JP2006255471A - パチンコ遊技機の入賞制御装置 - Google Patents

パチンコ遊技機の入賞制御装置 Download PDF

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巌 武内
Hachiro Omotegawa
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Abstract

【課題】遊技球が始動入賞口に入賞したときに、球受け部材の回動回数がどのようになるについて期待感が高められるようなパチンコ遊技機の入賞制御装置を提供する。
【解決手段】遊技盤に設けた可変入賞球装置20は、両側部に入球口22a,22bを設けると共に入球口を開閉する球受け部材23a,23bを設けている。可変入賞球装置の下側には一対の始動口14a,14bが設けられ、始動口の間には変動図柄のうちの一の図柄を選択して表示する変動図柄表示部15が設けられている。始動口に遊技球が入賞すると、制御回路により球受け部材の開閉回数が決定され、それに応じて変動図柄表示部が変動表示後に一の数字を表示する。開閉回数は通常回数である1回と、特別回数である2回に分けられ、各々に応じて定められた数字が表示される。数字表示後、球受け部材の開閉動作が行われる。
【選択図】図2

Description

本発明は、パチンコ遊技機の入賞制御装置に係り、特にその改良に関する。
従来、パチンコ遊技機の入賞制御装置は、例えば図9に示すように、遊技盤1の中央に可変入賞球装置2を設けていた。可変入賞球装置2は、左右上部に設けた入球口2aを開閉する球受け部材2bと、入球口2aから内部に入球した遊技球を一定の特典が得られる大入賞と通常の入賞とに選別する大入賞選別手段2cとを設けていた。さらに、可変入賞球装置2の下方に、3個の始動入賞口3a,3bが設けられていた。そして、左右の両側の始動入賞口3aに遊技球が入賞したときには、球受け部材2bを1回だけ回動させて入球口2aを0.5秒程度開放し、また中央の始動入賞口3bに入賞したときには、球受け部材2bを2回回動させて入球口2aを各々0.5秒程度開放し、内部への遊技球の入球を可能にし、さらに大入賞選別手段2cにより大入賞か通常の入賞かの選別が行われていた。
しかし、上記入賞制御装置においては、遊技球が入賞した始動入賞口の種類によって球受け部材の回動回数が1回あるいは2回に予め定められているため、遊技者は、球受け部材の回動回数については何等の期待感をもつことができず、パチンコゲームが単調化されるという問題があった。
本発明は、上記した問題を解決しようとするもので、遊技球が始動入賞口に入賞したときに、球受け部材の回動回数がどのようになるについて期待感が高められるようなパチンコ遊技機の入賞制御装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係るパチンコ遊技機の入賞制御装置は、パチンコ遊技機の遊技盤面に設けられ、入球口と該入球口を開閉する球受け部材とを備えた可変入賞装置と、前記遊技盤面に設けられた2個の始動入賞口と、前記遊技盤面において前記2個の始動入賞口の間に設けられ、前記2個の始動入賞口に対応した2つの表示領域を有し、各表示領域にて複数の数字を変動表示すると共に変動表示を停止して各々一つの数字を表示する変動図柄表示部と、前記始動入賞口への遊技球の入賞に応じて、前記球受け部材の開閉回数を決定する開閉回数決定手段と、前記2個の始動入賞口のいずれか一方への遊技球の入賞により、前記開閉回数決定手段の決定結果に応じて、該始動入賞口に対応した一の表示領域に他の表示領域と異なる数字もしくは同一数字を表示させる図柄表示制御手段と、前記一の表示領域における一の数字の表示後に、前記開閉回数決定手段の決定結果に応じて前記球受け部材を開閉させる球受け部材開閉制御手段とを設け、前記入賞制御装置の制御回路は、ランダムな数字列を表す図柄変動信号を一定時間出力するとともに、駆動回路は、前記図柄変動信号に応じて、前記一の表示領域に数字の変動を一定時間表示させ、さらに一定時間後に、前記一の表示領域に前記他の表示領域と異なる数字もしくは同一数字を表示させることを特徴とする。
