JP2006251056A - 偏光子、液晶表示素子、および偏光子作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 大きな基板に対して短い時間で作製できる偏光子、液晶表示素子、および偏光子作製方法を提供する。
【解決手段】 ワイヤーグリッド型偏光子15は、金属粒子を熱処理により細線化した金属細線14が1μm以下の周期で透明基板17a上に互いに平行に配列されている。液晶基板19は、液晶16を挟むように2枚の透明基板17a,17bを封入している。ワイヤーグリッド型偏光子15の後方には、液晶基板19に光源21からの光を導入する導光板18が設けられている。導光板18から放射される光は、ワイヤーグリッド型偏光子15との間で反射を繰り返すことで、透過方向に垂直な偏光の光も最終的には透過し、液晶基板19に導かれる。
【選択図】 図8
【解決手段】 ワイヤーグリッド型偏光子15は、金属粒子を熱処理により細線化した金属細線14が1μm以下の周期で透明基板17a上に互いに平行に配列されている。液晶基板19は、液晶16を挟むように2枚の透明基板17a,17bを封入している。ワイヤーグリッド型偏光子15の後方には、液晶基板19に光源21からの光を導入する導光板18が設けられている。導光板18から放射される光は、ワイヤーグリッド型偏光子15との間で反射を繰り返すことで、透過方向に垂直な偏光の光も最終的には透過し、液晶基板19に導かれる。
【選択図】 図8
Description
この発明は、偏光子、液晶表示素子、および偏光子作製方法に関し、より特定的には、金属細線からなる反射型の偏光子、それを用いた液晶表示素子、およびその偏光子の作製方法に関する。
近年、液晶表示装置は、薄型・軽量・低消費電力等の特徴から、高度情報・通信時代に必須の表示素子として多用されている。この結果、液晶表示素子は、その用途が年々拡大し、更なる薄型化・軽量化・低消費電力化が求められている。液晶表示装置は、光の偏光を利用した表示装置であることから、偏光子が欠くことのできない重要な部材となっている。
しかし、液晶表示素子に一般的に用いられる偏光子は、高分子フィルム基板にヨウ素や有機染料などの二色性の材料を染色・吸収させ、高度に延伸・配向させたものである。このようにして作製された偏光子は、光の一方の偏光成分を透過し、他方を吸収する吸収型の特性を示す。このため、当該偏光子は、偏光を得るために投入される光の50%が原理的に吸収され、熱として損失される。このため、光の利用効率が悪い。また、当該偏光子は、吸収型の偏光子であるため、フィルムにはある程度の厚みが必要で、通常は数百μmとなる。このため、当該偏光子を用いるのは、1mm程度の厚みの液晶表示素子を作製する上では大きな障害となる。
上記に対し、光の一方の偏光成分を透過し、他方を反射する反射型の偏光子としては、金属細線を平行に並べたワイヤーグリッド型の偏光子が知られている。ワイヤーグリッド型偏光子は、金属細線に垂直に振動する光を透過し、金属細線に平行に振動する光を反射する特性を有する。このため、当該偏光子は、反射された光を、偏光を回転させた後に再入射することによって、吸収による損失を受けることなく、高い効率で直線偏光を得ることができる。また、当該偏光子は、反射型の偏光子であるため、実質的な厚みは1μm以下である。このため、偏光子の大幅な薄型化が可能となる。
ワイヤーグリッド型の偏光子が偏光特性を示すのは、金属細線の周期が使用波長より十分に短い場合のため、波長の長い電磁波に対しては古くから用いられている。最近では、微細加工技術の進歩により、ワイヤーグリッド型偏光子を可視光領域で使用することが提案されている。この従来技術では、基板上に予め所定の厚みの金属膜を形成し、その金属膜をフォトリソグラフィーにより微細加工して金属細線を得ている。
従来の偏光光学素子は、屈折率がn1の基板上に形成されるとともに、屈折率がn0の物質によって上面が覆われた金属格子を備え、金属格子に入射する光を偏光方向に応じて透過光と反射光とに分離する。当該光の波長は、格子周期をdとしたとき、n0×dよりも大きく、かつn1×dよりも小さい(たとえば、特許文献1参照)。
従来の偏光分離素子は、使用波長領域において実質透明な基板上に、使用波長よりも小さな周期で配列した回折格子からなる。当該回折格子は、複数の金属または金属化合物を積層することにより形成されている。より特定的には、当該複数の金属または金属化合物は、基板に接していない側の材料に比べて、基板に接する側の材料の融点が高い(たとえば、特許文献2参照)。
