JP2006248969A - プロピレンオキサイドの製造方法 - Google Patents

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Junpei Tsuji
純平 辻
Koji Shinohara
浩二 篠原
Kazumasa Furukawa
和正 古川
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Abstract

【課題】 固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造するプロピレンオキサイドの製造方法において、該反応器の上流に固体状物質の生成を促進する物質を充填したプレリアクターを設けたプロピレンオキサイドの製造方法を提供する。
【解決手段】 固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造するプロピレンオキサイドの製造方法において、該反応器の上流に固体状物質の生成を促進する物質を充填したプレリアクターを設けたプロピレンオキサイドの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造するプロピレンオキサイドの製造方法において、該反応器の上流に固体状物質の生成を促進する物質を充填したプレリアクターを設けたプロピレンオキサイドの製造方法に関するものである。
たとえばチタン含有珪素酸化物などの固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造する方法は公知である(たとえば特許文献1参照。)。
ところが、連続的に運転するに伴い、固体触媒層の圧力損失が増大し、触媒の圧壊強度を超えてところで触媒が破壊してしまうといった問題点や、触媒の破壊を回避するために原料の供給流量を抑えて生産量を低減させなければならないといった問題点があった。
特開平2−42072号公報
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造するプロピレンオキサイドの製造方法において、該反応器の上流に固体状物質の生成を促進する物質を充填したプレリアクターを設けたプロピレンオキサイドの製造方法を提供する点にある。
すなわち、本発明は、固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造するプロピレンオキサイドの製造方法において、該反応器の上流に固体状物質の生成を促進する物質を充填したプレリアクターを設けたプロピレンオキサイドの製造方法に係るものである。
本発明により、固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造するプロピレンオキサイドの製造方法において、該反応器の上流に固体状物質の生成を促進する物質を充填したプレリアクターを設けたプロピレンオキサイドの製造方法を提供することができる。
本発明においては、固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造する。
固体触媒としては、目的物を高収率に得る観点から、チタン含有珪素酸化物触媒が用いられる。これらの触媒は、珪素酸化物と化学的に結合したチタンを含有する、いわゆるチタン−シリカ触媒が好ましい。たとえば、チタン化合物をシリカ担体に担持したもの、共沈法やゾルゲル法で珪素酸化物と複合したもの、あるいはチタンを含むゼオライト化合物などをあげることができる。
本発明の具体例としては、チタン含有珪素酸化物触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造する方法をあげることができる。
有機過酸化物としては、クメンハイドロパーオキサイド、エチルベンゼンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等をあげることができる。エポキシ化反応器に供給される有機過酸化物は、対応する炭化水素化合物の酸化により合成される。該酸化反応の過程において発生する有機酸はエポキシ化触媒の触媒毒としても働く。そこで、エポキシ化反応器に供給される有機過酸化物は、含有する有機酸を除去する観点から該酸化反応中または/および該酸化反応後においてアルカリ金属を含有する化合物の水溶液と接触されることが好ましい。アルカリ金属を含有する化合物としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等を例示でき、これら化合物のいずれかまたはこれらの混合物の水溶液を用いることができる。水溶液中のアルカリ金属の濃度としては0.05〜10重量%であることが好ましい。該濃度が過小であると有機酸の除去効果が不十分となる場合があり、一方該濃度が過大であると生成した有機過酸化物の分解反応が促進されて収率が低下する場合がある。アルカリ金属を含有する化合物の水溶液と接触後は、通常油相/水相に分離され、油相中に残存するアルカリ金属を含有する化合物を除去するために水と接触され、更に油相/水相に分離される。必要であればこの操作は繰り返される。
水相と分離した後の油相には微量の水が含有されていることが多い。この水はエポキシ化反応の収率を低下させるとともに触媒毒としても働くので、できる限り取り除いておくことが好ましい。水を取り除く方法としては、コアレッサ−等の分離膜を用いて除去する方法、反応により消費して除去する方法、蒸留により除去する方法等を挙げることができるが、工業的観点から蒸留を用いて除去することが好ましい。この様にして得られた有機過酸化物を含有する溶液はエポキシ化反応器に供給される。
