JP2006264610A - ブレーキ振動検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブレーキ振動をより正確に検知できるブレーキ振動検知装置を提供する。
【解決手段】 振動センサ5の検出信号のゲインを車速、制動トルクもしくはディスクロータの温度に応じて補正し、その補正後のゲインを用いてブレーキ振動の発生を検知する。このように、振動ゲインの変動パラメータに応じて振動ゲインを補正し、補正後の振動ゲインを用いてブレーキ振動検知を行うことで、より的確にブレーキ振動検知を行うことが可能となる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ディスクロータの偏磨耗によって発生するブレーキ振動を検出できるブレーキ振動検知装置に関するものである。
通常、ディスクブレーキにおいて、ディスクロータとブレーキパッドとの間の隙間は、ブレーキパッドの移動量が大きくなるとブレーキパッドを移動させるパワーが必要になること、および、隙間に異物混入の恐れがあることを理由として、あまり大きくされないが、何らかの理由でディスクロータが傾斜した場合、ディスクロータの一部とブレーキパッドが非制動時に接触する状態(引きずり)となり、その状態で長く走行すると偏磨耗が発生する。このような偏磨耗が発生すると、ブレーキ動作中にブレーキパッドでディスクロータを挟み込んだときに、その偏磨耗した特定箇所だけ十分な摩擦力が得られなくなるため、制動トルクが変動する。そして、この制動トルク変動に起因した共振現象によりブレーキ振動が発生することになる。
このようなブレーキ振動を検出するものとして、従来では、例えば特許文献1において、ブレーキ振動によってブレーキ油圧が変動することを利用し、そのブレーキ油圧の変動を油圧センサで検出することでブレーキ振動を検出する装置が提案されている。
特開2000−85554号公報
上記のように、ブレーキ振動を検知する場合には、ブレーキ油圧のようにブレーキ振動に関連して変動する物理量を検出するか、もしくは、ブレーキ振動そのものを振動センサ等によって検出することで行われる。そして、ブレーキ振動に関連する物理量のゲインもしくはブレーキ振動のゲインが例えば所定のしきい値を超えているか否か判定することで、ブレーキ振動が検知される。
しかしながら、ブレーキ振動に関連する物理量のゲインやブレーキ振動のゲインは、車両の状況によって変動し、常に一定となる訳ではないので、検出されたブレーキ振動に関連する物理量のゲインやブレーキ振動のゲインをそのまま用いると、ブレーキ振動の検知が正確に行えない可能性があるという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、ブレーキ振動をより正確に検知できるブレーキ振動検知装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車両が制動中であるか否かを検出する制動検出手段(10)にて制動中であることが検出されている場合に、ブレーキ振動成分を含む検出信号を発生させる信号発生手段(5)が発生した検出信号に基づいて振動ゲインを演算するゲイン演算手段(130)と、ゲイン演算手段によって求められた振動ゲインの変動要因となるパラメータの値を求めると共に、該パラメータの値に基づいて、振動ゲインを補正する補正手段(140)と、補正手段によって補正された後の振動ゲインが所定のブレーキ振動判定しきい値以上であるか否かによってブレーキ振動の発生を検知するブレーキ振動検知手段(150)と、を有していることを特徴としている。
例えば、信号発生手段としては、車両におけるステアリング系等に取り付けられる振動センサ等が挙げられる。
このように、振動ゲインの変動要因となるパラメータの値を求め、このパラメータの値に基づいて、振動ゲインを補正し、補正後の振動ゲインに基づいてブレーキ振動を検知するようにすれば、より的確にブレーキ振動検知を行うことが可能となる。
この場合、請求項2に示されるように、ゲイン演算手段にて、フィルタ手段(110)によってバンドパスフィルタを通した後の検出信号のゲインを平均化処理することで振動ゲインの平均値(S)を求め、補正手段にて、その振動ゲインの平均値に対して補正を行い、これを用いてブレーキ振動検知を行うようにしても良い。
具体的には、請求項3に示されるように、振動ゲインの変動要因となるパラメータとして車速が挙げられ、補正手段では、車速検出手段によって求められた車速に基づいて振動ゲインの補正が行われる。
例えば、請求項4に示されるように、振動ゲインが所定車速となるときにピークとなる場合には、振動ゲインのピークに対する任意の車速のときの振動ゲインの低下率もしくは低下量の関係に基づいて求めた任意の車速のときの補正値の関係を記憶手段に記憶しておく。そして、補正手段により、車速検出手段で得られた車速から、ゲイン演算手段によって振動ゲインが求められたときの車速を求めると共に、当該車速のときの補正値を任意の車速のときの補正値の関係から求め、求めた補正値を用いて補正を行うことができる。
この場合、請求項5に示されるように、補正手段による補正は、振動ゲインがピークとなる所定車速を含む所定の速度範囲を補正適用範囲として設定しておき、ゲイン演算手段によって振動ゲインが求められたときの車速が補正適用範囲内の場合にのみ行われるようにするのが好ましい。
このようにすれば、ディスクロータの偏磨耗の度合いに応じて振動ゲインがあまり変わらないような車速の場合にまで補正が行われることを防止でき、より的確なブレーキ振動検知を行うことが可能となる。
また、請求項6に示されるように、振動ゲインの変動要因となるパラメータとして制動トルクも挙げられ、補正手段では、制動トルク検出手段によって求められた制動トルクに基づいて振動ゲインの補正が行われる。
