JP2006262933A - 咬合保持装置 - Google Patents

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實 阿部
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行博 水野
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Abstract

【課題】 欠損を補綴する従来の部分床義歯とは異なり、咬合を保持することを目的とした咬合保持装置を提供する。
【解決手段】 本発明の咬合保持装置は、歯牙欠損部を有した患者の口腔内に装着して使用され、咬合を保持するのに適したマウスピース状の形態の装置であって、当該装置は、歯列弓形に略一致した馬蹄形の樹脂成形体1と、前記歯牙欠損部の位置の歯牙の形状を模した人工歯2とからなり、前記樹脂成形体1が、患者の歯列部及び歯肉部の表面全体を密着した状態で被覆するに適した実質的にU字状の縦断面形状を有しており、当該樹脂成形体1の内側面における前記歯牙欠損部の位置に前記人工歯2が取り付けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、う蝕や歯周病が進行し、咬合崩壊が顕在化している患者、あるいは将来的に歯列欠損を生じる可能性のある患者に対して、欠損を補綴する従来の部分床義歯とは異なり、咬合を保持することを目的とした咬合保持装置(occlusion retainer、リテーナー型義歯)に関するものである。
う蝕や歯周病が中等度あるいは重度に進行している患者の多くは、既に欠損歯列を有しており、咬合高径の低下、咬合平面の彎曲、顎偏位などを伴う場合も決して少なくない。また、不適切な義歯治療と相俟って、さらに鉤歯を次々と喪失するケースも多く、従来の診療計画では、歯について抜歯か保存かの診断を行った後、まず抜歯処置から始められる。この際、仮に、抜歯前に即時義歯の製作を考えたとしても、印象の撤去時に動揺歯を抜歯する危険性が高く、印象採得が困難であった。又、抜歯の対象がブリッジの支台歯の場合は、ブリッジが撤去されると一挙に咬合崩壊が進行し、すれ違い咬合やそれに近い咬合状態に移行する場合が少なくなく、抜歯してからの歯周治療用装置では咬合保持が困難であり、適切な処置方針とは言えず、これらの難症例に対応するのに適した咬合保持装置は提案されていないのが現状である。
欠損歯列を補綴する部分床義歯(partial denture)の適応症の中には、通常の義歯設計では対応が困難な場合が少なくなく、こういう場合には診断・治療用の暫間義歯を活用すると言われているが、暫間義歯の具体的な設計はどうするのかとなると、通常の義歯設計以外には方法がない。また、暫間義歯からどのように永続義歯へ移行させるかについても、新義歯を始めから作り直す以外に方法がなく、通常の義歯設計では対応が困難な症例に対する診断・治療用暫間義歯の設計をシンプルに標準化することは困難であった。
本発明は、歯と咬合を守る目的のために、欠損を補綴する従来の部分床義歯ではなく、どんな歯も抜かずに守る機能を有した咬合保持装置を提供することを目的としている。
すなわち、本発明の咬合保持装置は、歯牙欠損部を有した患者の口腔内に装着して使用され、咬合を保持するのに適したマウスピース状の形態を有する装置であって、当該装置が、歯列弓形に略一致した馬蹄形の樹脂成形体と、前記歯牙欠損部の位置の歯牙の形状を模した人工歯とからなり、前記樹脂成形体が、患者の歯列部及び歯肉部の表面全体を密着した状態で被覆するに適した実質的にU字状の縦断面形状を有しており、しかも、当該樹脂成形体の内側面における前記歯牙欠損部の位置に前記人工歯が取り付けられていることを特徴とする。
本発明の咬合保持装置は、抜歯をせずに咬合を確保し、早期にある程度の機能回復と外観の回復を図りながら、う蝕や歯周病の治療を行うための暫間義歯として使用できるだけでなく、咬合高径や顎偏位を修正するなどの治療用義歯、あるいは強度と耐久性を求めた金属構造義歯を製作する場合の診断用義歯としても有効に使用することができ、難症例に対する診断・治療用暫間義歯の設計をシンプルに標準化し、永続義歯への移行を合理的にシステム化するのに有用である。