ところが、エポキシ化反応器に供給される有機過酸化物がアルカリ金属を含有する化合物の水溶液と接触したものである場合、エポキシ化反応器の固体触媒層の圧力損失が増加するという問題が発生することがある。
エポキシ化反応は、溶媒を用いて液相中で実施される。溶媒は、反応時の温度及び圧力のもとで液体であり、かつ反応体及び生成物に対して実質的に不活性なものでなければならない。溶媒は使用される有機過酸化物溶液中に存在する物質からなるものであってよい。たとえば、クメンハイドロパーオキサイドがその原料であるクメンとからなる混合物である場合や、エチルベンゼンハイドロパーオキサイドがその原料であるエチルベンゼンとからなる混合物である場合や、tert−ブチルハイドロパーオキサイドがその原料であるイソブタンとからなる混合物である場合には、特に溶媒を添加することなく、これを溶媒の代用とすることも可能である。
エポキシ化反応温度は一般に0〜200℃であるが、25〜200℃の温度が好ましい。圧力は、反応混合物を液体の状態に保つのに充分な圧力でよい。一般に圧力は0.1〜10MPaであることが有利である。
エポキシ化反応器へ供給されるプロピレン/有機過酸化物のモル比は2/1〜50/1であることが好ましい。該比が過小であると反応速度が低下して効率が悪く、一方該比が過大であると過剰量の未反応プロピレンをリサイクルするためにエポキシ化反応溶液中から分離・回収する工程において多大なエネルギーを必要とする。
本発明の固定床連続法における反応混合物の液線速は、混合物の組成や固体触媒の粒子サイズによって適切な値は変わるが、一般に0.1〜3cm/secであることが好ましい。
エポキシ化反応後の混合溶液中に含まれる未反応のプロピレンは分離・回収されてエポキシ化反応器へリサイクルされる。未反応のプロピレンを分離・回収する方法として蒸留を用いることができる。蒸留は通常反応液の中からプロピレンが気化しやすい条件を用いる。蒸留の条件としては、蒸留工程に供給される反応液の温度や組成によっても変化するが、通常、圧力はゲージ圧で0〜5MPa、好ましくは0〜3MPa、塔頂温度−50〜150℃、塔底温度50〜200℃、好ましくは80〜200℃をあげることができる。また、複数の蒸留塔を用いて段階的にプロピレンを蒸留する方法を用いてもよい。
この様にして分離・回収された未反応のプロピレンは、新たに供給されるプロピレンと混合されてエポキシ化反応器へ供給することができる。
ところが、エポキシ化反応器に供給されるプロピレンがエポキシ化反応後の未反応プロピレンを含有したものである場合にも、エポキシ化反応器の固体触媒層の圧力損失が増加するという問題が発生する。さらにエポキシ化反応器に供給される有機過酸化物がアルカリ金属を含有する化合物の水溶液と接触したものであって、またエポキシ化反応器に供給されるプロピレンがエポキシ化反応後の未反応プロピレンを含有したものである場合、エポキシ化反応器の固体触媒層の圧力損失の増加が特に著しいという問題が発生する。
本発明においては、固体触媒を充填したエポキシ化反応器の上流に固体状物質の生成を促進する物質を充填したプレリアクターを設ける。このことにより、前記の課題を解決することができる。
固体状物質は少なくとも炭素、水素、酸素およびナトリウムの元素を含み、エポキシ化反応器に充填された固体触媒上において生成して堆積するため、圧力損失の原因となる物質である。
固体状物質の生成を促進する物質としては、チタン含有珪素酸化物を上げることができ、これをプレリアクターに充填することができる。チタン含有珪素酸化物は、珪素酸化物と化学的に結合したチタンを含有する、いわゆるチタン−シリカが好ましい。たとえば、チタン化合物をシリカ担体に担持したもの、共沈法やゾルゲル法で珪素酸化物と複合したもの、あるいはチタンを含むゼオライト化合物などをあげることができる。固体状物質の生成を促進する物質の物性として、例えば水銀圧入法(測定細孔半径0.0018〜100μm)において測定される表面積が50〜400m2/g、細孔容量が0.5〜1.5ml/gが好ましく、プレリアクター内における空隙率(細孔容量は含まない)は30%以上、50%未満が好ましい。入手が容易であることから、エポキシ化反応器に充填された固体触媒と同種のものであることが好ましい。また、プレリアクターにおいてエポキシ化反応が急激に反応することを防止する観点から、プレリアクターに充填された物質が、エポキシ反応器に充填された固体触媒であって、そのエポキシ化反応に対する活性が低下したものであることが好ましい。また、コスト削減の観点から、エポキシ化反応器で使用されてエポキシ化反応に対する活性が低下した固体触媒をエポキシ化反応器より取り出してプレリアクターに充填して使用することが好ましい。
本発明においては、プレリアクターに充填された物質上において固体状物質を積極的に生成させ、エポキシ反応器に充填された固体触媒の圧力損失の増大を低減させることができる。固体状物質が生成、堆積して差圧が上昇したプレリアクターはシステムより取り外され、新たな固体状物質の生成を促進する物質を充填したプレリアクターと交換される。プロピレンオキサイドの製造が連続的に行われる場合、並列に設けられた少なくとも二基のプレリアクターを有しているシステムであることが好ましい。並列に設けられた少なくとも二基のプレリアクターのうちの一部のプレリアクターを用い、該プレリアクターの差圧が上昇した時点で残りのプレリアクターの少なくとも一基に切り替えて用いることにより、プロピレンオキサイドの製造を連続的に行うことができる。
上記のように固体触媒を充填したエポキシ化反応器の上流に固体状物質の生成を促進する物質を充填したプレリアクターを設ることにより、固体触媒層の圧力損失の増大を抑えることができる。
上記のとおり、本発明を用いることにより、有機過酸化物とプロピレンからプロピレンオキサイドを効率的に製造することができる

