JP2006244931A - プラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法 Download PDF

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政幸 岩崎
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Abstract

【課題】 寸法安定性に優れ、高精細で側面が滑らかな隔壁を形成することができ、かつ製造工程において、使用する材料の損失が少なく、高い歩留まりが得られ生産効率が高いプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法を提供すること。
【解決手段】 基板上に厚みが50〜250μmであって、アルカリ可溶性バインダー、光重合開始剤、重合性化合物及び熱重合禁止剤からなり、前記アルカリ可溶性バインダーと重合性化合物の合計量100質量部に対し、熱重合禁止剤を0.01〜0.5質量部含有した感光層を形成する感光層形成工程と、前記感光層を青紫色レーザ光照射装置により露光した後、現像して型を形成する型形成工程と、該型により得られた開口部にガラスペースト材料を充填した後、前記型を消失させて隔壁を形成する隔壁形成工程とをこの順に行うプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)の製造方法に関し、特に光を照射し,感光性樹脂上にパターンを形成するフォトリソグラフ法及び隔壁(バリアリブ)形成用の型に材料を充填して前記隔壁を形成するリフトオフ法を用いたプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法に関する。
近年、テレビやコンピュータ等の画像表示に用いられるカラー表示デバイスが大型化され、その中でも、プラズマディスプレイパネルを用いたプラズマディスプレイ装置が、大型で薄型、軽量、高精細な画像を実現することができるカラー表示デバイスとして注目されている。
前記プラズマディスプレイパネルは、ガラス基板などの透明基板に表示電極、誘電体層、保護層を積層した前面板と、基板にストライプ状のアドレス電極を形成した後、前記基板上に放電空間を形成する隔壁を設け、更に誘電体層を形成し、前記隔壁側面と誘電体層上に紫外線によって励起されて発光する赤色、緑色、青色の蛍光体層を形成した背面板とを備えている。これらの前面板と背面板を対向させて封着し、放電空間にネオン(Ne)、キセノン(Xe)などを封入し放電させている。
このようなプラズマディスプレイパネルに用いる前記隔壁の製造方法としては、スクリーン印刷法、サンドブラスト法及びリフトオフ法が実施されているが、それぞれ問題があった。
前記スクリーン印刷法の場合、厚み、50〜100μmの隔壁を製造するためには、5〜10回という多数回の重ね印刷工程が必要で、その都度乾燥工程が入るなど長い工程を必要とするため、生産性が劣る。また、大型パネルを製造する場合には、印刷精度に欠け、得られるパターンの線幅精度が損なわれるという問題があった(非特許文献1参照)。
前記サンドブラスト法の場合、高価なガラスフリット材を含むペースト(以下、ガラスペーストという。)で形成された隔壁材の大部分を削り取るため、高価な材料を多量に廃棄することになり、コストアップになるという問題があった。また、一般的に廃棄するガラスペースト材料は鉛を含んでおり、環境への悪影響が懸念されるという問題もあった(特許文献1、非特許文献2参照)。
前記リフトオフ法の場合、隔壁の高さを得るため、パターン形成用の感光層が50〜250μmという厚い層を積層し、フォトリソグラフ法により露光しているが、高価な大型ガラス製フォトマスクを必要とするため低価格化に劣り、前記フォトマスクに生じた汚れなどによりパターン不良が発生し歩留まりが低下するという問題があった。また、前記感光層の露光、硬化、乾燥の後、前記隔壁を形成するための型を形成し、更に前記型に隔壁形成材料を充填して焼成し前記隔壁を得るという工程を経るが、前記焼成時の収縮により前記隔壁の寸法の安定性に欠け、高精細の前記隔壁が得られにくいという問題があった(特許文献2〜5参照)。
特開平2−301934号公報 特開平4−223391号公報 特開平7−300381号公報 特開平10−188792号公報 特開平2004−117857号公報 「超高精細プラズマディスプレイパネルの印刷技術」電子情報通信学会 技報Vol.89,No.377,P69−P71 「最新プラズマディスプレイ製造技術」、プレスジャーナル刊、平成9年発行、P101−P105
本発明の課題は、フォトリソグラフ法及びリフトオフ法を改良し、寸法安定性に優れ、高精細で側面が滑らかなプラズマディスプレイパネル用隔壁を形成することができ、かつ製造工程において、使用する材料の損失が少なく、フォトマスクの汚れなどによるパターン不良が発生せず、高い歩留まりが得られ、生産効率が高いプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法を提供することにある。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 基板上に、アルカリ可溶性バインダー、光重合開始剤、重合性化合物及び熱重合禁止剤からなり、前記アルカリ可溶性バインダー及び重合性化合物の合計量100質量部に対し、熱重合禁止剤を0.01〜1.0質量部含有し、かつ厚みが50〜250μmの感光層を形成する感光層形成工程と、
前記感光層を青紫色レーザ光照射装置によりパターン露光した後、現像して型を形成する型形成工程と、
該型により得られた開口部にガラスペースト材料を充填した後、前記型を消失させて隔壁を形成する隔壁形成工程と
を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
<2> 感光層が、波長405nmでの光学濃度が、0.1〜0.5である前記<1>に記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
<3> 熱重合禁止剤が、フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物、イミノ基で置換された芳香環を有する化合物、イミノ基で置換された複素環を有する化合物、及びヒンダートアミン化合物から選択される少なくともいずれか1種を含む前記<1>から<2>のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
<4> ガラスペースト材料が、酸化鉛、酸化ビスマス及び酸化亜鉛の少なくともいずれか1種を含む前記<1>から<3>のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
<5> 基板が、ガラス基板である前記<1>から<4>のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
<6> 青紫色レーザ光照射装置が、395〜415nmの波長の青紫色レーザ光を用いて露光する前記<1>から<5>のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
<7> 感光層を複数回積層した前記<1>から<6>のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
<8> 感光層形成工程が基板上に誘電体層及び感光層をこの順に形成する前記<1>から<7>のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
<9> 隔壁形成工程の後に誘電体層及び蛍光体層を形成する工程を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
<10> 露光が、形成するパターン情報に基づいて像様に行われる前記<1>から<9>のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
<11> 露光が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成し、該制御信号に応じて変調させた光を用いて行われる前記<1>から<10>のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
該<11>に記載のパターン形成方法においては、形成するパターン形成情報に基づいて制御信号が生成され、該制御信号に応じて光が変調される。
<12> 露光が、光を照射する光照射手段と、形成するパターン情報に基づいて前記光照射手段から照射される光を変調させる光変調手段とを用いて行われる前記<1>から<11>のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
<13> 露光が、光変調手段により光を変調させた後、前記光変調手段における描素部の出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる前記<12>に記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
該<13>に記載のパターン形成方法においては、前記光変調手段により変調した光が、前記マイクロレンズアレイにおける前記非球面を通ることにより、前記描素部における出射面の歪みによる収差が補正される。この結果、感光性転写シート上に結像させる像の歪みが抑制され、該感光性転写シートへの露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<14> 非球面が、トーリック面である前記<13>に記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
該<14>に記載のパターン形成方法においては、前記非球面がトーリック面であることにより、前記描素部における放射面の歪みによる収差が効率よく補正され、感光性転写シート上に結像させる像の歪みが効率よく抑制される。この結果、前記感光性転写シートへの露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<15> 露光が、アパーチャアレイを通して行われる前記<1>から<14>のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
該<15>に記載のパターン形成方法においては、露光が前記アパーチャアレイを通して行われることにより、消光比が向上する。この結果、露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<16> 露光が、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行われる前記<1>から<15>のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
該<16>に記載のパターン形成方法においては、前記変調させた光と前記感光層とを相対的に移動させながら露光することにより、露光が高速に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、高精細なパターンが形成される。
<17> 露光が、感光層の一部の領域に対して行われる前記<1>から<16>のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法である。
<18> 光を照射可能な光照射手段と、該光照射手段からの光を変調し、前記感光層に対して露光を行う光変調手段とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成装置である。
該<18>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が、前記光変調手段に向けて光を照射する。前記光変調手段が、前記光照射手段から受けた光を変調する。前記光変調手段により変調した光が前記感光層に対して露光させる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、高精細なパターンが形成される。
<19> 光変調手段が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を更に有してなり、光照射手段から照射される光を該パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて変調させる前記<18>に記載のパターン形成装置である。
該<19>に記載のパターン形成装置においては、前記光変調手段が前記パターン信号生成手段を有することにより、前記光照射手段から照射される光が該パターン信号生成手段により生成した制御信号に応じて変調される。
<20> 光変調手段が、n個の描素部を有してなり、該n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部を、形成するパターン情報に応じて制御可能である前記<18>から<19>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
該<20>に記載のパターン形成装置においては、前記光変調手段におけるn個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の描素部をパターン情報に応じて制御することにより、前記光照射手段からの光が高速で変調される。
<21> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<18>から<20>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
<22> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<21>に記載のパターン形成装置である。
<23> 描素部が、マイクロミラーである前記<18>から<22>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
<24> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<18>から<23>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
該<24>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が2以上の光を合成して照射可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光によって行われる。この結果、前記感光性転写シートへの露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<25> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する前記<18>から<24>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
該<25>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が、前記複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザ光が前記集合光学系により集光され、前記マルチモード光ファイバに結合可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記感光性転写シートへの露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
本発明によると、フォトリソグラフ法及びリフトオフ法を改良し、寸法安定性に優れ、高精細で側面が滑らかなプラズマディスプレイパネル用隔壁を形成することができ、かつ製造工程において、使用する材料の損失が少なく、フォトマスクの汚れなどによるパターン不良が発生せず、高い歩留まりが得られ、生産効率が高いプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法を提供することができる。
本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法及び該製造方法で用いられるパターン形成装置について順に説明する。
本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法は、感光層形成工程、型形成工程及び隔壁形成工程を行い、目的に応じて適宜選択されるその他の工程を経てプラズマディスプレイパネル用隔壁を得る製造方法である。
−感光層形成工程―
前記感光層形成工程は、支持体上に前記感光層、誘電体層及びその他の層を積層してパターン形成材料(DFR)を作製した後、図1及び図8に示すように、該パターン形成材料を前記基板上に転写することにより前記基板上に前記感光層を形成して積層体を作製する工程であり、更に目的に応じて適宜選択されるその他の工程が含まれる。
――支持体――
前記支持体は、積層された各感光層などを支持するものであり、感光層を剥離することができ、かつ光の透過性が良好であり、表面の平滑性が良好であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記支持体の材料としては、合成樹脂で、かつ透明なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムを挙げることができる。更にこれらの二種以上からなる複合材料も使用することができる。上記の中でポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2〜150μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、8〜50μmが特に好ましい。2μm未満では、支持体として引き裂き強度が低いので取り扱い難いことがあり、150μmを超えると、感光層の転写性が劣ることがある。
また、前記支持体は長尺支持体であることが好ましい。本発明のパターン形成材料を製造する際に使用する長尺支持体の長さとしては、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺体でロール状に巻かれて保管しうるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10〜20,000mの長さのものを使用することができる。ユーザーが使いやすいようにスリット加工し100mから1,000mで長尺体であってロール状にしてもよい。なお、この際には支持体が一番外側になるように巻き取られることが好ましい。また、前記ロール状のパターン形成材料をシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置することが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いることが好ましい。
−感光層−
前記感光層には、光照射部分のみが硬化して、該硬化部分が前記基板に密着し、現像液で不要部分を溶解除去する際に、光照射されなかった未硬化部分のみが溶解し除去され、前記硬化部分が前記基板上に残存することにより目的のプラズマディスプレイパネル用隔壁の型が形成されという機能がある。
前記感光層の成分としては、アルカリ可溶性バインダー、光重合開始剤、重合性化合物及び熱重合禁止剤からなるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、、前記アルカリ可溶性バインダー及び重合性化合物の合計量100質量部に対し、熱重合禁止剤を0.01〜0.5質量部含有したものなどが挙げられる。
前記質量部が0.01未満であると、感光層の熱安定性が劣化し、0.5を超えると、感光層の光感度が低くなる。
前記感光層の厚みとしては、目的の隔壁用型を形成しうるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50〜250μmが好ましい。50μm未満であると、PDP隔壁の必要厚みを形成するのら不十分となり、250μmを超えると、感光層の塗布乾燥に時間を要するようになり効率が悪くなる。
また、前記感光層の光特性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、波長405nmでの光学濃度が、0.1〜0.5であることが好ましい。0.1未満であると、断面が台形型が得られるので好ましくなく、0.5を超えると、断面が逆台形の型であるが基板への密着性が劣化するので好ましくない。
――アルカリ可溶性バインダー――
前記アルカリ可溶性バインダーとしては、アルカリ水溶液に可溶であり、少なくとも膨潤性を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸性基(カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基など)を有するものが利用できるが、特にカルボキシル基を有するバインダーが代表的であり、例えば、カルボキシル基含有ビニル共重合体、カルボキシル基含有ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられるが、塗布溶媒への溶解性、アルカリ現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調整の容易さなどからカルボキシル基含有ビニル共重合体が好ましい。
前記カルボキシル基含有ビニル共重合体は、少なくとも(1)カルボキシル基含有ビニルモノマー、及び(2)これらと共重合可能なモノマーとの共重合により得ることができる。
前記カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω―カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
上記の共重合体の合成に用いることができるその他の共重合可能なモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。具体的には、以下の様な化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類としては、例えば、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。フマル酸ジエステル類としては、例えば、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。イタコン酸ジエステル類としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
スチレン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
上記化合物の他にも、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾールなど)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン等も使用できる。
また、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエチル)、リン酸モノ(1−メチル−2−アクリロイルオキシエチルエステル)なども利用できる。
上記の化合物以外にも、例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基などの官能基を有するビニルモノマーも用いることができる。
この様なウレタン基、又はウレア基を有するモノマーとしては、例えば、イソシアナート基と水酸基、又はアミノ基の付加反応を利用して、適宜合成することが可能である。具体的には、イソシアナート基含有モノマーと水酸基を1個含有する化合物又は1級あるいは2級アミノ基を1個含有する化合物との付加反応、又は水酸基含有モノマー又は1級あるいは2級アミノ基含有モノマーとモノイソシアネートとの付加反応等により適宜合成することができる。