また、フォトリソグラフィーの技術を用いずにワイヤーグリッド型偏光子を得る方法としては、金属膜を延伸させることで金属細線を得る方法が提案されている。この従来技術では、柔軟な材料よりなる基板に所定の厚みの金属膜を形成した後、当該基板を延伸させることで金属細線を得ている。
従来のワイヤーグリッド型偏光光学素子は、透明で柔軟な誘電体基板上に金属膜を形成し、金属膜の融点以下で基板と金属膜とを延伸することにより、異方的な形状を有する金属部分と誘電体部分とからなる構造を有する。当該構造の短い方向の長さは光の波長より短く、長い方向の長さは光の波長より長い(たとえば、特許文献3参照)。
特開平9−288211号公報
特開2004−45672号公報
特開2001−74935号公報
フォトリソグラフィーを用いたワイヤーグリッド型偏光子の作製では、1μm以下の微細加工における大面積化が難しく、また、加工面積が大きくなるにしたがい、急激にタクトタイム(製品1個当りの生産速度)が長くなる。このため、フォトリソグラフィーを用いたワイヤーグリッド型偏光子は、光ピックアップやプロジェクタのような非常に小さい偏光子への応用に限られる。
また、金属膜を延伸させるワイヤーグリッド型偏光子の作製では、偏光子を形成する基板を延伸させるため、柔軟な材料であることが前提となる。このため、金属膜を延伸させるワイヤーグリッド型偏光子は、液晶基板のような材料特性の素子の上に作りこむことができない。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、大きな基板に対して短い時間で作製できる偏光子、液晶表示素子、および偏光子作製方法を提供することである。
この発明のある局面による偏光子は、基板と、基板の表面に形成され、配向処理により互いに平行で周期的な溝が形成された配向性分子膜と、溝に沿って線状に配列された金属粒子を熱処理することにより、溝に沿って互いに平行に配置された金属細線とを備える。
好ましくは、金属細線の幅は、金属細線の配置間隔の周期に対して10%以上かつ30%以下である。
好ましくは、金属粒子の直径は、20nm以上かつ100nm以下である。
好ましくは、金属細線の配置間隔の周期は、200nm以下である。
好ましくは、金属粒子は、銀、金、銅、または、銀、金および銅の少なくとも一つを含有する金属材料から構成される。
好ましくは、配向処理は、ラビングによって行なわれる。
好ましくは、熱処理は、400度C以下で行なわれる。
この発明の他の局面による液晶表示素子は、基板と、基板の表面に形成され、配向処理により互いに平行で周期的な溝が形成された配向性分子膜と、溝に沿って線状に配列された金属粒子を熱処理することにより、溝に沿って互いに平行に配置された金属細線とを備える偏光子と、少なくとも一方の面に偏光子が直接形成された液晶基板と、液晶基板に光を導入する導光板とを備え、液晶基板は、2枚の透明基板と、2枚の透明基板の間に封入される液晶とを含む。
この発明のさらに他の局面による偏光子作製方法は、基板上に配向性分子膜を形成する工程と、配向性分子膜を配向処理することで表面に周期的な溝構造を形成する工程と、金属粒子を分散させた溶液に配向性分子膜を浸すことにより、溝構造に沿って金属粒子を線状に配列させる工程と、線状に配列させた金属粒子を熱処理することで細線化する工程とを含む。
この発明によれば、大きな基板に対して短い時間で偏光子およびそれを用いた液晶表示素子を作製できる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による偏光子の作製方法を示す第1の工程図である。
図1は、この発明の実施の形態1による偏光子の作製方法を示す第1の工程図である。
図1を参照して、基板10は、表面に配向性分子膜11が形成される。配向性分子膜11は、たとえばスピンコート法により形成される。配向性分子膜11は、1μm以下の均一な厚みであるとする。
図2は、この発明の実施の形態1による偏光子の作製方法を示す第2の工程図である。
図2を参照して、基板10上に形成された配向性分子膜11に対し、配向処理が施される。配向処理は、アクリルやポリエステル系の布を配向性分子膜11に対して一定の方向にこすりつけることにより行なわれる。このような配向処理は、一般にラビングと呼ばれている。ラビングにより、配向性分子膜11中の分子は一方向に向きがそろう。ラビングの際に働く内部応力により、配向性分子膜11の表面には、ラビング方向に平行で周期的な溝12が形成される。