また、上記請求項2に係る発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載のパチンコ遊技機の入賞制御装置において、前記2つの表示領域は共に前記変動図柄表示部にて隣接して設けられ、前記2個の始動入賞口及び前記2つの表示領域は、それぞれ左右の位置関係にあり、右側の始動入賞口は右側の表示領域に、左側の始動入賞口は左側の表示領域にそれぞれ対応することにある。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明すると、図1は第1の実施形態に係るパチンコ遊技機の本体10を正面図により概略的に示したものである。本体10は、中央上側に遊技盤11を設けており、遊技盤11は円形のガイドレール11bに囲まれた遊技領域11aを設けている。遊技領域11aの中央には、入球した遊技球の大入賞か通常の入賞かを選別する可変入賞球装置(可変入賞装置)20が取り付けられている。可変入賞球装置20の左右側には一対の入賞口12a,12bが設けられ、また入賞口12a,12bの下側には、一対の入賞口13a,13bが設けられている。そして、可変入賞球装置20の斜め下側には、一対の始動口(始動入賞口)14a,14bが設けられている。始動口14a,14bの間には、始動口への遊技球の入賞に応じて数字、文字、図形等からなる所定数の変動図柄を表示する変動図柄表示部15が設けられている。さらに入賞口12a,12bの横のガイドレール11bに近接してサイドランプ16a,16bが設けられ、また変動図柄表示部15の下側には、アウト球を機外に排出する排出口17が設けられている。
可変入賞球装置20は、図2に示すように、全面が開放された箱状のケース20aを設けており、上部中央に入賞口21を設けている。ケース20aの両側部の上端近傍には入球口22a,22bが設けられ、入球口22a,22bの下端には、球受け部材23a,23bが、一端にて入球口22a,22bを開閉するために回動可能に取り付けられている。球受け部材23a、23bの上端は、入球口22a,22bの後方に回動可能に取り付けられた開閉バー24a,24bの他端に回動可能に取り付けられている。開閉バー24a,24bは、電磁ソレノイド24c(図2には示さない)の駆動により一定角度の範囲を回動し、球受け部材23a,23bを回動させて、入球口22a,22bを開閉するようになっている。可変入賞球装置20内には、大入賞選別部25が設けられており、入賞球を特別の利益が与えられる大入賞と通常の入賞に選別するようになっている。
大入賞選別部25は、上から順に入球口22a,22bに連絡通路(図示しない)を介して続く開口部25aを設けており、開口部25aの後ろ側には入賞球検出スイッチ25bを取り付けている。開口部25aの下側には、第1回転盤25cが垂直軸を中心として右周りに回転自在に設けられている。第1回転盤25cは、1箇所に遊技球を下方に落下させる開口部25c1を設けている。第1回転盤25cの下側には、径が第1回転盤25cより大きな第2回転盤25dが設けられている。第2回転盤25dは、第1回転盤25cと同軸的に設けた垂直軸を中心として左回りに回転自在に配設されており、1箇所に遊技球を下方に落下させる開口部25d1を設けている。そして、第2回転盤25dの下側には、中央に大当りを規定するVゾーンと呼ばれる特別入賞口25eを設け、左右に通常の入賞を規定する入賞口25fを設けている。特別入賞口25eの内部には、特別入賞球検出スイッチ25gが設けられている。
そして、入球口22a,22bに入球した遊技球は、連絡通路を通って開口部25aから第1回転盤25cに落下する。第1回転盤25cに落下した遊技球は、開口部25c1位置から第2回転盤25dに落下する。第2回転盤25dに落下した遊技球は、開口部25d1から下方に落下する。そして、開口部25c1と開口部25d1が、ちょうど第2回転盤25cの下の中央部に位置する特別入賞口25eと重なったときに、遊技球が開口部25c1から落下すると、遊技球は特別入賞口25eに入球し、大入賞が得られるようになっている。
大入賞になると、例えば球受け部材23a,23bが連続して15回開閉するか、または遊技球が10個入賞するまで開閉する連続開閉動作を行う。さらに、球受け部材23a,23bが連続開閉動作を行っている間に、遊技球が特別入賞口25eに入球すると、継続権が発生して直ちに連続開閉動作は中止され、一定時間後に新たな球受け部材23a,23bの連続開閉動作が開始される。そして、球受け部材23a,23bの連続開放動作中には、入賞球は特別入賞口25eに非常に入球しやすいため、一旦このような球受け部材23a,23bの連続開閉動作が開始されると、通常は以後も連続開閉動作が継続して続けられるようになる。この連続開閉動作の継続回数は、一定回数例えば15回に定められており、開口部25aの上部に設けた継続回数表示部26が継続回数を表示するようになっている。また、特別入賞口25eの下側には、大入賞中に発生する入賞個数を表示する入賞数表示部27が設けられている。なお、上記連続開閉動作の態様及び継続回数については一例であり、種々の態様及び継続回数に変更することができる。
