JP2006241098A - 骨量減少症の予防または治療薬 - Google Patents

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Abstract

【課題】 骨粗鬆症等の骨量減少症に対する予防、治療薬を提供する。
【解決手段】 グレリンおよびグレリン変異体から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する骨量減少症の予防または治療薬。
【選択図】なし

Description

本発明は、グレリンまたはその変異体を含有する骨量減少症の予防または治療薬であり、より詳細には、骨粗鬆症などの病的な骨量減少を予防または治療するための医薬に関する。
人口の高齢化に伴い、骨粗鬆症(osteoporesis)や、関節リウマチ(rheumatoid artheritis)および歯周疾患(periodontal disease)などの炎症性骨吸収を伴う疾患の患者が増加してきる。
骨組織は絶えず吸収、形成されており、骨形成には骨芽細胞が、骨吸収には破骨細胞が重要な役割を果している。何らかの原因で、この吸収率と形成率に差が生じて骨形成が負の平衡状態になると骨量が減少し骨粗鬆が起こる。骨粗鬆症は、(1)原発性骨粗鬆症(骨粗鬆症の90%以上を占め、殆どが中高年者に起こる退行期骨粗鬆症である)と、(2)続発性骨粗鬆症(バセドウ病、クッシング症候群、重症糖尿病、慢性関節リウマチ、胃の手術、アルコール多飲、ステロイド剤服用などが原因となり発症する骨粗鬆症である)に大別される。
退行期骨粗鬆症の発症には様々な要因が関与しているが、その一つが性ホルモン(男性ホルモン、女性ホルモン)の低下である。女性では50歳前後の閉経期から、男性では70才前後から性ホルモンが低下する。女性ホルモン、男性ホルモンとも骨の形成を促進し、また、骨の減少を抑制する作用があり、これらの性ホルモンの低下が退行期骨粗鬆症の発症に関与していると考えられている。さらに、カルシウム摂取量の不足、ビタミンDの不足、副甲状腺ホルモン、カルシトニンなど骨の代謝調節に係るホルモンのアンバランス、運動不足、遺伝的素因等も骨粗鬆症発症の要因と考えられている。骨粗鬆症により皮質骨の幅が減少し骨髄腔が拡大し、海綿骨では骨梁は減少し粗鬆化して骨の力学的強度が低下する。臨床的に最も問題となるのは老人性骨粗鬆症であり、加齢と共にその発症率が増大し、女性に多くしかも閉経後に急増する。骨粗鬆症の主な症状は腰や背の痛みである。X線では椎体の横方向の骨梁が減少し圧迫骨折や魚椎変形が多く認められ、高齢者では大腿骨頚部骨折が起こりやすい。
一般に、骨折は骨組織の生理的連続性が部分的或いは完全に断たれた状態を指し、外力による骨折、病的骨折、疲労骨折などに分類される。骨粗鬆症や骨吸収性の疾患の場合のように骨量が減少した状態では骨折の危険性が高くなっている。骨折の治癒には相当の期間を要し、患者は治癒する迄の間、日常生活に支障をきたすこととなる。しかも、高齢化に伴って病的骨折の1つである骨粗鬆症患者の骨折、特に大腿骨頚部の骨折が増大している。この大腿骨頸部骨折は、長期入院を要するため、長期入院による痴呆等を含む内科的合併症を発症する危険性が高く大きな社会問題、経済的重要問題となりつつある。従って、骨折後の早期治癒が強く求められている。
骨折の危険性を低くするためには、骨量の減少を防止または骨量を増加させる必要がある。骨粗鬆症の治療に際しては、原因疾患がある場合にはその治療が行われる。しかし、特に原因疾患がない退行期骨粗鬆症等の場合、牛乳や乳製品、小魚、ヒジキなどの摂取による食事療法、運動療法、さらには薬物療法が用いられる。薬物療法としては、現在、次の薬剤が単独でまた2種類以上併用して投与されている。
1)カルシウム製剤
加齢と共に腸管からのカルシウム吸収率は低下する。そこで、腸管からの吸収が最もよいとされている乳酸カルシウムが主に用いられる。
2)活性型ビタミンD
腸からのカルシウム吸収を促し、腎臓からのカルシウム排出を防止するが、高カルシウム血症が起こりうる。
3)カルシトニン製剤(筋注)
破骨細胞の受容体に直接作用するホルモン製剤であり、骨吸収抑制による骨量増加作用と骨粗鬆症に伴う疼痛の改善効果が認められているが、長期使用により効果が減弱する(エスケープ現象)傾向がある。なお点鼻薬が開発中である。
4)女性ホルモン
女性ホルモンの低下は閉経後骨粗鬆症の主要な原因と考えられている。子宮体癌などの副作用の危険性を軽減した貼り薬、女性ホルモン類似薬も開発されている。5)ビスフォスフォネート
骨の破壊を抑制する薬物で欧米では以前から使用されて、わが国でも使用されてきている。
6)その他ビタミンK、イプリフラボンなどが使用されている。
しかしながら、食事療法や運動療法は、高齢者など、患者によっては対応が困難な場合があり、また上記の薬剤の効果は臨床面から十分とは言えない。従って、有効で安全な、骨量減少症、例えば骨粗鬆症の予防または治療薬の開発が待望されている。そのような骨量の増加促進作用を有する医薬は、病的骨折のみならず外力による骨折や疲労骨折の治癒を促進する可能性がある。
成長ホルモンは、骨量の増加に関連する生理活性物質の一つであり、骨粗鬆症等の治療に有効であることは広く知られている。これに関連して、成長ホルモン分泌促刺激物質(GHS)の骨粗鬆症の治療における使用が提案されている(特許文献1〜4)。しかし、これらの文献には、成長ホルモン分泌刺激剤そのものの具体的な薬理効果については記載されていない。
成長ホルモン分泌促進性の合成非天然物質であるグレリン(Ghrelin)は、成長ホルモン分泌促進物質(growth hormone secretagogue: GHS)と結合するレセプター(GHS-R)の内因性リガンド(ペプチドホルモン)であり、本発明者らのグループが最初に発見した物質である(非特許文献1および特許文献5)。
当初、グレリンはラットの胃から精製されたが、脳、肺、腎臓、膵臓、小腸および大腸にも発現していることが分かっている (非特許文献2〜7)。また、ラット以外の脊椎動物、例えばヒト、マウス、ブタ、ニワトリ、ウナギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、カエル、ニジマスまたはイヌからもグレリンが単離、あるいはcDNAから推定されている(特許文献6)。グレリンは細胞内カルシウムイオン濃度の上昇活性および強力な成長ホルモン分泌促進活性を有する(非特許文献1、非特許文献8〜10)ことに加えて、食欲の刺激、肥満の誘導(非特許文献11〜14)、心機能の改善(非特許文献15〜17)、胃酸分泌促進作用(非特許文献18)等様々な活性を有する。このように、グレリンは広範な生理学的機能を有することから、その機能の調節はグレリンに関連する疾患に罹患した被検体のみならず、健常な被検体にとっても重要である。
