JP2006259862A - ベイジアンネットワーク作成装置及び方法並びにプログラム - Google Patents

ベイジアンネットワーク作成装置及び方法並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ベイジアンネットワークを表すデータ作成のためのアルゴリズムを用いて、適用分野に制限なく、ベイジアンネットワークを表すデータの作成を容易にする。
【解決手段】本発明の一態様において、複数の親事象と子事象とを持つベイジアンネットワークを表すデータの作成装置1は、複数の親事象と子事象との間の一対一の条件付き確率を表すデータD1,D2を取得する取得手段8と、データD1,D2、「絶対温度Tの逆数をβとしたカノニカル分布の式」、「テーラー展開」、「1/βの値が小さいという条件」、「カノニカル分布の式における複数の親事象と子事象の条件の組み合わせに対応する状態のエネルギーを表し、値が大きいほどこの状態が生起する確率が低くなるEを用いて定義され、(―βE)が0近傍であるという条件」を用いるアルゴリズムに基づいて、複数の親事象についての条件と子事象についての条件との各組み合わせに対して、条件付き確率の値を算出したデータ17を作成する手段10とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベイジアンネットワークを表すデータの作成を支援するベイジアンネットワーク作成装置及び方法並びにプログラムに関する。
ベイジアンネットワークは、事象(ノード)と事象との間が矢印(リンク)で接続された構造を持つ。矢印の根の事象は原因を表し、矢印の先の事象は結果を表す。矢印は、根の事象から結果の事象が得られる場合の確率と得られない場合の確率とを含む条件付き確率で表される。
通常、ベイジアンネットワークは、人手で作成される。通常のベイジアンネットワークを表すデータの作成には、事象の生起確率の値、複数の事象間の因果関係、この複数の事象間の条件付き確率の値が必要とされる。
例えば、ベイジアンネットワークを表すデータの作成者は、主観的に、分析を行う内容について検討し、複数の事象を決定し、この複数の事象の間の因果関係から矢印の根と先とを決定し、事象の生起確率に基づいて各矢印について条件付き確率を決定する。
作成されたベイジアンネットワークを表すデータは、条件付き確率表(CPT)で表現される。すなわち、ベイジアンネットワークを表すデータの作成は、条件付き確率表の値を設定することに相当する。
ベイジアンネットワークを表すデータの作成者は、主観的に、初期の条件付き確率表の値を決定する。この初期の条件付き確率表の値を用いてベイジアンネットワークによる推論が行われる。作成者は、この推論の結果の真偽を判断し、この推論の真偽の判断の結果をさらに条件付き確率表の値に反映・更新する。このように、作成者の考える推論結果が得られるよう条件付き確率表の値を更新していくことにより、条件付き確率表の学習が行われる。
特許文献1(特開2000−182197)では、制御装置から収集したデータに基づいて確信度(条件付き確率)を求める装置が記載されている。
特許文献2(特開2000−356696)においても、特許文献1と同様に、システムによって収集したデータに基づいて確信度を求める発明が記載されている。また、特許文献2では、作成者の知識に基づいてベイジアンネットワークを表すデータが作成される。
特許文献3(特開2001−331477)では、互いに排他的な事象から構成されるベイジアンネットワークを表すデータを作成する装置が記載されている。
特許文献4(特開2002−318691)では、ベイジアンネットワーク構築処理をシステム上で分配することにより、クライアント/サーバシステムにおけるベイジアンネットワーク構築処理時間の削減を行う方法が記載されている。
特許文献5(特開2003−024281)では、ベイジアンネットワークを用いて疾患の誘因を検出する装置について記載されている。
特開2000−182197 特開2000−356696 特開2001−331477 特開2002−318691 特開2003−024281
人手によりベイジアンネットワークを表すデータを作成する場合、作成者は、初期の条件付き確率表を試行錯誤しながら作成している。このため、迅速かつ効率的な条件付き確率表を作成することは困難である。特に、事象が多い場合や、事象間の因果関係が複雑になるほど、迅速かつ効率的に条件付き確率表を作成することは困難になる。ベイジアンネットワークを表すデータの作成においては、系統的な条件付き確率表の作成が望まれている。
上記特許文献1では、制御装置により十分なデータが収集されなければ、適当な確信度を求めることが困難である。
上記特許文献2では、作成者の知識に基づいて、ベイジアンネットワークが構築される。しかしながら、この特許文献2では、作成者の知識取得の効率化については、GUI操作性のみが検討されており、ベイジアンネットワークを表すデータの作成を効率化するアルゴリズムについては検討されていない。
上記特許文献3は、互いに排他的である事象から構成されるベイジアンネットワークを表すデータを作成する装置であり、構築可能なベイジアンネットワークを表すデータに制限があり、適用分野が限定される。
上記特許文献4では、ベイジアンネットワーク構築処理をシステム上で分配することにより、クライアント/サーバシステムにおけるベイジアンネットワーク構築処理時間の削減が実現されている。しかしながら、ベイジアンネットワークを表すデータの作成のためのアルゴリズムについてまでは作業削減についての検討がなされていない。