前記イソシアナート基含有モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記のような化合物が挙げられる(Rは水素原子又はメチル基を表す)。
前記モノイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロヘキシルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、トルイルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェニルイソシアネート等が挙げられる。
前記水酸基含有モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記のような化合物が挙げられる(Rは水素原子又はメチル基を表し、nは1以上の整数を表す)。
前記水酸基を1個含有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、n−プロパノール、i―プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−オクタデカノール、シクロペンタノール、シクロへキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等)、フェノール類(フェノール、クレゾール、ナフトール等)、更に置換基を含むものとして、フロロエタノール、トリフロロエタノール、メトキシエタノール、フェノキシエタノール、クロロフェノール、ジクロロフェノール、メトキシフェノール、アセトキシフェノール等も挙げられる。
1級あるいは2級アミノ基含有モノマーとしては、例えば、ビニルベンジルアミンなどが挙げられる。
1級あるいは2級アミノ基を1個含有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i―プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン)、環状アルキルアミン(シクロペンチルアミン、シクロへキシルアミン等)、アラルキルアミン(ベンジルアミン、フェネチルアミン等)、アリールアミン(アニリン、トルイルアミン、キシリルアミン、ナフチルアミン等)、更にこれらの組み合わせ(N−メチル−N−ベンジルアミン等)、更に置換基を含むアミン(トリフロロエチルアミン、ヘキサフロロイソプロピルアミン、メトキシアニリン、メトキシプロピルアミン等)等が挙げられる。
上記の化合物は一種のみでも、また二種以上を併用してもよい。その他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、及びヒドロキシスチレンなどが特に好ましい。
この様なビニル共重合体は、それぞれ相当するモノマーを公知の方法で常法に従って共重合させることで得られる。例えばこれらのモノマーを適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用して得られる。また水性媒体中に上記のモノマーを分散させた状態でいわゆる乳化重合等で重合をおこなってもよい。
溶液重合法で用いられる適当な溶媒のとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、用いるモノマー、及び生成する共重合体の溶解性に応じて任意に選択できる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。また、ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)の様なアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドの様な過酸化物、及び過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムの様な過硫酸塩などが利用できる。
これらのモノマーから得られるビニル共重合体中のカルボキシル基を有する重合性化合物に由来の繰り返し単位の含有率は、前記感光層は共重合体の全繰り返し単位中の5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、15〜35モル%が特に好ましい。該含有率が5モル%未満であるとアルカリ水への現像性が不足する場合があり、50モル%を越えると硬化部(画像部)の現像液耐性が不足する場合がある。
カルボキシル基を有するアルカリ可溶性バインダーの分子量は任意に調整が可能であるが、前記感光層は質量平均分子量として2,000〜300,000が好ましく、4,000〜150,000がより好ましい。質量平均分子量が2,000未満であると膜の強度が不足しやすく、また安定な製造が困難になる傾向にある。また、分子量が300,000を超えると現像性が低下する傾向にある。
また、これらのカルボキシル基を有するアルカリ可溶性バインダーは、前記感光層は一種でも二種以上のアルカリ可溶性バインダーを併用してもよい。2種以上のアルカリ可溶性バインダーを併用する場合としては、例えば、異なる共重合成分からなる2種以上のアルカリ可溶性バインダー、異なる質量平均分子量の2種以上のアルカリ可溶性バインダー、異なる分散度の2種以上のアルカリ可溶性バインダー等が挙げられる。
カルボキシル基を有するアルカリ可溶性バインダーは、そのカルボキシル基の一部又は全てが塩基性物質で中和されていてもよい。アルカリ可溶性バインダーは、更にポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ゼラチン等構造の異なる樹脂を併用してもよい。
また、アルカリ可溶性バインダーとしては、例えば、特許2873889号等に記載のアルカリ水溶液に可溶な樹脂なども挙げられる。
前記感光層中のアルカリ可溶性バインダーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層は通常、10〜90質量%であり、20〜80質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましい。該カルボキシル基を有するアルカリ可溶性バインダー(及び必要に応じて併用される高分子結合剤)の含有量が少ないと、アルカリ現像性や基板(例えば、ガラス基板)との密着性が低下しやすく、多くなり過ぎると、現像時間に対する安定性や前記型の強度が低下する傾向にある。
――光重合開始剤――
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前述のモノマー成分の重合を開始する能力を有する化合物は全て使用可能であり、特に紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものであれば好適に使用できる。例えば、約300〜800nm(330〜500nmがより好ましい。)内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも一種含有していることが好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、またモノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
具体的には、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えばトリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの)、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル等を挙げることができる。これらの中でも、特にトリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素、オキシム誘導体、ヘキサアリールビイミダゾール、ケトン化合物を用いることが、感光層の感度、保存性、及び感光層とガラス基板との密着性等の観点から好ましい。
前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、次のような化合物が挙げられる。
若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、例えば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン。
英国特許1388492号明細書記載の化合物、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−1,3,5−トリアジン。
特開昭53−133428号公報記載の化合物、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン。
独国特許3337024号明細書記載の化合物、例えば、2−(4−スチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシスチリル)フェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチルビニレンフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−クロロスチリルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−3−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−フラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−ベンゾフラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン。
F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリ(ブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロロメチル−1,3,5−トリアジン。
特開昭62−58241号公報記載の化合物、例えば、2−(4−フェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ナフチル−1−エチニルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−トリルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシフェニル)エチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−イソプロピルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−エチルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン。
特開平5−281728号公報記載の化合物、例えば、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン。
特開平5−34920号公報記載の2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−1,3,5−トリアジン、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、更に2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
また、米国特許第4212976号明細書等に記載されているオキサジアゾール骨格を有する化合物等も挙げることができる。
前記オキサジアゾール骨格を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロモメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
本発明で好適に用いられるオキシム誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式で示される化合物を挙げることができる。



本発明に使用することができるヘキサアリールビイミダゾールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−フロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(4−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(4−メトキシフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、WO00/52529号公報に記載の化合物等が挙げられる。
上記のビイミダゾール類は、例えば、Bull.Chem.Soc.Japan,33,565(1960)、及びJ.Org.Chem,36(16)2262(1971)に開示されている方法により容易に合成することができる。
ケトン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシー2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン等が挙げられる。
またこの他、アクリジン誘導体(例えば9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9、9’−アクリジニル)ヘプタン等)、N−フェニルグリシン等、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン等があげられ、他に特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号公報などに記載のクマリン化合物が挙げられる)、アミン類(例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸フェネチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−フタルイミドエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチル、ペンタメチレンビス(4−ジメチルアミノベンゾエート)、3−ジメチルアミノ安息香酸のフェネチル及びペンタメチレンエステル、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2−クロル−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンジルアルコール、エチル(4−ジメチルアミノベンゾイル)アセテート、4−ピペリジノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾイン、N,N−ジメチル−4−トルイジン、N,N−ジエチル−3−フェネチジン、トリベンジルアミン、ジベンジルフェニルアミン、N−メチル−N−フェニルベンジルアミン、4−ブロム−N,N−ジメチルアニリン、トリドデシルアミン、アミノフルオラン類(ODB,ODB2など)、クリスタルバイオレットラクトン、ロイコクリスタルバイオレット等)、アシルホスフィンオキシド類(例えばビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキシド、LucirinTPOなど)、メタロセン類(例えばビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェイト(1―)など)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第3615455号明細書に開示されている化合物なども挙げられる。
更に米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、特開2002−229194号公報に記載の有機ホウ素化合物やその他例示のラジカル発生剤など、またトリアリールスルホニウム塩(ヘキサフロロアンチモンやヘキサフロロホスフェートとの塩)、(フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウム塩などのようなホスホニウム塩化合物(カチオン重合開始剤として有効)、WO01/71428号公報記載のオニウム塩化合物などを用いることもできる。
前記光重合開始剤は、一つ又は二つ以上を併用して使用することができる。この様な組み合わせとしては、例えば、米国特許第3549367号明細書に記載のヘキサアリールビイミダゾールと4−アミノケトン類との組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物の組合せなど、またチオキサントンなどの芳香族ケトン化合物と水素供与体(例えばジアルキルアミノ含有化合物、フェノール化合物など)の組合せ、ヘキサアリールビイミダゾールとチタノセンとの組合せ、クマリン類とチタノセンとフェニルグリシン類との組合せも利用できる。
前記光重合開始剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層は該感光層の全成分に対して、一般に0.1〜30質量%が一般的であり、0.5〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
――重合性化合物――
前記重合性化合物(いわゆるモノマー)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合性基を2個以上含有するモノマー、あるいはオリゴマー(多官能モノマー、多官能オリゴマー)などが挙げられる。
重合性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン性不飽和結合(例えば(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、ビニルエステルやビニルエーテルなどのビニル基、アリルエーテルやアリルエステルなどのアリル基など)、重合可能な環状エーテル基(例えばエポキシ基、オキセタン基など)などが挙げられる。これらの内でエチレン性不飽和結合が好ましい。
このような多官能モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜18であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2から18であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなど)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,5−ベンタンジオール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物など)、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、キシレノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類の中でも、その入手の容易さから、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステル等を挙げることができる。
イタコン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イタコン酸エステル)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4ーブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、及びソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(クロトン酸エステル)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、及びソルビトールテトラジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イソクロトン酸エステル)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、及びソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(マレイン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、及びソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
また、多価アミン化合物と不飽和カルボン酸類から誘導されるアミドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、オクタメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミンビス(メタ)アクリルアミド、及びキシリレンビス(メタ)アクリルアミド等がある。
更に、ビスフェノール骨格を有する2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換したエチレンオキシ基の数が2から20の2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパン(例えば2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンなど)、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換したプロピレンオキシ基の数が2から20の2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン(例えば2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパンなど)やこれらの化合物のポリエーテル部位として同一分子中にポリエチレンオキシド骨格とポリプロピレンオキシド骨格の両者を含む化合物なども挙げられる(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物など)。これらの化合物は例えばBPE−200,BPE−500,BPE−1000(新中村化学工業(株)製)などとして入手できる。
また、ビスフェノールとエチレンオキシドやプロピレンオキシドなどの付加物、重付加物として得られる末端に水酸基を有する化合物に対して、イソシアネート基と重合基を有する化合物(2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、α、α−ジメチル−ビニルベンジルイソシアネートなど)の付加体の様にビスフェノール骨格とウレタン基を有する重合性化合物も利用できる。
また、ノボラック型エポキシ樹脂、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物も利用できる。
また、重合性基とウレタン基を含有する化合物も利用できる。この様な化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特公昭48−41708、特開昭51−37193、特公平5−50737、特公平7−7208、特開2001−154346、特開2001−356476号公報などに記載されており、例えば、1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルジイソシアネートやこれらのジイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレートなどの3量体、これらのジイソシアネート類とトリメチロールプロパン、ペンタエリスルトール、グリセリンなどの多官能アルコール、又はこれらのエチレンオキシド付加物など得られる多官能アルコールとの付加体など)と分子中に水酸基を含有するビニルモノマー(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、など)とを付加せしめることで得られる1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。またトリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等の様なイソシアヌレート環を有する化合物も利用できる。
