JP2006256994A - 育毛養毛有効成分、育毛養毛剤、及びこれらのスクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 男性型脱毛に対し優れた育毛養毛効果を有する育毛養毛有効成分、これを配合する育毛養毛剤、ならびに男性型脱毛に対する、高精度の育毛養毛有効成分又は育毛養毛剤のスクリーニング法を提供する。
【解決手段】 トリヨードサイロニン又はその誘導体が封入されたリポソームからなる育毛養毛有効成分、毛髪成長期を誘導したマウスに、ジヒドロテストステロンを皮下投与し、該毛髪成長期を誘導した部分に被験物質を塗布した際の毛再生を指標とする、育毛養毛有効成分又は育毛養毛剤のスクリーニング方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 トリヨードサイロニン又はその誘導体が封入されたリポソームからなる育毛養毛有効成分、毛髪成長期を誘導したマウスに、ジヒドロテストステロンを皮下投与し、該毛髪成長期を誘導した部分に被験物質を塗布した際の毛再生を指標とする、育毛養毛有効成分又は育毛養毛剤のスクリーニング方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、哺乳類の育毛養毛を促進する育毛養毛有効成分、及びこれを配合する育毛養毛剤、ならびにこれらのスクリーニング方法に関する。詳しくは、特に男性型脱毛に対する育毛、発毛、養毛の効果に優れ、かつ長期にわたる使用に十分耐え得る安全性を備えた育毛養毛有効成分、及びこれを配合する育毛養毛剤、ならびにこれらのスクリーニング方法に関する。
毛髪は、容姿を大きく左右し、美容上非常に重要な位置を占めているが、男性型脱毛には未だに的確な治療法がなく、深い悩みの種となっている。男性型脱毛の最も大きな要因は男性ホルモンと考えられているが、その発症メカニズムは不明な点が多く、その解明が望まれている。
従来から、多くの育毛養毛剤が男性型脱毛の予防又は治療に用いられている。これらの育毛養毛剤の薬効成分としては、センブリエキス、ビタミンEアセテート等の血管拡張剤、トウガラシチンキ等の刺激剤、パントテン酸、ビオチン類、さらには、抗炎症剤、殺菌剤等が使用されている。また、奇数の炭素鎖長を有する脂肪酸、アルコール及びそれらの誘導体が優れた養育毛作用を有することも知られている。
さらに、これらの有効成分を脱毛の様々な原因に対応して適宜組み合わせた育毛養毛剤が開発されており、脱毛症の予防又は治療に用いられている。しかしながら、従来の育毛養毛剤は、フケ、カユミの改善や、抜毛等の予防に有効で、発毛や育毛を促進するとされているが、非常に個人差が大きく、作用も十分とはいえないため、さらに効果を発揮するものが望まれていた。
その理由として、前述の育毛養毛剤の薬効成分は男性型脱毛の本質的な原因である男性ホルモンの作用を見ることができる評価方法で必ずしも評価されてきたわけではなく、従来からの評価方法すなわち毛包構成細胞である、毛乳頭細胞や外毛根鞘細胞の増殖を指標とした評価方法あるいはマウスを用いた小川らの評価方法(非特許文献1:フレグランスジャーナル,Vol.17,No.5,p20−29,1989.参照)等によって評価されてきたものであった。以上のことから、男性型脱毛に対する育毛養毛効果を、高精度で評価できるスクリーニング法が望まれていた。
一方、トリヨードサイロニンに発毛促進作用があることはこれまでにも報告されており、例えば、「ポリアルキレングリコール及び陽イオン系ポリマー含有抗ふけ及びコンディショニングシャンプー」(特許文献1:特表2002−543105号公報、参照)や「育毛調節のためのトリペルテンを含む成分」(特許文献2:特開2002−520375号公報、参照)が提案されている。しかしながら、これらの効果も必ずしも高くはないということから、使用者に必ずしも満足できる効果は与えておらず、さらなる育毛養毛効果に優れた育毛養毛有効成分の提供が望まれていた。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、特に男性型脱毛に対し優れた育毛養毛効果を有する育毛養毛有効成分、及び該育毛養毛有効成分を配合する育毛養毛剤、ならびに男性型脱毛に対する、高精度の育毛養毛有効成分又は育毛養毛剤のスクリーニング法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討し、男性型脱毛の原因究明を進めた結果、特定の男性ホルモンを皮下投与したマウスを用いた育毛養毛有効成分又は育毛養毛剤のスクリーニング方法によれば、より高精度で信頼性の高い育毛養毛有効成分又は育毛養毛剤のスクリーニング方法が得られることを知見した。さらに、トリヨードサイロニンを、トリヨードサイロニンが封入されたリポソームとすることにより、優れた育毛養毛効果が得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、下記発明を提供する。
[1].トリヨードサイロニン又はその誘導体が封入されたリポソームからなる育毛養毛有効成分。
[2].[1]記載の育毛養毛有効成分を配合してなる育毛養毛剤。
[3].毛髪成長期を誘導したマウスに、ジヒドロテストステロンを皮下投与し、該毛髪成長期を誘導した部分に被験物質を塗布した際の毛再生を指標とする、育毛養毛有効成分又は育毛養毛剤のスクリーニング方法。