始動口14a,14bの内部には、遊技球の入賞を検出する始動入賞球検出スイッチ14c,14dが設けられている。変動図柄表示部15は、後述する制御回路41の制御に基づいて球受け部材23a,23bの開閉回数を規定する変動図柄を表示するもので、通常は一定図柄を表示し続け、始動口への入賞に応じて一定短時間図柄の変動表示を行った後に選択された一図柄を表示するものである。変動図柄としては、例えば6個の偶数と3個の奇数を用い、これをランダムに発生させて、偶数が表示されたときには、球受け部材23a,23bの開閉回数を通常回数である1回とし、奇数が表示されたときには、球受け部材23a,23bの開閉回数を特別回数である2回とするものである。なお、特別回数とは、通常回数より多い開閉回数のことである。
ただし、変動図柄としては、これに限るものではなく、例えば複数の数字を用意し、予めその内の特定数を選択しておき、特定数が表示されたときに球受け部材23a,23bの開閉回数を2回とし、その他の数字が表示されたときには、球受け部材23a,23bの開閉回数を1回とするような方法も用いることができる。また、変動図柄表示部15の表示方法としては、遊技開始により図柄の変動表示を行い、始動口に遊技球が入賞したときに停止して一定図柄を一定時間表示しその後再び変動表示を行うような方法もある。
なお、本体10の遊技盤11の下側には、遊技球を貯留すると共に賞品球を受ける受け皿18が設けられ、受け皿の下側には下皿18aが設けられている。下皿18aの右側端には遊技球発射装置(図示しない)に連動する操作ハンドル19が設けられている。
つぎに、上記変動図柄表示部15及び可変入賞球装置20の動作を制御する電気制御装置について、図3のブロック回路図により説明する。この電気制御装置40は、制御回路41を設けており、制御回路41は、ROM,RAM,CPU,タイマ,カウンタ,I/O等を備えたマイクロコンピュータにより構成されており、図4、図8に示すフローチャートに対応した「可変入賞制御プログラムI」及び「可変入賞制御プログラムII」を実行し続けると共に、図5に示すフローチャートに対応した「入賞球制御インタラプトプログラム」の割り込み実行を行うものである。また、制御回路41は、カウンタの値に応じて球受け部材の開閉回数及び表示図柄を決定するようになっており、例えば、0〜14の数字をカウントし、その内の2/3個を開閉回数1回に対応させ1/3個を開閉回数2回に対応させる。そして、制御回路41は、開閉回数1回に対して表示図柄として6個の偶数を対応させ、開閉回数2回に対して表示図柄として3個の奇数を対応させる。
制御回路41の入力側には、上記左右の始動口入賞球検出スイッチ14c,14dと、入賞球検出スイッチ25b及び特別入賞球検出スイッチ25gが接続されている。制御回路41の出力側には、上記変動図柄表示部15、球受け部材用の電磁ソレノイド24c、継続回数表示部26及び入賞数表示部27が、駆動回路42〜45を介して接続されている。駆動回路42〜45は、制御回路41からの出力に応じて、変動図柄表示部15、球受け部材用の電磁ソレノイド24c、継続回数表示部26及び入賞数表示部27を作動させる。
つぎに、上記のように構成した第1実施形態の動作について説明する。パチンコ遊技機の電源スイッチ(図示しない)をオンさせることにより、「可変入賞制御プログラムI」の実行が図4に示すステップ50にて開始され、ステップ51にて各種変数の初期化処理が行われる。そして、遊技者が、受け皿18に遊技球を供給し、操作ハンドル19を操作することにより、遊技球が発射装置(図示しない)により連続的に発射され、ガイドレール11bを通過して遊技領域11a内に供給される。そして、遊技球がいずれかの始動口14a,14bに入賞すると、始動口入賞球検出スイッチ14c,14dにより検出信号が出力される。これを受けて制御回路41は、ステップ52にて「YES」との判定の基にプログラムをステップ53に移行させ、始動口14a,14bの遊技球の入球を制限させる(以下、始動口制限状態と記す)。すなわち、始動口14a,14bに遊技球が入球したときに、これを始動口への入賞とするが、これによって球受け部材23a,23bを開閉させないように処理したものである。
