JP2006243747A - 帯電装置及びその帯電装置を備えた画像形成装置 - Google Patents

帯電装置及びその帯電装置を備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 オゾンを発生させることなしに被帯電体を確実に帯電させることができ、帯電ムラに起因して生じる濃度ムラができないようにする。
【解決手段】 帯電装置2は、感光体ドラム1の表面に対して帯電ローラ8を帯電領域内で所定のギャップを形成するように近接して設けている。その帯電ローラ8の芯金11には、電源ユニット12から定電圧制御されたDCバイアスと定電圧制御のACバイアスが供給され、それにより感光体ドラム1の表面が一様に帯電される。帯電ローラ8に印加される交流成分の電圧は、帯電ローラ8と感光体ドラム1との間の最大ギャップにおける帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値を有するようにする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、被帯電体を帯電する帯電装置、及びその帯電装置を備えた画像形成装置に関する。
従来より、電子写真方式の画像形成装置には被帯電体である感光体を帯電させる帯電装置が設けられている。
その帯電装置としては、例えば非接触型の帯電装置として帯電チャージャ方式が一般的である。しかしながら、この帯電チャージャ方式の場合には帯電の均一性が図れるため帯電性能が良いという利点はあるが、人体に対して影響のあるオゾン(O)を発生させてしまうという欠点があった。そのため、近年ではオゾンレスの帯電装置として、帯電部材を感光体に接触させた状態で帯電を行う接触帯電方式の帯電装置や、帯電部材を感光体に非接触に近接させた状態で帯電を行う近接帯電方式の帯電装置がある。
しかしながら、接触帯電方式の場合には、帯電ローラ等の帯電部材を直接感光体等の被帯電体に接触させるため、次に掲げるような問題点があった。
すなわち、帯電部材から汚れが感光体に転移して、それにより感光体が汚れて異常画像が発生してしまうことがあった。また、感光体にクラックが入ってしまう恐れもあった。
さらに、帯電部材自身も感光体上に付着したトナー等により汚れやすくなるため、それが限界以上に汚れたときには帯電性能(帯電電位の均一性)が低下してしまうということがあった。
さらにまた、被帯電体が感光体であるときには、そこに接する帯電部材により感光体に膜削れが生じて、それにより帯電電位が低下してしまう恐れもあった。また、感光体にピンホールがあった場合のリークに対する余裕度も少なくなってしまうということもあった。
ところで、このような接触帯電方式の帯電装置では、例えば帯電部材が帯電ローラであるときには、そのローラ表面の微視的な凹凸に対応するために帯電開始電圧の2倍のピーク間電圧を帯電ローラに印加するとよいことが知られている。また、従来の帯電部材と被帯電体との間に微小な間隙(ギャップ)を形成する非接触の近接帯電方式の帯電装置(以下、微小ギャップ帯電とも云う)でも、帯電開始電圧の2倍のピーク間電圧の交流電圧を帯電部材に印加するとよいことが知られている。
ところが、従来の微小ギャップ帯電において、帯電部材が被帯電体に接触した状態での放電開始電圧の2倍のピーク間電圧の交流電圧を帯電部材に印加しても帯電むらが生じることが判った。以下、その点について説明する。
まず最初に、帯電部材を被帯電体に接触させた状態での放電開始電圧について考察を行った。
図13に示すモデル図の帯電ローラ48と感光体41との間の微視的なギャップ(空隙)Zにかかる電圧Vgは、数1で表される。
Figure 2006243747
ここで
Va:帯電ローラへの印加電圧
Vc:感光体の感光体層41aの表面の表面電位
Z :帯電ローラと感光体との間のギャップ
Ls:感光体の感光体層41aの厚さ
Ks:感光体の感光体層比誘電率
一方、ギャップZにおける放電現象の放電破壊電圧Vbは、パッシェンの法則によりZ=8μm以上では数2のように近似される。
Figure 2006243747
パッシェンの法則の式と数1をグラフ化すると図14に示すようになる。この図14において横軸はギャップZ、縦軸は空隙破壊電圧を示しており、曲線Aがパッシェンの曲線、曲線B、B、Dがそれぞれ(Va−Vc)、すなわち帯電ローラへの印加電圧と感光体の表面電位との差をパラメータとしたときの空隙電圧Vgの特性を示している。
ここで、パッシェンの曲線Aは、あるギャップにおいて放電が開始するための放電破壊電圧を示した曲線であるので、曲線Aが曲線B〜Dとそれぞれ交点を有するときに放電が生じるものである。
帯電ローラへの印加電圧と感光体表面電位との差が曲線B、Cのグラフに相当するぐらい大きければ、それらの曲線B、Cにパッシェンの曲線Aが交差するので、そこで放電が生じる。
このように、放電が開始する点においては、パッシェンの曲線Aと数1から得られる曲線(C)が接するため、Vg=VbとおいたギャップZの二次式で判別式が0になる。よって、Vg=Vbとなる。
ここで、VgとVbはVg=Vbの関係から置き換えられるので、数1と数2から数3の関係が得られる。そして、その数3を変形すると数4となる。
さらに、前述したギャップZに関する二次式の判別式=0より数5が得られ、その数5をVcについて解くと数6となる。
その数6で、Ls/Ksは感光体によって決まる定数であり、帯電開始電圧Vthは数7となるので、その帯電開始電圧Vthは数8となる。
Figure 2006243747
Figure 2006243747
Figure 2006243747
Figure 2006243747
Figure 2006243747
Figure 2006243747
つまり、接触帯電の場合に、帯電部材へ直流電圧を印加し、その際に印加電圧を少しずつ上げていったときに帯電部材への印加電圧と感光体の表面電位との差が感光体の膜厚と比誘電率で決まるある値(帯電開始電圧Vth)を超えたところで放電が開始する。
そして、さらに帯電部材に印加する電圧をVthよりも上げると、放電によって感光体が帯電されてその感光体の表面電位Vcが上昇するため、VaとVcとの差が減少し、Vc=Va−Vthまで感光体の表面が帯電すると、それ以上の放電はしなくなる。よって、感光体の表面電位はVaに比例し、その傾きは1となるため、帯電部材への印加電圧と感光体の表面電位との関係は、図15に理論式で得た線図を示すようになる。