これまでに同定されたグレリンは、アミノ酸残基が約30以下の一群のペプチドであり、3位アミノ酸がアシル基で置換されているという構造上の特徴を有する。例えばヒトグレリンはアミノ酸28個からなり、3位のセリン側鎖が脂肪酸(n−オクタン酸)でアシル化されている。
グレリンの強力な生理活性に着目して、医療、畜産、食品等広範な分野で応用が試みられている。具体的には、摂食障害治療薬、成長ホルモン分泌促進薬等としての利用が提案されている(特許文献5〜7)。しかし、グレリンが、骨量の減少、特に骨粗鬆症の予防または治療に関与するか否かについては、全く知られていない。
WO98/53827号パンフレット 特開2001−213800号公報 特開2002−308771号公報 WO00/48623号パンフレット 国際公開WO01/007475号パンフレット 特開2004-2378号公報 国際公開WO2002/060472号パンフレット Kojima M.等、Nature 1999; 402(6762): 656-660 Hosoda H.等、Biochem Biophys Res Commun 2000; 279(3): 909-13 Date Y.等、Endocrinology 2000; 141(11): 4255-61 Date Y.等、Diabetes 2002; 51(1): 124-9 Mori K.等、FEBS Lett 2000; 486(3): 213-6 Galas L.等、J Comp Neurol 2002; 450(1): 34-44 Gnanapavan S.等、J Clin Endocrinol Metab 2002; 87(6): 2988 Arvat E.等、J Endocrinol Invest 2000; 23(8): 493-5 Peino R.等、Eur J Endocrinol 2000;143(6):R11-4 Takaya K.等、J. Clin Endocrinol Metab. 2000; 85(12): 4908-11 Nakazato M.等、Nature 2001; 409(6817): 194-8 Shintani M.等、Diabetes 2001; 50(2): 227-32 Tschop M.等、Nature 2000; 407(6806): 908-13 Wren AM.等、Diabetes 2001; 50(11): 2540-7 Nagaya N.等、Circulation 2001; 104(12): 1430-5 Nagaya N.等、Curr Opin Pharmacol 2003; 3(2): 146-51 Enomoto M.等、Clin Sci (Lond) 2003; 105(4): 431-5 Masuda Y.等、Biochem Biophys Res Commun 2000; 276(3): 905-8
本発明の目的は、新規な、骨量減少症の予防または治療薬を提供することである。
本発明の別の目的は、上記本発明に係る新規な骨量減少症の予防または治療薬と、他の骨量減少症の予防または治療薬および抗炎症薬から選ばれる少なくとも1種とを含有する骨量減少症の予防または治療薬を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、上記本発明に係る骨量減少症の予防または治療薬と、他の骨量減少症の予防または治療薬および抗炎症薬の少なくとも1種とを組み合わせることにより、骨量減少症の予防または治療の相乗効果を発現させる方法を提供することである。
本発明の他の目的は、上記本発明の新規な骨量減少症の予防または治療薬と、他の骨量減少症の予防または治療薬および抗炎症薬から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせることにより、骨量減少の予防または治療効果を高める方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的または効果は、明細書および図面から容易に理解されるであろう。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねてきたが、予想外にも、グレリンが骨量減少症の予防および治療に有効な生理活性を有することを見出した。即ち、培養骨芽細胞を用いた実験で、グレリンが多数の培養骨芽細胞の細胞増殖を刺激すること、細胞の分化を誘導すること(これらは、グレリンが骨芽細胞の分化・増殖を刺激していることを意味する)、およびグレリンの作用により培養骨芽細胞においてカルシウム蓄積(calcium accumulation)が上昇するとの知見を得た。また、ラットを用いた実験で、グレリンが骨密度(BMD)を上昇作させ、このBMD増大効果は通常のラットのみならず成長ホルモン欠損ラットでも発揮されるとの知見を得た。これらのインビボおよびインビトロでの実験結果は、グレリンに骨芽細胞に対する直接的な増殖および分化誘導活性があり、その骨芽細胞への直接作用を通して骨量の減少を予防するのみならず骨量を高めることを薬理実験的に証明するものである。
すなわち、本発明は、
(1) グレリンおよびグレリン変異体から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する骨量減少症の予防または治療薬、
(2) 他の骨量減少症の予防または治療薬および抗炎症薬から選択される少なくとも1種と併用される、(1)記載の骨量減少症の予防または治療薬、
(3) 他の骨量減少症の予防または治療薬が、成長ホルモン、イプリフラボン、カルシウム剤、カルシトニン製剤、エストロゲン、選択的エストロゲン受容体調整薬、活性型ビタミンD3製剤、ビスフォスフォネート製剤、ビタミンK製剤、ラネリック酸ストロンチウム、副甲状腺ホルモン製剤から選ばれる少なくとも1種である(2)記載の骨量減少症の予防または治療薬、
(4) 抗炎症薬が、非ステロイド系抗炎症薬またはステロイド剤から選ばれる少なくとも1種である、(2)または(3)記載の骨量減少症の予防または治療薬、
(5) 骨量の減少が、骨粗鬆症、炎症性骨吸収または骨折に起因する、](1)〜(4)のいずれかに記載の骨量減少症の予防または治療薬、
(6) グレリンまたはグレリン変異体から選ばれる少なくとも1種を含有する、骨量減少症の予防または治療薬および抗炎症薬の、骨量減少症における予防または治療効果の増強剤、および
(7) 骨量の減少が、骨粗鬆症、炎症性骨吸収または骨折に起因する、(6)記載の増強剤等に関する。
