JP2006247605A - 配管洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、洗浄水の圧力の低圧化を図るとともに洗浄水の使用水量の低減が可能である小型かつ低コストの配管洗浄装置を提供することにある。
【解決手段】 本発明に関わる配管洗浄装置1は、ノズル体3が、高圧ホース2から高圧流体wが供給される円筒状のカム室3hと、該カム室3h内に配設され、カム室3hの内周面を摺動してカム室3hを画成するカム輪郭凸状部c1およびブラシ4を回動するための動力伝達手段g1を有し、供給される高圧流体wによってカム輪郭凸状部c1が押圧され回動するカムcとを具え、カムcのカム輪郭面に当接するように付勢されカムcの回動に伴ないカム室3hに入出動作し、カムcとともにカム室3hを画成するプラジャ体pと、動力伝達手段g1を介してカムcの回動が伝達される被動力伝達手段g2を有し、カムcの回動に伴なって回動して配管内周面tnの汚れを掻き取る円筒状のブラシ4とを具備している。
【選択図】 図3

Description

本発明は、マンション、事業用ビルなどの配管内の汚れ、付着物等の洗浄を行う配管洗浄装置に関する。
従来、マンション等における配管設備の排管内の洗浄は、高圧ホースから供給される高圧水をノズルから排管内周面に向けて噴射し、その衝撃力をもって配管内の汚れを洗浄している。
この高圧ホース先端に配設されたヘッド部は、高圧水をノズル進行方向に対し斜め後方に放射状に憤出するための噴射孔が円周方向に沿って所定のピッチで複数個穿設されたノズルと、該ノズルの先端に連設された自在ガイドとから構成されている。
このような高圧ホースは、特許文献1、特許文献2に示されるように、回転ドラム内に収納され、この回転ドラムを回転することによって高圧ホースに対し回転を与えるようにしている。
一方、上述した高圧ホース先端に連設されたノズルには、特許文献3に示されるように、該ノズルから噴射される高圧水による推進力と、回転ドラムからの高圧ホースの引き出し動作によって排水管内を回転しつつ進行し、管内周面の洗浄を行っている。
なお、本願に係る文献公知発明としては、下記の文献が挙げられる。
実開昭55一20380号 実公昭49−37403号公報 特開昭54−110658号公報 特開2001−269638号公報 特開2001−286840号公報 特開2001−300457号公報
ところで、上述した洗浄対象の排水管水としては大きく分けて垂直方向に配設される縦管と水平方向に配設される横管とがあるが、上述した従来の排水管洗浄装置によると、縦管内で高圧ホースを回転させ、これにより該高圧ホース先端に連結したノズルを回転させると、自重による力は縦管内周面方向には働かずノズルは縦管の内周面に沿って旋回する。
この状態で回転ドラムから高圧ホースを少しづつ引き出して縦管内に送り込むと、ノズルは縦管内周面に沿って螺旋状に旋回しつつ前進し、縦管の内周面に付着した固形物をノズルから噴射された高圧水により粉砕除去できる。
一方、排水管が横管の場合には、横管内で高圧ホ一スを回転させても、ノズルには管内底面へ向けて自重が作用するので、管内周面に沿って位置して旋回することはない。
そのため、排水管が横管の場合には、横管内で高圧ホースを回転させ、かつ回転ドラムから高圧ホースを少しづつ引き出して管内に送り込んでも、ノズルは自重により横管の管底に在って管底に沿って単に直線的に進行するだけで、横管内周面に沿って螺旋状に旋回することはない。 従って、横管内周面のうち特に横管上部の洗浄が充分に行えず横管上部の洗浄力が劣るという難点がある。
加えて、ノズルの噴射孔から噴射された高圧水の噴射圧力は、空気抵抗等により管壁から遠くなるほど低下するため、管底から遠い位置にある横管上部に付着している固形物を高圧水により粉砕することは難しく、これを粉砕するためには、より高圧、より大水量を供給する設備が必要とされ、この点においても従来のものは効率良く管内部を均一に洗浄することは不可能であった。
また、排管内の汚れは、高圧水の衝撃力を用いて除去するため、その洗浄に際しては、高圧水、例えば、200kg/cm2を必要とし大型ポンプを要し、結果として装置が大型化し、高額なものとなっていた。
これらの問題に対処するため、出願人は、特許文献4〜特許文献6の発明により、前述の洗浄力の問題を解消し、加えて、水圧を、例えば、120〜150kg/cm2と低減し、装置の小型化し、低コスト化を図っている。
