JP2006261046A - 金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末の製造方法および金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属ガラスの非晶質状態を維持したまま金属ガラスを微粉砕することが可能で、生成した金属ガラス微粒子の凝集を防止でき、かつ、酸化ジルコニウムを金属ガラス微粒子表面に高い分散度をもって生成させることによって電極性能を向上させることができる固体高分子形燃料電池触媒粉末を提供する。
【解決手段】化学処理を行うことにより粉末状にされた金属ガラス11を、液体窒素で冷却しながら、超高分子量ポリエチレン製の容器および回転体を備えた回転粉砕装置と、酸化物系セラミックス製の粉砕ボールとを用いて粉砕すると共に、前記粉砕工程において中心金属としてジルコニウムを含むカップリング剤を加えて行って金属ガラス微粒子のスラリーを作り、該金属ガラス微粒子のスラリーを篩い分けして前記粉砕ボールを除き、その後に熱処理を施して該金属ガラス微粒子の表面に酸化ジルコニウム30を膜状又は微細な分散粒子として生成すること。
【選択図】図4
【解決手段】化学処理を行うことにより粉末状にされた金属ガラス11を、液体窒素で冷却しながら、超高分子量ポリエチレン製の容器および回転体を備えた回転粉砕装置と、酸化物系セラミックス製の粉砕ボールとを用いて粉砕すると共に、前記粉砕工程において中心金属としてジルコニウムを含むカップリング剤を加えて行って金属ガラス微粒子のスラリーを作り、該金属ガラス微粒子のスラリーを篩い分けして前記粉砕ボールを除き、その後に熱処理を施して該金属ガラス微粒子の表面に酸化ジルコニウム30を膜状又は微細な分散粒子として生成すること。
【選択図】図4
Description
本発明は、金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末の製造方法および金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末に関する。
従来、常温下で金属を粉砕する手法として、水素などを金属に吸収させ、脆化させて粉砕する方法が知られている。また、極低温下で金属を脆化させて粉砕する方法も知られている。ところで、触媒や電極など金属ガラスの表面機能を利用する技術分野においては、液体急冷法等の方法で作成された薄帯状または粉末状の金属ガラスを微粒子化して使用することが行われている。しかし、金属ガラスは、原子配列がランダムなアモルファス構造であることに起因して、高強度、高靭性な特性を持つため、従来の常温での粉砕方法をそのまま適用して粉砕を行うことは困難である。また、水素を用いる場合には爆発などの危険性が伴うとともに、高温で水素を吸蔵させるため、金属ガラスが結晶化するおそれがある。さらに、極低温下では、粉砕装置を構成する金属材料自体も脆化して不純物として金属ガラス中に混入するおそれがある。
なお、金属ガラスの微粒子化に関する技術としては、不活性ガスを主体として炭化水素ガスを含む反応ガス中で、原料金属に対してプラズマアーク放電を行い、蒸発した金属とプラズマ化した反応ガスとを接触させ、蒸発した金属に炭素原子を固溶させるとともに、反応ガス中で急冷し、非晶質化させる非晶質金属超微粒子の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1)が、この方法は、微粒子化と非晶質化とを同時に行うものであり、非晶質金属を粉砕によって微細化する方法ではない。
本発明の目的は、金属不純物の混入を防ぎ、金属ガラスの非晶質状態を維持したまま金属ガラスを微粉砕することが可能で、しかも粉砕して作られる金属ガラスの微粒子が凝集することを防止でき、それに加えて、酸化ジルコニウム又は酸化チタンを金属ガラス微粒子表面に高い分散度をもって生成させることによって電極性能を向上させることができる金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末の製造方法および金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末を提供することにある。
本発明の第1の態様に係る金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末の製造方法は、化学処理を行うことにより粉末状にされた金属ガラスを、液体窒素または液体ヘリウム等の冷却液で冷却しながら、超高分子量ポリエチレン製の容器および回転体を備えた回転粉砕装置と、酸化物系または非酸化物系セラミックス製の粉砕ボールとを用いて粉砕すると共に、前記粉砕工程において中心金属としてジルコニウム又はチタンを含むカップリング剤を加えて金属ガラス微粒子のスラリーを作り、該金属ガラス微粒子のスラリーを篩い分けして前記粉砕ボールを除き、その後に熱処理を施して該金属ガラス微粒子の表面に酸化ジルコニウムア又は酸化チタンを膜状又は微細な分散粒子として生成することを特徴とするものである。
