JP2006234810A - 光の波長を高精度に測定する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャビティリングダウン分光計を用いた標的分析物の吸収スペクトル測定法。
【解決手段】i)レーザから分光計の光キャビティに送られる光が、標的分析物のスペクトル特性の吸収波長及び光キャビティの自由なスペクトル範囲の両方を含む波長区間に亘って変化するように、分光計のレーザを調整するステップ、各リングダウンイベントについて、減衰時定数及びキャビティへの光を遮断するトリガー時間を記録するステップ、減衰時定数、光波長及びトリガー時間をトリガー時間の関数として体系付けるステップ、各ビンの組の平均波長を計算するステップ、各減衰時間ビンについて平均減衰時間を計算し、この減衰時間の平均と並行波長ビンの平均波長とを用いることにより前記平均波長における標的分析物の光損失を計算するステップを含む方法。
【選択図】図6
【解決手段】i)レーザから分光計の光キャビティに送られる光が、標的分析物のスペクトル特性の吸収波長及び光キャビティの自由なスペクトル範囲の両方を含む波長区間に亘って変化するように、分光計のレーザを調整するステップ、各リングダウンイベントについて、減衰時定数及びキャビティへの光を遮断するトリガー時間を記録するステップ、減衰時定数、光波長及びトリガー時間をトリガー時間の関数として体系付けるステップ、各ビンの組の平均波長を計算するステップ、各減衰時間ビンについて平均減衰時間を計算し、この減衰時間の平均と並行波長ビンの平均波長とを用いることにより前記平均波長における標的分析物の光損失を計算するステップを含む方法。
【選択図】図6
Description
本発明は、波長の単調関数である出力を有する粗い波長モニタと連係して光共振器の自由なスペクトル範囲を使用することにより、スペクトル走査において波長を高精度に測定する方法に関するものである。その波長測定の精度は、前記粗い波長モニタの精度を上回るものである。キャビティエンハンスト光分光計は、キャビティリングダウン分光計(CRDS)又はキャビティエンハンスト吸収分光計(cavity enhanced absorption spectrometer)(CEAS)とすることができる。
分子吸収分光法は、エネルギーの分子種との相互作用を用いて質的及び/又は量的に当該分子種を研究し、及び/又は当該分子種に関する物理的プロセスを研究する技術である。放射線と物質との相互作用により、放射線の向きの変更、及び/又は、原子又は分子のエネルギーレベル間での遷移を生じさせることができる。放射線から原子又は分子へのエネルギーの転移を伴う低いレベルから高いレベルへの遷移は吸収と呼ばれている。分子が光を吸収するとき、入ってくるエネルギーは量子化構造をより高いエネルギーレベルに励起する。励起の種類は光の波長によって変わる。電子は、紫外線又は可視光によって高い軌道へ促され、振動は赤外線によって励起され、回転はマイクロ波によって励起される。赤外線(IR)領域は通常、赤可視領域以降の領域であると考えられる(〜0.7μm−50μm)。0.7−2.5μmの領域は一般的に近赤外領域(NIR)と呼ばれ、2.5−15μmの領域は中赤外領域と称し、そして、15−50μmの領域は遠赤外領域と呼ばれる。IR吸収帯域の波長は特定の種類の化学結合に特徴を示し、IRの分光法は、有機分子及び有機金属分子の特定において、その大きな有用性が判明している。
分光法で得られるデータはスペクトルと呼ばれる。吸収スペクトルは、光の吸収をその波長の関数として示すものである。原子又は分子のスペクトルはそのエネルギーレベル構造によって決まる。スペクトルは、原子及び分子のエネルギーレベル、分子形状、化学結合、分子の相互作用、及び関連プロセスに関する情報を取得するために用い得る。多くの場合、スペクトルは試料の成分を特定するために使用される(定性分析)。スペクトルはまた、試料中の物質量を測定するためにも使用される(定量分析)。吸収スペクトルを測定する器具は分光計と呼ばれる。
ガス状分子は、回転−振動状態(ro-vibrationnal state)と呼ばれる振動及び回転の分離状態にしかみられない。振動と回転の両方を表す量子数によって確認されるそのような各状態は、量子数に応じた単一のエネルギーを有する。上述の双極子遷移において、放射線の単一のフォトンは吸収され、一つの回転−振動状態から別の回転−振動状態へと分子を変換する。それぞれの回転−振動状態のエネルギーは別個であるので、それらの間の遷移のエネルギーも別個である。よって、必然的に、フォトンが有する特定のエネルギーが分子によって吸収されることにより、分子は2つの所与の回転−振動状態の間で変化する。フォトンのエネルギーは放射線の周波数に比例する(又は同等に、その波長に反比例する)ので、個別の周波数(波長)だけが分子によって吸収される。一連の離散周波数(波長)は、特定の種類の分子による吸収が起こるという意味で時に吸収線とも呼ばれ、また分子の吸収スペクトルとも呼ばれる。各吸収線の周波数の幅(波長)は、特定の回転−振動遷移、分子を含むガスの圧力及び温度、並びにガス中における他の種類の分子の存在(又は不存在)によって決定する。分子はその種類によって固有の吸収スペクトルを有し、それによって分子の種類を特定することができる。異なる回転状態のガス状分子のエネルギーは通常、異なる振動状態のエネルギーと比較して差がずっと小さく、よって吸収線は、それぞれが一つの振動遷移、及び多数の回転遷移に対応する組となって現れる。これらの吸収線の組を吸収帯域と呼ぶ。