例えば、請求項7に示されるように、振動ゲインが所定の制動トルクとなるときにピークとなる場合には、振動ゲインのピークに対する任意の制動トルクのときの振動ゲインの低下率もしくは低下量の関係に基づいて求めておいた任意の制動トルクのときの補正値の関係を記憶手段に記憶しておく。そして、補正手段により、制動トルク検出手段で得られた制動トルクから、ゲイン演算手段によって振動ゲインが求められたときの制動トルクを求めると共に、当該制動トルクのときの補正値を任意の制動トルクのときの補正値の関係から求め、求めた補正値を用いて補正を行うことができる。
この場合、請求項8に示されるように、補正手段による補正は、振動ゲインがピークとなる所定制動トルクを含む所定の制動トルク範囲を補正適用範囲として設定しておき、ゲイン演算手段によって振動ゲインが求められたときの制動トルクが補正適用範囲内の場合にのみ行われるようにするのが好ましい。
このようにすれば、ディスクロータの偏磨耗の度合いに応じて振動ゲインがあまり変わらないような制動トルクの場合にまで補正が行われることを防止でき、より的確なブレーキ振動検知を行うことが可能となる。
このように制動トルクがパラメータとされる場合、請求項9に示されるように、制動トルク検出手段は、制動トルクを直接求めるだけでなく、制動トルクを類推する減速度もしくはホイールシリンダ圧を検出することもできる。この場合、減速度もしくはホイールシリンダ圧から制動トルクを推定しても良いし、減速度もしくはホイールシリンダ圧そのものを制動トルクに対応したパラメータとして用いても良い。
さらに、請求項10に示されるように、振動ゲインの変動要因となるパラメータとしてディスクロータの温度も挙げられ、補正手段では、温度検出手段によって求められたディスクロータの温度に基づいて振動ゲインの補正が行われる。
例えば、請求項11に示されるように、ディスクロータが所定温度以上であるときに振動ゲインがピークとなる場合には、振動ゲインのピークに対する任意の温度のときの振動ゲインの低下率もしくは低下量の関係に基づいて求めておいた任意の温度のときの補正値の関係を記憶手段に記憶しておく。そして、補正手段により、温度検出手段で得られたディスクロータの温度から、ゲイン演算手段によって振動ゲインが求められたときのディスクロータの温度を求めると共に、当該温度のときの補正値を任意の温度のときの補正値の関係から求め、求めた補正値を用いて補正を行うことができる。
この場合、請求項12に示されるように、補正手段による補正は、振動ゲインがピークとなる所定温度を含む所定の温度範囲を補正適用範囲として設定しておき、ゲイン演算手段によって振動ゲインが求められたときのディスクロータの温度が補正適用範囲内の場合にのみ行われるようにするのが好ましい。
このようにすれば、ディスクロータの偏磨耗の度合いに応じて振動ゲインがあまり変わらないような温度の場合にまで補正が行われることを防止でき、より的確なブレーキ振動検知を行うことが可能となる。
このようにディスクロータの温度がパラメータとされる場合、請求項13に示されるように、温度検出手段は、ディスクロータの温度を類推する制動頻度もしくは減速量を検出することもできる。この場合、制動頻度や減速量からディスクロータの温度を推定しても良いし、制動頻度や減速量そのものをディスクロータの温度に対応したパラメータとして用いても良い。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態が適用されたブレーキ振動検知装置について説明する。図1は、本実施形態のブレーキ振動検知装置1のブロック構成を示したものである。以下、図1を参照して、本実施形態のブレーキ振動検知装置1について説明する。
図1に示されるように、ブレーキ振動検知装置1には、振動センサ5、ストップスイッチ10、車輪速度センサ21〜24、ブレーキ振動検知用のECU30および警報器40が備えられている。
振動センサ5は、車体に取り付けられることで、ブレーキ振動そのもの又はブレーキ振動が伝達されることで発生する振動を検知するものである。この振動センサ5が、ブレーキ振動成分を含む検出信号を発生させる信号発生手段に相当するものである。例えば、ブレーキ振動は、車両のステアリング系に主に伝達されるため、ステアリング系に設置されるのが好ましいが、ブレーキ振動が伝達される他の部位、例えばボデーに設置されても良いし、逆に、ブレーキ振動そのものを検知するようにブレーキキャリパやブレーキパッドに設置されても良い。この振動センサ5は、例えば、歪ゲージ式センサで構成され、振動に伴って歪ゲージが変位し、この歪ゲージに流れる電流値が変動することから、この電流値をブレーキ振動に応じた検出信号として出力するようになっている。
ストップスイッチ10は、制動検出手段に相当するものであり、図示しないブレーキ操作部材としてのブレーキペダルの踏み込みが為されたか否かを検出するもので、車両が制動中であるか否かの検出に用いられる。ドライバによってブレーキペダルが踏み込まれると、このストップスイッチ10がオンされ、ストップスイッチ10からそれを示す検出信号が出力されるようになっている。
車輪速度センサ21〜24は、各車輪FL、FR、RL、RRそれぞれに備えられた、ほぼ等間隔に配置された多数(例えば48個)の歯部を有する歯車型のセンサロータ25〜28の歯部に対向した位置に配置される。この車輪速度センサ21〜24は、例えば電磁ピックアップ式のもので構成され、センサロータ25〜28に備えられた歯部の凹凸によって車輪速度センサ21〜24に備えられたマグネットが発生させる磁界の方向が変化することから、それによる磁気抵抗素子の出力変化に基づいてパルス信号(正弦波)となる検出信号を出力する。この検出信号により、センサロータ25〜28の回転状態、つまり車輪FL、FR、RL、RRの回転状態が検出されるようになっている。