本発明の骨量減少症の予防または治療薬の活性成分であるグレリンまたはグレリン変異体は成長ホルモンの分泌を促進すると同時に、それ自身骨芽細胞の分化、増殖を促進することにより、優れた骨量減少症の予防または治療効果を発揮する。従って、骨量の減少を伴う様々な状態(疾患)の予防および処置に有用である。具体例として、骨量の減少を来している患者(例、骨粗鬆症患者)の骨量(骨密度)を増大することにより、骨折の危険性を低下させ、また一旦骨折した場合は骨芽細胞の増殖、分化を促進することにより円滑な(早期の)治癒に寄与しうる。また、これら骨量減少を伴う疾患による腰痛等の痛みを軽減または解消することもできる。さらに、本発明の医薬は、特に高齢者における骨折がもたらす二次的な影響、例えば、骨折による長期入院に伴う痴呆等を含む内科的合併症の予防にも寄与しうる。さらに、本発明の骨量減少症の予防または治療薬を他の骨粗鬆症用の治療剤と併用することにより、該治療剤の効果を増強するという効果も奏する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本明細書中、「骨量」という用語は、一般に「骨塩濃度」や「骨密度」と呼ばれる単位面積当たりの骨量を意味する。様々な骨密度の測定法があるが、現在最も一般的に用いられている方法は、DXA法(Dual energy X-ray absorptiometry)である。この方法では、腰部等に高、低2種類のX線を照射し、その透過強度の差から骨密度を計算する。
なお、「骨量減少症」とは上記の骨量測定値が基準以下の状態を意味する。そのような基準値は、測定方法、年齢、性別等に基づいて規定されている。
本発明の骨量減少症の予防または治療薬は、骨芽細胞の分化、増殖を刺激することにより、骨量を増大するものであり、究極的には骨形成を促進または促すものである。従って、本発明の医薬は上記の病的な骨量減少症のみならず、骨組織の生理的連続性が絶たれた部分におけるおける骨形成にも有用である。このような観点から、本明細書中、骨量減少を来している状態として、骨粗鬆症、炎症性骨吸収などに起因して骨量が減少した状態のみならず、骨芽細胞の分化、増殖の活性化が、その予防または処置に有効な状態(例、骨折や骨移植)を包含する。
炎症性骨吸収の例として関節リウマチ(rheumatoid arthritis)や歯周疾患(periodontal disease)を挙げることができる。
「骨芽細胞(osteoblast)」、「骨芽様細胞(osteoblast-like cell)」は、未分化間葉系の骨原細胞に由来しており、骨細胞(bone cell、osteocyte)の未熟な細胞である。未分化間葉系の骨原細胞は異なる分化段階を有し、前骨芽細胞(preosteoblast)、骨芽細胞(osteoblast)、ライニング細胞(bone lining cell)などと呼ばれている。しかし、細胞の分化過程は連続していることから、本明細書中では、分化段階にある未熟骨細胞を、厳密に区別せず「骨芽様細胞」、「骨芽細胞」と称する。
本明細書中、「骨粗鬆症」は、当技術分野で容認されている意味で用いる。骨粗鬆症とは、一般に骨の絶対量は減少しているが質的な変化を伴っていない状態を指し、患者は骨折しやくなっている。骨粗鬆症は、通常、レントゲン写真、放射線や超音波を利用した骨量の測定に基づき、年齢、性別に規定された基準値に照らして診断される。最も一般的には背骨のエックス線写真と骨密度測定(例、二重エネルギーX線吸収法(DXA法))の2つの検査に基づいて診断されれる。
上記のように、骨粗鬆症は原因により、原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症のように分類されるが、本発明は、病因に拘わらず骨粗鬆を来している病的状態のすべてを包含する。例えば、正常より骨形成が低下して骨量が減少する低回転骨粗鬆症(例、老人性骨粗鬆症、閉経後骨粗鬆症)、正常より骨吸収が促進されて骨量が減少する高回転骨粗鬆症(例、上皮小体機能亢進症)、内分泌疾患に関連した骨粗鬆症(甲状腺機能亢進症、性腺機能低下症、クッシング症候群)、遺伝性疾患(骨形成不全症、ホモシスチン尿症)などを挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明の、「骨量減少症の予防および治療」は、本発明の医薬組成物の有効成分であるグレリンまたはその変異体の生理活性が奏功する病態全体の予防および治療を含む。具体的には骨量減少症(例えば、骨粗鬆症)の予防または治療が挙げられる。具体的には、骨量の減少とそれに伴う症状(腰痛、骨折等)の予防並びに骨量減少の治療(骨量の増加)を含む。また、グレリンまたはその変異体は、骨芽細胞の分化、増殖を促進するという生理活性を有することから、該活性が奏功しうる病態には、事故等による骨折後の治癒促進、骨移植後の回復促進と骨強度の増強、歯槽骨減少の治療等も含みうる。本発明は、骨粗鬆症、特に閉経後骨粗鬆症および高齢者における骨粗鬆症の予防および治療において特に有用である。
本発明の医薬組成物の有効成分である「グレリン」は、内因性成長ホルモン分泌促進因子(GHS)の受容体GHS−Rと結合し細胞内のカルシウムイオン濃度上昇活性および成長ホルモンの分泌刺激活性等の種々の生理活性を有する約30アミノ酸残基のペプチドホルモンである。グレリンは、脊椎動物に広範囲に分布しており、ほ乳類、鳥類、魚類、両生類などで同定されている。
本発明は、任意の起源に由来するグレリンを包含するが、好ましいグレリンは、ヒト、ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、ラット、マウス、イヌ、ニワトリ、ウナギ、ニジマス、食用カエル等の、家畜、家禽、ペット魚類等を起源とするものである。本発明には、対象と同一または同種起源のものが好ましく、例えば、ヒトに投与する場合、ヒト起源のグレリンが好ましい。
これらの動物を起源とする数種のグレリンは、既に単離され、そのアミノ酸配列はデータベース(GenBank)から入手可能である。また、特開平2004-2378号公報等にも開示されている。
本発明において用いる「グレリン変異体(またはグレリン誘導体)」は、特定のアミノ酸配列を有する既知のグレリン分子から誘導される変異体であって、変異(誘導体化)される前の配列を有するグレリンと同等若しくはそれ以上の生理活性を有するものである。
グレリン分子への変異の導入またはその誘導体化は、既知のアミノ酸配列における1〜数個のアミノ酸の欠失、置換、付加、および特定のアミノ酸残基の修飾により行うことができ、そのような方法は当業者に既知である。
好ましいグレリン分子における変異は、アミノ酸残基の修飾であり、特にグレリンの生理活性に悪影響を及ぼさない、特定のアミノ酸残基における修飾である。
グレリン分子上、変異を導入しうるアミノ酸の位置は個々のグレリン分子について既に知られているか、容易に決定することができる。