そして、この線図に実験で得た数値を黒四角印で記入すると、それらは非常によく一致する。なお、図15は、感光体の感光体層の厚さLsが27μmで、感光体層比誘電率Ksが3の場合の例を示している。
これが、いわゆる接触帯電方式の帯電装置における直流電圧印加の特性を示したものであり、この時のVthを接触帯電における帯電開始電圧という。
このような接触帯電の場合には、帯電部材である帯電ローラの材質やローラの表面粗さなどによっては、その帯電ローラに直流電圧のみを印加しても感光体を均一に帯電することができるものもある。
しかしながら、帯電ローラによってはそこに直流電圧のみを印加しただけでは斑点状のむらが発生する場合がある。これは、帯電ローラの表面性の部分的な差によって、ある部分のみ抵抗が低くなることによってその部分が放電し易くなったり、ローラ表面の凹凸の凸部に電界が集中することによって放電が不均一になったりすることが原因と考えられている。
このような直流電圧のみを印加しただけでは不均一な帯電になってしまうような材質や表面粗さを持った帯電ローラであるときでも、感光体を均一に帯電することができるようにする帯電方法として、直流電圧に交流電圧を重畳する方式が、例えば特公平3−52058号公報に記載されている。
この帯電方法は、感光体ドラムの表面に所定圧力をもって接触させた帯電部材である導電性ローラと感光体ドラムとの間に、感光体ドラムに対する帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値を有する電圧を、直流電圧と交流電圧とを重畳した電圧で印加することにより、導電性ローラ(帯電ローラ)と感光体ドラムとの間に振動電界を形成するものである。
そこで、この帯電方法を、感光体の感光体層の厚さLsと感光体の感光体層比誘電率Ksとの関係がLs/Ks=9であって、帯電ローラが感光体の表面に接触状態にある接触帯電における帯電開始電圧Vthが、Vth=−630Vである系の帯電装置に適用した場合について考えてみる。
この帯電装置の帯電ローラに、直流電圧=−600Vに交流電圧のピーク間電圧Vpp=1.3kVを重畳した電圧を印加したとする。
すると、この系にはACの周期で−1250V〜+50Vまでの電圧が印加されることになる。感光体の帯電電位は−1250Vが印加された瞬間には−620V(−1250−(−630)=−620V)に帯電する。すると、この−620Vに帯電された感光体表面は+50Vとの間に670Vの電位差があるため、次の瞬間−580Vに帯電される。
この間、部分的な表面欠陥によって−620Vより−側(絶対値で620V以上、たとえば−650V)に帯電した部分があっても+50Vがかかったときに、逆放電により−580Vに帯電される。また、−580Vよりも+側(絶対値が580V以下、例えば−550V)に帯電された部分があっても−1250Vが印加されることによって−620Vに帯電されることになる。
このようにACの周期によって帯電電位が少しずつ変動していく。
そして、帯電ローラと感光体との間のギャップが徐々に広がっていくと、数2でZの値が徐々に大きくなっていくことにより放電破壊電圧Vbが大きくなるため、必要とされる空隙電界が高くなる。
つまり、感光体が回転することによって、その感光体の帯電ローラと接していた部分が帯電ローラとの当接部から離れていく過程において、そのギャップでの放電開始電圧が高くなる。
そのため、ギャップが広がることにより帯電開始電圧Vth=−650Vになるギャップとなったときに、帯電電位が−600Vより−側に帯電したところは+50Vによって−600vに収束するし、−600Vよりも+側に帯電した部分は−1250Vによって−600Vに収束する。
このように、接触帯電では、帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を帯電ローラと感光体ドラムとの間に印加することにより、感光体の部分的に高く帯電した部分や低く帯電した部分を、正逆いずれかの放電によって、最終的に直流電圧成分と同じ電位に帯電させることができる。
以上が、接触帯電において直流電圧と交流電圧を重畳した電圧を帯電ローラと感光体ドラムとの間に印加した場合の効果説明である。
次に、帯電部材を被帯電体に非接触に近接させる近接帯電方式の帯電装置で、帯電部材を被帯電体に接触させた状態での帯電開始電圧の2倍のピーク間電位に相当する交流電圧を帯電部材と被帯電体との間に印加した場合に生じる現象について説明する。
図14に示したパッシェンの曲線Aから明らかなように、帯電部材を被帯電体に接触させた状態のときであっても、帯電開始電圧を帯電部材と被帯電体との間に印加したときに放電が生じるのはギャップZが0となる帯電部材と被帯電体との接触点ではなく、その間にある程度の微小なギャップ(ギャップ)が形成される位置においてである(例えば曲線Aと曲線Bが交差する接点に相当するギャップZの位置で放電が生じる)。
このギャップは、数4の二次方程式の解であり、かつ判別式が0になっているのだから、
Z=−{312+6.2×(Ls/Ks)−Va+Vc}/(2×6.2)
={(Va−Vc)-312−6.2×(Ls/Ks)}/12.4
ここで数7により数9が得られるから、数10となる。
Figure 2006243747
Figure 2006243747
ここで、例えば被帯電体である感光体が、感光体層の厚さ(膜厚)が27μmで、感光体層比誘電率が3であるとすると、ギャップZは約21μmとなる。
これは、接触帯電の帯電ローラであっても、上記のような特性値を持った感光体であれば、直流電圧を印加した場合、21μmのギャップZで最大の帯電電位となり、それよりもギャップが狭くなっていく過程ではそれ以上の放電が生じないことを意味している。
逆に言えば、帯電部材が感光体に対して非接触の近接帯電方式の帯電装置であってもギャップZが21μm以下であれば、接触帯電方式の帯電装置と全く同じ帯電電位を持ってして、均一な帯電ができることを意味している(感光体層の厚さが27μmで、感光体層の比誘電率が3のとき)。
そのため、非接触の近接帯電方式の帯電装置であっても、感光体のKs/Lsの値によって閾値は変わるが、ある程度の近接したギャップZであれば、帯電部材を被帯電体に接触させた状態での帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を有する交流電圧を直流電圧に重畳していれば、感光体を均一に帯電することができる。
