JP2006259769A - 光導波路装置及びその製造方法並びに光通信装置 - Google Patents

光導波路装置及びその製造方法並びに光通信装置 Download PDF

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由幸 古村
Kazuyuki Hayamizu
一行 速水
Yukari Terakawa
裕佳里 寺川
Hayami Hosokawa
速美 細川
Toshiyuki Takahashi
敏幸 高橋
Masayoshi Higuchi
誠良 樋口
Yoshitaka Tatara
佳孝 多田羅
Naru Yasuda
成留 安田
Hiroto Nozawa
洋人 野澤
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Abstract

【課題】光導波路装置の製造工程を簡略化することができ、しかも光導波路装置を高精度に製造することができ光導波路装置とその製造方法を提供する。
【解決手段】ベース基板と光導波路親基板を重ねて接合するとき、下部クラッド層18の下面とシリコン基板21bの上面との間に紫外線硬化樹脂20aを供給し、ベース基板のシリコン基板21b上面に設けられたスペーサ32を下部クラッド層18の下面に当接させる。光導波路親基板の不要部分をマスク36aで覆って紫外線硬化樹脂20aに紫外線を照射することによって光導波路親基板の光導波路領域で紫外線硬化樹脂20aを硬化させて上部クラッド層20を成形する。ついで、ダイシングブレードで光導波路親基板の不要部分と光導波路形成領域との境界を切断し、光導波路親基板の不要部分を除去する。
【選択図】図16

Description

本発明は、コア内で光を透過伝搬する光導波路に、光ファイバや投光素子、受光素子などを実装するための光ファイバガイドや光学素子設置部、並びに光変調機能を付加した光導波路装置と、その光導波路装置の製造方法と、光通信装置とに関する。
光通信に用いられる光ファイバケーブルの接続部や末端部では、他の光ファイバケーブルや投光素子、受光素子と接続するために光導波路装置が用いられている。近年、高速で大容量のデータを伝送できる光通信の利用が進んでおり、より安価で大量生産に適した光導波路装置の製造が望まれている。
図1は、従来から用いられている光導波路装置1の概略斜視図である。この光導波路装置1は、図2に示すように、光導波路6と支持基板7から構成されており、支持基板7の光導波路設置部12に光導波路6を乗せ、支持基板7上で光導波路のコア4と光ファイバ、投光素子8、受光素子10等を接続して使用することができる。
光導波路6は、基板2と、内部で光を透過伝搬させるコア4、コア4を囲む下部クラッド層3及び上部クラッド層5、及び、フィルタ13dから構成されている。コア4、下部クラッド層3、上部クラッド層5は比較的屈折率の大きな樹脂やガラスなどの物質により形成されている。また、コア4内で光を閉じ込めて伝搬するために、コア4の屈折率は下部クラッド層3及び上部クラッド層5の屈折率と比較して大きくなければならない。フィルタ13dは特定の波長の光のみを透過し、特定の波長以外の波長の光を反射する特性をもつ光学素子であり、光導波路6にコア4をコア4aとコア4b、4cに分断するように形成されたフィルタ設置溝13cに設置して使用する。
シリコン基板11をエッチングして成型した支持基板7には、光ファイバを位置合わせして設置するための断面V溝状の光ファイバガイド9と、光導波路6を乗せるための光導波路設置部12が形成されている。支持基板7には、半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)などの投光素子8や、受光素子10をコア4の端面と光軸を合わせて設置する。また、支持基板7上には、投光素子8や受光素子10を通電するための配線やワイヤボンドパッド13a、13bが形成されている。
従来、このような光導波路装置1を製造するには、光導波路6と支持基板7とを個別に製造し、光導波路6と支持基板7を一つ一つ接着樹脂で接合させて光導波路装置1を製作していたので、製造工程が煩雑になり、製造工程に時間やコストが掛かり、効率よく大量生産することができなかった。また、個々の光導波路6や支持基板7は微小な部品であるため、光導波路6及び支持基板7を精度良く位置合わせして光導波路装置1を組み立てるのに時間やコストがかかり、最終的な生産効率を向上させることが困難であった。
一方、光導波路6と支持基板7をそれぞれウエハないし親基板上に複数個形成しておき、両ウエハないし親基板を接合させた後、その接合体を個々の光導波路装置に切り離すようにすれば、生産効率は向上する。しかし、支持基板7に投光素子8や受光素子10を実装するためのパッド部や光ファイバガイド9を設けられた光導波路装置1では、最終的にパッド部に投光素子や受光素子を実装し、また光ファイバガイド9に光ファイバを固定しなければならないので、パッド部や光ファイバガイド9を露出させておく必要がある。よって、光導波路6と支持基板7をそれぞれウエハないし親基板上に複数個形成しておき、両ウエハないし親基板を全面接着する方法では、光ファイバガイド9やパッド部を露出させることが困難であり、光ファイバガイド9やパッド部を有する光導波路装置では、このような製造方法は実現性が低かった。
本発明の目的とするところは、光導波路装置の製造工程を簡略化することができ、しかも光導波路装置を高精度に製造することができ光導波路装置とその製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の光導波路装置は、光を透過伝搬させるコア及びコアを囲むクラッドからなる光導波路領域を有する第1の基板と、表面にスペーサーを有する第2の基板とから構成され、前記第1の基板の前記光導波路領域を有する面と前記第2の基板の前記スペーサーの少なくとも一部が接して前記第1の基板と前記第2の基板が重なり合っていることを特徴としている。
請求項1に記載の光導波路装置にあっては、第2の基板にスペーサーが備わっているので、スペーサーによってクラッドの厚みを均一にすることができる。例えば、クラッドを形成するために滴下する樹脂の量や樹脂の粘度にバラツキがあっても、スペーサーの上面の高さよりも下にコアが押し込まれることがないので、コアの設置される高さにバラツキが生じにくくなり、コアに接続する投光素子や受光素子、光ファイバとの光軸調整をより高い精度で行える。
請求項2に記載の光導波路装置では、前記第1の基板と前記第2の基板が接着用樹脂で接着されている。
請求項3に記載の光導波路装置は、請求項2において、前記接着用樹脂の屈折率が前記クラッドの屈折率とほぼ等しいことを特徴としている。この光導波路装置では、コアとクラッドを有する第1の基板を当該クラッドと屈折率がほぼ等しい接着用樹脂によって第2の基板と接着させているので、光導波路装置の完成後には、当該接着用樹脂はクラッドとして機能する。
また、請求項4に記載の光導波路装置では、前記第1の基板において、前記光導波路領域が透光性を有する基板に形成されており、請求項5に記載の光導波路装置では、前記第2の基板において、前記スペーサは透光性を有しない基板に設けられている。
請求項6の光導波路装置は、前記第2の基板の前記スペーサーを有する面において、少なくとも前記第1の基板の光導波路領域外領域に対向するように、前記コアと光学的に結合する光ファイバを実装するための光ファイバガイドが形成されている。また、請求項7の光導波路装置は、前記第2の基板の前記スペーサーを有する面において、少なくとも前記第1の基板の光導波路領域外領域に対向するように、前記コアと光学的に結合する光学素子を実装するための素子実装用ベンチが形成されている。請求項8に記載の光導波路装置は、前記第2の基板の前記スペーサーを有する面において、少なくとも前記第1の基板の光導波路領域に対向するように、前記コア内を透過伝搬する光を変調する機能に関する部位が形成されている。また、前記光を変調する機能に関する部位は、ヒータでもよく、電極でもよい。これらの光導波路装置にあっては、光ファイバガイドに位置決めされた光ファイバ、光学素子用ベンチに実装された光学素子、コア内を透過伝搬する光を変調する機能に関する部位などをコアと光学的に結合させることができる。
請求項11の光導波路装置は、請求項1において、前記コアのその光軸に垂直な断面の形状は、前記第2の基板に近い側で幅が広く、前記第2の基板から遠い側で幅が狭いことを特徴としている。コアの断面形状をこのような形状にすれば、スタンパでクラッドにコア溝を形成する際、スタンパを抜く方向でコア溝が広くなるので、スタンパとクラッドの離型性を向上させることができる。
請求項12の光通信装置は、光導波路装置と前記光導波路装置に実装された光ファイバとを含み、前記光導波路装置は、光を透過伝搬させるコア及びコアを囲むクラッドからなる光導波路領域を有する第1の基板と、表面にスペーサーを有する第2の基板とから構成され、前記第1の基板の前記光導波路領域を有する面と前記第2の基板の前記スペーサーの少なくとも一部が接して前記第1の基板と前記第2の基板が重なり合っていることを特徴としている。
請求項12の光通信装置にあっては、第2の基板にスペーサーが備わっているので、スペーサーによってクラッドの厚みを均一にすることができる。
請求項13に記載の光導波路の製造方法は、基板上にコアとクラッドからなる光導波路領域を形成する工程を含む第1の基板を形成する工程と、前記基板とは別の基板にスペーサーを設ける工程を含む第2の基板を形成する工程と、前記第1の基板の前記光導波路領域を有する面と前記第2の基板の前記スペーサーの少なくとも一部を当接させて前記第1の基板と前記第2の基板とを重ね合わせる工程とを含むことを特徴としている。
請求項13の光導波路装置の製造方法にあっては、第2の基板にスペーサーが備わっているので、スペーサーによってクラッドの厚みを均一にすることができる。例えば、クラッドを形成するために滴下する樹脂の量や樹脂の粘度にバラツキがあっても、スペーサーの上面の高さよりも下にコアが押し込まれることがないので、コアの設置される高さにバラツキが生じにくくなり、コアに接続する投光素子や受光素子、光ファイバとの光軸調整をより高い精度で行える。
