JP2006254633A - 停電対策電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】健全な母線があるときに停電の状況に応じて電力の供給源を停電対策電源装置または健全な母線に切り換えて重要負荷の停電を極力防ぐことができる停電対策電源装置を提供する。
【解決手段】停電対策電源装置は、商用系統から2つの給電経路を介して重要負荷への電力の供給を継続し、一方の上記給電経路に電力が貯えられている分散型電源装置が備えられ、上記一方の給電経路の上記商用系統側の停電事故が発生したとき上記分散型電源装置から上記重要負荷に電力を供給する停電対策電源装置において、上記停電事故が所定の時間以上を経過しても回復しないとき、上記分散型電源装置の出力電圧を他方の上記給電経路の電圧の振幅と位相とに合わせられてから、上記一方の給電経路から上記他方の給電経路に電力を供給する経路が切り換えられる。
【選択図】図1
【解決手段】停電対策電源装置は、商用系統から2つの給電経路を介して重要負荷への電力の供給を継続し、一方の上記給電経路に電力が貯えられている分散型電源装置が備えられ、上記一方の給電経路の上記商用系統側の停電事故が発生したとき上記分散型電源装置から上記重要負荷に電力を供給する停電対策電源装置において、上記停電事故が所定の時間以上を経過しても回復しないとき、上記分散型電源装置の出力電圧を他方の上記給電経路の電圧の振幅と位相とに合わせられてから、上記一方の給電経路から上記他方の給電経路に電力を供給する経路が切り換えられる。
【選択図】図1
Description
この発明は、電力の供給経路で電力の供給が止まったときあらかじめ貯えられた分散型電源装置から電力を一時期供給して重要負荷での停電の発生を極力防止する停電対策電源装置に関する。
従来の常時商用給電方式の停電対策電源装置は、商用系統が正常なとき商用系統から停電対策の必要な重要負荷に電力が供給されている一方、商用系統の事故および電力を供給する経路の途中において発生する事故のために起こる停電に対しては、商用系統が正常時に分散型電源装置に貯えられた電力を重要負荷に供給している。このとき、分散型電源装置を事故の発生した箇所から分離するために、途中に設けられた遮断器を開放している(例えば、特許文献1参照)。
しかし、商用系統から重要負荷に電力を供給する経路の事故が回復に時間の掛かる、例えばケーブル事故などのような永久事故の場合、分散型電源装置に貯えられている電力が枯渇して重要負荷が停電してしまうという問題がある。
このような分散型電源装置に貯えられている電力の枯渇を予防するために、健全な状態にある上位母線から重要負荷に電力を供給する給電経路を設けることが考えられるが、分散型電源装置からの出力と同期が図られていないので、投入時に過電流や負荷電圧の変動が起こってしまうので、健全な母線があっても使えないという問題がある。
このような分散型電源装置に貯えられている電力の枯渇を予防するために、健全な状態にある上位母線から重要負荷に電力を供給する給電経路を設けることが考えられるが、分散型電源装置からの出力と同期が図られていないので、投入時に過電流や負荷電圧の変動が起こってしまうので、健全な母線があっても使えないという問題がある。
この発明の目的は、健全な母線があるときに停電の状況に応じて電力の供給源を停電対策電源装置または健全な母線に切り換えて重要負荷の停電を極力防ぐことができる停電対策電源装置を提供することである。
この発明に係わる停電対策電源装置は、複数の給電経路の1つに電力が貯えられている分散型電源装置が接続され、電力系統から上記複数の給電経路の1つを介して重要負荷への電力を供給し、上記分散型電源装置が接続されている接続点より上記電力系統側の給電経路に停電事故が発生したとき上記分散型電源装置から上記重要負荷に電力を供給する停電対策電源装置において、上記停電事故が所定の時間以上を経過しても回復しないとき、上記分散型電源装置の出力電圧の振幅と位相とを上記分散型電源装置が接続されていない上記給電経路の電圧の振幅と位相とに合わせてから、上記重要負荷に電力を供給する経路を上記分散型電源装置が接続されている給電経路から接続されていない上記給電経路に切り換える。
この発明に係わる停電対策電源装置の効果は、停電時に分散型電源装置から給電する時間が長引く状態のとき上位の構内系統から別途設けられた給電経路からの給電に切り換えることができるように、別途設けられた給電経路の電圧に分散型電源装置からの出力電圧の大きさを揃え、かつ位相を合わせるための制御装置が備えられているので、電圧差による過電流および負荷電圧の変動などが起こらずスムーズに給電経路を切り換えることができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わる停電対策電源装置が備えられた構内系統のブロック図である。
構内系統1は、連系遮断器2を介して商用系統3に連系されている。また、構内系統1は、電力供給の停止を極力避ける必要がある重要負荷4が接続されている。そして、重要負荷4が接続されている負荷系統5は、2つの給電経路10、11を経由して構内系統1から電力が供給されている。
図1は、この発明の実施の形態1に係わる停電対策電源装置が備えられた構内系統のブロック図である。
構内系統1は、連系遮断器2を介して商用系統3に連系されている。また、構内系統1は、電力供給の停止を極力避ける必要がある重要負荷4が接続されている。そして、重要負荷4が接続されている負荷系統5は、2つの給電経路10、11を経由して構内系統1から電力が供給されている。
そして、この発明の実施の形態1に係わる停電対策電源装置は、図1に示すように、構内系統1から重要負荷4に電力を供給する2つの給電経路10、11、一方の第1の給電経路10に備えられている分散型電源装置7および停電対策電源装置を制御する制御装置8から構成されている。
第1の給電経路10は、商用系統3が正常な状態にあるときに構内系統1から負荷系統5に電力を供給する、または分散型電源装置7からの電力供給が可能な時間で停電が復帰するときに分散型電源装置7から負荷系統5に電力を供給する経路である。
他方の第2の給電経路11は、商用系統3が正常であるが、第1の給電経路10でケーブル事故が発生したときに構内系統1から負荷系統5に電力を供給する経路である。大半の場合、ケーブル事故が発生すると短時間では復旧することができない。
他方の第2の給電経路11は、商用系統3が正常であるが、第1の給電経路10でケーブル事故が発生したときに構内系統1から負荷系統5に電力を供給する経路である。大半の場合、ケーブル事故が発生すると短時間では復旧することができない。
