培地を用いて培養されたバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌及びその産生物を培地ごと遠心分離及び/又は乾燥して本発明組成物の他の一つの有効成分である本タンパク質として用いるか、或いは公知の方法に従って前記培地から分離された殺虫性タンパク質自体そのままを用いればよい。因みに、本タンパク質自体そのままの分子量は、数万〜十数万ダルトンであり、所定回数の分裂を繰り返したバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌が崩壊する際に菌芽胞とともに放出される結晶性物質である。
また、本発明組成物で用いられる本タンパク質は、市販のBT製剤品を用いてもよく、好ましくは、ダイポール(商標登録)(住友化学(株))、エスマルク(商標登録)(住友化学(株))、フローバック(商標登録)(住友化学(株))、ゼンターリ(商標登録)(住化武田農薬(株))等をあげることができる。
本発明組成物において他の一つの有効成分として用いられる「分子量が2,000〜800,000の範囲であるポリエチレングリコール」(以下、本化合物と記すこともある。)は、[−CHCHO−]で表されるエチレンオキシドの重合体で、エチレンオキシド、ポリオキシエチレンとも呼ばれ、その分子量は2,000〜800,000の範囲である。好ましい分子量は4,000〜500,000の範囲をあげることができる。
Bacillus thuringensisの殺虫活性成分と本化合物との混用については、その最適な製剤処方として混用することが知られている(例えば、米国特許(US5,501,852;Biological control of lepidopterons pests using Bacillus thuringiensis)等参照)。
本発明組成物は、例えば、広範囲な農園芸における鱗翅目害虫の防除に好適に利用できる。その代表例として、下記のものが挙げられる。
ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilalis)、シバツトガ(Parapediasia teterrella)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(Mamestra brasicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna)、ヘリオティス属(Heliothis spp.)、ヘリコベルパ属(Helicoverpa spp.)、エアリアス属(Earias spp.)等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)等のシロチョウ類、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、コドリングモス(Cydia pomonella)等のハマキガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella)等のチビガ類、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella)等のホソガ類、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)等のコハモグリガ類、コナガ(Plutella xylostella)などのスガ類、ドクガ(Euproctis taiwana)、マイマイガ(Lymantria dispar)、モンシロドクガ(Euproctis similis)などのドクガ類、ヒメクロイラガ(Scopelodes contracus)などのイラガ類、マツカレハ(Dendrolimus spectabilis)などのカレハガ類、ピンクボールワーム(Pectinophora gossypiella)等のキバガ類、ヒトリガ類、ヒロズコガ類等。
本発明組成物において、本タンパク質と本化合物との混合比としては、例えば、重量比で1:1000〜10:1の割合、好ましくは1:500〜5:1の割合、より好ましくは1:5〜2:1の割合等をあげることができる。本発明組成物を用いる場合には、他の何らの成分も加えず、そのまま本化合物と本タンパク質とを混合しても用いてよいが、通常は当該混合物にさらに固体坦体、液体坦体、ガス状担体等、必要により界面活性剤、その他の製剤用補助剤を加えることにより、油剤、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤、粉剤、粒剤、エアゾール、マイクロカプセル剤、加熱燻蒸剤、毒餌剤等の各種製剤して用いることが好ましい。これらの製剤には、有効成分として本発明組成物を、通常、重量比で約0.01〜95%含有させることがよい。
製剤化の際に用いられる固体坦体としては、例えば、粘土類(カオリンクレー、珪藻土、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク類、セラミック類、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末や粒状物があげられる。
液体坦体としては、例えば、水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、非芳香族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド類)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド、植物油(大豆油、綿実油等)等があげられる。
また、ガス状担体、即ち、噴射剤としては、例えばフロンガス、ブタンガス、液化石油ガス、ジメチルエーテル、炭酸ガス等があげられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体等があげられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えば、カゼイン、ゼラチン、糖類(澱粉、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールおよび3−tert−ブチル−4−メトキシフェノール)、植物油、鉱物油、界面活性剤、脂肪酸、脂肪酸エステル等が挙げられる。
毒餌剤の基材としては、例えば、穀物粉、植物油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアイアレチン酸等の酸化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ末等の誤食防止剤、チーズ香料、タマネギ香料等の誘引性香料等が挙げられる。