[4].下記第1〜5の工程を含む[3]記載のスクリーニング方法。
(1)マウスを毛髪成長期誘導する、第1工程。
(2)第1工程で毛髪成長期を誘導されたマウスに、ジヒドロテストステロンを皮下投与する、第2工程。
(3)マウスの毛髪成長期を誘導された部分に被験物質を塗布する、第3工程。
(4)被験物質を塗布後、毛髪成長期誘導部分された部分における毛再生を測定する、第3工程。
(5)第4工程で測定された毛再生と、第3工程において被験物質を塗布しない場合の毛再生とを比較し、被験物質の育毛養毛効果を検出する、第4工程
[5].[4]記載のスクリーニング法において、毛髪成長期誘導された部分の面積に対する毛再生が始まった部分の面積が50%以上に達する第2工程からの日数が、第3工程において被験物質を塗布しない場合の日数に比べ1/2以下である育毛養毛有効成分。
[1].トリヨードサイロニン又はその誘導体が封入されたリポソームからなる育毛養毛有効成分。
[2].[1]記載の育毛養毛有効成分を配合してなる育毛養毛剤。
[3].毛髪成長期を誘導したマウスに、ジヒドロテストステロンを皮下投与し、該毛髪成長期を誘導した部分に被験物質を塗布した際の毛再生を指標とする、育毛養毛有効成分又は育毛養毛剤のスクリーニング方法。
[4].下記第1〜5の工程を含む[3]記載のスクリーニング方法。
(1)マウスを毛髪成長期誘導する、第1工程。
(2)第1工程で毛髪成長期を誘導されたマウスに、ジヒドロテストステロンを皮下投与する、第2工程。
(3)マウスの毛髪成長期を誘導された部分に被験物質を塗布する、第3工程。
(4)被験物質を塗布後、毛髪成長期誘導部分された部分における毛再生を測定する、第3工程。
(5)第4工程で測定された毛再生と、第3工程において被験物質を塗布しない場合の毛再生とを比較し、被験物質の育毛養毛効果を検出する、第4工程
[5].[4]記載のスクリーニング法において、毛髪成長期誘導された部分の面積に対する毛再生が始まった部分の面積が50%以上に達する第2工程からの日数が、第3工程において被験物質を塗布しない場合の日数に比べ1/2以下である育毛養毛有効成分。
本発明によれば、特に男性型脱毛に対し優れた育毛養毛効果を有する育毛養毛有効成分、及び該育毛養毛剤を配合する育毛養毛剤、ならびに男性型脱毛に対する、高精度の育毛養毛有効成分又は育毛養毛剤のスクリーニング法を提供することができる。
本発明にかかる育毛養毛有効成分、これを配合してなる育毛養毛剤及び育毛養毛有効成分又は育毛養毛剤のスクリーニング方法を述べるが、まず、スクリーニング方法について説明する。本発明の育毛養毛有効成分又は育毛養毛剤のスクリーニング方法は、毛髪成長期を誘導したマウスに、ジヒドロテストステロンを皮下投与し、該毛髪成長期を誘導した部分に被験物質を塗布した際の毛再生を指標とするものである。この方法によれば、男性型脱毛をマウスで再現でき、男性ホルモンを体表面に塗布しないため、被験物質の効果を高精度で測定することができる。
さらに具体的に説明すると、下記工程を含む育毛養毛剤のスクリーニング方法である。
(1)マウスを毛髪成長期誘導する、第1工程。
(2)第1工程で毛髪成長期を誘導されたマウスに、ジヒドロテストステロンを皮下投与する、第2工程。
(3)マウスの毛髪成長期を誘導された部分に被験物質を塗布する、第3工程。
(4)被験物質を塗布後、毛髪成長期が誘導された部分における毛再生を測定する、第4工程。
(5)第4工程で測定された毛再生と、第3工程において被験物質を塗布しない場合の毛再生とを比較し、被験物質の育毛養毛効果を検出する、第5工程
(1)マウスを毛髪成長期誘導する、第1工程。
(2)第1工程で毛髪成長期を誘導されたマウスに、ジヒドロテストステロンを皮下投与する、第2工程。
(3)マウスの毛髪成長期を誘導された部分に被験物質を塗布する、第3工程。
(4)被験物質を塗布後、毛髪成長期が誘導された部分における毛再生を測定する、第4工程。
(5)第4工程で測定された毛再生と、第3工程において被験物質を塗布しない場合の毛再生とを比較し、被験物質の育毛養毛効果を検出する、第5工程
(1)マウスを毛髪成長期誘導する第1工程。
マウスの種類は特に限定されないが、C57BL/6マウス、C3H/HeNマウス等が好ましい。年齢はヘアサイクルが休止期にある日齢であれば特に限定されず、例えば除毛、抜毛等により成長期を誘導できればよい。1被験物質あたり4〜10匹用いることが好ましい。マウスの体表を毛髪成長期誘導する方法としては、除毛、抜毛等が挙げられる。毛髪成長期誘導する体表部分は特に限定されないが、首元から背部全体が好ましい。
マウスの種類は特に限定されないが、C57BL/6マウス、C3H/HeNマウス等が好ましい。年齢はヘアサイクルが休止期にある日齢であれば特に限定されず、例えば除毛、抜毛等により成長期を誘導できればよい。1被験物質あたり4〜10匹用いることが好ましい。マウスの体表を毛髪成長期誘導する方法としては、除毛、抜毛等が挙げられる。毛髪成長期誘導する体表部分は特に限定されないが、首元から背部全体が好ましい。
(2)第1工程で毛髪成長期を誘導されたマウスに、ジヒドロテストステロンを皮下投与する、第2工程。