本発明によれば、超高分子量ポリエチレン製の粉砕装置を用い、液体窒素または液体ヘリウムで冷却しながら低温で粉砕を行うことによって、金属ガラスの結晶化を防止しながら所望のサイズまで微粒子化することができる。また、超高分子量ポリエチレンは低温でも脆化しないので、不純物が混入する心配がない。
更に、カップリング剤を加えて金属ガラスの粉末を粉砕するので、粉砕時にはカップリング剤は界面活性剤としての働きを行い、粉砕後においては金属ガラスの微粒子スラリーを安定に存在させ、高い分散性を維持する働きを行う。すなわち、粉砕されつつ作られる金属ガラス微粒子に該カップリング剤が選択的に吸着する性質を持つため、高い分散性が付与され、粉砕して作られる金属ガラスの微粒子が凝集することを防止できる。
また更に、当該カップリング剤は中心金属としてジルコニウム又はチタンを含んでいるので、該ジルコニウム又はチタンが金属ガラスの微粒子の表面近くに一様にむら無く存在する状態を作ることができる。そして、この状態で熱処理を行うことにより、カップリング剤を構成していたジルコニウム又はチタンが酸化ジルコニウム又は酸化チタンとなって金属ガラス微粒子表面に膜状又は微細な分散粒子として生成する。従って、固体高分子形燃料電池の電極の主成分である高価な白金等の使用量を減らし且つ電極性能を向上させることができる。
カップリング剤としては、上記働きを成すものは総て含み、特定のものに限定されない。例えば市販のものでは、ジルコニウム系カップリング剤としては松本製薬株式会社製の商品名Z1257が、チタニウム系カップリング剤としては味の素ファインテクノ株式会社製の商品名KR44が挙げられる。
本発明の第2の態様に係る金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末の製造方法は、第1の態様において、前記カップリング剤は、中心金属としてのジルコニウム又はチタンに対して、アミノ基を含む炭化水素官能基が酸素原子を介して4−n(n=1〜3)個結合し、アミノ基を含まない炭化水素基が酸素原子を介してn個結合しているものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、カップリング剤の前記アミノ基が金属ガラス微粒子に配位結合し、これによりジルコニウム又はチタンが金属ガラスの微粒子の表面近くに一様にむら無く存在する状態となり、更に前記酸素原子が熱処理によってジルコニウム又はチタンを酸化ジルコニウム又は酸化チタンに酸化する時の酸素源として使われるので、効率的である。
本発明の第3の態様に係る金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末の製造方法は、第2の態様において、前記アミノ基を含まない炭化水素基の炭素数は1〜4であることを特徴とする。
炭素数が4を越える分子では分子サイズが大きいため、粉砕を行った微粒子表面に配位する際に立体障害を引き起こす。そのために、金属ガラス微粒子表面に配位する分子数(カップリング剤の)が大きく減少し、酸化ジルコニウム等の存在量を少なくするからである。本発明によれば、前記立体障害を無くし、配位する分子数も多くでき、もって酸化ジルコニウム等の存在量を多くすることができる。
本発明の第4の態様に係る金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末の製造方法は、第1の態様において、前記回転粉砕装置に入れられる前記粉末状の金属ガラスは、酸による溶解処理を経て粉末状にされたものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、回転粉砕装置による粉末状金属ガラスの粉砕を効果的に行うことができる。
本発明によれば、回転粉砕装置による粉末状金属ガラスの粉砕を効果的に行うことができる。
本発明の第5の態様に係る金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末は、固体高分子形燃料電池電極触媒となる金属ガラス微粒子の表面に、酸化ジルコニウムア又は酸化チタンが膜状又は微細な分散粒子として生成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、固体高分子形燃料電池電極触媒となる金属ガラス微粒子の表面に、酸化ジルコニウムア又は酸化チタンが膜状又は微細な分散粒子として生成されているので、固体高分子形燃料電池としてその電極性能を向上させることができる。
本発明によれば、金属不純物の混入を防ぎ、金属ガラスの非晶質状態を維持したまま金属ガラスを微粉砕することが可能で、しかも粉砕して作られる金属ガラスの微粒子が凝集することを防止でき、それに加えて、酸化ジルコニウム又は酸化チタンを金属ガラス微粒子表面に高い分散度をもって生成させることによって固体高分子形燃料電池として電極性能を向上させることができる。
