JP2006250167A - 自動変速機用湿式多板クラッチ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 各セパレートプレート3、3の耐摩耗性を向上させて、これら各セパレートプレート3、3を組み込んだ湿式多板クラッチ、延てはこの湿式多板クラッチを組み込んだ自動変速機の耐久性を向上させる。
【解決手段】 上記各セパレートプレート3、3の軸方向側面で各フリクションプレート4、4の軸方向側面と対向する部分を、固体潤滑剤の潤滑被膜により覆う。
【選択図】 図1
【解決手段】 上記各セパレートプレート3、3の軸方向側面で各フリクションプレート4、4の軸方向側面と対向する部分を、固体潤滑剤の潤滑被膜により覆う。
【選択図】 図1
Description
この発明は、自動車用に用いられる各種自動変速機に組み込まれて、変速比や前後進の切り換えを行なう為の、自動変速機用湿式多板クラッチ及びその製造方法の改良に関する。具体的には、湿式多板クラッチを構成する各セパレートプレートと各フリクションプレートとの擦れ合い面の摩耗を低減し、これら各プレートの耐久性、延ては上記湿式多板クラッチの耐久性向上を図るものである。
例えば非特許文献1に記載されている様に、従来から、遊星歯車式、ベルト式、トロイダル式等、各種自動変速機が考えられ、広く使用されている。これら各種自動変速機の場合、変速比を変換する為、或いは前後進の切り換えを行なう為、遊星歯車式変速機等の回転状態切換装置が、1組乃至複数組、組み込まれている。変速比を変換したり、或いは前後進の切り換えを行なう際には、図1に略示する様な湿式多板クラッチにより、上記回転状態切換装置を構成する部材1、2の相対回転状態を切り換える。この相対回転状態を切り換える為の、上記湿式多板クラッチは、それぞれが図2或いは図3に示す様に円輪状に構成された、複数枚ずつのセパレートプレート3、3とフリクションプレート4、4とを、交互に配置している。
この湿式多板クラッチは、隣接して配置され、変速状態の切り換えに伴って、相対回転する状態と相対回転不能に接続される状態とに切り換えられる1対の部材1、2(遊星歯車式変速機の場合には、太陽歯車とキャリアとリング歯車とハウジングとのうちから選択される2種類の部材)同士の間に設けられる。各セパレートプレート3、3は、この様な1対の部材1、2のうちの一方の部材1の一部に、これら両部材1、2の相対回転軸αを中心に配置された状態で、スプライン係合等により、この相対回転軸αの方向(図1の左右方向)に変位可能に支持されている。又、上記各フリクションプレート4、4は、上記両部材1、2のうちの他方の部材2の一部に、上記相対回転軸αを中心に、且つ、軸方向に隣り合う上記セパレートプレート3、3同士の間に配置された状態で、スプライン係合等により、上記相対回転軸αの方向に変位可能に支持されている。尚、上記図2、3に記載した2種類のセパレートプレート3(或いはフリクションプレート4)のうち、図2に示したものは、相手プレートと対向する部分が単なる円輪板状のものを、図3に示したものは、相手プレートと対向する部分にATフルードやトラクションオイル等の潤滑油を通過させる為の小通孔5、5を形成したものを、それぞれ示している。又、上記各フリクションプレート4、4の軸方向両側面で、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面と対向する部分には、焼結金属等により造られた摩擦材6、6を被覆している。
上記両部材1、2同士を相対回転不能に結合する際には、上記各セパレートプレート3、3と上記各フリクションプレート4、4とを、油圧シリンダ等の図示しない押圧手段により、軸方向(図1の左右方向)に押圧する。この結果、上記各プレート3、4の軸方向側面同士が(摩擦材6、6を介して)摩擦係合し、上記両部材1、2同士が相対回転不能に結合される。これら各プレート3、4は、ATフルード、トラクションオイル等の潤滑油中に浸漬、乃至はこの潤滑油の飛沫が浮遊する環境内に設置されているので、上記各プレート3、4の軸方向側面同士の間に作用する、単位面積当りの摩擦力は小さい。但し、これら各プレート3、4の軸方向側面同士の摩擦面積は十分に広いので、全体として大きな摩擦力を得られ、上記両部材1、2同士を相対回転不能に結合する事ができる。又、上記両部材1、2同士の相対回転を許容する場合には、上記押圧手段による押圧力を解除する。この結果、上記各プレート3、4の軸方向側面同士の当接圧が低下乃至は喪失し、これら各プレート3、4の軸方向側面同士が相対変位可能になる。
