JP2006243338A - 映写装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 明瞭な煙霧のスクリーンを形成し、設置場所の事情に応じて、煙霧のスクリーンの位置および大きさを変えることができる映写装置を提供する。
【解決手段】 水の粒子からなる煙霧に映像を映写する映写装置であって、煙霧を発生させる煙霧発生部と、煙霧発生部で発生した煙霧を流通させる流通路と、流通路に伸縮可能に接続され、水平方向に向き鉛直方向に沿って連設される複数の排出口を有し、流通路から流入する煙霧を複数の排出口から排出する排出部と、排出部に対向する位置に設けられ、排出部から排出された煙霧を吸入する吸入部と、排出部から排出された煙霧に対して映像を映写する映写部と、排出部および吸入部の配置に対して、映写部を移動可能に支持する支持部と、映写部から映写される映像の映写パターンを変化させる制御部と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発生させた煙霧に画像を映写する映写装置に関する。
近年、エレクトロミネッセンス・ディスプレイ(ELD)や液晶ディスプレイ(LCD)等による動画の広告等、様々な屋外ディスプレイが提案され開発されてきており、さらに人目を引き付ける屋外ディスプレイの需要が高まっている。また、単に映像を写し出すだけではなく、目新しい要素を含むことが望まれている。
このように屋外ディスプレイに対する需要が高まる中、従来から、屋外のイベントで、雲にレーザー光を照射して映像を映し出す技術が知られている。また、噴水や滝にアニメ等を映写し、立体感のある映像を映し出す技術も存在する。
また文献では、煙霧を発生させてその煙霧に映像を投影する装置が記載されたものがある。たとえば、特許文献1に記載されている表現装置は、各噴出口の延長線が交差するように角度をもって複数個の噴霧ノズルを配置させている。そして、その先端から加圧された水ならびに加圧された空気を同時に噴出させて煙霧を発生させ、噴霧衝突域を形成し、投影機により形成された煙霧に映像を投影している。このような表現装置により、災害が発生するおそれがなく、使用時に床などが結露せずに所要の煙霧を形成して、煙霧への映像の投影を可能にしている。
また、たとえば、特許文献2に記載されている加湿器は、超音波振動子によって水の微粒子を生成させ、空気送りファンからの空気によって吹き出して霧の幕を形成させ、霧状幕に分光あるいは画像を投影している。このような加湿器により、加湿だけでなく、室内装飾をも可能としている。
また、たとえば、特許文献3に記載されているゲームシステムは、噴出ユニットにより流体を噴出し、流体スクリーンを形成し、画像投影手段が噴出ユニットから噴出する流体により形成される流体スクリーンに、表示制御手段が生成した画像を投影する。操作手段は、プレイヤによる操作内容を示す操作信号を出力し、表示制御手段は、ゲームの進行状況を表す画像を生成し、ゲーム制御手段は、操作手段からの操作信号に基づいて、ゲームの進行を制御する。
特開2001−179138号公報 特開平08−094132号公報 特開2003−299872号公報
特許文献1に記載されている表現装置は、噴霧ノズルを配置させて、その先端から加圧された水ならびに加圧された空気を同時に噴出させて煙霧を発生させている。しかしながら、特許文献1に記載されている表現装置には、加圧された水と加圧された空気とを同時に噴出させる複数個の噴霧ノズルおよび配管等が必要であり、装置構造が複雑である。そのため、設備を組み立て維持するためのコストがかかり、広く普及させるのは困難である。
また、特許文献2に記載されている加湿器は、室内の加湿用に霧状幕を形成するものであるが、室内に煙霧を放出するのみで煙霧を吸入することはないため、煙霧が明瞭に映像を映すスクリーンとはなり難い。
また、特許文献3に記載されているゲームシステムは、ゲーム装置に固定された噴出装置から煙霧を噴出するが、スクリーンの大きさはゲーム装置の規格によって決定され、一定である。したがって、場所によってスクリーンの大きさを変える必要がある場合には対応ができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、明瞭な煙霧のスクリーンを形成し、設置場所の事情に応じて、煙霧のスクリーンの位置および大きさを変えることができる映写装置を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の映写装置は、水の粒子からなる煙霧に映像を映写する映写装置であって、煙霧を発生させる煙霧発生部と、前記煙霧発生部で発生した煙霧を流通させる流通路と、前記流通路に伸縮可能に接続され、水平方向に向き鉛直方向に沿って連設される複数の排出口を有し、前記流通路から流入する煙霧を前記複数の排出口から排出する排出部と、前記排出部に対向する位置に設けられ、前記排出部から排出された煙霧を吸入する吸入部と、前記排出部から排出された煙霧に対して映像を映写する映写部と、前記排出部および前記吸入部の配置に対して、前記映写部を移動可能に支持する支持部と、前記映写部から映写される映像の映写パターンを変化させる制御部と、を備えることを特徴としている。