次に図面に基き、本発明で使用する回転粉砕装置について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る方法を実施するときに用いる回転粉砕装置10の概略構成を示す斜視図であり、図2は、粉砕時の状態を示す断面図である。
この回転粉砕装置10は、図1に示すようなサンドミル式の装置を使用することができ、超高分子量ポリエチレン製の容器1と、同じく超高分子量ポリエチレン製の回転体3を備えている。ここで、超高分子量ポリエチレンとは、その分子量が約100万〜約1000万までのポリエチレンを意味する。超高分子量ポリエチレンは、低温でも脆化しにくく、充分な剛性を維持できる上、非金属であるため金属ガラスへの不純物混入の問題を生じさせることはない。
容器1は、上部が開放された円筒形をしている。回転体3は、軸5と、この軸5に一体成形された3つの円盤7a、7b、7cとを有している。回転体3は、回転粉砕装置10の使用時には、回転体3は、最上位の円盤7aが容器1の筒内に隠れるまで、容器1に挿入される。図1中の矢印は容器1に対する回転体3の挿脱方向を示す。軸5は、モーター(図示せず)に連結され、所定の回転速度で回転を行えるように構成されている。
回転体3は、粉砕時には、酸化物系または非酸化物系セラミックス製の粉砕ボール12を用いて粉砕を行う。ここで、酸化物系セラミクスとしては、ジルコニア、アルミナ、ムライト、シリカ等が例示できる。また、非酸化物系セラミックスとしては、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等が例示できる。これらの材質の粉砕ボール12としては、直径0.05〜0.2mm程度のものを使用することが可能である。粉砕ボール12の材質として、酸化物系または非酸化物系セラミックス製のものを用いることにより、低温でも粉砕ボール12が脆弱化することがなく、金属ガラス微粒子中への不純物混入を防止できる。
固体高分子形燃料電池電極触媒となる金属ガラスの種類は限定されるものではなく、例えば、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウムおよびイリジウムから選ばれる1種または2種以上の金属、Pt−Ni−Zr系、Pt−Ni−Zr−Pd系、Ni−Zr系等の金属ガラスを対象とすることができる。これらの金属ガラスは、例えば、電極材料、触媒材料、耐食性材料、粉体固化用治具材料等として利用できるものであり、その最終的な用途に応じて、元素含有比率などを調整したものが供される。
原料とする粉末状の金属ガラスとしては、例えばローラアトマイズ法により得られる幅5mm程度で厚さ0.05〜0.1mm程度(これは薄帯状とも言えるが本明細書では粉末状は薄帯状も含む意味で用いる)、または例えばガスアトマイズ法により得られる粒径10〜100μm程度の粉末状のものがそれぞれ好適に利用できる。
粉砕工程は、液体窒素または液体ヘリウム等の冷却液で冷却しながら行う。なお、粉砕中は熱が生じるので、金属ガラス周囲の温度は約−80℃〜−70℃前後の温度帯を維持するように構成されている。
以上の構成の回転粉砕装置10においては、容器1に、粉砕対象である粉末状の金属ガラス11、粉砕ボール12および液体窒素または液体ヘリウムなどの冷却液50を入れ、回転体3を回転させることによって、金属ガラス11を粉砕する。回転体3の回転速度は、金属ガラス11の種類や目的とする微粒子サイズに応じて調節できるが、例えば線速度として2〜16m/秒程度とすることが好ましい。粉砕時には、容器1内の冷却液50が蒸発により減少するので、適宜補給をしながら粉砕を続けることが好ましい。所定時間粉砕後、冷却液50を蒸発させ、カップリング剤の水溶液を容器1に加えて回転体3を回転し、金属ガラスの微粒子スラリーを得る。
以上の如くして得られる金属ガラスの微粒子は、その粒子径が10〜100nm程度であり、電極原料や触媒原料等の用途に好適に利用できるものである。
続いて、金属ガラス11の微粒子スラリーを篩い分けして前記粉砕ボール12を除き、その後に熱処理を施して、図4又は図5に示したように、該金属ガラス11の微粒子の表面に酸化ジルコニウム30又は酸化チタンを膜状(図4)又は微細な分散粒子(図5)として生成する。ここで、熱処理はスラリーから水分を70℃程度に加熱して蒸発させる乾燥工程と、カップリング剤中のジルコニウム又はチタンを金属ガラスの微粒子表面に、酸化ジルコニウム又は酸化チタンとして生成させる焼成工程の両方を含む。ここで、焼成工程の雰囲気は大気若しくは酸素雰囲気において温度150〜300℃、最も好ましくは酸素雰囲気下200℃である。以上により、金属ガラス11の微粒子の表面に酸化ジルコニウムア30又は酸化チタンが膜状又は微細な分散粒子として生成されている金固体高分子形燃料電池電極触媒粉末が製造される。