水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤は、通常、約1〜75重量%の有効成分化合物を、約0.5〜15重量%の懸濁補助剤(例えば保護コロイドやチクソトロピー性を付与しうる物質)、約0〜10重量%の補助剤(例えば消泡剤、防錆剤、安定剤、展着剤、浸透助剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤等)を含む水中で、微少に分散させることにより得ることができる。
本発明組成物は、各々の有効成分を上記の製剤手法により製剤した後、これら製剤を混合することにより調製することもできる。即ち、本発明組成物は、その製剤形態によっては、本化合物を予め製剤化したものと、本タンパク質を予め製剤化したものとを混合することにより調製してもよく、また、両者を施用時に混用又は同時に若しくは非同時に併用することもできる。
このようにして製剤化された本発明組成物は、そのままで、あるいは水等に希釈して用いる。また、さらに他の殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料等を混用又は同時に若しくは非同時に併用することもできる。
本発明組成物は、その有効量を有害生物、有害生物の生息場所、有害生物から保護すべき植物等に処理される。その際、本発明組成物が乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤等に製剤化されたものである場合には、通常、水等で希釈して処理される。
本発明組成物を、例えば、農園芸における有害生物に対して処理する場合には、本発明組成物の有効量又は施用量は、通常、1000m当たりの施用量で約0.1〜1000gである。尚、粒剤、粉剤、油剤等のまま施用する場合には、通常、上記の有効量又は施用量となるように何ら希釈することなくそのまま施用すればよい。また、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤等を水に希釈して施用する場合でも、上記の有効量又は施用量となるように水で希釈して施用すればよい。具体的には例えば、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤等を水で希釈して用いる場合には、本発明組成物の施用濃度としては、通常、約1〜10000ppmをあげることができる。
上記の有効量又は施用量は、いずれも製剤の種類、施用時期、施用場所、施用方法、害虫の種類、被害程度等の状況によって異なり、上記の範囲に関わることなく増減して適宜選択することができる。
以下、本発明を製剤例及び試験例によりさらに詳しく説明するが本発明はこれらの例に限定されるものではない。
尚、後述された「BT菌培養物」とは、1ml当たり1×10個のバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌由来の生芽胞を含む胞子懸濁液100μlを、500mlフラスコに入れて滅菌されたL−broth液体培地(100ml)に接種し、25℃の条件下で、2〜5日間程度振とう培養(150rpm)を行い、その後、得られた培養液からバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)に属する細菌由来の芽胞と形成殺虫性タンパク質との両者を遠心分離により回収し、乾燥することにより得られた培養物(即ち、本タンパク質の一つの形態)を意味する。
製剤例1 乳剤
本化合物(分子量4,000、20,000及び500,000)1部と、BT菌培養物10部とを、キシレン36.5部及びジメチルホルムアミド36.5部に溶解し、これにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル10部及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部を加え、よく攪拌混合して乳剤を得る。
製剤例2 水和剤
本化合物(分子量4,000、20,000及び500,000)5部と、BT菌培養物45部とを、ラウリル硫酸ナトリウム4部リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末22部及び珪藻土22部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
製剤例3 粒剤
本化合物(分子量4,000、20,000及び500,000)1部に、BT菌培養物5部、合成含水酸化珪素微粉末5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、ベントナイト30部及びクレー54部を加え、よく攪拌混合し、次いでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して粒剤を得る。
製剤例4 粉剤
本化合物(分子量4,000、20,000及び500,000)0.5部と、BT菌培養物4部、合成含水酸化珪素微粉末1部、凝集剤としてドリレスB(三共社製)1部及びクレー7部とを乳鉢でよく混合した後にジュースミキサーで攪拌混合する。得られた混合物にカットクレー86.5部を加えて、充分攪拌混合して粉剤を得る。
製剤例5 フロアブル剤
本化合物(分子量4,000、20,000及び500,000)1部と、BT菌培養物10部及びソルビタントリオエレート1.5部とを、ポリビニルアルコール2部を含む水溶液26部中に加え、よく攪拌混合し、次いでこれらの混合物をサンドグライダーで微粉砕(粒径3μm以下)した後、この中に、キサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液48部を加え、さらにプロピレングリコール15部を加えて攪拌混合してフロアブル剤を得る。
製剤例6 油剤
本化合物(分子量4,000、20,000及び500,000)0.1部と、BT菌培養物0.8部とを、キシレン5部及びトリクロロエタン5部に溶解し、これを脱臭灯油89.1部に混合して油剤を得る。
製剤例7 マイクロカプセル剤