図3は、この発明の実施の形態1による偏光子の作製方法を示す第3の工程図である。
図3を参照して、表面に溝12が形成された配向性分子膜11は、金属粒子13が分散した溶液に浸された後、溝12と平行な方向に向かって引き上げられる。この際、金属粒子13が配向性分子膜11の溝12の部分に選択的に付着する。さらに、溶液が蒸発するに伴い隣接する金属粒子13同士が付着し合い、配向性分子膜11の溝12に沿って金属粒子13が線状に配列される。
図4は、この発明の実施の形態1による偏光子の作製方法を示す第4の工程図である。
図4を参照して、線状に配列された図3の金属粒子13を熱処理することにより、金属粒子13が融着し、金属細線14が形成される。これにより、基板10上の配向性分子膜11の溝12に沿って平行に並んだ金属細線14によるワイヤーグリッド型偏光子15を作製することができる。
次に、ワイヤーグリッド型偏光子の光学特性について説明する。
図5は、この発明の実施の形態1によるワイヤーグリッド型偏光子の断面構成を示した図である。
図5に示すワイヤーグリッド型偏光子は、光を透過する基板20上に金属細線14a〜14cが配置されている。なお、金属細線14a〜14cの区別は便宜的なもので、これらはすべて同等である。図5に示すように、金属細線14a〜14cの各々の幅をw、高さをhとし、金属細線14a〜14cの配置間隔の周期をpとする。
図5のワイヤーグリッド型偏光子は、金属細線14a〜14cの周期pより波長が長い光に対してのみ機能する。ゆえに、図5に示すワイヤーグリッド型偏光子を可視光領域の光に対して用いるためには、金属細線14a〜14cの周期pを1μm以下にしなければならない。
図6は、この発明の実施の形態1によるワイヤーグリッド型偏光子の金属細線の周期pと偏光度との関係を示した図である。
図6において、曲線L400,L500,L600は、それぞれ、光の波長が400nm,500nm,600nmのときの金属細線の周期pに対する偏光度である。透過光の一方の偏光の強度をWp、それに垂直な偏光の強度をWsとすると、偏光度Wは、
W=(Wp−Ws)/(Wp+Ws)
のように表わせる。図6に示すように、実施の形態1のワイヤーグリッド型偏光子において80%以上の偏光度を得るには、金属細線の周期pは200nm以下が良く、100nmから150nmの範囲が望ましいことが分かる。
W=(Wp−Ws)/(Wp+Ws)
のように表わせる。図6に示すように、実施の形態1のワイヤーグリッド型偏光子において80%以上の偏光度を得るには、金属細線の周期pは200nm以下が良く、100nmから150nmの範囲が望ましいことが分かる。
図7は、この発明の実施の形態1によるワイヤーグリッド型偏光子の金属細線の規格化幅w/pと偏光度との関係を示した図である。
図7に示すように、実施の形態1のワイヤーグリッド型偏光子において80%以上の偏光度を得るには、金属細線の幅wが周期pに対して10%以上30%以下が良いことが分かる。たとえば、金属細線の周期pを200nmと設定すると、金属細線の幅wは20nm以上60nm以下となる。
図1〜図4で説明したワイヤーグリッド型偏光子の作製方法により得られる金属細線14の幅wは、用いる金属粒子13の直径にほぼ等しくなる。したがって、金属粒子13の直径は、最大でも、1μmの30%である300nmとなる。しかし、この値では実際には偏光子としての効果がほとんど得られない。そのため、金属粒子13の直径は、100nm以下が好ましい。
また、図1〜図4で説明した作製方法により得られるワイヤーグリッド型偏光子の金属細線14は、金属粒子13が小さくなると、幅wが小さくなるとともに、高さhも小さくなる。金属細線14の高さhが極端に短くなると、金属細線14は光を透過してしまう。このため、金属細線14の高さhは、金属粒子13の材料に応じて定まる表皮厚さより大きくする必要がある。ここで、表皮厚さとは、光が透過することのできる厚さである。
金属粒子13の材料として銀またはアルミニウム等を選んだ場合、その表皮厚さはおよそ20nmとなる。このとき、金属粒子13の直径は20nm以上でなければならない。したがって、この場合、金属粒子13の直径は、前述の議論と合わせて、20nm以上100nm以下となる。