修飾されるアミノ酸残基は、通常、グレリン分子のN末端から3番目に位置し、該3位アミノ酸は、ヒト、ラット等、多くの種でセリンである。しかし、修飾されるアミノ酸の位置、種類は必ずしも限定的でなく、当業者既知の方法により、本発明の範囲内で適宜選択することができる。例えば、3位アミノ酸が他のアミノ酸(例えば、システイン、スレオニン、トリプトファンなど)で置換された変異体グレリンの3位システインをアシル化修飾して本発明の骨量減少症の予防または治療薬を得ることも可能である。なお、他のグレリン分子に関しても、好ましい修飾部位が既知であり、それらの部位で修飾されたグレリン分子も、それが目的の生理活性を有する限り本発明の範囲内である。
変異体が、「グレリン分子と同等若しくはそれ以上の生理活性を有する」とは、該変異体がグレリンの生理活性、特に、成長ホルモン分泌刺激活性を維持していることを意味する。変異体が成長ホルモン分泌刺激活性を有するか否かは、例えば、後述する試験例に記載のインビトロでの骨芽細胞増殖アッセイ等により、確認することができる。
本発明の変異体グレリンにおけるアミノ酸修飾の種類は、活性を維持している限り特に限定されないが、グレリンの所望の生理活性を損なわないか、または高めることができるアシル化修飾が好ましい。
「アシル化」は、グレリン分子のアミノ酸残基、好ましくは3位アミノ酸の側鎖水酸基をアシル基、好ましくは脂肪酸残基で置換することを意味する。そのような脂肪酸残基の例として、炭素数2〜35の飽和または不飽和脂肪酸残基を挙げることができる。好ましい脂肪酸残基は、一般に、炭素数4〜12、好ましくは8〜10、最も好ましくは6〜10の間のものである。中でも、オクタン酸(好ましくは、カプリル酸)、デカン酸(好ましくは、カプリン酸)、ドデカン酸(好ましくは、ラウリル酸)が好ましいが、これらに限定されない。これらの脂肪酸または脂肪酸誘導体を用い、既知の方法に従って適当な変異体グレリンを得ることができる。
ここで、脂肪酸誘導体の好ましい例として、モノ−またはポリ−アルコールとのエステルを挙げることができるが、中でもグリセリンが好ましい。グリコシドの場合、モノ−、ジ−またはトリ−グリセリドまたはその混合物であってもよいが、トリグリセリドが最も好ましい。
修飾に用いるアシル残基の種類は対象動物により異なり、上記に例示するものよりも長い、または短い炭素鎖を有する脂肪酸により、グレリンと同等またはそれ以上の生理学的活性、特に成長ホルモン分泌刺激活性を有するグレリン変異体を得ることが可能であり、そのような脂肪酸またはその誘導体により修飾されたグレリン変異体も本発明に有用である。
上記したように、本発明に用いうるグレリン変異体は、通常、グレリンのアミノ酸残基を既知の方法でアシル化することにより得られる。しかし、場合によっては、グレリンのアシル化に適した脂肪酸または脂肪酸誘導体を、グレリンと一緒に、または単独で投与し生体内でグレリンのアシル化を誘導することも可能である。そのような目的に用いる脂肪酸または脂肪酸誘導体は、上記のグレリン変異体の製造において使用しうる脂肪酸または脂肪酸誘導体と同様である。
本発明の骨量減少症の予防または治療薬は、グレリンおよびその変異体から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する。有効成分の含有量は、患者の症状、性別、年齢、体重または投与経路等により変化し、医師により適宜決定されるが、通常ヒト成人1日あたり、0.001〜1000mg、好ましくは、0.01〜500mg、より好ましくは0.1〜300mgの範囲である。これを、経口的または非経口的に1回または数回(2回または3回が好ましい)に分けて投与する。
経口投与のための製剤としては、錠剤(糖衣錠、フィルムコート錠を含む)、顆粒、カプセル剤、散剤、シロップ剤、液剤等の形態があげられる。これらの製剤は、治療有効量のグレリンおよびその変異体から選ばれる少なくとも1種を、製薬上許容される担体、賦形剤、滑沢剤、希釈剤等と混合し、常法に従って調製することができる。シロップ剤の場合は、液剤を凍結乾燥に付し、用時溶解して調製することができる。
非経口投与のための製剤としては、注射用製剤、局所投与製剤等があげられ、注射用製剤としては、皮下、静脈内、筋肉下、点滴等の投与経路製剤が、局所投与製剤としては、坐剤、クリーム、軟膏、ゲル、パスタ、貼付剤、塗布剤等があげられる。これら製剤は、治療有効量のグレリンおよびその変異体から選ばれる少なくとも1種を、製薬上許容される、担体、賦形剤、希釈剤、等張化剤、保存剤等と混合し、常法に従って調製することができる。
本発明組成物の有効成分であるグレリンまたはグレリン変異体は、単独で使用してもよいが、場合により他の骨量の減少を予防または治療するために使用される薬剤(例えば、骨粗鬆症予防または治療薬、抗炎症薬等)と組み合わせて使用してもよい。組合せ方法としては、合剤の形態でもよく、また単剤よりなる製剤を併用的に使用してもよい。後者の場合、2種以上の製剤の投与は同時に、連続的に、あるいは独立して行うことができる。
グレリンまたはグレリン変異体と併用しうる骨量の減少の予防または治療薬としては、成長ホルモン、イプリフラボン、カルシウム剤、カルシトニン製剤、エストロゲン、選択的エストロゲン受容体調整薬(塩酸ラロキシフェン、タモキシフェン等)、活性型ビタミンD3製剤、ビスフォスフォネート製剤(エチドロン酸二ナトリウム、アレンドロン酸ナトリウム水和物、リセドロン酸ナトリウム水和物等)、ビタミンK製剤、ラネリック酸ストロンチウム、副甲状腺ホルモン製剤(遺伝子組換えヒト副甲状腺ホルモン等)から選ばれる少なくとも1種があげられるが、これらに限定されない。
グレリンまたはグレリン変異体と併用しうる抗炎症薬としては、非ステロイド系抗炎症薬やステロイド剤が挙げられる。非ステロイド系抗炎症薬としては、アスピリン、インドメタシン、スリンダク、ジクロフェナク、フェンブフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、ピロキシカム、プラノプロフェン、メフェナム酸、チアラミド等が挙げられ、ステロイド剤としてはプレドニゾロン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、デキサメタゾン等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の骨量減少症これら併用しうる薬剤の投与量は、既定の処方量でよく、本発明の骨量減少症の予防または治療薬(グレリンまたはグレリン変異体)との投与比率は、患者の症状等により適宜処方することができる。
実施例
以下、主として、グレリンを例に挙げて実験例等により本発明を説明するが、その変異体についても、本発明を適用し、同様の効果を得ることができることは、当業者ならば容易に理解しうることである。また、これらの実施例等は本発明の範囲を制限するものではない。
実施例に用いる動物および試薬類
(1)動物