上述の様な湿式多板クラッチを構成する、上記各プレート3、4のうち、セパレートプレート3、3は、Cを0.2〜0.35重量%含む中炭素鋼(例えばS20C相当鋼、S35C、S35CM等)製の板材に打ち抜き加工を施す事により造っていた。又、特に耐摩耗性を重視する場合には、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面で(上記各フリクションプレート4、4の軸方向側面と擦れ合う摺動面)には、摩耗抑制の為の表面処理を施す場合もあった。この様な表面処理として従来は、窒化処理、又は、焼き入れ・焼き戻し処理により表面性状を変化させる処理が採用されている。何れにしても、中炭素鋼製の各セパレートプレート3、3の表面層を調質してこの表面層を強化する(硬度を高くする)事により、これら各セパレートプレート3、3の軸方向両側面の摩耗を抑える様にしている。
この様に、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面の摩耗防止を考慮する理由は、上記両部材1、2同士の相対回転を許容すべく、上記押圧手段による押圧力を解除し、上記両プレート3、4を相対回転させる際にも、これら両プレート3、4の軸方向両側面同士が、多少とは言え、摩擦係合する為である。この為に、上述の様な、中炭素鋼製のセパレートプレート3、3の表面を調質する事で、前記摩擦材6、6との摩擦係合に基づく摩耗を抑える様にしている。
しかしながら、上記調質による摩耗防止処理を施したセパレートプレート3、3であっても、使用条件が厳しい場合には、必ずしも十分な耐久性を確保できない可能性があった。例えば、湿式多板クラッチが自動変速機を収納したハウジングの上部に設置されており、その一部が潤滑油の液面上に露出していて、当該部分で上記両プレート3、4同士の摩擦係合が乾性摩擦係合に近い状態となっている場合が考えられる。或いは、潤滑油中の摩擦係合であっても、上記押圧手段による押圧力が完全に解除されない状態で、上記両プレート3、4同士が摩擦係合を行なう場合も考えられる。この様な場合には、中炭素鋼製のセパレートプレート3、3の表面を調質する程度では、これら各セパレートプレート3、3の摩耗防止を十分に図れない可能性がある。
青山元男、「レッドバッジスーパーシリーズ/245/スーパー図解/クルマの最新メカがわかる本」、p.84−97、株式会社三推社/株式会社講談社、平成13年12月20日
本発明は、上述した事情に鑑みて、湿式多板クラッチを構成する各セパレートプレートの耐摩耗性を向上させて、これら各セパレートプレートを組み込んだ上記湿式多板クラッチ、延てはこの湿式多板クラッチを組み込んだ自動変速機の耐久性を向上させられる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の自動変速機用湿式多板クラッチは、例えば前述の図1に略示する様に、隣接して配置され、変速状態の切り換えに伴って、相対回転する状態と相対回転不能に接続される状態とに切り換えられる1対の部材1、2同士の間に設けられる。
この様な、本発明の対象となる変速機用湿式多板クラッチは、複数枚ずつのフリクションプレート4、4及びセパレートプレート3、3と、油圧シリンダ等の図示しない押圧手段とを備える。
このうちの各フリクションプレート4、4は、それぞれが円輪状で、上記両部材1、2のうちの一方の部材2の一部に、これら両部材1、2の相対回転軸αを中心に配置された状態で、スプライン係合等により、この相対回転軸αの方向に変位可能に支持されている。この様な上記各フリクションプレート4、4は、炭素鋼板等の補強板の軸方向両側面に、焼結金属等の摩擦材6、6を添着固定して成る。
又、上記各セパレートプレート3、3は、それぞれが円輪状で、上記両部材1、2のうちの他方の部材1の一部に、上記相対回転軸αを中心に、且つ、軸方向に隣り合う上記フリクションプレート4、4同士の間に配置された状態で、スプライン係合等により、上記相対回転軸αの方向に変位可能に支持されている。この様な上記各セパレートプレート3、3は、低炭素鋼等を母材として造られている。
更に、上記押圧手段は、上記両部材1、2を相対回転不能に接続する際に、上記各フリクションプレート4、4と上記各セパレートプレート3、3とを軸方向に押圧する。
特に、本発明の自動変速機用湿式多板クラッチの場合には、上記各セパレートプレート3、3の軸方向側面で、上記各フリクションプレート4、4の軸方向側面と対向する部分が、固体潤滑剤の潤滑被膜により覆われている。そして、当該面の単位面積に対する被覆された部分の面積の割合である被覆率を、75%以上としている。
この様な、本発明の対象となる変速機用湿式多板クラッチは、複数枚ずつのフリクションプレート4、4及びセパレートプレート3、3と、油圧シリンダ等の図示しない押圧手段とを備える。