本化合物(分子量4,000、20,000及び500,000)2部と、BT菌培養物8部、フェニルキシリルエタン10部及びスミジュールL−75(住友バイエルウレタン株式会社社製トリレンジイソシアネート)0.5部とを混合した後、アラビアガムの10%水溶液20部中に加え、ホモミキサーで攪拌して平均粒径20μmのエマルションを得る。次に、これにエチレングリコール2部を加え、さらに60℃の温浴中で24時間反応させてマイクロカプセルスラリーを得る。一方、ザンサンガム0.2部及びビーガムR(三洋化成株式会社製アルミニウムマグネシウムシリケート)1.0部をイオン交換水56.3部に分散させて増粘剤溶液を得る。上記マイクロカプセルスラリー42.5部及び増粘剤溶液57.5部を混合してマイクロカプセル剤を得る。
次に本発明組成物が優れた有害生物防除効果を示すことを試験例により示す。尚、2種類の有効成分を混合して処理した際に予想される殺虫率の理論値は、例えば、Colbyの計算式で代表されるような計算式(即ち、E=X+Y−(X+Y/100))により求められる。当該式において、
X:有効成分AをMppmで処理した際の殺虫率(%)
Y:有効成分BをNppmで処理した際の殺虫率(%)
E:有効成分AをMppm、有効成分BをNppmで処理した際に予想される殺虫率の理論値(%)
試験例1 (Spodoptera litura に対する食葉浸漬試験、最適分子量の検討)
BT菌製剤品:フローバック(商標登録)(Bacillus thuringiensis var. aizawai )ドライフロアブル製剤品、住友化学株式会社製)とポリエチレングリコール(以下、PEGと称す。和光純薬工業株式会社製)の水希釈液とを混合して各々の所定濃度になるように加えた希釈液に、展着剤(特製リノー:日本農薬株式会社製)を該希釈液の1/5000量加え、試験用薬液を調製した。尚、供試したPEGには、分子量400、1,000、4,000、20,000、500,000及び1,000,000を各々用いた。ポット植えの5〜8葉期のキャベツの葉を切り取り、これを前記試験用薬液に60秒間浸漬した。プラスチックカップ(500cc)内に、直径90mmの濾紙を敷き、この上に浸漬後風乾したキャベツの葉を置いた。この上に、Spodoptera litura の3齢幼虫を10頭放飼した(3反復)。処理6日後に供試虫の生死を観察し、下記の式によって補正することにより殺虫率(5)を算出した。その結果を表1および表2に示す。尚、表1及び表2の中の「本タンパク質」における「施用濃度(ppm)」は、BT菌製剤品に含まれているBT培養物の量を本タンパク質の量として用いて算出した値である。
殺虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:供試化合物処理区における死虫率(%)
Mc:供試化合物無処理区における死虫率(%)
Figure 2006265230
Figure 2006265230
試験例2 (Spodoptera litura に対する食葉浸漬試験、最適混合量の検討)
BT菌製剤品:フローバック(登録商標)(Bacillus thuringiensis var. aizawai )ドライフロアブル製剤品、住友化学株式会社製)とポリエチレングリコール(以下、本化合物、和光純薬工業株式会社製)の水希釈液とを混合して各々の所定濃度になるように加えた希釈液に、展着剤(特製リノー:日本農薬株式会社製)を当該希釈液の1/5000量加え、試験用薬液を調製した。尚、供試した本化合物としては、分子量20,000を用いた。ポット植えの5〜8葉期のキャベツの葉を切り取り、これを前記試験用薬液に60秒間浸漬した。プラスチックカップ(500cc)内に、直径90mmの濾紙を敷き、この上に浸漬後風乾したキャベツの葉を置いた。この上に、Spodoptera litura の3齢幼虫を10頭放飼した(3反復)。処理6日後に供試虫の生死を観察し、下記の式によって補正することにより殺虫率(5)を算出した。その結果を表3及び表4に示す。尚、表3及び表4の中の「本タンパク質」における「施用濃度(ppm)」は、BT菌製剤品に含まれているBT培養物の量を本タンパク質の量として用いて算出した値である。
殺虫率(%)=100×(Mt−Mc)/(100−Mc)
Mt:供試化合物処理区における死虫率(%)
Mc:供試化合物無処理区における死虫率(%)
Figure 2006265230
Figure 2006265230
本発明は、単に混合した時に得られると予想される相加効果以上の相乗効果を得ることが出来、使用する薬量の低減を可能とする有害生物防除組成物を提供可能とする。

Claims (7)

  1. バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)が産生し得る殺虫性タンパク質及び分子量が2,000〜800,000の範囲であるポリエチレングリコールを含有することを特徴とする有害生物防除組成物。
  2. バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)が産生し得る殺虫性タンパク質及びポリエチレングリコールが重量比で1:1000〜10:1の割合で含有されてなることを特徴とする請求項1記載の有害生物防除組成物。
  3. 殺虫性タンパク質が、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)の生菌体、その菌芽胞、それらを熱若しくは化学的手段により死菌化処理された菌体、又はそれら菌体の破砕物に含まれた状態である殺虫性タンパク質であることを特徴とする請求項1又は2記載の有害生物防除組成物。
  4. バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)が産生し得る殺虫性タンパク質とポリエチレングリコールとの両者の有効量を、混用又は同時に若しくは非同時に併用して、保護すべき植物、有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物防除方法。
  5. 有害生物が鱗翅目害虫の幼虫であることを特徴とする請求項4記載の有害生物防除方法。
  6. 有害生物がハスモンヨトウであることを特徴とする請求項4記載の有害生物防除方法。
  7. 有害生物防除のための、バチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiesis)が産生し得る殺虫性タンパク質とポリエチレングリコールとの組み合わせ使用。
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WO2024075782A1 (ja) * 2022-10-05 2024-04-11 住友化学株式会社 安定化有害生物防除剤、及び、安定化有害生物防除剤の製造方法

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