また、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレートやポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー類、エポキシ化合物(ノボラック型エポキシ樹脂、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなど)と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。またフタル酸やトリメリット酸などと前記の分子中に水酸基を含有するビニルモノマーから得られるエステル化物なども挙げられる。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
また、アリルエステル(例えばフタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マロン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ベンゼンジスルホン酸ジアリル、トリアリルイソシアヌレートなど);及びジアリルアミド(例えばジアリルアセトアミドなど)なども利用できる。
また、前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カチオン重合性のジビニルエーテル類(例えばブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテルなど)、エポキシ化合物(ノボラック型エポキシ樹脂、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなど)、オキセタン類(例えば1,4−ビス〔(3−エチルー3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼンなど)を用いることもできる。またエポキシ化合物、オキセタン類としては、WO01/22165に記載の化合物を用いることもできる。
前記ビニルエステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペート、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3−ジスルホネート及びジビニルブタン−1,4−ジスルホネート等も利用できる。
前記スチレン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジビニルベンゼン、4−アリルスチレン及び4−イソプロペンスチレンなどを挙げることができる。
更に、上記化合物以外の化合物として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N−β−ヒドロキシエチル−β−(メタクリルアミド)エチルアクリレート、N,N−ビス(β−メタクリロキシエチル)アクリルアミド、アリルメタクリレートなどの、異なったエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物も、本発明に好適に用いられる化合物として挙げることができる。
これらの多官能モノマー、オリゴマーは、単独で又は2種類以上を組合せて用いることができる。
更に、必要に応じて、分子内に重合性基を1個含有する重合性化合物(単官能モノマー)を併用することもできる。単官能モノマーとしては、例えば、前述のアルカリ可溶性バインダーの原料として例示した化合物、特開平6−236031号公報に開示されている2塩基のモノ((メタ)アクリロイルオキシアルキルエステル)モノ(ハロヒドロキシアルキルエステル)の様な単官能モノマー(例えばγ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレートなど)などや、特許2744643号、WO00/52529号、特許2548016号公報などに記載の化合物が挙げられる。
前記感光層のモノマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層は一般に5〜90質量%であり、15〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。モノマーの含有量が上記より少ないとテント膜の強度が低下し、多いと保存時のエッジフュージョン(ロール端部からのしみだし故障)が悪化する傾向にある。
また、全モノマーの内の重合性基を2ヶ以上含有する多官能モノマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般に5〜100質量%であり、20〜100質量%が好ましく、40〜100質量%がより好ましい。
−熱重合禁止剤−
前記熱重合禁止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記熱重合禁止剤は、前記露光により前記光重合開始剤から発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割を果たす。
前記熱重合禁止剤としては、孤立電子対を有する化合物(例えば、酸素、窒素、硫黄、金属等を有する化合物)、パイ電子を有する化合物(例えば、芳香族化合物)などが挙げられ、具体的には、フェノール性水酸基を有する化合物、イミノ基を有する化合物、ニトロ基を有する化合物、ニトロソ基を有する化合物、芳香環を有する化合物、複素環を有する化合物、金属原子を有する化合物(有機化合物との錯体を含む)などが挙げられる。これらの中でも、フェノール性水酸基を有する化合物、イミノ基を有する化合物、芳香環を有する化合物、複素環を有する化合物が好ましい。
前記フェノール性水酸基を有する化合物は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物が好ましい。該フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物において、少なくとも2個のフェノール性水酸基は、同一の芳香環に置換されていてもよく、同一分子内における異なる芳香環に置換されているもよい。
前記フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物は、例えば、下記構造式(A)で表される化合物がより好ましい。
前記構造式(A)中、Zは、置換基を表し、mは、2以上の整数を表す。nは0以上の整数を表す。該m及びnは、m+n=6となるように選ばれる整数が好ましい。また、nが2以上の整数である場合、前記Xは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
前記mが2未満となると、解像度が悪化することがある。
前記置換基としては、例えば、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ基、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メチルスルホニルアミノカルボニル基、オクチルスルホニルアミノカルボニル基)、アリールスルホニルアミノカルボニル基(例えば、トルエンスルホニルアミノカルボニル基)、炭素数30以下のアシルアミノスルホニル基(例えば、ベンゾイルアミノスルホニル基、アセチルアミノスルホニル基、ピバロイルアミノスルホニル基)、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシエトキシ基、フェネチルオキシ基等)、炭素数30以下のアリールチオ基、アルキルチオ基(例えば、フェニルチオ基、メチルチオ基、エチルチオ基、ドデシルチオ基等)、炭素数30以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、炭素数30以下のアルキル基、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、ステアリルオキシカルボニルオキシ基、フェノキシエトキシカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、クロロフェノキシカルボニルオキシ基)、炭素数30以下のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下のアルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、トルフルオロメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ドデシルスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基、ナフタレンスルホニル基、ピリジンスルホニル基、キノリンスルホニル基)、炭素数30以下のアリール基(例えばフェニル基、ジクロロフェニル基、トルイル基、メトキシフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、t−オクチルフェニル基、ナフチル基等)、置換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アシルアミノ基等)、置換ホスホノ基(例えば、ホスホノ基、ジエチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基)、複素環式基(例えば、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、テトラヒドロフルフリル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、イソキノリル基、チアジアゾリル基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、インドリル基、イソインドリル基、チオモルホリノ基)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、ジメチルウレイド基、フェニルウレイド基等)、スルファモイルアミノ基(例えば、ジプロピルスルファモイルアミノ基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、エトキシカルボニルアミノ基等)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、シリル基(例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ基等)等が挙げられる。
前記構造式(A)で表される化合物としては、例えば、アルキルカテコール(例えば、カテコール、レゾルシノール、1,4−ヒドロキノン、2−メチルカテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、2−エチルカテコール、3−エチルカテコール、4−エチルカテコール、2−プロピルカテコール、3−プロピルカテコール、4−プロピルカテコール、2−n−ブチルカテコール、3−n−ブチルカテコール、4−n−ブチルカテコール、2−tert−ブチルカテコール、3−tert−ブチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、3,5−di−tert−ブチルカテコール等)、アルキルレゾルシノール(例えば、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、2−エチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、2−プロピルレゾルシノール、4−プロピルレゾルシノール、2−n−ブチルレゾルシノール、4−n−ブチルレゾルシノール、2−tert−ブチルレゾルシノール、4−tert−ブチルレゾルシノール等)、アルキルヒドロキノン(例えば、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−di−tert−ブチルヒドロキノン等)、ピロガロール、フロログルシンなどが挙げられる。
また、前記フェノール性水酸基を有する化合物は、例えば、前記フェノール性水酸基を少なくとも1個有する芳香環が互いに2価の連結基で連結された化合物も好ましい。
前記2価の連結基としては、例えば、1〜30個の炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、SO、SO等を有する基が挙げられる。前記硫黄原子、酸素原子、SO、及びSOは、直接結合していてもよい。
前記炭素原子及び酸素原子は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、上述した前記構造式(A)におけるZが挙げられる。
また、前記芳香環は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、上述した前記構造式(A)におけるZが挙げられる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールM、感熱紙に顕色剤として用いられる公知のビスフェノール化合物、特開2003−305945号公報に記載のビスフェノール化合物、酸化防止剤として用いられるヒンダードフェノール化合物などが挙げられる。また、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、サリチル酸メチル、ジエチルアミノフェノール等の置換基を有するモノフェノール化合物なども挙げられる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物の市販品としては、本州化学社製のビスフェノール化合物が挙げられる。
前記イミノ基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、分子量が50以上のものが好ましく、分子量が70以上のものがより好ましい。
前記イミノ基を有する化合物は、イミノ基で置換された環状構造を有することが好ましい。該環状構造としては、芳香環及び複素環の少なくともいずれかが縮合しているものが好ましく、芳香環が縮合しているものがより好ましい。また、前記環状構造では、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を有していてもよい。
前記イミノ基を有する化合物の具体例としては、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、ヒドロキノリン、又は、これらの化合物を上述した前記構造式(1)におけるZで置換した化合物が挙げられる。
前記イミノ基で置換された環状構造を有する化合物としては、ヒンダードアミンを一部に有するヒンダードアミン誘導体が好ましい。
前記ヒンダードアミンとしては、例えば、特開2003−246138号公報に記載のヒンダードアミンが挙げられる。
前記ニトロ基を有する化合物又は前記ニトロソ基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、分子量が50以上のものが好ましく、分子量が70以上のものがより好ましい。
前記ニトロ基を有する化合物又は前記ニトロソ基を有する化合物の具体例としては、ニトロベンゼン、ニトロソ化合物とアルミニウムとのキレート化合物等が挙げられる。
前記芳香環を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記芳香環が孤立電子対を有する置換基(例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する置換基)で置換されているものが好ましい。
前記芳香環を有する化合物の具体例としては、例えば、上述のフェノール性水酸基を有する化合物、上述のイミノ基を有する化合物、アニリン骨格を一部に有する化合物(例えば、メチレンブルー、クリスタルバイオレット等)が挙げられる。
前記複素環を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、該複素環が、窒素、酸素、硫黄等の孤立電子対を有する原子を有するものが好ましい。
前記複素環を有する化合物の具体例としては、ピリジン、キノリンなどが挙げられる。
前記金属原子を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記金属原子としては、前記重合開始剤から発生したラジカルと親和性を有する金属原子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム、チタンなどが挙げられる。
前記熱重合禁止剤の中でも、フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物、イミノ基で置換された芳香環を有する化合物、イミノ基で置換された複素環を有する化合物が好ましく、イミノ基が環状構造の一部を構成している化合物、ヒンダードアミン化合物が特に好ましい。具体的には、カテコール、フェノチアジン、フェノキサジン、ヒンダードアミン、又はこれらの誘導体が好ましい。
前記熱重合禁止剤は、一般に市販の重合性化合物中に微量に含まれているが、本発明においては、解像度を向上させる観点から、市販の前記重合性化合物中に含まれる熱重合禁止剤とは別に上述の熱重合禁止剤を含ませるものである。よって、前記熱重合禁止剤は、安定性付与のために市販の前記重合性化合物中に含まれる4−メトキシフェノール等のモノフェノール系化合物を除いた化合物が好ましい。
なお、前記熱重合禁止剤は、パターン形成材料の製造工程において、感光性樹脂組成物溶液に予め添加してもよい。
前記熱重合禁止剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光層のアルカリ可溶性バインダー及び重合性化合物の合計量100質量部に対して0.01〜1.0質量%が好ましく、0.05〜0.7質量%がより好ましく、0.1〜0.4質量%が特に好ましい。熱重合禁止剤の添加量が、こを超えて多くなると活性エネルギー線に対する感度が低下する傾向にあり、こを超えて少なくなると保存時の安定性が低下する傾向にある。
――その他の成分――
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、増感剤、可塑剤、発色剤、着色剤、更に基体表面への密着促進剤、界面活性剤及びその他の助剤類(例えば顔料、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよく、これによって目的とするパターン形成材料の安定性、写真性、焼きだし性、膜物性等の性質を調節することができる。
―――増感剤―――
前記感光層の露光における感度や感光波長を調整する目的で増感剤を添加することができる。露光の光線(活性エネルギー線)として可視光線や紫外光・可視光レーザを用いる場合などに、増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤など)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動など)し、ラジカルや酸などの有用基を発生することが可能である。
前記増感剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリンなどが挙げられ、他に特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号などの各公報に記載のクマリン化合物が挙げられる。)なども利用できる。
前記重合開始剤と前記増感剤の組み合わせとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などに記載の例などが挙げられる。
前記感光層には増感剤が含まれていてもよい。増感剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光性樹脂組成物の全成分に対し、一般に0.05〜30質量%であり、0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜10質量%がより好ましい。増感剤の添加量が多いと感光層から保存時に析出し、あまりに少ないと活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、生産性を低下することがある。
―――可塑剤―――
前記可塑剤は、感光層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加してもよい。可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;4−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類などが挙げられる。
前記可塑剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光層の全成分に対して0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%が特に好ましい。
―――発色剤―――
前記発色剤は、露光後の感光層に可視像を与える(焼きだし機能)ために添加してもよい。発色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレツト)、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−〔4−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル〕メタン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、トリス(4−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(2−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジビドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(4−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4’−ジメチルアミノジフェニルアミン、4−アミノ−α、β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−4−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−2−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素をもつていないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許3,042,515号及び同第3,042,517号に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例、4,4’−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4’−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)などが挙げられる。これらのなかでもロイコクリスタルバイオレットなどのトリアリールメタン系化合物が好ましい。