このうちの各フリクションプレート4、4は、それぞれが円輪状で、上記両部材1、2のうちの一方の部材2の一部に、これら両部材1、2の相対回転軸αを中心に配置された状態で、スプライン係合等により、この相対回転軸αの方向に変位可能に支持されている。この様な上記各フリクションプレート4、4は、炭素鋼板等の補強板の軸方向両側面に、焼結金属等の摩擦材6、6を添着固定して成る。
又、上記各セパレートプレート3、3は、それぞれが円輪状で、上記両部材1、2のうちの他方の部材1の一部に、上記相対回転軸αを中心に、且つ、軸方向に隣り合う上記フリクションプレート4、4同士の間に配置された状態で、スプライン係合等により、上記相対回転軸αの方向に変位可能に支持されている。この様な上記各セパレートプレート3、3は、低炭素鋼等を母材として造られている。
更に、上記押圧手段は、上記両部材1、2を相対回転不能に接続する際に、上記各フリクションプレート4、4と上記各セパレートプレート3、3とを軸方向に押圧する。
特に、本発明の自動変速機用湿式多板クラッチの場合には、上記各セパレートプレート3、3の軸方向側面で、上記各フリクションプレート4、4の軸方向側面と対向する部分が、固体潤滑剤の潤滑被膜により覆われている。そして、当該面の単位面積に対する被覆された部分の面積の割合である被覆率を、75%以上としている。
上述の様に構成する本発明の自動変速機用湿式多板クラッチの場合、各セパレートプレート3、3の軸方向両側面に潤滑被膜が存在する為、これら各セパレートプレート3、3の軸方向両側面と各フリクションプレート4、4の軸方向両側面とが擦れ合った場合の摩擦を低減し、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面の摩耗を低減できる。この為、これら各セパレートプレート3、3を組み込んだ上記湿式多板クラッチ、延てはこの湿式多板クラッチを組み込んだ自動変速機の耐久性を向上させられる。
特に、本発明の自動変速機用湿式多板クラッチの場合には、上記潤滑被膜の被覆率を75%以上としている為、上記摩耗防止効果を安定して得られる。即ち、上記各フリクションプレート4、4の軸方向側面と摺接する、上記各セパレートプレート3、3の軸方向側面の75%以上が、固体潤滑剤製の潤滑被膜により覆われている為、これら各セパレートプレート3、3の軸方向側面の摩耗防止を図れる。尚、上記被覆率が75%未満の場合(被覆されずに、母材である低炭素鋼等が露出している部分の割合が25%を越えている場合)には、被覆されていない部分で生じる滑り摩擦が大きくなり、上記各セパレートプレート3、3の軸方向側面の摩耗防止効果が不十分になる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、潤滑被膜よる各セパレートプレート3、3の軸方向両側面の被覆率を、95%以下とする。
上述した様に、本発明の効果を得る為には、上記被覆率を75%以上にする必要があるが、この被覆率が95%を越えた場合には、別の問題を生じる可能性がある。即ち、この被覆率が95%を越えて大きくなった場合でも、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面の摩耗低減の面から、それ以上の効果の向上を期待できない(効果が飽和する)だけでなく、上記被覆率を徒に(95%を越えて)大きくする事で、上記潤滑被膜の厚さが、部分的に過大になり易くなる。そして、この潤滑被膜の一部に、厚さが過大である部分が存在すると、当該部分で潤滑被膜の一部が欠けて脱落し易くなる。この様な脱落が生じた場合には、上記各セパレートプレート3、3の軸方向側面に偏摩耗が生じる原因となるだけでなく、上記脱落により生じた固体潤滑剤の破片が、異物となって潤滑油中に混入し、自動変速機に設けた各回転支持部の転がり接触部やトラクション部に入り込む可能性を生じる。そして入り込んだ場合には、当該転がり接触部或いはトラクション部で振動を発生し、著しい場合には耳障りな騒音を発生する可能性がある。
この様な不都合を生じない様にする為には、上記被覆率を95%以下(75%以上)に規制する。
上述した様に、本発明の効果を得る為には、上記被覆率を75%以上にする必要があるが、この被覆率が95%を越えた場合には、別の問題を生じる可能性がある。即ち、この被覆率が95%を越えて大きくなった場合でも、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面の摩耗低減の面から、それ以上の効果の向上を期待できない(効果が飽和する)だけでなく、上記被覆率を徒に(95%を越えて)大きくする事で、上記潤滑被膜の厚さが、部分的に過大になり易くなる。そして、この潤滑被膜の一部に、厚さが過大である部分が存在すると、当該部分で潤滑被膜の一部が欠けて脱落し易くなる。この様な脱落が生じた場合には、上記各セパレートプレート3、3の軸方向側面に偏摩耗が生じる原因となるだけでなく、上記脱落により生じた固体潤滑剤の破片が、異物となって潤滑油中に混入し、自動変速機に設けた各回転支持部の転がり接触部やトラクション部に入り込む可能性を生じる。そして入り込んだ場合には、当該転がり接触部或いはトラクション部で振動を発生し、著しい場合には耳障りな騒音を発生する可能性がある。