上記特許文献5では、疾患の誘因を検出するためにベイジアンネットワークが用いられている。しかしながら、この特許文献5では、ベイジアンネットワークの構築方法については何ら記載されていない。
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、ベイジアンネットワークを表すデータの作成を容易にするベイジアンネットワーク作成のためのアルゴリズムを用いて、適用分野に制限のないベイジアンネットワークを表すデータの作成作業を支援するベイジアンネットワーク作成装置及び方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
上記課題は、複数の親事象と前記複数の親事象に対する子事象とを持つベイジアンネットワークを表すデータの作成を支援するベイジアンネットワーク作成装置において、複数の親事象のそれぞれと子事象との間の一対一の条件付き確率を表す事象一対確率データを取得する取得手段と、事象一対確率データ、「絶対温度Tの逆数をβとしたカノニカル分布の式」、「テーラー展開」、「1/βの値が0を基準に定まる第1所定値より小さいという第1条件」、「カノニカル分布の式における複数の親事象と子事象の条件の組み合わせに対応する状態のエネルギーを表し値が大きいほどこの状態が生起する確率が低くなるEを用いて定義され、(―βE)が0を基準に定まる第2所定値より小さいという第2条件」を用いるベイジアンネットワーク確率演算アルゴリズムに基づいて、複数の親事象についての条件と子事象についての条件との各組み合わせに対して、条件付き確率の値を算出した条件付き確率データを作成する算出手段とを具備するベイジアンネットワーク作成装置により、解決される。
なお、上記の態様は、装置として表現されている。しかしながら、これに限らず、上記の態様は、プログラム、方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体などで表現されるとしてもよい。
本発明により、適用分野に制限なく、ベイジアンネットワークを表すデータを容易に作成することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の各図において同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態では、ベイジアンネットワークを表す条件付き確率表に、初期の条件付き確率を自動設定するベイジアンネットワーク確率演算アルゴリズムを実行するベイジアンネットワーク作成装置について説明する。
ベイジアンネットワークを表すデータを用いた推論では、まずベイジアンネットワークを表す条件付き確率表に初期の条件付き確率が設定され、その後学習により条件付き確率表内の条件付き確率を適切な値に近づけてゆく。したがって、ベイジアンネットワークの作成において、初期の条件付き確率の設定に正確性を要求して時間を費やすことの重要性は低いと考えられる。すなわち、初期の条件付き確率は、学習の開始時点としての役割を果たすに十分な精度の近似的値でよく、その後の学習により条件付き確率の精度が確保されればよいと考える。
本実施の形態では、2事象間の一対一の条件付き確率、親の事象(親ノード)の生起確率、事象間の独立性の有無に基づいて、事象間の因果関係、ベイジアンネットワークの構造、初期の条件付き確率、ベイジアンネットワークを表す条件付き確率表、親の事象(親ノード)の生起確率を含む処理結果を得る。
本実施の形態においては、確率論と統計力学とのアナロジー及びテーラー(Taylor)展開(絶対温度の逆数のテーラー展開)とを適用して、ベイジアンネットワークを構成する事象間の一対一の条件付き確率の値から近似的にベイジアンネットワークにおける条件付き確率表の初期の条件付き確率の値を求める式P=αexp(−βE)を定義する。この式についてのテーラー展開では、項数を増加するごとに、式から求めた初期の条件付き確率の値は高精度となる。しかしながら、上述したように、初期の条件付き確率の値は、後に学習により修正されることを考慮すると近似的な値でよいといえる。したがって、本実施の形態においては、条件付き確率表の初期の条件付き確率の値を求める式において、テーラー展開による計算は、所定の有限の項まででよいとする。
本実施の形態において、ある事象において他の複数の事象との間で因果関係を持つ場合には、各事象間の一対一の因果関係の中から、共通の事象を含む一対一の因果関係を集め、条件付き確率表の初期の条件付き確率の値を求める。
以上のような観点に基づく本実施の形態に係るベイジアンネットワーク作成装置を用いることで、ベイジアンネットワークにおける3つ以上の事象間の初期の条件付き確率の値を効率的かつ容易に設定可能となり、ベイジアンネットワークの一部であり一対一の事象の間の因果関係について設定された条件付き確率の値に基づいて、複雑なベイジアンネットワークを表すデータについての初期の条件付き確率表を作成できる。このように、本実施の形態に係るベイジアンネットワーク作成装置は、一対一の事象間の因果関係、一対の事象間の条件付き確率の値に基づいて、ベイジアンネットワークを表すデータを作成する。
図1は、本実施の形態に係るベイジアンネットワーク作成装置の構成の例を示す機能ブロック図である。