更に、これらのロイコ体を発色させるためなどの目的で、ハロゲン化合物と組み合わせることが知られている。ハロゲン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハロゲン化炭化水素(例えば四臭化炭素、ヨードホルム、臭化エチレン、臭化メチレン、臭化アミル、臭化イソアミル、ヨウ化アミル、臭化イソブチレン、ヨウ化ブチル、臭化ジフェニルメチル、ヘキサクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,2−ジブロモ−1,1,2−トリクロロエタン、1,2,3トリブロモプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、テトラクロロシクロプロペン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ジブロモシキロヘキサン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(4−クロロフェニル)エタンなど);ハロゲン化アルコール化合物(例えば、2,2,2−トリクロロエタノール、トリブロモエタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、ジ(ヨードヘキサメチレン)アミノイソプロパノール、トリブロモ−t−ブチルアルコール、2,2,3−トリクロロブタン−1,4−ジオールなど);ハロゲン化カルボニル化合物(例えば1,1−ジクロロアセトン、1,3−ジクロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサブロモアセトン、1,1,3,3−テトラクロロアセトン、1,1,1−トリクロロアセトン、3,4−ジブロモ−2−ブタノン、1,4−ジクロロ−2−ブタノン−ジブロモシクロヘキサノンなど);ハロゲン化エーテル化合物(例えば2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、ジ(2−ブロモエチル)エーテル、1,2−ジクロロエチルエチルエーテルなど);ハロゲン化エステル化合物(例えば酢酸ブロモエチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸トリクロロエチル、2,3−ジブロモプロピルアクリレートのホモポリマー及び共重合体、ジブロモプロピオン酸トリクロロエチル、α,β−ジグロロアクリル酸エチルなど);ハロゲン化アミド化合物(例えばクロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリブロモアセトアミド、トリクロロエチルトリクロロアセトアミド、2−ブロモイソプロピオンアミド、2,2,2−トリクロロプロピオンアミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドなど);硫黄やリンを有する化合物(例えばトリブロモメチルフェニルスルホン、4−ニトロフェニルトリブロモメチルスルホン、4−クロルフェニルトリブロモメチルスルホン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェートなど)、2,4−ビス(トリクロロメチル)6−フェニルトリアゾールなどが挙げられる。有機ハロゲン化合物のうちでは同一炭素原子に結合した二個以上のハロゲン原子を持つハロゲン化物が好ましく、一個の炭素原子に三個のハロゲン原子を持つハロゲン化物がより好ましい。有機ハロゲン化合物は単独で使用してもよく、二種以上併用してもよい。これらのうちで有機ハロゲン化合物としては、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−フェニルトリアゾールが好ましい。
前記発色剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、は、感光層の全成分に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。また、ハロゲン化合物の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光層の全成分に対し0.001〜5質量%が一般的で、0.005〜1質量%が好ましい。
―――着色剤―――
前記着色剤は、取り扱い性の向上のために感光性樹脂組成物を着色したり、保存安定性を付与する機能がある。着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブリリアントグリーン(例えばその硫酸塩)、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニル−イエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチロカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチル−レッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、オイルブルー#603(オリエント化学工業(株)製)、ローダミンB、及びローダミン6G、ビクトリアピュアブルーBOHなどが挙げられる。
カチオン着色剤の対アニオンとしては、有機酸又は無機酸の残基であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、臭素酸、ヨウ素酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の残基(アニオン)などが挙げられる。具体的には、マラカイトグリーンシュウ酸塩、マラカイトグリーン硫酸塩などが好ましい。
前記着色剤の好ましい添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光層の全成分に対して0.001〜10質量%の量であり、0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
―――密着促進剤―――
前記密着促進剤は、各層間の密着性、あるいはパターン形成材料と感光層との密着性を向上させる機能があり、各層に用いることができる。
前記密着促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開平5−11439号公報、特開平5−341532号公報、及び特開平6−43638号公報などに記載の密着促進剤が好適に使用できる。具体的には、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などを挙げることができる。
前記密着促進剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感光層の全成分に対して0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%が特に好ましい。
前記感光層には、例えば、J.コーサー著「ライトセンシテイブシステムズ」第5章に記載されているような有機硫黄化合物、過酸化物、レドックス系化合物、アゾ並びにジアゾ化合物、光還元性色素、及び有機ハロゲン化合物などを含んでいてもよい。
前記有機硫黄化合物としては、例えば、ジ−n−ブチルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、2−メルカプロベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、チオフェノール、エチルトリクロロメタンスルフェネート、2−メルカプトベンズイミダゾールを挙げることができる。
前記過酸化物としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイドを挙げることができる。
前記レドツクス化合物としては、例えば、過酸化物と還元剤の組み合わせからなるものであり、第一鉄イオンと過硫酸イオン、第二鉄イオンと過酸化物などを挙げることができる。
前記アゾ及びジアゾ化合物としては、例えば、α,α’−アゾビスイリブチロニトリル、2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4−アミノジフェニルアミンのジアゾニウム類を挙げることができる。
前記光還元性色素としては、例えば、ローズベンガル、エリスロシン、エオシン、アクリフラビン、リポフラビン、チオニンを挙げることができる。
―――界面活性剤―――
前記界面活性剤は、パターン形成材料を製造する時に発生する面状ムラを改善させる機能があり、添加して用いられる。
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン系及びカチオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素含有界面活性剤などから適宜選択できる。添加量は、感光性樹脂組成物の固形分に対し、0.001〜10質量%が好ましく、0.001質量%未満では面状改良の効果が得られなく、10質量%を超えると密着性が低下するという問題が発生しやすい。フッ素系の界面活性剤として炭素鎖3〜20でフッ素原子を40質量%以上含み、かつ非結合末端から数えて少なくとも3個の炭素原子に結合した水素原子がフッ素置換されているフルオロ脂肪族基を有するアクリレート又はメタクリレートを共重合成分として有する高分子界面活性剤なども好ましい。
――その他の層――
前記その他の層としては、保護フィルム層、支持体との剥離性や密着力を調整する層、ハレーション防止層、クッション層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などが挙げられる
―――保護フィルム層―――
前記保護フィルム層は、第二感光層の上に表面保護用として積層することができる。前記保護フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体に使用されるものでもよく、紙、あるいはポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙などでもよい。これらのなかでも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルム層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmが特に好ましい。5μm未満では、層の厚みが均一で十分な強度のフィルムが得られにくいことがあり、100μmを超えると、感光層の転写性が劣ることがある。
その際、感光層と支持体の接着力Aと感光層と保護フィルム層の接着力Bとが、接着力A>接着力Bの関係になるようにする必要がある。
前記保護フィルム層と支持体との組合せとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどをあげることができる。また、支持体及び保護フィルムの少なくとも一方を表面処理することにより、前記のような接着力の関係を満たすことができる。支持体の表面処理は感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。また、支持体と保護フィルムとの静摩擦係数も重要である。
これらの静摩擦係数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。0.3未満では滑り過ぎるため、ロール状にした時巻ズレが発生する。また1.4を超えた場合、良好なロール状に巻くことが困難となる。
前記保護フィルム層と感光層との接着性を調整するために、前記保護フィルムを表面処理してもよい。表面処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、。例えば、保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、及びポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を設ける。下塗層の形成は、上記ポリマーの塗布液を保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥することにより一般におこなわれる。
――誘電体層――
前記誘電体層は、図8に示すように、基板上に配置されたアドレス電極などを覆い、該電極を保護するとともに、隔壁で形成される放電空間で紫外線により蛍光体層が励起されて発光する際に、効率よく発光しうるよう、静電容量をもつ回路部品としての機能を有する。
前記誘電体層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記誘電体層の厚みとしては、電極を覆う厚みがあれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。5μm未満であると、絶縁性が不足し、50μmを超えると、光学濃度が不足し電圧損失が大となる。
――基板――
前記基板は、プラズマディスプレイパネルの基板となるもので、該基板上には電極、感光層などが積層され、隔壁が形成され、更に誘電体層や蛍光層などが形成される。
前記基板としては、感光層を剥離することができ、かつ光の透過性が良好であり、表面の平滑性が良好であり、焼成温度約600℃に耐えうるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、石英ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、フッ化物ガラスなどが挙げられる。これらの中でも、高歪み点を有するソーダ石灰ガラスや石英ガラスなどが好ましい。
前記基板の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜3mmが好ましく、1〜2mmがより好ましい。0.5mm未満では、基材としての材料強度が不足し、3mmを超えると、重量が過大となり取り扱いにくいことがある。
――パターン形成材料の製造――
―――感光性樹脂組成物溶液を調製―――
前記パターン形成材料は、例えば次のようにして製造することができる。まず、上記の各種材料を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて、前記感光層形成用の感光性樹脂組成物溶液を調製する。
前記感光性樹脂組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどを挙げることができ、これらは混合して用いてもよい。感光性樹脂組成物溶液には、公知の界面活性剤を添加してもよい。
―――塗布―――
次に、前記感光性樹脂組成物溶液を支持体の上に塗布し、乾燥することにより前記感光層を形成する。前記感光性樹脂組成物溶液の塗布方法は、特に限定されず、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、及びナイフコート法等の各種の方法を採用することができる。乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記感光層が二層以上で構成される場合でも、同様の操作を繰り返すことによって、所望のパターン形成材料を製造することができる。前記感光層を二層以上とすることで、前記感光層の厚みの総和をより大きくできる。
――パターン形成材料の基板への転写――
前記転写工程は、基板上に、パターン形成材料を、その感光層が基板側となる位置関係にて積層する工程である。
前記転写方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記パターン形成材料を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層することが好ましい。前記加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター、真空ラミネーターなどが好適に挙げられる。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製、VP−II)などが好適に挙げられる。
――その他の工程――
前記その他の工程としては、前記パターン形成材料を基板上に転写する前であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基板上にアドレス電極や誘電体層を形成する工程などが挙げられる。
―型形成工程―
前記型形成工程は、図2及び図9に示すように、前記基板上に形成された前記感光層の表面に青紫色レーザ光照射装置によりパターン状に露光して、図3及び図10に示すように、露光部分を硬化させた後、現像して未硬化部分を溶解し除去して、図4及び図11に示すような型を形成する工程である。
―――露光―――
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられるが、これらの中でもデジタル露光が好ましい。
前記デジタル露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成し、該制御信号に応じて変調させた光を用いて行うことが好ましい。前記パターン情報は、目的とする形状よりも大きな形状の情報が作成される。即ち、前記パターン情報は、目的とするプラズマディスプレイパネル用隔壁の形状を決定するもので、前記隔壁は、露光パターンに基づいて形成された前記型に前記ガラスペースト材料が充填され、そのガラスペースト材料が隔壁を形成するが、前記充填に乾燥、焼成という工程を経て収縮するため、該収縮率を考慮して前記目的形状よりも大きい形状となるように作成される。更に、露光の量などの条件が、前記隔壁の目的とする形状に影響するので、かかる露光条件についても前記パターン情報に含まれる。
前記デジタル露光の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、光を照射する光照射手段、形成するパターン情報に基づいて該光照射手段から照射される光を変調させる光変調手段などが挙げられる。
――――光変調手段――――
前記光変調手段としては、光を変調することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、n個の描素部を有することが好ましい。
前記n個の描素部を有する光変調手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、空間光変調素子が好ましい。
前記空間光変調素子としては、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
また、前記光変調手段は、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を有することが好ましい。この場合、前記光変調手段は、前記パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて光を変調させる。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
以下、前記光変調手段の一例について図面を参照しながら説明する。
DMD50は図15に示すように、SRAMセル(メモリセル)60上に、各々描素(ピクセル)を構成する多数(例えば、1024個×768個)の微小ミラー(マイクロミラー)62が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。各ピクセルにおいて、最上部には支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向とも一例として13.7μmである。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジおよびヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシックに構成されている。
DMD50のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMD50が配置された基板側に対して±α度(例えば±12度)の範囲で傾けられる。図16(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図16(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。したがって、パターン情報に応じて、DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを、図8に示すように制御することによって、DMD50に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
なお、図15には、DMD50の一部を拡大し、マイクロミラー62が+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、DMD50に接続されたコントローラ302(図26参照)によって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー62で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
また、DMD50は、その短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、0.1°〜5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図17(A)はDMD50を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図17(B)はDMD50を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
DMD50には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば、1024個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば、756組)配列されているが、図17(B)に示すように、DMD50を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチPが、DMD50を傾斜させない場合の走査線のピッチPより狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD50の傾斜角は微小であるので、DMD50を傾斜させた場合の走査幅Wと、DMD50を傾斜させない場合の走査幅Wとは略同一である。
次に、前記光変調手段における変調速度を速くさせる方法(以下「高速変調」と称する)について説明する。
前記光変調手段は、前記n個の描素の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部をパターン情報に応じて制御可能であることが好ましい。前記光変調手段のデータ処理速度には限界があり、使用する描素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、連続的に配列された任意のn個未満の描素部だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。
以下、前記高速変調について図面を参照しながら更に説明する。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光Bが照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58によりパターン形成材料150上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が描素毎にオンオフされて、パターン形成材料150がDMD50の使用描素数と略同数の描素単位(露光エリア168)で露光される。また、パターン形成材料150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、パターン形成材料150がスキャナ162により、ステージ移動方向と反対の方向に副走査され、露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
なお本例では、図18(A)及び(B)に示すように、DMD50には、主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が副走査方向に768組配列されているが、本例では、前記コントローラ302(図26参照)により一部のマイクロミラー列(例えば、1024個×256列)だけが駆動するように制御がなされる。