このように、支持部により排出部および吸入部の配置に対して、映写部の位置を変えることができるため、映像の位置を調整することができる。また、排出部が伸縮可能であるため、煙霧によって作られるスクリーンの大きさや高さを変えることができる。その結果、設置場所の事情等に応じ、映像の位置、大きさを変えることができる。また、バリエーションに富んだ表示を行なうことができ、衆目を引く屋外ディスプレイが可能になる。
また、煙霧を水平方向に排出する排出部に対し煙霧を吸入するための吸入部を対向して設けているため、吸入部を路面上に設けたり、地中に煙霧吸入用の流通路を設けたりする必要がなく、手間や労力を省くことができる。
(2)また、本発明の映写装置は、電気的な制御により駆動し前記排出部を伸縮させる駆動部を更に備え、前記制御部は、前記駆動部を駆動させ前記排出部を伸縮させることにより前記連設される複数の排出口の高さを調節することを特徴としている。
これにより、制御部による制御により、煙霧によって作られるスクリーンの大きさや高さを変えることができる。その結果、表示の調整等を容易にすることができる。
(3)また、本発明の映写装置は、少なくとも前記煙霧発生部および前記支持部を固定し、地面に対して移動可能に形成されたベース部を更に備えることを特徴としている。
これにより、映写装置の位置を移動可能にすることができる。その結果、映写装置の設置が容易になり、設置位置の修正も容易となる。
(4)また、本発明の映写装置は、前記煙霧に光を照射する発光ダイオードを更に備え、前記制御部は、前記映写部から映写される映写光と、前記発光ダイオードから照射される照射光とが互いに補色の関係となるように前記映写部の映写パターンおよび前記発光ダイオードの照射パターンを制御することを特徴としている。
これにより、たとえば発光ダイオードの照射光を散乱させて形成した水色の背景に、赤色のロゴマークを表示することが可能になる。その結果、幻想的で衆目を引く表示が可能になる。さらに補色効果により、ロゴなどの表示を目立つように浮き立たせることができる。
(5)また、本発明の映写装置において、前記煙霧発生部は、貯留する色素を発生した煙霧に噴出する色素噴出部を有することを特徴としている。
これにより、映像の配色を増やすことができ、幻想的で衆目を引く表示が可能になる。また、照射するための装置を設けなくても、容易に彩色された表示を可能にする。
本発明の映写装置によれば、支持部により排出部および吸入部の配置に対して、映写部の位置を変えることができるため、映像の位置を調整することができる。また、排出部が伸縮可能であるため、煙霧によって作られるスクリーンの大きさや高さを変えることができる。その結果、設置場所の事情等に応じ、映像の位置、大きさを変えることができる。また、バリエーションに富んだ表示を行なうことができ、衆目を引く屋外ディスプレイが可能になる。
また、煙霧を水平方向に排出する排出部に対し煙霧を吸入するための吸入部を対向して設けているため、吸入部を路面上に設けたり、地中に煙霧吸入用の流通路を設けたりする必要がなく、手間や労力を省くことができる。
また、本発明の映写装置によれば、制御部による制御により、煙霧によって作られるスクリーンの大きさや高さを変えることができる。その結果、表示の調整等を容易にすることができる。
また、本発明の映写装置によれば、映写装置の位置を移動可能にすることができる。その結果、映写装置の設置が容易になり、設置位置の修正も容易となる。
また、本発明の映写装置によれば、たとえば発光ダイオードの照射光を散乱させて形成した水色の背景に、赤色のロゴマークを表示することが可能になる。その結果、幻想的で衆目を引く表示が可能になる。さらに補色効果により、ロゴなどの表示を目立つように浮き立たせることができる。
また、本発明の映写装置によれば、映像の配色を増やすことができ、幻想的で衆目を引く表示が可能になる。また、照射するための装置を設けなくても、容易に彩色された表示を可能にする。
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。また、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
(実施形態1)