第1の給電経路10は、構内系統1から直列に第1の系統側給電遮断器13、第1の給電経路10の地絡事故の電流を計測する系統側計器用変流器14、系統側計器用変流器14に直列に接続され、系統側から負荷側に電力が給電される第1のケーブル15、高速に第1の給電経路10を開閉する高速スイッチ17、高速スイッチ17と負荷系統5との間を開閉する第1の負荷側給電遮断器18、第1の給電経路10から負荷系統5に流れる電流を計測する負荷側計器用変流器19、第1のケーブル15と高速スイッチ17の間に系統側電圧を計測するための系統側計器用変圧器20が接続されている。
なお、第1の系統側給電遮断器13が投入されているとき系統側給電遮断器状態信号ξ4の論理が「0」になっており、第1の系統側給電遮断器13が開放されているとき系統側給電遮断器状態信号ξ4の論理が「1」になっている。
なお、第1の系統側給電遮断器13が投入されているとき系統側給電遮断器状態信号ξ4の論理が「0」になっており、第1の系統側給電遮断器13が開放されているとき系統側給電遮断器状態信号ξ4の論理が「1」になっている。
また、第1の給電経路10は、高速スイッチ17と第1の負荷側給電遮断器18との間から電源側計器用変圧器21、電源側計器用変流器22および電源側遮断器23を介して分散型電源装置7が接続されている。
また、系統側計器用変流器14で計測された地絡電流は地絡方向継電器(DGR)25に入力され、ケーブル15に地絡事故が発生したとき地絡方向継電器25からケーブル地絡事故信号が制御装置8に送信される。
また、高速スイッチ17の開放が完了したとき、高速スイッチ状態信号ξ1の論理が「1」に変化し、高速スイッチ17の投入が完了したとき、高速スイッチ状態信号ξ1の論理が「0」に変化する。
一方、第2の給電経路11は、構内系統1と第2の給電経路11を開閉する第2の系統側給電遮断器27、負荷系統5と第2の給電経路11との間を開閉する第2の負荷側給電遮断器28、第2の系統側給電遮断器27と第2の負荷側給電遮断器28とを接続する第2のケーブル16、第2の負荷側給電遮断器28の構内系統側に第2の給電経路11の電圧を計測するBP側計器用変圧器29が備えられている。
ここで、第2の負荷側給電遮断器28の投入が完了したとき、負荷側給電遮断器状態信号ξ2の論理が「1」に変化し、第2の負荷側給電遮断器28の開放が完了したとき、負荷側給電遮断器状態信号ξ2の論理が「0」に変化する。
ここで、第2の負荷側給電遮断器28の投入が完了したとき、負荷側給電遮断器状態信号ξ2の論理が「1」に変化し、第2の負荷側給電遮断器28の開放が完了したとき、負荷側給電遮断器状態信号ξ2の論理が「0」に変化する。
分散型電源装置7は、変圧器31、双方向変換の交直変換装置32および分散型電源としてのナトリウム−硫黄電池33から構成されている。
制御装置8は、図1に示すように、重要負荷4に電力を供給する経路を選択する経路選択部35、交直変換装置32のPWM制御において用いられる位相を連系運転するときに第1の給電経路10の位相に、バイパス運転するときに第2の給電経路11の位相に同期させる位相調整部36、自立運転/連系運転/バイパス給電運転の運転モード切替条件を判断する運転モード切替部37、分散型電源装置7の出力が所望の電力値になるように制御する電力制御部38、電力制御部38からの電流基準値に基づいて電圧基準値を求める交流電流制御部39、分散型電源装置7の出力電圧が所望の電圧値になるように制御する交流電圧制御部40、交直変換装置32のPWM制御を行うPWM制御部41から構成されている。
また、制御装置8は、選択されている経路の電圧が制御UVR整定値(VUVR)より下回ったときに不足電圧信号ζ1の論理を「0」から「1」に変化する制御UVR30を有する。
なお、制御装置8は、CPU、RAM、ROM、インタフェース回路を具備するコンピュータから構成されている。
また、制御装置8は、選択されている経路の電圧が制御UVR整定値(VUVR)より下回ったときに不足電圧信号ζ1の論理を「0」から「1」に変化する制御UVR30を有する。
なお、制御装置8は、CPU、RAM、ROM、インタフェース回路を具備するコンピュータから構成されている。
次に、経路選択部35の動作について図2を参照して説明する。図2は、経路選択部35の制御に関するブロック線図である。
バイパス経路確認部44は、外部のスイッチをONすることにより入力される第2の給電経路11の使用を許可するバイパス給電許可信号ξ3と第1の系統側給電遮断器13の状態を示す系統側給電遮断器状態信号ξ4が入力され、バイパス経路使用信号ζ23が出力される。そして、バイパス給電許可信号ξ3と系統側給電遮断器状態信号ξ4の論理がともに「1」に変化したとき、バイパス経路使用信号ζ23の論理が「1」に変化する。
タイマ部45では、バイパス経路使用信号ζ23の論理が「1」に変化すると計時を開始し、計時した時間が所定の時間T3を超えたときバイパス選択指令信号ζ24の論理が「1」に変化する。
フリップフロップ部46は、S端子とR端子にそれぞれバイパス選択指令信号ζ24と系統側給電遮断器状態信号ξ4の論理が反転された信号が入力され、Q出力端子から経路選択信号ζ20が出力される。フリップフロップ部46では、S端子に入力されているバイパス選択指令信号ζ24の論理が「1」に変化すると経路選択信号ζ20の論理が「1」に変化して保持される。また、R端子に入力されている信号の論理が「1」に変化すると経路選択信号ζ20の論理が「0」に変化して保持される。
バイパス経路確認部44は、外部のスイッチをONすることにより入力される第2の給電経路11の使用を許可するバイパス給電許可信号ξ3と第1の系統側給電遮断器13の状態を示す系統側給電遮断器状態信号ξ4が入力され、バイパス経路使用信号ζ23が出力される。そして、バイパス給電許可信号ξ3と系統側給電遮断器状態信号ξ4の論理がともに「1」に変化したとき、バイパス経路使用信号ζ23の論理が「1」に変化する。
タイマ部45では、バイパス経路使用信号ζ23の論理が「1」に変化すると計時を開始し、計時した時間が所定の時間T3を超えたときバイパス選択指令信号ζ24の論理が「1」に変化する。
フリップフロップ部46は、S端子とR端子にそれぞれバイパス選択指令信号ζ24と系統側給電遮断器状態信号ξ4の論理が反転された信号が入力され、Q出力端子から経路選択信号ζ20が出力される。フリップフロップ部46では、S端子に入力されているバイパス選択指令信号ζ24の論理が「1」に変化すると経路選択信号ζ20の論理が「1」に変化して保持される。また、R端子に入力されている信号の論理が「1」に変化すると経路選択信号ζ20の論理が「0」に変化して保持される。
次に、位相調整部36の位相制御について説明する。図3は、位相調整部36の制御に係わるブロック線図である。