つぎに、制御回路41は、ステップ54にて、カウンタの数字により球受け部材23a,23bの開閉回数を1回または2回に決定する。そして、ステップ55にて開閉回数1回か2回かが選別され、1回のときにはステップ56にてランダムな数字列を表す図柄変動信号を一定時間出力する。駆動回路42はこれに応じて、変動図柄表示部15に図柄の変動を一定時間表示させる。さらに、一定時間後にステップ57にて、変動図柄表示部15に球受け部材23a,23bの1回開閉を表わす偶数図柄が表示される。そして、ステップ58にて球受け部材23a,23bを1回開閉させる信号が出力され、これに応じて駆動回路43は電磁ソレノイド24cを励磁させ、球受け部材23a、23bを回動させて、入球口22a,22bを一定時間例えば0.5秒開放させる。これにより、遊技盤11に供給された遊技球は、可変入賞球装置20内への入球の可能性が与えられる。
また、開閉回数が2回のときにはステップ55にて2回が選別され、ステップ60にてランダムな数字列を表す図柄変動信号が一定時間出力され、駆動回路42はこれに応じて、変動図柄表示部15に図柄の変動を一定時間表示させる。さらに、一定時間後にステップ61にて、変動図柄表示部15に球受け部材23a,23bの2回開閉を表わす奇数図柄が表示される。そして、ステップ62にて球受け部材23a,23bを2回開閉させる信号が出力され、これに応じて駆動回路43は電磁ソレノイド24cを励磁させ、球受け部材23a、23bを回動させて、入球口22a,22bを一定間隔で2回一定時間の開放を行わせる。これにより、遊技球の可変入賞球装置20内への入球の可能性が高められる。そして、球受け部材23a,23bの開閉終了後に、ステップ59にて始動口制限状態が解除され、プログラムはステップ52に戻され、以下上記した処理が繰り返される。
以上に説明したように、本実施形態によれば、可変入賞球装置20への入賞を可能にする球受け部材23a,23bの開閉による入球口の開放の回数が、遊技球が始動口14a,14bに入賞した後、すぐには遊技者に明らかにされず、変動図柄表示部15の表示内容が確定した後に、はじめて明らかにされる。そのため、遊技者は、球受け部材23a,23bの回動回数が何回になるかについて期待感をもつことができ、遊技の進行が複雑化されることにより遊技に対する興趣が高められる。
さらに、開閉回数を、通常回数である1回と特別回数である2回とに分けることにより、特別回数の発生への期待感を高めることができる。また、始動口14a,14bへの遊技球の入賞から球受け部材23a,23bの開閉回数の変動図柄表示部15への表示までに一定時間を設けたことにより、開閉回数決定に至るまでの期待感が高められる。
そして、上記「可変入賞制御プログラムI」の実行中に、図5に示す「入賞球制御インタラプトプログラム」の割り込み実行が制御回路41によって行われ、球受け部材23a,23bの開閉に伴う可変入賞球装置20内の作動制御が行われる。すなわち、図5に示すステップ70にてプログラムの実行が開始され、ステップ71及びステップ81にて球受け部材23a,23bが1回開閉か2回開閉か、すなわち開閉バー24a,24bの電磁ソレノイド24cの1回駆動が開始されたか2回駆動が開始されたかが判定される。すなわち、始動口14aまたは14bに遊技球が入賞し、変動図柄表示部15が一の図柄を選択表示した後、一定時間が経過すると電磁ソレノイド24cの駆動が開始され、球受け部材23a,23bが回動して入球口22a,22bを開閉させる。1回駆動の場合には、ステップ71にて「YES」との判定の基に、ステップ72にて電磁ソレノイド24cの駆動と同時に、制御回路41に設けたタイマが一定時間t0 のカウントを開始する。この一定時間t0 は、球受け部材23a,23bの1回開閉が終了するまでの開閉時間tA1と大入賞判定有効時間tB とを合わせた時間である。大入賞判定有効時間tB とは、球受け部材23a,23bが閉鎖する直前に入賞した入賞球が、特別入賞口に入賞するまでの時間を考慮して定められたもので例えば4秒である。