この様な不都合を生じない様にする為には、上記被覆率を95%以下(75%以上)に規制する。
又、更に好ましくは、請求項3に記載した様に、潤滑被膜の厚さの平均値を、0.1〜8μmの範囲に規制する。
本発明の場合、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面を固体潤滑剤製の潤滑被膜により覆う事で、1対の部材1、2同士の相対回転を可能とすべく、湿式多板クラッチの接続を断つ状態で、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面と各フリクションプレート4、4の軸方向両側面との各転がり接触部で生じる摩擦を低減する様にしている。但し、上記潤滑被膜の厚さの平均値が小さ過ぎた(0.1μm未満である場合)には、上記摩擦を十分に低減できない(被覆率を75%以上確保する事が難しい)。又、仮に低減できた場合でも、上記潤滑被膜が早期に摩滅して、この摩擦低減効果が早期に喪失してしまう。これに対して、上記潤滑被膜の厚さの平均値が大き過ぎた(8μmを越えた)場合には、上記摩擦低減及びこの潤滑被膜が摩滅するまでの時間の延長に関して効果が飽和するだけでなく、この潤滑被膜の一部が欠けて脱落し易くなる。そして、脱落した場合には、上述の様な振動や騒音の原因となる。
そこで、上記潤滑被膜の厚さの平均値として好ましい範囲を、0.1μm以上、8.0μm以下とした。この厚さの平均値を0.1〜8.0μmの範囲内に収めれば、十分に強固な(欠落しにくい)潤滑被膜により、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面の摩耗防止を十分に図れる。
本発明の場合、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面を固体潤滑剤製の潤滑被膜により覆う事で、1対の部材1、2同士の相対回転を可能とすべく、湿式多板クラッチの接続を断つ状態で、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面と各フリクションプレート4、4の軸方向両側面との各転がり接触部で生じる摩擦を低減する様にしている。但し、上記潤滑被膜の厚さの平均値が小さ過ぎた(0.1μm未満である場合)には、上記摩擦を十分に低減できない(被覆率を75%以上確保する事が難しい)。又、仮に低減できた場合でも、上記潤滑被膜が早期に摩滅して、この摩擦低減効果が早期に喪失してしまう。これに対して、上記潤滑被膜の厚さの平均値が大き過ぎた(8μmを越えた)場合には、上記摩擦低減及びこの潤滑被膜が摩滅するまでの時間の延長に関して効果が飽和するだけでなく、この潤滑被膜の一部が欠けて脱落し易くなる。そして、脱落した場合には、上述の様な振動や騒音の原因となる。
そこで、上記潤滑被膜の厚さの平均値として好ましい範囲を、0.1μm以上、8.0μm以下とした。この厚さの平均値を0.1〜8.0μmの範囲内に収めれば、十分に強固な(欠落しにくい)潤滑被膜により、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面の摩耗防止を十分に図れる。
更に好ましくは、請求項4に記載した様に、潤滑被膜により覆われる、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面に、(前処理として)深さが0.1〜5μmである多数の微小凹部(ディンプル)を形成しておく。上記潤滑被膜は、これら各微小凹部を埋める様に、上記軸方向両側面を被覆する。
この様な構成を採用すれば、上記潤滑被膜と上記母材との結合強度を向上させて、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面に上記潤滑被膜を長期間に亙って残留させる事ができ、これら各セパレートプレート3、3の耐久性を更に向上させる事ができる。
即ち、これら各セパレートプレート3、3の軸方向両側面に潤滑被膜を形成する際に、これら軸方向両側面に微小凹部が存在すれば、これら各微小凹部に固体潤滑剤を充填しつつ上記潤滑被膜を形成できて、この潤滑被膜と微小凹部との機械的係合に基づくアンカ効果により、(平坦な側面に潤滑被膜を被覆する場合と比較して)上記潤滑被膜と上記母材との結合強度を格段に向上させる事ができる。そして、この潤滑被膜による上記各セパレートプレート3、3の耐久性向上を、より十分に図れる。