位相調整部36は、図3に示すように、経路選択信号ζ20の論理が「0」のとき第1の給電経路10の電圧VSa、VSb、VScを、また経路選択信号ζ20の論理が「1」のとき第2の給電経路11の電圧VBa、VBb、VBcを選択してそれを基準3相電圧とするスイッチ51、基準3相電圧を基準α相電圧VMαと基準β相電圧VMβとに変換する基準3相/αβ変換部52、基準α相電圧VMαと基準β相電圧VMβとを基準d軸電圧VMdと基準q軸電圧VMqとに変換する基準αβ/dq変換部53、電圧制御発振器54から出力される交直変換装置32の制御用の周波数fPからPCS位相θをθ=2πfPtに基づき求め、基準α相電圧VMαと基準d軸電圧VMdとの位相差ΔΘを、ΔΘ=arctan(VMq/VMd)に従って求める位相差検出部55、位相差ΔΘが零になるように例えば(比例+積分)演算し、その演算結果を基準周波数50Hzに加算して周波数を補正し、その周波数に対応するように演算して電圧制御発振器54に送られる制御電圧VLを求める周波数調整器56、制御電圧VLに基づいて周波数fPを可変する電圧制御発振器54から構成されている。
位相調整部36は、図3に示すように、経路選択信号ζ20の論理が「0」のとき第1の給電経路10の電圧VSa、VSb、VScを、また経路選択信号ζ20の論理が「1」のとき第2の給電経路11の電圧VBa、VBb、VBcを選択してそれを基準3相電圧とするスイッチ51、基準3相電圧を基準α相電圧VMαと基準β相電圧VMβとに変換する基準3相/αβ変換部52、基準α相電圧VMαと基準β相電圧VMβとを基準d軸電圧VMdと基準q軸電圧VMqとに変換する基準αβ/dq変換部53、電圧制御発振器54から出力される交直変換装置32の制御用の周波数fPからPCS位相θをθ=2πfPtに基づき求め、基準α相電圧VMαと基準d軸電圧VMdとの位相差ΔΘを、ΔΘ=arctan(VMq/VMd)に従って求める位相差検出部55、位相差ΔΘが零になるように例えば(比例+積分)演算し、その演算結果を基準周波数50Hzに加算して周波数を補正し、その周波数に対応するように演算して電圧制御発振器54に送られる制御電圧VLを求める周波数調整器56、制御電圧VLに基づいて周波数fPを可変する電圧制御発振器54から構成されている。
このように、位相のずれを周波数の偏差として補正し、基準3相電圧と交直変換装置32の出力電圧の位相を一致させることができる。そして、この一致したときの位相θを用いて交直変換装置32のPWM制御が行われる。
次に、運転モード切替部37の動作について図4を参照して説明する。図4は、運転モード切替部37のブロック線図である。
制御UVR復帰確認部61では、不足電圧信号ζ1の論理が「0」に変化すると、出力信号ζ2の論理が「1」に変化する。
タイマ部62では、制御UVR復帰確認部61の出力信号ζ2の論理が「1」に変化すると計時を開始し、計時した時間が所定の時間T1を超えたとき連系操作信号ζ3の論理が「1」に変化する。
制御UVR復帰確認部61では、不足電圧信号ζ1の論理が「0」に変化すると、出力信号ζ2の論理が「1」に変化する。
タイマ部62では、制御UVR復帰確認部61の出力信号ζ2の論理が「1」に変化すると計時を開始し、計時した時間が所定の時間T1を超えたとき連系操作信号ζ3の論理が「1」に変化する。
第1のフリップフロップ部63は、S端子とR端子にそれぞれ不足電圧信号ζ1と連系操作信号ζ3が入力される。第1のフリップフロップ部63では、S端子に入力されている不足電圧信号ζ1の論理が「1」に変化するとQ出力端子の論理が「1」に変化して保持される。また、第1のフリップフロップ部63では、R端子に入力されている連系操作信号ζ3の論理が「1」に変化するとQ(バー)出力端子の論理が「1」に変化して保持される。これらの出力がそれぞれ自立指令信号ζ4と連系指令信号ζ5である。
さらに、第1のフリップフロップ部63は、第2の負荷側給電遮断器28が投入状態にあるときには、Q(バー)出力端子が論理「1」に保持されるように、負荷側給電遮断器状態信号ξ2と、連系操作信号ζ3との論理和の信号がR端子に入力される。
さらに、第1のフリップフロップ部63は、第2の負荷側給電遮断器28が投入状態にあるときには、Q(バー)出力端子が論理「1」に保持されるように、負荷側給電遮断器状態信号ξ2と、連系操作信号ζ3との論理和の信号がR端子に入力される。
高速スイッチ開放部64では、自立指令信号ζ4の論理が「1」に変化するとそれに連動して、高速スイッチ開放指令信号ζ6を発信し、その信号が高速スイッチ17に送信される。
高速スイッチ開放確認部65は、高速スイッチ開放指令信号ζ6と高速スイッチ状態信号ξ1が入力され、高速スイッチ開放信号ζ7が出力される。そして、高速スイッチ開放指令信号ζ6と高速スイッチ状態信号ξ1の論理がともに「1」のとき、高速スイッチ開放信号ζ7の論理が「1」に変化する。
高速スイッチ開放確認部65は、高速スイッチ開放指令信号ζ6と高速スイッチ状態信号ξ1が入力され、高速スイッチ開放信号ζ7が出力される。そして、高速スイッチ開放指令信号ζ6と高速スイッチ状態信号ξ1の論理がともに「1」のとき、高速スイッチ開放信号ζ7の論理が「1」に変化する。
第2のフリップフロップ部66は、S端子とR端子にそれぞれ高速スイッチ開放信号ζ7と連系操作指令信号ζ17とが入力される。第2のフリップフロップ部66では、S端子に入力されている高速スイッチ開放信号ζ7の論理が「1」に変化するとQ出力端子の論理が「1」に変化して保持される。また、第2のフリップフロップ部66では、R端子に入力されている連系操作指令信号ζ17の論理が「1」に変化するとQ(バー)出力端子の論理が「1」に変化して保持される。これらの出力がそれぞれ自立中信号ζ9と連系中信号ζ10である。
また、電圧差判断部67では、基準d軸電圧VMdと電源側d軸電圧VPdとのd軸差分ΔVdを求め、そのd軸差分ΔVdが予め定められた閾値VTHdより小さいときd軸電圧差零信号τ3dの論理が「1」に変化し、基準q軸電圧VMqと電源側q軸電圧VPqとのq軸差分ΔVqを求め、そのq軸差分ΔVqが予め定められた閾値VTHqより小さいときq軸電圧差零信号τ3qの論理が「1」に変化する。
そして、d軸電圧差零信号τ3dとq軸電圧差零信号τ3qがともに論理「1」に変化したとき電圧差零信号τ3の論理が「1」に変化する。
そして、d軸電圧差零信号τ3dとq軸電圧差零信号τ3qがともに論理「1」に変化したとき電圧差零信号τ3の論理が「1」に変化する。
投入準備確認部68は、連系指令信号ζ5と電圧差零信号τ3が入力され、投入準備完了信号ζ11が出力される。そして、連系指令信号ζ5と電圧差零信号τ3がともに論理「1」になったとき、投入準備完了信号ζ11の論理が「1」に変化する。