ブレーキ振動検知用のECU30は、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどの記憶手段に記憶されたプログラムに従って、RAMに記憶された各種データを用いて各種演算などの処理を実行するようになっている。このブレーキ振動検知用のECU30は、ブレーキ振動を検知すると、その旨を示す電気信号を警報器40に出力するようになっている。
警報器40は、例えば車内ブザーや警報ランプもしくは表示器によって構成され、ドライバに対してブレーキ振動が発生している旨の警報を行うものである。この警報器40は、ブレーキ振動検知用のECU30からの電気信号を受けて、ドライバにブレーキ振動が発生していることを伝えるようになっている。
次に、上記のように構成されたブレーキ振動検知装置1によるブレーキ振動検知の手法について説明する。
図2は、本実施形態のブレーキ振動検知装置1に備えられるブレーキ振動検知用のECU30が実行するブレーキ振動検知処理の全体のフローチャートを示したものである。この図に示される処理は、所定の演算周期ごとに実行されるもので、例えば図示しないイグニッションスイッチがオンされている期間中実行される。
まず、ステップ100では、振動センサ5からの検出信号を入力することでサンプリングが行われる。
この後、ステップ110に進み、ステップ100でサンプリングされた振動センサ5の検出信号をバンドパスフィルタに通すというフィルタ処理が実行される。ブレーキ振動検知用のECU30のうち、この処理を実行する部分がフィルタ処理手段に相当する。
ここでいうバンドパスフィルタは、ステアリング系の共振周波数帯の成分を抽出するものであり、ブレーキ振動とは無関係の振動が振動センサ5で検出されたとしても、それを除去するようになっている。なお、ここでいうステアリング系の共振周波数帯は、実験によれば、例えば10〜15Hz程度という低周波帯であることが確認されている。
次に、ステップ120では、今回の振動センサ5の検出信号が得られたタイミングが制動中であったか否かが判定される。制動中であるか否かに関しては、ストップスイッチ10からオンされたことを示す検出信号が出力されているか否かに基づいて判定され、ストップスイッチ10からオンされたことを示す検出信号が出力されている最中に得られた振動センサ5の検出信号に関しては、制動中のデータとして取り扱われる。
このステップで否定判定された場合には、制動中でなければブレーキ振動は発生しないものとして、再びステップ100に戻り、上記各処理が繰り返される。
一方、このステップで肯定判定された場合には、ステップ130に進み、平均化処理が実行される。ブレーキ振動検知用のECU30のうち、この処理を実行する部分がゲイン演算手段に相当する。
平均値Sは、振動センサ5の検出信号のゲインを平均したものに相当する。この平均値Sは、ノイズ成分や車輪の加減速によるオフセット成分を除去するために、過去のサンプリングによって得られた振動センサ5の検出信号のバンドパスフィルタ通過後の値からゲインを求め加算し、その平均値を求めたものである。
なお、バンドパスフィルタを通過した後の検出信号は、0を中心に正負に変化する信号となるため、そのゲインは一般的な手法、例えば、任意の時間での振幅量又は自乗の積算値などによって求められる。
続いて、ステップ140に進み、ゲイン補正処理が実行される。ブレーキ振動検知用のECU30のうち、この処理を実行する部分が補正手段に相当する。ゲイン補正処理は、振動センサ5の検出信号のゲインを補正するものであり、ここでは、ゲインの平均値Sの補正を行う。まず、振動センサ5の検出信号のゲインの補正方法について説明する。
振動センサ5の検出信号のゲインは、車速に応じて変動することが本発明者らの検討により確認されている。具体的には、ブレーキ振動は、ステアリング系の共振周波数と車輪の回転一次又は二次の周波数とが一致して共振現象が発生したときに最大となり、ゲインは、その最大となるときの車速を基準として徐々に低下する。
図3は、この様子を示したものであり、図3(a)は、ディスクロータに対して警報を行わなければならないほどの偏磨耗が発生している場合のゲインの変化、図3(b)は、ディスクロータにあまり偏磨耗が発生していない場合のゲインの変化を示している。
ステアリング系と車輪の回転一次もしくは回転二次とが一致して共振現象が発生する車速は車両によって決まっており、例えば100km/h程度もしくは50km/h程度である。図3(a)と図3(b)とを比較すると分かるように、ディスクブレーキにおける偏磨耗の度合いによって検出信号のゲインが大小するものの、ゲインがピークとなるのは同様に共振現象が発生する車速となっている。そして、この共振現象が発生する車速を中心(ゼロ)として車速が増減すると、図3(a)、(b)から分かるように、検出信号のゲインが低下していっている。
このため、検出信号のゲインがブレーキ振動の判定しきい値以上となるような場合にブレーキ振動の発生を検知するとすれば、車速に応じて検出信号のゲインが変動することから、正確にブレーキ振動の発生を検知することができなくなる。
例えば、ディスクロータが警報対象となる位に偏磨耗していた場合において、共振現象が発生する車速だとゲインがピークとなることからブレーキ振動の判定しきい値を超えるとしても、共振現象が発生する車速からずれているとゲインが小さくなってブレーキ振動の判定しきい値を超えない可能性がある。このような場合には、ブレーキ振動の発生を検知することができなくなる。
反対に、ディスクロータが警報対象となるほど偏磨耗していない場合において、共振現象が発生する車速からずれているときにはゲインがブレーキ振動の判定しきい値を超えなかったとしても、共振現象が発生する車速だとゲインが大きくなってブレーキ振動の判定しきい値を超えてしまう可能性もある。このような場合にも、ブレーキ振動の発生を検知することができなくなる。