男性ホルモンとしては、活性型男性ホルモンであるジヒドロテストステロン等が挙げられる。本発明においては、ジヒドロテストステロンを用いる。これまでマウスは男性ホルモンに対して感受性がないといわれていたが、ジヒドロテストステロンを投与したマウスは投与していない対照群と比較して、有意に毛の再生が遅れる(後述の試験例1参照)。これは本発明者の新知見である。
男性ホルモンとしては、活性型男性ホルモンであるジヒドロテストステロン等が挙げられる。本発明においては、ジヒドロテストステロンを用いる。これまでマウスは男性ホルモンに対して感受性がないといわれていたが、ジヒドロテストステロンを投与したマウスは投与していない対照群と比較して、有意に毛の再生が遅れる(後述の試験例1参照)。これは本発明者の新知見である。
ジヒドロテストステロンの皮下投与の方法は、ジヒドロテストステロンを粉末状態又はMICRO−OSMOTIC POMP(alzet corporation)等の浸透圧ポンプ等に注入した状態で皮下に投与する。投与量はマウスの日齢や体重により変動させてもよいが、10〜200mgの範囲が好ましい。このように、ジヒドロテストステロンを皮下投与することにより、ヒトの男性型脱毛に近い評価系とすることができる。さらに、皮下投与することにより、後に塗布する被験物質と混じることがないため、精度の高い育毛養毛評価が可能となる。
(3)マウスの毛髪成長期を誘導された部分に被験物質を塗布する、第3工程。
被験物質は物質の溶解度や塗り易さなどを考慮して、適宜水、エタノール等の有機溶媒又はこれらの混合物等の溶剤に溶解して塗布することができる。被験物質の塗布は、上記第2工程の翌日から始めることが好ましく、被験物質にもよるが、1日1〜数回、週5〜7回、10〜60日間サンプル塗布すればよい。
被験物質は物質の溶解度や塗り易さなどを考慮して、適宜水、エタノール等の有機溶媒又はこれらの混合物等の溶剤に溶解して塗布することができる。被験物質の塗布は、上記第2工程の翌日から始めることが好ましく、被験物質にもよるが、1日1〜数回、週5〜7回、10〜60日間サンプル塗布すればよい。
(4)被験物質を塗布後、毛髪成長期が誘導された部分における毛再生を測定する、第4工程。
毛再生の測定は、例えば、毛再生が始まった部分の面積が、除毛した面積に占める割合を目視にて確認することにより行う。また、毛再生が始まった部分の面積が除毛した面積に占める割合がある一定の値になるまでの日数を測定してもよい。
毛再生の測定は、例えば、毛再生が始まった部分の面積が、除毛した面積に占める割合を目視にて確認することにより行う。また、毛再生が始まった部分の面積が除毛した面積に占める割合がある一定の値になるまでの日数を測定してもよい。
(5)第4工程で測定された毛再生と、第3工程において被験物質を塗布しない場合の毛再生とを比較し、被験物質の育毛養毛効果を検出する、第5工程
第2工程において被験物質を塗布しない場合とは、例えば被験物質を50%エタノール等の溶剤に溶かして塗布した場合には、50%エタノールのみを塗布すればよい。この場合、上記第2工程で被験物質を50%エタノールに代える以外は、被験物質と同様に第1〜第4工程を行い、毛再生を測定する。このようにして得られた被験物質の毛再生効果と、50%エタノールでの毛再生効果を比較することにより、被験物質の毛再生効果を検出することができる。
第2工程において被験物質を塗布しない場合とは、例えば被験物質を50%エタノール等の溶剤に溶かして塗布した場合には、50%エタノールのみを塗布すればよい。この場合、上記第2工程で被験物質を50%エタノールに代える以外は、被験物質と同様に第1〜第4工程を行い、毛再生を測定する。このようにして得られた被験物質の毛再生効果と、50%エタノールでの毛再生効果を比較することにより、被験物質の毛再生効果を検出することができる。
このように、本スクリーニング法によれば、男性型脱毛をマウスで再現でき、男性ホルモンを体表面に塗布しないため、被験物質の育毛養毛効果を高精度で測定することができる。また、このスクリーニング法により、男性型脱毛に対する育毛養毛効果が認められた被験物質は、育毛養毛有効成分、又はこれを配合してなる育毛養毛剤として提供することができる。例えば、ジヒドロテストステロン皮下投与から発毛スコア5(毛髪成長期誘導された面積に対する毛再生が始まった部分の面積が50%以上)に達するまでの日数が、第3工程において被験物質を塗布しない以外は同様に試験した場合の日数に比べ1/2以下であるような物質であれば、男性型脱毛に対する育毛養毛効果が期待されることとなる。
上記スクリーニング方法で評価したところ、トリヨードサイロニン又はその誘導体が封入されたリポソームに、育毛養毛効果が認められた。
トリヨードサイロニンとは、甲状腺から分泌されるホルモンの一種であり、下記式(1)で表される。より具体的には、視床下部から分泌される甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)の作用を受け、下垂体前葉から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって刺激を受けた甲状腺で産生され、ホルモンの貯蔵場所である濾胞腔のコロイドから放出される甲状腺ホルモンである。トリヨードサイロニンの大部分はチロキシン結合グロブリン(TBG)・チロキシン結合グロブリン(TBPA)・アルブミンと結合しており、血液によって全身に運ばれ、さらに下垂体や視床下部にも運ばれる。