金属粒子13の材料として、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、または、これらを含む合金は、いずれも微細化が比較的容易であり、かつ導電率も高いものが得られるため好適である。なかでも、銀および金については、現状の流通ベースで100nm以下の単一粒径の粒子を得ることができ、かつ光学特性も可視光領域で十分な反射率を示すため、好適である。さらに、銀については、単価が金に比して安価であるため、これらの中では最も好適である。
図1〜図4で説明したワイヤーグリッド型偏光子の作製方法では、金属細線14の周期pは、配向性分子膜11の上に形成される溝12の周期と等しくなる。このため、配向性分子膜11上の溝12の周期は、1μm以下としなければならない。配向性分子膜11の上に形成される溝12の形状は、その配向性分子の材料、ラビングの条件、ラビングの布材等により変化する。
たとえば、配向性分子として含フッ素化ポリイミドをスピンコートにより基板10上に塗布し、厚さ200nm程度の膜を形成する。こうして形成される配向性分子膜11に対して、アクリルの布を圧力0.4MPa、線速度200mm/sでラビングする。このようにした場合、配向性分子膜11の表面に周期150nm、深さ10nmの周期的な溝12が得られる。
配向性分子膜11上の溝12の周期を150nmに設定すると、図7で説明した条件により、金属細線14の幅wは15〜45nmとなる。表皮厚さとの関係から、金属粒子13には、直径30nmの銀粒子を使用する。金属粒子13の材料は、光学的な特性および粒子を分散させた溶液の扱いやすさの点からも、前述したように、銀が適している。
金属粒子13は、溶液中での凝集を防ぐため、金属と親和性の高い官能基および配位子を保護剤としてその表面が包まれている。このような金属粒子13を分散させた溶液に溝12が形成された基板10を浸すことで、溝12の部分に金属粒子13が付着する。これにより、配向性分子膜11の溝12上に周期150nmで金属粒子13が配列する。
線状に配列された金属粒子13に熱を加え、互いを融着させることで、金属粒子13の直径程度の太さを有する金属細線14を溝12に沿って形成することができる。金属の融着には一般にその金属を融点以上に加熱する必要があるが、直径がナノメートルサイズの金属粒子の場合、サイズ効果により融点が下がることが知られている。
このため、バルク状の銀では融点は通常900度C以上必要であるが、金属粒子の微小化により、400度C以下の低温(通常、300度C程度)で金属粒子13を細線化することが可能である。400度C以下で金属粒子13を細線化する場合、加熱温度が低いため、電子部品などが実装された基板などに対しても処理が可能である。以上の作業により、周期150nm、幅30nmの金属細線14からなるワイヤーグリッド型偏光子を短時間で得ることができる。
以上のように、実施の形態1によれば、配向処理が施され表面に溝12が形成された配向性分子膜11を金属粒子13が分散した溶液に浸した後、溝12と平行な方向に引き上げることで形成される線状の金属粒子13を熱処理することにより、大きな基板に対して短い時間でワイヤーグリッド型偏光子を作製することができる。
また、金属粒子13を周期的な細線状に直接配置し、熱処理により金属細線14とするため、真空装置を用いた金属膜の作製をする必要がなく、タクトタイムを短くすることができる。また、配向処理は、液晶基板の作製プロセスで一般的に用いられる技術であるため、大きな基板面積に対して高速に処理することが可能である。また、配向処理、溶液処理、熱処理等は、基板10の変形を伴わない処理であるため、液晶基板のような既に素子が作りこまれている基板に対して直接偏光子を作りこむことができる。
[実施の形態2]
図8は、この発明の実施の形態2による液晶表示素子200の概略的な構成を示した断面図である。
図8は、この発明の実施の形態2による液晶表示素子200の概略的な構成を示した断面図である。
図8を参照して、実施の形態2の液晶表示素子200は、金属細線14を含むワイヤーグリッド型偏光子15と、導光板18と、液晶基板19と、光源21とを備える。ワイヤーグリッド型偏光子15は、実施の形態1の図4に示したものである。液晶基板19は、液晶16と、透明基板17a,17bとを含む。
ワイヤーグリッド型偏光子15は、金属粒子13を熱処理により細線化した金属細線14が1μm以下の周期で透明基板17a上に互いに平行に配列されている。液晶基板19は、2枚の透明基板17a,17bの間に液晶16を封入している。ワイヤーグリッド型偏光子15の後方には、液晶基板19に光源21からの光を導入する導光板18が設けられている。