このため、共振現象が発生する車速に対してどれだけ車速ずれているかにより、検出信号のゲインがピークに対してどれだけの割合に低下するかというゲインの低下率(比率)を求め、その低下率に応じたかさ上げ、例えば求められたゲインに対して低下率の逆数を乗算することで、共振周波数が発生する車速(以下、共振車速という)と同等に検出信号のゲインを高めることが可能となる。このようにすれば、振動センサ5の検出信号を得たときの車速が共振車速からずれていたとしても、共振車速のときと同等の大きさのゲインに基づいて、ブレーキ振動の発生を検知することが可能となるのである。
ただし、図3(a)、(b)に示されるように、共振車速から例えば±40km/h以上ずれると、ディスクブレーキにおける偏磨耗の度合いが異なっていても、検出信号のゲインがほとんど変化していない。
このため、振動センサ5の検出信号を得たときの車速が共振車速から大きくずれていた場合にまで、上記のような補正を行ってしまうと、例えばディスクブレーキの偏磨耗の度合いによらず、すべての場合に検出信号のゲインが警報対象となるほど偏磨耗が発生している場合のゲインと同じくらいの大きさになる等、逆にブレーキ振動を的確に検出できなくなる可能性がある。
したがって、例えば、共振車速から±40km/hの範囲を補正適用範囲として定義し、振動センサ5の検出信号を得たときの車速がこの補正適用範囲内であった場合には、ゲインの補正を行い、範囲外であった場合には、ゲインの補正を行わないようにするのが好ましい。
図3(c)は、このように共振車速から±40km/hの範囲を補正適用範囲として定義した場合の補正係数(倍率)を示したマップであり、実験的にゲインの低下率を車速毎に求め、その低下率の逆数を求めることで作成したものである。例えば、図3(a)におけるゲインのピークがa、共振車速から+35km/hずれたときのゲインがbであったとすると、共振車速から+35km/hずれた車速の補正倍率はa/bとして求めてある。
このようなマップを用いてゲインの補正を行うことが可能となる。したがって、このようなマップをブレーキ振動検知用のECU30のROMに予め記憶しておけば、ゲインの補正を行う際にこのマップを利用して補正係数を求めることが可能となる。
なお、ここでは、検出信号のゲインがピークに対してどれだけの割合に低下するかというゲインの低下率を求め、その逆数を乗算することでゲインの補正を行う例を挙げたが、この他、検出信号のゲインがピークに対してどれだけ低下するかというゲインの低下量を求め、その低下量分を加算することでゲインの補正を行うこともできる。
このような補正方法に基づいて、ゲインの補正が行われる。図4は、図2のステップ140におけるゲイン補正処理の詳細を示したフローチャートである。
この図に示されるように、まず、ステップ200では、図2におけるステップ130の平均化処理に用いられた振動センサ5の検出信号を得たときの平均車速Vaveが演算される。
このときの車速としては、各車輪FL、FR、RL、RRの車輪速度をそのまま用いても良いが、車輪速度から車速を求める一般的な手法(車輪速度のうちの最も大きいものを用いる手法や、最も遅いものを除いた3つの平均値を用いる手法)等で求めても良いし、車速が車両に搭載された他のECUで求められている場合には、そのECUから情報を得るようにしても良い。勿論、車速センサが搭載されたような車両であれば、その車速センサからの検出信号を入力することで、車速を得るようにしても良い。なお、ブレーキ振動検知用のECU30のうち、このように車速を得る部分が車速検出手段に相当する。
次に、ステップ210では、ステップ200で求められた平均車速Vaveの共振車速からの差dV(=共振車速−Vave)が求められる。このときの共振車速は上述した100km/hと50km/hのいずれであっても構わない。
そして、ステップ220に進み、ステップ210で求められた差dVから、平均車速Vaveが補正適用範囲内であるか否かが判定される。補正適用範囲は、上述したように、例えば共振車速から±40km/hの範囲とされることから、ここでは差dVが±40km/hを超えていなければ肯定判定され、超えていれば否定判定される。
このステップで否定判定された場合には、今回得られた検出信号のゲイン(本実施形態の場合には平均値S)に基づいてブレーキ振動検知を行うのは好ましくないものとして、図2のステップ160に進み、今回得られた平均値Sがクリアされて処理が完了となる。
一方、このステップで肯定判定された場合には、ステップ230に進み、今回得られた検出信号のゲイン(本実施形態の場合には平均値S)に基づいてブレーキ振動検知を行うべく、補正係数Kの読み込みが行われる。この補正係数Kの読み込みは、上述した図3(c)に示されるマップを用いて行われ、そのマップからステップ210で求められた差dVと対応する補正係数Kを抽出することで行われる。
そして、ステップ240に進み、図2のステップ130において先に求められている平均値Sに対して補正係数Kを乗算することで、検出信号のゲインの補正値に相当する平均値Sの補正値S’(=S×K)が求められる。
このようにして補正値S’が求められると、ゲイン補正処理が完了となる。このため、図2のステップ150に進み、ゲイン補正処理で求められた補正値S’がブレーキ振動判定しきい値以上となっているか否かが判定される。ブレーキ振動検知用のECU30のうち、この処理を実行する部分がブレーキ振動検知手段に相当する。