Claims (9)

  1. 固体触媒を充填したエポキシ化反応器に有機過酸化物とプロピレンを供給し、エポキシ化反応によりプロピレンオキサイドを連続的に製造するプロピレンオキサイドの製造方法において、該反応器の上流に固体状物質の生成を促進する物質を充填したプレリアクターを設けたプロピレンオキサイドの製造方法。
  2. プレリアクターに充填された物質が、エポキシ化反応器に充填された固体触媒と同種のものである請求項1記載の製造方法。
  3. プレリアクターに充填された物質が、エポキシ反応器に充填された固体触媒であって、そのエポキシ化反応に対する活性が低下したものである請求項2記載の製造方法。
  4. プレリアクターに充填された物質が、エポキシ化反応器で使用された固体触媒である請求項3記載の製造方法。
  5. 固体触媒がチタン含有珪素酸化物触媒である請求項1記載の製造方法。
  6. エポキシ化反応器に供給される有機過酸化物が、アルカリ金属を含有する化合物の水溶液と接触したものである請求項1記載の製造方法。
  7. エポキシ化反応器に供給されるプロピレンがエポキシ化反応後において未反応であったプロピレンを含有したものである請求項1記載の製造方法。
  8. 並列に設けられた少なくとも二基のプレリアクターを有する請求項1記載の製造方法。
  9. 並列に設けられた少なくとも二基のプレリアクターのうちの一部のプレリアクターを用い、該プレリアクターの差圧が上昇した時点で残りのプレリアクターの少なくとも一基に切り替えて用いる請求項8記載の製造方法。


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JP2009215228A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Sumitomo Chemical Co Ltd 有機過酸化物の製造方法

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