JP2006239648A - 脱リン装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 リン酸イオンを含み装置下部から供給される被処理水Xに対してマグネシウムイオン及びアンモニウムイオンの存在下で空気を吹き込むことによって、上記被処理水Xからリン酸化合物を析出させて脱リン処理し、この上澄み液Zを処理水として装置上部から排出する脱リン装置であって、装置底部に配されると共に内部において上記リン酸化合物の造粒を行う造粒容器2と、上記造粒容器2の上に上記造粒容器2と連通状態で配されると共に内部において上記被処理水Xに上記空気Yを吹き込むことによって上記リン酸化合物の析出を行う反応容器3と、を備え、上記造粒容器2において所望の粒径のリン酸化合物が所望の高さに浮遊する流速で上記被処理水Xを上記造粒容器2に供給する。
【選択図】 図1
Description
反応容器3の内部には、反応容器3内において被処理水Xと空気Yとを攪拌する攪拌助勢管5が配置されている。図2は、図1におけるA−A線断面図であり、この図に示すように、攪拌助勢管5は、反応容器3と同軸上に配置されかつ反応容器3の容器径の半分程度の管径を有する円筒管とされている。また、攪拌助勢管5は、その下端5aが造粒容器2と80〜100cm離間され、その上端5bが後述する回収容器4と80〜100cm離間されている。すなわち、反応容器3は、反応容器本体と攪拌助勢管5との二重管構造とされている。なお、攪拌助勢管5は、不図示の支持部によって、反応容器本体と接続されることによって支持されている。
また、反応容器3の内部には、図1及び図2に示すように、攪拌助勢管5の鉛直下方に配置され、攪拌助勢管5の内部に向けて空気Yを吹き込む複数の散気装置6が配置されており、この散気装置6に空気注入ライン21を介して空気Yが供給されることによって、反応容器3内に空気Yが吹き込まれる。なお、散気装置6の空気Yの噴出角度は、散気装置6から噴出される空気Yのほぼ全てが攪拌助勢管5の内部に吹き込まれるように設定されることが好ましい。
また、貯留部42の上部には、貯留部42溜まった上澄み液Zを処理水として脱リン装置1の外部に排出するための処理水排出ライン26が接続されている。また、貯留部42の上部には、貯留部42に溜まった上澄み液Zに向けて水等を噴出するスプレーノズル46が複数設置されている。
そして、本実施形態に係る脱リン装置1においては、攪拌助勢管5によって、反応容器3内の被処理水X及び空気Yが攪拌されるため、リン酸化合物の析出を促進させ、被処理水Xに含まれるリン酸イオンの除去効率を向上させることができる。なお、反応容器3内では、60μm程度の粒径のリン酸化合物が析出される。
また、本実施形態に係る脱リン装置1においては、反応容器3の容器径は造粒容器2の容器径よりも大径とされており、反応容器3と造粒容器2とが同軸上に配置されている。このため、造粒容器2から反応容器3に向かって上昇する被処理水Xが、主に反応容器3の中央部を上昇する。したがって、攪拌助勢管5と反応容器3の本体との間を下方に向かって流れる流れN2を妨げることを防止することができる。
また、回収容器4の断面積が反応容器3の断面積よりも広くし、さらに回収容器4の断面が矩形状に形状設定されているため、上述のように、回収部41から空気Yが漏れることを抑止することができる。このため、回収部41から漏れた空気Yによる上澄み液Zの上昇流速の増加を抑止することができ、さらに貯留部42の上部までリン酸化合物が到達することを抑止することが可能となる。
したがって、本実施形態に係る脱リン装置1によれば、貯留部42の上部までリン酸化合物が到達することを抑止することができるため、処理水中にリン酸化合物が混入することを抑止することが可能となる。
また、本実施形態の脱リン装置1においては、造粒容器2と接続されている被処理水供給ライン22が造粒容器2に対して平面視で接線方向から接続されている。このため、造粒容器2内において垂直方向を中心軸とする旋回流が形成される。このため、反応容器3内における被処理水Xが攪拌されるとともに、リン酸イオンを多く含む被処理水Xの造粒容器2における滞留時間が長くなり、より効率的に造粒容器2内におけるリン酸化合物の造粒を行うことが可能となる。
このため、ライザー管7内の圧力損失に起因するガスフード44からの空気Yの漏れを抑制するためには、ライザー管7の長さを短くすることが好ましい。そして、ライザー管7内の圧力損失は、ライザー管7の回収容器4より上部71、すなわち被処理水Xの水面より上部71において特に高くなる。したがって、ライザー管7内の圧力損失に起因するガスフード44からの空気Yの漏れを抑制するには、ライザー管7の上部71の長さを短くすることが最も効率が良い。
すなわち、本実施形態に係る脱リン装置1のように、ライザー管7の回収容器4より上部71の高さ、すなわち被処理水Xの水面より上部71の高さを、ガスフード44から空気Yが漏れ出さない高さに設定することによって、ガスフード44から空気Yが漏れ出すことを抑止することが可能となる。