このステップで否定判定されれば、ブレーキ振動が発生していないものとしてステップ160に進み、今回用いられた平均値Sおよび補正値S’がクリアされたのち、処理が完了となる。そして、このステップで肯定判定されれば、ブレーキ振動が発生したものとして、ステップ170に進み、警報処理が実行される。この警報処理は、警報器40に対してブレーキ振動が発生している旨の警報を行わせる指令信号を出力するものであり、この指令信号を受けて警報器40により、ドライバにブレーキ振動が発生していることを伝えることができる。
以上説明したように、本実施形態のブレーキ振動検知装置1によれば、振動センサ5の検出信号のゲインを車速に応じて補正し、その補正後のゲインを用いてブレーキ振動の発生を検知するようにしている。このため、より的確にブレーキ振動検知を行うことが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態のブレーキ振動検知装置1は、上記第1実施形態と同様の構成であり、ブレーキ振動検知装置1におけるブレーキ振動検知用のECU30で実行される処理についてのみ異なるものであるため、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、第1実施形態と異なる補正方法により、振動センサ5の検出信号のゲインの補正を行う。
上述したように、第1実施形態では、車速に応じて振動センサ5の検出信号のゲインが変動することから、車速に応じてそのゲインの補正を行った。これに対し、本実施形態では、制動トルクに応じて振動センサ5の検出信号のゲインが変動することから、制動トルクに応じてそのゲインの補正を行う。すなわち、本実施形態は、上記第1実施形態に対して、図2のステップ140で実行される処理を変更したものである。
以下、本実施形態における振動センサ5の検出信号のゲインの補正方法について説明する。
振動センサ5の検出信号のゲインは、制動トルクによっても変動することが本発明者らの検討により確認されている。図5は、ディスクロータに警報対象となる位の偏磨耗が発生している場合における制動トルクと振動センサ5の検出信号のゲインとの関係を示したものである。ただし、制動トルク自体を検出することは難しいため、ここでは制動トルクを類推する際に用いられる減速度Gに対するゲインの関係を調べている。
この図に示されるように、減速度Gが例えば0.15〜0.19G(特に0.17G)程度となる場合に、振動センサ5の検出信号のゲインがピークとなっている。そして、このピークを境として減速度Gの変動に応じて振動センサ5の検出信号のゲインが低下している。
したがって、制動トルクの変動に対しても、第1実施形態で示した車速と同様に、制動トルクのうち振動センサ5のゲインがピークとなるトルク(以下、ゲインピークトルクという)を基準として、検出信号のゲインがピークに対してどれだけの割合に低下するかというゲインの低下率(比率)を求め、その低下率に応じたかさ上げ、例えば求められたゲインに対して低下率の逆数を乗算することで、ゲインピークトルクと同等に検出信号のゲインを高めることが可能となる。このようにすれば、振動センサ5の検出信号を得たときの制動トルクがゲインピークトルクからずれていたとしても、ゲインピークトルクのときと同等の大きさのゲインに基づいて、ブレーキ振動の発生を検知することが可能となるのである。
ただし、例えば、減速度Gが0.13〜0.21Gの範囲内であれば、偏磨耗の度合いによって振動センサ5の検出信号のゲインが異なったものとなるが、この範囲外になるとあまり変わらなくなる。
このため、振動センサ5の検出信号を得たときの制動トルクがゲインピークトルクから大きくずれていた場合にまで、上記のような補正を行ってしまうと、例えばディスクブレーキの偏磨耗の度合いによらず、すべての場合に検出信号のゲインが警報対象となるほど偏磨耗が発生している場合のゲインと同じくらいの大きさになる等、逆にブレーキ振動を的確に検出できなくなる可能性がある。
したがって、例えば、ゲインピークトルクに相当する減速度Gを中心として、そこから±0.04Gの範囲を補正適用範囲として定義し、振動センサ5の検出信号を得たときの制動トルクがこの補正適用範囲内であった場合には、ゲインの補正を行い、範囲外であった場合には、ゲインの補正を行わないようにするのが好ましい。
図5(b)は、このようにゲインピークトルクに相当する減速度G(ここでは0.17G)から±0.04Gの範囲を補正適用範囲として定義した場合の補正係数(倍率)を示したマップであり、上記第1実施形態と同様に、実験的にゲインの低下率を減速度G毎に求め、その低下率の逆数を求めることで作成したものである。
このようなマップを用いてゲインの補正を行うことが可能となる。したがって、このようなマップをブレーキ振動検知用のECU30のROM等に予め記憶しておけば、ゲインの補正を行う際にこのマップを利用して補正係数を求めることが可能となる。
なお、ここでは、検出信号のゲインがピークに対してどれだけの割合に低下するかというゲインの低下率を求め、その逆数を乗算することでゲインの補正を行う例を挙げたが、この他、検出信号のゲインがピークに対してどれだけ低下するかというゲインの低下量を求め、その低下量分を加算することでゲインの補正を行うこともできる。
このような補正方法に基づいて、ゲインの補正が行われる。図6は、図2のステップ140におけるゲイン補正処理の詳細を示したフローチャートである。
この図に示されるように、まず、ステップ300では、図2におけるステップ130の平均化処理に用いられた振動センサ5の検出信号を得たときの制動トルクの平均値(平均制動トルク)Faveが演算される。ブレーキ振動検知用のECU30のうち、この処理を実行する部分がブレーキトルク検出手段に相当する。