この場合、図18(A)に示すようにDMD50の中央部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよく、図18(B)に示すように、DMD50の端部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよい。また、一部のマイクロミラーに欠陥が発生した場合は、欠陥が発生していないマイクロミラー列を使用するなど、状況に応じて使用するマイクロミラー列を適宜変更してもよい。
DMD50のデータ処理速度には限界があり、使用する描素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、一部のマイクロミラー列だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。一方、連続的に露光ヘッドを露光面に対して相対移動させる露光方式の場合には、副走査方向の描素を全部使用する必要はない。
スキャナ162によるパターン形成材料150の副走査が終了し、センサ164でパターン形成材料150の後端が検出されると、ステージ152は、ステージ駆動装置304により、ガイド158に沿ってゲート160の最上流側にある原点に復帰し、再度、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。
例えば、768組のマイクロミラー列の内、384組だけ使用する場合には、768組全部使用する場合と比較すると1ライン当り2倍速く変調することができる。また、768組のマイクロミラー列の内、256組だけ使用する場合には、768組全部使用する場合と比較すると1ライン当り3倍速く変調することができる。
以上説明した通り、本発明のパターン形成方法によれば、主走査方向にマイクロミラーが1,024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列されたDMDを備えているが、コントローラにより一部のマイクロミラー列だけが駆動されるように制御することにより、全部のマイクロミラー列を駆動する場合に比べて、1ライン当りの変調速度が速くなる。
また、DMDのマイクロミラーを部分的に駆動する例について説明したが、所定方向に対応する方向の長さが前記所定方向と交差する方向の長さより長い基板上に、各々制御信号に応じて反射面の角度が変更可能な多数のマイクロミラーが2次元状に配列された細長いDMDを用いても、反射面の角度を制御するマイクロミラーの個数が少なくなるので、同様に変調速度を速くすることができる。
また、前記露光の方法として、露光光と前記感光層とを相対的に移動しながら行うことが好ましく、この場合、前記高速変調と併用することが好ましい。これにより、短時間で高速の露光を行うことができる。
その他、図19に示すように、スキャナ162によるX方向への1回の走査でパターン形成材料150の全面を露光してもよく、図20(A)及び(B)に示すように、スキャナ162によりパターン形成材料150をX方向へ走査した後、スキャナ162をY方向に1ステップ移動し、X方向へ走査を行うというように、走査と移動を繰り返して、複数回の走査でパターン形成材料150の全面を露光するようにしてもよい。なお、この例では、スキャナ162は18個の露光ヘッド166を備えている。なお、露光ヘッドは、前記光照射手段と前記光変調手段とを少なくとも有する。
前記露光は、前記感光層の一部の領域に対してされることにより該一部の領域が硬化され、後述の現像工程において、前記硬化させた一部の領域以外の未硬化領域が除去され、パターンが形成される。
次に、前記光変調手段を含むパターン形成装置の一例について図面を参照しながら説明する。
前記光変調手段を含むパターン形成装置は、図21に示すように、シート状のパターン形成材料150を表面に吸着して保持する平板状のステージ152を備えている。
4本の脚部154に支持された厚い板状の設置台156の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド158が設置されている。ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、前記パターン形成装置には、ステージ152をガイド158に沿って駆動するための図示しない駆動装置を有している。
設置台156の中央部には、ステージ152の移動経路を跨ぐようにコ字状のゲート160が設けられている。コ字状のゲート160の端部の各々は、設置台156の両側面に固定されている。このゲート160を挟んで一方の側にはスキャナ162が設けられ、他方の側にはパターン形成材料150の先端及び後端を検知する複数(例えば、2個)の検知センサ164が設けられている。スキャナ162及び検知センサ164は、ゲート160に各々取り付けられて、ステージ152の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ162及び検知センサ164は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
スキャナ162は、図22及び図23(B)に示すように、m行n列(例えば、3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば、14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、パターン形成材料150の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166を配置した。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
露光ヘッド166による露光エリア168は、副走査方向を短辺とする矩形状である。従って、ステージ152の移動に伴い、パターン形成材料150には露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
また、図23(A)及び(B)に示すように、帯状の露光済み領域170が副走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本例では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
露光ヘッド16611〜166mn各々は、図24及び図25に示すように、入射された光ビームをパターン情報に応じて前記光変調手段(各描素毎に変調する空間光変調素子)として、米国テキサス・インスツルメンツ社製のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。DMD50は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた前記コントローラ302(図26参照)に接続されている。このコントローラ302のデータ処理部では、入力されたパターン情報に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、ミラー駆動制御部では、パターン情報処理部で生成した制御信号に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。なお、反射面の角度の制御に付いては後述する。
DMD50の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア168の長辺方向と対応する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源66、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系67、レンズ系67を透過したレーザ光をDMD50に向けて反射するミラー69がこの順に配置されている。なお、図24では、レンズ系67を概略的に示してある。
レンズ系67は、図25に詳しく示すように、ファイバアレイ光源66から出射した照明光としてのレーザ光Bを集光する集光レンズ71、集光レンズ71を通過した光の光路に挿入されたロッド状オプティカルインテグレータ(以下、ロッドインテグレータという)72、及びロッドインテグレータ72の前方つまりミラー69側に配置された結像レンズ74から構成されている。集光レンズ71、ロッドインテグレータ72及び結像レンズ74は、ファイバアレイ光源66から出射したレーザ光を、平行光に近くかつビーム断面内強度が均一化された光束としてDMD50に入射させる。このロッドインテグレータ72の形状や作用については、後に詳しく説明する。
レンズ系67から出射したレーザ光Bは、ミラー69で反射し、TIR(全反射)プリズム70を介してDMD50に照射される。なお、図24では、このTIRプリズム70は省略してある。
また、DMD50の光反射側には、DMD50で反射されたレーザ光Bを、パターン形成材料150上に結像する結像光学系51が配置されている。この結像光学系51は、図24では概略的に示してあるが、図25に詳細を示すように、レンズ系52,54からなる第1結像光学系と、レンズ系57,58からなる第2結像光学系と、これらの結像光学系の間に挿入されたマイクロレンズアレイ55と、アパーチャアレイ59とから構成されている。
マイクロレンズアレイ55は、DMD50の各描素に対応する多数のマイクロレンズ55aが2次元状に配列されてなるものである。本例では、後述するようにDMD50の1024個×768列のマイクロミラーのうち1024個×256列だけが駆動されるので、それに対応させてマイクロレンズ55aは1024個×256列配置されている。またマイクロレンズ55aの配置ピッチは縦方向、横方向とも41μmである。このマイクロレンズ55aは、一例として焦点距離が0.19mm、NA(開口数)が0.11で、光学ガラスBK7から形成されている。なおマイクロレンズ55aの形状については、後に詳しく説明する。そして、各マイクロレンズ55aの位置におけるレーザ光Bのビーム径は、41μmである。
また、アパーチャアレイ59は、マイクロレンズアレイ55の各マイクロレンズ55aに対応する多数のアパーチャ(開口)59aが形成されてなるものである。アパーチャ59aの径は、例えば、10μmである。
前記第1結像光学系は、DMD50による像を3倍に拡大してマイクロレンズアレイ55上に結像する。そして、前記第2結像光学系は、マイクロレンズアレイ55を経た像を1.6倍に拡大してパターン形成材料150上に結像、投影する。したがって全体では、DMD50による像が4.8倍に拡大してパターン形成材料150上に結像、投影されることになる。
なお、前記第2結像光学系とパターン形成材料150との間にプリズムペア73が配設され、このプリズムペア73を図25中で上下方向に移動させることにより、パターン形成材料150上における像のピントを調節可能となっている。なお同図中において、パターン形成材料150は矢印F方向に副走査送りされる。
前記描素部としては、前記光照射手段からの光を受光し出射することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、本発明のパターン形成方法により形成されるパターンが画像パターンである場合には、画素であり、前記光変調手段がDMDを含む場合にはマイクロミラーである。
前記光変調素子が有する描素部の数(前記n)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光変調素子における描素部の配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2次元状に配列していることが好ましく、格子状に配列していることがより好ましい。
―――光照射手段―――
前記光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、半導体レーザ等の公知光源、又は2以上の光を合成して照射可能な手段が挙げられ、これらの中でも2以上の光を合成して照射可能な手段が好ましい。
前記光照射手段から照射される光としては、例えば、支持体を介して光照射を行う場合には、該支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始剤や増感剤を活性化する電磁波、紫外から可視光線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられ、これらの中でもレーザ光が好ましく、2以上の光を合成したレーザ(以下、「合波レーザ」と称することがある)がより好ましい。また支持体を剥離してから光照射を行う場合でも、同様の光を用いることができる。
前記紫外から可視光線の波長としては、例えば、300〜1500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330nm〜650nmが特に好ましい。
前記レーザ光の波長としては、例えば、200〜1500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、330nm〜500nmが更に好ましく、400nm〜450nmが特に好ましい。
前記合波レーザを照射可能な手段としては、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する手段が好ましい。
以下、前記合波レーザを照射可能な手段(ファイバアレイ光源)について図を参照しながら説明する。
ファイバアレイ光源66は図41aに示すように、複数(例えば、14個)のレーザモジュール64を備えており、各レーザモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一でかつクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が結合されている。図41bに詳しく示すように、マルチモード光ファイバ31の光ファイバ30と反対側の端部は副走査方向と直交する主走査方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部68が構成されている。
マルチモード光ファイバ31の端部で構成されるレーザ出射部68は、図41bに示すように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、マルチモード光ファイバ31の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。マルチモード光ファイバ31の光出射端面は、光密度が高いため集塵し易く劣化し易いが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
この例では、クラッド径が小さい光ファイバ31の出射端を隙間無く1列に配列するために、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30の間にマルチモード光ファイバ30を積み重ね、積み重ねられたマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の出射端が、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の2つの出射端の間に挟まれるように配列されている。
このような光ファイバは、例えば、図41に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ30のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ31を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ31の入射端面が、マルチモード光ファイバ30の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ31のコア31aの径は、マルチモード光ファイバ30のコア30aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ30の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ31を、マルチモード光ファイバ30の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光(青紫色レーザ光)では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
但し、光ファイバ31のクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバアレイ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、マルチモード光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が特に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ31のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザモジュール64は、図43に示す合波レーザ光源(ファイバアレイ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16,及び17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、かつ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
前記合波レーザ光源は、図44及び図45に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、パッケージ40とパッケージ蓋41とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前記ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部は、パッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、コリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
なお、図45においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
図46は、前記コリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図46の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザ光B1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
したがって、各発光点から発せられたレーザ光B1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザ光B1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ20も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
また、DMDを照明する光照射手段に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力でかつ深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。更に、各ファイバアレイ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバアレイ光源数が少なくなり、パターン形成装置の低コスト化が図られる。
また、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速かつ高精細な露光が可能となる。したがって、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)の露光工程に好適である。
また、前記光照射手段としては、前記合波レーザ光源を複数備えたファイバアレイ光源に限定されず、例えば、1個の発光点を有する単一の半導体レーザから入射されたレーザ光を出射する1本の光ファイバを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を用いることができる。
また、複数の発光点を備えた光照射手段としては、例えば、図47に示すように、ヒートブロック100上に、複数(例えば、7個)のチップ状の半導体レーザLD1〜LD7を配列したレーザレイを用いることができる。また、図48(A)に示す、複数(例えば、5個)の発光点110aが所定方向に配列されたチップ状のマルチキャビティレーザ110が知られている。マルチキャビティレーザ110は、チップ状の半導体レーザを配列する場合と比べ、発光点を位置精度良く配列できるので、各発光点から出射されるレーザ光を合波し易い。但し、発光点が多くなるとレーザ製造時にマルチキャビティレーザ110に撓みが発生し易くなるため、発光点110aの個数は5個以下とするのが好ましい。
前記光照射手段としては、このマルチキャビティレーザ110や、図48(B)に示すように、ヒートブロック100上に、複数のマルチキャビティレーザ110が各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に配列されたマルチキャビティレーザレイを、レーザ光源として用いることができる。
また、合波レーザ光源は、複数のチップ状の半導体レーザから出射されたレーザ光を合波するものには限定されない。例えば、図35に示すように、複数(例えば、3個)の発光点110aを有するチップ状のマルチキャビティレーザ110を備えた合波レーザ光源を用いることができる。この合波レーザ光源は、マルチキャビティレーザ110と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。マルチキャビティレーザ110は、例えば、発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
前記構成では、マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザ光Bの各々は、集光レンズ120によって集光され、マルチモード光ファイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aを、上記マルチモード光ファイバ130のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ120として、マルチモード光ファイバ130のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ110からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザ光Bのマルチモード光ファイバ130への結合効率を上げることができる。
また、図49に示すように、複数(例えば、3個)の発光点を備えたマルチキャビティレーザ110を用い、ヒートブロック111上に複数(例えば、9個)のマルチキャビティレーザ110が互いに等間隔で配列されたレーザレイ140を備えた合波レーザ光源を用いることができる。複数のマルチキャビティレーザ110は、各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に配列されて固定されている。
この合波レーザ光源は、レーザレイ140と、各マルチキャビティレーザ110に対応させて配置した複数のレンズアレイ114と、レーザレイ140と複数のレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。レンズアレイ114は、マルチキャビティレーザ110の発光点に対応した複数のマイクロレンズを備えている。
上記の構成では、複数のマルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザ光Bの各々は、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光化される。平行光化されたレーザ光Lは、集光レンズ120によって集光され、マルチモード光ファイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