そして、ライザー管7を被処理水Xの一部と共に上昇した空気Yが、気液分離器8によって、被処理水Xと分離され、換気ライン24を介して脱リン装置1の外部に排気される。また、気液分離器8によって空気Yから分離された被処理水は、ダウナー管9に供給される。
このように、本実施形態に係る脱リン装置1は、分離・循環手段(ライザー管7、気液分離器8、ダウナー管9、管91,92及びポンプ10)を備えているため、反応容器3内のリン酸化合物の析出を促進させ、造粒容器2内のリン酸化合物の造粒を促進させることが可能となる。
また、管91は、上述のように、上方から下方に向けて被処理水Xを反応容器3内に供給するように反応容器3に対して斜めに接続されており、攪拌助勢管5の下端5aより上方に接続されている。このため、管91を介して反応容器3内に供給される被処理水Xが旋回流Sを妨げることを抑止することができる。また、管91を介して反応容器3内に供給された被処理水Xは、反応容器3内で攪拌されるため、マグネシウムイオン及びアンモニウムイオンを反応容器3の全体に容易に行きわたらせることができる。また、管91は、図2に示すように、反応容器3に対して平面視で接線方向から接続されている。このため、反応容器3内において垂直方向を中心軸とする旋回流が形成される。したがって、反応容器3内における被処理水Xをさらに攪拌させるため、リン酸化合物の析出をより促進させることが可能となる。なお、外部から反応容器3に被処理水Xを供給するための被処理水供給ライン22も反応容器3に対して平面視で接線方向から接続されているため、垂直方向を中心軸とする旋回流をより強めることができ、反応容器3内における被処理水Xをさらに攪拌させることが可能となる。
2……造粒容器
3……反応容器
4……回収容器
41……回収部
42……貯留部
5……攪拌助勢管
6……散気装置
10……ポンプ(流速調整手段)
X……被処理水
Y……空気
Z……上澄み液
Claims (10)
- リン酸イオンを含み装置下部から供給される被処理水に対してマグネシウムイオン及びアンモニウムイオンの存在下で空気を吹き込むことによって、前記被処理水からリン酸化合物を析出させて脱リン処理し、この上澄み液を処理水として装置上部から排出する脱リン装置であって、
装置底部に配されると共に内部において前記リン酸化合物の造粒を行う造粒容器と、前記造粒容器の上に前記造粒容器と連通状態で配されると共に内部において前記被処理水に前記空気を吹き込むことによって前記リン酸化合物の析出を行う反応容器と、を備え、前記造粒容器において所望の粒径のリン酸化合物が所望の高さに浮遊する流速で前記被処理水を前記造粒容器に供給することを特徴とする脱リン装置。 - 前記造粒容器の容器径を規定することによって、前記造粒容器において所望の粒径のリン酸化合物が所望の高さに浮遊する流速を達成することを特徴とする請求項1記載の脱リン装置。
- 前記造粒容器の水平方向の断面が円形であり、前記被処理水を前記造粒容器の接線方向から前記造粒容器内に供給することを特徴とする請求項1または2記載の脱リン装置。
- 前記造粒容器における前記被処理水の流速を調整する流速調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の脱リン装置。
- 前記流速調整手段は、前記反応容器内の前記被処理水の一部を循環して前記造粒容器に供給するポンプであることを特徴とする請求項4記載の脱リン装置。
- 前記反応容器の上に前記反応容器と連通状態で配されると共に内部において前記空気を前記被処理水から回収する回収容器を備えることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の脱リン装置。
- 前記回収容器が、前記空気を前記被処理水から回収する回収部と、該回収部上に配されると共に前記回収部によって前記空気が回収された前記被処理水を貯留する貯留部とを備えて構成され、前記回収容器のうち少なくとも前記回収部の断面積が前記反応容器の断面積よりも広く設定されていることを特徴とする請求項6記載の脱リン装置。
- 前記空気と共に回収された被処理水と前記空気とを分離し、分離後の前記被処理水を前記造粒容器及び前記反応容器に供給する分離・循環手段を備えることを特徴とする請求項6または7記載の脱リン装置。
- 前記分離・循環手段が、前記回収容器において回収された前記空気を前記被処理水の一部とともに上昇させて回収するライザー管と、前記空気と共に回収された被処理水と前記空気とを分離する気液分離器と、分離後の前記被処理水を前記造粒容器及び前記反応容器に供給するダウナー管とを備えて構成され、前記ライザー管の被処理水面上の高さが前記回収容器から前記空気が漏れ出さないように設定されていることを特徴とする請求項8記載の脱リン装置。
- 前記回収容器の断面が矩形状に形状設定されていることを特徴とする請求項6〜9いずれかに記載の脱リン装置。
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