このときの制動トルクとしては、例えば、図示しないブレーキECUにおいて目標制動トルクが求められている場合には、その値を用いても良いし、各車輪のホイールシリンダ圧や減速度Gから類推した制動トルクを用いても良いが、本実施形態の場合には、減速度Gを用いるようにしている。なお、ホイールシリンダ圧や減速度Gから制動トルクを類推する手法に関しては、従来より一般的に知られているものであるため、ここでは説明を省略する。
次に、ステップ310では、ステップ300で求められた平均制動トルクFaveが補正適用範囲内であるか否かが判定される。補正適用範囲は、上述したように、例えばゲインピークトルクの相当する減速度Gを中心とした±0.04Gの範囲(つまり、図5(b)に示されるように0.13〜0.21G)の範囲とされ、この範囲内であれば肯定判定され、範囲外であれば否定判定される。
このステップで否定判定された場合には、今回得られた検出信号のゲイン(本実施形態の場合には平均値S)に基づいてブレーキ振動検知を行うのは好ましくないものとして、図2のステップ160に進み、今回得られた平均値Sがクリアされて処理が完了となる。
一方、このステップで肯定判定された場合には、ステップ330に進み、今回得られた検出信号のゲイン(本実施形態の場合には平均値S)に基づいてブレーキ振動検知を行うべく、補正係数Kの読み込みが行われる。この補正係数Kの読み込みは、上述した図5(b)に示されるマップを用いて行われ、そのマップからステップ310で求められた平均制動トルクFaveに相当する減速度Gと対応する補正係数Kを抽出することで行われる。
そして、ステップ340に進み、図2のステップ130において先に求められている平均値Sに対して補正係数Kを乗算することで、検出信号のゲインの補正値に相当する平均値Sの補正値S’(=S×K)が求められる。
このようにして補正値S’が求められると、ゲイン補正処理が完了となる。このため、図2のステップ150に進み、以下、第1実施形態と同様の手法により、ブレーキ振動の検知判定が行われる。
以上説明したように、本実施形態のブレーキ振動検知装置1によれば、振動センサ5の検出信号のゲインを制動トルクに応じて補正し、その補正後のゲインを用いてブレーキ振動の発生を検知するようにしている。このため、より的確にブレーキ振動検知を行うことが可能となる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態のブレーキ振動検知装置1も、上記第1実施形態と同様の構成であり、ブレーキ振動検知装置1におけるブレーキ振動検知用のECU30で実行される処理についてのみ異なるものであるため、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態も、第1実施形態と異なる補正方法により、振動センサ5の検出信号のゲインの補正を行う。具体的には、本実施形態では、ディスクロータの温度に応じて振動センサ5の検出信号のゲインが変動することから、ディスクロータの温度に応じてそのゲインの補正を行う。すなわち、本実施形態も、上記第1実施形態に対して、図2のステップ140で実行される処理を変更したものである。
以下、本実施形態における振動センサ5の検出信号のゲインの補正方法について説明する。
振動センサ5の検出信号のゲインは、ディスクロータの温度によっても変動することが本発明者らの検討により確認されている。図7(a)は、ディスクロータに警報対象となる位の偏磨耗が発生している場合におけるディスクロータの温度と振動センサ5の検出信号のゲインとの関係を示したものである。
この図に示されるように、ディスクロータの温度が所定温度以上まで上昇すると、振動センサ5の検出信号のゲインがピークとなる。そして、それ以下の温度では、徐々に低下している。
したがって、ディスクロータの温度の変動に対しても、第1実施形態で示した車速と同様に、ディスクロータの温度のうち振動センサ5のゲインがピークとなる温度(以下、ゲインピーク温度という)を基準として、検出信号のゲインがピークに対してどれだけの割合に低下するかというゲインの低下率(比率)を求め、その低下率に応じたかさ上げ、例えば求められたゲインに対して低下率の逆数を積算することで、ゲインピーク温度と同等に検出信号のゲインを高めることが可能となる。このようにすれば、振動センサ5の検出信号を得たときのディスクロータの温度がゲインピーク温度からずれていたとしても、ゲインピーク温度のときと同等の大きさのゲインに基づいて、ブレーキ振動の発生を検知することが可能となるのである。
図7(b)は、このようにゲインピーク温度に対する補正係数(倍率)を示したマップであり、上記第1実施形態と同様に、実験的にゲインの低下率を温度毎に求め、その低下率の逆数を求めることで作成したものである。
このようなマップを用いてゲインの補正を行うことが可能となる。したがって、このようなマップをブレーキ振動検知用のECU30のROM等に予め記憶しておけば、ゲインの補正を行う際にこのマップを利用して補正係数を求めることが可能となる。
なお、ここでは、検出信号のゲインがピークに対してどれだけの割合に低下するかというゲインの低下率を求め、その逆数を乗算することでゲインの補正を行う例を挙げたが、この他、検出信号のゲインがピークに対してどれだけ低下するかというゲインの低下量を求め、その低下量分を加算することでゲインの補正を行うこともできる。
このような補正方法に基づいて、ゲインの補正が行われる。図8は、図2のステップ140におけるゲイン補正処理の詳細を示したフローチャートである。
この図に示されるように、まず、ステップ400では、図2におけるステップ130の平均化処理に用いられた振動センサ5の検出信号を得たときのディスクロータの温度の平均温度Taveが演算される。ブレーキ振動検知用のECU30のうち、この処理を実行する部分が温度検出手段に相当する。
このときのディスクロータの温度を赤外線等を用いた温度センサ等で検出しても良いが、任意の時間当たりの制動回数や減速度量(減速度の積算値)を用い、これら制動回数や減速度量をディスクロータの温度換算して、もしくは、これらを直接パラメータとして用いても良い。