図2は、本実施の形態に係るベイジアンネットワーク作成装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
ベイジアンネットワーク作成装置(コンピュータ)1は、入力部2、出力部3、記憶部4a〜4f、プロセッサ(演算手段)5、各機器をデータ転送可能に接続する内部バス6を具備する。
ベイジアンネットワーク作成プログラム7aは、記憶媒体7に記憶されている。ベイジアンネットワーク作成プログラム7aは、ベイジアンネットワーク作成装置1に読み込まれ、プロセッサ5によって実行されることにより、取得機能8、ネットワーク構造作成機能9、条件付き確率表作成機能10(算出手段に相当)、表示データ作成機能11、出力制御機能12を実現する。
図3は、ベイジアンネットワーク作成装置1を用いて条件付き確率表を作成する対象のベイジアンネットワークの例を示す図である。なお、条件付き確率表の作成対象のベイジアンネットワーク13は、この図3の場合よりも複雑であってもよく、事象の数が多くてもよい。
このベイジアンネットワーク13は、装置Aと装置Bとの動作状態から装置Cの発熱状態を推論するためのモデルである。
このベイジアンネットワーク13は、事象I1「装置Aの故障」と事象I2「装置Bの故障」との状態と、事象I3「装置Cの発熱」の状態の関係を表す。
事象I1〜I3は、それぞれtrue(真)、false(偽)の定義域を持つ。
図4は、ベイジアンネットワーク13の事象I1,I2の生起確率の例を示す図である。
作成者は、事象I1の生起確率を示す生起確率データ141を定める。
装置A故障がtrue となる生起確率をP(装置A故障=true )と表し、装置A故障がfalseとなる生起確率をP(装置A故障=false)と表す。図4では、P(装置A故障=true)=0.05であり、P(装置A故障=false)=0.95である。
同様に、作成者は、事象I2の生起確率を示す生起確率データ142を定める。
装置B故障がtrue の生起確率をP(装置B故障=true )と表し、装置B故障がfalseの生起確率をP(装置B故障=false)と表す。図4では、P(装置B故障=true)=0.05であり、P(装置B故障=false)=0.95である。
図5は、ベイジアンネットワーク13について、事象I1,I3間の一対一の因果関係についての条件付き確率の値の例を示す図である。
作成者は、事象I1,I3間の一対一の因果関係についての条件付き確率を表す事象一対確率データD1を作成する。
事象一対確率データD1では、装置A故障がtrue となり装置C発熱がtrueとなる条件付き確率P(装置C発熱=true|装置A故障=true)が0.9と設定されている。
装置A故障がtrue となり装置C発熱がfalseとなる条件付き確率P(装置C発熱=false|装置A故障=true)が0.1と設定されている。
装置A故障がfalseとなり装置C発熱がtrueとなる条件付き確率P(装置C発熱=true|装置A故障=false)が0.8と設定されている。
装置A故障がfalseとなり装置C発熱がfalseとなる条件付き確率P(装置C発熱=false|装置A故障=false)が0.2と設定されている。
図6は、ベイジアンネットワーク13について、事象I2,I3間の一対一の因果関係についての条件付き確率の値の例を示す図である。
作成者は、事象I2,I3間の一対一の因果関係についての条件付き確率を表す事象一対確率データD2を作成する。
事象一対確率データD2では、装置B故障がtrue となり装置C発熱がtrueとなる条件付き確率P(装置C発熱=true|装置B故障=true)が0.95と設定されている。
装置B故障がtrue となり装置C発熱がfalseとなる条件付き確率P(装置C発熱=false|装置B故障=true)が0.05と設定されている。
装置B故障がfalseとなり装置C発熱がtrueとなる条件付き確率P(装置C発熱=true|装置B故障=false)が0.85と設定されている。
装置B故障がfalseとなり装置C発熱がfalseとなる条件付き確率P(装置C発熱=false|装置A故障=false)が0.15と設定されている。
取得機能8は、作成者によって操作される入力部2より、事象一対確率データD1,D2、事象独立条件データ15、生起確率データ141,142を取得し、それぞれ記憶部4a〜4cに記憶する。
上述したように、事象一対確率データD1,D2は、一対一の関係にある事象間の条件付き確率を表すデータである。事象独立条件データ15は、各事象I1〜I3間の独立性が存在するか否かを表すデータである。なお、取得機能8は、他の装置から事象一対確率データD1,D2、事象独立条件データ15、生起確率データ141,142を取得するとしてもよい。
ネットワーク構造作成機能9は、記憶部4aから事象一対確率データD1,D2を読み出すとともに、記憶部4bから事象独立条件データ15を読み出す。
ネットワーク構造作成機能9は、事象一対確率データD1に基づいて、一対の事象I1,I3とその間の矢印とからなる上記図7に示すような因果関係E1を認識する。
また、ネットワーク構造作成機能9は、事象一対確率データD2に基づいて、一対の事象(ノード)I2,I3とその間の矢印とからなる上記図8に示すような因果関係E2を認識する。
各因果関係E1,E2は、2つの事象とこの事象間の矢印とで表される。矢印の根の事象を親事象(親ノード)、矢印の先の事象を子事象(子ノード)と呼ぶ。