更に他の合波レーザ光源の例を示す。この合波レーザ光源は、図50(A)及び(B)に示すように、略矩形状のヒートブロック180上に光軸方向の断面がL字状のヒートブロック182が搭載され、2つのヒートブロック間に収納空間が形成されている。L字状のヒートブロック182の上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に等間隔で配列されて固定されている。
略矩形状のヒートブロック180には凹部が形成されており、ヒートブロック180の空間側上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、その発光点がヒートブロック182の上面に配置されたレーザチップの発光点と同じ鉛直面上に位置するように配置されている。
マルチキャビティレーザ110のレーザ光出射側には、各チップの発光点110aに対応してコリメートレンズが配列されたコリメートレンズアレイ184が配置されている。コリメートレンズアレイ184は、各コリメートレンズの長さ方向とレーザ光の拡がり角が大きい方向(速軸方向)とが一致し、各コリメートレンズの幅方向が拡がり角が小さい方向(遅軸方向)と一致するように配置されている。このように、コリメートレンズをアレイ化して一体化することで、レーザ光の空間利用効率が向上し合波レーザ光源の高出力化が図られると共に、部品点数が減少し低コスト化することができる。
また、コリメートレンズアレイ184のレーザ光出射側には、1本のマルチモード光ファイバ130と、このマルチモード光ファイバ130の入射端にレーザ光を集光して結合する集光レンズ120と、が配置されている。
前記構成では、レーザブロック180、182上に配置された複数のマルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザ光Bの各々は、コリメートレンズアレイ184により平行光化され、集光レンズ120によって集光されて、マルチモード光ファイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
前記合波レーザ光源は、上記の通り、マルチキャビティレーザの多段配置とコリメートレンズのアレイ化とにより、特に高出力化を図ることができる。この合波レーザ光源を用いることにより、より高輝度なファイバアレイ光源やバンドルファイバ光源を構成することができるので、本発明のパターン形成装置のレーザ光源を構成するファイバ光源として特に好適である。
なお、前記各合波レーザ光源をケーシング内に収納し、マルチモード光ファイバ130の出射端部をそのケーシングから引き出したレーザモジュールを構成することができる。
また、合波レーザ光源のマルチモード光ファイバの出射端に、コア径がマルチモード光ファイバと同一でかつクラッド径がマルチモード光ファイバより小さい他の光ファイバを結合してファイバアレイ光源の高輝度化を図る例について説明したが、例えば、クラッド径が125μm、80μm、60μm等のマルチモード光ファイバを、出射端に他の光ファイバを結合せずに使用してもよい。
ここで、本発明の前記パターン形成方法について更に説明する。スキャナ162の各露光ヘッド166において、ファイバアレイ光源66の合波レーザ光源を構成するGaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザ光B1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザ光B1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
本例では、コリメータレンズ11〜17及び集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。即ち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザ光B1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザ光Bに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
各レーザモジュールにおいて、レーザ光B1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ31の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザ光Bを得ることができる。従って、6本の光ファイバ31がアレイ状に配列されたレーザ出射部68での出力は約1W(=180mW×6)である。
ファイバアレイ光源66のレーザ出射部68には、この通り高輝度の発光点が主走査方向に沿って一列に配列されている。単一の半導体レーザからのレーザ光を1本の光ファイバに結合させる従来のファイバ光源は低出力であるため、多数列配列しなければ所望の出力を得ることができなかったが、前記合波レーザ光源は高出力であるため、少数列、例えば1列でも所望の出力を得ることができる。
例えば、半導体レーザと光ファイバを1対1で結合させた従来のファイバ光源では、通常、半導体レーザとしては出力30mW(ミリワット)程度のレーザが使用され、光ファイバとしてはコア径50μm、クラッド径125μm、NA(開口数)0.2のマルチモード光ファイバが使用されているので、約1W(ワット)の出力を得ようとすれば、マルチモード光ファイバを48本(8×6)束ねなければならず、発光領域の面積は0.62mm(0.675mm×0.925mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は1.6×10(W/m)、光ファイバ1本当りの輝度は3.2×10(W/m)である。
これに対し、前記光照射手段が合波レーザを照射可能な手段である場合には、マルチモード光ファイバ6本で約1Wの出力を得ることができ、レーザ出射部68での発光領域の面積は0.0081mm(0.325mm×0.025mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は123×10(W/m)となり、従来に比べ約80倍の高輝度化を図ることができる。また、光ファイバ1本当りの輝度は90×10(W/m)であり、従来に比べ約28倍の高輝度化を図ることができる。
ここで、図51(A)及び(B)を参照して、従来の露光ヘッドと本実施の形態の露光ヘッドとの焦点深度の違いについて説明する。従来の露光ヘッドのバンドル状ファイバ光源の発光領域の副走査方向の径は0.675mmであり、露光ヘッドのファイバアレイ光源の発光領域の副走査方向の径は0.025mmである。図51(A)に示すように、従来の露光ヘッドでは、光照射手段(バンドル状ファイバ光源)1の発光領域が大きいので、DMD3へ入射する光束の角度が大きくなり、結果として走査面5へ入射する光束の角度が大きくなる。このため、集光方向(ピント方向のずれ)に対してビーム径が太りやすい。
一方、図51(B)に示すように、本発明のパターン形成装置における露光ヘッドでは、ファイバアレイ光源66の発光領域の副走査方向の径が小さいので、レンズ系67を通過してDMD50へ入射する光束の角度が小さくなり、結果として走査面56へ入射する光束の角度が小さくなる。即ち、焦点深度が深くなる。この例では、発光領域の副走査方向の径は従来の約30倍になっており、略回折限界に相当する焦点深度を得ることができる。従って、微小スポットの露光に好適である。この焦点深度への効果は、露光ヘッドの必要光量が大きいほど顕著であり、有効である。この例では、露光面に投影された1描素サイズは10μm×10μmである。なお、DMDは反射型の空間光変調素子であるが、図51(A)及び(B)は、光学的な関係を説明するために展開図とした。
露光パターンに応じたパターン情報が、DMD50に接続された図示しないコントローラに入力され、コントローラ内のフレームメモリに一旦記憶される。このパターン情報は、画像を構成する各描素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
パターン形成材料150を表面に吸着したステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。ステージ152がゲート160下を通過する際に、ゲート160に取り付けられた検知センサ164によりパターン形成材料150の先端が検出されると、フレームメモリに記憶されたパターン情報が複数ライン分ずつ順次読み出され、データ処理部で読み出されたパターン情報に基づいて各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部により、生成された制御信号に基づいて露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御される。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光が照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58によりパターン形成材料150の被露光面56上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が描素毎にオンオフされて、パターン形成材料150がDMD50の使用描素数と略同数の描素単位(露光エリア168)で露光される。また、パターン形成材料150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、パターン形成材料150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
―――マイクロレンズアレイ―――
前記露光は、前記変調させた光を、マイクロレンズアレイを通して行うことが好ましく、更にアパーチャアレイ、結像光学系等などを通して行ってもよい。
前記マイクロレンズアレイとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したものが好適に挙げられる。
前記非球面としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トーリック面が好ましい。
以下、前記マイクロレンズアレイ、前記アパーチャアレイ、及び前記結像光学系等について図面を参照しながら説明する。
図27(A)は、DMD50、DMD50にレーザ光を照射する光照射手段144、DMD50で反射されたレーザ光を拡大して結像するレンズ系(結像光学系)454、458、DMD50の各描素部に対応して多数のマイクロレンズ474が配置されたマイクロレンズアレイ472、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズに対応して多数のアパーチャ478が設けられたアパーチャアレイ476、アパーチャを通過したレーザ光を被露光面56に結像するレンズ系(結像光学系)480、482で構成される露光ヘッドを表す。
ここで図28に、DMD50を構成するマイクロミラー62の反射面の平面度を測定した結果を示す。同図においては、反射面の同じ高さ位置を等高線で結んで示してあり、等高線のピッチは5nmである。なお同図に示すx方向及びy方向は、マイクロミラー62の2つ対角線方向であり、マイクロミラー62はy方向に延びる回転軸を中心として前述のように回転する。また、図29の(A)及び(B)にはそれぞれ、上記x方向、y方向に沿ったマイクロミラー62の反射面の高さ位置変位を示す。
図28及び図29に示した通り、マイクロミラー62の反射面には歪みが存在し、そして特にミラー中央部に注目してみると、1つの対角線方向(y方向)の歪みが、別の対角線方向(x方向)の歪みよりも大きくなっている。このため、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aで集光されたレーザ光Bの集光位置における形状が歪むという問題が発生し得る。
本発明のパターン形成方法においては前記問題を防止するために、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aが、従来とは異なる特殊な形状とされている。以下、その点について詳しく説明する。
図30の(A)及び(B)はそれぞれ、マイクロレンズアレイ55全体の正面形状及び側面形状を詳しく示すものである。これらの図にはマイクロレンズアレイ55の各部の寸法も記入してあり、それらの単位はmmである。本発明のパターン形成方法では、先に図18を参照して説明したようにDMD50の1024個×256列のマイクロミラー62が駆動されるものであり、それに対応させてマイクロレンズアレイ55は、横方向に1024個並んだマイクロレンズ55aの列を縦方向に256列並設して構成されている。なお、同図(A)では、マイクロレンズアレイ55の並び順を横方向についてはjで、縦方向についてはkで示している。
また、図31の(A)及び(B)はそれぞれ、マイクロレンズアレイ55における1つのマイクロレンズ55aの正面形状及び側面形状を示すものである。なお同図(A)には、マイクロレンズ55aの等高線を併せて示してある。各マイクロレンズ55aの光出射側の端面は、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされている。より具体的には、マイクロレンズ55aはトーリックレンズとされており、上記x方向に光学的に対応する方向の曲率半径Rx=−0.125mm、上記y方向に対応する方向の曲率半径Ry=−0.1mmである。
したがって、上記x方向及びy方向に平行な断面内におけるレーザ光Bの集光状態は、概略、それぞれ図32の(A)及び(B)に示す通りとなる。つまり、x方向に平行な断面内とy方向に平行な断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ55aの曲率半径がより小であって、焦点距離がより短くなっている。
マイクロレンズ55aを前記形状とした場合の、該マイクロレンズ55aの集光位置(焦点位置)近傍におけるビーム径を計算機によってシミュレーションした結果を図33a、b、c、及びdに示す。また比較のために、マイクロレンズ55aが曲率半径Rx=Ry=−0.1mmの球面形状である場合について、同様のシミュレーションを行った結果を図34a、b、c及びdに示す。なお、各図におけるzの値は、マイクロレンズ55aのピント方向の評価位置を、マイクロレンズ55aのビーム出射面からの距離で示している。
また、前記シミュレーションに用いたマイクロレンズ55aの面形状は、下記計算式で計算される。
但し、前記計算式において、Cxは、x方向の曲率(=1/Rx)を意味し、Cyは、y方向の曲率(=1/Ry)を意味し、Xは、x方向に関するレンズ光軸Oからの距離を意味し、Yは、y方向に関するレンズ光軸Oからの距離を意味する。
図33a〜dと図34a〜dとを比較すると明らかなように、本発明のパターン形成方法ではマイクロレンズ55aを、y方向に平行な断面内の焦点距離がx方向に平行な断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズとしたことにより、その集光位置近傍におけるビーム形状の歪みが抑制される。そうであれば、歪みの無い、より高精細な画像をパターン形成材料150に露光可能となる。また、図33a〜dに示す本実施形態の方が、ビーム径の小さい領域がより広い、すなわち焦点深度がより大であることが判る。。
なお、マイクロミラー62のx方向及びy方向に関する中央部の歪の大小関係が、上記と逆になっている場合は、x方向に平行な断面内の焦点距離がy方向に平行な断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズからマイクロレンズを構成すれば、同様に、歪みの無い、より高精細な画像をパターン形成材料150に露光可能となる。
また、マイクロレンズアレイ55の集光位置近傍に配置されたアパーチャアレイ59は、その各アパーチャ59aに、それと対応するマイクロレンズ55aを経た光のみが入射するように配置されたものである。すなわち、このアパーチャアレイ59が設けられていることにより、各アパーチャ59aに、それと対応しない隣接のマイクロレンズ55aからの光が入射することが防止され、消光比が高められる。
本来、上記目的で設置されるアパーチャアレイ59のアパーチャ59aの径をある程度小さくすれば、マイクロレンズ55aの集光位置におけるビーム形状の歪みを抑制する効果も得られる。しかしそのようにした場合は、アパーチャアレイ59で遮断される光量がより多くなり、光利用効率が低下することになる。それに対してマイクロレンズ55aを非球面形状とする場合は、光を遮断することがないので、光利用効率も高く保たれる。
また、本発明のパターン形成方法において、マイクロレンズ55aは、2次の非球面形状であってもよく、より高次(4次、6次・・・)の非球面形状であってもよい。前記高次の非球面形状を採用することにより、ビーム形状をさらに高精細にすることができる。
また、以上説明した実施形態では、マイクロレンズ55aの光出射側の端面が非球面(トーリック面)とされているが、2つの光通過端面の一方を球面とし、他方をシリンドリカル面としたマイクロレンズからマイクロレンズアレイを構成して、上記実施形態と同様の効果を得ることもできる。
さらに、以上説明した実施形態においては、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aが、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされているが、このような非球面形状を採用する代わりに、マイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズに、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する屈折率分布を持たせても、同様の効果を得ることができる。
そのようなマイクロレンズ155aの一例を図36に示す。同図の(A)及び(B)はそれぞれ、このマイクロレンズ155aの正面形状及び側面形状を示すものであり、図示の通りこのマイクロレンズ155aの外形形状は平行平板状である。なお、同図におけるx、y方向は、既述した通りである。
また、図37の(A)及び(B)は、このマイクロレンズ155aによる上記x方向及びy方向に平行な断面内におけるレーザ光Bの集光状態を概略的に示している。このマイクロレンズ155aは、光軸Oから外方に向かって次第に増大する屈折率分布を有するものであり、同図においてマイクロレンズ155a内に示す破線は、その屈折率が光軸Oから所定の等ピッチで変化した位置を示している。図示の通り、x方向に平行な断面内とy方向に平行な断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ155aの屈折率変化の割合がより大であって、焦点距離がより短くなっている。このような屈折率分布型レンズから構成されるマイクロレンズアレイを用いても、前記マイクロレンズアレイ55を用いる場合と同様の効果を得ることができる。
なお、先に図31及び図32に示したマイクロレンズ55aのように面形状を非球面としたマイクロレンズにおいて、併せて上述のような屈折率分布を与え、面形状と屈折率分布の双方によって、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、DMD50を構成するマイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正しているが、DMD以外の空間光変調素子を用いる本発明のパターン形成方法においても、その空間光変調素子の描素部の面に歪みが存在する場合は、本発明を適用してその歪みによる収差を補正し、ビーム形状に歪みが生じることを防止可能である。
次に、前記結像光学系について更に説明する。
前記露光ヘッドでは、光照射手段144からレーザ光が照射されると、DMD50によりオン方向に反射される光束線の断面積が、レンズ系454、458により数倍(例えば、2倍)に拡大される。拡大されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズによりDMD50の各描素部に対応して集光され、アパーチャアレイ476の対応するアパーチャを通過する。アパーチャを通過したレーザ光は、レンズ系480、482により被露光面56上に結像される。
この結像光学系では、DMD50により反射されたレーザ光は、拡大レンズ454、458により数倍に拡大されて被露光面56に投影されるので、全体の画像領域が広くなる。このとき、マイクロレンズアレイ472及びアパーチャアレイ476が配置されていなければ、図27(B)に示すように、被露光面56に投影される各ビームスポットBSの1描素サイズ(スポットサイズ)が露光エリア468のサイズに応じて大きなものとなり、露光エリア468の鮮鋭度を表すMTF(Modulation Transfer Function)特性が低下する。
一方、マイクロレンズアレイ472及びアパーチャアレイ476を配置した場合には、DMD50により反射されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズによりDMD50の各描素部に対応して集光される。これにより、図27(C)に示すように、露光エリアが拡大された場合でも、各ビームスポットBSのスポットサイズを所望の大きさ(例えば、10μm×10μm)に縮小することができ、MTF特性の低下を防止して高精細な露光を行うことができる。なお、露光エリア468が傾いているのは、描素間の隙間を無くす為にDMD50を傾けて配置しているからである。
また、マイクロレンズの収差によるビームの太りがあっても、アパーチャアレイによって被露光面56上でのスポットサイズが一定の大きさになるようにビームを整形することができると共に、各描素に対応して設けられたアパーチャアレイを通過させることにより、隣接する描素間でのクロストークを防止することができる。
更に、光照射手段144に後述する高輝度光源を使用することにより、レンズ458からマイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズに入射する光束の角度が小さくなるので、隣接する描素の光束の一部が入射するのを防止することができる。即ち、高消光比を実現することができる。
―――その他の光学系―――
本発明のパターン形成方法では、公知の光学系の中から適宜選択したその他の光学系と併用してもよく、例えば、1対の組合せレンズからなる光量分布補正光学系などが挙げられる。
前記光量分布補正光学系は、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように各出射位置における光束幅を変化させて、光照射手段からの平行光束をDMDに照射するときに、被照射面での光量分布が略均一になるように補正する。以下、前記光量分布補正光学系について図面を参照しながら説明する。
まず、図38(A)に示したように、入射光束と出射光束とで、その全体の光束幅(全光束幅)H0、H1が同じである場合について説明する。なお、図38(A)において、符号51、52で示した部分は、前記光量分布補正光学系における入射面及び出射面を仮想的に示したものである。
前記光量分布補正光学系において、光軸Z1に近い中心部に入射した光束と、周辺部に入射した光束とのそれぞれの光束幅h0、h1が、同一であるものとする(h0=hl)。前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0,h1であった光に対し、中心部の入射光束については、その光束幅h0を拡大し、逆に、周辺部の入射光束に対してはその光束幅h1を縮小するような作用を施す。すなわち、中心部の出射光束の幅h10と、周辺部の出射光束の幅h11とについて、h11<h10となるようにする。光束幅の比率で表すと、出射側における中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなっている((h11/h10)<1)。