ガス状分子は、回転−振動状態(ro-vibrationnal state)と呼ばれる振動及び回転の分離状態にしかみられない。振動と回転の両方を表す量子数によって確認されるそのような各状態は、量子数に応じた単一のエネルギーを有する。上述の双極子遷移において、放射線の単一のフォトンは吸収され、一つの回転−振動状態から別の回転−振動状態へと分子を変換する。それぞれの回転−振動状態のエネルギーは別個であるので、それらの間の遷移のエネルギーも別個である。よって、必然的に、フォトンが有する特定のエネルギーが分子によって吸収されることにより、分子は2つの所与の回転−振動状態の間で変化する。フォトンのエネルギーは放射線の周波数に比例する(又は同等に、その波長に反比例する)ので、個別の周波数(波長)だけが分子によって吸収される。一連の離散周波数(波長)は、特定の種類の分子による吸収が起こるという意味で時に吸収線とも呼ばれ、また分子の吸収スペクトルとも呼ばれる。各吸収線の周波数の幅(波長)は、特定の回転−振動遷移、分子を含むガスの圧力及び温度、並びにガス中における他の種類の分子の存在(又は不存在)によって決定する。分子はその種類によって固有の吸収スペクトルを有し、それによって分子の種類を特定することができる。異なる回転状態のガス状分子のエネルギーは通常、異なる振動状態のエネルギーと比較して差がずっと小さく、よって吸収線は、それぞれが一つの振動遷移、及び多数の回転遷移に対応する組となって現れる。これらの吸収線の組を吸収帯域と呼ぶ。
NIRにおいて、全ての振動遷移は複数の基本中赤外線帯域の高調波である。これらの高調波は、それらの中赤外線対応部分の100分の1〜10000分の1になる場合がある。中赤外線遷移を特徴付けるために一般に使用されるフーリエ変換赤外線分光法(FTIR)のような標準的な方法では、NIRスペクトル領域においてこれらの弱い吸収特性を検出することは通常難しい。したがって、NIR吸収特性を測定するために、さらに感度の高い検出方法が必要とされている。さらに、倍音バンド及び倍音バンドの組み合わせの波長(周波数)は時に重複するので、通常NIRは吸収線の密な帯域で満たされる。したがって、同じ分子の種類が同じ波長(周波数)に属する強い遷移と弱い遷移の両方を持つスペクトル領域を見つけることは珍しいことではない。よって、スペクトルの分解能は、特に近赤外線検出システムにおいては非常に重要である。
試料の吸収種の濃度の測定は、経験的ベールランベルトの法則を適用することによって行われる。ベールランベルトの法則(又はベールの法則)は、1つの吸収種の吸収と濃度の間に線形の関係があるというものである。一般的なベールランベルトの法則は、通常以下の式のように表記される。
上式中、A(λ)は吸収の測定値であり、α(λ)は波長依存性の吸収係数であり、ε(λ)は波長依存性の吸光係数であり、Lは経路の長さであり、Cは分析物の濃度である。
実験的測定値は通常透過率(T)で示され、以下の式に定義される。
ここで、Iは試料を通過した後の光の強さであり、I0は最初の光の強さである。AとTとの関係は、以下の式で与えられる。
しかしながら、現代的吸収器具が示すデータは、通常、透過率、%透過率、又は吸収度で表され、これらは波長(又は波数)の関数である。未知の分析物の濃度は、試料が吸収する光量を測定し、ベールの法則を適用することにより決定することができる。
等式(1)及び(2)は、分光計の特定濃度の検出能が、試料を通る経路長だけではなく、光源及び検出器両方の雑音の強さにも依存することを示す。感度は、最小検出可能吸収損失(MDAL)、つまり吸収において検出可能な最小変化の正規化された標準偏差として定量化することができる。MDALの単位は通常、cm−1である。感度はまた、1秒間の測定時間に達成可能なMDALとも定義することができ、その単位はcm−1Hz−1/2である。感度は、様々な吸収に基づく方法で測定速度が異なることを説明し、吸収に基づくあらゆる分光技術の利点を具現化したものである。
