JP2006262736A - 乳酸菌及び該乳酸菌を用いた乳酸の生産方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 乳酸を高濃度で生産することができる乳酸菌及び該乳酸菌を用いた低コストで効率良く乳酸を生産する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE P−93菌株及び糖類、ビタミン類、アミノ酸類及びミネラルを含有する乳酸菌増殖用培地でラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE P−93菌株を培養する工程と、糖類を含有する緩衝液に、培養したラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE P−93菌株を添加して乳酸を生産させる工程と、を備えた乳酸の生産方法により解決する。
【選択図】 なし
【解決手段】 ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE P−93菌株及び糖類、ビタミン類、アミノ酸類及びミネラルを含有する乳酸菌増殖用培地でラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE P−93菌株を培養する工程と、糖類を含有する緩衝液に、培養したラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE P−93菌株を添加して乳酸を生産させる工程と、を備えた乳酸の生産方法により解決する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、乳酸菌及び該乳酸菌を用いた乳酸の生産方法に関し、詳細には、乳酸を高濃度で生産することができる乳酸菌及び該乳酸菌を用いた低コストで管理が容易な乳酸の生産方法に関する。
近年、環境への配慮から、従来のプラスッチクに代わるプラスチックとして、生分解性プラスチックが注目されている。ここで、「生分解性プラスチック」とは、従来のプラスチック製品と同じように使用でき、且つ使用後は、自然界の微生物や分解酵素によって、水と二酸化炭素に分解されていくプラスチックのことをいう。
現在、生分解性プラスチックには微生物産生産高分子・合成高分子・天然分子の3つのタイプがあり、このうち、微生物産生産高分子タイプの原材料としてポリ乳酸が用いられている。そのため、乳酸菌を利用してポリ乳酸の製造が行われているが、乳酸菌は高栄養な環境でなければ増殖することが困難であるため、従来の乳酸菌の培地は、グルコースのほか、ビタミン類やアミノ酸類を含有する培養培地が必須である。特に、これらの供給源として入手しやすい酵母エキスとペプトンは高価な培地成分に属する。これらの培地成分は、工業的生産の場においてはコストの面から課題があるため、乳酸菌又は乳酸の工業的生産は採算に合わない。従って、これらに代わる供給源を検討しなければならないのが現状である。
これに対し、酵母は比較的安い培地で培養することが可能であるため、乳酸を工業的に生産する方法として、酵母の培地に乳酸脱水素酵素を加えて乳酸を生産させることも提案されてきた。
このような状況の中、乳酸菌による乳酸生産方法が種々検討されている。例えば、特許文献1には、乳酸菌が最高に増殖した時点で糖類及びタンパク質等の栄養源を追加して培養を継続させることにより、効率よく乳酸を生産することができる乳酸の生産方法が開示されている。
特開2004−65142号公報
しかしながら、上記の従来技術では依然として培地コストの問題がある。また、乳酸生産過程においては、培養液中に増加する乳酸により培養液のpHが低下する。乳酸菌はpHが3.5以下になると自身が生産した乳酸により生育できなくなるため、効率よく乳酸を生産させるためには、乳酸発酵中に水酸化ナトリウムやアンモニア等の中和処理剤を添加して、pHの管理を行う必要がある。
培養液中の乳酸は最終的に培養液から精製する必要がある。上述したように、乳酸菌は高栄養な培養液で培養するが、精製に要する労力及びコストに鑑みれば、培養液から乳酸を精製するには栄養成分は少ない方が好ましい。
従って、本発明は、乳酸を高濃度で生産することができる乳酸菌及び該乳酸菌を用いた低コストで効率良く乳酸を生産する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決するため、乳酸を高濃度で生産することができる乳酸菌のスクリーニングを行い、焼酎もろみから分離した乳酸菌の一種であり、東京農業大学菌株保存室番号NRIC0638として保存しているラクトバシルス・カゼイ(Lactobcillus casei)が優れた乳酸生成能を有することを見出した。
本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を提供するものである。このラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株は、東京農業大学菌株保存室番号NRIC0638として保存しているラクトバシルス・カゼイ(Lactobcillus casei)である。
また、本発明者らは、低コストで効率良く乳酸を生産する方法について種々の検討を行った。その結果、乳酸菌が高濃度に増殖した状態のときに、糖を含む緩衝液で培養液を置換したところ、高栄養な培地で培養したときと同量の乳酸を生産するという知見を得た。
本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、糖類及びタンパク質を含有する乳酸菌増殖用培地でラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を培養する工程と、糖類を含有する緩衝液に、培養したラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を添加して乳酸を生産させる工程と、を備えた乳酸の生産方法を提供するものである。