出願人は、さらなる洗浄水の水圧低下、装置の小型化、低コスト化を目指して、本願発明の構成を開発したものである。
本発明は上記実状に鑑み、洗浄水の水圧の低圧化を図るとともに、洗浄水の使用水量の低下、および装置の小型化、低コスト化を達成し得る配管洗浄装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1に関わる配管洗浄装置は、高圧ホースの先端にノズル体が接続され、該ノズル体に穿設された複数の噴射孔から高圧流体を噴射させて、配管内を洗浄する配管洗浄装置であって、前記ノズル体は、高圧ホースから高圧流体が供給される円筒状のカム室と、該カム室内に配設され、前記カム室の内周面を摺動して前記カム室を画成するカム輪郭凸状部およびブラシを回動するための動力伝達手段を有し、前記供給される高圧流体によって前記カム輪郭凸状部が押圧され回動するカムとを具え、前記カムのカム輪郭面に当接するように付勢され前記カムの回動に伴ない前記カム室に入出動作し、前記カムとともに前記カム室を画成するプラジャ体と、前記動力伝達手段を介して前記カムの回動が伝達される被動力伝達手段を有し、前記カムの回動に伴なって回動して配管内周面の汚れを掻き取る円筒状のブラシとを具備している。
本発明の請求項2に関わる配管洗浄装置は、請求項1に記載の配管洗浄装置において、前記ブラシは、前記配管内周面の汚れを掻き取るに際して接触する該配管内周面上を進行方向である前方から後方に向けて回動する。
本発明の請求項3に関わる配管洗浄装置は、請求項1または請求項2に記載の配管洗浄装置において、前記複数の噴射孔は、前記配管の内周面に対して進行方向斜め前方に先浄流体を噴射する前向き噴射孔と、前記配管の内周面に対して進行方向斜め後方に先浄流体を噴射する後向き噴射孔とから成り、前記後向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の前記配管内周面長手方向の力成分は、前記前向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の前記配管内周面長手方向の力成分より大きく設定している。
本発明の請求項4に関わる配管洗浄装置は、請求項3に記載の配管洗浄装置において、前記後向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の前記配管内周面に対する垂直方向の力成分は、前記前向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の前記配管内周面に対する垂直方向の力成分より大きく設定している。
本発明の請求項5に関わる配管洗浄装置は、請求項1から請求項4のうちの何れか一項に記載の配管洗浄装置において、前記高圧ホースを回転させることにより前記配管内周面の長手方向に沿って螺旋状に旋回して洗浄を行う。
以上、詳述した如く、本発明の請求項1に関わる配管洗浄装置によれば、供給される高圧流体によって回転駆動されるブラシにより配管内周面の洗浄が行われるので、洗浄のための高圧流体の圧力を低下させることができるとともに、高圧流体の使用量を低減できる。
そのため、装置の小型化が図れるとともに、低コスト化が可能となる。
本発明の請求項2に関わる配管洗浄装置によれば、ブラシは、前記配管内周面の汚れを前方から後方に向って掻き取るので、装置が前方へ進行するための移動力を得られる。
本発明の請求項3に関わる配管洗浄装置によれば、後向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の配管内周面長手方向の力成分は、前向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の配管内周面長手方向の力成分より大きく設定したので、装置が前方へ進行するための移動力が得られる。
本発明の請求項4に関わる配管洗浄装置によれば、後向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の配管内周面に垂直な方向の力成分は、前向き噴射孔より噴射される噴射力の配管内周面に垂直な方向の力成分より大きく設定したので、装置の前向き噴射孔側を配管内周面に近付け、ブラシを配管内周面に接触させて洗浄できる。
また、配管内周面に近付けた前向き噴射孔から噴射される先浄流体で、配管内周面の洗浄が強力に行える。