又、高齢社会における患者中心の医療(Patient Oriented System)の中では、何らかの理由で歯を抜きたくない、抜けない、あるいは抜かない方が良い症例も多くなることが予想され、そういう症例に対して、本発明の咬合保持装置は、これからのかかりつけ歯科医にとって有効な治療装置となりうるものである。
本発明の咬合保持装置(リテーナー型義歯)は、う蝕や歯周病が進行し、咬合崩壊が顕在化している患者、あるいは将来的に歯列欠損を生じる可能性のある患者に対して、欠損を補綴する従来の部分床義歯を使用するのではなく、咬合を保持することを目的に開発されたものであり、これによって、従来保存処置が難しいと思われていた重度の歯周病であっても、抜歯せずに延命できる。このような症例を持つ患者に適切な部分床義歯を作製するために、リテーナー型の義歯を作製し治療する事が、残存歯をできるだけ残せる良い方法であり、本発明の装置は、クラスプや連結装置を使用せず、圧接した樹脂シート上に人工歯を常温重合レジンで排列して製作された簡便な義歯、咬合保持装置、診療用、治療用義歯としても使用可能である。
まず、本発明の咬合保持装置の好ましい一例における外観及び構造を図面に示し、本発明を説明するが、本発明の義歯は図面に例示したものに限定されない。
図1は、本発明の咬合保持装置の好ましい一例における外観を示す写真であり、図2(a)は、人工歯が植立された部分(図1の写真における右側部分)の縦断面構造を示す図であり、図2(b)は、患者の天然歯が存在し、人工歯が植立されていない部分(図1の写真における左側部分)の樹脂成形体1の縦断面構造を示す図である。
図1に示されるように、本発明の咬合保持装置は、歯牙欠損部を有した患者の口腔内(上顎又は下顎)に装着して使用されるマウスピース状の形態を有するものであって、当該装置は、歯列弓形に略一致した馬蹄形の樹脂成形体1と、歯牙欠損部の位置の歯牙の形状を模した人工歯2とからなり、この樹脂成形体1は、患者の上顎又は下顎の歯列部及び歯肉部の表面全体を密着した状態で被覆するに適した実質的にU字状の縦断面形状を有しており、当該樹脂成形体1の内側面における歯牙欠損部の位置には前記人工歯2が、樹脂成形体1の内側面と密着した状態で収容されて取り付けられている。本発明の装置における人工歯2の本数は、患者の歯牙欠損状況に応じた本数で、1本又はそれ以上であり、本発明では、患者の口腔内に当該装置を装着した際に、歯牙欠損部の存在しない完全な歯列が復元されるようになっている。本発明では、図2(a)に示されるようにして、人工歯2の歯根部が、患者の歯肉部分の色に着色された樹脂から成る歯肉部3(図1の写真において黒く写っている部分)によって覆われた構造が一般的であるが、このような縦断面構造のものに限定されるものではない。
尚、本発明の咬合保持装置における樹脂成形体1は熱可塑性樹脂より構成されており、口腔内での使用に問題のないものであれば樹脂の種類は特に限定されないが、特に好ましい材質はエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)であり、市販の樹脂シートを加熱吸引成形機で成形して製造される。又、実質的にU字状の縦断面形状を有した、この樹脂成形体1の内側面(内側空洞部)の歯牙欠損部の位置に取り付けられた人工歯2の材質についても特に限定されるものではなく、一般的な材質(例えばアクリル樹脂等)の人工歯がいずれも使用でき、接着性のある樹脂にて樹脂成形体1に接着固定されている。
本発明の咬合保持装置(リテーナー型義歯)の適応範囲は大変広いが、以下、重度の歯周病の症例を中心に、印象採得、咬合採得、製作術式、装着・調整など臨床と技工術式のポイントを説明する。本発明の咬合保持装置の作製方法は下記の手順で行なわれる。
1)前処置としての歯垢、歯石除去と歯冠形態の修正