ところが、上述した例のような感光体層の厚さLsを27μmとし、感光体層の比誘電率Ksが3であるときには、帯電部材と被帯電体との間のギャップZが21μm以上になると、上述した接触状態での帯電開始電圧の2倍のピーク間電圧でも逆放電が生じなくなる。
すなわち、Ls/Ks=9の場合における接触帯電での帯電開始電圧は前述したように−630Vになるので、1260Vのピーク間電圧を印加すれば理論上は正逆の放電によって帯電電位は収束するはずである。
しかしながら、帯電部材と感光体との間のギャップZが例えば25μmある場合には、ギャップ25μmでの放電開始電圧は数4にZ=25、Ls/Ks=9を代入したときのVa−Vcより数11となる。このため、ピーク間電圧が1260Vでは若干電圧が足りないため(1270V必要)、逆放電が発生しない。
Figure 2006243747
例えば、DC=−600Vでピーク間電圧1260Vとすると、−1230V〜+30Vの電圧が帯電ローラに印加される。しかし、ギャップが25μmなので帯電電位は±595Vまでしか帯電しない。すると+30Vとの電位差は625Vしかなく、帯電開始電圧は635Vであるため、−595Vはそのまま−595Vのままとなる。
これでは、非接触帯電であっても、接触帯電における帯電開始電圧−635Vの系に対してDC=−1230Vを印加した場合と同じことになってしまい、交流電圧を印加する効果が得られない。
このように、上述した条件の非接触帯電においては、帯電部材と被帯電体との間のギャップがある程度以上広い場合には、帯電部材を被帯電体に接触させた状態での帯電開始電圧の2倍のピーク間電圧でも印加電圧が足りなくなる。
この場合、上記ギャップが25μmに固定されているのであれば、帯電部材を被帯電体に接触させた状態において直流を印加した際に放電ムラが発生しない材質及び表面粗さの条件を満たす帯電ローラを使用すれば、理論上は帯電ムラが発生しないことになる。
しかしながら、帯電部材を被帯電体に非接触で近接させる非接触帯電の場合には、帯電部材と被帯電体との間のギャップの大きさは機械的要因によって変化することが多い。例えば、帯電部材である帯電ローラや被帯電体である感光体の真直度の影響で、それらの回転時に帯電ローラと感光体との間のギャップが最小10μmから最大40μmまで変動したとし、その際に使用した感光体のKs/Lsが9であったとすると、ギャップ10μmのところでは接触と同じで放電開始電圧は約−630Vとなり、ギャップ40μmのところでの放電開始電圧は約−686Vとなる。
そのため、たとえ直流電圧を印加した際に帯電ムラが発生しない材料及び精度に製作された帯電ローラを使用したとしても、交流ピーク間電圧が1260Vの電圧を帯電ローラと感光体との間に印加すると、ギャップが21μm以下のところと40μmのところとで、それぞれのギャップに対応する放電開始電圧の差に相当する56Vの帯電電位差が感光体上で発生する。
このように、帯電部材を被帯電体に対して非接触に近接させた状態で帯電を行う近接帯電方式の帯電装置の場合には、接触帯電方式の帯電では帯電ムラが発生しないような帯電ローラを使用しても、帯電部材と被帯電体との間のギャップの大きさの変動という要因により被帯電体を均一に帯電できないことがある。
特に、帯電部材と被帯電体との間のギャップの変動により、帯電部材を被帯電体に接触させた状態における帯電開始電圧よりも高い放電開始電圧となるようなギャップのしきい値(上記の例の場合は21μm)よりも大きなギャップを帯電部材と被帯電体との間に有する系では、そのギャップの大小関係がそのまま帯電電位の低高関係に直結する。
このように、近接帯電方式の帯電装置の場合には、帯電部材と被帯電体との間のギャップの大きさの変動により帯電ムラが発生しやすいという問題点があった。
この点に関しては、帯電部材が帯電ローラであるときには、それを金属製のローラにすれば、帯電ローラの真直度の寸法管理がゴム製のローラの場合に比べて容易になるので、ギャップのバラツキ範囲を狭めることによって帯電ムラが起きにくいようにすることができるが、このようにした場合には金属製のローラと被帯電体との間に異物が入り込んでしまうと、その異物により被帯電体の表面が傷付きやすくなる。
したがって、このような被帯電体の表面の傷付きを防止するためには、帯電ローラの被帯電体に対向するローラ部分には弾性ローラを使用する必要があるが、そのようにすれば、その帯電ローラと被帯電体との間の微少なギャップを帯電ムラが起きない量に保てるまでに弾性ローラ部の部品精度を高めるのは非常に困難であり、それが仮にできたとしてもコスト面で非常に高価なものになってしまうということがあった。
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、帯電部材を被帯電体に非接触に近接させた状態で帯電を行う帯電方式であるために、帯電部材と被帯電体との間のギャップに変動が生じやすいことにより帯電ムラが発生しやすい近接帯電方式の帯電装置においても、被帯電体を均一に帯電することができるようにすることを目的とする。
この発明は上記の目的を達成するため、被帯電体に対して少なくとも帯電領域内で所定のギャップを形成するように近接して設けられた帯電部材を備え、その帯電部材には電源から直流定電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することにより上記被帯電体を帯電する帯電装置において、
上記帯電部材に印加する電圧の交流成分は、上記所定のギャップの最大ギャップにおける帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値を有するようにしたものである。
上記被帯電体と帯電部材とのギャップは、位置によって不均一であって偏差があるようにしてもよい。
また、上記被帯電体と帯電部材とのギャップは変動するものであってもよい。
さらに、上記帯電部材は回転するローラであるとよい。また、上記被帯電体は回転あるいは回動する部材であるとよい。
そして、上記被帯電体と帯電部材とのギャップは、ギャップが0のときの帯電開始電圧と異なる帯電開始電圧になる大きさのギャップにするとよい。
さらに、被帯電体に対して少なくとも帯電領域内で所定のギャップを形成するように近接して設けられた帯電部材を備え、その帯電部材には電源から定電圧制御された直流電圧と、交流電圧が印加されることにより被帯電体が帯電し、上記帯電領域内の帯電部材の長手方向及び短手方向の各位置における上記ギャップの平均値が10μm以上であり、そのギャップのバラツキが平均値に対して10μm以上である帯電装置を、次のように構成するとよい。