図3は、本発明の他の実施形態に係る方法を実施するときの装置の概略構成を示す断面図である。この実施形態では、図1に示す回転粉砕装置10を断熱性容器20内に配置して粉砕を行う。粉砕時には、容器1内に、粉末状の金属ガラス11、粉砕ボール12およびカップリング剤60を入れ、回転体3を回転させることによって、金属ガラス11を粉砕する。また、断熱性容器20と回転粉砕装置10との間隙には、液体窒素などの冷却液50を充填し回転粉砕装置10の外部から冷却を行う方式を採用している。このように外部冷却方式を採用し、容器1内部にカップリング剤60を加えることによって、粉砕時にはカップリング剤60は界面活性剤としての働きを行い、粉砕後においては金属ガラス11の微粒子スラリーを安定に存在させ、高い分散性を維持する働きを行う。
その他の工程は基本的に図2の例と同様なので、その説明は省略する。
その他の工程は基本的に図2の例と同様なので、その説明は省略する。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれにより何ら制約されるものではない。
実施例1
[電極用金属ガラス微粒子の調製]
図1と同様の回転粉砕装置10を用い、容器1中に、ジルコニアビーズ(直径0.2mm)を最上部の円盤7aが隠れるまで充填し、金属ガラス電極原料[3Pt−40Ni−Zr(原子比%で);形状1mm程度角、厚さ0.1mm程度の破片、30%フッ化水素酸溶液にて5分間浸漬処理したもの]1gを加え、更に液体窒素を最上部の円盤7aが隠れるまで注入した。
実施例1
[電極用金属ガラス微粒子の調製]
図1と同様の回転粉砕装置10を用い、容器1中に、ジルコニアビーズ(直径0.2mm)を最上部の円盤7aが隠れるまで充填し、金属ガラス電極原料[3Pt−40Ni−Zr(原子比%で);形状1mm程度角、厚さ0.1mm程度の破片、30%フッ化水素酸溶液にて5分間浸漬処理したもの]1gを加え、更に液体窒素を最上部の円盤7aが隠れるまで注入した。
この後、線速度2.5m/秒となるように回転数を調整しながら、回転体3を回転させる。蒸発によって液体窒素が減少していくので、適時補給した。約15分攪拌をした後、液体窒素を蒸発させ、カップリング剤(松本製薬株式会社製のジルコニウムカップリング剤:商品名Z1257)の1重量%−10重量%水溶液を加えることによって、金属ガラスの微粉末スラリーを得た。
得られたスラリーを篩い分けし、ジルコニアビーズと金属ガラスの微粉末スラリーとを分離した。このスラリーを粒度分布計で計測したところ、中心粒子径15nmの金属ガラス微粉末であることが確認された。この微粉末をオーブンによって70℃、24時間加熱し、水分を蒸発させ、X線回折装置によって結晶構造を調べたところ、ブロードなピークのみで結晶相は確認されなかった。
そして、カップリング剤中のジルコニウムを金属ガラスの微粒子表面に、酸化ジルコニウム(ZrO2)として生成させる焼成(酸素雰囲気下で200℃)を行った。これにより、図4又は図5に示した構造の金属ガラスの微粒子が得られた。
図4又は図5に示したように、中心に金属ガラスの微粒子11が存在し、その周囲に酸化ジルコニウム等の非晶質酸化物30膜若しくは微粒子30が存在する。この構造は透過型電子顕微鏡を用いて観察を行った。倍率400万倍の透過像(明視野)においては中心金属11の像は黒く写り、周囲に存在する酸化物30の層は透過して薄く観察される。このことから周囲に酸化物30の層の存在を確認できる。
また、有機物の介在の可能性があるがこれは熱分析装置(熱天秤/示差熱分析装置)を用いて、酸化雰囲気中(室温から400℃迄の間)において、発熱反応及び重量減が無いことを確認している。
実施例2
カップリング剤を、味の素ファインテクノ株式会社製のチタニウム系カップリング剤:商品名KR44に変えて、回転粉砕装置10を用いて実施例1と同様の条件で電極用金属ガラス微粒子の調製を行った。その結果、実施例1とほぼ同様に、図4又は図5に示したように、金属ガラス11の微粒子の表面に、酸化チタン(TiO2)が膜状又は微細な分散粒子として生成されている構造の金属ガラスの微粒子が得られた。
カップリング剤を、味の素ファインテクノ株式会社製のチタニウム系カップリング剤:商品名KR44に変えて、回転粉砕装置10を用いて実施例1と同様の条件で電極用金属ガラス微粒子の調製を行った。その結果、実施例1とほぼ同様に、図4又は図5に示したように、金属ガラス11の微粒子の表面に、酸化チタン(TiO2)が膜状又は微細な分散粒子として生成されている構造の金属ガラスの微粒子が得られた。
[固体高分子形燃料電池]