請求項14に記載の光導波路装置の製造方法は、基板上にコアとクラッドからなる光導波路領域を形成する工程を含む第1の基板を形成する工程と、前記基板とは別の基板にスペーサーを設ける工程を含む第2の基板を形成する工程と、前記第1の基板の前記光導波路領域を形成された面及び前記第2の基板の前記第1の基板の前記光導波路領域と対向する面を未硬化の接着用樹脂を塗布して重ね合わせる工程と、前記第1の基板の前記光導波路領域を有する面と前記第2の基板の前記スペーサーの少なくとも一部を当接させて前記第1の基板と前記第2の基板とを重ね合わせる工程と、前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記接着用樹脂を硬化させて前記第1の基板と前記第2の基板とをほぼ全面にわたって接着する工程とを含むことを特徴としている。
請求項14の光導波路装置の製造方法にあっては、第2の基板にスペーサーが備わっているので、スペーサーによって接着用樹脂の厚みを均一にすることができる。例えば、クラッドを形成するために滴下する樹脂の量や樹脂の粘度にバラツキがあっても、スペーサーの上面の高さよりも下にコアが押し込まれることがないので、コアの設置される高さにバラツキが生じにくくなり、コアに接続する投光素子や受光素子、光ファイバとの光軸調整をより高い精度で行える。
請求項15に記載の光導波路装置の製造方法は、請求項14において、前記接着用樹脂の屈折率が前記クラッドの屈折率とほぼ等しいことを特徴としている。この光導波路装置の製造方法によれば、コアとクラッドを有する第1の基板を当該クラッドと屈折率がほぼ等しい接着用樹脂によって第2の基板と接着させているので、光導波路装置の完成後には、当該接着用樹脂はクラッドとして機能する。
請求項16に記載の光導波路装置の製造方法は、請求項13又は14において、前記光導波路領域を形成する工程が、複製法により前記第1の基板の基板上に樹脂で前記クラッドを形成する工程と、前記クラッドに接するように樹脂で前記コアを形成する工程とを含むことを特徴としている。
請求項17に記載の光導波路装置の製造方法は、請求項13又は14において、前記第2の基板を形成する工程において、少なくとも前記第1の基板の光導波路領域外領域に対向するように、前記第2の基板の前記スペーサーを有する面に、前記光導波路領域のコアと光学的に結合する光ファイバを実装するための光ファイバガイドを形成する工程をさらに含むことを特徴としている。
請求項18に記載の光導波路装置の製造方法は、請求項13又は14において、前記第2の基板を形成する工程において、少なくとも前記第1の基板の光導波路領域外領域に対向するように、前記第2の基板の前記スペーサーを有する面に、前記光導波路領域のコアと光学的に結合する光学素子を実装するための素子実装用ベンチを形成する工程をさらに含むことを特徴としている。
請求項19に記載の光導波路装置の製造方法は、請求項13又は14において、前記第2の基板を形成する工程において、少なくとも前記第1の基板の光導波路領域に対向するように、前記第2の基板の前記スペーサーを有する面に、前記コア内を透過伝搬する光を変調する機能に関する部位を形成する工程をさらに含むことを特徴としている。
請求項20に記載の光導波路装置の製造方法は、請求項19において、前記光を変調する機能に関する部位がヒータであることを特徴としている。
請求項21に記載の光導波路装置の製造方法は、請求項19において、前記光を変調する機能に関する部位が電極であることを特徴としている。
請求項22に記載の光導波路装置の製造方法は、請求項13又は14において、前記第1の基板において、前記光導波路領域を形成されている基板が透光性を有する基板であることを特徴としている。
請求項23に記載の光導波路装置の製造方法は、請求項13又は14において、前記第2の基板において、前記スペーサを形成されている基板が透光性を有しない基板であることを特徴としている。
なお、本発明の以上説明した構成要素は、可能な限り任意に組み合わせることができる。
以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に説明する。
図3、図4は、本発明の実施例1である光導波路装置14aの概略斜視図及び概略分解斜視図である。本発明の光導波路装置14aは、実装用基板16と光導波路基板15とから構成されている。光導波路基板15は、カバーガラス17、高屈折率の光学材料からなる下部クラッド層18、下部クラッド層18より高屈折率の光学材料からなり、内部で光を透過伝搬させるコア19a、19b、19c、フィルタ29、下部クラッド層18と同じ光学材料からなる上部クラッド層20から構成されている。フィルタ29は特定の波長域の光のみを透過させ、特定の波長域以外の光を反射させる特徴を有する光学素子であってフィルタ設置溝31の内部に設置されている。下部クラッド層18内に埋め込まれているコア19a及びコア19bは一直線状に並んでおり、両コア19a、19b間を仕切るようにして、且つ、その光軸に対して45度の傾きを持たせてフィルタ設置溝31内にフィルタ29が挿入され、フィルタ29の側面には、両コア19a、19bの光軸に対して90度の角度を持つようにしてコア19cが配置されている。
実装用基板16においては、支持基板21の表面に上記光導波路基板15を積層するための導波路固定領域30が形成され、その周囲にはV溝状の光ファイバガイド23a、凹状をした光学素子設置部24a、24bが設けられている。また、支持基板21の上面は、導波路固定領域30を除く全面が、NiやAu等の金属薄膜22によって覆われている。なお、支持基板21がシリコン基板である場合には、支持基板21の表面を酸化させてSiO膜を形成した上から金属薄膜22を形成してもよい。各光学素子設置部24a、24b内には、受光素子や投光素子を実装するための素子実装用ベンチ(電極パッド)33a、33bが形成されている。
図3のように組み立てられた光導波路装置14aにおいては、上記光導波路基板15は、上下反転された状態で設置されており、光ファイバガイド23a及び素子実装用ベンチ33a、33bは光導波路基板15から露出している。
図5は上記光導波路装置14aに投光素子28と受光素子27を実装し、光ファイバ26をつないで光トランシーバを構成した状態を示す平面図である。光学素子設置部24a、24b内の素子実装用ベンチ33a、33bには、下面電極をダイボンドすることにより、それぞれ受光素子27と投光素子28が実装されており、受光素子27はコア19cの端面に対向し、投光素子28はコア19bの端面に対向している。また、投光素子28及び受光素子27の上面電極はボンディングワイヤで回路基板などに接続される。なお、この状態では、素子実装用ベンチ33aと素子実装用ベンチ33bは金属薄膜22を通じて電気的に導通しているが、素子実装用ベンチ33a、33b側がアース電極となっていれば問題ない。もし、素子実装用ベンチ33aと素子実装用ベンチ33bが導通していることが不都合であれば、素子実装用ベンチ33aと素子実装用ベンチ33bの間で金属薄膜22をダイシングブレードによりカットして電気的に分離させればよい。光ファイバ26は、光ファイバガイド23aに納めて位置決めした状態で接着剤により固定されており、それによってコア19aの光軸と光ファイバ26の光軸が自動的に調芯されている。
この光導波路装置14aにおいてフィルタ29は、投光素子28から出射される波長の光を透過し、光ファイバ26から出射される波長の光を反射する特性のものを用いている。しかして、投光素子28からコア19bに光(送信信号)を照射すると、光はコア19bの内部を伝搬し、フィルタ29を透過してコア19aの内部を伝搬し、光ファイバ26に入射して光ファイバ26内を送信される。また、光ファイバ26を伝搬してきた光(受信信号)は、コア19aに入射して、フィルタ29で反射し、コア19cを伝搬して受光素子27に受信される。このようにして光導波路装置14aは、光ファイバを通じてつながっている外部の他の装置と信号の送受信を行うことができる。
上記のように本発明の光導波路装置14aは、信号の送受信を行うための光トランシーバーとして利用することができ、例えばインターネットに接続されたパーソナルコンピューターのように外部からの信号を受信し、また、外部に向けて信号を発信する装置の内部で用いられる。
以下に、図6〜図13を用いて本発明の光導波路装置14aの製造方法を説明する。まず、支持基板21の親基板であるシリコン基板(ウエハ)21aの表面をエッチングし、図6に示すように導波路固定領域30、光学素子設置部24a、24b、光ファイバガイド23aを複数組形成する。図6のシリコン基板21aを用いれば一度に4個の実装用基板16を製造できるが、より大面積のシリコン基板21aを用いれば、実装用基板16ひいては光導波路装置14aの大量生産が可能になる。
次に、図7に示すようにシリコン基板21aの表面のうち導波路固定領域30以外の領域にNiやAu等の金属を蒸着またはスパッタリングして金属薄膜22を形成する。さらに、光学素子設置部24a、24bにおいて、金属薄膜22の上にそれぞれ素子実装用ベンチ33a、33bを電極材料によって形成する。以下、金属薄膜22が形成されたシリコン基板21aをベース基板16aという。
一方、上記のシリコン基板21aと同面積以上のガラス基板17aを用いて、図8に示す下部クラッド層18、コア19c、19dからなる光導波路基板15の親基板(光導波路親基板15a)を複製法(スタンパ法)で形成する。ガラス基板(ウエハ)17aは、光導波路装置14aのカバーガラス17の親基板である。
ここで、紫外線硬化樹脂を用いた複製法(スタンパ法)について、図9を用いて簡単に説明する。図9(a)(b)(c)(d)は、図8のA−A’線断面に相当する面を示している。まず、図9(a)に示すように、ガラス基板17a上に未硬化の紫外線硬化樹脂(下部クラッド樹脂)18aを滴下し、表面にコア19c、19dと同じ形状のパターンを有するスタンパ(型)34aで押圧してコア溝35を形成した後、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂18aを硬化させ、図9(b)に示すようにコア溝35を有する下部クラッド層18を成型する。