すなわち、帯電装置を、帯電部材に印加する電圧は、交流成分を有する電圧が上記所定のギャップの最大ギャップにおける帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値を有するように構成するとよい。
また、被帯電体に対して帯電領域内で接触する部分と非接触の部分とが混在するように設けられた帯電部材を備えた帯電装置においても、上記帯電部材に印加する電圧は、交流成分を有する電圧が上記ギャップの最大ギャップにおける帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値を有するようにするとよい。
そして、上記帯電部材は、回転自在な弾性ローラにするとよい。
また、上記いずれかの帯電装置において、上記被帯電体と帯電部材との間にギャップ管理部材を介在させることにより上記ギャップを形成し、その最大ギャップはギャップ管理部材の厚さで決定されるようにするとよい。
さらに、上記いずれかの帯電装置を備えた画像形成装置を提供する。
この発明の帯電装置及び画像形成装置によれば、帯電部材を被帯電体に対して少なくとも帯電領域内でその間に所定のギャップを設けて非接触にしたので、オゾンの発生を抑えることができると共に、帯電部材から汚れが被帯電体に転移するのを防止することができる。したがって、被帯電体が汚れることによる異常画像の発生を防止することができる。
そして、帯電部材と被帯電体との間には交流成分を有する電圧を印加し、その交流成分は帯電部材と被帯電体との最大ギャップにおける帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値を有するようにしたので、上記ギャップに変動があっても帯電ムラに起因して生じる濃度ムラが発生しない良好な画像が得られる。
また、請求項8の帯電装置によれば、帯電部材が被帯電体に対して帯電領域内で接触する部分と非接触の部分とが混在するように設けられている帯電装置の場合には、一般的に帯電部材の表面抵抗が低いと帯電部材と被帯電体との間のギャップに場所により偏差があると帯電部材の表面に規定の電位を維持することができないために帯電ムラになりやすいが、帯電部材と被帯電体との間には交流成分を有する電圧が印加され、その交流成分は帯電部材と被帯電体との最大ギャップにおける帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値を有するようにしたので、帯電ムラに起因して生じる濃度ムラが発生しない良好な画像が得られる。
さらに、請求項4及び9の帯電装置によれば、帯電部材と被帯電体との間のギャップの管理を比較的容易に行うことができる。
請求項10の帯電装置によれば、最大ギャップ値をギャップ管理部材の厚みで管理することができるので、ギャップ管理が更に容易になる
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明による帯電装置を備えた画像形成装置の一実施形態の作像部を示す概略構成図、図2は同じくその画像形成装置全体を示す概略構成図である。
図2に示す画像形成装置は、装置本体内の下部に給紙部22を、その上方に感光体ドラム1等を有する作像部を、さらにその上方に排紙部となる対の排紙ローラ26,27をそれぞれ設けて、給紙部22から給紙した転写紙Pの同図で左側の面に作像部で画像を形成し、その転写紙Pを排紙ローラ26,27によりビントレイ20あるいは排紙トレイ21に排出するようにしている。
給紙部22には、上下2段にトレイ28,29が設けられていて、その各給紙段には給紙ローラ30がそれぞれ配設されている。
図2で23は書込みユニットであり、そこから感光体ドラム1の一様に帯電された表面に光を照射して、そこに画像を書き込む。
また、その感光体ドラム1に対して転写紙搬送方向上流側には、転写紙のスキューを補正すると共に感光体ドラム1上の画像と転写紙の搬送タイミングを合わせるためのレジストローラ対13を設けている。
さらに、感光体ドラム1に対して転写紙搬送方向下流側には、定着ユニット25を設けている。
作像部には、図1に示すように前述した感光体ドラム1が矢示A方向に回転可能に設けられており、その周囲には帯電装置2と、その帯電装置2により帯電された面に書込みユニット23により書込まれた感光体ドラム1上の静電潜像を顕像化してトナー像とする現像装置4と、そのトナー像を転写紙Pに転写する転写搬送ベルト5と、そのトナー像の転写後に感光体ドラム1上に残った残留トナーを除去するクリーニング装置6と、感光体ドラム1上の不要な電荷を除電する除電ランプ7とを、それぞれ配設している。
この画像形成装置は、画像形成動作を開始させると、図1に示した感光体ドラム1が矢印A方向に回転し、その表面が除電ランプ7により除電されて基準電位に平均化される。
次に、その感光体ドラム1の表面は、帯電ローラ8により一様に帯電され、その帯電面は、書込みユニット23から画像情報に応じた光Laの照射を受け、そこに静電潜像が形成される。
その潜像は、感光体ドラム1が矢示A方向に回転することにより現像装置4の位置まで移動されると、そこで現像スリーブ10によりトナーが付着されてトナー像(顕像)となる。
一方、図2に示した給紙部22のトレイ28,29の何れかから給紙ローラ30により転写紙Pが給紙され、それがレジストローラ対13で一旦停止されて、その転写紙Pの先端と感光体ドラム1上の画像の先端とが一致する正確なタイミングで搬送され、その転写紙Pに転写搬送ベルト5により感光体ドラム1上のトナー像が転写される。
その転写紙Pは、転写搬送ベルト5により搬送され、駆動ローラ部5aで転写紙Pの腰による曲率分離で、その転写搬送ベルト5から分離されて、定着ユニット25へ搬送され、そこで熱と圧力が加えられることによりトナーが転写紙Pに融着され、それが指定された排紙場所、すなわち排紙トレイ21あるいはビントレイ20の何れかに排出される。
その後、感光体ドラム1上に残った残留トナーは、次工程であるクリーニング位置まで回転移動し、図1に示したクリーニング装置6のクリーニングブレード6aにより掻き取られ、再び次の作像工程に移る。
帯電装置2は、感光体ドラム1の表面に対して帯電領域内で所定のギャップを形成するように近接して設けられた帯電部材である帯電ローラ8と、その帯電ローラ8の表面に常時圧接して、その帯電ローラ8をクリーニングする例えばスポンジからなる帯電ローラクリーニング部材9とを備えている。