タイマ部69では、投入準備完了信号ζ11が入力すると計時を開始し、計時した時間が所定の時間T2を超えたとき投入信号ζ12の論理が「1」に変化する。
スイッチ70は、経路選択信号ζ20の論理が「0」のとき、本線側、論理「1」のとき、バイパス側に切り換えられる。そして、本線側から投入信号ζ12がそのまま高速スイッチ投入指令信号として高速スイッチ17に送信される。一方、バイパス側から投入信号ζ12がそのままバイパス側遮断器投入指令信号として第2の負荷側給電遮断器28に送信される。
本線連系確認部71は、高速スイッチ状態信号ξ1の論理が反転された信号と投入信号ζ12が入力され、本線連系確認信号ζ15が出力される。そして、高速スイッチ状態信号ξ1の論理が「0」に変化し、投入信号ζ12の論理が「1」に変化したとき、本線連系確認信号ζ15の論理が「1」に変化する。
バイパス連系確認部72は、負荷側給電遮断器状態信号ξ2と投入信号ζ12が入力され、バイパス連系確認信号ζ16が出力される。そして、負荷側給電遮断器状態信号ξ2と投入信号ζ12の論理がともに「1」に変化したとき、バイパス連系確認信号ζ16の論理が「1」に変化する。
連系確認部73は、本線連系確認信号ζ15とバイパス連系確認信号ζ16が入力され、連系操作指令信号ζ17が出力される。そして、本線連系確認信号ζ15またはバイパス連系確認信号ζ16の論理のいずれかが「1」に変化したとき、連系操作指令信号ζ17の論理が「1」に変化する。
タイマ部69では、投入準備完了信号ζ11が入力すると計時を開始し、計時した時間が所定の時間T2を超えたとき投入信号ζ12の論理が「1」に変化する。
スイッチ70は、経路選択信号ζ20の論理が「0」のとき、本線側、論理「1」のとき、バイパス側に切り換えられる。そして、本線側から投入信号ζ12がそのまま高速スイッチ投入指令信号として高速スイッチ17に送信される。一方、バイパス側から投入信号ζ12がそのままバイパス側遮断器投入指令信号として第2の負荷側給電遮断器28に送信される。
本線連系確認部71は、高速スイッチ状態信号ξ1の論理が反転された信号と投入信号ζ12が入力され、本線連系確認信号ζ15が出力される。そして、高速スイッチ状態信号ξ1の論理が「0」に変化し、投入信号ζ12の論理が「1」に変化したとき、本線連系確認信号ζ15の論理が「1」に変化する。
バイパス連系確認部72は、負荷側給電遮断器状態信号ξ2と投入信号ζ12が入力され、バイパス連系確認信号ζ16が出力される。そして、負荷側給電遮断器状態信号ξ2と投入信号ζ12の論理がともに「1」に変化したとき、バイパス連系確認信号ζ16の論理が「1」に変化する。
連系確認部73は、本線連系確認信号ζ15とバイパス連系確認信号ζ16が入力され、連系操作指令信号ζ17が出力される。そして、本線連系確認信号ζ15またはバイパス連系確認信号ζ16の論理のいずれかが「1」に変化したとき、連系操作指令信号ζ17の論理が「1」に変化する。
次に、交直変換装置32の制御について図5〜図8を参照して説明する。図5は、連系運転中の電力制御部38、交流電流制御部39、PWM制御部41のブロック線図である。図6は、自立運転するときの交流電圧制御部40、PWM制御部41のブロック線図である。図7は、自立運転から第2の給電経路11を経由しての連系運転に移行するときに電源側電圧を第2の給電経路の電圧に揃える制御を行う交流電圧制御部40、PWM制御部41のブロック線図である。図8は、自立運転から連系運転に移行するときに電源側電圧を第1の給電経路の電圧に揃える制御を行う交流電圧制御部40、PWM制御部41のブロック線図である。
交流電流制御部39には、電力制御部38からの入力をON/OFFする電流基準切替部75が設けられている。連系中信号ζ10の論理が「1」に保持されているときONされる。
また、交流電流制御部39とPWM制御部41の間に、PWM制御部41への入力を切り換える電圧指令値切替部77が設けられている。連系中信号ζ10の論理が「1」に保持されているとき交流電流制御部39からのd軸電圧指令値VdREFdとq軸電圧指令値VqREFqとが選択され、自立中信号ζ9の論理が「1」に保持されているとき交流電圧制御部40からのd軸電圧指令値VdREFdとq軸電圧指令値VqREFqとが選択される。
また、交流電圧制御部40には、d軸電圧差検出部97とq軸電圧差検出部98への入力を切り換える対象電圧切替部76が設けられている。自立指令信号ζ4が入力されているときは、図6示すように、対象電圧切替部76の(1)が接続され、あらかじめ定められたd軸電圧基準VdREFとq軸電圧基準VqREFとを選択し、連系指令信号ζ5が入力されているときは、図7示すように、対象電圧切替部76の(2)が接続され、基準電圧から求められた基準d軸電圧VMdと基準q軸電圧VMqとを選択される。
最初に、商用系統3が正常な状況において商用系統3に連系中の停電対策電源装置について説明する。この状況においては、電流基準切替部75、電圧指令値切替部77に連系中信号ζ10が入力されている。
このように設定されているとき、有効になっている電力制御部38、交流電流制御部39およびPWM制御部41のブロック線図を図5に示す。このとき、図示しない方法によって検出される有効電力検出値PSと無効電力検出値QS、電源側計器用変圧器21からの3相の電源側電圧VPa、VPb、VPc、電源側計器用変流器22からの3相の電源側電流IPa、IPb、IPcが入力されている。
有効電力差検出部81は、有効電力基準PSREFと有効電力検出値PSとから有効電力差分ΔPを求める。そして、有効電力調整部82は、有効電力差分ΔPを例えば(比例+積分)演算して、d軸電流基準IdREFを求める。
一方、無効電力差検出部83は、無効電力基準QSREFと無効電力検出値QSとから無効電力差分ΔQを求める。そして、無効電力調整部84は、無効電力差分ΔQを例えば(比例+積分)演算してq軸電流基準IqREFを求める。
有効電力差検出部81は、有効電力基準PSREFと有効電力検出値PSとから有効電力差分ΔPを求める。そして、有効電力調整部82は、有効電力差分ΔPを例えば(比例+積分)演算して、d軸電流基準IdREFを求める。
一方、無効電力差検出部83は、無効電力基準QSREFと無効電力検出値QSとから無効電力差分ΔQを求める。そして、無効電力調整部84は、無効電力差分ΔQを例えば(比例+積分)演算してq軸電流基準IqREFを求める。
また、電源側3相/αβ変換部85は、電源側計器用変流器22からの電源側電流IPa、IPB、IPcから電源側α相電流IPαと電源側β相電流IPβを求める。次に、電源側αβ/dq変換部86は、電源側α相電流IPαと電源側β相電流IPβから電源側d軸電流検出値IPdと電源側q軸電流検出値IPqを求める。