即ち、本発明においては、ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株の増殖を目的とする培地と乳酸の生産を目的とする培地とを区別する。ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株の増殖を目的とする培地においては、糖類、ビタミン類、アミノ酸類及びミネラルを含有する培地(以下、「高栄養培地」と称する)で、ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を所望の数だけ増殖させる。その後、乳酸菌増殖用培地を、乳酸の生産を目的とする培地、即ち、糖類を含有する緩衝液で置換すると、ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株の増殖は認められないが、乳酸の生産量は増加する。
従って、これまで乳酸の生産に用いられていた高栄養の培地の一部を低栄養の培地で代用することができ、培地コストを抑えることができる。また、緩衝液を用いるため、培養液中のpHの低下に対しても緩衝液の緩衝作用により急激なpHの変化を抑制できる結果、pHの管理が容易となる。さらに、乳酸菌増殖用培地と比べて糖類を含有する緩衝液はその組成がシンプルであるため、その後の乳酸の精製も容易である。
本発明によれば、高濃度の乳酸を生成する能力を有する新規乳酸菌を提供することができる。また、新規乳酸菌を利用すれば、糖類を含む緩衝液を用いて高濃度の乳酸を生産させることができるため、培地コストがかからず、pHの管理も容易で、かつ、乳酸の精製も容易となる。
まず、ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株について説明する。ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株の特徴を表1に示す。本発明に係る乳酸菌において特徴的なのが、耐浸透圧性である。従来のラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)は、培養液中のグルコース濃度の上限が15重量%であるのに対し、本発明に係る乳酸菌は20重量%である。従って、従来のラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)よりも高濃度のグルコースを含有する培養液中で培養することが可能となるため、高濃度の乳酸を得ることができる。
次に、乳酸の生産方法について詳細に説明する。本発明の乳酸の生産方法は、既述の通り、高栄養培地でラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を培養する工程と、糖類を含有する緩衝液に、培養したラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を添加して乳酸を生産させる工程と、を備える。
まず、高栄養培地でラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を培養する工程について説明する。
生分解性プラスチックの製造原料であるポリ乳酸としては、現在のところL形乳酸が利用されているため、かかる観点からはL形乳酸を多く生産する乳酸菌を用いることが好ましい。この点、ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株はホモ型乳酸菌に分類されるが、主にL−乳酸を産生する。
乳酸菌増殖用培地としては、従来乳酸菌の増殖に用いられてきた培地を利用することができる。乳酸菌増殖用培地はラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を増殖させることが目的であるため、液体培地が好ましい。培地としては、例えば、GYP培地、MRS培地等を挙げることができる。また、その培養方法も、特に制限はなく、従来公知の乳酸菌培養法が利用できる。
次に、糖類を含有する緩衝液に、培養したラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を添加して乳酸を生産させる工程について説明する。
本実施形態において「緩衝液」とは、溶液に酸または塩基を加えたときや希釈したときに、pHの変化を緩める作用(緩衝作用:buffer action)を有する溶液をいう。
緩衝液は、ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株に乳酸を高濃度に生産させるためには、そのpKa値が5.0以上8.3未満であることが好ましく、5.5以上7.5未満であることがより好ましく、6.0以上6.8未満であることが更に好ましい。
また、緩衝液の濃度は、乳酸を高濃度に生産させるためには、200〜1000mM/lであることが好ましい。特に、1000mM/lの濃度の緩衝液を用いたときに最も高濃度の乳酸を得ることができる。
緩衝液としては、具体的には、例えば、リン酸緩衝液(pKa値:2.15、7.21、12.33)、2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)緩衝液(pKa値:6.15)、クエン酸−リン酸緩衝液(pKa値:3.13、4.76、6.40)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)緩衝液(pKa値:7.20)、N’−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)緩衝液(pKa値:7.55)、トリス酢酸緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、クエン酸ナトリウム緩衝液等を挙げることができるが、コスト及び乳酸の精製工程を考慮すれば、特にリン酸緩衝液が好ましい。