そして、この帯電装置2は、帯電ローラ8の芯金11に電源ユニット12から、定電圧制御されたDCバイアス(直流電圧)と定電圧制御のACバイアス(交流電圧であり、後述するように定電流制御されたACバイアスであってもよい)を供給して、感光体ドラム1の表面を一様に帯電する。
感光体ドラム1は、アルミニウム(Al)素管にUL層とCGL層とCTL層をそれぞれコートした多層構成になっており、それが図示しないメインモータにより矢示A方向に一定の速度で回転駆動される。
帯電ローラ8は、両端部の芯金11,11がそれぞれ軸受により回転自在に支持された弾性ローラであり、その弾性ローラ部8aの両端部に、図3に示すようにギャップ管理部材であるテフロンチューブ14,14を密着させて取り付けている。
そして、その両側のテフロンチューブ14,14の部分が感光体ドラム1の表面に接触することにより、そのテフロンチューブ14の厚さ分だけ微少ギャップが、帯電領域内において感光体ドラム1の表面と帯電ローラ8の弾性ローラ部8aとの間に形成されるようにしている。
すなわち、この帯電装置では、この感光体ドラム1と帯電ローラ8の弾性ローラ部8aとの間に介在させるテフロンチューブ14の厚さで、感光体ドラム1と帯電ローラ8との間の最大ギャップが決定される。
その最大ギャップとは、次のように定義する。
すなわち、上述したようにテフロンチューブ14の厚さ分に相当する微少ギャップを設けて互いに対向する感光体ドラム1の表面と帯電ローラ8の弾性ローラ部8aとの図4に示す最接近部aでのある瞬間における最大ギャップGmaxを指すものとする。
しかも、この最接近部aにおける感光体ドラム1の表面と帯電ローラ8の弾性ローラ部8aとのギャップは、同じ最接近部aであっても図4で手前側と奥側の各位置では感光体ドラム1と帯電ローラ8の双方の部品精度により異なるのが普通であるため、その最接近部aにおいて奥行き方向(帯電ローラ8の長手方向)の各位置で最も大きなギャップ量となる位置でのギャップを、最接近部aでの最大ギャップと定義する。
これを、図6及び図7を参照して説明すると、感光体ドラム1の表面と帯電ローラ8の弾性ローラ部8aとの間のギャップは、図6及び図7(説明の都合上誇張して図示している)に示すように、帯電ローラ8の回転や真直度のバラツキにより、ある瞬間には図6に示す位置bが最大ギャップGmaxのできる位置になり、別のある瞬間には図7に示す位置cが最大ギャップGmaxのできる位置になったりするため、その最大ギャップGmaxができる位置は帯電ローラ8の長手方向で変化する。
このように、最大ギャップは定義するものであり、図5に示すように感光体ドラム1と帯電ローラ8との間に形成される放電領域Adcの両側の領域端部における各ギャップGcを、最大ギャップとするものではない。
次に、最大ギャップが現われる位置の変化を調べるために実際に最大ギャップの発生位置を測定した結果について表1及び表2を参照して説明する。
この感光体ドラムの表面と帯電ローラの表面との間のギャップの測定は、2組について行い、その1組目の測定データを表1に、2組目の測定データを表2にそれぞれ示す。
Figure 2006243747
Figure 2006243747
このギャップの測定には、直径が30mmで周長が94mmの感光体ドラムと、それに対向配置させた直径が12mmで周長が37.6mmの帯電ローラをそれぞれ使用し、ギャップの測定点は感光体ドラムの長手方向に間隔を置いて5点、回転方向に感光体ドラムの周方向に60°ずつとした。
表1の測定結果をみると、感光体ドラムの直径30mmと帯電ローラの直径12mmとの最小公倍数である直径60mm相当(周長で188mm)を基本パターンとして、ほぼそのパターンが繰り返し現われるギャップになっていることがわかる。
そして、表1の測定結果では、感光体ドラムが2周(188mm)する間、すなわち帯電ローラが5周する間に、非常に似たパータンで近似するギャップが5回現われている。したがって、この場合には帯電ローラの真直度がギャップに大きな影響を与えているということがいえる。
一方、表2の場合には、感光体ドラムが2周(188mm)する間に、非常に似たパータンで近似するギャップが2回現われているので、この場合には感光体ドラムの真直度がギャップに大きな影響を与えているということがいえる。
なお、表1,表2に示したギャップの測定は、レーザ変位計を用いて行ったため、そのレーザ変位計の発光部と受光部の位置がギャップに対して少しでもずれると値が小さくなるため、微小なギャップは0μmと表示される。したがって、測定結果が0μmとなった位置でも、実際には若干のギャップが形成されている場合が多い。
ここでは、上述したように感光体ドラムと帯電ローラが回転する間に、非常に近似するパータンでギャップが周期的に現われる点を示すために、あえてこのようなデータを示した。
また、実際には感光体ドラムの表面や帯電ローラの弾性ローラ部の表面は、それらの面の長手方向の中央部が両端部に比べて膨出した状態になってバナナ状にひずんでいたり、長手方向の中央部が両端部に比べてくびれた状態の鼓状になっていたりするため、感光体ドラムと帯電ローラの組合せにより、その時々の最大ギャップの大きさ、及びそれが現われる位置は異なる。
このように、感光体ドラムの表面と帯電ローラの表面との間のギャップは、突発的な振動の影響を除けば、感光体ドラムと帯電ローラのそれぞれの真直度の影響を大きく受ける。
ところで、この帯電装置では、帯電領域内において図3に示した帯電ローラ8の長手方向(矢示B方向)及び短手方向(矢示C方向)の各位置における上記ギャップの平均値が10μm以上であり、そのギャップのバラツキが上記平均値に対して10μm以上になるようにしている。
また、この帯電装置では、帯電ローラ8と感光体ドラム1との間に交流成分を有する電圧を印加するが、その交流成分を有する電圧は後述する実験結果から、帯電ローラ8と感光体ドラム1との間の最大ギャップ(図4のGmax)における帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値(ピークピーク値)を有するようにしている。
次に、帯電ローラ8と感光体ドラム1との間に微少ギャップを形成する非接触タイプ(近接帯電方式)の帯電装置の好ましい例について、図8以降をも参照して説明する。
図8に、印加電圧と感光体表面の帯電電位との関係を示した帯電特性を示す。
この帯電特性は、感光体ドラムを線速230mm/secで回転駆動させ、その表面に帯電ローラを接触させた場合と、その間に微少ギャップを形成するようにした場合の特性を示すものであり、帯電ローラにはDCバイアス(DC定電圧)を印加した時のものである。