骨芽様細胞培養実験およびインビボの研究において、Sprague-Dawley (SD)(スルラーギュー・ドーレイ系ラット;チャールス・リバー社)を用いた。
インビボの研究において、成長ホルモン産生欠損したモデル動物(Spontaneous dwarf rat (SDR);オクマらのExp. Anim.1980:29:301参照)を用いた。
これらラットは、通常の環境(温度22±2℃、湿度55±10%、明暗は12時間サイクル)にて飼育し、餌、水分は自由に摂取させた。すべての実験は、日本生理学会での実験動物指針にしたがって行った。
(2)試薬とその供給者(購入先)
α−最少必須培地(α−MEM;L−グルタミンとヌクレオチド類を含有)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、ペニシリン/ストレプトマイシン(10,000国際単位/mL、10,000μg/mL)およびトリプシン/エチレンジアミン四酢酸(EDTA):ライフ・テクノロジーズ−ギブコ社(フランス)
牛胎児血清(FBS):サーモ・トレース社(オーストラリア)
牛血清アルブミン:シグマ・ケミカル社(米国)
抗真菌薬アンフォテリシンB製剤(商品名:Fungizone):ライフ・テクノロジー社(米国)
コラゲナーゼ、アスコルビン酸およびβ−グリセロフォスフェート(いずれも試薬レベル):シグマ・ケミカル社(米国)
トリゾール(TrizolTM):インビトロジェン社(米国)
スーパスクリプトIIリバース・トランスクリプターゼ、5×ファースト・ストランド・バッファーおよびオリゴ(dT)12−18:ライフ・テクノロジーズ−ギブコ社(フランス)
Taq DNAポリメラーゼおよびdNTPミックス:タカラバイオ社(日本)
QIAクイック・ゲル抽出キットおよびSYBRグリーン(SYBR-Green):キゲン社(Quigen、ドイツ)
ラットグレリンおよびGHRP−1:寒河教授から供与
[D−Lys]−GHPR−6:和光純薬(株)(日本)
アリザリン・レッドS:シグマ・ケミカル社(米国)
細胞数測定試薬SF:ナカライテスク社(日本)
BrdUrd細胞増殖キット:ロッシュ社(ドイツ)
アルカリフォスファターゼキット:和光純薬(株)
蛋白分析キット:バイオ−ラド・ラボラトリーズ(米国)
ポリクローナル抗グレリン抗体および抗GHS−R1a抗体:フェニックス・ファイマシューティカル社(米国)
Alexa-Fluor 488 ヤギ抗ウサギ抗体:モレキュラー・プローブス社(米国)
免疫組織化学検査のためのEliet ABCキット:ベクター・ラボラトリーズ社(米国)
全ての実験は3回または4回繰り返して行った。データは平均±S.Dを示している。平均値における差の統計的有意性は二因子分散分析(ANOVA)で判定した。P<0.05の場合、統計学的に有意差があると判定される。
実施例1
1.骨芽様細胞および骨芽細胞株の培養
文献(33Naot等、2001Endocrinology142: 1849-1857または34Date等、1999 Proc. Natl. Acad. Sci., USA96:748-753)に記載の方法に準じて、生後21日のラット胎児頭蓋冠からコラゲナーゼ消化により初代骨芽様細胞を得た。消化物3〜5(繰り返し行った頭蓋冠のコラゲナーゼ消化における、3番目(3回目)から5番目(5回目)の細胞の混合物)を10cm細胞培養プレートにて、10%牛胎児血清および抗生物質(100μg/mLのペニシリンG,50μg/mLの硫酸ストレプトマイシンおよび0.3μg/mLのファンギゾン)を追加したα−MEMからなる初代培養培地を用いて生育させた。
ラット骨芽細胞株であるUMR106細胞(大日本製薬株式会社)を、2×10細胞/プレートの密度にて10cmプレートに入れ、10%牛胎児血清および抗生物質(上記と同一組成)を追加したDMEMに保存した。以下、特記しない限り、初代骨芽様細胞及びUMR106細胞は上記の培地条件下で培養する。
全ての培養物を95%空気および5%炭酸ガスからなる湿った雰囲気下に37℃にて培養した。
2.グレリンおよびグレリン受容体(GHS−R1a)の発現
グレリンおよびGHS−R1aの骨芽様細胞における発現を、RT−PCRおよび免疫組織化学で検討した。
(1)RNA抽出およびRT−PCR
全RNAはトリゾール(TrizolTM)を用い、添付の使用説明書に従って細胞ペレットから抽出した。相補RNAは、ファースト−ストランドcDNA合成キット(First-Strand cDNA Synthesis Kit)用のスーパースクリプト・プレアンプルフィケーション・システム(Super Script Preamplification System)を用いて2μgの全RNAから合成した。プライマー配列は次のとおりである。
ラットグレリン (254 bp; GenBank accession No. AB029433)
センス:5'-CCAGAGGACAGAGGACAAGC-3' (配列番号1)
アンチセンス:5'-AGTTGCAGAGGAGGCAGAAGCT3'(配列番号2)
ラットGHS-Rla (314 bp;GenBank accession No. U94321)
センス:5'-GAGATCGCTCAGATCAGCCAG-3'(配列番号3)
アンチセンス:5'-AGAACCTCAGTTTGGGGATTA-3'(配列番号4)
PCR反応の条件は、変性(94℃、30秒間)、アニーリング(60℃、30秒間)および伸長(72℃、1分間)、35サイクルである。PCR産物を、アガロースゲルから、QIAquick gel extraction kit(Quiagen社)を用いて精製し、ABI PISM 310 Genetic Analyzer (Applied Biosystems, Foster City, USA)により配列決定を行った。
結果を図1Aに示す。図は、グレリンおよびGHS-Rlaに対応する転写物(それぞれ、予測される254bpおよび314bp)が骨芽様細胞から得られたことを示している。また、骨芽様細胞からは、GHS−R1aに対する特異的なPCR産物(予想される分子サイズは314塩基対)も得られた。図1Aにおいて、pOBは初代骨芽様細胞、UMRはUMR106細胞、NCはネガティブコントロール、PCはポジティブコントロール(正常消化器粘膜から増幅されたグレリンおよび脳下垂体からのGHS−R1a)を意味する。
(2)免疫化学による同定
1)インビトロ免疫化学
インビトロの免疫化学的試験は以下の方法で行った。
初代骨芽様細胞を70%コンフルエントになるまで、「1.骨芽様細胞および骨芽細胞株の培養」に記載の培地を含有する6-ウエルプレート(NUNC(ヌンク社))で16〜36時間培養し、リン酸緩衝化食塩水(PBS)で洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで15分間固定した。