導光板18から放射される光の一方の偏光成分は、ワイヤーグリッド型偏光子15を透過し、液晶基板19に導かれる。導光板18から放射される光の他方の偏光成分は、ワイヤーグリッド型偏光子15で反射される。ワイヤーグリッド型偏光子15で反射された光は、導光板18などで位相が変化することにより偏光が変化する。そのため、ワイヤーグリッド型偏光子15で反射され導光板18から再び放射される光は、一部がワイヤーグリッド型偏光子15を透過できる偏光となる。このようにワイヤーグリッド型偏光子15と導光板18との間の反射を繰り返すことにより、最終的には光源21からの光のほとんどがワイヤーグリッド型偏光子15を透過する直線偏光となる。
ワイヤーグリッド型偏光子15において、たとえば金属細線14の周期pを150nm、幅wを30nmとしたとき、ワイヤーグリッド型偏光子15の透過方向に垂直な偏光の光は、その98%が反射される。このため、ワイヤーグリッド型偏光子15は、従来の吸収型の偏光子に比べて、倍近い光利用効率が得られる。これにより、ワイヤーグリッド型偏光子15を用いた液晶表示素子200の輝度を向上させることができる。また、光源21(バックライト)の光強度を下げることで、消費電力の低減が可能となる。
実施の形態2の液晶表示素子200では、偏光子が形成された基板またはフィルムを液晶基板19に貼り付けるのではなく、液晶基板19の上にワイヤーグリッド型偏光子15を直接形成する。そのため、液晶表示素子200のうちワイヤーグリッド型偏光子15の占める厚みが1μm以下と非常に薄くなる。これにより、液晶表示素子200を薄くすることが可能となる。
以上のように、実施の形態2によれば、液晶16を挟むように封入した2枚の透明基板17a,17bの一方の面に金属粒子13を熱処理により細線化した金属細線14を1μm以下の周期で互いに平行に配列してワイヤーグリッド型偏光子15を形成することによって、液晶表示素子200を薄くすることが可能となる。
また、ワイヤーグリッド偏光子15を液晶基板19上に直接作りこむことにより、液晶基板19そのものに偏光子の機能を付加でき、部品点数を減らすことができる。また、偏光子を液晶パネルに貼り付ける従来の方式に比べ、液晶表示装置200全体の厚みに対する偏光子の割合を非常に小さくできる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,20 基板、11 配向性分子膜、12 溝、13 金属粒子、14,14a〜14c 金属細線、15 ワイヤーグリッド型偏光子、16 液晶、17a,17b 透明基板、18 導光板、19 液晶基板、21 光源、200 液晶表示素子。
Claims (9)
- 基板と、
前記基板の表面に形成され、配向処理により互いに平行で周期的な溝が形成された配向性分子膜と、
前記溝に沿って線状に配列された金属粒子を熱処理することにより、前記溝に沿って互いに平行に配置された金属細線とを備える、偏光子。 - 前記金属細線の幅は、前記金属細線の配置間隔の周期に対して10%以上かつ30%以下である、請求項1に記載の偏光子。
- 前記金属粒子の直径は、20nm以上かつ100nm以下である、請求項1または2に記載の偏光子。
- 前記金属細線の配置間隔の周期は、200nm以下である、請求項1または2に記載の偏光子。
- 前記金属粒子は、銀、金、銅、または、銀、金および銅の少なくとも一つを含有する金属材料から構成される、請求項1〜4のいずれかに記載の偏光子。
- 前記配向処理は、ラビングによって行われる、請求項1〜5のいずれかに記載の偏光子。
- 前記熱処理は、400度C以下で行なわれる、請求項1〜6のいずれかに記載の偏光子。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の偏光子と、
少なくとも一方の面に前記偏光子が直接形成された液晶基板と、
前記液晶基板に光を導入する導光板とを備え、
前記液晶基板は、
2枚の透明基板と、
前記2枚の透明基板の間に封入される液晶とを含む、液晶表示素子。 - 基板上に配向性分子膜を形成する工程と、
前記配向性分子膜を配向処理することで表面に周期的な溝構造を形成する工程と、
金属粒子を分散させた溶液に前記配向性分子膜を浸すことにより、前記溝構造に沿って前記金属粒子を線状に配列させる工程と、
前記線状に配列させた前記金属粒子を熱処理することで細線化する工程とを含む、偏光子作製方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080513 |