次に、下部クラッド層18に成型されたコア溝35の内部に下部クラッド層18よりも屈折率の大きな未硬化の紫外線硬化樹脂(コア樹脂)19eを注入して表面が平らになるよう、また、コア溝35から溢れ出た紫外線硬化樹脂19eによって下部クラッド層18表面に形成されるバリの厚みを薄くするためにスタンパ34bで押圧し、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂19eを硬化させて、コア溝35内に図9(d)に示すようなコア19c、19dを形成する。
次に、図10に示すように、光導波路親基板15a表面に、未硬化の樹脂20aを滴下し、樹脂20aによって光導波路親基板15aとベース基板16aとを接着する。なお、樹脂20aは硬化すると上部クラッド層20となるために、下部クラッド層18と同じ紫外線硬化樹脂であるか、下部クラッド層18と同程度の屈折率を有する樹脂であることが望ましく、少なくともコア19c、19dよりも屈折率が小さくなくてはならない。
ベース基板16aと光導波路親基板15aとを接着するときには、光ファイバガイド23aや光学素子設置部24a、24bとコア19c、19dを精密に位置合わせをしておく必要がある。そのためには、光導波路親基板15aとベース基板16aに設けたアライメントマークにより精度良く位置合せを行って光導波路親基板15aとベース基板16aを接着すればよい。大面積のベース基板16aと大面積の光導波路親基板15aとで位置合わせを行えば、個々の部品どうしを位置合わせするような煩雑さがなく、一度に複数のコアとファイバガイド等との位置合わせを精度良く行えるため効率的である。
次に、図11に示すようにベース基板16aを下に、光導波路親基板15aを上にして置き、導波路固定領域30の縁を通過するようにして光導波路親基板15aにダイシングブレードで切り込みを入れて分離溝25a、25b、25cを形成する。なお、この分離溝25a、25b、25cの切り込み工程により、同時にコア19c、19dの端面が形成される。分離溝25a〜25cによって分割された光導波路親基板15aのうち、ベース基板16aの表面に金属薄膜22が形成されている領域(導波路固定領域30の外側の領域)では、金属薄膜22と上部クラッド層20の界面での密着力が低いので、分割された光導波路親基板15aのうちから不要部分(導波路固定領域外に対応している領域)に力を加えると、この不要部分をベース基板16aから簡単に剥がすことができる。したがって、図11に斜線を施して示す、内部にコア19c、19dが形成されている領域のみを残し、ベース基板16aの光ファイバガイド23aや光学素子設置部24a、24b内の素子実装用ベンチ33a、33bを露出させることができる。ベース基板16a上に残っている光導波路親基板15aの外周面には、コア19c、19dの各端面が露出している。
なお、上記のように光導波路親基板15aをダイシングして分離溝25a、25b、25cを形成する際、図11に示すように、分離溝25a、25b、25cが金属薄膜22より深くなるようにダイシングして金属薄膜を分断すれば、光学素子設置部24a、24bどうし(つまり、素子実装用ベンチ33a、33bどうし)を電気的に絶縁させることができる。
次に、図11のB−B’線、C−C’線に沿ってベース基板16aと光導波路親基板15aを切断し、図12に示すようなチップに分割し、実装用基板16の上に光導波路基板15を接合されたものを得る。このとき光導波路親基板15aの不要部分が残っているものについては、それを除去する。その後、図13に示すようにカバーガラス17及び下部クラッド層18にダイシングブレードで切り込みを入れ、フィルタ設置溝31を形成する。このとき、コア19dが分断されてコア19a、19bが形成される。最後に、フィルタ設置溝31のコア19aとコア19b間となる部分に、多層反射膜を用いたフィルタ29をはめ込めば、図3に示す光導波路装置14aが完成する。なお、フィルタ29はカバーガラス17の上面から飛び出していても良い。
本実施例の光導波路装置の製造方法では、大面積の光導波路親基板15aと、大面積のベース基板16aを上部クラッド層20で接着して、最終工程で光導波路装置14aの個別チップに分割するために、個々の光導波路基板15と、個々の実装用基板16とを貼り合わせるよりも効率よく光導波路装置14aを製造することができ、大量生産に適している。また、大面積のベース基板16aと大面積の光導波路親基板15aとで位置合わせを行うために、小さな部品どうしで位置合わせをするよりも精度よく位置合わせをすることができる。
また、このような光導波路装置14aでは、最終的には光ファイバガイド23aや光学素子設置部24a、24bを露出させる必要があるが、本発明の光導波路装置の製造方法では、光導波路親基板15aの不要部分にあたる領域では、ベース基板16a上に金属薄膜22を予め形成しておいて接着用の樹脂20a(上部クラッド層20)の接着力を弱くしているので、光導波路親基板15aとベース基板16aの全面を接着していても、光導波路親基板15aの不要な部分を簡単に除去することができ、製造工程をさらに簡略化することができる。
なお、上記実施例では、導波路固定領域30は金属薄膜22から露出させているが、導波路固定領域30の表面にも金属薄膜22を成膜しておいてもよい。光導波路親基板15aの不要部分は力を加えることにより金属薄膜22から容易に除去できるが、コア19a、19b、19c等の形成されている光導波路基板15では、力を加えて剥がさない限り、支持基板21と接合状態を保たれるので差し支えない。
図14は、本発明の実施例2による光導波路装置14bの概略斜視図である。本発明の光導波路装置14bは、支持基板21、素子実装用ベンチ33a、33b、スペーサー32、上部クラッド層20、コア19a、19b、19c、フィルタ29、下部クラッド層18、カバーガラス17から構成されている。コア19a及び19bは、一直線上に並んでおり、コア19cは両コア19a、19bの光軸に対して90度の傾きを持つように配置されている。フィルタ29は特定の波長の光のみを透過し、特定の波長以外の波長の光は反射する特徴を有する光学素子であって、コア19aとコア19bを仕切るようにして、かつ、その光軸に対して45度の傾きを持たせて形成されたフィルタ設置溝31に挿入されている。
支持基板21の表面には、光ファイバガイド23a、光学素子設置部24a、24b、及び、導波路固定領域30が掘り込まれている。V溝状の光ファイバガイド23aは、光ファイバを乗せるとコア19aの光軸と光ファイバの光軸が自動的に調芯されるように設計されている。凹状に形成された光学素子設置部24a、24bの内部に設けられている素子実装用ベンチ33a、33bには、コア19b、19cに接続する投光素子や受光素子を設置して、外部の電源と接続する。
本発明の光導波路装置の製造方法は、実施例1で説明した光導波路装置と製造工程の大部分が同じであるため、以下には実施例1と異なる工程になる部分を中心に説明する。
まず、図15に示すように導波路固定領域30、光学素子設置部24a、24b、光ファイバガイド23aをエッチングで形成したシリコン基板21bに、金属を堆積させてスペーサー32と素子実装用ベンチ33a、33bを形成し、これをベース基板16bとする。光導波路親基板15aは、図8に示したように、ガラス基板17aと下部クラッド層18、コア19c、19dからなり、実施例1で説明したようにして複製法(スタンパ法)で形成されている。このベース基板16bと光導波路親基板15aとを、上部クラッド層20となる未硬化の紫外線硬化樹脂20aで接着する際、以下に説明するようにして、光導波路親基板15aの不要部分にあたる領域では当該樹脂20aを未硬化のまま残し、残りの領域でのみ紫外線硬化樹脂20aを硬化させる。
図16(a)はフィルタ設置溝31を形成する前の図14に示す光導波路装置14bのD−D’線断面に相当する面を示し、図16(b)はフィルタ設置溝31を形成した後の図14に示す光導波路装置14bのD−D’線断面に相当する面を示している。ベース基板16bと光導波路親基板15aを紫外線硬化樹脂20aで接着するとき、図16(a)に示すように、光学素子設置部24a、24b上や光ファイバガイド23a上など上部クラッド層20が不要な部分を紫外線を透過しないマスク36aで覆っておけば、紫外線を照射したときに、必要な部分の紫外線硬化樹脂20a(上部クラッド層20)のみを硬化させることができる。
次に、実施例1で説明した製造工程と同じように、不要なガラス基板17a、下部クラッド層18をダイシングブレードで削り取り、同時にコア19c、19dの端面を形成する。このときに、スペーサー32や支持基板21の一部を削りとってもかまわないが、必ずしも削り取る必要はない。
ダイシングブレードの動作中には摩擦熱が発生するために、ダイシングブレードには冷却水をかけて冷却するが、この冷却水によって未硬化の紫外線硬化樹脂20aが洗い流されるため、ガラス基板17aや下部クラッド層18のうち切断された不要部分は簡単に除去できる。また、ダイシングブレードの冷却水だけでは未硬化の紫外線硬化樹脂20aを完全に洗い流せなかった場合には、溶剤を用いて完全に除去すればよい。この後、ダイシングブレードで個別の導波路チップに分断し、コア19dをコア19aとコア19bに分断するようなフィルタ設置溝31を形成してフィルタ29を設置すれば、図16(b)に示す光導波路装置14bが完成する。
光導波路装置には必要のない部分であっても、大量生産や製造工程の簡略化を図るために、光導波路装置の製造工程中でいったん光導波路親基板15aとベース基板16aが全面的に接着されてしまう。本発明の光導波路装置の製造方法では、紫外線硬化樹脂のように特定の条件を与えなければ硬化しない樹脂で上部クラッド層を形成し、不要になる部分を未硬化のまま残して、不要な部分を簡単に除去できるようにしている。
また、本実施例の光導波路装置14bの製造方法においては、ダイシングブレードでコアの端面を形成する工程で未硬化のまま残っている樹脂が洗い流されて、不要部分が除去されるために、不要な部分を除去するための工程を別に設ける必要が無く、製造工程を簡略化することができる。