この様な構成を採用すれば、上記潤滑被膜と上記母材との結合強度を向上させて、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面に上記潤滑被膜を長期間に亙って残留させる事ができ、これら各セパレートプレート3、3の耐久性を更に向上させる事ができる。
即ち、これら各セパレートプレート3、3の軸方向両側面に潤滑被膜を形成する際に、これら軸方向両側面に微小凹部が存在すれば、これら各微小凹部に固体潤滑剤を充填しつつ上記潤滑被膜を形成できて、この潤滑被膜と微小凹部との機械的係合に基づくアンカ効果により、(平坦な側面に潤滑被膜を被覆する場合と比較して)上記潤滑被膜と上記母材との結合強度を格段に向上させる事ができる。そして、この潤滑被膜による上記各セパレートプレート3、3の耐久性向上を、より十分に図れる。
但し、この様な作用・効果を得る為には、上記各微小凹部の深さが0.1μm以上ある事が必要である。これに対して、これら各微小凹部の深さが5μmを超えると、上記作用・効果が飽和するだけでなく、これら各微小凹部を埋めて、潤滑被膜の表面粗さを適正にする為に母材の表面に被覆すべき固体潤滑剤の量が多くなり、この潤滑被膜を形成する為に要するコストが徒に嵩む。
そこで、上記微小凹部の深さを、0.1μm以上、5μm以下とした。尚、これら各微小凹部を形成する作業は、ショット・ピーニング、或いはバレル加工により行なう。
そこで、上記微小凹部の深さを、0.1μm以上、5μm以下とした。尚、これら各微小凹部を形成する作業は、ショット・ピーニング、或いはバレル加工により行なう。
更に好ましくは、請求項5に記載した様に、上記潤滑被膜を含む表面の粗さを、中心線平均粗さで、0.10〜0.50μmRaとする。
上記潤滑被膜表面の粗さをこの範囲に規制すれば、この潤滑被膜の表面と相手面との転がり接触部に良好な(強固な)油膜が形成され易くして、この潤滑被膜に加わる剪断応力をより低減し、この潤滑油膜の耐久性、延ては、上記各セパレートプレート3、3の耐久性を、より一層向上させる事ができる。
尚、上記潤滑被膜表面の粗さが0.50μmRaを越えると、この表面の凸部が油膜を介さずに、相手面である、前記各フリクションプレート4、4の軸方向両側面に被覆された摩擦材6、6と摩擦し易くなる等、潤滑条件が厳しくなり、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面が摩耗し易くなる。これに対して、上記潤滑被膜を含む表面の粗さを0.10μmRa未満に抑えても、それ以上の潤滑性向上効果を得られないだけでなく、表面粗さを低減する為に要するコストが徒に嵩む様になる。
そこで、好ましくは、上記潤滑被膜を含む表面の粗さを、中心線平均粗さで、0.10〜0.50μmRaの範囲に規制する。
上記潤滑被膜表面の粗さをこの範囲に規制すれば、この潤滑被膜の表面と相手面との転がり接触部に良好な(強固な)油膜が形成され易くして、この潤滑被膜に加わる剪断応力をより低減し、この潤滑油膜の耐久性、延ては、上記各セパレートプレート3、3の耐久性を、より一層向上させる事ができる。
尚、上記潤滑被膜表面の粗さが0.50μmRaを越えると、この表面の凸部が油膜を介さずに、相手面である、前記各フリクションプレート4、4の軸方向両側面に被覆された摩擦材6、6と摩擦し易くなる等、潤滑条件が厳しくなり、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面が摩耗し易くなる。これに対して、上記潤滑被膜を含む表面の粗さを0.10μmRa未満に抑えても、それ以上の潤滑性向上効果を得られないだけでなく、表面粗さを低減する為に要するコストが徒に嵩む様になる。
そこで、好ましくは、上記潤滑被膜を含む表面の粗さを、中心線平均粗さで、0.10〜0.50μmRaの範囲に規制する。
又、請求項4〜5のうちの何れか1項に記載した自動変速機用湿式多板クラッチを造る為に、請求項6に記載した様に、予め多数の微小凹部を形成した、母材の表面である、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面に固体潤滑剤の微粒子を衝突させる、ショット・ピーニングにより潤滑被膜を形成する。
この様にして上記潤滑被膜を形成すれば、強固な潤滑被膜を能率良く形成できる。
この様にして上記潤滑被膜を形成すれば、強固な潤滑被膜を能率良く形成できる。