そして、ステップ73,ステップ74にて開閉時間tA1内に入球口22a,22bに入球したか否か、すなわち入賞球が検出されたか否かが判定される。入球しないときは、ステップ73にて「YES」との判定の基に、プログラムはステップ75に移されて、制御回路41はプログラムの実行を終了する。入球したときは、ステップ74にて「YES」との判定の基にプログラムは、ステップ76に移されて、ステップ76,ステップ77にて一定時間t0 内に特別入賞口25eに入球したか否か、すなわち大入賞球が検出されたか否かが判定される。大入賞しないときには、ステップ76にて「YES」との判定の基に、プログラムはステップ75に移されて、制御回路41はプログラムの実行を終了する。大入賞したときは、ステップ77にて「YES」との判定の基にプログラムは、ステップ78に移されて、始動口14a,14bへの遊技球の入賞を球受け部材23a,23b開閉の対象としない始動口制限状態にされ、さらにステップ79にて「大入賞ルーチン」が実行される。
「大入賞ルーチン」においては、上記したように、球受け部材23a,23bを連続して15回開閉させるか、または遊技球が10個入賞するまで開閉させる連続開閉動作が行われ、この連続開閉動作を行っている間に、遊技球が特別入賞口25eに入球すると、継続権が発生して直ちに連続開閉動作は中止され、一定時間後に新たな連続開閉動作が開始されるものである。そして、「大入賞ルーチン」の実行が終了すると、ステップ80にて始動口14a,14bへの遊技球の入賞を球受け部材23a,23b開閉の対象とする始動口制限状態の解除が行われた後、ステップ75にてプログラムの実行が終了する。
また、球受け部材が2回開閉の場合には、ステップ81にて「YES」との判定の基に、ステップ82にて電磁ソレノイド24cの駆動と同時に、制御回路41に設けたタイマが一定時間t1 のカウントを開始する。この一定時間t1 は、球受け部材23a,23bの2回開閉が終了するまでの開閉時間tA2と大入賞判定有効時間tB とを合わせた時間である。
そして、ステップ83、テップ84にて開閉時間tA2内に入球口22a,22bに入球したか否か、すなわち入賞球が検出されたか否かが判定される。入球しないときは、ステップ83にて「YES」との判定の基に、プログラムはステップ75に移されて、制御回路41はプログラムの実行を終了する。入球したときは、ステップ84にて「YES」との判定の基にプログラムは、ステップ85に移されて、ステップ85,ステップ86にて一定時間t1 内に特別入賞口25eに入球したか否か、すなわち大入賞球が検出されたか否かが判定される。大入賞しないときには、ステップ85にて「YES」との判定の基に、プログラムはステップ75に移されて、制御回路41はプログラムの実行を終了する。大入賞したときは、ステップ86にて「YES」との判定の基にプログラムは、ステップ87に移されて、始動口14a,14bへの遊技球の入球を球受け部材23a,23b開閉の対象としない始動口制限状態にされ、さらにステップ88にて大入賞ルーチンが実行される。そして、「大入賞ルーチン」の実行が終了すると、ステップ89にて始動口14a,14bへの遊技球の入球を球受け部材23a,23b開閉の対象とする始動口制限状態の解除が行われた後、ステップ75にてプログラムの実行が終了する。以上のように、球受け部材23a,23bの開閉が1回と2回の場合の、可変入賞球装置20内の作動制御が行われる。
つぎに、第2の実施形態について図面より説明する。第2の実施形態においては、図6に示すように、変動図柄表示部46を2つの表示領域46a,46bに分けて、左側の表示領域46aを図1に示す左側の始動口14aに対応させ、右側の表示領域46bを右側の始動口14bに対応させたものである。各表示領域46a,46bには各々駆動回路47a,47bが設けられる。これにより第2の実施形態に係る電気制御装置の回路構成は、図7に示すようになる。また、制御回路41は、上記第1の実施形態と同様にカウンタの値に応じて球受け部材の開閉回数及び表示図柄を決定するようになっている。そして、制御回路41は、例えば開閉回数1回に対して異なった表示図柄の組を10個対応させ、開閉回数2回に対しては同一の表示図柄の組を5個対応させる。そして、「可変入賞制御プログラムII」のフローチャートとして、図8に示すように構成した。その他の構成は、上記第1の実施形態と同様である。