例えば、ディスクロータの温度が直接図れない場合に、それを推定する方法としては、基本的には、ブレーキによって車両が減速した量(運動エネルギーを熱エネルギーに変換した量)と温度との関係を実験的に求める方法が簡易であるが、下り坂のように車両が減速しなくてもディスクロータが蓄熱されるような場合もある。したがって、ホイールシリンダ圧とそのホイールシリンダ圧が加えられた時間、又は、制動回数とその時間で置き換えることも可能である。なお、このようにして蓄えられた熱は、時間と共に放熱されるため、車種ごとの空冷特性を予め求めておき、それに基づいて、ブレーキオンで温度を加算(蓄熱)、ブレーキオフで温度を減算(放熱)というような演算を行うことで、現時点での温度を推定することができる。
ステップ410では、今回得られた検出信号のゲイン(本実施形態の場合には平均値S)に基づいてブレーキ振動検知を行うべく、補正係数Kの読み込みが行われる。この補正係数Kの読み込みは、上述した図7(b)に示されるマップを用いて行われ、そのマップからステップ400で求められた平均温度Taveと対応する補正係数Kを抽出することで行われる。
そして、ステップ420に進み、図2のステップ130において先に求められている平均値Sに対して補正係数Kを乗算することで、検出信号のゲインの補正値に相当する平均値Sの補正値S’(=S×K)が求められる。
このようにして補正値S’が求められると、ゲイン補正処理が完了となる。このため、図2のステップ150に進み、以下、第1実施形態と同様の手法により、ブレーキ振動の検知判定が行われる。
以上説明したように、本実施形態のブレーキ振動検知装置1によれば、振動センサ5の検出信号のゲインをディスクロータの温度に応じて補正し、その補正後のゲインを用いてブレーキ振動の発生を検知するようにしている。このため、より的確にブレーキ振動検知を行うことが可能となる。
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、所定車速範囲として例えば100km/h±40km/h程度もしくは50km/h±40km/h程度の範囲を例に挙げて説明したが、これは一次共振周波数(回転一次の共振周波数)が100km/h程度の車速、二次共振周波数(回転二次の共振周波数)が50km/h程度の車速となることから、これらを例に挙げたが、それ以上の高次共振周波数に対しても、同様のことが言える。ただし、その場合には、共振する車速がかなり低い値となってしまい、振動センサ5のゲインが小さくなってしまうため、一次共振周波数もしくは二次共振周波数に相当する車速を基準として所定車速範囲を設定するのが好ましい。
また、上記第1〜第3実施形態では、それぞれ振動センサ5の検出信号のゲインを補正するときのパラメータとして異なるものを挙げているが、これらの複数を組み合わせて用いることも可能である。
上記第1〜第3実施形態では、ブレーキ振動を検出するために振動センサ5を用いるようにしているが、これは、振動センサ5の検出信号がブレーキ振動に応じて変動するブレーキ振動成分を含んでおり、これからブレーキ振動に関するゲイン(振動ゲイン)を求めることができるためであり、検出信号にブレーキ振動成分が含まれるものであれば、どのようなものであっても構わない。例えば、上記特許文献1に示したように、ブレーキ油圧の検出信号から振動ゲインを求めることでブレーキ振動の検出を行うような形態であっても構わない。
なお、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。
本発明の第1実施形態におけるブレーキ振動検知装置のブロック構成を示す図である。 図1に示すブレーキ振動検知装置のECUが実行するブレーキ振動検知処理のフローチャートである。 (a)は、ディスクロータに対して警報を行わなければならないほどの偏磨耗が発生している場合のゲインの変化を示した図、(b)は、ディスクロータに対してあまり偏磨耗が発生していない場合のゲインの変化を示した図、(c)は、車速と補正係数との関係を示した図である。 図2に示すブレーキ振動検知処理に含まれるゲイン補正処理の詳細を示したフローチャートである。 (a)は、ディスクロータに対して警報を行わなければならないほどの偏磨耗が発生している場合のゲインの変化を示した図、(b)は、減速度Gと補正係数との関係を示した図である。 本発明の第2実施形態のブレーキ振動検知装置のECUで行われるブレーキ振動検知処理に含まれるゲイン補正処理の詳細を示したフローチャートである。 (a)は、ディスクロータに対して警報を行わなければならないほどの偏磨耗が発生している場合のゲインの変化を示した図、(b)は、ディスクロータの温度と補正係数との関係を示した図である。 本発明の第3実施形態のブレーキ振動検知装置のECUで行われるブレーキ振動検知処理に含まれるゲイン補正処理の詳細を示したフローチャートである。
符号の説明
1…ブレーキ振動検知装置、5…振動センサ、10…ストップスイッチ、21〜24…車輪速度センサ、25〜29…センサロータ、30…ブレーキ振動検知用のECU、40…警報器。

Claims (13)

  1. 車両が制動中であるか否かを検出する制動検出手段(10)にて制動中であることが検出されている場合に、前記車両に備えられた複数の車輪(FL、FR、RL、RR)それぞれにおけるブレーキ振動成分を含む検出信号を発生させる信号発生手段(5)が発生した前記検出信号に基づいて振動ゲインを演算するゲイン演算手段(130)と、
    前記ゲイン演算手段によって求められた前記振動ゲインの変動要因となるパラメータの値を求めると共に、該パラメータの値に基づいて、前記振動ゲインを補正する補正手段(140)と、