一般に、標的種のスペクトル特性(「吸収ピーク」と呼ぶ)は、その濃度を得るために測定される。大部分の種が複数の波長の光を吸収するが、どの種の全体的スペクトル特性も独特である。類似の波長を吸収する2つの異なる種を区別する分光計の能力は、選択性と呼ばれる。試料の圧力が低下するとスペクトル特性は狭まるので、動作圧を低減することによって選択性を改善することができる。しかしながら、分光計は、結果として得られるスペクトル線を分解できなければならない。よって、最終的な選択性はスペクトル分解能によって決まる。一般に周波数(MHz)、波長(ピコメートル)又は波数(cm−1)で測定されるスペクトル分解能は、分光計の利点の重要な形である。
光検出とは、光放射で試料を照射し、試料による光吸収を測定することにより、試料中に含まれる1以上の標的種の存在及び/又は濃度を決定することであり、多岐に亘る光検出方法が既知である。しかしながら、これら方法の殆どにおいて、行われる分解に限界があり、スペクトル測定において十分な選択性が達成できないことが多い。例えば、FTIR分光計は非常に広いスペクトル同調範囲を提供することができるが、それにはスペクトル分解が必須であるためにコストが高い。多くのFTIR分光計は、低い動作圧(〜100トール)で吸収帯域の個々の回転線を分解することができない。非分散赤外線(NDIR)機器の分解能はFTIRよりさらに低い(通常フィルタは、吸収帯域どころか個々の回転線を分解できない)が、機器は安価である。同調可能なダイオードレーザに基づく吸収分光計(TDLAS)は、レーザを精密に同調させることにより良好な分解能を提供する。しかしながら、その精度及び確度を得るためは、レーザ波長を測定し、よってそれを制御することが可能であることが必須である。TDLAS分光計の性能はその波長測定コンポーネントの性能によって決まる。キャビティエンハンスト光検出は、光検出器の性能を改善するために、キャビティとも呼ばれる受動的光共振器の使用を必然的に伴う。キャビティエンハンスト吸収分光法(CEAS)及びキャビティリングダウン分光法(CRDS)は、最も広く用いられるキャビティエンハンスト光検出技術のうちの2つである。TDLASのようなキャビティエンハンスト法の分解能は、波長モニタリング装置と、それによって可能になるレーザ制御の質に依存する。しかしながら、いずれの方法においても感度は改善され、それは従来のTDLASを上回っている。
リングダウンキャビティ(RDC)と呼ばれる受動的光共振器内に捕捉された単一モードの放射線の強さは、時間の経過と共に時定数τで指数関数的に減衰する。この時定数τは、しばしばリングダウン時間とも呼ばれる。実際には、複数の共振器モードを励起すると多重指数関数的な放射強度の減衰(つまり時定数が複数ある)が起こり、測定結果の解釈が著しく複雑になるため、単一共振器モードは適切な振幅を持つことが望ましい。リングダウン時間τはキャビティ内のキャビティ往復長及び総往復光損失に依存し、この総往復光損失は当然ながら、キャビティ内に置かれた試料に含まれる1以上の標的種による吸収及び/又は散乱を含む。よって、標的種を含む光共振器のリングダウン時間の測定は、標的種の分光情報を提供する。CRDS及びCEASの両方はτの測定に基づいている。
CRDSでは、光源は通常、モードを一致させた状態で共振器に連結されているので、共振器内に捕捉された放射線は実質的に単一空間モードである。次いで、光源と共振器との結合を(光源からの放射線を遮断する、又は光源からの放射線と励起された共振器モードとの空間的重複を変更するなどして)中断する。一般に、検出器は、時定数τで時間の経過と共に指数関数的に減衰する共振器から漏れた放射線の一部を受けるように配置される。この検出器からの時間に依存する信号を処理して(例えば、検出器の信号をサンプリングし、サンプリングされた信号の減衰部分に適当な曲線の当てはめ法を適用することにより)τを決定する。CRDSでは必ずτの絶対測定を用いることに注意されたい。選択に影響する様々な因子を持つCRDSには、パルスレーザ放射線及び連続波レーザ放射線の両方を使用することができる。非特許文献1の記事、及びそこで引用された文献には、CRDS技術の最新の態様が紹介されている。
共振器の単一空間モードの励起は通常CEASでも採用されるが、CEASは、光源の波長がスイープされている(つまり時間の経過と共に変動する)点でCRDSとは異なり、よって光源の波長が共振器モードの連続する共振波長と短時間一致する。共振器から漏れる放射線を受けるように検出器を配置し、対象となる光源の波長が試料共振器モード全体を走査するのにかかる時間に匹敵する時間に亘って検出器からの信号を積分する。その結果得られる検出器信号はτに比例し、よって光源波長によるこの信号の変動は試料のスペクトル情報を提供する。CRDSとは異なり、CEAS技術はτの相対的測定を伴う。非特許文献2に公開された博士論文に、CEASとCRDS技術両方に関するさらなる情報が提供されており、最近の記事である非特許文献3には、応用CEASも掲載されている。