図1は、映写装置1の斜視図、図2は、映写装置1の平面図である。映写装置1は、煙霧発生部2、流通管3(流通路)、排出部4、吸入部5、プロジェクタ6(映写部)、支持部7および制御部(図示せず)から構成されている。図3は、プロジェクタ6側から見た煙霧発生部2、流通管3(流通路)、排出部4および吸入部5の正面図である。
煙霧発生部2は、給湯管11、煙霧発生器12および排湯管13から構成されている。給湯管11および排湯管13は、煙霧発生器12に接続され、給湯管11は湯を煙霧発生器12に供給する。煙霧発生器12は、水粒子からなる煙霧を発生させ、流通管3を介して排出部4から煙霧を排出する。排湯管13は余分な湯を煙霧発生器12から排出する。
排出部4は、可動筒部14と固定筒部15とが連結して鉛直方向に伸びるように形成されている。可動筒部14には、複数の排出口16が、固定筒部15には、複数の排出口17が煙霧の水平方向に向き鉛直方向に沿って連設されている。すなわち、排出口16および17は、排出方向が水平方向となるように形成されている。複数の排出口16および17が等間隔に設けられているために、煙霧が平行に排出され、スクリーンを形成し易くすることができる。可動筒部14は上下にスライド可能なように固定筒部15に連結されており、排出部4は伸縮自在である。このように、排出部4が伸縮可能であるため、煙霧によって作られるスクリーンの大きさや高さを変えることができる。なお、ここでは排出部4は円筒形状であるが、特にこの形状に限定されず直方体等であってもよい。
可動筒部14は手動で上下にスライド可能であり、ストッパ(図示せず)により固定筒部15に係止される。ストッパなしで、摩擦力で止めることとしてもよい。排出部4を縮めたときに、可動筒部14および固定筒部15の重なり部分について、排出口16と排出口17とが互いに重なる位置まで縮めたときには、排出口16と排出口17とが互いに重なる孔からも煙霧が排出されることになる。
吸入部5は、吸入槽19、吸入器20および送出管21から構成されている。吸入槽19は、排出部4に対向する位置に設けられ、排出部4から排出された煙霧は周囲に広がることなく吸入槽19が吸入する。その結果、煙霧の広がりを防止し、煙霧をスクリーン状に形成することができる。このように、排出部4が伸縮可能であるため、煙霧によって作られるスクリーンの大きさや高さを変えることができる。また、吸入槽19は、水平方向垂直な面で煙霧を吸入するように形成され、排出部4に対向させて設けられるため、排出部4と吸入部5と間を通行者が通行可能にすることができる。その結果、通行者に強い印象を与えることができる。吸入器20は、吸入槽19および送出管21に接続され、煙霧を吸入槽19から送出管21へ送り出す。
プロジェクタ6は、支持台30上に設けられた支持部7によって支持されており、レンズ25および本体部26から構成されている。本体部26には、電力の供給および、信号の入出力のためのケーブル(図示せず)が接続されている。ケーブルは支持部7の内部を通してもよい。プロジェクタ6は、データの内容を映像として煙霧のスクリーンに投影する。制御部(図示せず)は、ケーブルに接続され映写される映像の映写パターンと変化させる。制御部は、CPUから構成され、プロジェクタ6から遠隔の位置に設けてもよいし、本体部26の内部に設けてもよい。制御部は、プロジェクタ6から映写される映像の映写パターンを変化させる機能も有している。
プロジェクタ6としては、通常のスクリーンに投影するために市販されている一般的なプロジェクタを用いることができる。本体部26は、内部に光源、CPUおよびメモリ(図示せず)を備えている。メモリは画像データを蓄える。CPUは、メモリの画像データを読み出し、画像データの画像を光源から放射される光により投影する処理を行なう。光源は、CPUから入力された画像データを煙霧のスクリーンに映写する。レンズ25は、煙霧のスクリーン上に画像を結像するために用いられる。なお、プロジェクタ6は、画像データ以外に、フィルムの像を投影するものであってもよい。
ケーブルは、プロジェクタ6に電力の供給および、信号の入出力を行なう。したがって、ケーブルの一方はプロジェクタ6に接続され、他方は、電源や、PC等に接続される。このような構成により、たとえば、PC等から広告表示のための画像データを入力することができる。なお、ケーブルを電源の供給のみに用い、プロジェクタ6に無線通信を行なう送受信部を設けて、画像データ等を無線通信により送受信することとしてもよい。
支持台30および支持部7は、プロジェクタ6を移動可能に支持する。支持部7は、自在継手27〜29を備えるアームから構成されており、プロジェクタ6を支持している。このように、支持部7により排出部4および吸入部5の配置に対して、プロジェクタ6の位置を変えることができるため、映像の位置を調整することができる。その結果、設置場所の事情等に応じ、映像の位置、大きさを変えることができる。また、バリエーションに富んだ表示を行なうことができ、衆目を引く屋外ディスプレイが可能になる。