また、d軸電流差検出部87は、d軸電流基準IdREFと電源側d軸電流検出値IPdとからd軸電流差分ΔIdを求める。また、q軸電流差検出部88は、q軸電流基準IqREFと電源側q軸電流検出値IPqとからq軸電流差分ΔIqを求める。
また、有効電流調整部89は、d軸電流差分ΔIdを例えば(比例+積分)演算し、その演算結果に電源側d軸電圧VPdを加算してd軸電圧基準VdREFdを求める。そして、連系中信号ζ10の論理が「1」となっているので、電圧指令値切替部77を通してd軸電圧指令値V(ハット)dとしてこのd軸電圧指令値VdREFdが選択される。
また、無効電流調整部90は、q軸電流差分ΔIqを例えば(比例+積分)演算し、その演算結果に電源側q軸電圧VPqを加算してq軸電圧基準VqREFqを求める。そして、連系中信号ζ10の論理が「1」となっているので、電圧指令値切替部77を通してq軸電圧指令値V(ハット)qとしてこの無効電圧指令値VqREFqが選択される。
また、有効電流調整部89は、d軸電流差分ΔIdを例えば(比例+積分)演算し、その演算結果に電源側d軸電圧VPdを加算してd軸電圧基準VdREFdを求める。そして、連系中信号ζ10の論理が「1」となっているので、電圧指令値切替部77を通してd軸電圧指令値V(ハット)dとしてこのd軸電圧指令値VdREFdが選択される。
また、無効電流調整部90は、q軸電流差分ΔIqを例えば(比例+積分)演算し、その演算結果に電源側q軸電圧VPqを加算してq軸電圧基準VqREFqを求める。そして、連系中信号ζ10の論理が「1」となっているので、電圧指令値切替部77を通してq軸電圧指令値V(ハット)qとしてこの無効電圧指令値VqREFqが選択される。
電源側電圧3相/αβ変換部91は、電源側計器用変圧器21からの電源側電圧VPa、VPb、VPcを電源側α相電圧VPαと電源側β相電圧VPβに変換する。さらに、電源側電圧αβ/dq変換部92は、位相調整部36にて検出された位相θを用いて、電源側α相電圧VPαと電源側β相電圧VPβを電源側d軸電圧VPdと電源側q軸電圧VPqに変換する。
次に、dq/αβ変換部93は、有効電圧指令値V(ハット)dと無効電圧指令値V(ハット)qをα相電圧指令値V(ハット)αとβ相電圧指令値V(ハット)βに変換する。さらに、αβ/3相変換部94は、α相電圧指令値V(ハット)αとβ相電圧指令値V(ハット)βを3相の電圧指令値V(ハット)a、V(ハット)b、V(ハット)cに変換する。最後に、3相の電圧指令値V(ハット)a、V(ハット)b、V(ハット)cが入力されたゲートパルス発生部95は、これら電圧指令値に従って交直変換装置32のスイッチング素子のゲートを制御するゲートパルス信号を出力する。
このようにして有効電力基準PSREFと無効電力基準QSREFに従った電力が出力される。
このようにして有効電力基準PSREFと無効電力基準QSREFに従った電力が出力される。
次に、制御UVR30が動作して不足電圧信号ζ1が運転モード切替部37に入力されると、自立指令信号ζ4が対象電圧切替部76に入力される。そして、高速スイッチ17が開放され、自立中信号ζ9の論理が「1」に変化し、電圧指令値切替部77に入力される。そこで、この状況において有効になっている交流電圧制御部40、PWM制御部41の動作について図6を参照して説明する。
d軸電圧差検出部97は、予め1として定められているd軸電圧基準VdREFから電源側d軸電圧VPdを減算してd軸電圧差分ΔVdを算出する。また、q軸電圧差検出部98は、予め零として定められているq軸電圧基準VqREFから電源側q軸電圧VPqを減算してq軸電圧差分ΔVqを算出する。
また、d軸電圧調整部99は、d軸電圧差分ΔVdを例えば(比例+積分)演算してd軸電圧基準VdREFdを算出する。また、q軸電圧調整部100は、q軸電圧差分ΔVqを例えば(比例+積分)演算してq軸電圧基準VqREFqを算出する。
そして、d軸電圧基準VdREFdをそのまま有効電圧指令値V(ハット)dとする。また、q軸電圧基準VqREFqをそのまま無効電圧指令値V(ハット)qとする。
このように重要負荷4に対して電圧制御した電力を分散型電源装置7から供給するので、負荷系統5として自立運転することができる。
そして、d軸電圧基準VdREFdをそのまま有効電圧指令値V(ハット)dとする。また、q軸電圧基準VqREFqをそのまま無効電圧指令値V(ハット)qとする。
このように重要負荷4に対して電圧制御した電力を分散型電源装置7から供給するので、負荷系統5として自立運転することができる。
次に、バイパス給電許可信号ξ3が入力され、第1の系統側給電遮断器13が開放されているとき、所定の時間T3が経過すると、経路選択信号ζ20の論理が「1」に変わって保持される。
基準電圧切換スイッチ51が第2の給電経路11側に切り換えられ、第2の給電経路11側は健全なので、d軸基準電圧VMdとq軸基準電圧VMqが制御UVR整定値より大きく、不足電圧信号ζ1の論理が「0」に戻り、連系指令信号ζ5の論理が「1」に変化して保持される。このとき有効になっている交流電圧制御部40とPWM制御部41の動作について図7を参照して説明する。
基準電圧切換スイッチ51が第2の給電経路11側に切り換えられているので、基準3相/αβ変換部52からバイパスα相電圧VBαとバイパスβ相電圧VBβが出力される。そして、基準αβ/dq変換部53からバイパスd軸電圧VBdとバイパスq軸電圧VBqが出力される。
そして、対象電圧切替部76が連系指令側に切り換えられているので、d軸電圧差検出部97にバイパスd軸電圧VBd、q軸電圧差検出部98にバイパスq軸電圧VBqが入力され、分散型電源装置7からの出力を第2の給電経路11の電圧に振幅と位相とが合わされる。
このように第2の給電経路11の電圧に分散型電源装置7の出力を合わせてから第2の負荷側給電遮断器28を投入するので、投入に伴う電圧の変動を重要負荷4に与えることがない。
そして、第2の負荷側給電遮断器28が投入されると、第2のフリップフロップ部66のR端子に論理「1」が入力されて、連系中信号ζ10の論理が「1」に保持され、電流基準切替部75、電圧指令値切替部77のスイッチが切り替わって、元の連系運転状態に戻る。
基準電圧切換スイッチ51が第2の給電経路11側に切り換えられ、第2の給電経路11側は健全なので、d軸基準電圧VMdとq軸基準電圧VMqが制御UVR整定値より大きく、不足電圧信号ζ1の論理が「0」に戻り、連系指令信号ζ5の論理が「1」に変化して保持される。このとき有効になっている交流電圧制御部40とPWM制御部41の動作について図7を参照して説明する。
基準電圧切換スイッチ51が第2の給電経路11側に切り換えられているので、基準3相/αβ変換部52からバイパスα相電圧VBαとバイパスβ相電圧VBβが出力される。そして、基準αβ/dq変換部53からバイパスd軸電圧VBdとバイパスq軸電圧VBqが出力される。