また、本発明の光導波路装置のベース基板16aにはスペーサー32が備わっているので、スペーサー32によって上部クラッド層20の厚みを均一にすることができる。例えば、上部クラッド層20を形成するために滴下する樹脂20aの量や樹脂20aの粘度にバラツキがあっても、図16(b)に示すようにスペーサー32の上面の高さよりも下にコアが押し込まれることがないので、コア19a〜19cの設置される高さにバラツキが生じにくくなり、コア19a〜19cに接続する投光素子や受光素子、光ファイバとの光軸調整がより高い精度で行える。
図17は、本発明の実施例3による光導波路装置14cの概略斜視図である。本発明の光導波路装置14cは、支持基板21と、支持基板21の表面から裏面に貫通するスルーホール37の内部に形成された引き出し電極38と、引き出し電極38を覆う素子実装用ベンチ33a、33b、下部クラッド層18、下部クラッド層18の内部に形成されたコア19a〜19c、フィルタ設置溝31に挿入されたフィルタ29、上部クラッド層20、及び、カバーガラス17から構成されている。支持基板21の表面の凹溝23dの内部には、光ファイバを設置するV溝状の光ファイバガイド23aが形成されている。
本実施例の光導波路装置14cの製造方法を以下に簡単に説明する。まず、図18(a)に示すようにガラス基板である支持基板21に凹溝23dと、スルーホール37をエッチング等で形成する。次に、図18(b)に示すように、スルーホール37の内部を導電性の高い物質で埋めるか、又はスルーホール37の内部に金属膜を形成して引き出し電極38を形成し、引き出し電極38を覆うように素子実装用ベンチ33a、33bを形成する。素子実装用ベンチ33a、33bは、金属の蒸着等で形成すると良い。
次に、図18(c)に示すように、支持基板21の素子実装用ベンチ33a、33bを形成した面と反対側の面のうち、支持基板21上に下部クラッド層18、及び光ファイバガイド23aを形成しない領域を、紫外線を透過しないマスク36aで覆う。次に、支持基板21上に下部クラッド層18及び光ファイバガイド23aを形成するための紫外線硬化樹脂18aを滴下してコア19c、19d及び光ファイバガイド23aと同じパターンを有するスタンパ34aで押圧し、下面から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂18aを硬化させ、コア溝35を備えた下部クラッド層18及び光ファイバガイド23aを形成する。このとき、マスク36aで覆われている部分の紫外線硬化樹脂18aは未硬化のまま残る。上記のように光ファイバガイド23aとコア溝35とを同時成型すれば、コアとコアに接続する光ファイバの光軸調整がより正確に行えるようになる。
次に、光ファイバガイド23aが形成された部分を覆うようなマスク36bをマスク36aに重ね、図19(a)(b)に示すように下部クラッド層18を形成した紫外線硬化樹脂18aよりも屈折率の高い紫外線硬化樹脂を19eをコア溝35に注入して、平面板状のスタンパ34bで押圧し、下面側から紫外線を照射して、コア19c、19dを形成する。このときに形成されるコア19c、19dは、実施例1で説明し、図8で示したように垂直に交わるようなコアである。このときも、マスク36a、36bで覆われた部分の紫外線硬化樹脂は未硬化のまま残る。
次に、図19(c)に示すように、コア19c、19d及び下部クラッド層18に下部クラッド層18と同じ種類の未硬化の紫外線硬化樹脂20aを滴下して図20(a)に示すようにカバーガラス17で押圧し、下面側から紫外線を照射する。このときに、支持基板21や素子実装用ベンチ33a、33b、光ファイバガイド23aの表面にも紫外線硬化樹脂20aが流れ落ちる恐れがあるが、これらの領域はマスク36a、36bで覆われているために、紫外線硬化樹脂20aが硬化する恐れはない。次に、ダイシングブレードで不要なカバーガラス17を削り落とし、同時にコア19c、19dの端面を形成すれば、未硬化の紫外線硬化樹脂20aはダイシングブレードの冷却水で洗い流され、図19(b)に示すように不要な部分を除去することができる。また、ダイシングブレードの冷却水で紫外線硬化樹脂20aを完全に洗い流すことができなかった場合には、さらに溶剤を用いて紫外線硬化樹脂20aを完全に除去すれば良い。なお、これらが親基板として複数個一度に形成されている場合には、ダイシングブレードで導波路チップに分断する。
この後、ダイシングブレードでカバーガラス17、上部クラッド層20及び下部クラッド層18に切り込みを入れてコア19dをコア19aとコア19bに分断するようなフィルタ設置溝31を形成する。最後にフィルタ設置溝31のコア19aとコア19bの間にフィルタ29を設置すれば、図20(b)のように光導波路装置14cが完成する。
光導波路装置には必要のない部分であっても、大量生産や製造工程の簡略化を図るために、光導波路装置の製造工程中でいったん形成されてしまう部分がある。本発明の光導波路装置の製造方法では、紫外線硬化樹脂のように特定の条件を与えなければ硬化しない樹脂で上部クラッド層を形成し、必要な部分と最終的に不要になる部分の境界部分を未硬化のまま残して、不要な部分を簡単に除去できるようにしている。
また、本実施例の光導波路装置の製造方法においては、ダイシングブレードでコアの端面を形成する工程で未硬化のまま残っている樹脂が洗い流されて、不要部分が除去されるために、不要な部分を除去するための工程を別に設ける必要が無く、製造工程を簡略化することができる。
図21は、本発明の実施例4による光導波路装置14dの概略分解斜視図である。光導波路装置14dは、支持基板21、下部クラッド層18、コア19f、上部クラッド層20、カバーガラス17から構成されている。ガラスよりなる支持基板21の表面には、コア19fの端面に接続する光ファイバを自動的に光軸調整して設置する光ファイバガイド23a〜23cが形成されている。支持基板21をシリコン基板にする場合には、光ファイバガイド23a〜23cはエッチング等で形成すると良い。また、支持基板21は透明樹脂を射出成型、スタンパ法、注型等で成型したものであっても良い。
本発明の光導波路装置14dは、実施例3で示した光導波路装置の製造方法と同じ製造方法で製造することができ、図22に示すように下部クラッド層18、コア19f、上部クラッド層20を形成する領域にのみ紫外線が照射されるようなマスク36aで支持基板21の下面を覆っておくと良い。
光導波路装置には必要のない部品部分であっても、大量生産や製造工程の簡略化を図るために、光導波路装置の製造工程中でいったん形成されてしまう部分がある。本発明の光導波路装置の製造方法では、紫外線硬化樹脂のように特定の条件を与えなければ硬化しない樹脂で上部クラッド層を形成し、必要な部分と最終的に不要になる部分の境界部分を未硬化のまま残して、不要な部分を簡単に除去できるようにしている。
図23、図24、図25は、本発明の実施例5による光導波路装置14e(光減衰器)の概略斜視図、概略分解斜視図、及び概略平面図である。本発明の光導波路装置14eは、ベースガラス39、ヒーター40a、40b、電極取り出しパッド41a、41b、上部クラッド層20、コア19g、19h、19i、19j、19k、下部クラッド層18、カバーガラス17から構成されている。
本発明の光導波路装置14eのコア19g〜19kは、光入射端では一本のコア19gであるが、途中で2本のコア19h、19iに分岐し、さらに合流して一本のコア13jになっている。ヒーター40a、40bは、コア19i、19h下方のベースガラス39の表面に設置されており、ヒーター40aでコア19iを加熱し、ヒーター40bでコア19hを加熱することができる。
ヒーター40a又は40bの一方に通電して一方のコア19i又はコア19hを加熱すると、加熱されたコア19i又はコア19hの屈折率が小さくなり、そのコア19i又はコア19h内を通過する光の光路長が変化するので、コア19iを通過した光とコア19hを通過した光の位相が変化する。しかして、2本の分岐コア19i、19hの合流部では、位相の異なる2つの光が干渉し、その位相差に応じてコア19kから出力される光のパワーが変化する。よって、ヒーター40a又はヒーター40bに通電する電流値を制御してヒーター40a又はヒーター40bの発熱量を変化させることにより、出力される光の減衰量をコントロールすることができる。特に、モニター用のコア19jに対向させてモニター用の受光素子を設置しておき、この受光素子で受光量をモニターしながらヒーター40a及び40bに通電させる電流量をフィードバック制御することにより、コア19kから出力される光のパワーが一定になるようにオートパワーコントロールを行わせることができる。
コア19jとコア19kとの最近接部では、コア19jとコア19kとが、波長の数倍程度の間隔で平行に形成されている。この程度に近接したコア間では、コア19jを伝搬する光のパワーをコア19kに移行させることができ、また、平行な部分を適度な長さにすることによっては、移行する光の割合を調整することができる。本実施例の光導波路装置14eでは、分岐コア19i、19hの合流部から出てきた光のうち、95%の光をコア19kに移行し、残りの5%の光をコア19jの光出射端から出射させる。コア19kは光ファイバや受光素子に接続するため、コア19kから出射される光を直接調べることはできないが、コア19jから出射された光をモニターすることによって、間接的にコア19kから出射される光の強度を見ることができる。
次に、本発明の光導波路装置14eの製造方法を説明する。まず、図26(a)に示すように、ガラス基板であるベースガラス39の表面に熱伝導性の高いチタン(Ti)を蒸着又はスパッタリングして、チタン薄膜40cを形成し、チタン薄膜40cの上にアルミニウム(Al)を蒸着してアルミニウム薄膜41cを形成する。
次に、図26(b)に示すようにアルミニウム薄膜41cの一部をエッチングして電極取り出しパッド41a、41bを成形し、さらに、図26(c)に示すように露出したチタン薄膜40cの一部をエッチングしてヒーター40a、40bを成形する。
次に、図26(d)に示すように、実施例1で説明した、樹脂を用いた複製法でカバーガラス17上に下部クラッド層18およびコア19g〜19kを形成した光導波路基板15の下部クラッド層18の表面に、下部クラッド層18と同じか、同程度の屈折率を有する未硬化の紫外線硬化樹脂20aを滴下して、電極取り出しパッド41a、41bとヒーター40a、40bが形成されたベースガラス39を接着する。