このように光束幅を変化させることにより、通常では光量分布が大きくなっている中央部の光束を、光量の不足している周辺部へと生かすことができ、全体として光の利用効率を落とさずに、被照射面での光量分布が略均一化される。均一化の度合いは、例えば、有効領域内における光量ムラが30%以内、好ましくは20%以内となるようにする。
前記光量分布補正光学系による作用、効果は、入射側と出射側とで、全体の光束幅を変える場合(図38(B),(C))においても同様である。
図38(B)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅H2に“縮小”して出射する場合(H0>H2)を示している。このような場合においても、前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0、h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さくなるようにする。光束の縮小率で考えると、中心部の入射光束に対する縮小率を周辺部に比べて小さくし、周辺部の入射光束に対する縮小率を中心部に比べて大きくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「H11/H10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
図38(C)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅Η3に“拡大”して出射する場合(H0<H3)を示している。このような場合においても、前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0、h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さくなるようにする。光束の拡大率で考えると、中心部の入射光束に対する拡大率を周辺部に比べて大きくし、周辺部の入射光束に対する拡大率を中心部に比べて小さくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
このように、前記光量分布補正光学系は、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸Z1に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比を入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにしたので、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された光束断面を形成することができる。
次に、前記光量分布補正光学系として使用する1対の組合せレンズの具体的なレンズデータの1例を示す。この例では、前記光照射手段がレーザレイ光源である場合のように、出射光束の断面での光量分布がガウス分布である場合のレンズデータを示す。なお、シングルモード光ファイバの入射端に1個の半導体レーザを接続した場合には、光ファイバからの射出光束の光量分布がガウス分布になる。本発明のパターン形成方法では、このような場合の適用も可能である。また、マルチモード光ファイバのコア径を小さくしてシングルモード光ファイバの構成に近付ける等により光軸に近い中心部の光量が周辺部の光量よりも大きい場合にも適用可能である。
下記表1に基本レンズデータを示す。
表1から判る。ように、1対の組合せレンズは、回転対称の2つの非球面レンズから構成されている。光入射側に配置された第1のレンズの光入射側の面を第1面、光出射側の面を第2面とすると、第1面は非球面形状である。また、光出射側に配置された第2のレンズの光入射側の面を第3面、光出射側の面を第4面とすると、第4面が非球面形状である。
表1において、面番号Siはi番目(i=1〜4)の面の番号を示し、曲率半径riはi番目の面の曲率半径を示し、面間隔diはi番目の面とi+1番目の面との光軸上の面間隔を示す。面間隔di値の単位はミリメートル(mm)である。屈折率Niはi番目の面を備えた光学要素の波長405nmに対する屈折率の値を示す。下記表2に、第1面及び第4面の非球面データを示す。
上記の非球面データは、非球面形状を表す下記式(A)における係数で表される。
上記式(A)において各係数を以下の通り定義する。
Z:光軸から高さρの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)
ρ:光軸からの距離(mm)
K:円錐係数
C:近軸曲率(1/r、r:近軸曲率半径)
ai:第i次(i=3〜10)の非球面係数
表2に示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数″であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10−2」であることを示す。
図40は、前記表1及び表2に示す1対の組合せレンズによって得られる照明光の光量分布を示している。横軸は光軸からの座標を示し、縦軸は光量比(%)を示す。なお、比較のために、図39に、補正を行わなかった場合の照明光の光量分布(ガウス分布)を示す。図39及び図40から判る。ように、光量分布補正光学系で補正を行うことにより、補正を行わなかった場合と比べて、略均一化された光量分布が得られている。これにより、光の利用効率を落とさずに、均一なレーザ光でムラなく露光を行うことができる。
――現像――
前記現像工程は、前記露光により前記パターン形成材料における感光層を露光し(図2及び図9)、該感光層の露光した領域を硬化させた後(図3及び図10)、未硬化領域を現像により除去し、プラズマディスプレイパネル用隔壁を形成するめための前記型(図4及び図11)を形成する工程である。
前記現像工程は、例えば、現像手段により好適に実施することができる。前記現像手段としては、現像液を用いて現像することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記現像液を噴霧する手段、前記現像液を塗布する手段、前記現像液に浸漬させる手段などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記現像手段は、前記現像液を交換する現像液交換手段、前記現像液を供給する現像液供給手段などを有していてもよい。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ性液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。該弱アルカリ性液の塩基成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
前記弱アルカリ性の水溶液のpHとしては、例えば、約8〜12が好ましく、約9〜11がより好ましい。前記弱アルカリ性の水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。
前記現像液の温度としては、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ水溶液、水系現像液、有機溶剤など感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いればよく、弱アルカリ水溶液が好ましい。この弱アルカリ水溶液の塩基成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。また現像に用いる弱アルカリ水溶液のpHは約8〜12、特に約9〜11とすることが好ましい。具体的には、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液などを用いることができる。また現像液の温度は感光層の現像性に合わせて調整できるが、一般に約25℃〜40℃が好ましい。また、該現像液には界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えばエチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や現像を促進させるため有機溶剤(アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類など)を併用してもよい。現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液を使用してもよく、有機溶剤単独でもよい。
また、現像後に必要に応じて後加熱処理や後露光処理によって、硬化部の硬化反応を更に促進させる処理をおこなってもよい。現像は上記のようなウエット現像法でもよいし、ドライ現像法で行ってもよい。
―隔壁形成工程−
前記隔壁形成工程は、図5及び図12に示すように、前記型に形成されている開口部に前記ガラスペースト材料をスキージやスクレーパーなどを用いて充填した後、乾燥、焼成すると同時に前記型を燃焼消失させて、図6及び図13に示すように、前記ガラスペースト材料によるプラズマディスプレイパネル用隔壁を形成する工程である。
――ガラスペースト材料――
前記ガラスペースト材料は、前記型に充填して硬化させることにより、プラズマディスプレイパネル用隔壁を形成する材料である。
前記ガラスペースト材料としては、ガラス成分が含まれ、前記隔壁を形成しうるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱硬化型ガラスペースト材料、光硬化型ガラスペースト材料などが挙げられ、目的に応じて適宜選択される添加剤などが含まれていてもよい。
―――熱硬化型ガラスペースト材料―――
前記熱硬化型ガラスペースト材料としては、ガラス成分を含んでいれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低融点ガラスフィット、滑材、耐熱顔料、充填剤等を有機バインダーに分散させた有機ペースト材料や珪酸ナトリウムを主成分とした水ガラス(1〜3号のいずれも使用可能である。)、前記滑材と顔料との混合物である粉末固形物及び耐熱顔料等からなる無機ペースト材料などが挙げられる。
前記滑材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二酸化珪素(シリカ、SiO)、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)、酸化ジルコニウム(ジルコニア、ZrO)、炭化珪素(SiC)、窒化ホウ素(BN)、ステンレス(SUS)、雲母(マイカ)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化クロム(Cr)、酸化鉄(Fe)、酸化コバルト(CoO)、酸化チタン(TiO)、酸化銅(CuO)、酸化アルミニウム(Al)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化剤、安定剤、分散剤などが挙げられる。
前記ガラス成分としては、平均粒径が10μm以下の微粉末であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、該微粉末の一部又は全部の軟化点は、540〜650℃が好ましく、540〜600℃がより好ましい。該軟化点が540℃未満であると、ガラスの溶融が早すぎてガスの内包が発生してしまい、650℃を超えるとガラスが溶融せず隔壁強度が得られなくなってしまう。
前記ガラス成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機ペースト成分中の不揮発成分100質量部に対して10〜70質量部であることが好ましく、15〜65質量部がより好ましく、20〜65質量部が特に好ましい。10質量部未満であると、ガラスによる結着力が不足し隔壁の強度が得られず、70質量部を超えると焼成時に隔壁の形状が保持できなくなる。
―――光硬化型ガラスペースト材料―――
前記光硬化型ガラスペースト材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス微粒子(A)、液状光硬化性化合物(B)及び光重合開始剤(C)からなるガラスペースト材料などが挙げられ、平均粒径10μmのガラス微粒子が含まれているものが好ましい。
前記ガラス微粒子(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化鉛(PbO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化亜鉛(ZnO)又は酸化リチウム(LiO)を主成分とするものが挙げられる。
前記酸化鉛を主成分とするガラス微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化物基準の重量%で、酸化鉛が48〜82%、酸化ホウ素が0.5〜22%、酸化珪素が3〜32%、酸化アルミニウムが0〜12%、酸化バリウムが0〜10%、酸化亜鉛が0〜15%、酸化チタンが0〜2.5%、酸化ビスマスが0〜25%の組成を有し、軟化点が420〜590℃である非結晶性フリットなどが挙げられる。
前記酸化ビスマスを主成分とするガラス微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化物基準の重量%で、酸化ビスマスが35〜88%、酸化ホウ素が5〜30%、酸化珪素が0〜20%、酸化アルミニウムが0〜5%、酸化バリウムが1〜25%、酸化亜鉛が1〜20%の組成を有し、軟化点が420〜590℃である非結晶性フリットなどが挙げられる。
前記酸化亜鉛を主成分とするガラス微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化物基準の重量%で、酸化亜鉛が25〜60%、酸化カリウムが2〜15%、酸化ホウ素が25〜45%、酸化珪素が1〜7%、酸化アルミニウムが0〜10%、酸化バリウムが0〜20%、酸化マグネシウムが0〜10%の組成を有し、軟化点が420〜590℃である非結晶性フリットなどが挙げられる。
前記酸化リチウムを主成分とするガラス微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化物基準の重量%で、酸化リチウムが1〜13%、、酸化ビスマスが0〜30%、酸化ホウ素が1〜50%、酸化珪素が1〜50%、酸化アルミニウムが1〜40%、酸化バリウムが1〜20%、酸化亜鉛が1〜25%の組成を有し、軟化点が420〜590℃である非結晶性フリットなどが挙げられる。
前記液状光硬化性化合物(B)及び前記光重合開始剤(C)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層の成分の説明に記載された重合性化合物及び光重合開始剤がそれぞれ好適に使用することができる。前記光重合開始剤(C)の配合量(光増感剤との組合せの場合には合計量)は、前記ガラス微粒子(A)100重量部当たり0.1〜20重量部が好ましい。
−ガラスペースト材料の充填−
前記ガラスペースト材料の充填方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図5及び図12に示すように、前記基板上に形成された前記型の凹部に、前記ガラスペースト材料を流し込み、ゴムなどからなるスクレーパーを前記型の上面に接しながら前記基板と平行に移動させて、前記凹部からはみ出した余分な前記ガラスペースト材料を除去すると同時に、前記凹部内に過不足無く充填する方法などが挙げられる。前記充填は、必要に応じて複数回繰り返してもよい。
―隔壁の形成―
前記隔壁の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ガラスペースト材料を充填後に、乾燥、焼成して前記型を燃焼消失させる方法や前記ガラスペースト材料を充填後に乾燥し、剥離液により前記型を除去し後、焼成する方法などが挙げられる。
――乾燥――
前記乾燥方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、温度60〜120℃の雰囲気中の乾燥炉に、前記基板を置いて該ガラスペースト材料中の溶剤あるいは水分を除去することにより行う。
前記乾燥炉としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直接加熱するヒーターや間接的に加熱するダウンブローシステムなどが挙げられる。 前記ヒーターとしては、クリーンで遠赤外線放射特性の高いセラミックヒーターによる加熱方式が挙げられ、前記基板を直接加熱するため、効率的に乾燥することができる。 前記ダウンブローシステムとして、HEPAフィルター(High Efficiency Particle Air Filter:高性能微粒子フィルター)を通した清浄な空気を、常に炉内の上方から下方へと流すダウンブローシステムが挙げられる。清浄な空気を炉内に供給することで炉内をクリーンに保つとともに、ペースト中の溶剤の除去を促進することにより乾燥時間を短縮できる。これらの乾燥炉は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
――焼成――
前記焼成は、硬化した感光層で形成された前記型を燃焼消失させ(リフトオフ)、プラズマディスプレイパネル用隔壁となる前記ガラスペースト材料が充填された部分(隔壁)及び前記基板上に前記誘電体層が積層されているものについては、前記誘電体層及びその上の前記ガラスペースト材料が充填された部分(隔壁)の双方をガラス化させ機械的強度を取得するとともに、前記隔壁、前記誘電体層及び前記基板を共にガラス化させることにより両者を結着させる熱処理である。
前記焼成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ガラスペースト材料の乾燥後に、該ガラスペースト材料の融点、即ち、ピーク温度400〜600℃以下で10〜60分間程度、焼成炉を用いて焼成する方法などが挙げられる。
400℃未満では焼成後の隔壁に前記ガラスペースト材料に含まれていね樹脂が一部残留し、プラズマディスプレイパネルを封着する際またはパネル放電時にこれら残留樹脂がガスとなって放出されるおそれがある。600℃を超えるガラス基板が変形するおそれがある。
前記焼成炉としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、HRS燃焼システム(Hi−cycle Regenerative combustion System)やラジアントチューブバーナーなどが挙げられる。 前記HRS燃焼システムは、セラミックハニカムを蓄熱体として内蔵した2つのバーナーを交互に切り替えて運転する省エネルギー燃焼技術で、一方のバーナーが燃焼している間、もう一方のバーナーから燃焼ガスを排出し、蓄熱体(セラミックハニカム)に排熱を蓄えるとともに、燃焼させるバーナーを一定のサイクルで切り替え、蓄えた排熱で燃焼用空気を予熱して効率的に燃焼させるもので、排熱回収を行うことにより、低燃料使用量及び低、低CO2排出量の下で効率よく前記基板を焼成することができる。
前記システムにおいては、用いられる前記焼成炉の体積に対して毎分30%以上、好ましくは、30〜120%の体積(20℃、1気圧の条件の下で。)の加熱空気を送り込むことが好ましい。毎分30%未満では、脱バインダーが遅れ、ガラス溶融温度まで有機成分が残留し、隔壁中にガスが内包されてしまうこととなり好ましない。
前記ラジアントチューブバーナーは、バーナーからの高温ガスを耐熱製チューブの内部に通し、チューブ外側表面からの輻射によって前記基板を加熱する方法で、バーナーからの燃焼ガスが炉内に漏れないため、炉内を電気ヒーターと同レベルのクリーン度に保つことができる。また、前記ラジアントチューブバーナーは電気ヒーターと組合せて使用すると、炉内の温度分布がより最適になり、前記基板を均一に加熱することができる。これらの焼成炉は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
――剥離液による型の除去――
前記剥離液による前記型の除去方法としては、前記乾燥後のガラスペースト材料が、耐アルカリ性に優れるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ剥離液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記アルカリ剥離液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1〜5重量%の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ可溶液を用いた公知の剥離液でもよい。
−その他の工程−
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、誘電体層を積層する工程、誘電体層上に酸化マグネシウムからなる保護層や赤色、緑色及び青色の各蛍光体層を積層する工程などが挙げられる。図7及び図14に示すように、前記蛍光体層は、紫外線によって励起されてそれぞれ発光する機能があり、プラズマディスプレイパネルの画素となる。前記蛍光体層などの積層方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スクリーン印刷法やインクジェット法などで形成する。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
前記支持体上に前記感光層を積層して前記パターン形成材料を作製し、該パターン形成材料を前記基板上に転写して前記感光層及び前記基板からなる積層体を作製した。
――パターン形成材料の作製――
前記支持体として厚み20μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、下記の組成からなる感光性樹脂組成物溶液を塗布して乾燥させて、厚み67μmの感光層を形成して前記パターン形成材料を作製した。
[感光性樹脂組成物溶液の組成]
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・メチルメタクリレート/スチレン/エチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(質量比);25/39/11/25、質量平均分子量;90,000、分散度;2.5、酸価163) 15質量部
・下記構造式(29)で表される重合性モノマー 7質量部
・ヘキサメチレンジイソンアネートとテトラエチレングリコールモノメタアクリレートの1/2モル比付加物 7質量部
・N−メチルアクリドン 0.0083質量部
・2,2−ビス(0−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール 0.71質量部
・2−メルカプトベンズイミダゾール 0.077質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.0015質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.0195質量部
・カテコール 0.093質量部
・メチルエチルケトン 20質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 10質量部
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ただし、構造式(29)中、m+nは、10を表す。なお、構造式(29)は、前記2,2−ビス(4−メタアクリルロイルオキシポリエトキシ)フェニルプロパン類に含まれる。
前記パターン形成材料の感光層の上に、前記保護フィルムとして厚み20μmのポリエチレンフィルムを積層した。
―積層体の作製―
前記積層体は、図1に示すように、パターン形成材料1、ガラス基板2、アドレス電極4により形成される。ガラス基板2として、厚み1.1mmを用い、ガラス基板2の表面に、アドレス電極4を等間隔に複数箇所形成した後、パターン形成材料1の保護フィルムを剥がしながら、パターン形成材料1の前記感光層がガラス基板2に接するようにして、ラミネーター(MODEL8B−720−PH、大成ラミネーター(株)製)を用いて圧着させた。圧着条件は圧着ロール温度105℃、圧着ロール圧力0.3MPa、そしてラミネート速度1m/分とした。