そして、対象電圧切替部76が連系指令側に切り換えられているので、d軸電圧差検出部97にバイパスd軸電圧VBd、q軸電圧差検出部98にバイパスq軸電圧VBqが入力され、分散型電源装置7からの出力を第2の給電経路11の電圧に振幅と位相とが合わされる。
このように第2の給電経路11の電圧に分散型電源装置7の出力を合わせてから第2の負荷側給電遮断器28を投入するので、投入に伴う電圧の変動を重要負荷4に与えることがない。
そして、第2の負荷側給電遮断器28が投入されると、第2のフリップフロップ部66のR端子に論理「1」が入力されて、連系中信号ζ10の論理が「1」に保持され、電流基準切替部75、電圧指令値切替部77のスイッチが切り替わって、元の連系運転状態に戻る。
また、地絡事故が回復して第1の給電経路10からの給電状態に戻す場合には、手動操作で一般的な無停電切替方法(ループ切り換え方式)により行う。
その操作手順の一例を示すと、まず分散型電源装置7を停止し、第1の負荷側給電遮断器18を開放する。次に、第1の系統側給電遮断器13、高速スイッチ17の順に投入して、第1の負荷側給電遮断器18を投入して、第2の負荷側給電遮断器28を開放して、第2の給電経路11からの給電操作を終了する。
その後、分散型電源装置7を起動して、一連の操作を終了する。
その操作手順の一例を示すと、まず分散型電源装置7を停止し、第1の負荷側給電遮断器18を開放する。次に、第1の系統側給電遮断器13、高速スイッチ17の順に投入して、第1の負荷側給電遮断器18を投入して、第2の負荷側給電遮断器28を開放して、第2の給電経路11からの給電操作を終了する。
その後、分散型電源装置7を起動して、一連の操作を終了する。
次に、上位系統として商用系統3にて停電が発生し、その後短時間で商用系統3が復電したときの停電対策電源装置の動作について図8を参照して説明する。
第1の給電経路10から重要負荷4に給電されている。そして商用系統3において停電が発生したとする。
S101で、制御UVR30は、不足電圧信号ζ1の論理を「1」に変化する。
S102で、連系指令信号ζ5の論理が「0」に、自立指令信号ζ4の論理が「1」に変化して保持される。
S103で、高速スイッチ17が開放される。
S104で、高速スイッチ17が開放されたことを確認後、自立中信号ζ9の論理が「1」に変化して保持される。
S105で、分散型電源装置7は、運転が電力制御から電圧制御に切り換えられて、自立運転される。
ここで商用系統3が復電する。
S106で、制御UVR30は、不足電圧信号ζ1の論理を「0」に変化する。
S107で、所定の時間T1が経過後、連系指令信号ζ5の論理が「1」になり、自立指令信号ζ4の論理が「0」になる。
S108で、分散型電源装置7の電圧を第1の給電経路10の電圧に同期する。
S109で、同期が図られたとき、所定の時間T2経過後高速スイッチ17を投入する。
S110で、高速スイッチ17の投入を確認後、連系中信号ζ10の論理が「1」に、自立中信号ζ9の論理が「0」に変化して保持される。
S111で、分散型電源装置7は、運転が電圧制御から電力制御に切り換えられて、第1の給電経路10と連系運転される。
第1の給電経路10から重要負荷4に給電されている。そして商用系統3において停電が発生したとする。
S101で、制御UVR30は、不足電圧信号ζ1の論理を「1」に変化する。
S102で、連系指令信号ζ5の論理が「0」に、自立指令信号ζ4の論理が「1」に変化して保持される。
S103で、高速スイッチ17が開放される。
S104で、高速スイッチ17が開放されたことを確認後、自立中信号ζ9の論理が「1」に変化して保持される。
S105で、分散型電源装置7は、運転が電力制御から電圧制御に切り換えられて、自立運転される。
ここで商用系統3が復電する。
S106で、制御UVR30は、不足電圧信号ζ1の論理を「0」に変化する。
S107で、所定の時間T1が経過後、連系指令信号ζ5の論理が「1」になり、自立指令信号ζ4の論理が「0」になる。
S108で、分散型電源装置7の電圧を第1の給電経路10の電圧に同期する。
S109で、同期が図られたとき、所定の時間T2経過後高速スイッチ17を投入する。
S110で、高速スイッチ17の投入を確認後、連系中信号ζ10の論理が「1」に、自立中信号ζ9の論理が「0」に変化して保持される。
S111で、分散型電源装置7は、運転が電圧制御から電力制御に切り換えられて、第1の給電経路10と連系運転される。
次に、第1の給電経路10の第1のケーブル15でケーブル事故が発生し、長時間に亘って第1の給電経路10が回復しないと予測され、第2の給電経路11からの給電が許可されたときの停電対策電源装置の動作について図9を参照して説明する。
第1の給電経路10から重要負荷4に給電されているとき、第1のケーブル15で地絡事故が発生したとする。
S201で、地絡方向継電器25が動作して、第1の系統側給電遮断器13が開放され、第1の給電経路10が停電する。
S202で、制御UVR30は、不足電圧信号ζ1の論理を「1」に変化する。
S203で、連系指令信号ζ5の論理が「0」に、自立指令信号ζ4の論理が「1」に変化して保持される。
S204で、高速スイッチ17が開放される。
S205で、高速スイッチ17が開放されたことを確認後、自立中信号ζ9の論理が「1」に変化して保持される。
S206で、分散型電源装置7は、運転が電力制御から電圧制御に切り換えられて、自立運転される。
S207で、第1の系統側給電遮断器13が開放され、かつ第1のケーブル15の復旧に時間が掛かると推定され、第2の給電経路11からの給電が許可されると、経路選択信号の切り換えが行われて、第1の給電経路10の電圧から第2の給電経路11の電圧に切り換えられる。
S208で、制御UVR30に入力される電圧が第2の給電経路11の電圧になるので、不足電圧信号ζ1の論理を「0」に変化する。
S209で、所定の時間T1が経過後、連系指令信号ζ5の論理が「1」になり、自立指令信号ζ4の論理が「0」になる。
S210で、分散型電源装置7の電圧を第2の給電経路11の電圧に同期する。
S211で、同期が図られたとき、所定の時間T2経過後第2の負荷側給電遮断器28を投入する。
S212で、第2の負荷側給電遮断器28の投入を確認後、連系中信号ζ10の論理が「1」に、自立中信号ζ9の論理が「0」に変化して保持される。
S213で、分散型電源装置7は、運転が電圧制御から電力制御に切り換えられて、第2の給電経路11と連系運転される。
第1の給電経路10から重要負荷4に給電されているとき、第1のケーブル15で地絡事故が発生したとする。
S201で、地絡方向継電器25が動作して、第1の系統側給電遮断器13が開放され、第1の給電経路10が停電する。