ネットワーク構造作成機能9は、共通の事象、具体的には、認識された因果関係の中から子事象が同一の因果関係を集める。
本実施の形態における例では、子事象が同一の因果関係として、「装置Aが各条件の場合に事象I3が生起する」ことを表す因果関係E1と「装置Bが各条件の場合に事象I3が生起する」ことを表す因果関係E2とが集められる。
ネットワーク構造作成機能9は、事象独立条件データ15に基づいて、集められた因果関係E1,E2の統合処理を実行する。
具体的には、事象独立条件データ15が「一方の親事象I2が生起している条件のもとで、他方の親事象I1と子事象I3とは互いに独立である」という条件を含むか「他方の親事象I1が生起している条件のもとで、一方の親事象I2と子事象I3とは互いに独立である」という条件を含む場合、因果関係E1,E2を統合し、上記図3に示すような親事象I1,I2の双方からの矢印が子事象I3に向かう因果関係E3が作成される。
ネットワーク構造作成機能9は、統合処理後の因果関係E3を示すネットワーク構造データ16を記憶部4dに記憶する。統合処理後の因果関係E3は、ベイジアンネットワーク13の構造を示す。
条件付き確率表作成機能10は、記憶部4aから事象一対確率データD1,D2を読み出すとともに、記憶部4dからネットワーク構造データ16を読み出す。
条件付き確率表作成機能10は、ネットワーク構造データ16に基づいて親事象I1,I2と子事象I3とを認識し、条件付き確率表の項目データを作成する。すなわち、ネットワーク構造データ16は、条件付き確率の値の入力されていない状態の条件付き確率表に相当する。条件付き確率表の各欄は、ベイジアンネットワーク13における各事象I1〜I3の条件の組み合わせに相当する。
例えば、項目データは、縦方向(列)の項目を子事象I3の各種条件とし、横方向(行)の項目を親事象I1,I2の各種条件の組み合わせとする。なお、横方向と縦方向の項目は逆としてもよい。
そして、条件付き確率表作成機能10は、事象一対確率データD1,D2で示される「親事象と子事象ごとの一対一の条件付き確率」、「絶対温度Tの逆数をβとした統計物理の分野で用いられるカノニカル分布の式P=αexp(−βE)」、「テーラー展開」、「(1/β)の値が0を基準に定まる第1所定値より小さくなるという第1条件」、「カノニカル分布の式における条件付き確率表の欄に対応する状態のエネルギーであり値が大きいほどこの状態が生起する確率が低くなることを意味するEを用いて定義される条件であり(―βE)が0を基準に定まる第2所定値より小さくなる(すなわち0近傍)という第2条件」を用いるベイジアンネットワーク確率演算アルゴリズムに基づいて、条件付き確率表の項目データの各欄に配置される条件付き確率の値を算出し、条件付き確率表の項目データの欄に対して算出された条件付き確率の値を割り当てる。
算出される条件付き確率の第1の例としては、装置A故障がtrueであり装置B故障がtrueの場合に装置C発熱がtrueの確率P(装置C発熱=true|装置A故障=true,装置B故障=true)がある。
また、他の例として、装置A故障がtrueであり装置B故障がfalseの場合に装置C発熱がtrueの確率P(装置C発熱=true|装置A故障=true,装置B故障=false)がある。
その他にも、条件付き確率表の欄に対応する条件付き確率の値が求められる。
このように、条件付き確率表作成機能10は、事象I1〜I3の各条件の組み合わせについてのベイジアンネットワーク13の条件付き確率、すなわちベイジアンネットワーク13における事象I1,I3間および事象I2,I3間の条件付き確率を求める。
以下に、この条件付き確率表作成機能13によるベイジアンネットワーク13における事象I1,I3間および事象I2,I3間の条件付き確率の値を算出するベイジアンネットワーク確率演算アルゴリズムの内容について具体的に説明する。
本実施の形態では、条件付き確率P(装置C発熱=true|装置A故障=true,装置B故障=false)を算出対象とする場合について説明するが、他の条件付確率についても同様である。
本実施の形態において、ベイジアンネットワーク13における事象I1,I3間および事象I2,I3間の条件付き確率の値は、カノニカル分布の式を適用する。
図9は、ベイジアンネットワーク13の初期の条件付き確率の演算にカノニカル分布の式を用いる理由を説明するための図である。
カノニカル分布の式は、統計力学の分野において原子X3が原子X1,X2から受ける力を求めるために用いられる。
本実施の形態では、ベイジアンネットワーク13において事象I3が事象I1,I2から影響を受ける確率を求める点で、統計力学の分野において上記原子X3が原子X1,X2から受ける力を求める状況と似ている。
そこで、この統計力学の分野で用いられている理論を、ベイジアンネットワーク13による推論分野に流用し、初期の条件付き確率の演算にカノニカル分布の式を適用する。ベイジアンネットワーク13では、初期の条件付き確率の決定後学習が行われるため、カノニカル分布の式を用いたとしても精度的な問題はなく、容易かつ効率的な初期の条件付き確率の演算が可能である。
式(1)は、P(装置C発熱=true|装置A故障=true,装置B故障=false)をカノニカル分布の式を用いて表現している。
Figure 2006259862
この式(1)において、αは定数である。統計物理の分野では、このβとして絶対温度Tの逆数が用いられるが、本実施の形態においてβはパラメータとする。