なお、以下に順次示す実験結果は、その都度特記したもの以外は、下記の実験条件で全て行ったものである。
作像プロセス線速:230mm/sec
感光体ドラム(OPC)の径:φ60
帯電ローラの径:φ16
帯電ローラのローラ抵抗:1×105Ω
帯電開始電圧(接触の場合):−651V
(ギャップ53μmの場合):−745V
(ギャップ87μmの場合):−875V
(ギャップ106μmの場合):−916V
この帯電特性から明らかなように、感光体は、しきい値となる各帯電開始電圧(−651V,−745V,−875V,−916V)以上で帯電するが、その帯電開始電圧よりも絶対値で小さな印加電圧では帯電しない。そして、その帯電開始電圧以上の電圧を印加した場合の感光体表面の帯電電位は、帯電ローラの感光体ドラムに対する接触あるいは非接触の如何に係らず、印加電圧に対し略1の傾きを持つ直線関係になっている。
次に、帯電ローラを感光体ドラムから徐々に離間させるようにしたときの帯電特性の変化について、図9を参照して説明する。
この測定に際しては、帯電ローラと感光体ドラムとの間に微少ギャップを形成するために、図3で説明したように帯電ローラの両端部にテフロンチューブを巻き、そのテフロンチューブを介して帯電ローラを感光体ドラムの表面に押し当てるようにした。
すなわち、帯電ローラと感光体ドラムとの間のギャップの最大値が、テフロンチューブの厚さに相当するようにした。
そして、実験では53μm,87μm,106μmと、厚みの異なる3種類のテフロンチューブを用意し、それぞれの場合について、DC定電圧バイアスを帯電ローラに印加した時の帯電特性を測定し、その測定結果を先に図8で説明した接触帯電の場合のデータ(ギャップ0のデータ)に付け加えた。
この実験結果によれば、上記ギャップを拡げていくと、それにしたがって略一定(≒1)の傾きで帯電開始電圧が絶対値で大きくなっていくことがわかる。
そして、そのギャップが非常に小さい領域(53μm付近以下)では、ギャップ増分に対する帯電開始電圧の変化は比較的小さいが、ギャップが53μm程度よりも大きくなると、そのギャップと帯電開始電圧との関係はある傾きを持った直線関係になる。
このことは、パッシェンの放電則がギャップ8μm以上の場合に、ほぼ直線近似できる事(帯電開始電圧=312+6.2 ×ギャップ)、またギャップが0の場合の接触帯電でも、実際の放電現象は感光体ニップからある程度離れた場所(ギャップが8μm以上となる場所)で起こっていることからも推測できるものである。
また、前述した図8の帯電特性から、次のことも言える。
すなわち、ある固定のDC電圧条件下では、感光体の帯電電位は帯電ローラと感光体ドラムとの間のギャップに依存する。そして、この帯電電位が上記ギャップに依存する性質については、パッシェンの放電則からも判る。
帯電ローラと感光体ドラムとの間のギャップと感光体の帯電電位との関係を計算により求めたシミュレーション結果と、実際に行った実験結果とを図10に示す。
図10には、印加するDC印加電圧(DCバイアス)を−1600Vに固定した場合のものを示すが、シミュレーション結果と実験結果とは非常によく一致している。
この線図から、DC定電圧制御を行った場合には、帯電ローラと感光体ドラムとの間のギャップが20μm以上では、ギャップと感光体表面の帯電電位との関係は約6V/μmの変化率をもつことがわかる。
帯電ローラを、このように感光体ドラムに対して微少ギャップを介して対向させる近接帯電方式の帯電装置を画像形成装置の実機に搭載した場合に許容される電位ムラは、モノクロ機の場合で±30V,カラー機の場合では±10Vである。
これを帯電ローラと感光体ドラムとの間のギャップ値に換算すると、許容されるギャップの振れ幅はモノクロ機の場合で10μm、カラー機の場合で3.3μmとなる。
このように、帯電ローラを感光体ドラムに対して非常に微少のギャップを設けて配設するためには、帯電ローラをギャップ偏差に関して非常に高精度で配置しなければならないので、帯電ローラと感光体ドラムの長手方向のたわみ、さらにはそれらの表面粗さや、うねり等々の許容公差を組み合わせて考えると、現実的には困難であると思われる。
そこで、次にこのような近接帯電方式の帯電装置の場合に、印加する電圧をDCバイアスに加え、ACバイアスを重畳する場合について検討する。
図11は微少ギャップによる近接帯電方式の帯電装置で、印加する電圧をDC定電圧+AC定電圧重畳にした場合の実験結果を示す線図(帯電特性)である。
この実験では、DC定電圧として−700Vを印加している。
この実験結果によれば、DC定電圧にAC定電圧を重畳した場合には、感光体表面の帯電電位は、帯電ローラと感光体ドラムとの間の各ギャップ、すなわちギャップ0μm,53μm,87μm,106μmのいずれの場合においても、DC定電圧印加時における帯電開始電圧(各ギャップの帯電開始電圧は図8を参照)の略2倍のACピーク間電圧を帯電ローラに印加することにより、DC印加電圧(−700V)とほぼ等しい帯電電位が得られることがわかる。
次に、DC定電圧(DCバイアス)に重畳するACバイアスを定電流制御した場合の実験結果を図12に示す。
この実験結果によれば、DC定電圧に重畳するACバイアスを定電流制御することにより、帯電ローラと感光体ドラムとの間のギャップの大小に係らず、総電流と感光体表面の帯電電位との関係は略一定になることがわかった。
次に、帯電ムラに伴う濃度ムラを確認するために行ったハーフトーン画像の出力の実験結果について説明する。
その結果を、表3〜表5に示す。
表3は、帯電ローラと感光体ドラムとが対向する各位置において、その間にギャップ偏差が全く無い状態のもので確認した場合の画像評価結果を示すものである。
Figure 2006243747
この実験結果によれば、DC定電圧のみを印加して制御した場合には、帯電ローラと感光体ドラムとの間のギャップが53μm以上の場合に、またACバイアスを重畳した場合(AC定電圧制御とAC定電流制御のいずれの場合についても)にはギャップが106μm以上の条件で異常放電による白ポチが発生(表3中に×で表示)してしまい、NG画像になっている。
このことから、近接帯電方式においては、DC定電圧印加にACバイアスを重畳することによる効果が表われている。
次に、実使用の場合を考慮し、帯電ローラが感光体ドラムとの間でギャップ偏差を持つ場合について検討した結果を説明する。