重度の歯周病の場合、歯と咬合を守るためにできるだけ早く、リテーナー型義歯を装着する必要があり、印象採得の前には歯垢、歯石の除去と、緊急の一次固定処置が必要である。しかし、現行の歯周病治療のガイドラインでは、歯周病検査と初期治療、および再評価を行ってからでないと補綴治療に入れない傾向があるが、救命救急処置を急ぐ時の歯垢、歯石除去と初期治療としてのそれは区別して考えねばならない。時間が許せば、除去する前に歯垢、歯石とは何かを正しく認識させることが重要であり、これがプラークコントロールに対する動機づけの原点になる。また、本発明の咬合保持装置は歯冠を被覆する形態を有しているので、咬耗などによる鋭縁や傾斜歯の過豊隆部などをできる範囲で歯冠形態修正する。
2)印象採得(シリコーン・アルジネート分割印象)
一次印象としてインジェクションタイプのシリコーン印象材を口蓋側及び舌側からシリンジで注入し、下部鼓形空隙やアンダーカット部を満たす。この際、動揺歯が印象材で固定され、二次印象でトレーを撤去する時のアンダーカット域が減少する効果が得られる。次いで、二次印象としてアルジネート印象材と既製トレーを使用した通常の全顎印象を採得する。印象撤去時にアルジネート印象材とシリコーン印象材は分割されて撤去されるので、動揺歯やブリッジのポンティックがあっても問題なく容易に撤去でき、アルジネート印象材の二次印象面のコアー部にシリコーン印象材がきちんと適合することを確認しておく。
3)一定量挙上用バイトワックスを用いた咬合採得
樹脂シートを用いて製作する樹脂成形体1の歯冠を被覆する部分の厚さをコントロールするために、図3に示されるような、内部に直径のそろったガラスビーズ5を埋入したバイトワックス(咬合採得用ワックス)4を試作した。この図3のバイトワックスは、軟化点が60℃以上のワックスより成り、歯列弓形に略一致する馬蹄形の平板状の形態を有しており、その内部には、上下歯牙の咬合面の挙上値を調整するための一定直径のガラスビーズが埋入されている。通常は厚さ1.5mmの樹脂シートを圧接して、仕上がり1.0mm程度で使用する場合が多いため、咬合挙上用バイトワックスのガラスビーズ5の直径もそれに合わせており、この直径は0.5〜5mmが好ましい。尚、このガラスビーズ5の代わりに、球状の無機物や有機物(樹脂)を使用してもよく、図3のバイトワックスは、表面側にガラスビーズ5が互いに重ならないようにして配置されたものであるが、バイトワックス4の厚み方向の中間面にガラスビーズ5が互いに重ならないように配置された構造であっても良い。
咬合高径の低下、咬合平面の彎曲、顎偏位を伴う場合、正常の咬合関係を再現させるためには、一定量咬合関係をあげる必要があり、現在の臨床では、ワックスを口腔内で患者に噛ませることにより咬合関係を得ているが、ワックスは軟らかいため、容易に変形するという長所があるのに対し、患者が噛みこみすぎるために、一定量の咬合を挙上する事は困難であるという短所がある。これに対して、ワックスに任意の大きさのガラスビーズが一層埋入された構造とすることにより、一定量の咬合挙上を容易にする事ができる。
この咬合挙上用バイトワックスを使用する際には、全体が均一に軟化するように60℃程度のお湯に浸漬し、軟化した状態の間に口腔内に入れ、患者に下顎位を偏位させないように誘導、指示しながらゆっくりと咬んでもらい、冷却後に口腔内から取り出す。このような構造のバイトワックスを使用することで、咬合面はガラスビーズの直径分だけ挙上され、咬合圧の強弱による咬合面の挙上値の変動を有効に防止することができる。この咬合採得工程においては、採得された位置での咬合感覚を患者さんに尋ね、違和感のないことを確認することも重要である。
4)樹脂プレート義歯の製作
(i)印象採得
(ii)咬合採得
(iii)分割印象の組み立てと石膏の注入
分割印象の石膏注入の要点は、一次印象材と二次印象材の境目に石膏が入り込まないようにすることである。つまり、その前処置は二次印象材の戻りを、マイクロスコープなどで確認した後、適合が良ければ瞬間接着剤で数カ所固定し、石膏を注入する。
(iv)作業用模型の製作
下部鼓形空隙やポンティック下が唇舌あるいは頬舌的に交通している場合、通常は印象の撤去が難しく模型の破折、破損が生じやすい。しかし、アルジネート印象材の二次印象は、強いアンダーカットには入っていないので容易に撤去できる。次に、下部鼓形空隙やポンティック下を埋めているシリコーン印象材を分割し、ピンセットなどを使い丁寧に除去する。模型を破折させることがないので作業用模型として精度がよく、口腔内の情報を正確に再現することができる。