S202で、制御UVR30は、不足電圧信号ζ1の論理を「1」に変化する。
S203で、連系指令信号ζ5の論理が「0」に、自立指令信号ζ4の論理が「1」に変化して保持される。
S204で、高速スイッチ17が開放される。
S205で、高速スイッチ17が開放されたことを確認後、自立中信号ζ9の論理が「1」に変化して保持される。
S206で、分散型電源装置7は、運転が電力制御から電圧制御に切り換えられて、自立運転される。
S207で、第1の系統側給電遮断器13が開放され、かつ第1のケーブル15の復旧に時間が掛かると推定され、第2の給電経路11からの給電が許可されると、経路選択信号の切り換えが行われて、第1の給電経路10の電圧から第2の給電経路11の電圧に切り換えられる。
S208で、制御UVR30に入力される電圧が第2の給電経路11の電圧になるので、不足電圧信号ζ1の論理を「0」に変化する。
S209で、所定の時間T1が経過後、連系指令信号ζ5の論理が「1」になり、自立指令信号ζ4の論理が「0」になる。
S210で、分散型電源装置7の電圧を第2の給電経路11の電圧に同期する。
S211で、同期が図られたとき、所定の時間T2経過後第2の負荷側給電遮断器28を投入する。
S212で、第2の負荷側給電遮断器28の投入を確認後、連系中信号ζ10の論理が「1」に、自立中信号ζ9の論理が「0」に変化して保持される。
S213で、分散型電源装置7は、運転が電圧制御から電力制御に切り換えられて、第2の給電経路11と連系運転される。
このような停電対策電源装置は、停電時に分散型電源装置から給電する時間が長引く状態のとき上位の構内系統から別途設けられた給電経路からの給電に切り換えることができるように、別途設けられた給電経路の電圧に分散型電源装置からの出力電圧の大きさを揃え、かつ位相を同期するための制御装置が備えられているので、電圧差による過電流および負荷電圧の変動などが起こらずスムーズに給電経路を切り換えることができる。
そして、別途設けられた給電経路から重要負荷に給電することにより、分散型電源装置の貯えられている電力を使い切ったために起こる重要負荷の停電を防ぐことができる。
この発明に係わる停電対策電源装置は、上位の構内系統からの複数の給電経路を停電の状況に基づき切り換える手段を新たに分散型電源装置を制御する制御装置に備えたので、従来切り換えることのできなかった複数の給電経路を用いて信頼性のより高い停電対策を実現することができる。
この発明に係わる停電対策電源装置は、上位の構内系統からの複数の給電経路を停電の状況に基づき切り換える手段を新たに分散型電源装置を制御する制御装置に備えたので、従来切り換えることのできなかった複数の給電経路を用いて信頼性のより高い停電対策を実現することができる。
実施の形態2.
図10は、この発明の実施の形態2に係わる停電対策電源装置が備えられている構内系統のブロック図である。図11は、実施の形態2に係わる位相調整部のブロック図である。図12は、実施の形態2に係わる運転モード切替部のブロック図である。
実施の形態2に係わる停電対策電源装置は、実施の形態1に係わる停電対策電源装置と第2の負荷側給電遮断器28を投入する信号が同期検定器9から発せられることが異なっており、その他は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して同様な部分の説明は省略する。
同期検定器9は、負荷系統計器用変圧器26からの負荷系統側電圧とBP側計器用変圧器29からの第2の給電経路の電圧との位相が一致したとき、第2の負荷側給電遮断器28にBP側遮断器投入指令信号を送信する。
図10は、この発明の実施の形態2に係わる停電対策電源装置が備えられている構内系統のブロック図である。図11は、実施の形態2に係わる位相調整部のブロック図である。図12は、実施の形態2に係わる運転モード切替部のブロック図である。
実施の形態2に係わる停電対策電源装置は、実施の形態1に係わる停電対策電源装置と第2の負荷側給電遮断器28を投入する信号が同期検定器9から発せられることが異なっており、その他は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して同様な部分の説明は省略する。
同期検定器9は、負荷系統計器用変圧器26からの負荷系統側電圧とBP側計器用変圧器29からの第2の給電経路の電圧との位相が一致したとき、第2の負荷側給電遮断器28にBP側遮断器投入指令信号を送信する。
そして、実施の形態1と同様に、制御UVR30が動作すると、高速スイッチ開放信号ζ7が発せられ、分散型電源装置7は自立運転に移行する。
位相調整部36Bは、図11に示すように、経路選択信号ζ20の論理が「1」に変化して保持されると、スイッチ57がONされて、交直変換装置32をPWM制御する基準周波数50Hzに0.1Hzが加算され、電源側電圧の周波数が50Hzに対して位相が進み、10秒毎に第2の給電経路の周波数の位相に同期が図られるので、同期検定器9はその同期がとれたとき、第2の負荷側給電遮断器28にBP側遮断器投入指令信号が送られる。
位相調整部36Bは、図11に示すように、経路選択信号ζ20の論理が「1」に変化して保持されると、スイッチ57がONされて、交直変換装置32をPWM制御する基準周波数50Hzに0.1Hzが加算され、電源側電圧の周波数が50Hzに対して位相が進み、10秒毎に第2の給電経路の周波数の位相に同期が図られるので、同期検定器9はその同期がとれたとき、第2の負荷側給電遮断器28にBP側遮断器投入指令信号が送られる。
また、運転モード切替部37Bは、図12に示すように、経路選択信号ζ20の論理が「1」に変化したとき、同期検定器9の動作を開始して、分散型電源装置7の出力電圧が第2の給電経路11の電圧に同期したとき、同期検定器9より第2の負荷側給電遮断器28を投入することが異なっており、その他は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して、同様な部分の説明は省略する。
同期検定器投入指令部74は、経路選択信号ζ20と連系操作信号ζ3が入力され、いずれか一方の論理が「1」のとき、論理「1」に変化する出力信号が発せられ、そのとき、第1のフリップフロップ部63のQ(バー)出力端子の論理が「1」に変化して保持される。
さらに、第1のフリップフロップ部63は、第2の負荷側給電遮断器28が投入状態にあるときには、Q(バー)出力端子が論理「1」に保持されるように、負荷側給電遮断器状態信号ξ2と、同期検定器投入指令部74からの信号との論理和の信号がR端子に入力される。