このときに、図27(a)に示すように、上部クラッド層20を形成する必要のない部分を、カバーガラス17の下面からマスク36aで覆っておき、マスク36aの下方から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂20aを硬化させて上部クラッド層20を形成する。
次に、ベースガラス39が下に、カバーガラス17が上になるように上下を逆さまにして、不要なカバーガラス17および下部クラッド層18をダイシングブレードで切り落し、電極取り出しパッド41a、41bを露出させれば、図27(b)に示す光導波路装置14eが完成する。切り落とされたカバーガラス17や下部クラッド層18、および未硬化のまま残っていた樹脂20aは、ダイシングブレードの冷却水によって洗い流される。またダイシングブレードの冷却水で未硬化の樹脂20aを完全に洗い流せなかったときには、さらに溶剤を用いて洗い流すとよい。
図28、図29は、本発明の実施例6である光導波路装置14fの概略斜視図及び概略分解斜視図である。本発明の光導波路装置14fは、実装用基板16と光導波路基板15とから構成されており、図3〜図5等に示した光導波路装置14aからカバーガラス17を除いた構造となっている。すなわち、光導波路基板15は、高屈折率の光学材料からなる下部クラッド層18、下部クラッド層18より高屈折率の光学材料からなり、内部で光を透過伝搬させるコア19a、19b、19c、フィルタ29、下部クラッド層18と同じ光学材料からなる上部クラッド層20から構成されている。フィルタ29は特定の波長域の光のみを透過させ、特定の波長域以外の光を反射させる特徴を有する光学素子であってフィルタ設置溝31の内部に設置されている。下部クラッド層18内に埋め込まれているコア19a及びコア19bは一直線状に並んでおり、両コア19a、19b間を仕切るようにして、且つ、その光軸に対して45度の傾きを持たせてフィルタ設置溝31内にフィルタ29が挿入され、フィルタ29の側面には、両コア19a、19bの光軸に対して90度の角度を持つようにしてコア19cが配置されている。
実装用基板16においては、支持基板21の表面に上記光導波路基板15を積層するための導波路固定領域30が形成され、その周囲にはV溝状の光ファイバガイド23a、凹状をした光学素子設置部24a、24bが設けられている。また、支持基板21の上面は、導波路固定領域30を除く全面が、NiやAu等の金属薄膜22によって覆われている。なお、支持基板21はシリコン基板のように紫外線に対して不透明な材質で形成されており、シリコン基板である場合には、支持基板21の表面を酸化させてSiO膜を形成した上から金属薄膜22を形成してもよい(以下においては、シリコン基板として述べる。)。各光学素子設置部24a、24b内には、受光素子や投光素子を実装するための素子実装用ベンチ(電極パッド)33a、33bが形成されている。
図28のように組み立てられた光導波路装置14fにおいては、上記光導波路基板15は、上下反転された状態で設置されており、光ファイバガイド23a及び素子実装用ベンチ33a、33bは光導波路基板15から露出している。
図30は上記光導波路装置14fに投光素子28と受光素子27を実装し、光ファイバ26をつないで光トランシーバを構成した状態を示す平面図である。光学素子設置部24a、24b内の素子実装用ベンチ33a、33bには、下面電極をダイボンドすることにより、それぞれ受光素子27と投光素子28が実装されており、受光素子27はコア19cの端面に対向し、投光素子28はコア19bの端面に対向している。また、投光素子28及び受光素子27の上面電極はボンディングワイヤで回路基板などに接続される。なお、この状態では、素子実装用ベンチ33aと素子実装用ベンチ33bは金属薄膜22を通じて電気的に導通しているが、素子実装用ベンチ33a、33b側がアース電極となっていれば問題ない。もし、素子実装用ベンチ33aと素子実装用ベンチ33bが導通していることが不都合であれば、素子実装用ベンチ33aと素子実装用ベンチ33bの間で金属薄膜22をダイシングブレードによりカットして電気的に分離させればよい。光ファイバ26は、光ファイバガイド23aに納めて位置決めした状態で接着剤により固定されており、それによってコア19aの光軸と光ファイバ26の光軸が自動的に調芯されている。
この光導波路装置14fにおいてフィルタ29は、投光素子28から出射される波長の光を透過し、光ファイバ26から出射される波長の光を反射する特性のものを用いている。しかして、投光素子28からコア19bに光(送信信号)を照射すると、光はコア19bの内部を伝搬し、フィルタ29を透過してコア19aの内部を伝搬し、光ファイバ26に入射して光ファイバ26内を送信される。また、光ファイバ26を伝搬してきた光(受信信号)は、コア19aに入射して、フィルタ29で反射し、コア19cを伝搬して受光素子27に受信される。このようにして光導波路装置14fは、光ファイバを通じてつながっている外部の他の装置と信号の送受信を行うことができる。
以下に、図31〜図35を用いて本発明の光導波路装置14fの製造方法を説明する。まず、図31に示すベース基板16aは、実施例1において説明したような工程(図6及び図7の工程)を経て製作されたものである。用いられているシリコン基板21aの厚みは500〜1000μmである。また、図31に示す光導波路親基板15aは、実施例1において説明したような工程(図8及び図9の工程)を経てガラス基板17aの上に製作されたものである。ガラス基板17aは500〜1000μmの厚みを有するものであり、下部クラッド層18は20μm程度の厚みを有するものであり、コア19c、19dの断面は5μm×5μm程度である。このようにしてベース基板16a及び光導波路親基板15aを製作した後、図31に示すように、光導波路親基板15aの表面に未硬化の紫外線硬化樹脂20aを滴下し、図32(a)に示すように紫外線硬化樹脂20aによって光導波路親基板15aとベース基板16aとを接着して一体化させる。なお、紫外線硬化樹脂20aは、導波路固定領域30内で硬化して厚み20μm程度の上部クラッド層20となる。
ベース基板16aと光導波路親基板15aとを接着するときには、光ファイバガイド23aや光学素子設置部24a、24bとコア19c、19dを精密に位置合わせをしておく必要がある。そのためには、光導波路親基板15aとベース基板16aに設けたアライメントマークにより精度良く位置合せを行って光導波路親基板15aとベース基板16aを接着すればよい。大面積のベース基板16aと大面積の光導波路親基板15aとで位置合わせを行えば、個々の部品どうしを位置合わせするような煩雑さがなく、一度に複数のコアとファイバガイド等との位置合わせを精度良く行えるため効率的である。
ベース基板16aと光導波路親基板15aを接着一体化した後、図32(b)に示すように、下部クラッド層18の上のガラス基板17aを除去する。ガラス基板17aを除去する方法としては、ガラス基板17aに力を加えて下部クラッド層18から機械的に剥離させてもよく、エッチング等によってガラス基板17aを溶解させて除去してもよい。ガラス基板17aを剥離させる場合には、ガラス基板17aと下部クラッド層18との間に密着性の低い材料を予め形成しておいても良いし、ガラス基板17aに予め下部クラッド層18との密着性を低下させる処理を施しておいても良い。また、もともとガラス基板17aと下部クラッド層18の密着性が悪く、密着性を向上させるために表面処理を行っている場合には、密着性向上のための条件を緩めてもよい。ガラス基板17aをエッチング除去する場合には、下部クラッド層18をエッチングしないようなエッチャントを用いて選択的エッチングするのが望ましい。
この後、図33に示すように、導波路固定領域30の縁を通過するようにして下部クラッド層18や上部クラッド層20にダイシングブレードで切り込みを入れて分離溝25a、25b、25cを形成する。なお、この分離溝25a、25b、25cの切り込み工程により、同時にコア19c、19dの端面が形成される。分離溝25a〜25cによって分割された下部クラッド層18や上部クラッド層20のうち、ベース基板16aの表面に金属薄膜22が形成されている領域(導波路固定領域30の外側の領域)では、金属薄膜22と上部クラッド層20の界面での密着力が低いので、下部クラッド層18や上部クラッド層20の不要部分(導波路固定領域外に対応している領域)に力を加えると、この不要部分をベース基板16aから簡単に剥がすことができる。したがって、図33に斜線を施して示す、内部にコア19c、19dが形成されている領域のみを残し、ベース基板16aの光ファイバガイド23aや光学素子設置部24a、24b内の素子実装用ベンチ33a、33bを露出させることができる。ベース基板16a上に残っている下部クラッド層18の外周面には、コア19c、19dの各端面が露出している。
なお、上記のように下部クラッド層18や上部クラッド層20をダイシングして分離溝25a、25b、25cを形成する際、図33に示すように、分離溝25a、25b、25cが金属薄膜22より深くなるようにダイシングして金属薄膜を分断すれば、光学素子設置部24a、24bどうし(つまり、素子実装用ベンチ33a、33bどうし)を電気的に絶縁させることができる。
次に、図33のE−E’線、F−F’線に沿って全体を切断し、図34に示すようなチップに分割し、実装用基板16の上に光導波路基板15を接合されたものを得る。このとき下部クラッド層18や上部クラッド層20の不要部分が残っているものについては、それを除去する。
なお、ここではガラス基板17aを除去した後に、ダイシングで分離溝25a、25b、25cを形成したり、各チップに分割したりしたが、この順序は入れ替えてもよい。すなわち、ダイシングで分離溝25a、25b、25cを形成したり、各チップに分割したりした後に、ガラス基板17aを除去してもよい。また、ダイシングで分離溝25a、25b、25cを形成したり、各チップに分割したりする工程と同時に、ガラス基板17aを除去してもよい。もっとも、ガラス基板17aを除去した後に、ダイシングで分離溝25a、25b、25cを形成すると共に各チップに分割するようにすれば、ガラス基板17aを再利用することができるので、製造コストをコストダウンさせることができる。