支持部7は、排出部4および吸入部5の配置に対して、プロジェクタ6の位置を自由に変えることができる。たとえば、通路に映写装置1を設置しない場合であれば、プロジェクタ6の位置を低くしてもよい。支持台30は、支持部7を地面に係止する。
これにより、簡易な構造でスクリーン状の煙霧を発生させ、映像を映写することができる。屋外に映写装置を置いて広告表示を映写したときには、立体的で人目を引く広告を映写することができる。また、通行人は煙霧を通り抜けることができるため、通行を妨げることなく、印象に残る広告を通路に設置することができる。
なお、上記の映写装置1は、屋外の路上または通気性のある屋内の部屋や通路に設置して、広告表示に用いるのに好適である。通路等に置いて用いることで、広告として通行者の注目を集めることができ、またCOの滞留を防ぐこともできる。
図4は、煙霧発生部2、流通管3および排出部4の断面図である。図4に示すように、給湯管11は、一端において煙霧発生器12内部の煙霧発生室31に接続されている。また、給湯管11は、他端において温水器(図示せず)に接続されており、温水器で加熱された温水を煙霧発生室31内に導入する。また、給湯管11には電磁弁(図示せず)が設けられている。また、煙霧発生室31には、排湯管13が接続されている。排湯管13は、煙霧発生室31に余分な温水が貯留されないよう温水を外部に排出する。また、排湯管13には電磁弁(図示せず)が設けられており、給湯管11の電磁弁とともに、煙霧発生室31内部に貯留される温水量を調節するために用いられる。
煙霧発生室31には、載置トレイ32が架設され、ドライアイス33がその上に載置されている。載置トレイ32は、網または多孔質の板状の部材であり、水を透過する構造となっている。なお、煙霧発生室31の内壁には、耐熱性、耐水性、保温性のある素材が用いられ、たとえば樹脂、発泡スチロール等を用いることができる。なお、煙霧の発生効率を考慮すると、煙霧発生室31においてドライアイス33に接触させるのは温水であることが好ましいが、水であってもよい。
流通口34は、煙霧発生室31の天井部に設けられ、煙霧発生室31で発生した煙霧をファン部35に導入している。ファン部35は、モータ36と、ファン37とから構成されている。モータ36は、一般的に市販されているモータである。ファン37は、モータ36の駆動をギア(図示せず)により伝達され、ケースの内部で回転するように構成されている。
また、煙霧発生器12には、モータ36のON/OFF、給湯管11および排湯管13の電磁弁の開閉の操作をするために、操作部(図示せず)が設けられている。図では、ケーブル、動力の接続部分、ファンの形状等は省略している。なお、CPUにより、ファン37の駆動、電磁弁の開閉や温水器のON/OFF等を最適にするように制御する構成としてもよい。
流通管3は、ファン部35に接続しており、煙霧発生器12から鉛直上方に伸び屈曲した形状を有している。流通管3は、ファン部35によって送られる煙霧を排出部4まで流通させる。流通管3の材料には、軽量で熱膨張率の低いものを用いるのが好ましいが、特に一定の材料に限定されない。流通管3は、可動筒部14のスライドに対応できる程度の柔軟性を有している。流通管3は、排出部4に接続されている。図4に示す矢印は、排出口16および排出口17から排出される煙霧の流れを示している。排出口16および17は、映写可能な程度に煙霧を供給できるように、それぞれが煙霧の排出に十分な大きさで、複数設けられている。均一に煙霧を排出するために、排出口16および17は等間隔で均一に配列していることが好ましい。矢印は、煙霧の流れを示している。
図5は、吸入部5の断面図である。吸入槽19は、矩形の開口の容器を地面上に設けた吸入ボックス42および吸入ボックス42の開口端を塞ぎ、網または多孔の板の形状を有する蓋部41から構成されている。なお、均一な吸引力を発揮させるために開口部を複数に分けた構成としてもよい。
吸入ボックス42は、吸入器20に接続され、吸入した煙霧を吸入器20へ流通させる。吸入器20は、ボックス43、モータ44およびファン45から構成される減圧装置である。吸入器20は吸入ボックス42内部を減圧し、煙霧を吸入する。吸入器20には送出管21が接続され、吸入器20に流入した煙霧を送出する。なお、送出管21内部にフィルタを設けて、水と空気を分離して排出する構成としてもよい。映写装置1を動作させる場合には、煙霧を発生させる際にあらかじめ吸入器20を駆動させておく。このようにして、吸入部5は煙霧を吸入する。