加熱吸引成型による樹脂プレートの適合精度を高めるために、作業用模型を必要最小限に小さく薄くトリミングする。さらに模型基底面にはスプリットキャスト用のディンプルを形成する。
(v)咬合器装着
口腔内で採得したバイト材を介在し、指導釘のある咬合器にスプリットキャスト法で装着する。
(vi)設計
(vii)ブロックアウトと樹脂プレートの成型
アンダーカット量が多い部分は、あらかじめ石膏でブロックアウトを行う。設計された模型は床外形線より1mm外側まで調整し既製の透明樹脂プレートを加熱吸引成型器で圧接し成型する。超音波カッター(ナカニシ社製)を用いると樹脂プレートを設計線に沿って効率がよくカットできる。樹脂プレートを撤去する際、効率がよく模型を破損することもない。
(viii)人工歯排列
樹脂プレートにレジンプライマーを塗布し、樹脂プレートと常温重合レジンの接着を図る。次に樹脂プレート上に直接常温重合レジンを筆積みし、人工歯を排列して歯肉形成を行う。
(ix)リテーナー型義歯の形態修正、研磨
残存歯の唇、頬側面にキャップクラスプ型の支台装置の設計がされている場合、樹脂プレートを厚さ約0.5mmに削り残存歯に移行するように形態修正する。その他の辺縁は通常の義歯の辺縁形態と同様に形態修正し研磨、完成する。
(x)口腔内装着
樹脂プレートによるリテーナー型義歯の装着と調整の要点は、i)内面の適合チェックと透明レジンによる適合修正、ii)選択削合による咬合調整、iii)常温重合レジン、またはシリコーン系軟質裏装材による裏装、の3点である。使用経過を見ながら義歯としての機能性や審美性、リテーナーとしての二次固定効果、使用に関しては噛み方と清掃法などをチェックする。
本発明の咬合保持装置による利点としては、以下の点が挙げられる。
1.抜歯をせずに早期に咬合や外観の回復することにより、リテーナー型義歯で今まで噛めなかったものが噛めるという実感が体験できるため患者のモチベーションは向上し、今までおろそかになっていたブラッシングの指導効果が上がりやすい。本発明の装置を口腔内に装着し、適切なプラークコントロールが習慣付けられれば、歯周組織は必ず回復する。回復が望めない重度の歯周病であっても、疼痛や腫脹などの症状を上手くコントロールできれば、動揺歯が自然脱落するまで活用できる。
2.この咬合保持装置は、基本的にはクラスプや連結装置を使用せず、圧接した樹脂プレートの上に人工歯を常温重合レジンで排列して製作するだけの簡便なものであり、設計がシンプルで製作が容易である。一般的な通院診療においては、初診日に印象採得と咬合採得および人工歯選択を行えば2回目の来院日に装着できる。診療と技工の連携をとれば1日で印象から装着まで行うことも可能であり、緊急性を有する在宅訪問診療などにも有効である。
3.たとえ抜歯や自然脱落に至っても、使用中の義歯に人工歯や、抜去歯を追加修理することにより、咬合状態を変えることなく移行義歯としてそのまま使い続けることができる。義歯の再製作は患者からみると、新義歯に一から慣れなければならない上に、来院にかかる時間や経済的にも負担増になる。したがって現義歯を修理調整することにより、歯を喪失する前後で咬合に変化がなくそのまま使用することができれば患者さんの負担は非常に軽減される。
4.従来のパーシャルデンチャーでは、欠損の拡大に応じて義歯を再製作して行くと、鉤歯は次々と失われ、やがて上下の残存歯同士による咬合位が失われ、すれ違い咬合を作り出す結果になる。リテーナー型義歯は歯と咬合を守り、たとえ歯を喪失しても咬合状態を変えずに使用を継続できるため、すれ違い咬合への移行を防止できる。また、従来の金属構造義歯と同様に、すでにすれ違い咬合の症例であっても対応できる設計である。
5.動揺歯や破折歯を抜歯せずに守りながら活用でき、暫間義歯、診断用義歯、治療用義歯として機能させながら、それを咬合印象用トレーとして精密印象採得に使用することができる。さらに、具合良く使用している暫間義歯の形態を活かして、そのまま鋳造床義歯に置き換えることもできるなど、多目的・多機能な補綴装置としてシステム化して活用できる。