糖類としては、ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株が資化できる糖類であれば特に制限はないが、乳酸の生産効率及びコストを考慮すれば、グルコースであることが好ましい。
糖類は、その濃度が10〜300g/lであることが好ましく、50〜250g/lであることがより好ましく、150〜200g/lであることが更に好ましい。
糖類を含有する緩衝液中のラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株は、糖類を資化して乳酸を生産する。緩衝液中にはラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株の菌体を増殖させるための栄養分(タンパク質等)が存在しないため、緩衝液中での菌体数の増加は認められない。従って、緩衝液中のラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株は、その菌体濃度が高いほど多くの乳酸を生産することができる。即ち、ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株の菌体濃度は、それが生育限界となる濃度(約1×109cells/ml)前後かそれ以上に分散させることが乳酸生産の観点から好ましい。
具体的には、コストを考慮すれば、糖類を含有する緩衝液中のラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株の菌体濃度は、1×108〜1×1010cells/mlであることが好ましく、5×108〜7×109cells/mlであることがより好ましく、1×109〜6×1010cells/mlであることが更に好ましい。
乳酸の生産は30〜37℃、15〜120時間で行われる。乳酸を生産させる間、糖類を含有する緩衝液は静置でも、緩やかに撹拌してもよい。
乳酸の回収は、乳酸の液−液抽出法、逆浸透膜法、乳酸エステル蒸留法、透析膜法、電気透析法等、従来公知の精製方法を利用することができる。
以上、本発明の実施形態につき、糖類を含有する緩衝液を用いた例を説明したが、これに限定されず、糖類を含有する緩衝液に代えて、コーンスティープリカー、廃糖蜜等を用いることも可能である。これらは低栄養培地でありながら糖類を含み、緩衝作用も有していると考えられるため、低コストの観点からは好適である。
また、乳酸の生産時に、アンモニア、水酸化ナトリウム等のアルカリを添加するいわゆる中和培養を行うことにより、さらに緩衝液中のpHが安定し、乳酸の生産量を高めることができる。
(1)乳酸菌増殖用培地の調製
グルコース(5重量%、関東化学社製)、酵母エキス(1重量%、DIFCO社製)、ペプトン(1重量%、DIFCO社製)、ミネラル(微量)、蒸留水(残量)からなる5%GYP培地を調製した後、pHを6.8に調節し、これを乳酸菌増殖用培地とした。
グルコース(5重量%、関東化学社製)、酵母エキス(1重量%、DIFCO社製)、ペプトン(1重量%、DIFCO社製)、ミネラル(微量)、蒸留水(残量)からなる5%GYP培地を調製した後、pHを6.8に調節し、これを乳酸菌増殖用培地とした。
(2)乳酸菌の培養
乳酸菌として、ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を用いた。そして、上記(1)で調製した乳酸菌増殖用培地にラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を接種し、緩やかな撹拌を行いつつ、30℃で、2日間培養した。
乳酸菌として、ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を用いた。そして、上記(1)で調製した乳酸菌増殖用培地にラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を接種し、緩やかな撹拌を行いつつ、30℃で、2日間培養した。
2日間培養した後、遠心分離により菌体だけを残し、上清の培地に代えて、新たに上記(1)で調製した乳酸菌増殖用培地に分散させた。そして、引き続き、緩やかな撹拌を行いつつ、30℃で2日間培養した。
(3)乳酸の生産
培養を終えたラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を遠心分離により集菌し、これに、グルコース5重量%を含む1000mMリン酸緩衝液(以下、「乳酸生産用培地」と称する)を添加した。なお、この乳酸生産用培地中の菌体濃度は、3.0×109cells/mlであった。そして、緩やかな撹拌を行いつつ、30℃で、5日間培養した。
培養を終えたラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を遠心分離により集菌し、これに、グルコース5重量%を含む1000mMリン酸緩衝液(以下、「乳酸生産用培地」と称する)を添加した。なお、この乳酸生産用培地中の菌体濃度は、3.0×109cells/mlであった。そして、緩やかな撹拌を行いつつ、30℃で、5日間培養した。
(4)乳酸の精製
乳酸生産用培地から乳酸を精製するため、以下の要領で乳酸の精製を行った。即ち、乳酸生産用培地よりラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を含む固形分を除いた後、分離濃縮型イオン交換膜を使用した電気透析を行った。これにより得られた濃縮液をキレート樹脂と接触させた後、水分解膜(バイポーラ膜:トクヤマ社製)により電気透析を行い乳酸を分離した。