得られた上記構造の金属ガラスの微粒子をデュポン社製ナフィオン膜112上に電極膜として塗布した。すなわち、電極粉末(金属ガラス成分:カーボン微粒子=1:1)を重量比として1に対して、ナフィオン溶液(5%ナフィオン含有アルコール溶液:市販品)を1加えることでスラリー化し、スプレーにて塗布した。このようにして形成した電極を用いて公知の固体高分子電解質形燃料電池を作成した。
得られた上記構造の金属ガラスの微粒子をデュポン社製ナフィオン膜112上に電極膜として塗布した。すなわち、電極粉末(金属ガラス成分:カーボン微粒子=1:1)を重量比として1に対して、ナフィオン溶液(5%ナフィオン含有アルコール溶液:市販品)を1加えることでスラリー化し、スプレーにて塗布した。このようにして形成した電極を用いて公知の固体高分子電解質形燃料電池を作成した。
電極材料の評価結果を実施例1の電極材料については表1と表2に、実施例2の電極材料については表3と表4に示した。性能の評価基準としては電圧0.7Vの際の電流密度で評価した。いずれもカップリング剤を用いないで製造した金属ガラス電極粉末と比較して、性能の向上が見られた。
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用可能である。
本発明は、金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末の製造方法および金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末に利用できる。
1 容器
3 回転体
5 軸
7a,7b,7c 円盤
10 金属ガラス微粉砕装置
11 金属ガラス
12 粉砕ボール
20 断熱性容器
30 酸化ジルコニウム(又は酸化チタン)
50 冷却液
60 カップリング剤
3 回転体
5 軸
7a,7b,7c 円盤
10 金属ガラス微粉砕装置
11 金属ガラス
12 粉砕ボール
20 断熱性容器
30 酸化ジルコニウム(又は酸化チタン)
50 冷却液
60 カップリング剤
Claims (5)
- 化学処理を行うことにより粉末状にされた金属ガラスを、液体窒素または液体ヘリウム等の冷却液で冷却しながら、超高分子量ポリエチレン製の容器および回転体を備えた回転粉砕装置と、酸化物系または非酸化物系セラミックス製の粉砕ボールとを用いて粉砕すると共に、前記粉砕工程において中心金属としてジルコニウム又はチタンを含むカップリング剤を加えて金属ガラスの微粒子スラリーを作り、
該金属ガラスの微粒子スラリーを篩い分けして前記粉砕ボールを除き、その後に熱処理を施して該金属ガラス微粒子の表面に酸化ジルコニウムア又は酸化チタンを膜状又は微細な分散粒子として生成することを特徴とする金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末の製造方法。 - 請求項1において、前記カップリング剤は、中心金属としてのジルコニウム又はチタンに対して、アミノ基を含む炭化水素官能基が酸素原子を介して4−n(n=1〜3)個結合し、アミノ基を含まない炭化水素基が酸素原子を介してn個結合しているものであることを特徴とする金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末の製造方法。
- 請求項2において、前記アミノ基を含まない炭化水素基の炭素数は1〜4であることを特徴とする金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末の製造方法。
- 請求項1において、前記回転粉砕装置に入れられる前記粉末状の金属ガラスは、酸による溶解処理を経て粉末状にされたものであることを特徴とする金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末の製造方法。
- 固体高分子形燃料電池電極触媒となる金属ガラス微粒子の表面に酸化ジルコニウムア又は酸化チタンが膜状又は微細な分散粒子として生成されていることを特徴とする金属ガラスを用いた固体高分子形燃料電池電極触媒粉末。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006169609A (ja) * | 2004-12-20 | 2006-06-29 | Erugu:Kk | めっき液、めっき液の製造方法、表面処理方法及び接点部材 |
WO2013118893A1 (ja) * | 2012-02-08 | 2013-08-15 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 表面処理された金属粉、及びその製造方法 |
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2005
- 2005-03-18 JP JP2005079892A patent/JP2006261046A/ja active Pending
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