トリヨードサイロニンとは、甲状腺から分泌されるホルモンの一種であり、下記式(1)で表される。より具体的には、視床下部から分泌される甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)の作用を受け、下垂体前葉から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって刺激を受けた甲状腺で産生され、ホルモンの貯蔵場所である濾胞腔のコロイドから放出される甲状腺ホルモンである。トリヨードサイロニンの大部分はチロキシン結合グロブリン(TBG)・チロキシン結合グロブリン(TBPA)・アルブミンと結合しており、血液によって全身に運ばれ、さらに下垂体や視床下部にも運ばれる。
トリヨードサイロニンの誘導体としては、3,3´,5−トリヨードサイロニン酸(TETRAC)やトリヨードプロピオン酸(TRIPROP)等が挙げられる。トリヨードサイロニン又はその誘導体は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
一般的に、リポソームは、リン脂質と水とを混合して得られる脂質の単層又は複数層からなる閉鎖小胞であり、内部の水層又は脂質層に種々の物質を保持できるので、その有用性は大きい。例えば、医薬品を包み込んだリポソームはドラッグデリバリーシステム(DDS)に用いられる。
本発明のリポソームはトリヨードサイロニン又はその誘導体が封入されたものであり、このようにリポソーム化することにより、トリヨードサイロニン又はその誘導体の経皮吸収性、毛包特異性、安定性等、育毛養毛効果が向上するものである。
リン脂質としては、レシチン(ホスファチジルコリン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロール等が挙げられる。この中でもレシチンが好ましく、水素添加レシチン、卵黄レシチン、大豆レシチン等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明のリポソームには、リン脂質や水以外に、プロピレングリコール等の多価アルコール、コレステロール、ラノステロール、シトステロール等のステロール、アミノ酸、糖、ビタミンA、ビタミンC及びビタミンEから選ばれる1種又は2種以上を配合してもよい。
トリヨードサイロニン又はその誘導体のリポソーム中の含有量は、0.001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1質量%である。トリヨードサイロニン又はその誘導体とリン脂質との質量比率は、1:10000〜1:10が好ましく、より好ましくは1:1000〜1:100である。
本発明のリポソームの粒径は、10〜3500nm程度であり、50〜1000nmが好ましい。なお、リポソームの粒径は動的光散乱法等の粒径測定法で測定することができる。
本発明のリポソームの作製には、市販されているリポソーム組成成分の混合物を用いてもよい。このような混合物には、例えば、水素添加レシチン、アラニン、マルチトール、ジプロピレングリコール、グリセリン、コレステロール及び水を配合成分とするアクアソームLA、水素添加レシチン、ブチレングリコール、パルミチン酸レチノール、ピーナッツ油、トコフェノール、PEG−60水添ヒマシ油及び水を配合成分とするアクアソームAE、水素添加レシチン、ブチレングリコール、PEG60水添ヒマシ油及び水を配合成分とするアクアソームBH、水素添加レシチン、ブチレングリコール、酢酸トコフェノール、PEG−100水添ヒマシ油、リン酸アスコルビンマグネシウム、ジヒドロコレス−20(ポリオキシエチレン(20)ジヒドロコレスタノールエーテル)、トリエチルヘキサノイン、コレステロール及び水を配合成分とするアクアソームEC−5、水素添加レシチン、ブチレングリコール、酢酸トコフェノール、PEG−100水添ヒマシ油、リン酸アスコルビンマグネシウム、ジヒドロコレス−30、トリエチルヘキサノイン、コレステロール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、水を配合成分とするアクアソームEC−30、水素添加レシチン、ブチレングリコール、パルミチン酸レチノール、ピーナッツ油、トコフェノール、PEG60水添ヒマシ油、水を配合成分とするアクアソームVA、水素添加レシチン、ブチレングリコール、酢酸トコフェノール、PEG−60水添ヒマシ油、水を配合成分とするアクアソームVE(いずれも商品名:日光ケミカルズ(株)製)が挙げられる。
トリヨードサイロニン又はその誘導体が封入されたリポソームは、常法に基づいて調製することができる。例えば、リン脂質をエタノール等の適当な溶媒で可溶化し、減圧下で溶媒を留去して脂質膜を形成し、これにトリヨードサイロニン又はその誘導体を含む水溶液を添加して、50〜240rpmで30〜120分撹拌して得ることができる。
トリヨードサイロニン又はその誘導体が封入されたリポソームからなる育毛養毛剤は、優れた育毛養毛効果を有することから、これを、哺乳類の育毛養毛させたい部分に与え、育毛養毛を促進する育毛養毛方法に用いることができる。この方法によれば、よって、脱毛の防止、発毛の促進等により育毛養毛を図り、美容上の毛髪容姿を改善し、脱毛症等の治療、特に男性型脱毛の治療が可能となる。