6.残存歯が安定し、口腔内環境が良好に維持できれば現義歯の形態をそのまま金属リテーナー型義歯(本発明の樹脂成形体の部分が、例えば純チタン等の金属より成り、天然歯の存在する部分の頬側部分については金属が被覆されていない構造を有する義歯)に置換することができる。金属リテーナー型義歯に置き換えることにより咬合を長期に安定させることができ、永続義歯として使用することが可能となる。
7.適応症が広範で、難症例に有効である。即ち、基本的に、咬合の保持を必要とするあらゆるケースに適応する。
i)欠損のない歯列の場合、動揺歯の二次固定やフレアアウトの防止、過蓋咬合や低位咬合の咬合高径の挙上を必要とするケースなどが適応症である。目的や機能、使い方は異なるが、歯ぎしりや顎関節症用のナイトガードやスプリントとほぼ同じ形状である。
ii)欠損歯列では、一般に欠損歯数が多くなるほど咬合高径の低下したケースが多い。咬合平面の湾曲や顎偏位を伴うケースも少なくない。咬合の再建に当たっては暫間義歯、診断用義歯を暫く使用した後、装置の耐久性と二次固定効果の永続性を高めるため、金属リテーナーに置換えるのが妥当である。
iii)破折歯、動揺歯、ブリッジの動揺、破損などがあるケースでは当然新たな欠損が予測される。しかし、それらの歯を抜歯せず、保護することで早期に機能回復ができる。抜歯によって生じる咬合崩壊を未然に防ぎ、咬合を保持することができる。リテーナー型義歯の装着後に動揺歯の抜歯やブリッジの撤去を行った(あるいは自然脱落した)場合は、本発明の装置に追加修理をすれば移行義歯として機能する。
iv)特に、その歯やブリッジを喪失するとすれ違い咬合に移行するというケースは意外に多くある。気付かずに抜歯や除去を先にしてしまうと咬合位が失われ、さらに難症例になる。動揺歯などを抜歯せずに本装置を装着し、二次固定効果により動揺度を減少できれば、すれ違い咬合への移行を防止できる。このケースでは早期に金属リテーナーに置き換える必要がある。
v)重度の歯周病に罹患した患者やう蝕により歯冠が崩壊している患者であっても、主訴は噛めないことである場合が多く、また、入れ歯を作ったが上手く噛めない、痛くて使えない、バネのかかっている歯が抜けそうで怖い、など義歯の不調を訴える場合も多い。どこから治療を開始するか、また最終的な治療は、最終的な咬合高径の決定は、と悩む場合にこそ、まず製作し、治療や診断を行う必要がある。咬合崩壊の著しい患者の場合、欠損により残存歯同士の咬合が変化し垂直的、左右的な顎偏位を生じたり、欠損が多ければ低位咬合になっていることが多い。従来の金属構造義歯の適応症である、すれ違い咬合や高度な咬耗症、低位咬合などの場合も、リテーナー型義歯を診断用に用いた後に機能的咬合印象用トレーとして用いる。重度な歯周病では二次固定としてフレアアウトの防止や歯列の咬合回復が可能である。
本発明の咬合保持装置の好ましい一例における外観を示す写真である。 図2(a)は、人工歯が植立された部分(図1の写真における右側部分)の縦断面構造を示す図であり、図2(b)は、患者の天然歯が存在し、人工歯が植立されていない部分(図1の写真における左側部分)の樹脂成形体1の縦断面構造を示す図である。 咬合採得において使用するのに適した咬合挙上用バイトワックスの外観及び構造を示す図である。
符号の説明
1 樹脂成形体
2 人工歯
3 歯肉部
4 咬合採得用バイトワックス
5 ガラスビーズ

Claims (1)

  1. 歯牙欠損部を有した患者の口腔内に装着して使用され、咬合を保持するのに適したマウスピース状の装置であって、当該装置が、歯列弓形に略一致した馬蹄形の樹脂成形体と、前記歯牙欠損部の位置の歯牙の形状を模した人工歯とからなり、前記樹脂成形体が、患者の歯列部及び歯肉部の表面全体を密着した状態で被覆するに適した実質的にU字状の縦断面形状を有しており、しかも、当該樹脂成形体の内側面における前記歯牙欠損部の位置に前記人工歯が取り付けられていることを特徴とする咬合保持装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111658199A (zh) * 2020-05-28 2020-09-15 北京为开数字科技有限公司 部分牙列缺失患者的咬合板制作方法及咬合板

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