前記積層体を室温まで冷却後、ポリエチレンテレフタレートフィルムの前記支持体を剥離し、同様にしてパターン形成材料1の積層操作を更に2回繰り返し、合計厚み200μmの前記感光層を有するガラス基板2と、アドレス電極4と、前記感光層と、前記支持体とがこの順に積層された積層体9を作製した。厚み200μmの前記感光層の405nmでの透過率は0.3であった。作製した積層体9について、解像度、ガラス基板2への密着性及び露光速度の評価を行った。その結果を表3に示した。
−プラズマディスプレイパネル(PDP)用隔壁の製造−
図2に示すように、積層体9の前記支持体側からPDP隔壁パターン(ストライブ型隔壁の幅90μm、ピッチ350μm)情報を有する青紫色レーザ光を照射装置から照射し、図3に示すように、照射部分の感光層1aを硬化させて、所定の条件下で現像を行い、未露光部分1bを除去することにより型6を作製した。画線の切れは良好で、図4に示すように、90μm幅のストライブ状の凹部1cを有する隔壁パターンの型6が忠実に再現された。
積層体9を180℃のオーブン中で20分間、熱処理した。図5に示すように、隔壁用の型6のストライブ状の凹部1cに、下記組成のガラスペースト材料8を流し込み、ゴム製のスキージ7により、ガラスペースト材料8を凹部1cに充分に埋め込んだ。
[ガラスペースト材料の組成]
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ガラス粉末 *) 80質量部
ジアリルフタレート 20質量部
ブチルカルビトールアセテート 40質量部
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*)ホウケイ酸鉛:PbO/SiO/Bの混合物(混合質量比=8/80/12)60質量部とアルミナ36質量部と酸化チタン4質量部の混合物
――乾燥――
ガラスペースト材料8が充填された型6を、温度120℃の雰囲気中の乾燥炉に置いて60分間乾燥し、ガラスペースト材料8に含まれている溶剤あるいは水分を除去した。この充填作業及び乾燥作業を2回繰り返し、ガラスペースト材料8が凹部1cに完全に充填されていることを確認した
――焼成――
乾燥した型6を、580℃の雰囲気中の焼成炉に置いて60分間焼成し、残留していたパターン形成材料1の硬化部分及びガラスペースト材料8中の有機物を分解燃焼し、型6を完全に燃焼消失させて(リフトオフ)プラズマディスプレイパネル用隔壁を作製した。
この焼成工程により、プラズマディスプレイパネル用隔壁となるガラスペースト材料8が充填された部分(隔壁)がガラス化して機械的強度が得られるとともに、図6に示すように、隔壁5及びガラス基板2が共にガラス化されて両者が融着し、隔壁5及びガラス基板2が一体化され、隔壁5の上部が70μm、高さが140μmの本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁が得られた。
その後、図7に示すように、プラズマディスプレイパネル用隔壁上に誘電体層3及び赤蛍光体層5R、緑蛍光体層5G、青蛍光体層5Bなどが積層されプラズマディスプレイパネルの発光板となる。
−実施例の評価−
実施例及び比較例に対し、最短現像時間、感度、解像度、密着度、露光速度について以下のように測定、評価を行った。
(1)最短現像時間の測定
積層体9から前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、ガラス基板2上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーし、炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始からガラス基板2の上面の感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを最短現像時間とした。この結果、前記最短現像時間は135秒であった。
(2)感度の測定(硬化に必要な光エネルギー量の測定)
積層体9におけるパターン形成材料1の前記感光層に対し、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)側から、前記光照射手段としての405nmのレーザ光源を有する前記パターン形成装置を用いて、0.1mJ/cmから21/2倍間隔で100mJ/cmまでの光エネルギー量の異なる光を照射して露光し、前記感光層の一部の領域を硬化させた。
室温にて10分間静置した後、積層体9からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取り、ガラス基板2の前記感光層の全面に、炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記(1)で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の樹脂組成物を溶解除去して、残った硬化層の厚みを測定した。
次いで、光の照射量と、硬化層の厚みとの関係をプロットして感度曲線を得る。こうして得た感度曲線から硬化層の厚みが200μmとなった時の光エネルギー量を、前記感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量とした。
この結果、前記感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は、20mJ/cm、であった。なお、前記パターン形成装置は、前記DMDからなる光変調手段を有し、前記パターン形成材料を備えている。
(3)解像度の測定
前記(1)の最短現像時間の評価方法と同じ方法及び条件で、積層体9を作成し、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。図2に示すように、得られた積層体9のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)の上から、405nmのレーザ光源を有する前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅40μm〜200μmまで、20μm刻みで各線幅の露光を行い、ライン幅50〜400μmまで50μm刻みで各線幅の露光を行い、図3に示すように、図上で塗りつぶされている露光部分を硬化させた。
この際、露光量は、前記(2)で測定したパターン形成材料1の前記感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、積層体9からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取った。
更にガラス基板2の前記感光層の樹脂組成物層の全面に、前記現像液として、炭酸ナトリウム水溶液(30℃、1質量%)をスプレー圧0.15MPaにて前記(1)で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、図4に示すように、未硬化の樹脂組成物のみを溶解除去し、図3で塗りつぶされた硬化部分8を残し、型を形成した。
この様にして得られた型を支えるガラス基板2の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを解像度とした。解像度は数値が小さいほど良好である。
(4)密着度の測定
積層体9から前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取った後、露出した感光層に対して、1mm角で100マスの碁盤目をカッターナイフで作成し、セロテープ(登録商標)剥離試験を行った。評価は100マス中の剥離しなかったマス数にて表示した。したがって、数が多いほど密着性に優れるといえる。
(5)露光速度の測定
前記パターン形成装置を用いて、露光光と前記感光層とを相対的に移動させる速度を変更し、一般的なパターンが形成される速度を求めた。露光は、調製した前記積層体におけるパターン形成材料1の前記感光層に対して、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)側から行った。なお、この設定速度が速い方が効率的なパターン形成が可能となる。
(実施例2)
実施例1において、感光層の乾燥厚みを100μmとし、重ねる回数を2回にした以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料を作製した。
作製したパターン形成材料を用いて解像度、ガラス基板2への密着性、及び露光速度の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は、135秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は20mJ/cmであった。
(比較例1)
実施例1において、感光層用塗布液に熱重合禁止剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料1を作製した。
作製したパターン形成材料1を用いて解像度、ガラス基板2への密着性、及び露光速度の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は、135秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は18mJ/cmであった。
(比較例2)
実施例1において、感光層用塗布液にN−メチルアクリドンを0.11質量部添加した以外は実施例1と同様にしてパターン形成材料1を作製した。405nm透過率は厚み200μmの時に30%であった。
作製したパターン形成材料1を用いて解像度、ガラス基板2への密着性、及び露光速度の評価を行った。結果を表3に示した。
なお、最短現像時間は、135秒であり、感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量は30mJ/cmであった。
表3の結果より、実施例1及び2のパターン形成材料は、比較例1及び2に対して、高感度で、パターン形状、解像度、密着性に優れていることが判った。このようなパターン形成材料により得られたプラズマディスプレイパネル用隔壁は、寸法安定性に優れ、側面が滑らかで高精細であることが判った。
本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法によれば、寸法安定性に優れ、高精細で側面が滑らかなプラズマディスプレイパネル用隔壁を形成することができ、かつ製造工程において、使用する材料の損失が少なく、フォトマスクの汚れなどによるパターン不良が発生せず、高い歩留まりが得られ生産効率が高いプラズマディスプレイパネル用隔壁が得られるので、フォトリソグラフ法及びリフトオフ法を用いたプラズマディスプレイパネルの製造方法に好適に用いることができる。更に、液晶構造部材の隔壁等の製造、各種パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造などに好適に用いることができ、特に厚みが必要な隔壁の形成に好適に用いることができる。
図1は、本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁の積層体を示す斜視図である。 図2は、本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁を形成するための露光部分を示す斜視図である。 図3は、本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁を形成するためのパターンを示す斜視図である。 図4は、本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁を形成するための型を示す斜視図である。 図5は、本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁を形成するための型へのガラスペースト材料の充填を示す斜視図である。 図6は、本発明のプラズマディスプレイパネルの隔壁を示す斜視図である。 図7は、本発明のプラズマディスプレイパネルの発光板を示す斜視図である。 図8は、本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁の積層体を示す斜視図である。 図9は、本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁を形成するための露光部分を示す斜視図である。 図10は、本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁を形成するためのパターンを示す斜視図である。 図11は、本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁を形成するための型を示す斜視図である。 図12は、本発明のプラズマディスプレイパネル用隔壁を形成するための型へのガラスペースト材料の充填を示す斜視図である。 図13は、本発明のプラズマディスプレイパネルの隔壁を示す斜視図である。 図14は、本発明のプラズマディスプレイパネルの発光板を示す斜視図である。 図15は、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図の一例である。 図16(A)及び(B)は、DMDの動作を説明するための説明図の一例である。 図17(A)及び(B)は、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置及び走査線を比較して示した平面図の一例である。 図18(A)及び(B)は、DMDの使用領域の例を示す図の一例である。 図19は、スキャナによる1回の走査でパターン形成材料を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 図20(A)及び(B)は、スキャナによる複数回の走査でパターン形成材料を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 図21は、パターン形成装置の一例の外観を示す概略斜視図の一例である。 図22は、パターン形成装置のスキャナの構成を示す概略斜視図の一例である。 図23(A)は、パターン形成材料に形成される露光済み領域を示す平面図の一例であり、図23(B)は、各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図の一例である。 図24は、光変調手段を含む露光ヘッドの概略構成を示す斜視図の一例である。 図25は、図24に示す露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った副走査方向の断面図の一例である。 図26は、パターン情報に基づいて、DMDの制御をするコントローラの一例である。 図27(A)は、結合光学系の異なる他の露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った断面図の一例であり、図27(B)は、マイクロレンズアレイ等を使用しない場合に被露光面に投影される光像を示す平面図の一例であり、図27(C)は、マイクロレンズアレイ等を使用した場合に被露光面に投影される光像を示す平面図の一例である。 図28は、DMDを構成するマイクロミラーの反射面の歪みを等高線で示す図の一例である。 図29(A)及び(B)は、前記マイクロミラーの反射面の歪みを、該ミラーの2つの対角線方向について示すグラフの一例である。 図30は、パターン形成装置に用いられたマイクロレンズアレイの正面図(A)と側面図(B)の一例である。 図31は、マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図(A)と側面図(B)の一例である。 図32は、マイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)と別の断面内(B)について示す概略図の一例である。 図33aは、本発明のマイクロレンズの集光位置近傍におけるビーム径をシミュレーションした結果を示す図の一例である。 図33bは、図33aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図33cは、図33aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図33dは、図33aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図34aは、従来のパターン形成方法において、マイクロレンズの集光位置近傍におけるビーム径をシミュレーションした結果を示す図の一例である。 図34bは、図34aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図34cは、図34aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図34dは、図34aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図35は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図36は、マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図(A)の一例と側面図(B)の一例である。 図37は、図36のマイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)の一例と別の断面内(B)について示す概略図の一例である。 図38(A)、(B)及び(C)は、光量分布補正光学系による補正の概念についての説明図の一例である。 図39は、光照射手段がガウス分布でかつ光量分布の補正を行わない場合の光量分布を示すグラフの一例である。 図40は、光量分布補正光学系による補正後の光量分布を示すグラフの一例である。 図41a(A)は、ファイバアレイ光源の構成を示す斜視図であり、図41a(B)は、(A)の部分拡大図の一例であり、図41a(C)及び(D)は、レーザ出射部における発光点の配列を示す平面図の一例である。 図41bは、ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列を示す正面図の一例である。 図42は、マルチモード光ファイバの構成を示す図の一例である。 図43は、合波レーザ光源の構成を示す平面図の一例である。 図44は、レーザモジュールの構成を示す平面図の一例である。 図45は、図44に示すレーザモジュールの構成を示す側面図の一例である。 図46は、図44に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 図47は、レーザレイの構成を示す斜視図の一例である。 図48(A)は、マルチキャビティレーザの構成を示す斜視図の一例であり、図48(B)は、(A)に示すマルチキャビティレーザをアレイ状に配列したマルチキャビティレーザレイの斜視図の一例である。 図49は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図50(A)は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例であり、図50(B)は、(A)の光軸に沿った断面図の一例である。 図51(A)及び(B)は、従来の露光装置における焦点深度と本発明のパターン形成方法(パターン形成装置)による焦点深度との相違を示す光軸に沿った断面図の一例である。
符号の説明
1 パターン形成材料
2 ガラス基板
3 誘電体装層
4 アドレス電極
5 隔壁
5R 赤蛍光体
5G 緑蛍光体
5B 青蛍光体
6 型
7 スキージ
8 ガラスペースト
9 積層体
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 ヒートブロック
11〜17 コリメータレンズ
20 集光レンズ
30〜31 マルチモード光ファイバ
44 コリメータレンズホルダー
45 集光レンズホルダー
46 ファイバホルダー
50 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
52 レンズ系
53 反射光像(露光ビーム)
54 第2結像光学系のレンズ
55 マイクロレンズアレイ
56 被露光面(走査面)
55a マイクロレンズ
57 第2結像光学系のレンズ
58 第2結像光学系のレンズ
59 アパーチャアレイ
64 レーザモジュール
66 ファイバアレイ光源
67 レンズ系
68 レーザ出射部
69 ミラー
70 プリズム
71 集光レンズ
72 ロッドインテグレータ
73 組合せレンズ
74 結像レンズ
100 ヒートブロック
110 マルチキャビティレーザ
111 ヒートブロック
113 ロッドレンズ
120 集光レンズ
130 マルチモード光ファイバ
130a コア
140 レーザレイ
144 光照射手段
150 パターン形成材料
152 ステージ
155a マイクロレンズ
156 設置台
158 ガイド
160 ゲート
162 スキャナ
164 センサ
166 露光ヘッド
168 露光エリア
170 露光済み領域
180 ヒートブロック
184 コリメートレンズアレイ
302 コントローラ
304 ステージ駆動装置
454 レンズ系
468 露光エリア
472 マイクロレンズアレイ
474 マイクロレンズ
476 アパーチャアレイ
478 アパーチャ
480 レンズ系

Claims (9)

  1. 基板上に、アルカリ可溶性バインダー、光重合開始剤、重合性化合物及び熱重合禁止剤からなり、前記アルカリ可溶性バインダー及び重合性化合物の合計量100質量部に対し、熱重合禁止剤を0.01〜1.0質量部含有し、かつ厚みが50〜250μmの感光層を形成する感光層形成工程と、
    前記感光層を青紫色レーザ光照射装置によりパターン露光した後、現像して型を形成する型形成工程と、
    該型により得られた開口部にガラスペースト材料を充填した後、前記型を消失させて隔壁を形成する隔壁形成工程と
    を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法。
  2. 感光層が、波長405nmでの光学濃度が、0.1〜0.5である請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法。
  3. 熱重合禁止剤が、フェノール性水酸基を少なくとも2個有する化合物、イミノ基で置換された芳香環を有する化合物、イミノ基で置換された複素環を有する化合物、及びヒンダートアミン化合物から選択される少なくともいずれか1種を含む請求項1から2のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法。
  4. ガラスペースト材料が、酸化鉛、酸化ビスマス及び酸化亜鉛の少なくともいずれか1種を含む請求項1から3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法。
  5. 基板が、ガラス基板である請求項1から4のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法。
  6. 青紫色レーザ光照射装置が、395〜415nmの波長の青紫色レーザ光を用いて露光する請求項1から5のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法。
  7. 感光層を複数回積層した請求項1から6のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法。
  8. 感光層形成工程が基板上に誘電体層及び感光層をこの順に形成する請求項1から7のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法。
  9. 隔壁形成工程の後に誘電体層及び蛍光体層を形成する工程を含む請求項1から7のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用隔壁の製造方法。
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