その後、図35に示すように下部クラッド層18にダイシングブレードで切り込みを入れ、フィルタ設置溝31を形成する。このとき、コア19dが分断されてコア19a、19bが形成される。最後に、フィルタ設置溝31のコア19aとコア19b間となる部分に、多層反射膜を用いたフィルタ29をはめ込めば、図28に示す光導波路装置14fが完成する。なお、フィルタ29は下部クラッド層18の上面から飛び出していても良い。
本実施例の光導波路装置の製造方法では、大面積の光導波路親基板15aと、大面積のベース基板16aを上部クラッド層20で接着して、最終工程で光導波路装置14fの個別チップに分割するために、個々の光導波路基板15と、個々の実装用基板16とを貼り合わせるよりも効率よく光導波路装置14fを製造することができ、大量生産に適している。また、大面積のベース基板16aと大面積の光導波路親基板15aとで位置合わせを行うために、小さな部品どうしで位置合わせをするよりも精度よく位置合わせをすることができる。
また、このような光導波路装置14fでは、最終的には光ファイバガイド23aや光学素子設置部24a、24bを露出させる必要があるが、本発明の光導波路装置の製造方法では、光導波路親基板15aの不要部分にあたる領域では、ベース基板16a上に金属薄膜22を予め形成しておいて接着用の樹脂20a(上部クラッド層20)の接着力を弱くしているので、光導波路親基板15aとベース基板16aの全面を接着していても、下部クラッド層18や上部クラッド層20の不要な部分を簡単に除去することができ、製造工程をさらに簡略化することができる。
なお、上記実施例では、導波路固定領域30は金属薄膜22から露出させているが、導波路固定領域30の表面にも金属薄膜22を成膜しておいてもよい。下部クラッド層18や上部クラッド層20の不要部分は力を加えることにより金属薄膜22から容易に除去できるが、コア19a、19b、19c等の形成されている光導波路基板15では、力を加えて剥がさない限り、支持基板21と接合状態を保たれるので差し支えない。
また、この実施例においては、ガラス基板17a又はカバーガラス17を最終的に除去するようにしているので、不透明な支持基板21の上にカバーガラス17を含まない導波路領域のみを形成することが可能になる。つまり、紫外線硬化樹脂を用いてクラッド等を形成する場合には、不透明な基板の上に紫外線硬化樹脂を塗布して金型などで押えると、紫外線を照射できないので、導波路領域を成形することができないが、この実施例のような方法によれば、不透明な基板の上にも導波路領域を形成することが可能になる。
これにより余分なカバーガラス17がなくなるので、光導波路装置14fを薄型化することができる。また、フィルタ設置溝31を設ける場合には、フィルタ設置溝31を設ける前に予め余分なカバーガラス17を除去しておくことにより下部クラッド層18等の導波路領域のみをダイシング等によりカットすればよく、より幅の狭い溝を形成することが可能になる。つまり、カバーガラス17を付けたままでダイシングすると、細いダイシングブレード(例えば、50μm程度以下の幅のブレード)ではブレードが割れてしまうので、ダイシングを行えないが、カバーガラス17を除去しておくことにより、このような制限が除かれる。さらに、剥離によってガラス基板17aを除去するようにすれば、ガラス基板17aの再使用ができ、製造コストをローコスト化することができる。
図36は上記実施例の変形例を示す概略断面図である。この変形例では、コア19a、19b、19cの断面は、上部クラッド層20又は支持基板21に近い側で幅が広く、上部クラッド層20又は支持基板21から遠い側で幅が狭くなっており、例えば断面台形となっている。コア19a、19b、19cの断面をこのような形状にしておけば、スタンパ34aで下部クラッド層18にコア溝35を形成する際(図9参照)、スタンパ34aを抜く方向でコア溝35が広くなるので、スタンパ34aと下部クラッド層18との離型性を向上させることができる。
実施例2以降の光導波路装置についても、上記実施例と同様にしてカバーガラス17を除くことができる。図37は、図21に示した実施例4と同様な構造の光導波路装置(光ファイバガイド付き2分岐カプラ)14gを示す分解斜視図である。ただし、この光導波路装置14gでは、光ファイバガイド23a〜23cを有する支持基板21をシリコン基板のような不透明基板とし、コア19fを形成された下部クラッド層18を上部クラッド層20を介して支持基板21に接合させている。
この実施例にあっても、透明なカバーガラス17の上面に成形された下部クラッド層18のコア溝内にコア19fを充填し、この下部クラッド層18を紫外線硬化樹脂で支持基板21に接着し、図22と同様にして紫外線硬化樹脂に部分的に紫外線を照射して硬化した紫外線硬化樹脂で上部クラッド層20を成形し、下部クラッド層18及び上部クラッド層20の不要部分を除去する前もしくは後にカバーガラス17を除去し、光導波路装置14gを製作する。
図38、図39、図40は、本発明の実施例8による光導波路装置14h(光減衰器)の概略斜視図、概略分解斜視図、及び概略平面図である。この実施例の光導波路装置14hは、図23〜図25に示した第5の実施例による光導波路装置14eの構成からカバーガラス17を除いたものである。
図41(a)(b)及び図42(a)(b)は、本発明の光導波路装置14hの製造方法を説明している。図41(a)に示されている、下面にヒーター40a、40bとパッド41a、41bを形成された不透明なシリコン基板39aは、図26(a)(b)(c)のような工程と同様な工程により製作されたものである。また、図41(a)に示されている、光導波路基板15は、実施例1と同様にして、樹脂を用いた複製法で透明なカバーガラス17上に下部クラッド層18およびコア19g〜19kを形成したものである。図41(a)に示すように、光導波路基板15の下部クラッド層18の表面に、下部クラッド層18と同じか、同程度の屈折率を有する未硬化の紫外線硬化樹脂20aを滴下して、電極取り出しパッド41a、41bとヒーター40a、40bが形成されたシリコン基板39aを接着する。
このときに、図41(b)に示すように、上部クラッド層20を形成する必要のない部分を、カバーガラス17の下面からマスク36aで覆っておき、マスク36aの下方から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂20aを硬化させて上部クラッド層20を形成する。
次に、図42(a)に示すように、シリコン基板39aが下に、カバーガラス17が上になるように上下を逆さまにしてカバーガラス17を除去する。この場合も、カバーガラス17を除去する方法としては、カバーガラス17に力を加えて下部クラッド層18から機械的に剥離させてもよく、エッチング等によってカバーガラス17を溶解させて除去してもよい。カバーガラス17を剥離させる場合には、カバーガラス17と下部クラッド層18との間に密着性の低い材料を予め形成しておいても良いし、カバーガラス17に予め下部クラッド層18との密着性を低下させる処理を施しておいても良い。また、もともとカバーガラス17と下部クラッド層18の密着性が悪く、密着性を向上させるために表面処理を行っている場合には、密着性向上のための条件を緩めてもよい。カバーガラス17をエッチング除去する場合には、下部クラッド層18をエッチングしないようなエッチャントを用いて選択的エッチングするのが望ましい。
さらに、図42(b)に示すように、不要な下部クラッド層18をダイシングブレードで切り落し、電極取り出しパッド41a、41bを露出させれば、図38に示した光導波路装置14hが完成する。切り落とされた下部クラッド層18、および未硬化のまま残っていた樹脂20aは、ダイシングブレードの冷却水によって洗い流される。またダイシングブレードの冷却水で未硬化の樹脂20aを完全に洗い流せなかったときには、さらに溶剤を用いて洗い流すとよい。
図43は本発明の実施例9による光導波路装置14iの構造を示す斜視図である。この光導波路装置14iにおける実装用基板16にあっては、シリコン基板等の不透明な支持基板21の上面に投光素子を実装するための光学素子設置部24bを設け、光学素子設置部24bの内部に素子実装用ベンチ33bを設け、光学素子設置部24bと対向させるようにして支持基板21の他端にV溝状の光ファイバガイド23aを設け、光学素子設置部24bと光ファイバガイド23aとの間に導波路固定領域30を凹設している。光導波路基板15は、下部クラッド層18の下面に直線状のコア19lを埋め込み、下部クラッド層18の下面に上部クラッド層20を設けたものである。光導波路基板15は、上部クラッド層20を導波路固定領域30に埋め込むようにして実装用基板16の上に固定されている。尚、このような光導波路装置14iも、実施例6などと同じようにしてカバーガラス17を除去することによって製作されている。また、下部クラッド層18及び上部クラッド層20には、斜めにフィルタ設置溝31がダイシングによって切り込まれており、フィルタ設置溝31内にはWDMフィルタ等のフィルタ29が挿入されている。
図44はこの光導波路装置14iを光トランシーバとして使用している様子を表している。投光素子8は光出射面をコア19lの端面に対向させて素子実装用ベンチ33bの上に実装され、チップ型もしくはパッケージタイプの受光素子10は受光面を下に向けて下部クラッド層18の上面に固定され、光ファイバ26はコア19lの端面に対向させて光ファイバガイド23aに固定されている。しかして、投光素子8から出射された光は、コア19l内を伝搬してフィルタ29を透過し、光ファイバ26に入射する。また、光ファイバ26から出射された光は、コア19l内を伝搬してフィルタ29で反射され、下部クラッド層18内を通過して受光素子10に受光される。