次に、映写装置1の動作を説明する。図6は、映写装置1の動作を示す図である。あらかじめ、煙霧発生器12の煙霧発生室31には、ドライアイス33を載置する。また、給湯管11および排湯管13に接続された温水器は水を煙霧の発生に用いるのに適した温度まで加熱する。また、給湯管11および排湯管13の電磁弁は、それぞれ閉じているものとする。
まず、モータ36へ電力を供給し、ファン37を駆動させる。その一方で、吸入器20を駆動させ、吸入部5が煙霧を吸入できる状態にしておく。給湯管11の電磁弁を開けて、温水を煙霧発生室31に供給する。煙霧発生室31に温水を貯留し、載置トレイ32を超える高さまで温水を溜める。温水の貯留により、温水が載置トレイ32の下からドライアイス33に接触し、水と二酸化炭素を多く含んだ煙霧、いわゆるドライアイススモークが発生する。ファン部35は、発生した煙霧を、流通口34を介して流通管3に送る。流通管3は、煙霧を排出部4から、外部に排出する。吸入部5は、排出部4から排出された煙霧を吸入する。このようにして、煙霧のスクリーンが形成される。煙霧発生を抑えたい場合には、排湯管13の電磁弁を開けて温水を排出する。
一方、プロジェクタ6は、CPUにおいてメモリの画像データを読み出す。図6に示すように、プロジェクタ6は、画像データの画像を光源から放射される光により、排出部4から吸入部5へ広がった煙霧51に、広告表示52を映写する。広告表示52は「au」のように簡単で明瞭なロゴマークであることが好ましい。ロゴマークは形状が簡略化されているため、通常のスクリーンの映像ほど細部が明瞭に表示されていなくても、広告表示52を通行者に十分に認識させることができる。このようにして、たとえば屋外の通路に煙霧51を発生させ、映写によるロゴマーク等の広告表示を行なうことができる。
(実施形態2)
上記の実施形態1では、映写装置1は道路や床等の地面に固定されるが、図7に示す映写装置61のようにベース部92に載置し、地面に対して移動可能な構成としてもよい。映写装置61は、煙霧発生部62、流通管63(流通路)、排出部64、吸入部(図示せず)、プロジェクタ66(映写部)、支持部67、制御部(図示せず)およびベース部92から構成されている。煙霧発生部62、流通管63(流通路)、排出部64、プロジェクタ66(映写部)および支持部67はベース部92に載置され、移動可能な状態に置かれている。これにより、映写装置61の位置を移動可能にすることができる。その結果、映写装置61の設置が容易になり、設置位置の修正も容易となる。
煙霧発生部62は、給湯管71、煙霧発生器72および排湯管73から構成されている。給湯管71および排湯管73は、煙霧発生器72に接続され、給湯管71は湯を煙霧発生器72に供給する。煙霧発生器72は、水粒子からなる煙霧を発生させ、流通管63を介して排出部64から煙霧を排出する。排湯管73は余分な湯を煙霧発生器72から排出する。排出部64は、伸縮自在な構成とされている。
プロジェクタ66は、支持台90上に設けられた支持部67によって支持されており、レンズ85および本体部86から構成されている。本体部86には、電力の供給および、信号の入出力のためのケーブル(図示せず)が接続されている。
支持部67は、自在継手87〜89を備えるアームから構成されており、プロジェクタ66を支持している。支持部67は、排出部64の配置に対して、プロジェクタ66の位置を自由に変えることができる。
ベース部92は、載置台93、前キャスタ94および後キャスタ95から構成される。載置台93には、一方の面に前キャスタ94および後キャスタ95が設けられており、その反対側の面に煙霧発生器72および支持台90が載置されている。前キャスタ94は、キャスタが回転可能に設けられており、車輪の向きを変えることができるようになっている。
映写装置61の動作は、実施形態1の場合と同様である。なお、上記の実施形態では、煙霧発生部62、流通管63(流通路)、排出部64、プロジェクタ66(映写部)および支持部67をベース部92に載置し、これらを移動可能にしているが、映写装置61全体を地面に対して移動可能にしてもよい。
(実施形態3)
上記の実施形態1は、プロジェクタ6により煙霧に映像を映し出す視覚効果を与えるが発光ダイオードの照射光により煙霧を着色してもよい。また、実施形態1では、手動で排出部4を伸縮させるが、電気的な制御により排出部4の伸縮を行なう構成としてもよい。図8は、発光ダイオード109および駆動部110を備える映写装置101の斜視図である。
映写装置101は、煙霧発生部102、流通管103(流通路)、排出部104、吸入部105、プロジェクタ106(映写部)、支持部107、制御部108、発光ダイオード109および駆動部110から構成されている。