本発明を完成する過程で行ない、本発明の効果を確認した実験に就いて説明する。この実験では、各セパレートプレート3、3の軸方向両側面の潤滑被膜の有無、潤滑被膜が存在する場合にはその被覆率がこれら各セパレートプレート3、3の軸方向両側面の摩耗程度に及ぼす影響に就いて測定した。又、潤滑被膜の(平均)厚さ、母材表面である上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面の微小凹部の深さ、上記潤滑被膜の表面粗さの値が、これら各セパレートプレート3、3の軸方向両側面の摩耗程度に及ぼす影響を測定した。潤滑被膜を形成する場合には、潤滑被膜の形成方法として、マイクロショット・ピーニング処理を採用した。即ち、ショット・ピーニング装置により、固体潤滑剤である、JIS R 6001に規定される、平均粒径が45μmのSn粉末を、噴射圧力0.2〜1.2MPa(2.0〜12kg/cm2)、噴射時間10〜20min で、上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面に噴射した。1回の処理で、1〜6kgのセパレートプレート3、3の軸方向両側面に、上記潤滑被膜を形成した。
この様にして上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面に形成された、上記潤滑被膜の被覆率を求める為に、これら各セパレートプレート3、3の軸方向両側面をEPMAにより観察(倍率:2000倍、30視野)した。そして、上記潤滑被膜を形成した上記各セパレートプレート3、3の軸方向両側面のうちで1辺が200μmである正方形部分を1000倍に拡大した状態で、上記潤滑被膜を形成する以前に於ける、上記Snの元素特性X線強度の10倍以上の強度を有する領域に、上記潤滑被膜が形成されているとした。更に、上記X線強度解析の結果を画像解析して、これら潤滑被膜形成後の被覆(面積)率を導出し、各視野の平均値を求めた。
又、上記潤滑被膜の厚さは、次の様にして求めた。先ず、この潤滑被膜の保護を目的として、熱硬化性樹脂である、ポリアミドイミドをピロリンドンに溶解した化合物を上記各セパレートプレート3、3に被覆し、175度で2時間保持して、表面層を硬化させた。次に、この表面層により上記潤滑被膜を保護した上記各セパレートプレート3、3を切断し、更に切断片をエポキシ樹脂に埋め込み、その切断面をバフ研磨で鏡面仕上げした。その後、スパッタにより表面に、厚さがnm(ナノメートル)単位であるクロム層を被覆して表面に通電性を持たせてから、電子顕微鏡で観察(倍率:5000倍、30視野)した。
この様にして行なう電子顕微鏡観察では、膜厚(潤滑被膜の厚さ)を明瞭に確認できる様に、上記潤滑被膜を構成する固体潤滑剤の種類に応じて、2次電子線像と反射電子線像とを使い分ける事が好ましい。例えば、固体潤滑剤がSnの場合には反射電子線像を、同じくMoS2 (後述)の場合には2次電子線像を、それぞれ使用する事が好ましい。具体的には、各々の1視野に就いて、横方向に被覆面が横断される様に観察し、そして縦方向に6分割を行ない、それぞれで5点の平均値を求め、それぞれを1視野当りの膜厚とし、更に30視野分の膜厚を平均して、平均膜厚とした。図4に、潤滑被膜7で被覆した部分の断面のSEM像を示している。この図4には、セパレートプレート3の軸方向側面にSn粉末を被覆してなる潤滑被膜7を被覆した状態を示しており、この潤滑被膜7の膜厚は、最大3.2μm、最小2.0μm程度である。
尚、本実験を行なうべく、上記潤滑被膜7をショット・ピーニングにより形成した結果、母材である上記各セパレートプレート3、3を構成する低炭素鋼の表面部分が硬化する事が確認された。即ち、上記潤滑被膜7を形成すべく、前記固体潤滑剤(平均粒径が45μmのSn粉末)をショットした後に、微小硬度計を用いた硬さ試験により、上記潤滑被膜7により覆われた母材の最表面から2〜15μmの深さ範囲の硬度を測定したところ、この範囲で硬さが勾配をもち、勾配の最高位の硬さが処理前の母材硬さと比べて5〜20%増大する事が確認された。この様な硬さの上昇は、上記潤滑被膜7により覆われた母材の耐摩耗性向上の面から有利である。
尚、実験では、固体潤滑剤としてSnを用いたが、固体潤滑剤の種類は、Snと同様の効果を得られるものであれば、特に限定されない。本発明に使用可能な、Sn以外の固体潤滑剤として、ポリエチレン、PTFE等のフッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、金属石鹸、MoS2 、WS2 、BN、黒鉛、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、Sn合金、Cu合金等を挙げる事ができる。