表4に、帯電ローラの長手方向の各位置において感光体ドラムとの間のギャップに偏差を持たせた条件でACバイアスを変えていった場合の画像評価結果を示す。
Figure 2006243747
この実験では、帯電ローラの弾性ローラ部の長手方向で右側の端部(表4中にRで表示)の感光体ドラムとの間のギャップを0μm(接触状態)にし、左側の端部(表4中にLで表示)の感光体ドラムとの間のギャップを、ギャップ最大値(53μm,87μm,106μmの3種を作成)とすることにより、ギャップに偏差を持たせている。
この実験結果によれば、DCバイアスにギャップ最大値での帯電開始電圧値(図8参照)の2倍以上のACピーク間電圧を重畳することにより良好なる画像が得られた。
なお、表4において△印は、多少濃度ムラは見られたが許容範囲のものであるため、使用可能との評価をした。また、○印は濃度ムラの全くない良好な画像を示している。
これらの結果から、ほぼ狙いとするバイアス条件が求められたので、最後に3つの電流制御条件についてそれぞれ画像出しの実験を行い、その評価結果を表5にまとめた。
DCバイアスのみを印加した場合には、先のシミュレーションの結果でも示したとおり、帯電電位のギャップ依存性が非常に大きいために、ギャップに偏差があると許容できない画像ムラ(×印で表示)が発生した。
Figure 2006243747
シミュレーションの結果からは許容できるギャップ偏差は約10μm以下であったので、ギャップ勾配を持つ方向に対しギャップ量の測定を精密に行い、ギャップ偏差量と画像ムラとの対応を調べた。
その結果を表6に示すように、DCバイアスのみを印加した条件では、シミュレーション結果から予測された通り、ギャップ偏差の許容限界値は10μm程度であり、それ以上の偏差を持つ場合には画像ムラが現われてNG(×印で表示)との評価結果になった。
Figure 2006243747
これに対しDCバイアスにACバイアスを重畳した条件では、ギャップ最大値の帯電開始電圧値の2倍以上のACピーク間バイアスを定電圧制御で重畳した場合と、ギャップ最大値の帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値が得られる電流値にて定電流制御をしたいずれの場合においても、ギャップ偏差の限界値は、ギャップ偏差が全くない条件下での白ポチによる異常画像ギャップ限界値にほぼ等しく、約100μm以下の条件で、ギャップ偏差の大きさによらず、常に良好なる画像が得られた。
このように、図1に示した帯電装置2は、帯電ローラ8と感光体ドラム1との間に交流成分を有する電圧(DC定電圧にACを重畳した電圧)を印加して、その交流成分を帯電ローラ8と感光体ドラム1との最大ギャップにおける帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値を有するようにすることにより、帯電ムラに起因して生じる濃度ムラの発生を防止して、良好な画像を得ることができる。
したがって、帯電ローラと感光体ドラムとの間のギャップが変化する非接触の近接帯電方式の帯電装置においても、上述した値の交流成分を有する電圧を帯電ローラと感光体ドラムとの間に印加することにより、帯電ムラのない良好な帯電ができる。
この点について、もう少し詳しく説明すると、数11に示したように帯電ローラと感光体との間のギャップZと、そのギャップZでの放電開始電圧Vthとの間には相関があり、ギャップZが広ければ広いほど放電開始電圧Vthは高くなる。
したがって、最大ギャップ(図4のGmaxとなる)における帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧値を有するACバイアスを帯電ローラと感光体ドラムとの間に印加すれば、ギャップによる変動があったとしても、帯電ムラを解消することができる。
具体例を挙げて説明すると、ギャップZが10μmから40μmまで変動する系の場合には、その最大ギャップとなるギャップ40μmでの帯電開始電圧(=−686V)の2倍以上のピーク間電圧値を有するACバイアスを帯電ローラと感光体ドラムとの間に印加するようにする。そこで、印加するバイアスをDC=−600V、ACのピーク間電圧値Vpp=1380Vとすると、バイアスは−1290V〜+90Vまで変動する。
ギャップが21μm以下まで狭くなる個所では、接触での帯電開始電圧−630Vとの差分に応じて、−660V〜−540VまでACの交番電界に応じて表面電位は変動する。そして、接触の場合と同様ギャップが離れていく過程で電位は収束していく。
また、最大ギャップの個所では、回転方向最近接部(図4のGmaxとなる)でギャップが40μmになったときにACの周期で−604〜−596Vまで変動する。そして、感光体と帯電ローラの回転によりギャップが離れていく過程で−600Vに収束する。したがって、DC印加バイアスと同じ−600Vに感光体を帯電させることができる。
このように、この実施の形態による帯電装置は、ギャップに変動がある場合であっても、感光体を帯電ムラなく帯電することができるが、その際に上述した例の場合には、本来はピーク間電圧が1260Vでも十分に帯電ができるような領域に対しても、1380Vのピーク間電圧を印加するようになるため、やや帯電過剰になりやすい。
そのため、最大ギャップにおける帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧値を有するACバイアスを印加して均一帯電を可能にする際には、最大ギャップの2倍よりもあまり大きなバイアスをかけると、今度は狭いギャップ部分での帯電過剰が増えるようになるため、印加するバイアス(電圧)は最大ギャップの丁度2倍のピーク間電圧にするのが望ましい。
以上、非接触の近接帯電方式の帯電装置において、最大ギャップにおける帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧値を有するACバイアスを印加することによる効果について説明したが、このような非接触の帯電装置によれば、以下に示すような従来の接触帯電方式の帯電装置で課題となっていた事項についても解決することができる。
すなわち、図4に示したように帯電ローラ8を感光体ドラム1に対して非接触にすることにより、感光体ドラム1が帯電ローラ8により汚染されるのを防止することができる。
また、帯電ローラ8が非接触であれば、その他に感光体ドラム1の膜削れや、感光体ドラム1のピンホールに対するリーク余裕度、さらには帯電ローラ8を感光体ドラム1に接触させることにより生じるバンディングも防止することができる。