煙霧発生部102は、給湯管111、煙霧発生器112および排湯管113から構成されている。給湯管111および排湯管113は、煙霧発生器112に接続され、給湯管111は湯を煙霧発生器112に供給する。煙霧発生器112は、水粒子からなる煙霧を発生させ、流通管103を介して排出部104から煙霧を排出する。排湯管113は余分な湯を煙霧発生器112から排出する。
排出部104は、可動筒部114と固定筒部115とが連結して形成されている。可動筒部114には、排出口116が、固定筒部115には、排出口117が形成されている。可動筒部114は上下に伸縮可能に設けられている。
駆動部110は、ケーブルにより制御部108に接続され、排出部104の地面側に設けられている。図9は、駆動部110および排出部104の断面図である。図9に示すように、駆動部110は、ボックス139、モータ141、モータ用ギア143、中間ギア144、ネジ棒用ギア145、ネジ棒146、ギアボックス147から構成される。
モータ141には、制御部108から引き出されたケーブル149が接続されており、モータ141の駆動は制御部108により制御される。制御部108は、ユーザからの操作を受けて駆動部110を駆動させ排出部を伸縮させることにより連設される複数の排出口116の高さを調節する機能を有している。これにより、制御部108による制御により、煙霧によって作られるスクリーンの大きさや高さを変えることができる。その結果、表示の調整等を容易にすることができる。
モータ141のシャフトの先端にはモータ用ギア143が設けられており、モータ用ギア143に噛み合う位置に中間ギア144が設けられている。また、中間ギア144に噛み合う位置にネジ棒用ギア145が設けられている。ネジ棒用ギア145は、ネジ棒146の一端に固定されている。モータ141が動作するときには、回転がモータ用ギア143、中間ギア144およびネジ棒用ギアを介して、ネジ棒146に伝達される。ネジ棒146の他端には、雄ネジ部150が形成されている。
駆動部110には、固定筒部115がボックス139の内部まで貫通しており、ネジ棒146はその中に挿入されている。可動筒部114の駆動部110側の底部には、ネジ棒146の雄ネジ部150と噛み合うように雌ネジ部152が形成されている。ネジ棒146が回転すると、ネジ棒146が回転し可動筒部114が上下に移動する。可動筒部114と固定筒部115の接続部分にはスペーサー153が設けられている。
吸入部105は、吸入槽119、吸入器120および送出管121から構成されている。吸入槽119は、排出部104に対向する位置に設けられ、排出部104から排出された煙霧は周囲に広がることなく吸入槽119が吸入することが可能となっている。その結果、煙霧の広がりを防止し、煙霧をスクリーン状に形成することができる。また、吸入槽119は、水平方向垂直な面で煙霧を吸入するように形成され、排出部4に対向させて設けられるため、排出部104と吸入部105と間を通行者が通行可能にすることができる。その結果、通行者に強い印象を与えることができる。吸入器120は、吸入槽119および送出管121に接続され、煙霧を吸入槽119から送出管121へ送り出す。
プロジェクタ106は、支持台130上に設けられた支持部107によって支持されており、レンズ125および本体部126から構成されている。本体部126には、電力の供給および、信号の入出力のためのケーブル(図示せず)が接続されている。ケーブルは支持部107の中を通してもよい。プロジェクタ106は、データまたはフィルムの内容を映像としてレンズ125から投影する。制御部(図示せず)は、CPUから構成されケーブルに接続され映写される映像の映写パターンと変化させる。制御部は、プロジェクタから遠隔の位置に設けてもよいし、本体部126の内部に設けてもよい。
支持部107は、自在継手127〜129を備えるアームから構成されており、プロジェクタ106を支持している。支持部107は、排出部104および吸入部105の配置に対して、プロジェクタ106の位置を自由に変えることができる。
発光ダイオード109は、排出部104に隣接するように設けられた棒状体135に均一な間隔で複数個設置されている。発光ダイオード109は、ケーブルにより制御部108に電気的に接続されている。複数の発光ダイオード109には、光の三原色のすべての種類の発光ダイオードが含まれており、制御部により発光が制御される。制御部は、プロジェクタ106の制御も行なっており、プロジェクタ106から映写される映写光と、発光ダイオード109から照射される照射光とが互いに補色の関係となるようにプロジェクタ106の映写パターンおよび発光ダイオード109の照射パターンを制御する。