以上のように構成した第2の実施形態の動作について説明する。上記第1の実施形態において説明したように、パチンコ遊技機の電源スイッチ(図示しない)をオンさせることにより、「可変入賞制御プログラムII」の実行が図8に示すステップ100にて開始され、ステップ101にて各種変数の初期化処理が行われ、同時に両表示領域46a,46bの表示が「1」にされる。つぎにステップ102にて左右表示領域46a,46bの表示内容が読み取られ、ここでは左右とも「1」が、制御回路41に記憶される。そして、ステップ103及びステップ104にて、遊技球が左始動口14aか右始動口14bのいずれに入賞したが判定される。遊技球が左始動口14aに入賞したときは、ステップ103にて「YES」との判定の基にプログラムはステップ105に移され、始動口制限状態にされる。
つぎに、制御回路41は、ステップ106にてカウンタの数字により球受け部材23a,23bの開閉回数が1回かまたは2回かを決定する。そして、ステップ107にて開閉回数1回か2回かが選別され、1回のときにはステップ108にて数字列を表す図柄変動信号が一定時間出力される。駆動回路47aはこれに応じて、左側表示領域46aに図柄の変動を一定時間表示させる。さらに、一定時間後にステップ109にて、左側表示領域46aに右側表示領域46bと異なる図柄が表示され、球受け部材23a,23bの1回開閉を表わすことが表示される。そして、ステップ110にて球受け部材23a,23bを1回開閉させる信号が出力され、これに応じて駆動回路43は電磁ソレノイド24cを励磁させ、球受け部材23a、23bを回動させて、入球口22a,22bを一定時間例えば0.5秒開放させる。これにより、遊技盤11に供給された遊技球は、可変入賞球装置20内への入球の可能性が与えられる。
開閉回数が2回と決定されたときには、ステップ107にて開閉回数2回が選別され、ステップ112にてランダムな数字列を表す図柄変動信号を一定時間出力する。駆動回路42はこれに応じて、左側表示領域46aに図柄の変動を一定時間表示させる。さらに、一定時間後にステップ113にて、左側表示領域46aに右側表示領域46bと同一図柄が表示され、球受け部材23a,23bの2回開閉を表わすことが表示される。そして、ステップ114にて球受け部材23a,23bを2回開閉させる信号が出力され、これに応じて駆動回路43は電磁ソレノイド24cを励磁させ、球受け部材23a、23bを回動させて、入球口22a,22bを2回開放させる。これにより、遊技盤11に供給された遊技球の可変入賞球装置20内への入球の可能性が高められる。そして、球受け部材23a,23bの開閉終了後に、ステップ111にて始動口制限状態が解除され、プログラムはステップ52に戻され、以下上記した処理が繰り返される。
また、遊技球が右始動口14bに入賞したときは、ステップ104にて「YES」との判定の基にプログラムはステップ115に移され、始動口制限状態にされる。そして、ステップ116にて球受け部材23a,23bの開閉回数が決定される。1回のときは、ステップ117にて開閉回数1回が選別され、ステップ118にて右表示領域46bに一定時間図柄の変動が表示される。そして、変動表示が停止された後、ステップ119にて左表示領域46aと異なる一図柄が右表示領域46bに表示される。そして、ステップ120にて球受け部材23a,23bを1回開閉させる信号が出力され、これに応じて駆動回路43は電磁ソレノイド24cを励磁させ、球受け部材23a、23bを回動させて、入球口22a,22bを1回開放させる。
開閉回数が2回と決定されたときには、ステップ117にて開閉回数2回が選別され、ステップ121にてランダムな数字列を表す図柄変動信号を一定時間出力する。駆動回路47bはこれに応じて、右側表示領域46bに図柄の変動を一定時間表示させる。さらに、一定時間後にステップ122にて、右側表示領域46bに左側表示領域46aと同一の図柄が表示され、球受け部材23a,23bの2回開閉を表わすことが表示される。そして、ステップ123にて球受け部材23a,23bを2回開閉させる信号が出力され、これに応じて駆動回路43は電磁ソレノイド24cを励磁させ、球受け部材23a、23bを回動させて、入球口22a,22bを2回開放させる。
そして、球受け部材23a,23bの開閉終了後に、ステップ111にて始動口制限状態が解除され、プログラムはステップ102に戻され、以下上記した処理が繰り返される。なお、「可変入賞制御プログラムII」の繰り返し実行中に、上記「入賞球制御インタラプトプログラム」が割り込み実行されることについては、上記第1の実施形態と同様である。