本発明の請求項5に関わる配管洗浄装置によれば、高圧ホースを回転させることにより配管内周面の長手方向に沿って装置を螺旋状に旋回して洗浄を行えるので、配管内周面全体を隈なく洗浄できる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1に、本発明を適用した排管洗浄装置(配管洗浄装置)1によって排管(配管)tの内周面tnを洗浄している状態を示す。
排管洗浄装置1は、高圧水(高圧流体)wを供給する例えばステンレスホースからなる高圧ホース2と、該高圧ホース2が接続され高圧水wを洗浄水(洗浄流体)s1、s2として噴射するノズル体3と、このノズル体3に供給される高圧水wによって回動するカムc(後述)に連動して矢印方向に回動して汚れを掻き取るブラシ4とを備え構成されている。
この排管洗浄装置1は、高圧ホース2がその長手方向に沿う軸廻りに回転されることにより、図1のA方向矢視図の図2に示すように、矢印の如く排管t内で回転して、排管内周面tnの汚れをブラシ4の回動によって掻き取るとともに、噴射される洗浄水s1、s2、s2の衝撃力によって排管t内を洗浄している。
図3は、排管洗浄装置1の動作を示すノズル体3の一部縦断面を含む概念的側面図であり、図4は、排管洗浄装置1の分解斜視図である。
図3、図4に示すように、高圧ホース2は、ノズル体3に螺着されるジョイントねじ2nを介してノズル体3に接続されている。
ノズル体3は、内部に高圧水wが供給される空間である円筒状のカム室3hを有しており、カム室3h内にはカム室3hの軸心と同軸をカム軸とするカムcが回転自在に支持されている。
このカムcにおけるカム輪郭面には、カム室3hの内周面に摺動するように突出されるカム輪郭凸状部c1が設けられ、カム室をカム室空間3h1とカム室空間3h2とに画成している。
また、ノズル体3には、圧縮バネsにより付勢されカムcのカム輪郭面に圧接されるプランジャ(プランジャ体)pが配設されており、これらカムcとプランジャpとにより、カム室3hは、カム室空間3h1と、カム室空間3h2とに画成されている。
このカムcには、カム軸と同心上にロータ歯車(動力伝達手段)g1が固着されており、ロータ歯車g1にはブラシ回転歯車(被動力伝達手段)g2が噛合っており、このブラシ回転歯車g2に円筒状のブラシ4が同軸上に固定されている。
この構成により、カムcが図3の矢印αのように回動することにより、その動力がロータ歯車g1を介してブラシ回転歯車g2に伝達され、ブラシ4が矢印βのように回動して、排管内周面tnの汚れを掻き取る。
また、ブラシ4が排管内周面tnの汚れを掻き取るに際して、進行方向の前方から後方に向けて回動するため、排管内周面tnからの反力として排管洗浄装置1は進行方向である前方への推進力を得ることになる。このように、排管洗浄装置1は、ブラシ4の排管内周面tnに対する洗浄動作によって前方に進行する力を得ることができる。
また、ノズル体3には、図2、図3、図4に示すように、カム室3h内から外部空間に挿通し、カム室3h内の高圧水wを洗浄水として噴射するための噴射孔(前向き噴射孔)3s1と噴射孔(後向き噴射孔)3s2、3s2とが穿設されており、噴射孔3s1からは洗浄水s1を噴射し、噴射孔3s2、3s2からは洗浄水s2、s2をそれぞれ噴射している。
この洗浄水s1は、図1、図3に示すように、排管洗浄装置1から排管tの内周面tnに向って進行方向、斜め前方に噴射され、一方、洗浄水s2は、排管洗浄装置1から排管tの内周面tnに向って進行方向、斜め後方に噴射されている。
図3に示すように、洗浄水s1の噴射力fs1は、排管内周面tnが延在する長手方向に力成分fs11を有するとともに排管tの内周面tnに垂直な方向に力成分fs12を有しており、また、洗浄水s2の噴射力fs2は、排管内周面tnが延在する長手方向に力成分fs21を有するとともに排管tの内周面tnに垂直な方向に力成分fs22を有している。
そのため、排管洗浄装置1は、前向きの洗浄水s1の噴射力fs1によって排管tの内周面tnから力成分fs11と同じ大きさの後方向きの反力受け、また、後向きの洗浄水s2の噴射力fs2によって排管tの内周面tnから力成分fs21と同じ大きさの前方向きの反力を受けることになる。
ここで、前方向きの洗浄水s1の噴射力fs1の力成分fs11より洗浄水s2、s2の後方向きの噴射力fs2、fs2の力成分fs21、fs21の方が大きく設定(fs11<fs21+fs21)されているため、噴射力fs2の力成分fs21、fs21による反力が、噴射力fs1の力成分fs11による反力より大きく、排管tの内周面tnからトータルの反力として、排管洗浄装置1には、進行方向である前方向きの力が作用することになる。