これにより、たとえば発光ダイオード109の照射光を散乱させて形成した水色の背景に、赤色のロゴマークを表示することが可能になる。その結果、幻想的で衆目を引く表示が可能になる。さらに補色効果により、ロゴなどの表示を目立つように浮き立たせることができる。
(実施形態4)
実施形態3では、発光ダイオード109の発光により煙霧を着色するが、煙霧自体に色素を含有させて、煙霧を着色してもよい。図10は、煙霧発生器112に色素噴出部170を設けた場合の実施形態を示す断面図である。
図10に示すように、給湯管111は、一端において煙霧発生器112内部の煙霧発生室161に接続されている。また、給湯管111は、他端において温水器(図示せず)に接続されており、温水器で加熱された温水を煙霧発生室161内に導入する。また、給湯管111には電磁弁(図示せず)が設けられている。また、煙霧発生室161には、排湯管113が接続されている。排湯管113は、煙霧発生室161に余分な温水が貯留されないよう温水を外部に排出する。また、排湯管113には電磁弁(図示せず)が設けられており、給湯管111の電磁弁とともに、煙霧発生室161内部に貯留される温水量を調節するために用いられる。
煙霧発生室161には、載置トレイ162が架設され、ドライアイス163がその上に載置されている。載置トレイ162は、網または多孔質の板状の部材であり、水を透過する構造となっている。流通口164は、煙霧発生室161の天井部に設けられ、煙霧発生室161で発生した煙霧をファン部165に導入している。ファン部165は、モータ166と、ファン167とから構成されている。モータ166は、一般的に市販されているモータである。ファン167は、モータ166の駆動をギア(図示せず)により伝達され、ケースの内部で回転するように構成されている。
また、煙霧発生器112には、モータ166のON/OFF、給湯管111および排湯管113の電磁弁の開閉の操作をするために、操作部(図示せず)が設けられている。図では、ケーブル、動力の接続部分、ファンの形状等は省略している。なお、CPUにより、ファン167の駆動、電磁弁の開閉や温水器のON/OFF等を最適にするように制御する構成としてもよい。
流通管103は、ファン部165に接続しており、煙霧発生器112から鉛直上方に伸び屈曲した形状を有している。流通管103は、ファン部165によって送られる煙霧を排出部104まで流通させる。流通管103は、可動筒部14のスライドに対応できる程度の柔軟性を有している。流通管103は、排出部104に接続されている。
色素噴出部170は、煙霧発生器112の側面に取り付けられている。図10に示すように、色素噴出部170は、色素液タンク171、色素液供給管172、色素液ポンプ173、色素液流通管176、色素液ノズル177から構成される。
色素液タンク171は、着色料等の色素液を貯留するタンクである。色素液は、親水性で衣服等に対しては付着性の低いものが好ましい。色素液供給管172は、色素液タンク171から、色素液を色素液ポンプ173に供給する。色素液ポンプ173は、ケーブルにより制御部108に接続され、制御部により駆動を制御される。色素液ポンプ173は、色素液を色素液流通管176に送出する。色素液流通管176は、色素液ポンプ173と色素液ノズル177に接続して設けられ、色素液ポンプ173から送出された色素液を色素液ノズル177まで流通させる。色素液ノズル177は、煙霧発生器112の外側から煙霧発生室161に挿入されている。色素液ノズル177は、色素液流通管176を介して送られた色素液を煙霧発生室161内に噴出する。これにより、映像の配色を増やすことができ、幻想的で衆目を引く表示が可能になる。また、照射するための装置を設けなくても、容易に彩色された表示を可能にする。
(実施形態5)
上記の実施形態1では、煙霧は排出口16および17から水平方向に排出されるが、鉛直下向きに煙霧が排出される構成をとってもよい。図11は、映写装置181の正面図、である。映写装置181は、煙霧発生部182、流通管183、吸入部185およびプロジェクタ(図示せず)から構成されている。煙霧発生部182は、給湯管191(給水路)、煙霧発生器192、排湯管193から構成されている。吸入部185は、吸入槽196、吸入管197、吸入器198および送出管199から構成されている。
吸入槽196は、矩形の開口の容器の開口端を網または多孔の板の形状を有する蓋部で塞いで形成されており、地面内部に設けられている。吸入管197は、吸入槽196に接続され、吸入槽196が吸入した煙霧を吸入器198へ流通させる。吸入器198は吸入管197に接続し、吸入管197内部を減圧する。吸入器198は、ファンおよびモータを含む減圧装置により構成されている。吸入器198には送出管199が接続され、吸入器198に流入した煙霧が送出される。なお、送出管199内部にフィルタを設けて、水と空気を分離して排出する構成としてもよい。映写装置181を動作させる場合には、煙霧を発生させる際にあらかじめ吸入器198を駆動させておく。このようにして、吸入部185は煙霧を吸入する。