次いで、0.1% Triton-Xを含有するPBS中で5分間インキュベートすることにより、細胞を透過性にした。細胞を10% 正常ヤギ血清と共に1時間インキュベートして非特異的な抗体の結合を阻止した。次いで、PBS中、一次抗体として、ポリクローナルウサギ抗ラットグレリン抗体(1:2000 希釈)またはウサギ抗ヒトGHS-Rla抗体(1:2000希釈)と共にインキュベートした(11,12Gaytan F等、Endocrinol Metab 89:400-409およびGaytan F等、J Clin Endocrinol Metab 88:879-887)。1時間インキュベートした後、細胞層をPBSで洗浄し、Alexa Fluor 488ヤギ抗ウサギ抗体(1:200希釈)と共に30分間インキュベートした。インキュベーションは全て室温(22℃)で行った。免疫学的な検討は走査型共焦点レーザー顕微鏡(Micro Radiance, BIO-RAD Laboratories)を用いて行った。
結果を図1Bに示す。図から明らかなように、初代骨芽様細胞で、グレリンおよびGHS−R1aのいずれもが検出された。
2)インビボ免疫化学
インビボの免疫化学的試験は3日齢の雄性SDラット(n=3)を用いて行った。
5%パラホルムアルデヒドを用いて骨(大腿骨)を固定しパラフィンで包埋した。パラフィン包埋した大腿骨切片(厚み40 μm)をウサギ抗ラットグレリン抗体(1:50000希釈)またはウサギ抗ヒトGHS-Rla抗体(1:2000希釈)と一緒に1日インキュベートした。インキュベーションは室温で行った。文献公知の方法で、アビジン-ビオチン複合体法(Eliet ABC キット)を用い、H&E染色法によって切片を染色した(35.Date Y等、Proc Natl. Acad. Sci. U S A. 96:748-753)。さらに吸収試験を行い、特異的に染色される部分を確認した。即ち、抗原であるグレリンを組織サンプルに大過剰に添加しておき、加えた抗体をブロックして抗体(および組織の染色像)の特異性を観察する。特異性があれば吸収試験では何も染まらず、非特異的な部分のみが染まることになる。
結果を図1Cに示す。図中、aは、H&E染色の結果を示し、bは図aにてbと表示した部分の拡大図である。cおよびdにおいて、グレリン陽性またはGHS-R1a陽性細胞は明るい茶色に染色されている。矢印は、骨表面に観察された、代表的な染色された骨芽細胞を指し示している。e、fは、吸収試験の結果を示す。cおよびdにおける「Bone」は、骨マトリックスを、「BM」は、骨髄を意味する。
上記のRT−PCRおよび免疫組織学的な検査の結果は、骨芽細胞がグレリンのシグナルに応答していること、グレリン自体が骨芽細胞に直接的な生理作用を及ぼしていることを示唆している。
3.細胞増殖アッセイ
初代骨芽様細胞を96-ウエルプレートに6000cells/wellで蒔いた。継代培養の作成から24時間後、細胞を1% ウシ血清アルブミンを含有する血清不含培地に移し、さらに24時間後、被検物質を加えた。細胞を濃度10-11〜10-8Mのグレリン、成長ホルモン分泌ペプチド-6(GHRP-6)若しくはGHS-Rlaの合成アゴニストで刺激するか、または濃度10-10〜10-6MのGHS-Rlaのアンタゴニストである[D-Lys3]-GHRP-6で処置した後、10-8Mグレリンで刺激した。
被検物質添加の24時間後に各ウエル中の生細胞の相対数を細胞数測定試薬SF [2-(2-メトキシ-4-ニトロフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム ナトリウム塩(WST-8)] を用いて測定した。WST-8溶液10μlを各ウエルに加えた。3つのウエルには、バックグラウンドを除くために培地のみを入れた。次いで、細胞を37℃で1時間培養した。各ウエルごとに、Multiskan JX(Thermo Labsystems)によって、450 nmの吸光度を測定した。この方法では、生細胞数と450nm吸光度間に直線関係が得られる。
BrdUrd取り込みアッセイは比色BrdUrd細胞増殖キット(ロッシュ)を用い、該キットに添付の指示書に従って行った。刺激期間24時間の最後の2時間、細胞をBrdUでパルスした。450nmの吸光度をマイクロプレートリーダーで測定した。全処置条件でFCSを1%に減少させた。
結果を図2に示す。Aは、コントロール群と処置群(10−8Mグレリンの骨芽様細胞数の比を時間経過にて示した図である。図2Aから、グレリンが時間依存的な様式で細胞増殖を増大させることが分かる。BはWST−8を用いて試験した生細胞数を示す。図2Bから、グレリンが濃度依存的に生細胞数を増加させ、ビークルの場合の生細胞数の1.33倍であることが分かる。CはDNA合成に対するグレリンの影響を示し、図2Cからグレリンが濃度依存的な効果を有することが分かる。DはGHRP-6の細胞増殖効果を示し、図Dから、GHRP-6がグレリンと同様の濃度依存的な細胞増殖効果を有することが分かる。Eは、グレリンの増殖作用が[D-Lys]-GHPR-6処置により抑制されることを示している。
これらの結果は、グレリンが骨芽細胞の分化および増殖を刺激することを示している。
4.石灰化結節の形成およびアルカリホスファターゼ(ALP)活性
初代骨芽細胞を長期間培養するとその発現形質が変化することが知られている。すなわち、細胞増殖と共にコラーゲンの合成が行われ(増殖期)、やがて次第に増殖が抑制されてマトリックスの発達および成熟期に至る。アルカリホスファターゼやオステオポンチンなどの骨芽細胞の表現形質が発現され、石灰化期へと進む。石灰化期には多数の細胞層からなる結節(bone nodule)が石灰化し、オステオカルシンの発現が高まる。
(1)石灰化結節の形成
石灰化結節の形成は、既に報告された方法に従って行った(33 Bellows CG等、Endocrinology 121:1985-1992)。骨芽様細胞を上記と同様の培地を含有する6-ウエルプレートに蒔き(密度:4x104cells/well)、37℃、5%CO条件下で細胞がでコンフルエントになるまで培養した。その時点を基準日(第0日)とした。アスコルビン酸(50μg/ml)とβ-グリセロリン酸(10 mmol/L)を培地に加え、結節の形成を誘導した。グレリン(10-9Mおよび10-8M)の存在下、または非存在下、28日間細胞を培養した。培地は3日ごとに交換した。細胞をPBSで3回すすぎ、10%パラホルムアルデヒドで10分間、固定した。次いで、石灰化結節を1% アリザリンレッドSにより、pH6.4において2分間染色し、蒸留水で洗浄した(36 Dahl LK、1999、Proc Soc Exp Biol 80:474-479)。結節の区域をNational Institutes of Health Image 1.63 ソフトウエアを用いて解析した。