また、スイッチ70は、経路選択信号ζ20により切り換えられ、経路選択信号ζ20の論理が「1」のとき、バイパス側に切り換えられる。そして、第1のフリップフロップ部63のQ(バー)出力端子の論理が「1」に変化して保持されると、同期検定器動作信号ζ25を同期検定器9に送信される。この同期検定器動作信号ζ25に基づいて同期検定器9が動作を開始し、第1の給電経路11の電圧と負荷系統5の電圧との位相が合ったとき、第2の負荷側給電遮断器28にBP側遮断器投入指令信号を送信する。そして、第2の負荷側給電遮断器28の投入が完了すると、負荷側給電遮断器状態信号ξ2の論理が「1」に変化する。その結果、連系中信号ζ10の論理が「1」に変化して保持され、電圧制御から電力制御に切り換えられる。
さらに、第1のフリップフロップ部63は、第2の負荷側給電遮断器28が投入状態にあるときには、Q(バー)出力端子が論理「1」に保持されるように、負荷側給電遮断器状態信号ξ2と、同期検定器投入指令部74からの信号との論理和の信号がR端子に入力される。
また、スイッチ70は、経路選択信号ζ20により切り換えられ、経路選択信号ζ20の論理が「1」のとき、バイパス側に切り換えられる。そして、第1のフリップフロップ部63のQ(バー)出力端子の論理が「1」に変化して保持されると、同期検定器動作信号ζ25を同期検定器9に送信される。この同期検定器動作信号ζ25に基づいて同期検定器9が動作を開始し、第1の給電経路11の電圧と負荷系統5の電圧との位相が合ったとき、第2の負荷側給電遮断器28にBP側遮断器投入指令信号を送信する。そして、第2の負荷側給電遮断器28の投入が完了すると、負荷側給電遮断器状態信号ξ2の論理が「1」に変化する。その結果、連系中信号ζ10の論理が「1」に変化して保持され、電圧制御から電力制御に切り換えられる。
1 構内系統、2 連系遮断器、3 商用系統、4 重要負荷、5 負荷系統、7 分散型電源装置、8 制御装置、9 同期検定器、10、11 給電経路、13、27 系統側給電遮断器、14、19、22 計器用変流器、15、16 ケーブル、17 高速スイッチ、18、28 負荷側給電遮断器、20、21、26、29 計器用変圧器、23 電源側遮断器、25 地絡方向継電器、31 変圧器、32 交直変換装置、33 ナトリウム−硫黄電池、35 経路選択部、36、36B 位相調整部、37、37B 運転モード切替部、38 電力制御部、39 交流電流制御部、40 交流電圧制御部、41 PWM制御部、44 バイパス経路確認部、45、62、69 タイマ部、46、63、66 フリップフロップ部、51、57、70 スイッチ、52 基準3相/αβ変換部、53 基準αβ/dq変換部、54 電圧制御発振器、55 位相差検出部、56 周波数調整器、61 制御UVR復帰確認部、64 高速スイッチ開放部、65 高速スイッチ開放確認部、67 電圧差判断部、68 投入準備確認部、71 本線連系確認部、72 バイパス連系確認部、73 連系確認部、74 同期検定器投入指令部、75 電流基準切替部、76 対象電圧切替部、77 電圧指令値切替部、81 有効電力差検出部、82 有効電力調整部、83 無効電力差検出部、84 無効電力調整部、85 電源側3相/αβ変換部、86 電源側αβ/dq変換部、87 d軸電流差検出部、88 q軸電流差検出部、89 有効電流調整部、90 無効電流調整部、91 電源側電圧3相/αβ変換部、92 電源側電圧αβ/dq変換部、93 dq/αβ変換部、94 αβ/3相変換部、95 ゲートパルス発生部、97 d軸電圧差検出部、98 q軸電圧差検出部、99 d軸電圧調整部、100 q軸電圧調整部。
Claims (2)
- 複数の給電経路の1つに電力が貯えられている分散型電源装置が接続され、電力系統から上記複数の給電経路の1つを介して重要負荷への電力を供給し、上記分散型電源装置が接続されている接続点より上記電力系統側の給電経路に停電事故が発生したとき上記分散型電源装置から上記重要負荷に電力を供給する停電対策電源装置において、
上記停電事故が所定の時間以上を経過しても回復しないとき、上記分散型電源装置の出力電圧の振幅と位相とを上記分散型電源装置が接続されていない上記給電経路の電圧の振幅と位相とに合わせてから、上記重要負荷に電力を供給する経路を上記分散型電源装置が接続されている給電経路から接続されていない上記給電経路に切り換えることを特徴とする停電対策電源装置。 - 上記分散型電源装置は、上記停電事故が所定の時間以上を経過しても回復しないとき、上記分散型電源装置の出力電圧の周波数を所定の値だけ増減し、
上記分散型電源装置の出力電圧と上記分散型電源装置が接続されていない給電経路の電圧との位相が同期したとき、上記分散型電源装置が接続されている給電経路から上記接続されていない給電経路に電力を供給する経路を切り換える同期検定器が備えられていることを特徴とする請求項1に記載する停電対策電源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005069665A JP2006254633A (ja) | 2005-03-11 | 2005-03-11 | 停電対策電源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005069665A JP2006254633A (ja) | 2005-03-11 | 2005-03-11 | 停電対策電源装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006254633A true JP2006254633A (ja) | 2006-09-21 |
Family
ID=37094517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005069665A Pending JP2006254633A (ja) | 2005-03-11 | 2005-03-11 | 停電対策電源装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006254633A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7480543B2 (ja) | 2020-03-23 | 2024-05-10 | 富士電機株式会社 | 分散電源の系統連系システム及び系統連系方法、並びに、パワーコンディショナーシステム |
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2005
- 2005-03-11 JP JP2005069665A patent/JP2006254633A/ja active Pending
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