そのため、排管洗浄装置1は、洗浄水s1、s2を噴射することにより、進行方向の前方に進む力が得られ、容易に前方に進行することができる。
また、排管洗浄装置1は、前向きの洗浄水s1の噴射力fs1によって排管tの内周面tnから力成分fs12と同じ大きさの内周面tnから離間する方向の反力受け、また、後向きの洗浄水s2の噴射力fs2によって排管tの内周面tnから力成分fs22と同じ大きさの内周面tnから離間する方向の反力を受けることになる。
ここで、前方向きの洗浄水s1の噴射力fs1の力成分fs12より洗浄水s2、s2の後方向きの噴射力fs2、fs2の力成分fs22、fs22の方が大きく設定(fs12<fs22+fs22)されているため、噴射力fs2、fs2の力成分fs22、fs22による反力が噴射力fs1の力成分fs12による反力より大きく、排管tの内周面tnからのトータルの反力として、排管洗浄装置1には、噴射孔3s1が配設される側が排管tの内周面tnに近付こうとする力が作用することになる。
こうして、排管洗浄装置1は、噴射孔3s1が配設された側が排管tの内周面tnに近付いて、ブラシ4を排管tの内周面tnに当接させて洗浄を行えるので、ブラシ4による掻き取りによる洗浄が強力に行える。 また、排管tの内周面tnに近付いた噴射孔3s1から噴射される洗浄水s1により、排管tの内周面tnを効率的に洗浄することができる。
ここで、洗浄水s2の噴射力fs2を、洗浄水s1の噴射力fs1より大きくするためには、噴射孔3s2の径を噴射孔3s1の径より大きくする、噴射孔3s2の数を噴射孔3s1の数より多くする等の方法が用いられる。
図5は、排管洗浄装置1において、ノズル体3と高圧ホース2とを水平な軸心J1廻りに互いに揺動自在に接続した構成を示す一部縦断面を含む概念的側面図である。
このように、ノズル体3と高圧ホース2とを水平な軸心J1廻りに互いに矢印に示すように揺動自在に構成することにより、図1に示すような垂直方向に屈曲した排管tであっても、ノズル体3と高圧ホース2とがなす角を垂直方向に自在に変更して洗浄が行える。
このように、ノズル体3と高圧ホース2とを水平な軸心J1廻りに互いに揺動自在に構成することで、高圧ホース2を含む排管洗浄装置1の湾曲性を著しく向上して、排管tの垂直方向の屈曲部に引っ掛かることなく円滑に前方に進むことができる。
そのため、垂直方向に屈曲した排管tであっても、排管洗浄装置1によってその内面の洗浄を滞りなく行うことができる。
図6は、排管洗浄装置1において、ノズル体3と高圧ホース2とが垂直な軸心J2廻りに互いに揺動自在に接続した構成を示す一部断面を含む概念的上面図である。
このように、ノズル体3と高圧ホース2とを垂直な軸心J2廻りに互いに矢印に示すように揺動自在に構成することにより、水平方向(図1の紙面に垂直方向)に屈曲した排管tであっても、ノズル体3と高圧ホース2とがなす角を水平方向に自在に変更して洗浄が行える。
このように、ノズル体3と高圧ホース2とを垂直な軸心J2廻りに互いに揺動自在に構成することで、高圧ホース2を含む排管洗浄装置1の湾曲性を著しく向上して、排管tの水平方向の屈曲部に引っ掛かることなく円滑に前方に進むことができる。
そのため、水平方向に屈曲した排管tであっても、排管洗浄装置1によってその内面の洗浄を滞りなく行うことができる。
次に、上述した構成の排管洗浄装置1を用いて排管tの内周面tnを洗浄する工程について説明する。
図3に示すように、排管洗浄装置1において、高圧水wがポンプ(図示せず)により高圧ホース2を介してカム室3h内のカム室空間3h1に供給されると、カム室空間3h1に供給された高圧水wがプランジャpとカムcのカム輪郭凸状部c1により密閉されるため、カム室空間3h1の水圧がカム室空間3h2内の圧力より大きくなり、圧力差によりカムcが図3の矢印αのように回動する。
この際、プランジャpが、カム室3h内に出入自在に構成されるとともに圧縮バネsによりカムcのカム輪郭面に圧接されているので、カム輪郭凸部c1が回動してプランジャpとの圧接部に至ったときは、プランジャpはカム輪郭凸部c1に圧接してカム室3h外に移動し、カムcはプランジャpに妨害されることなく円滑に回動する。
このカムcの回動運動は、ロータ歯車g1、ブラシ回転歯車g2を介してブラシ4に伝達され、ブラシ4が矢印β方向に回動して排管tの内周面tnの汚れを掻き取る洗浄が行われる。