本発明のトリヨードサイロニン又はその誘導体を封入されたリポソームからなる育毛養毛有効成分は、これを配合してなる育毛養毛剤とすることができる。なお、育毛養毛剤とは、一般に頭部等毛髪を有する体の部分に使用し、脱毛の防止、発毛の促進等の育毛養毛効果を有する外用剤のことをいう。
トリヨードサイロニン及びその誘導体が封入されたリポソームの配合量は、投与形態、投与方法、所望の効果及び処置期間等により変化するが、トリヨードサイロニン及びその誘導体として、育毛養毛剤中0.0001〜20質量%、好ましくは0.001〜10質量%である。配合量が0.0001質量%未満では、本発明の効果が十分得られない場合があり、20質量%を超える場合はそれ以上の効果の増加が得られず、不経済となる場合がある。
本発明の育毛養毛剤には、トリヨードサイロニン及びその誘導体が封入されたリポソーム以外にも、育毛養毛効果増強のため、他の育毛養毛有効成分を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。他の育毛養毛有効成分としては、発毛、育毛又は養毛促進作用を有するものであれば、特に限定されない。炭素鎖が奇数の炭素鎖長を有する脂肪酸、特にペンタデカン酸グリセリド(PDG)、アルコール類及びそれらの誘導体、コレウス・フォルスコリィ抽出物(特開平09−157136号公報)、ローヤルゼリー抽出物、クマザサ抽出物、ゲンチアナ抽出物、マツカサ抽出物(以上、特開平10−45539号公報)、6−ベンジルアミノプリン、トコトリエノール、ミノキシジル類、フィナステリド、及びトランス−3,4´−ジメチル−3−ヒドロキシフラバノンからなる群から選ばれる1種単独で又は2種以上の化合物及び抽出物が挙げられる。中でも育毛養毛効果の点から、炭素鎖が奇数の炭素鎖長を有する脂肪酸、コレウス・フォルスコリィ抽出物が好ましい。
本発明の育毛養毛剤には、さらに他の植物抽出物や薬剤も適宜配合することができる。例えば、トウガラシ、ヨウテイ、アロエ、クコ、ヨモギ、カラシ、イネ、マンケイシ、マンネンロウ、コッサイホ、エニシダ、リンドウ、タンジン、ヘチマ、キキョウ、マツ、クジン、ベニバナ、メギ、ビンロウジ、ユーカリ、カゴソウ、モクツウ、ゴシツ、サイコ、チャ、シンイ、ワサビ、ジョテイシ、オランダセンニチ、クチナシ、ウスバサイシン、ニンニク、ハッカ、ヨクイニン、キリンケツヤシ、ゴボウ、カンゾウ、ホップ、キク、ラッキョ、ニラ、ネギ、タマネギ、セネガ、アマチャズル、マンネンタケ、ジオウ、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルレチン酸、グリチルリチン、ゴマ、センキュウ、カシュウ等が挙げられる。
本発明の育毛養毛剤は、各種の外用製剤類(動物用に使用する製剤も含む)全般において利用できる。外用製剤としては、医薬品、医薬部外品、化粧品が挙げられ、その適用場所は、全身用、頭皮・頭髪等特に限定されない。この中でも、毛髪化粧料、医薬組成物とすることが好ましく、本発明の効果を損なわない範囲において、既知の薬効成分や任意成分を適宜配合することができる。
既知の薬効成分としては、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、ビタミン類、ホルモン類、アミノ酸類、皮膚機能亢進剤、角質向上剤、酸化防止剤等が挙げられる。また、上記薬効成分以外の任意の成分としては、例えば、精製水、エタノール、多価アルコール、セルロース類、界面活性剤、エステル油、高分子樹脂、色材、香料、紫外線吸収剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤等が挙げられる。
本発明の育毛養毛剤は、その形態、調製方法、使用方法などが特に制限されるものではなく、例えば均一溶液、ローション、ジェル、クリーム、エアゾール等の形態として用いることができ、各形態の常法に準じて製造することができる。そして、各形態の常法に従って常用量で使用することによって、優れた育毛養毛効果が速やかに発揮される。なお、エアゾールの形態をとる場合には、上記成分以外に、n−プロピルアルコール又はイソプロピルアルコール等の低級アルコール、ブタン、プロパン、イソブタン、液化石油ガス、ジメチルエーテル等の可燃性ガス、窒素ガス、酸素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス等の圧縮ガスを配合することができる。
特に、毛髪化粧料の剤形としては、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアトニック、ヘアクリームの如くのヘアケア製品に配合した養育毛シャンプー、養育毛リンス、養育毛ヘアリキッド、育毛料、養育毛ヘアクリーム、養毛料、養育毛スプレー、養育毛トニック、養育毛ヘアローション、養育毛ヘアジェル、養育毛ヘアフォーム等、パーマネント液、染毛料等が挙げられる。
以下、調製例、試験例、実施例、比較例及び処方例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%である。
[試験例1]
マウスの発毛試験
雄のC57BL/6マウス(7週齢)を用い、小川らの方法(フレグランスジャーナル,Vol.17,No.5,p20−29,1989.参照)を参考にして実験を行った。