図45は上記光導波路装置14iと比較するための比較例である。この比較例による光導波路装置では、下部クラッド層18の上にカバーガラス17が残っており、カバーガラス17の上面に受光素子10が設けられている。この比較例では、下部クラッド層18の厚みが20μm程度であるのに対し、カバーガラス17の厚みは500〜1000μm程度あるので、フィルタ29による光の反射位置と受光素子10との距離が遠くなり、反射光が大きく広がってしまって受光素子10で受光できる光量が非常に少なくなり、受光感度が低下してしまう。
これに対し、本発明実施例の光導波路装置14iでは、カバーガラス17が存在しない分だけフィルタ29による反射位置と受光素子10との距離を短くできるので、受光感度を向上させることができる。
本発明にかかる光導波路装置14iと比較例とにおける受光量を比べると次のようになる。いま、下部クラッド層18の厚みが20μm、カバーガラス17の厚みが1000μm(=1mm)とすると(例えば、フィルタの傾斜角度を40°とする。)、下部クラッド層18のみの場合にはフィルタ29による反射点から受光素子までの距離は、20.3μmとなり、カバーガラス17を備えている場合には、フィルタ29による反射点から受光素子までの距離は、1036μmとなる。これより受光量の比は、約1/2601となる(また、カバーガラス17の厚みを500μmとした場合には、約1/676となる。)よって、同じ受光量を得ようとすれば、カバーガラス17を備えている場合には、約2600倍の受光面積を有する受光素子が必要となり、受光素子10のコストが非常に高くつく。また、受光面積が大きくなると受光素子のキャパシタンスが大きくなり、受光面積と通信スピードは反比例するので、このように大面積の受光素子10を用いると高速通信が不可能になり、実際上使用できなくなる。
なお、カバーガラス17を残したままでフィルタと受光素子との距離を短くする方法としては、図46(a)(b)に示ように、シリコン基板からなる支持基板21に導波路固定領域30を凹設しておき、光導波路基板15のカバーガラス17を下にし、導波路固定領域30内にカバーガラス17を納めることが考えられる。しかし、このような構造では、支持基板21にエッチングによってカバーガラス17の厚み(500〜1000μm)と同じ深さの導波路固定領域30を設けなければならない。そのため、導波路固定領域30の深さの精度ばらつきが大き過ぎ、到底光ファイバのコアと導波路のコア19lの高さを合わせることができない。
例えば、エッチングレートが0.5〜1.0μm/mのKOHで17〜33時間シリコン基板をエッチングしたときのバラツキ量の平均的な値は、約±10%である。エッチング時のバラツキ量に正規分布を仮定し、その標準偏差をσとすると、±10%≒±4σであって、正規分布曲線の下の面積の大部分を占めている。これに対し、バラツキ量を±1μmに抑えようとすると、正規分布では±1μm=±0.04σの幅になり、正規分布曲線の面積の約3.2%になってしまう。従って歩留まりが約1/30のなるので、コストは約30倍になる。よって、図46のような構造は実用性がない。
図47は、本発明にかかる光減衰器129、133(例えば図23、図24に示したような光導波路装置)を用いた光合分波を行う装置を示す概略図である。分波器127及び合波器128は、波長の異なる複数の光信号を一本の光ファイバで伝送する波長多重(WDM)方式の光通信システムで用いられる装置である。分波器127は、一本の光ファイバ131によって伝送された光信号を波長毎に分波して、波長毎に異なる光ファイバに出力する装置である。また、合波器128は、複数の光ファイバによって入力された波長の異なる光信号を合波して、一本の光ファイバ132に出力する装置である。なお、光スイッチ110eとして本発明にかかる光導波路装置を用いても差し支えない。
光スイッチ110e(2×2光スイッチ)は、コア内を伝搬する光の進行方向を切り換えて、選択した特定のコアからのみ光を出射できる光導波路装置である。また、光減衰器(VOA)129、133は、実施例5に示したものである。各光スイッチ110eには、光入射端が2箇所設けられていて、一方は光ファイバ130aによって分波器127に接続されており、分波器127で分波された波長λ1、λ2、…、λNの光が入力されるようになっている。他方は分波器127に接続されていない光ファイバ130bによって伝送された光信号の入射端である。光ファイバ130bは分波器127以外の他の分波器に接続されていてもよい。
また、光スイッチ110eには、光出射端が2箇所設けられていて、一方の光出射端は光ファイバ130cによって光減衰器(VOA)129を介して合波器128に接続されており、他方の光出射端は合波器128に接続されていない光ファイバ130dに接続されている。光ファイバ130dは合波器128以外の他の合波器に接続されていてもよい。
しかして、この光合波分波器を用いた光通信システムにおいては、光ファイバ131及び光ファイバ132は例えば都市内ネットワークや都市間ネットワークにおける中継系ネットワーク回線を構成しており、波長多重信号を伝送している。いま、すべての光スイッチ110eが合波器128側に接続しているとすると、光ファイバ131からなる中継系ネットワーク回線を伝送されてきた波長多重信号は、分波器127により各波長λ1、λ2、…、λNの信号に分波された後、各光スイッチ110eを合波器側へ通過し、光減衰器129によって各波長の信号のパワーを均一に揃えられた後、各波長λ1、λ2、…λNの信号は再び合波器128で合波され、さらに光減衰器133により波長多重信号全体のパワーが規定値となるように調整されて光ファイバ132からなる中継系ネットワーク回線へ送り出される。
これに対し、例えば波長λ1に対応する光スイッチ110eが合波器側と異なる側へ切り換えられると、分波器127で分波された信号のうち波長λ1の信号だけが光ファイバ130dからなるアクセスネットワーク回線へ取り出される。また、光ファイバ130bからなるアクセスネットワーク回線から波長λ1の信号が送り込まれていると、この他線からの波長λ1の信号は光スイッチ110eによって合波器128へ送られ、光ファイバ131から送られてきた波長多重信号に重畳させて光ファイバ132からなる中継系ネットワーク回線へ送り出される。
光ネットワークシステムにおいては、各家庭内などのユーザーネットワークと中継系ネットワークとをアクセスネットワーク(加入者光ファイバ)で結ぶ必要があるが、アクセスネットワークとユーザーネットワークとの間には光/電気変換を行うための回線終端装置(Optical Network Unit)が必要とされる。また、アクセスネットワークと中継系ネットワークとの間の交換局(電話事業者の設備センタ)では、光/電気変換を行うための回線終局装置(Optical Line Terminal)が必要とされる。
図48は上記回線終端装置の構成を示すブロック図である。136はアクセスネットワークを構成する光ファイバであって、波長1550nmの光信号と波長1310nmの光信号を伝送する。光ファイバ136の端面に対向する位置には、WDM137が設けられており、WDM137は光ファイバ136から伝送されてきた波長1550nmの光信号を出力部から出力し、入力部から入力された波長1310nmの光信号を光ファイバ136に結合させる。
WDM137の出力部から出力された波長1550nmの光信号は光/電気変換モジュール(PIN-AMPモジュール)138に入力される。光/電気変換モジュール138は、受光素子(フォトダイオード)139とプリアンプ140からなり、入力した光信号を受光素子139で受光することによって電気信号に変換し、プリアンプ140で増幅した後、データ処理回路141に入力させる。ついで、データ処理回路141で処理された電気信号は、回線終端装置に接続されている電話や家庭用機器のコントローラなどに送られる。
一方、WDM137の入力部につながっている電気/光変換モジュール142は、発光素子(LD)143とモニター用受光素子144からなり、発光素子143は波長1310nmの光を出射するものであって、発光素子駆動回路145によって駆動される。また、発光素子143から出射される光信号をモニター用受光素子144で受光することにより、発光素子143から出射される光信号のパワーが一定になるように出力をコントロールしている。しかして、電話や家庭用機器から送出された電気信号は、発光素子駆動回路145へ送られ、発光素子駆動回路145に入力された電気信号によって発光素子143を駆動することにより電気信号を光信号に変換し、WDM137を通して光ファイバ136へ送信する。
このような回線終端装置においては、本発明にかかる光導波路装置を用いることにより回線終端装置を小型化することができる。例えば、図3以下に説明したような光導波路装置(光トランシーバ)14aにおけるフィルタ29とコア19a、19b、19cを上記WDM137として用い、光導波路装置14aに実装された受光素子27を上記光/電気変換モジュール138の受光素子139として用い、光導波路装置14aに実装された投光素子28を上記電気/光変換モジュール142の発光素子143として用いればよい。また、光導波路装置14aの支持基板21の上に上記プリアンプ140、データ処理回路141、モニター用受光素子144、発光素子駆動回路145等を実装することにより回線終端装置をワンチップ化することも可能になる。
なお、ここでは回線終端装置(ONU)の場合について説明したが、回線終局装置(OLT)にも、同様に本発明の光導波路装置を用いることができる。