このようにして、カム室3h内のカムcが、供給される高圧水wおよびカムc自体の回動運動の慣性力により継続的に回転することでブラシ4が回動して、排管tの内周面tnの洗浄が継続的に行われる。
しかも、ブラシ4は、排管tの内周面tnを前方から後方に向けた回動を行うため、排管洗浄装置1は前方への進行力を得て、容易に進行方向に進むことができる。
なお、ブラシ4の回転数は、例えば、2000〜10000rpmのように、高圧水wの水圧、噴射孔3s1、3s2の径等によって適宜、設定することができる。
また、カム室3h内に、高圧ホース2を介して高圧水wが供給されることにより、噴射孔3s1からは洗浄水s1が噴射され、噴射孔3s2、3s2からは洗浄水s2、s2がそれぞれ噴射されている。
図3に示すように、前方向きの洗浄水s1の噴射力fs1の内周面tn長手方向の力成分fs11より後方向きの洗浄水s2、s2の噴射力fs2、fs2の内周面tn長手方向の力成分fs21、fs21の方が大きく設定されているため、排管tの内周面tnからのトータルの反力として、排管洗浄装置1には進行方向の前方向きの力が作用する。
そのため、排管洗浄装置1は、ブラシ4の回動による掻き取り力と、洗浄水s1、s2の噴射力により、前方に進む力が得られ、進行方向に自動的に進むことも可能である。
なお、高圧ホース2の繰り出しを停止すれば、排管洗浄装置1の進行は停止させることができ、また、高圧ホース2の拘束を解くことにより、高圧ホース2は前方に自動的に進行することができる。
また、前述した如く、前方向きの洗浄水s1の噴射力fs1の力成分fs12より後方向きの洗浄水s2、s2の噴射力fs2、fs2の力成分fs22、fs22の方が大きく設定されているため、排管tの内周面tnからのトータルの反力として、排管洗浄装置1には、噴射孔3s1が配設された側が排管tの内周面tnに近付こうとする力が作用し、ブラシ4が排管tの内周面tnに接触して掻き取りが行われるとともに、噴射孔3s1から噴射される洗浄水s1により、排管tの内周面tnに付着した固形物の除去、錆びの除去等の汚れの洗浄が強力かつ効率的に行われる。
なお、噴射孔3s2、3s2から噴射される洗浄水s2、s2によっても排管tの内周面tnに付着した固形物の除去、錆びの除去等の汚れの洗浄が行われる。
また、排管t内の洗浄においては、高圧ホース2をその長手方向に沿う軸心廻りに回転させて繰り出すため、排管洗浄装置1は、図2の矢印に示すように、排管tの内周面tnに対して軸心方向に螺旋状に回動して前方に進み、排管tの内周面tnを隈なく洗浄をすることができことになる。
また、図5、図6に示すように、水平な軸心J1廻りおよび垂直な軸心J2廻りにノズル体3と高圧ホース2とを揺動自在に構成すれば、湾曲性が著しく向上する。そのため、垂直方向および水平方向に屈曲した排管t内も滞ることなく前方に進むことが可能で、円滑に洗浄が行える。
上記構成によれば、高圧ホース2から供給される高圧水wを利用して、ブラシ4を回動させて、排管tの内周面tnの付着物等の汚れを掻き取るので、排管t内の洗浄が強力に行える。
そのため、洗浄水の圧力を低下させる、例えば、従来、200kg/cm2の水圧を20kg/cm2の水圧に低下させることが可能で、使用するポンプの小型化が図れる。
従って、装置の小型化が図れ、低コスト化が可能となる。例えば、従来の装置に比べ100分の1のコストに低減できる。
また、ブラシ4による洗浄力の向上により洗浄水の使用量を低減できる。
また、洗浄水s2の噴射力の垂直方向力成分を洗浄水s1の噴射力の垂直方向力成分より大きく設定することにより、ブラシ4を排管tの内周面tnに当接させて洗浄を行うことができ、ブラシ4による洗浄が強力に行える。
また、ブラシ4の回動および洗浄水s1、s2の噴射により、排管洗浄装置1の前方への進行力を得ることができる。
従って、洗浄用流体の使用量が低減できる小型かつ低コストの配管洗浄装置が実現できる。
なお、上述の実施例においては、洗浄用の流体として水を用いた場合を例示して説明したが、洗浄用の流体としては、温水、塩素入り水、水と空気との混合物等、水以外の流体も洗浄用の流体として使用でき、洗浄用の流体は、適宜選択可能である。
また、上述の実施例においては、排管t内の洗浄を例示して説明したが、配管であればマンション、事業用ビル等の排管に限定されることなく、本発明を有効に適用できる。
本発明の活用例として、マンション等の集合住宅、事業用ビル等の排管、食肉卸売り市場の解体した食肉の輸送管など、配管内の洗浄であれば、用途に限定されず、本発明を有効に活用できる。