    前記補正手段によって補正された後の前記振動ゲインが所定のブレーキ振動判定しきい値以上であるか否かによってブレーキ振動の発生を検知するブレーキ振動検知手段(150)と、を有していることを特徴とするブレーキ振動検知装置。
  2. 前記検出信号をバンドパスフィルタに通すフィルタ処理手段(110)を有し、
    前記ゲイン演算手段は、前記フィルタ処理手段での処理後における前記検出信号のゲインを平均化処理した前記振動ゲインの平均値(S)を求めるものであり、
    前記補正手段は、前記振動ゲインの平均値に対して前記補正を行うものであることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ振動検知装置。
  3. 前記車両の車速を求める車速検出手段を有し、
    前記振動ゲインの変動要因となるパラメータは車速であり、前記補正手段は、前記車速検出手段によって求められた前記車速に基づいて前記振動ゲインを補正するようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキ振動検知装置。
  4. 前記振動ゲインが所定車速となるときにピークとなる場合において、前記振動ゲインのピークに対する任意の車速のときの前記振動ゲインの低下率もしくは低下量の関係に基づいて求めた任意の車速のときの補正値の関係を記憶する記憶手段を有し、
    前記補正手段は、前記車速検出手段で得られた車速から、前記ゲイン演算手段によって前記振動ゲインが求められたときの車速を求めると共に、当該車速のときの補正値を前記任意の車速のときの前記補正値の関係から求め、求めた補正値を用いて前記補正を行うことを特徴とする請求項3に記載のブレーキ振動検知装置。
  5. 前記補正手段は、前記振動ゲインがピークとなる前記所定車速を含む所定の速度範囲を補正適用範囲として設定しており、前記ゲイン演算手段によって前記振動ゲインが求められたときの車速が前記補正適用範囲内の場合にのみ、前記補正を行うことを特徴とする請求項4に記載のブレーキ振動検知装置。
  6. 前記車両の制動トルクを求める制動トルク検出手段を有し、
    前記振動ゲインの変動要因となるパラメータは制動トルクであり、前記補正手段は、前記制動トルク検出手段によって求められた前記制動トルクに基づいて前記振動ゲインを補正するようになっていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のブレーキ振動検知装置。
  7. 前記振動ゲインが所定の制動トルクとなるときにピークとなる場合において、前記振動ゲインのピークに対する任意の制動トルクのときの前記振動ゲインの低下率もしくは低下量の関係に基づいて求めておいた任意の制動トルクのときの補正値の関係を記憶する記憶手段を有し、
    前記補正手段は、前記制動トルク検出手段で得られた制動トルクから、前記ゲイン演算手段によって前記振動ゲインが求められたときの制動トルクを求めると共に、当該制動トルクのときの補正値を前記任意の制動トルクのときの前記補正値の関係から求め、求めた補正値を用いて前記補正を行うことを特徴とする請求項6に記載のブレーキ振動検知装置。
  8. 前記補正手段は、前記振動ゲインがピークとなる前記所定制動トルクを含む所定の制動トルク範囲を補正適用範囲として設定しており、前記ゲイン演算手段によって前記振動ゲインが求められたときの制動トルクが前記補正適用範囲内の場合にのみ、前記補正を行うことを特徴とする請求項7に記載のブレーキ振動検知装置。
  9. 前記制動トルク検出手段は、前記制動トルクを類推する減速度もしくはホイールシリンダ圧を検出することを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1つに記載のブレーキ振動検知装置。
  10. 前記各車輪ごとに搭載されたディスクロータの温度を求める温度検出手段を有し、
    前記振動ゲインの変動要因となるパラメータは前記ディスクロータの温度であり、前記補正手段は、前記温度検出手段によって求められた前記ディスクロータの温度に基づいて前記振動ゲインを補正するようになっていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載のブレーキ振動検知装置。
  11. 前記ディスクロータが所定温度以上であるときに前記振動ゲインがピークとなる場合において、前記振動ゲインのピークに対する任意の温度のときの前記振動ゲインの低下率もしくは低下量の関係に基づいて求めておいた任意の温度のときの補正値の関係を記憶する記憶手段を有し、
    前記補正手段は、前記温度検出手段で得られた前記ディスクロータの温度から、前記ゲイン演算手段によって前記振動ゲインが求められたときの前記ディスクロータの温度を求めると共に、当該温度のときの補正値を前記任意の温度のときの前記補正値の関係から求め、求めた補正値を用いて前記補正を行うことを特徴とする請求項10に記載のブレーキ振動検知装置。
  12. 前記補正手段は、前記振動ゲインがピークとなる前記所定温度を含む所定の温度範囲を補正適用範囲として設定しており、前記ゲイン演算手段によって前記振動ゲインが求められたときの前記ディスクロータの温度が前記補正適用範囲内の場合にのみ、前記補正を行うことを特徴とする請求項11に記載のブレーキ振動検知装置。
  13. 前記温度検出手段は、前記ディスクロータの温度を類推する制動頻度もしくは減速量を検出することを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1つに記載のブレーキ振動検知装置。
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