図1は、従来の光導波路装置の概略斜視図を示している。 図2は、図1に示す光導波路装置の概略分解斜視図である。 図3は、本発明の実施例1による光導波路装置の概略斜視図である。 図4は、図3に示す光導波路装置の概略分解図である。 図5は、図3の光導波路装置の使用態様を示す概略平面図である。 図6は、本発明の光導波路装置の製造方法を説明する図である。 図7は、図6の続図である。 図8は、図7の続図である。 図9(a)(b)(c)(d)は、図8のA−A’断面に沿って、コアを製造するまでの工程を説明するための図である。 図10は、図8の続図である。 図11は、図10の続図である。 図12は、図11の続図である。 図13は、図12の続図である。 図14は、本発明の実施例2による光導波路装置の概略斜視図である。 図15は、図14に示す光導波路装置を製造するために用いる支持基板の概略斜視図である。 図16(a)は、図14に示す光導波路装置の製造方法を説明する図であって図14のD−D’断面に相当する面を示している。図16(b)は図14のD−D’断面図である。 図17は、本発明の実施例3による光導波路装置の概略斜視図である。 図18(a)(b)(c)は、図17に示す光導波路装置の製造工程を説明する図である。 図19(a)(b)(c)は、図18の続図である。 図20(a)(b)は、図19の続図である。 図21は、本発明の実施例4による光導波路装置の概略分解斜視図である。 図22は、図21に示す光導波路装置の製造方法を説明する図である。 図23は、本発明の実施例5による光導波路装置の概略斜視図である。 図24は、図23に示す光導波路装置の概略分解図である。 図25は、図23に示す光導波路装置の概略平面図である。 図26は、(a)(b)(c)(d)は、図23に示す光導波路装置の製造工程を説明する図である。 図27(a)(b)は、26の続図である。 図28は、本発明の実施6による光導波路装置の概略斜視図である。 図29は、図28に示す光導波路装置の概略分解斜視図である。 図30は、図28の光導波路装置の使用態様を示す概略平面図である。 図31は、図28の光導波路装置の製造方法を説明する斜視図である。 図32(a)(b)は、図31の続図である。 図33は、図32の続図である。 図34は、図33の続図である。 図35は、図34の続図である。 図36は、本発明のさらに別な光導波路装置の概略断面図である。 図37は、本発明の実施例7による光導波路装置の分解斜視図である。 図38は、本発明の実施例8による光導波路装置の斜視図である。 図39は、図38の光導波路装置の分解斜視図である。 図40は、図38の光導波路装置の平面図である。 図41(a)(b)は、図38の光導波路装置の製造方法を説明する概略断面図である。 図42(a)(b)は、図41の続図である。 図43は、本発明の実施例9による光導波路装置の斜視図である。 図44は、図43の光導波路装置によって構成した光トランシーバの断面図である。 図45は、図43の光導波路装置との比較例を示す断面図である。 図46(a)(b)は、別な比較例を示す概略断面図である。 図47は、本発明にかかる光導波路装置を用いた光通信用装置を説明する図である。 図48は、回線終端装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
14a〜14h 光導波路装置
17 カバー基板
17a ガラス基板
18 下部クラッド層
19a〜19d コア
20 上部クラッド層
20a 紫外線硬化樹脂
21 支持基板
22 金属薄膜
23a〜23c 光ファイバガイド
24a、24b 光学素子設置部
25a〜25c 分離溝
26 光ファイバ
27 受光素子
28 投光素子
29 フィルタ
30 導波路固定領域
31 フィルタ設置溝
36a、36b マスク

Claims (23)

  1. 光を透過伝搬させるコア及びコアを囲むクラッドからなる光導波路領域を有する第1の基板と、表面にスペーサーを有する第2の基板とから構成され、
    前記第1の基板の前記光導波路領域を有する面と前記第2の基板の前記スペーサーの少なくとも一部が接して前記第1の基板と前記第2の基板が重なり合っていることを特徴とする光導波路装置。
  2. 前記第1の基板と前記第2の基板が接着用樹脂で接着されていることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路装置。
  3. 前記接着用樹脂の屈折率は前記クラッドの屈折率とほぼ等しいことを特徴とする、請求項2に記載の光導波路装置。
  4. 前記第1の基板において、前記光導波路領域が透光性を有する基板に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路装置。
  5. 前記第2の基板において、前記スペーサは透光性を有しない基板に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路装置。
  6. 前記第2の基板の前記スペーサーを有する面において、少なくとも前記第1の基板の光導波路領域外領域に対向するように、前記コアと光学的に結合する光ファイバを実装するための光ファイバガイドが形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路装置。
  7. 前記第2の基板の前記スペーサーを有する面において、少なくとも前記第1の基板の光導波路領域外領域に対向するように、前記コアと光学的に結合する光学素子を実装するための素子実装用ベンチが形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路装置。
  8. 前記第2の基板の前記スペーサーを有する面において、少なくとも前記第1の基板の光導波路領域に対向するように、前記コア内を透過伝搬する光を変調する機能に関する部位が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路装置。
  9. 前記光を変調する機能に関する部位はヒータであることを特徴とする、請求項8に記載の光導波路装置。
  10. 前記光を変調する機能に関する部位は電極であることを特徴とする、請求項8に記載の光導波路装置。
  11. 前記コアのその光軸に垂直な断面の形状は、前記第2の基板に近い側で幅が広く、前記第2の基板から遠い側で幅が狭いことを特徴とする、請求項1に記載の光導波路装置。
  12. 光導波路装置と前記光導波路装置に実装された光ファイバとを含み、
    前記光導波路装置は、
    光を透過伝搬させるコア及びコアを囲むクラッドからなる光導波路領域を有する第1の基板と、表面にスペーサーを有する第2の基板とから構成され、
    前記第1の基板の前記光導波路領域を有する面と前記第2の基板の前記スペーサーの少なくとも一部が接して前記第1の基板と前記第2の基板が重なり合っていることを特徴とする光通信装置。
  13. 基板上にコアとクラッドからなる光導波路領域を形成する工程を含む第1の基板を形成する工程と、
    前記基板とは別の基板にスペーサーを設ける工程を含む第2の基板を形成する工程と、
    前記第1の基板の前記光導波路領域を有する面と前記第2の基板の前記スペーサーの少なくとも一部を当接させて前記第1の基板と前記第2の基板とを重ね合わせる工程と、
    を含むことを特徴とする光導波路装置の製造方法。
  14. 基板上にコアとクラッドからなる光導波路領域を形成する工程を含む第1の基板を形成する工程と、
    前記基板とは別の基板にスペーサーを設ける工程を含む第2の基板を形成する工程と、
    前記第1の基板の前記光導波路領域を形成された面及び前記第2の基板の前記第1の基板の前記光導波路領域と対向する面を未硬化の接着用樹脂を塗布して重ね合わせる工程と、
    前記第1の基板の前記光導波路領域を有する面と前記第2の基板の前記スペーサーの少なくとも一部を当接させて前記第1の基板と前記第2の基板とを重ね合わせる工程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記接着用樹脂を硬化させて前記第1の基板と前記第2の基板とをほぼ全面にわたって接着する工程と、
    を含むことを特徴とする光導波路装置の製造方法。
  15. 前記接着用樹脂の屈折率が前記クラッドの屈折率とほぼ等しいことを特徴とする、請求項14に記載の光導波路装置の製造方法。
  16. 前記光導波路領域を形成する工程は、
    複製法により前記第1の基板の基板上に樹脂で前記クラッドを形成する工程と、
    前記クラッドに接するように樹脂で前記コアを形成する工程と、
    を含むことを特徴とする、請求項13又は14に記載の光導波路装置の製造方法。
  17. 前記第2の基板を形成する工程において、
    少なくとも前記第1の基板の光導波路領域外領域に対向するように、前記第2の基板の前記スペーサーを有する面に、前記光導波路領域のコアと光学的に結合する光ファイバを実装するための光ファイバガイドを形成する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項13又は14に記載の光導波路装置の製造方法。
  18. 前記第2の基板を形成する工程において、
    少なくとも前記第1の基板の光導波路領域外領域に対向するように、前記第2の基板の前記スペーサーを有する面に、前記光導波路領域のコアと光学的に結合する光学素子を実装するための素子実装用ベンチを形成する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項13又は14に記載の光導波路装置の製造方法。
  19. 前記第2の基板を形成する工程において、
    少なくとも前記第1の基板の光導波路領域に対向するように、前記第2の基板の前記スペーサーを有する面に、前記コア内を透過伝搬する光を変調する機能に関する部位を形成する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項13又は14に記載の光導波路装置の製造方法。
  20. 前記光を変調する機能に関する部位がヒータであることを特徴とする、請求項19に記載の光導波路装置の製造方法。
  21. 前記光を変調する機能に関する部位が電極であることを特徴とする、請求項19に記載の光導波路装置の製造方法。
  22. 前記第1の基板において、前記光導波路領域を形成されている基板が透光性を有する基板であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の光導波路装置の製造方法。
  23. 前記第2の基板において、前記スペーサを形成されている基板が透光性を有しない基板であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の光導波路装置の製造方法。
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