以上に説明したように、第2の実施形態においては、遊技球が始動口14a,14bに入賞したことによって遊技者には球受け部材23a,23bの開閉回数が何回になるかは直ちに明かにはされず、変動図柄表示部46の入賞した始動口に対応する表示領域46a,46bの表示内容が確定し、他の始動口に対応する表示領域の表示内容との異同を判定することにより、はじめて明らかにされる。そのため、遊技者は、球受け部材23a,23bの開閉回数が何回になるかについて期待感をもつことができ、遊技の進行が複雑化されることにより遊技の興趣が高められる。
さらに、開閉回数を、通常回数である1回と特別回数である2回に分けることにより、特別回数の発生への期待感を高めることができると共に、両表示領域46a,46bの図柄の異同により、通常回数と特別回数の識別を容易にした。また、始動口14a,14bへの遊技球の入賞から球受け部材23a,23bの開閉回数の表示までに一定時間を設けたことにより、開閉回数決定に至るまでの期待感が高められる。
なお、上記実施形態においては、可変入賞球装置については、第1及び第2回転盤を用いたタイプのものについて説明しているが、可変入賞球装置については、この他に種々のタイプのものがあり、いずれのタイプに対しても本発明を適用することができる。
本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機を概略的に示す正面図である。 同パチンコ遊技機の遊技領域を概略的に示す拡大正面図である。 同パチンコ遊技機の電気制御装置の電気回路構成を示すブロック図である。 図3に示す制御回路により実行される「可変入賞制御プログラムI」のフローチャートである。 図3に示す制御回路により実行される「入賞球制御インタラプトプログラム」のフローチャートである。 第2の実施形態に係る変動図柄表示部を概略的に示す正面図である。 第2の実施形態に係る電気制御装置の電気回路構成を示すブロック図である。 図7に示す制御回路により実行される「可変入賞制御プログラムII」のフローチャートである。 従来例に係るパチンコ遊技機の遊技領域を概略的に示す拡大正面図ある。
符号の説明
10…本体、11…遊技盤、14a,14b…始動口、14c,14d…始動入賞検出スイッチ、15…変動図柄表示部、20…可変入賞球装置、22a,22b…入球口、23a,23b…球受け部材、24a,24b…開閉バー、24c…電磁ソレノイド、25…大入賞選別部、25b…入賞球検出スイッチ、25e…特別入賞口、25g…特別入賞球検出スイッチ、40…電気制御装置、41…制御回路、46…変動図柄表示部、46a…左表示領域、46b…右表示領域。

Claims (2)

  1. パチンコ遊技機の遊技盤面に設けられ、入球口と該入球口を開閉する球受け部材とを備えた可変入賞装置と、
    前記遊技盤面に設けられた2個の始動入賞口と、
    前記遊技盤面において前記2個の始動入賞口の間に設けられ、前記2個の始動入賞口に対応した2つの表示領域を有し、各表示領域にて複数の数字を変動表示すると共に変動表示を停止して各々一つの数字を表示する変動図柄表示部と、
    前記始動入賞口への遊技球の入賞に応じて、前記球受け部材の開閉回数を決定する開閉回数決定手段と、
    前記2個の始動入賞口のいずれか一方への遊技球の入賞により、前記開閉回数決定手段の決定結果に応じて、該始動入賞口に対応した一の表示領域に他の表示領域と異なる数字もしくは同一数字を表示させる図柄表示制御手段と、
    前記一の表示領域における一の数字の表示後に、前記開閉回数決定手段の決定結果に応じて前記球受け部材を開閉させる球受け部材開閉制御手段とを設け、
    前記入賞制御装置の制御回路は、ランダムな数字列を表す図柄変動信号を一定時間出力するとともに、駆動回路は、前記図柄変動信号に応じて、前記一の表示領域に数字の変動を一定時間表示させ、さらに一定時間後に、前記一の表示領域に前記他の表示領域と異なる数字もしくは同一数字を表示させることを特徴とするパチンコ遊技機の入賞制御装置。
  2. 前記2つの表示領域は共に前記変動図柄表示部にて隣接して設けられ、前記2個の始動入賞口及び前記2つの表示領域は、それぞれ左右の位置関係にあり、右側の始動入賞口は右側の表示領域に、左側の始動入賞口は左側の表示領域にそれぞれ対応することを特徴とするパチンコ遊技機の入賞制御装置。
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