乳酸生産用培地から乳酸を精製するため、以下の要領で乳酸の精製を行った。即ち、乳酸生産用培地よりラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を含む固形分を除いた後、分離濃縮型イオン交換膜を使用した電気透析を行った。これにより得られた濃縮液をキレート樹脂と接触させた後、水分解膜(バイポーラ膜:トクヤマ社製)により電気透析を行い乳酸を分離した。
[比較例1]
実施例1の(3)で使用したラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株に代えて、東京農業大学菌株保存室所有のラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)1613を用いた以外は実施例1と同様の操作により乳酸の生産を行った。
実施例1の(3)で使用したラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株に代えて、東京農業大学菌株保存室所有のラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)1613を用いた以外は実施例1と同様の操作により乳酸の生産を行った。
[比較例2]
実施例1の(3)で使用したラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株に代えて、東京農業大学菌株保存室所有のラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)1942を用いた以外は実施例1と同様の操作により乳酸の生産を行った。
実施例1の(3)で使用したラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株に代えて、東京農業大学菌株保存室所有のラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)1942を用いた以外は実施例1と同様の操作により乳酸の生産を行った。
[試験例1]乳酸量の測定
実施例1において乳酸生産用培地で5日間経過した後の培地を採取し、これをサンプルとして以下の要領で乳酸蓄積量を測定した。即ち、乳酸生産用培地の上澄み2mlに対し、0.1N NaOHを滴下し、その中和点の滴定値に基づき乳酸量を算出した。更に詳細については、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、乳酸量を検量線から算出した。
実施例1において乳酸生産用培地で5日間経過した後の培地を採取し、これをサンプルとして以下の要領で乳酸蓄積量を測定した。即ち、乳酸生産用培地の上澄み2mlに対し、0.1N NaOHを滴下し、その中和点の滴定値に基づき乳酸量を算出した。更に詳細については、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、乳酸量を検量線から算出した。
なお、同様の要領で比較例1及び2において乳酸生産用培地で5日間経過した後の培地の乳酸蓄積量を測定した。また、乳酸生産用培地で5日間経過した後の培地中の乳酸菌の生菌数、乾燥菌体重量、pHを測定した。これらを併せて表2に示す。
表2に示すように、実施例1における乳酸生産用培地は、生菌数及びに乾燥菌体重量のいずれにも有意差が認められなかったにもかかわらず、比較例1及び2で得られた乳酸よりも多くの乳酸を得ることができることが判明した。
本発明の乳酸の生産方法は、低コストで効率良く乳酸を生産することができるため、乳酸の工業生産の場において利用することができる。
Claims (8)
- ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株。
- 糖類、ビタミン類、アミノ酸類及びミネラルを含有する乳酸菌増殖用培地でラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を培養する工程と、
糖類を含有する緩衝液に、培養した該ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株を添加して乳酸を生産させる工程と、
を備えた乳酸の生産方法。 - 前記糖類を含有する緩衝液中の前記ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)NITE AP−93菌株は、その菌体濃度が、1×108〜1×1010cells/mlである請求項2記載の乳酸の生産方法。
- 前記糖類を含有する緩衝液は、そのpKa値が5.0以上8.3未満である請求項2又は3記載の乳酸の生産方法。
- 前記糖類を含有する緩衝液は、その濃度が200〜1000mM/lである請求項2〜4のいずれか1項記載の乳酸の生産方法。
- 前記緩衝液が、リン酸緩衝液である請求項2〜5のいずれか1項記載の乳酸の生産方法。
- 前記糖類が、グルコースである請求項2〜6のいずれか1項記載の乳酸の生産方法。
- 前記糖類は、その濃度が10〜300g/lである請求項2〜7のいずれか1項記載の乳酸の生産方法。
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JP6298912B1 (ja) * | 2017-04-10 | 2018-03-20 | 有限会社バイオ研 | 乳酸菌の製造方法、及び免疫調節用組成物 |
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