統計物理の分野において、E(装置C発熱=true,装置A故障=true,装置B故障=false)と表されている場合、このE(装置C発熱=true,装置A故障=true,装置B故障=false)は、装置C発熱=true,装置A故障=true,装置B故障=falseの状態のエネルギーを意味する。統計物理の分野において、絶対温度Tが小さければ小さいほど(βの値が大きければ大きいほど)、装置C発熱=true,装置A故障=true,装置B故障=falseの状態のエネルギーは安定する。
式(1)の右辺について(−βE)→0とし、テーラー展開を施す。これにより、P(装置C発熱=true|装置A故障=true,装置B故障=false)を、事象I1,I3間の一対一の条件付き確率P(装置C発熱=true|装置A故障=true)と事象I2,I3間の一対一の条件付き確率P(装置C発熱=true|装置B故障=false)とを用いて、式(2)のように表すことができる。
Figure 2006259862
ここで、式(2)と同様の導出により、P(装置C発熱=true|装置A故障=true,装置B故障=false)との和が1となる関係にあるP(装置C発熱=false|装置A故障=true,装置B故障=false)を、式(3)のように表す。
Figure 2006259862
このように、上記式(2)、事象I1,I3間の一対一の条件付き確率P(装置C発熱=true|装置A故障=true)、事象I2,I3間の一対一の条件付き確率P(装置C発熱=true|装置B故障=false)、上記式(3)、事象I1,I3間の一対一の条件付き確率P(装置C発熱=false|装置A故障=true)、事象I2,I3間の一対一の条件付き確率P(装置C発熱=false|装置B故障=false)、そして、P(装置C発熱=true|装置A故障=true,装置B故障=false)+P(装置C発熱=false|装置A故障=true,装置B故障=false)=1の関係とを用いて、αを求めることができる。
上記式(2)、(3)において、本実施の形態のように事象I1〜I3間の矢印が2つの場合、βの次数が2までのテーラー展開とする。一般的に、矢印の数がnの場合には、βの次数がnまでのテーラー展開の式とする。
βnの係数は、2つの事象間の条件付き確率のn乗で表現される。
(−βE)→0とする条件と、1/β(=T)が小さいほどエネルギーが安定する条件とに基づいて、1/Bが小さくかつ(−βE)が0近傍(0を基準として定められている所定の許容範囲)であるという条件を満たすβの値を求める。
Eは、周辺確率であり、一般的には、E=−loge{(算出対象の条件付き確率)(算出対象に対応する各親事象の単独の生起確率の積)で表される。
具体的には、E(装置C発熱=true,装置A故障=true,装置B故障=false)は、式(4)で表される。
Figure 2006259862
図10は、βの値を順次変化させて、−β×E(装置C発熱=true)、−β×E(装置C発熱=false)、算出対象のP(装置C発熱=true|装置A故障=true,装置B故障=false)、P(装置C発熱=false|装置A故障=true,装置B故障=false)、E(装置C発熱=true,装置A故障=true,装置B故障=false)、E(装置C発熱=false,装置A故障=true,装置B故障=false)を演算した結果の例を示す図である。
1/βを小さくする旨の第1条件と(−βE)を0近傍とする旨の第2条件を満たすβを決定し、式(2)にこの決定したβの値および他の値を代入することで、P(装置C発熱=true|装置A故障=true,装置B故障=false)の値を求めることができる。
上記図10では、βの値を順次変化させて演算されたP(装置C発熱=true|装置A故障=true,装置B故障=false)の値が表形式で表されている。この表と内容と、1/β(=T)を小さくする第1条件と(−βE)を0近傍とする旨の第2条件とから、1/βの値は25、すなわちβの値は0.04が適していると判断される。
この結果から、1/βの値は25におけるP(装置C発熱=true|装置A故障=true,装置B故障=false)=0.88を、条件付き確率表の該当欄に割り当てる。
上述した条件付き確率の演算方法を用いることにより、3つ以上の事象間の条件付き確率の値を求めることが可能である。したがって、ベイジアンネットワーク13を表す条件付き確率表の値を、事象間の一対一の条件付き確率の値に基づいて計算できる。作成者にとってベイジアンネットワーク13を表す条件付き確率表の値を設定するよりは、一の事象間の一対一の条件付き確率の値を設定する方が容易であり、効率的に作業を進めることができる。
条件付き確率表作成機能10は、作成した条件付き確率表を表す条件付き確率表データ17を記憶部4eに記憶する。
図11は、条件付き確率表データ17の内容の例を示す図である。
条件付き確率表データ17では、縦方向(列)の項目を子事象I3の各種条件とし、横方向(行)の項目を親事象I1,I2の各種条件の組み合わせとし、親事象I1,I2と子事象I3の条件の組み合わせに対応する条件付き確率が該当欄に配置されている。なお、横方向と縦方向の項目は逆としてもよい。
表示データ作成機能11は、記憶部4dからネットワーク構造データ16を読み出し、記憶部4cから生起確率データ141,142を読み出し、記憶部4eから条件付き確率表データ17を読み出す。