マウスの背部体毛を約2〜4cmの大きさに電気バリカン及び電気シェーバーにて除毛し、毛髪成長期を誘導した。除毛後、活性型男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHTと略す)30mgを皮下に投与した。除毛、皮下投与後80日間、除毛部分に対し毛再生が始まった部分の面積比の変化を求め、毛再生の早さを非投与群と比較した。各サンプル(被験物質)ともマウス6匹ずつを用い、その発毛状態の変化を観察した。育毛養毛効果の評価は毛再生が始まった部分の面積が除毛した面積に占める割合を目視にて確認し下記10段階評価で行った。結果を図1に示し、除毛、皮下投与後から、発毛スコアが5点、7点、10点に至るまでに要した日数を表1に示す。
マウスの発毛試験
雄のC57BL/6マウス(7週齢)を用い、小川らの方法(フレグランスジャーナル,Vol.17,No.5,p20−29,1989.参照)を参考にして実験を行った。
マウスの背部体毛を約2〜4cmの大きさに電気バリカン及び電気シェーバーにて除毛し、毛髪成長期を誘導した。除毛後、活性型男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHTと略す)30mgを皮下に投与した。除毛、皮下投与後80日間、除毛部分に対し毛再生が始まった部分の面積比の変化を求め、毛再生の早さを非投与群と比較した。各サンプル(被験物質)ともマウス6匹ずつを用い、その発毛状態の変化を観察した。育毛養毛効果の評価は毛再生が始まった部分の面積が除毛した面積に占める割合を目視にて確認し下記10段階評価で行った。結果を図1に示し、除毛、皮下投与後から、発毛スコアが5点、7点、10点に至るまでに要した日数を表1に示す。
<発毛スコア>
除毛された部分の全体面積に対する毛再生が始まった部分の面積の割合
1点:10%
2点:20%
3点:30%
4点:40%
5点:50%
6点:60%
7点:70%
8点:80%
9点:90%
10点:100%
除毛された部分の全体面積に対する毛再生が始まった部分の面積の割合
1点:10%
2点:20%
3点:30%
4点:40%
5点:50%
6点:60%
7点:70%
8点:80%
9点:90%
10点:100%
上記結果からも明らかなように、ジヒドロテストステロンを投与したマウスは、非投与のマウスと比較し、発毛が有意に遅れることが認められた。
[調製例1]
トリヨードサイロニンが封入されたリポソームの調製
7.8mgのトリヨードサイロニンを50μLの1[(103mol/m3)/z(zはイオンの電荷数)]のNaOHに溶解した。10mLのアクアソームLA(日光ケミカルズ(株)製)を減圧下、有機溶媒を完全に留去し脂質薄膜を作製した。そこに、前述のトリヨードサイロニンのNaOH溶液24μLを含む蒸留水25mLを添加し、ボルテックスミキサーにより短時間(10〜60分)で水和した。さらに25mLのエタノール溶液を添加し、トリヨードサイロニン封入リポソームの50%エタノール溶液を得た。
トリヨードサイロニンが封入されたリポソームの調製
7.8mgのトリヨードサイロニンを50μLの1[(103mol/m3)/z(zはイオンの電荷数)]のNaOHに溶解した。10mLのアクアソームLA(日光ケミカルズ(株)製)を減圧下、有機溶媒を完全に留去し脂質薄膜を作製した。そこに、前述のトリヨードサイロニンのNaOH溶液24μLを含む蒸留水25mLを添加し、ボルテックスミキサーにより短時間(10〜60分)で水和した。さらに25mLのエタノール溶液を添加し、トリヨードサイロニン封入リポソームの50%エタノール溶液を得た。
[実施例1、比較例1,2]
雄のC57BL/6マウス(7週齢)を用い、小川らの方法(フレグランスジャーナル,Vol.17,No.5,p.20−29,1989.参照)を参考にして実験を行った。マウスの背部体毛を約2〜4cmの大きさに電気バリカン及び電気シェーバーにて除毛し、毛髪成長期を誘導した。除毛後、活性型男性ホルモンであるジヒドロテストステロン30mgを皮下に投与し、翌日より1日1回100μLずつ週5回、20日間サンプル塗布を行い、除毛、皮下投与後80日間、毛再生が始まった部分の面積比の変化を求めて毛再生の早さの比較を行った。塗布サンプルは、上記調製例1で得られたトリヨードサイロニンが封入されたリポソーム(実施例1)、及び0.0749mg/mLのトリヨードサイロニンの50%エタノール溶液(比較例2)とした。対照として50%エタノール(比較例1)を用いた。試験には各試料ともマウス6匹ずつを用い、評価は上記試験例1と同様に行った。結果を図2に示し、除毛、皮下投与から発毛スコアが5点、7点、10点に至るまでに要した日数を表2に示す。
雄のC57BL/6マウス(7週齢)を用い、小川らの方法(フレグランスジャーナル,Vol.17,No.5,p.20−29,1989.参照)を参考にして実験を行った。マウスの背部体毛を約2〜4cmの大きさに電気バリカン及び電気シェーバーにて除毛し、毛髪成長期を誘導した。除毛後、活性型男性ホルモンであるジヒドロテストステロン30mgを皮下に投与し、翌日より1日1回100μLずつ週5回、20日間サンプル塗布を行い、除毛、皮下投与後80日間、毛再生が始まった部分の面積比の変化を求めて毛再生の早さの比較を行った。塗布サンプルは、上記調製例1で得られたトリヨードサイロニンが封入されたリポソーム(実施例1)、及び0.0749mg/mLのトリヨードサイロニンの50%エタノール溶液(比較例2)とした。対照として50%エタノール(比較例1)を用いた。試験には各試料ともマウス6匹ずつを用い、評価は上記試験例1と同様に行った。結果を図2に示し、除毛、皮下投与から発毛スコアが5点、7点、10点に至るまでに要した日数を表2に示す。