なお、この発明による帯電装置は、帯電部材(帯電ローラ)の全領域が非接触状態にある場合の他に、その帯電部材の一部が感光体に接触していて他の一部が非接触状態にあるように、接触と非接触とが混在するような場合であっても同様に適用することができる点については、表5の結果から言うまでもない。
また、上述した実験において、DCバイアスのみを印加した実験では、そのDCバイアスを−1300Vに、現像バイアスを−650Vに、それぞれしている。
さらに、DC定電圧+AC定電圧制御の実験においては、DCバイアスを−600Vに、ACバイアスを2kV(最大ギャップ106μm時の帯電開始電圧の2倍以上)に、それぞれしている。
さらにまた、DC定電圧+AC定電流制御の実験においては、DCバイアスを−600Vに、ACバイアスを帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧値が得られる電流値2.5mA(f=2kHz)にしている。
この発明は、電子写真方式の画像形成装置の感光体を帯電させる帯電装置、およびその帯電装置を備えた画像形成装置に適用することができる。
この発明による帯電装置を備えた画像形成装置の一実施形態の作像部を示す概略構成図である。 同じくその画像形成装置全体を示す概略構成図である。 図1の帯電装置に設けられている帯電ローラの両端部にテフロンチューブを密着状態に取り付けた状態を示す斜視図である。 感光体ドラムの表面と帯電ローラの弾性ローラ部との間の最大ギャップGmaxを説明するための概略図である。 感光体ドラムと帯電ローラとの間に形成される放電領域の両側の領域端部におけるギャップGcは最大ギャップでないことを説明するための概略図である。 帯電ローラの回転や真直度のバラツキによってある瞬間に位置bに最大ギャップGmaxができた状態を示す概略図である。 同じくその最大ギャップGmaxが位置cにできた状態を示す概略図である。 印加電圧と帯電電位との関係を示した帯電特性を示す線図である。 帯電ローラを感光体ドラムから徐々に離間させるようにしたときの帯電特性の変化を示す線図である。 帯電ローラと感光体ドラムとの間のギャップと感光体表面の帯電電位との関係を計算により求めたシミュレーション結果と実験結果とを合わせて示した線図である。 微少ギャップによる近接帯電方式の帯電装置で印加する電圧をDC定電圧+AC定電圧重畳にした場合の帯電特性を示す線図である。 DC定電圧に重畳するACバイアスを定電流制御した場合の実験結果を示す線図である。 帯電ローラと感光体との間の微視的なギャップにかかる電圧を説明するために使用するモデル図である。 パッシェンの法則の式と数1をグラフ化した線図である。 帯電部材への印加電圧と感光体の表面電位との関係を示す線図である。
符号の説明
1:感光体ドラム(被帯電体) 2:帯電装置
8:帯電ローラ(帯電部材)
12:電源ユニット(電源)
14:テフロンチューブ(ギャップ管理部材)

Claims (11)

  1. 被帯電体に対して少なくとも帯電領域内で所定のギャップを形成するように近接して設けられた帯電部材を備え、該帯電部材には電源から直流定電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することにより前記被帯電体を帯電する帯電装置において、
    前記帯電部材に印加する電圧の交流成分は、前記所定のギャップの最大ギャップにおける帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値を有するようにしたことを特徴とする帯電装置。
  2. 前記被帯電体と前記帯電部材とのギャップは位置によって不均一であって偏差があることを特徴とする請求項1記載の帯電装置。
  3. 前記被帯電体と前記帯電部材とのギャップは変動するものであることを特徴とする請求項1記載の帯電装置。
  4. 前記帯電部材は回転するローラであることを特徴とする請求項3記載の帯電装置。
  5. 前記被帯電体は回転あるいは回動する部材であることを特徴とする請求項3記載の帯電装置。
  6. 前記被帯電体と前記帯電部材とのギャップは、ギャップが0のときの帯電開始電圧と異なる帯電開始電圧になる大きさのギャップとしたことを特徴とする請求項1記載の帯電装置。
  7. 被帯電体に対して少なくとも帯電領域内で所定のギャップを形成するように近接して設けられた帯電部材を備え、該帯電部材には電源から定電圧制御された直流電圧と、交流電圧が印加されることにより前記被帯電体が帯電し、前記帯電領域内の前記帯電部材の長手方向及び短手方向の各位置における前記ギャップの平均値が10μm以上であり、該ギャップのバラツキが前記平均値に対して10μm以上である帯電装置において、
    前記帯電部材に印加する電圧は、交流成分を有する電圧が前記所定のギャップの最大ギャップにおける帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値を有するようにしたことを特徴とする帯電装置。
  8. 被帯電体に対して帯電領域内で接触する部分と非接触の部分とが混在するように設けられた帯電部材を備え、該帯電部材には電源から定電圧制御された直流電圧と、交流電圧が印加されることにより前記被帯電体が帯電し、前記帯電領域内の前記非接触の部分の前記帯電部材の長手方向及び短手方向の各位置における前記被帯電体と前記帯電部材とのギャップの平均値が10μm以上であり、該ギャップのバラツキが前記平均値に対して10μm以上である帯電装置において、
    前記帯電部材に印加する電圧は、交流成分を有する電圧が前記ギャップの最大ギャップにおける帯電開始電圧値の2倍以上のピーク間電圧値を有するようにしたことを特徴とする帯電装置。
  9. 請求項7又は8記載の帯電装置において、前記帯電部材は回転自在な弾性ローラであることを特徴とする帯電装置。
  10. 請求項7乃至9のいずれか一項に記載の帯電装置において、前記被帯電体と前記帯電部材との間にギャップ管理部材を介在させることにより前記ギャップを形成し、前記最大ギャップは前記ギャップ管理部材の厚さで決定されることを特徴とする帯電装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の帯電装置を備えた画像形成装置。

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