そして、表示データ作成機能11は、ネットワーク構造データ16、生起確率データ141,142、条件付き確率表データ17に基づいて、事象I1〜I3とその間の因果関係E3、事象I1,I2の生起確率、ベイジアンネットワーク13の初期の条件付き確率表を含む表示データ18を作成し、記憶部4fに記憶する。
出力制御機能12は、記憶部4fから表示データ18を読み出し、出力部3を用いて表示データ18を出力するための制御を実行する。
図12は、表示データ18の出力例を示す図である。
この図12では、親事象I1の生起確率を表す生起確率データ141の内容がこの親事象I1に対して表示されており、親事象I2の生起確率を表す生起確率データ142の内容がこの親事象I2に対して表示されている。図12では、ペイジアンネットワークを表す条件付き確率表を表す条件付き確率表データ18の内容が表示されている。
作成者は、この表示結果を観察し、例えば、事象I1が真、事象I2が偽のときに事象I3が真の確率P(装置C発熱=true|装置A故障=true,装置B故障=false)は、0.88と定められている旨を把握可能である
図13は、本実施の形態に係るベイジアンネットワーク作成装置1の処理の例を示すフローチャートである。
ステップS1において、ベイジアンネットワーク作成装置1の取得機能8は、事象一対確率データD1,D2、事象独立条件データ15、生起確率データ141,142を取得する。
ステップS2において、ベイジアンネットワーク作成装置1のネットワーク構造作成機能9は、事象一対確率データD1,D2に基づいて、因果関係E1,E2を認識する。
ステップS3において、ベイジアンネットワーク作成装置1のネットワーク構造作成機能9は、認識された因果関係E1,E2の中から子事象が同一の因果関係を集める。
ステップS4において、ベイジアンネットワーク作成装置1のネットワーク構造作成機能9は、子事象が同一の因果関係が事象独立条件データ15に示された条件を満たす場合、因果関係E1,E2を統合し、統合処理後の因果関係E3を示すネットワーク構造データ16を作成する。
ステップS5において、ベイジアンネットワーク作成装置1の条件付き確率表作成機能10は、ネットワーク構造データ16に基づいて条件付き確率表の項目データを作成する。
ステップS6において、ベイジアンネットワーク作成装置1の条件付き確率表作成機能10は、事象一対確率データD1,D2、「絶対温度Tの逆数をβとしたカノニカル分布の式」、「テーラー展開」、「1/βの値が0を基準に定まる第1所定値より小さくなるという第1条件」、「カノニカル分布の式における条件付き確率表の条件付き確率の配置欄に対応する状態のエネルギーを表し、値が大きいほどこの状態が生起する確率が低くなるEを用いて定義される条件であり、(―βE)が0を基準に定まる第2所定値より小さくなる(すなわち0近傍)という第2条件」を用いるベイジアンネットワーク確率演算アルゴリズムに基づいて、条件付き確率表の条件付き確率の配置欄に対して、条件付き確率の値を算出し、条件付き確率表データ17を作成する。
ステップS7において、ベイジアンネットワーク作成装置1の表示データ作成機能11は、ネットワーク構造データ16、生起確率データ141,142、条件付き確率表データ17に基づいて、条件付き確率表を含む表示データ18を作成する。
ステップS8において、ベイジアンネットワーク作成装置1の出力制御機能12は、出力部3を用いて表示データ18を出力するための制御を実行する。
図14は、本実施の形態に係るベイジアンネットワーク確率演算アルゴリズムの内容の例を示すフローチャートである。
ステップT1aにおいて、条件付き確率表作成機能10は、ベイジアンネットワーク13(条件付き確率表)の算出対象の条件付き確率について、カノニカル分布の式P=αexp(−βE)をテーラー展開し、親事象と子事象との一対一の条件付き確率を代入した状態を示す第1テーラー展開結果を求める。
ステップT1bにおいて、条件付き確率表作成機能10は、算出対象の条件付き確率Pとの和が1となる関係にある他の条件付き確率について、親事象と子事象との一対一の条件確率を代入した状態を示す第2テーラー展開結果を求める。
ステップT1a,T1bの演算順序は、いずれを先に実行してもよく、並列に実行してもよい。
ステップT2において、条件付き確率表作成機能10は、第1テーラー展開結果と第2テーラー展開結果との和が1となるようなαを求める。
ステップT3において、条件付き確率表作成機能10は、βの値を変化させながら、求められたαを代入したカノニカル分布の式(または第1テーラー展開結果)に基づいて、算出対象の条件付き確率の値を求める。
ステップT4において、条件付き確率表作成機能10は、(1/β)の値が0を基準に定まる第1所定値より小さくなるという第1条件を満たし、かつ(―βE)が0を基準に定まる第2所定値より小さくなるという第2条件を満たすβの値を決定し、このβの値における算出対象の条件付き確率の値を選択する。
ステップT5において、条件付き確率表作成機能10は、条件付き確率の値を未算出の条件付き確率があるか判断する。未算出の条件付き確率がない場合、演算を終了する。
未算出の条件付き確率がある場合、ステップT6において、条件付き確率表作成機能10は、この未算出の条件付き確率を次の算出対象とし、処理をステップT1a,T1bの前に戻す。
以上説明した本実施の形態では、上記ベイジアンネットワーク確率演算アルゴリズムを用いて、ベイジアンネットワークを表すデータの作成が系統的に実現される。