又、上記潤滑被膜7をショット・ピーニングにより形成する為の前処理として、前記微小凹部(ディンプル)の形成する作業を、実験では、ショット・ピーニングにより行なった。この様な前処理の為のショット・ピーニングは、JIS R 6001に規定されている(平均粒径が45μmの鋼球、SiC、SiO2 、Al2 O3 、ガラスビーズ等の)ショット材を用いて、前述した、上記潤滑被膜7を形成する為のショット・ピーニングと同じ条件で行なった。尚、上記微小凹部を形成する為の前処理は、ショット・ピーニングに代えて、或いはショット・ピーニングと共に、バレル加工で行なう事もできる。バレル加工により行なう場合には、種々のメディアや添加剤を配合して表面に大きな凹凸を形成する荒加工と、この荒加工の結果形成された多数の凸部の頂部(プラトー部)の粗さを整える仕上加工とを順次行なう事が好ましい。
実験では、上記ショット・ピーニングにより形成された微小凹部の深さを、次の様にして測定、算出した。即ち、先ず、上記前処理を施した各セパレートプレート3の軸方向両側面を、三次元非接触式表面形状測定機により観察(倍率:100倍、30視野)した。次いで、得られた画像を断面プロファイルに変換し、X方向、Y方向それぞれに就いて、5断面ずつ測定し、その結果を平均値として求めた。
以上に述べた様にして得られた、本発明の技術的範囲に属するもの(実施例)18種と、本発明の技術的範囲から外れるもの(比較例)6種との、合計24種類のセパレートプレート3、3を組み込んだ湿式多板クラッチに就いて、以下の様な摩耗測定試験を行なった。即ち、これら各セパレートプレート3、3を、前記各フリクションプレート4、4と組み合わせて図1に示す様な湿式多板クラッチを構成し、次に示す試験条件で耐久試験を行なった。
各フリクションプレート4、4の回転速度 : 8000min-1
湿式多板クラッチを断接する周期 : 0.8sec
湿式多板クラッチの断接を繰り返す時間 : 10min
湿式多板クラッチの接続時に生じる最大面圧 : 1.0MPa(10kgf/cm2 )
油温 : 100℃
潤滑状態及び潤滑油量 : 回転中心側から0.2リットル/min
サイクル数 : 100(合計1000min )
各フリクションプレート4、4の回転速度 : 8000min-1
湿式多板クラッチを断接する周期 : 0.8sec
湿式多板クラッチの断接を繰り返す時間 : 10min
湿式多板クラッチの接続時に生じる最大面圧 : 1.0MPa(10kgf/cm2 )
油温 : 100℃
潤滑状態及び潤滑油量 : 回転中心側から0.2リットル/min
サイクル数 : 100(合計1000min )
この様な耐久試験により得られた結果を、前述した潤滑被膜7の被覆率、この潤滑被膜7の(平均)厚さ、母材表面の微小凹部の深さ、上記潤滑被膜7の表面粗さの値と共に、下記の表1に示す。
上記表1中、比較例1、2は従来技術で被膜を施していない例であり、このうちの比較例1は表面処理の無いもの、同2は窒化処理を施したものである。これに対して、実施例1〜18が、本発明の技術的範囲に属する実施例であり、表面に所定の潤滑被膜を形成したものである。
又、上記表1にその結果を記載した試験では、前記各セパレートプレート3、3の軸方向側面の摩耗量、及び、相手部材である前記各フリクションプレート4、4の軸方向側面の摩耗量を合計した値を測定する事で、摩耗量の大小を判断した。又、上記表1では、各試料の摩耗量を、最も摩耗量の多かった比較例1の摩耗量を1として、その摩耗量との比で表している。
この様な表1の記載から明らかな通り、上記各セパレートプレート3、3の軸方向側面に、ショット・ピーニングにより、固体潤滑剤の潤滑被膜7を、被覆率で75%以上、95%以下被覆している、本発明の技術的範囲に属する実施例1〜18のものは、上記比較例1と比較して、摩耗量が各段に少なく、優れた耐久性向上効果を得られる。
この様な表1の記載から明らかな通り、上記各セパレートプレート3、3の軸方向側面に、ショット・ピーニングにより、固体潤滑剤の潤滑被膜7を、被覆率で75%以上、95%以下被覆している、本発明の技術的範囲に属する実施例1〜18のものは、上記比較例1と比較して、摩耗量が各段に少なく、優れた耐久性向上効果を得られる。
尚、上記実施例1〜18中の実施例6〜10は、上記各セパレートプレート3、3の軸方向側面に、上記潤滑被膜7を形成する為のショット・ピーニングを行なう前処理として、別のショット・ピーニングにより、多数の微小凹部を形成したものである。上記表1、及び、この表1の結果を表した図5から明らかな様に、上記潤滑被膜7を形成するのに先立って上記各セパレートプレート3の軸方向両側面に前処理を施し、この軸方向両側面に多数の微小凹部を形成すれば、この前処理を施さない場合よりも、更に耐久性が向上する。尚、上記図5中の符号は、表1と比較すれば明らかな通り、「●」が実施例のうちで前処理を施したもの、「▲」が実施例のうちで前処理を施さないもの、「○」が比較例のうちで前処理を施したもの、「△」が比較例のうちで前処理を施さないものである。