上記結果からも明らかなように、本発明のトリヨードサイロニンが封入されたリポソームは、トリヨードサイロニンよりも毛の再生が有意に高く認められた。
[実施例2〜6]
さらに、調製例1で得られたトリヨードサイロニンが封入されたリポソームと、ペンタデカン酸グリセリド(PDG)、コレウス・フォルスコリィ抽出物、6−ベンジルアミノプリン、ミノキシジル、及びトコトリエノールとを、それぞれ併用した場合について実施例1と同様に評価した。結果を下記評価基準で評価した。結果を実施例1、比較例2及び対照の50%エタノール(比較例1)の結果と共に表3に示す。なお、トリヨードサイロニンが封入されたリポソームは、調製例1で得られたものを使用し、表中にはトリヨードサイロニン濃度を示す。
さらに、調製例1で得られたトリヨードサイロニンが封入されたリポソームと、ペンタデカン酸グリセリド(PDG)、コレウス・フォルスコリィ抽出物、6−ベンジルアミノプリン、ミノキシジル、及びトコトリエノールとを、それぞれ併用した場合について実施例1と同様に評価した。結果を下記評価基準で評価した。結果を実施例1、比較例2及び対照の50%エタノール(比較例1)の結果と共に表3に示す。なお、トリヨードサイロニンが封入されたリポソームは、調製例1で得られたものを使用し、表中にはトリヨードサイロニン濃度を示す。
<評価基準>
除毛、皮下投与後からスコア5になるまでの日数を、対照と比較した。
4:著効,発毛を著しく早めた :対照に比べ2/3より短い。
3:有効,発毛を早めた :対照に比べ2/3〜3/4未満
2:やや有効,発毛を若干早めた:対照に比べ3/4〜1未満
1:無効,使用前と変化無し :対照に比べ1倍以上
除毛、皮下投与後からスコア5になるまでの日数を、対照と比較した。
4:著効,発毛を著しく早めた :対照に比べ2/3より短い。
3:有効,発毛を早めた :対照に比べ2/3〜3/4未満
2:やや有効,発毛を若干早めた:対照に比べ3/4〜1未満
1:無効,使用前と変化無し :対照に比べ1倍以上
上記結果からもわかるように、本発明のトリヨードサイロニンが封入されたリポソームは、ペンタデカン酸グリセリド及びコレウス・フォルスコリィ抽出物との併用により、より高い育毛養毛効果が認められた。
[実施例7〜13、比較例3,4]
実施例1〜6のようにエタノールに溶解した溶液の状態でも、トリヨードサイロニンが封入されたリポソームは、育毛養毛有効成分としての目的は達成することができるが、使用性を考慮した製剤中での効果を確認するため、表4に示す組成の製剤を調製した。得られた製剤について、実施例1〜6で示した方法と同様に評価を行い、育毛養毛効果も同様の基準にて示した。結果を表4に示す。トリヨードサイロニンが封入されたリポソームは、調製例1で得られたものを使用し、表中にはトリヨードサイロニン濃度を示す。
実施例1〜6のようにエタノールに溶解した溶液の状態でも、トリヨードサイロニンが封入されたリポソームは、育毛養毛有効成分としての目的は達成することができるが、使用性を考慮した製剤中での効果を確認するため、表4に示す組成の製剤を調製した。得られた製剤について、実施例1〜6で示した方法と同様に評価を行い、育毛養毛効果も同様の基準にて示した。結果を表4に示す。トリヨードサイロニンが封入されたリポソームは、調製例1で得られたものを使用し、表中にはトリヨードサイロニン濃度を示す。
上記結果からもわかるように、本発明のトリヨードサイロニンが封入されたリポソームを配合した製剤に、高い育毛養毛効果が認められた。本発明のトリヨードサイロニンが封入されたリポソームは、ペンタデカン酸グリセリド及びコレウス・フォルスコリィ抽出物との併用により、比較例3,4に比べ、より高い育毛・育毛効果が認められた。
使用効果試験
上記実施例7、8及び10、ならびに比較例3,4について、下記方法で実際の使用効果を評価した。結果を表5に示す。
薄毛症、脱毛症を訴えるパネラー(25〜50歳)10名が、毎日、朝と夜(夜は洗髪後)の2回、頭皮や髪の生え際に、実施例7、8及び10、ならびに比較例3,4の製剤適量(2mL)を、3ヶ月間及び6ヶ月間に渡って塗布した。使用効果を下記評価基準で評価した。結果を表5に示す。なお、表内の数値は人数を表す。
上記実施例7、8及び10、ならびに比較例3,4について、下記方法で実際の使用効果を評価した。結果を表5に示す。
薄毛症、脱毛症を訴えるパネラー(25〜50歳)10名が、毎日、朝と夜(夜は洗髪後)の2回、頭皮や髪の生え際に、実施例7、8及び10、ならびに比較例3,4の製剤適量(2mL)を、3ヶ月間及び6ヶ月間に渡って塗布した。使用効果を下記評価基準で評価した。結果を表5に示す。なお、表内の数値は人数を表す。
<評価基準>
著効 :うぶ毛が非常に多く生じた。
有効 :うぶ毛が多少生じた。
やや有効:発毛を若干生じた。
無効 :使用前と変化無し。
著効 :うぶ毛が非常に多く生じた。
有効 :うぶ毛が多少生じた。