本発明の実施例に関わる排管洗浄装置によって排管の内周面を洗浄している状態を示す概念的側面図。 図1のA方向矢視図。 実施例の排管洗浄装置の動作を示すノズル体廻りの一部縦断面を含む概念的側面図。 実施例の排管洗浄装置の要部の分解斜視図。 実施例の排管洗浄装置においてノズル体と高圧ホースとを水平な軸心廻りに互いに揺動自在に接続した構成を示す一部縦断面を含む概念的側面図。 実施例の排管洗浄装置においてノズル体と高圧ホースとを垂直な軸心廻りに互いに揺動自在に接続した構成を示す一部縦断面を含む概念的上面図。
符号の説明
1…排管洗浄装置(配管洗浄装置)、
2…高圧ホース、
3…ノズル体、
3h…カム室、
3s1…噴射孔(前向き噴射孔)、
3s2…噴射孔(後向き噴射孔)、
4…ブラシ、
c…カム、
c1…カム輪郭凸状部、
fs11…力成分(前向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の配管内周面長手方向の力成分)、
fs12…力成分(前向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の配管内周面に対する垂直方向の力成分)、
fs21…力成分(後向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の配管内周面長手方向の力成分)、
fs22…力成分(後向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の配管内周面に対する垂直方向の力成分)、
g1…ロータ歯車(動力伝達手段)、
g2…ブラシ回転歯車(被動力伝達手段)、
p…プランジャ(プランジャ体)、
s1、s2…洗浄水(洗浄流体)、
t…排管(配管)、
tn…排管内周面、
w…高圧水(高圧流体)。

Claims (5)

  1. 高圧ホースの先端にノズル体が接続され、該ノズル体に穿設された複数の噴射孔から高圧流体を噴射させて、配管内を洗浄する配管洗浄装置であって、
    前記ノズル体は、高圧ホースから高圧流体が供給される円筒状のカム室と、該カム室内に配設され、前記カム室の内周面を摺動して前記カム室を画成するカム輪郭凸状部およびブラシを回動するための動力伝達手段を有し、前記供給される高圧流体によって前記カム輪郭凸状部が押圧され回動するカムとを具え、
    前記カムのカム輪郭面に当接するように付勢され前記カムの回動に伴ない前記カム室に入出動作し、前記カムとともに前記カム室を画成するプラジャ体と、
    前記動力伝達手段を介して前記カムの回動が伝達される被動力伝達手段を有し、前記カムの回動に伴なって回動して配管内周面の汚れを掻き取る円筒状のブラシと
    を具備することを特徴とする配管洗浄装置。
  2. 前記ブラシは、前記配管内周面の汚れを掻き取るに際して接触する該配管内周面上を進行方向である前方から後方に向けて回動する
    ことを特徴とする請求項1に記載の配管洗浄装置。
  3. 前記複数の噴射孔は、前記配管の内周面に対して進行方向斜め前方に先浄流体を噴射する前向き噴射孔と、前記配管の内周面に対して進行方向斜め後方に先浄流体を噴射する後向き噴射孔とから成り、
    前記後向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の前記配管内周面長手方向の力成分は、前記前向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の前記配管内周面長手方向の力成分より大きく設定した
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配管洗浄装置。
  4. 前記後向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の前記配管内周面に対する垂直方向の力成分は、前記前向き噴射孔より噴射される先浄流体の噴射力の前記配管内周面に対する垂直方向の力成分より大きく設定した
    ことを特徴とする請求項3に記載の配管洗浄装置。
  5. 前記高圧ホースを回転させることにより前記配管内周面の長手方向に沿って螺旋状に旋回して洗浄を行う
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちの何れか一項に記載の配管洗浄装置。
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