(2)アルカリフォスファターゼ(ALP)活性の時間経過
骨芽様細胞をグレリン(10-8M)の存在下または非存在下で培養し、0、3、5および7日目にALP活性のタイムコースを解析した。グレリン(10-9Mおよび10-8M)の存在下または非存在下で5日間培養した後、グレリンの濃度依存的な効果を解析した。ALP活性の分析はアルカリホスファターゼキットを用いて組織化学的に行った。要するに、0.1M 2-アミノ-2-メチル-l-プロパノール、1 mM MgC12、8 mM p-ニトロフェニルリン酸2ナトリウムおよび細胞ホモジメートを含有するアッセイ混合物を37℃で5分間インキュベートした。その時点で0.1 N NaOHを用いて反応を停止し、405 nmの吸光度を測定した。p-ニトロフェノールを用いて標準曲線を作成した。各値を蛋白質濃度に関して規格化した。細胞層の全細胞蛋白質をプロテインアッセイキットとBSA(標準)を用い、ローリー法(Lowry method)で測定した。
結果を図3に示す。本実験のコントロールは生理食塩水である。Aにおいて、aは10−8Mグレリン存在下のALP活性の時間経過を、bは5日目での、グレリンのALP活性に対する濃度依存的な効果を示す。10−9Mまたは10−8Mグレリンによる細胞刺激は、ALP活性を顕著に増加させた。Bは、石灰化結節をアリザリン・レッドS(シグマ・ケミカル社)により染色し、結節区域を定量した結果である。10−9Mまたは10−8Mグレリンによる細胞刺激によって、カルシウム蓄積、沈着が増加したことが分かる。これらの結果は、グレリンが骨芽細胞の分化を刺激することを示している。
5.骨芽細胞分化マーカーの発現の判定
グレリンが骨芽細胞の分化に対して効果を有するか否かを試験するために、骨芽細胞の分化マーカー(Runx2、COLI、ALP、OCN)を定量的RT−PCRで検討した。Runx2は骨芽細胞の分化に必要な転写因子である。また、COLIおよびALPは早期骨芽細胞分化マーカー(early osteoblast differentiation marker)であり、OCNは分化の後期におけるマーカーである。グレリン(10-8M)の存在下または非存在下で処理した6-ウエルプレート中の細胞を、インビトロでの培養後0、3、5、7、14および21日目に分析した。骨芽様細胞を密度:4x104cell/wellで蒔き、コンフルエントになるまで培養し、その時点を基準日(第0日)とした。アスコルビン酸(50μg/ml)とβ-グリセロリン酸(10 mmol/L)を加えた初代培養培地で増殖させた。上記と同様にして得たcDNAをABI PRISM 7700 配列検出システム(Applied Biosystems)を用いて、定量的リアルタイムPCR解析に供した。SYBR-Green検出に適した短いPCR産物を与える特異的なプライマーをPrimer Express ソフトウエア(バージョン1.0、PE Applied Biosystems)を用いて設計した。プライマーの配列は以下の通りである。
Runx2(Runx2; 67-bp;GenBank accession No. AF053953)
センス:5'-GCTTCATTCGCCTCACAAACA-3' (配列番号5)
アンチセンス:5'-TGCTGTCCTCCTGGAGAAAGTT-3' (配列番号6)
I型コラーゲン α1鎖 (COLI; 65-bp; GenBank accession No. Z78279)
センス:5'-TTCACCTACAGCACGCTTGTG-3' (配列番号7)
アンチセンス:5'-GATGACTGTCTTGCCCCAAGTT-3' (配列番号8)
アルカリホスファターゼ(ALP; 101-bp; GeneBank accession No. J03572)
センス:5'-CGTCTCCATGGTGGATTATGC-3' 配列番号9
アンチセンス:5'-TGGCAAAGACCGCCACAT-3' (配列番号10)
オステオカルシン(OCN; 63-bp; GeneBank accession No. X04141)
センス:5'-GAGCTAGCGGACCACATTGG-3' (配列番号11)
アンチセンス:5'-CCTAAACGGTGGTGCCATAGA-3' (配列番号12)
β-アクチン(β-actin; 67-bp; GeneBank accession No. NM031144)
センス:5'-TTCAACACCCCAGCCATGT-3' (配列番号13)
アンチセンス:5'-GTGGTACGACCAGAGGCATACA-3' (配列番号14)
試料をトリプリケートで試験した。容積50 μl中、希釈cDNA(1:30)(3μl)、SYBRグリーンバッファー(10μl)、および各プライマー(10 pmol)を用い、95℃で15秒間、次いで52℃で60秒間の増幅を45 サイクル繰り返し行った。各被検試料中の増幅されたcDNA濃度をβ-アクチンcDNAの濃度と関連させて求めた。RT−PCR増幅の後、解離分析(dissociation analysis)を行って各PCR反応で唯一個の生成物が得られたことを確認した。生成物を2%アガロースゲルで泳動させ、単一の正しい大きさの生成物であることを調べた。
結果を図4に示す。AはRunx2、BはCOLI、CはALP、DはOCNに関する結果である。グレリンは、Runx2mRNA量には影響を与えなかったが、COLI、ALPおよびOCNの発現を増加させた。すなわち、グレリン処置群では、第5日における2つの早期骨芽細胞分化マーカーCOL1およびALPが、ビークル処置された培養細胞のコントロール群の1.95倍および2.42倍を示した(B,C, P<0.01)。また、後期分化マーカーであるOCNは、コントロール(生理食塩水)群に比べて、第7日目に2.14倍と高くなった(D、P < 0.01)。以上から、グレリンは骨芽細胞の分化マーカーの発現を昂進することが明らかである。グレリンがRunx2mRNAの発現に影響を及ぼさないことは、グレリンの作用がRunx2非依存性であるか、または実験系の骨芽細胞中の細胞構成に関係しているかもしれない。
6.グレリンの骨密度(BMD)に対するインビボでの影響
インビボ実験には、6週齢の雄性SDラットおよびSDRを用いた。ラットに、ラットグレリン(SD、n=5;SDR、n=3)、または生理食塩水(SD、n=5;SDR、n=5)を浸透圧ミニポンプ(Alzet 2004; Alza Corp.)を用いて腹腔内注入した。グレリン投与群のラットと非投与群のラット間に体重や食餌摂取により有意差が生じないよう、適当量(50μg/kg/日)のグレリンを投与した(37Tschop M等、Nature 407:908-913)。週一回、ラットの体重と食餌摂取量を測定した。処置開始から4週間後に大腿骨のBMDを二重エネルギーX線吸収法(DXA; モデルDCS-600; Aloka)で測定した。