やや有効:発毛を若干生じた。
無効 :使用前と変化無し。
その結果、本発明のスクリーニング方法で有効であった実施例7、8及び10の製剤は、ヒトにおいても高い育毛養毛効果を示すことが分かった。
[処方例1〜66]
下記にトリヨードサイロニン又はその誘導体を封入されたリポソームを配合してなる育毛養毛剤の処方例を示す。なお、下記処方例に使用した香料は、特開2003−73249号公報の第4頁〜第24頁に記載の香料を用いた。なお、処方例1〜66のヘアケア製品においては、各化合物に限定されることなく他の化合物にしてもよい。なお、トリヨードサイロニンが封入されたリポソームは、調製例1で得られたものを使用し、表中にはトリヨードサイロニン濃度を示す。
下記にトリヨードサイロニン又はその誘導体を封入されたリポソームを配合してなる育毛養毛剤の処方例を示す。なお、下記処方例に使用した香料は、特開2003−73249号公報の第4頁〜第24頁に記載の香料を用いた。なお、処方例1〜66のヘアケア製品においては、各化合物に限定されることなく他の化合物にしてもよい。なお、トリヨードサイロニンが封入されたリポソームは、調製例1で得られたものを使用し、表中にはトリヨードサイロニン濃度を示す。
粧配規に準拠したポリオキシエチレンアルキル(12,13)エーテル硫酸ナトリウム液(3E.O.)で、純分約27%の水溶液。表中にはPOEアルキルエーテル硫酸ナトリウムの純分相当量を記載した。
*2:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム:C14−C18のアルキル鎖をもつα−オレフィンスルホン酸ナトリウム(純分70%の水性ペースト)。表中には、純分相当量を記載した。
*3エナジコールL30B(ライオン(株)製)
粧配規に準拠したラウリン酸アミドプロピルベタイン液で、純分約30%の水溶液。表中にはラウリン酸アミドプロピルベタインの純分相当量を記載した。
*4:CDE−100(川研ファインケミカル(株)製)
*5:ジメチルシリコーン:レオフローDMS−55(ライオン(株)製)
粘度10万cSt、平均分子量約13万
*6:XE−511K(ライオン(株)製)、塩化O−[ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース
*7:Gcnapol PMS(クラリアントジャパン(株)製)、C16とC18の混合比は6:4。
*8:安息香酸ナトリウム:粧原基に準拠した安息香酸ソーダ(BFGoodrich Kalama Inc.社製)
*2:Lorol C16(コグニスジャパン(株)製)
*3:コノール30SS(新日本理科(株)製)
*4:EMALEX 611(日本エマルジョン(株)製)
*5:ネオコールLA(クローダジャパン(株)製)
*6:メチルパラベン:(吉富ファインケミカル(株)製)
*2:精製ラノリン(クローダジャパン(株)製)
*3:カーボポール1342(中外貿易(株)製)
*4:ESCALOL 567(アイエスピージャパン(株)製)
Claims (5)
- トリヨードサイロニン又はその誘導体が封入されたリポソームからなる育毛養毛有効成分。
- 請求項1記載の育毛養毛有効成分を配合してなる育毛養毛剤。
- 毛髪成長期を誘導したマウスに、ジヒドロテストステロンを皮下投与し、該毛髪成長期を誘導した部分に被験物質を塗布した際の毛再生を指標とする、育毛養毛有効成分又は育毛養毛剤のスクリーニング方法。
- 下記第1〜5の工程を含む請求項3記載のスクリーニング方法。
(1)マウスを毛髪成長期誘導する、第1工程。
(2)第1工程で毛髪成長期を誘導されたマウスに、ジヒドロテストステロンを皮下投与する、第2工程。
(3)マウスの毛髪成長期を誘導された部分に被験物質を塗布する、第3工程。
(4)被験物質を塗布後、毛髪成長期が誘導された部分における毛再生を測定する、第4工程。
(5)第4工程で測定された毛再生と、第3工程において被験物質を塗布しない場合の毛再生とを比較し、被験物質の育毛養毛効果を検出する、第5工程 - 請求項4記載のスクリーニング法において、毛髪成長期誘導された部分の面積に対する毛再生が始まった部分の面積が50%以上に達する第2工程からの日数が、第3工程において被験物質を塗布しない場合の日数に比べ1/2以下である育毛養毛有効成分。
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---|---|---|---|
JP2005074775A JP2006256994A (ja) | 2005-03-16 | 2005-03-16 | 育毛養毛有効成分、育毛養毛剤、及びこれらのスクリーニング方法 |
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---|---|---|---|---|
WO2013183678A1 (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-12 | 大正製薬株式会社 | 発毛組成物 |
-
2005
- 2005-03-16 JP JP2005074775A patent/JP2006256994A/ja active Pending
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