したがって、作成者は、ベイジアンネットワークを表すデータを容易に構築することができ、ベイジアンネットワークを表すデータの作成時間を削減できる。
一般的なベイジアンネットワークを表すデータの作成手法において、それぞれの事象が真または偽という定義域を持ち、親事象がN個であり、子事象が1個であるベイジアンネットワークにおける条件付き確率の値は、2(N+1)個となる。しかしながら、本実施の形態においては、(2×2)×N個のベイジアンネットワークにおける条件付き確率の値を決定すればよい。したがって、人手で設定される条件付き確率の数を削減でき、条件付き確率の設定作業に必要な時間を削減でき、作業を効率化できる。
本実施の形態では、予め十分なデータが収集されていない状態であっても、ベイジアンネットワークを表すデータの初期の条件付き確率を求めることができる。
そして、本実施の形態では、適用分野に制限なく、ベイジアンネットワークを表すデータの作成作業を支援できる。
なお、本実施の形態において、各構成要素は同様の動作を実現可能であれば配置を変更させてもよく、また各構成要素を自由に組み合わせてもよく、各構成要素を自由に分割してもよく、いくつかの構成要素を削除してもよい。すなわち、本実施の形態については、上記の構成そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
例えば、各記憶部4a〜4fは、自由に組み合わせることができる。各記憶部4a〜4fに記憶されている各データも自由に組み合わせることができる。
本実施の形態においては、取得機能8により事象一対確率データD1,D2と事象独立条件データ15とを取得し、ネットワーク構造作成機能9によりネットワーク構造データ16を作成するとしている。しかしながら、例えば、取得機能8によりネットワーク構造データ16を取得し、ネットワーク構造作成機能9を削除するとしてもよい。
本実施の形態において、ベイジアンネットワーク作成プログラム7aは、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体7に書き込んで、ベイジアンネットワーク作成装置1として動作するコンピュータに適用可能である。また、上記ベイジアンネットワーク作成プログラム7aは、通信媒体により伝送してコンピュータに適用することも可能である。コンピュータは、上記ベイジアンネットワーク作成プログラム7aを読み込み、このベイジアンネットワーク作成プログラム7aによって動作が制御されることにより、ベイジアンネットワーク作成装置1としての機能を実現する。ベイジアンネットワーク作成プログラム7aは、複数のコンピュータに分散して配置され、複数のコンピュータ間で互いに連携しつつ処理が実行されるとしてもよい。
本実施の形態において、ソフトウェアによって実現される機能は、ハードウェアによって実現されるとしてもよい。
本発明は、ベイジアンネットワークを表すデータを用いて推論を行う分野に有効である。
本発明の実施の形態に係るベイジアンネットワーク作成装置の構成の例を示す機能ブロック図。 同実施の形態に係るベイジアンネットワーク作成装置のハードウェア構成の例を示すブロック図。 同実施の形態に係るベイジアンネットワーク作成装置を用いて条件付き確率表を作成する対象のベイジアンネットワークの例を示す図。 同実施の形態に係るベイジアンネットワークの事象の生起確率の例を示す図。 同実施の形態に係るベイジアンネットワークにおける第1の事象間の一対一の因果関係の条件付き確率の値の例を示す図。 同実施の形態に係るベイジアンネットワークにおける第2の事象間の一対一の因果関係の条件付き確率の値の例を示す図。 同実施の形態に係るベイジアンネットワークの一対一の事象間の第1の因果関係の例を示す図。 同実施の形態に係るベイジアンネットワークの一対一の事象間の第2の因果関係の例を示す図。 ベイジアンネットワークの初期の条件付き確率の演算にカノニカル分布の式を用いる理由を説明するための図。 βの値を順次変化させて、ベイジアンネットワーク確率演算アルゴリズムによる演算を行った演算結果の例を示す図。 条件付き確率表データの内容の例を示す図。 同実施の形態に係る表示データの出力例を示す図。 同実施の形態に係るベイジアンネットワーク作成装置の処理の例を示すフローチャート。 同実施の形態に係るベイジアンネットワーク確率演算アルゴリズムの内容の例を示すフローチャート。
符号の説明
1…ベイジアンネットワーク作成装置、2…入力部、3…出力部、4a〜4f…記憶部、5…プロセッサ、6…内部バス、7…記録媒体、7a…ベイジアンネットワーク作成プログラム、8…取得機能、9…ネットワーク構造作成機能、10…条件付き確率表作成機能、11…表示データ作成機能、12…出力制御機能、13…ペイジアンネットワーク、141,142…生起確率データ、15…事象独立条件データ、16…ネットワーク構造データ、17…条件付き確率表データ、18…表示データ

Claims (7)

  1. 複数の親事象と前記複数の親事象に対する子事象とを持つベイジアンネットワークを表すデータの作成を支援するベイジアンネットワーク作成装置において、
    前記複数の親事象のそれぞれと前記子事象との間の一対一の条件付き確率を表す事象一対確率データを取得する取得手段と、