本発明に係る映写装置の第1の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る映写装置の第1の実施形態を示す平面図である。 本発明に係る映写装置の第1の実施形態を示す正面図である。 煙霧発生部、流通管(流通路)および排出部の断面図である。 吸入部の断面図である。 本発明に係る映写装置の動作を示す図である。 本発明に係る映写装置の第2の実施形態を示す正面図である。 本発明に係る映写装置の第3の実施形態を示す斜視図である。 駆動部および排出部の断面図である。 本発明に係る映写装置の第4の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る映写装置の第5の実施形態を示す正面図である。
符号の説明
1、61、101、181 映写装置
2、62、102、182 煙霧発生部
3、63、103、183 流通管(流通路)
4、64、104 排出部
5、105、185 吸入部
6、66、106 プロジェクタ(映写部)
7、67、107 支持部
11、71、111、191 給湯管
12、72、112、192 煙霧発生器
13、73、113、193 排湯管
14、114 可動筒部
15、115 固定筒部
16、17、116、117 排出口
19、119、196 吸入槽
20、120、198 吸入器
21、121、199 送出管
25、85、125 レンズ
26、86、126 本体部
27-29、87-89、127-129 自在継手
30、90、130 支持台
31、161 煙霧発生室
32、162 載置トレイ
33、163 ドライアイス
34、164 流通口
35、165 ファン部
36、166 モータ
37、167 ファン
41 蓋部
42 吸入ボックス
43 ボックス
44 モータ
45 ファン
51 煙霧
52 広告表示
92 ベース部
93 載置台
94 前キャスタ
95 後キャスタ
108 制御部
109 発光ダイオード
110 駆動部
135 棒状体
141 モータ
143 モータ用ギア
144 中間ギア
145 ネジ棒用ギア
146 ネジ棒
150 雄ネジ部
152 雌ネジ部
170 色素噴出部
171 色素液タンク
172 色素液供給管
173 色素液ポンプ
176 色素液流通管
177 色素液ノズル
197 吸入管

Claims (5)

  1. 水の粒子からなる煙霧に映像を映写する映写装置であって、
    煙霧を発生させる煙霧発生部と、
    前記煙霧発生部で発生した煙霧を流通させる流通路と、
    前記流通路に伸縮可能に接続され、水平方向に向き鉛直方向に沿って連設される複数の排出口を有し、前記流通路から流入する煙霧を前記複数の排出口から排出する排出部と、
    前記排出部に対向する位置に設けられ、前記排出部から排出された煙霧を吸入する吸入部と、
    前記排出部から排出された煙霧に対して映像を映写する映写部と、
    前記排出部および前記吸入部の配置に対して、前記映写部を移動可能に支持する支持部と、
    前記映写部から映写される映像の映写パターンを変化させる制御部と、を備えることを特徴とする映写装置。
  2. 電気的な制御により駆動し前記排出部を伸縮させる駆動部を更に備え、
    前記制御部は、前記駆動部を駆動させ前記排出部を伸縮させることにより前記連設される複数の排出口の高さを調節することを特徴とする請求項1に記載の映写装置。
  3. 少なくとも前記煙霧発生部および前記支持部を固定し、地面に対して移動可能に形成されたベース部を更に備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の映写装置。
  4. 前記煙霧に光を照射する発光ダイオードを更に備え、
    前記制御部は、前記映写部から映写される映写光と、前記発光ダイオードから照射される照射光とが互いに補色の関係となるように前記映写部の映写パターンおよび前記発光ダイオードの照射パターンを制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の映写装置。
  5. 前記煙霧発生部は、貯留する色素を発生した煙霧に噴出する色素噴出部を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の映写装置。
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