結果を図5に示す。本実験のコントロールは生理食塩水である。正常SD系ラットおよび成長ホルモン欠損モデルであるSDRのいずれも、グレリン投与により骨ミネラル密度(Bone Mineral Density, BMD)の上昇を示した。
7.グレリンの生理活性
上記2〜5から、グレリンが骨芽細胞に直接作用してその分化、増殖をインビトロおよびインビボで刺激することが明らかになった。また、グレリンには成長ホルモン分泌刺激作用があることも知られている(非特許文献1)。一方、成長ホルモンは骨格の成長を促し(41Wells T等、J Neuroendocrinol 13: 496-504)骨のミネラル含量を増大する(42Svensson J等、J Endocrinol 165: 569-577)。
上記実施例2〜5に記載の実験結果はグレリンがインビボで骨形成をアップレギュレートすることを示唆している。また同6に記載の通り、グレリンは対照(生理食塩水)に比較して、正常SDラットにおいてBMDを有意に上昇させた。これは、グレリンがGH-IGF-I軸の活性化を通して骨形成を刺激することを示唆している。また、グレリンは、成長ホルモン欠損ラット(SDR)においても、BMDを上昇させた。これは、グレリンがGH-IGF-I軸の活性化とは独立して直接骨芽細胞の分化、増殖を刺激することを示している。従って、インビボおよびインビトロでの実験結果を総合すると、グレリンは骨芽細胞への直接作用と成長ホルモン分泌刺激作用等の生理活性に基づいて、骨形成を促しBMDを増大させると考えられる。
本発明のグレリンまたはその変異体を含有する骨量減少症の予防または治療薬は、骨芽細胞への直接作用と成長ホルモン分泌刺激作用等の生理活性に基づいて優れた骨量減少症の予防または治療効果を発揮しうる。従って、本発明によれば、骨粗鬆症等の患者における骨量の減少を安全かつ効果的に予防および治療し、痛みの軽減や骨折の防止、治癒の促進が可能になる。
グレリンおよびグレリン受容体(GHS−R1a)の発現を、RT−PCR並びにインビトロおよびインビボでの免疫化学的に検討した結果を示す図である。(A)は、初代骨芽様細胞(pOB)およびUMR106細胞(UMR)におけるグレリンとGHS−1Raの各mRNAの発現(pOBについては、培養1日目と14日目)を示す。図中、NCはネガティブコントロール、PCは正常消化器粘膜から増幅されたグレリンおよび脳下垂体からのGHS−1Raであるポジティブコントロールを意味する。(B)は、初代骨芽様細胞でのグレリンおよびGHS−1Raの免疫染色を示す。(C)は、生後3日目のラットの大腿骨におけるグレリンおよびGHS−1Raの免疫組織化学的局在化状態(インビボ)を示す。ここで、aは、H&E染色により、bは図aにてbと示した部分の拡大図である。cおよびdは、グレリン陽性またはGHS-1Ra陽性細胞を染色した図である。矢印は、骨表面にて観察される代表的な染色された骨芽細胞を指し示している。e、fは、吸収試験結果を示す。cおよびdにおける「Bone」は、骨マトリックスを、「BM」は、骨髄を意味する。aからfにおける横線の長さは、200μm(a)、50μm(b、e、f)、20μm(c、d)である。 初代骨芽様細胞の細胞増殖アッセイの結果を示す図である。(A)は、コントロール(10−8Mグレリン)に対する骨芽様細胞数の比率と時間経過との関係を示す。(B)は生存細胞数、(C)はDNA合成に対する、グレリンの濃度依存的な効果を示す。(D)は、GHRP−6の細胞増殖への影響を示す。(E)は、グレリンの増殖刺激作用に対する[D-Lys]-GHPR-6処置の抑制効果を示す図である。統計学的有意差はアスタリスクで示した。*,P<0.05; **, P<0.01。 石灰化結節の形成およびアルカリホスファターゼ(ALP)活性に対するグレリンの効果を示す図である。(A)は骨芽様細胞のアルカリフォスファターゼ(ALP)活性のタイムコースを示す図であり、aは、10−8Mグレリン存在下でのALP活性の時間経過を、bは、5日目でのグレリンのALP活性に対する濃度依存的な効果を示す。統計学的有意差はアスタリスクで示した。*,P<0.05; **, P<0.01対コントロール(生理食塩水)。(B)は、骨芽様細胞を10−9Mまたは10−8Mグレリンで刺激して誘導された石灰化結節をアリザリン・レッドS(シグマ・ケミカル社)により染色し、結節区域を定量した結果を示す図である。図中、灰〜黒色の部分が石灰化を起こした細胞である。統計学的有意差はアスタリスクで示した。*,P<0.05; **, P<0.01対コントロール(生理食塩水)。 骨芽細胞の分化マーカー遺伝子の定量的RT−PCR解析結果を示す図である。10−8Mグレリンの存在下または非存在下に、(A)Runx2、(B)COLI、(C)ALP、および(D)OCNを処置した。統計学的有意差はアスタリスクで示した。*,P<0.05; **, P<0.01対コントロール(生理食塩水)。 正常SD系ラットおよびSDRにおけるグレリンの骨ミネラル密度(BMD)増加活性を検討した結果を示す。統計学的有意差はアスタリスクで示した。*,P<0.05; **, P<0.01対コントロール(生理食塩水)。

Claims (7)

  1. グレリンおよびグレリン変異体から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する骨量減少症の予防または治療薬。
  2. 他の骨量減少症の予防または治療薬および抗炎症薬から選択される少なくとも1種と併用される、請求項1記載の骨量減少症の予防または治療薬。
  3. 他の骨量減少症の予防または治療薬が、成長ホルモン、イプリフラボン、カルシウム剤、カルシトニン製剤、エストロゲン、選択的エストロゲン受容体調整薬、活性型ビタミンD3製剤、ビスフォスフォネート製剤、ビタミンK製剤、ラネリック酸ストロンチウム、副甲状腺ホルモン製剤から選ばれる少なくとも1種である請求項2記載の骨量減少症の予防または治療薬。
  4. 抗炎症薬が、非ステロイド系抗炎症薬またはステロイド剤から選ばれる少なくとも1種である、請求項2または3記載の骨量減少症の予防または治療薬。
  5. 骨量の減少が、骨粗鬆症、炎症性骨吸収または骨折に起因する、]請求項1〜4のいずれかに記載の骨量減少症の予防または治療薬。
  6. グレリンまたはグレリン変異体から選ばれる少なくとも1種を含有する、骨量減少症の予防または治療薬および抗炎症薬の、骨量減少症における予防または治療効果の増強剤。
  7. 骨量の減少が、骨粗鬆症、炎症性骨吸収または骨折に起因する、請求項6記載の増強剤。
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