    前記事象一対確率データ、「絶対温度Tの逆数をβとしたカノニカル分布の式」、「テーラー展開」、「1/βの値が0を基準に定まる第1所定値より小さいという第1条件」、「カノニカル分布の式における前記複数の親事象と前記子事象の条件の組み合わせに対応する状態のエネルギーを表し値が大きいほどこの状態が生起する確率が低くなるEを用いて定義され、(―βE)が0を基準に定まる第2所定値より小さいという第2条件」を用いるベイジアンネットワーク確率演算アルゴリズムに基づいて、前記複数の親事象についての条件と前記子事象についての条件との各組み合わせに対して、条件付き確率の値を算出した条件付き確率データを作成する算出手段と
    を具備するベイジアンネットワーク作成装置。
  2. 請求項1記載のベイジアンネットワーク作成装置において、
    前記ベイジアンネットワーク確率演算アルゴリズムは、前記ベイジアンネットワークにおける算出対象の条件付き確率に対して、
    前記カノニカル分布の式P=αexp(−βE)をテーラー展開し、前記事象一対確率データの示す親事象と子事象との一対一の条件確率を代入した状態を示す第1テーラー展開結果を求めるとともに、前記算出対象の条件付き確率との和が1となる関係にある他の条件付き確率について、前記カノニカル分布の式P=αexp(−βE)をテーラー展開し、前記事象一対確率データの示す親事象と子事象との一対一の条件確率を代入した状態を示す第2テーラー展開結果を求め、
    前記第1テーラー展開結果と前記第2テーラー展開結果との和が1となる前記αを求め、
    前記βの値を変化させながら、前記αを代入した前記カノニカル分布の式または第1テーラー展開結果に基づいて、前記算出対象の条件付き確率の値を求め、
    前記第1条件を満たし、かつ前記第2条件を満たすβの値を決定し、この決定されたβの値における算出対象の条件付き確率の値を選択する
    ことを特徴とするベイジアンネットワーク作成装置。
  3. 請求項1または請求項2記載のベイジアンネットワーク作成装置において、
    前記取得手段は、前記複数の親事象と前記子事象の間で独立性が存在するか否かを表す事象独立条件データをさらに取得し、
    前記事象一対確率データと前記事象独立条件データとに基づいて、前記ベイジアンネットワークの構造を示すネットワーク構造データを作成するネットワーク構造作成手段をさらに具備し、
    前記算出手段は、前記ネットワーク構造データに基づいて、前記親事象と前記子事象とを認識する
    ことを特徴とするベイジアンネットワーク作成装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のベイジアンネットワーク作成装置において、
    前記条件付き確率データの出力制御を実行する出力制御手段をさらに具備することを特徴とするベイジアンネットワーク作成装置。
  5. 請求項4記載のベイジアンネットワーク作成装置において、
    前記取得手段は、前記複数の親事象の生起確率を示す生起確率データをさらに取得し、
    前記出力制御手段は、前記条件付き確率データと前記生起確率データとを組み合わせた状態で出力するための制御を実行する
    ことを特徴とするベイジアンネットワーク作成装置。
  6. 複数の親事象と前記複数の親事象に対する子事象とを持つベイジアンネットワークを表すデータの作成を支援するベイジアンネットワーク作成方法において、
    前記複数の親事象のそれぞれと前記子事象との間の一対一の条件付き確率を表す事象一対確率データを取得し、
    演算手段により、前記事象一対確率データ、「絶対温度Tの逆数をβとしたカノニカル分布の式」、「テーラー展開」、「1/βの値が0を基準に定まる第1所定値より小さいという第1条件」、「カノニカル分布の式における前記複数の親事象と前記子事象の条件の組み合わせに対応する状態のエネルギーを表し値が大きいほどこの状態が生起する確率が低くなるEを用いて定義され、(―βE)が0を基準に定まる第2所定値より小さいという第2条件」を用いるベイジアンネットワーク確率演算アルゴリズムを実行し、前記複数の親事象についての条件と前記子事象についての条件との各組み合わせに対して、条件付き確率の値を算出した条件付き確率データを作成する
    ことを特徴とするベイジアンネットワーク作成方法。
  7. 複数の親事象と前記複数の親事象に対する子事象とを持つベイジアンネットワークを表すデータの作成を支援するために、コンピュータに、
    前記複数の親事象のそれぞれと前記子事象との間の一対一の条件付き確率を表す事象一対確率データを取得する機能、
    演算手段により、前記事象一対確率データ、「絶対温度Tの逆数をβとしたカノニカル分布の式」、「テーラー展開」、「1/βの値が0を基準に定まる第1所定値より小さいという第1条件」、「カノニカル分布の式における前記複数の親事象と前記子事象の条件の組み合わせに対応する状態のエネルギーを表し値が大きいほどこの状態が生起する確率が低くなるEを用いて定義され、(―βE)が0を基準に定まる第2所定値より小さいという第2条件」を用いるベイジアンネットワーク確率演算アルゴリズムを実行し、前記複数の親事象についての条件と前記子事象についての条件との各組み合わせに対して、条件付き確率の値を算出した条件付き確率データを作成する機能
    を実現させるためのベイジアンネットワーク作成プログラム。
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