更に、実施例15〜18は、上記潤滑被膜7を形成する各セパレートプレート3の表面に多数の微小凹部が存在するが、これら各微小凹部の深さが、請求項4に記載した好ましい範囲(0.1〜5μm)から外れるものである。これら実施例15〜18の耐久性(摩耗量比)は、実施例1〜14のうちで被膜厚さが同等であるものの耐久性よりもやや劣る。この事から、上記前処理により、深さが0.1〜5μmである多数の微小凹部を形成するのが好ましい事が分かる。
同様に、実施例11〜14の実験結果から、被膜厚さを0.1〜8.0μmに規制する事が、耐久性向上の面から好ましい事が分かる。
同様に、実施例11〜14の実験結果から、被膜厚さを0.1〜8.0μmに規制する事が、耐久性向上の面から好ましい事が分かる。
1 部材
2 部材
3 セパレートプレート
4 フリクションプレート
5 小通孔
6 摩擦材
7 潤滑被膜
2 部材
3 セパレートプレート
4 フリクションプレート
5 小通孔
6 摩擦材
7 潤滑被膜
Claims (6)
- 隣接して配置され、変速状態の切り換えに伴って、相対回転する状態と相対回転不能に接続される状態とに切り換えられる1対の部材同士の間に設けられる変速機用湿式多板クラッチであって、これら両部材のうちの一方の部材の一部に、これら両部材の相対回転軸を中心に配置された状態でこの相対回転軸の方向に変位可能に支持された、それぞれが円輪状である複数枚のフリクションプレートと、上記両部材のうちの他方の部材の一部に、上記相対回転軸を中心に、且つ、軸方向に隣り合う上記フリクションプレート同士の間に配置された状態で上記相対回転軸の方向に変位可能に支持された、それぞれが円輪状である複数枚のセパレートプレートと、上記両部材を相対回転不能に接続する際にこれら各セパレートプレートと上記各フリクションプレートとを軸方向に押圧する押圧手段とを備え、これら各セパレートプレートの軸方向側面でこれら各フリクションプレートの軸方向側面と対向する部分が固体潤滑剤の潤滑被膜により覆われており、当該面の単位面積に対する被覆された部分の面積の割合である被覆率が75%以上である事を特徴とする自動変速機用湿式多板クラッチ。
- 潤滑被膜により覆われている面の、この潤滑被膜による被覆率が、95%以下である、請求項1に記載した自動変速機用湿式多板クラッチ。
- 潤滑被膜の厚さの平均値が0.1〜8μmである、請求項2に記載した自動変速機用湿式多板クラッチ。
- 潤滑被膜により覆われる母材の表面に、深さが0.1〜5μmである多数の微小凹部を形成している、請求項3に記載した自動変速機用湿式多板クラッチ。
- 潤滑被膜を含む表面の粗さが、中心線平均粗さで、0.10〜0.50μmRaである、請求項4に記載した自動変速機用湿式多板クラッチ。
- 請求項4〜5のうちの何れか1項に記載した自動変速機用湿式多板クラッチを造る為に、予め多数の微小凹部を形成した母材の表面に固体潤滑剤の微粒子を衝突させるショット・ピーニングにより潤滑被膜を形成する、自動変速機用湿式多板クラッチの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005063919A JP2006250167A (ja) | 2005-03-08 | 2005-03-08 | 自動変速機用湿式多板クラッチ及びその製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008144773A (ja) * | 2006-12-06 | 2008-06-26 | Akebono Brake Ind Co Ltd | 摩擦材及びその製造方法 |
JP2014505214A (ja) * | 2011-01-13 | 2014-02-27 | ミーバ フリクテク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 摩擦材料 |
JP2015098933A (ja) * | 2013-11-20 | 2015-05-28 | 株式会社エクセディ | トルクコンバータのロックアップ装置 |
-
2005
- 2005-03-08 JP JP2005063919A patent/JP2006250167A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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