キャビティエンハンスト光検出では、測定されるリングダウン時間は光共振器内の総往復損失によって決まる。通常、キャビティ内の標的種による吸収及び/又は散乱が総往復損失の大部分の原因であり、寄生損(例えばミラー損失及びキャビティ内インタフェースからの反射)が総往復損失の残りの部分の原因である。寄生損が減少するにつれて、総往復損の標的種濃度への依存が高まるため、キャビティエンハンスト光検出の感度が向上する。したがって、非常に低損失のミラー(つまり99.99%を超える反射率)を使用し、同時にキャビティ内インタフェース反射を最小化することが、キャビティエンハンスト光検出において重要である。本発明は主にCRDSを用いる場合を開示するが、本方法論はCEASにも適用可能であることを理解されたい。Integrated Cavity Output Spectroscopy(ICOS)及び軸外しICOSと呼ばれる他の技術は、キャビティを整列させることにより一組の高密度空間モードを形成するものであり、これら技術と一緒に本発明の方法を使用することはできない。本発明は、等間隔に配置されたコム(同じ横モード数を有し、自由なスペクトル範囲によって隔てられている)を画定するRDCに基づいている。このようなコムを形成する周波数はICOSキャビティには存在しない。
米国特許第6377350号
米国特許第4815081号
米国特許第6122301号
米国特許第6400737号
米国特許第6289028号
米国特許第4172663号
"Cavity-Ringdown Spectroscopy" by K. W. Busch and M. A. Busch, ACS Symposium Series No. 720, 1999 ISBN 0-8412-3600-3
"Cavity Enhanced Absorption Spectroscopy", R. Peeters, Katholieke Universiteit Nijmegen, The Netherlands, 2001, ISBN 90-9014628-8
"Incoherent Broad-band Cavity-enhanced Absorpotion Spectroscopy" by S. Fiedler, A. Hese and A, Ruth Chemical Physics Letters 371 (2003) 284-294
上述のように、上記先行技術による吸収分光法はどれも波長を精密又は正確に測定することはできず、CRDS及びCEASを含め、レーザに基づく方法のスペクトル分解能はどれも、レーザ出力を測定して制御するのに用いられる波長モニタと同程度にすぎない。本発明の目的は、精度の高い波長モニタの使用を必要とすることなく、CRDS又はCEASシステムの波長分解能を実質的に増大させる波長測定方法を提供することである。
さらに、本明細書に開示する方法では、レーザ放射源自体の厳密な波長制御を必要としない。本発明の実行に適したレーザには、DBRレーザ、光パラメトリック発振器、光パラメトリック発生器、外部共振器ダイオードレーザ、及びDFBレーザが含まれる。これらレーザの全ては、当業者にとって既知の型である。標的分析物の正確な性質に応じて、標的分析物の対象となる吸収ピークを全て含むのに適した波長帯域において波長が可変である単一レーザを使用することが可能である。例えば、DFBレーザは、レーザへのポンプ流を変更すること、及び/又はレーザの動作温度を変更することにより、比較的広い波長範囲に放射線を放出するようにその波長を変えることができる。外部キャビティダイオードレーザを使用する場合、広範囲に亘る(粗)同調を行うマイクロモータ、及び狭い範囲の(精密な)同調を行う圧電変換器(PET)があると有利である。特に適切な別のレーザは光パラメトリック発振器であり、これは広い同調範囲を提供する別の種類のレーザである。
一般的なCRDSの設定(図1)において、レーザからの光はまずRDCに入り、次いで中断される。RDC内部で循環する光は、一往復するたびにミラーによって散乱及び透過され、キャビティミラーの背後に配置された光検出器を用いてモニタすることができる。そこで減衰定数(リングダウン時定数)τをレーザ波長の関数として測定し、キャビティの光損失のスペクトルを得る。詳細なCRDSの数学的処理を、上掲のBusch及びBuschによる文献に見ることができる。その単純な導関数を以下に記載する。
所与の波長λの、RDCから透過された光I(t,λ)は以下の式により求められる。
上式中、I0は、光源が遮断されたときの透過光であり、τ(λ)はリングダウン時定数である。キャビティ内部の総光損失は、L(λ)=[cτ(λ)]−1であり、ここでcは光の速さである。総光損失は、空のキャビティの光損失と、試料の光損失の合計からなる。既に示唆したように、CRDSはこれら光損失の絶対測定を行う。空のキャビティの(往復の)光損失Lempty(λ)は、ミラーの散乱及び透過損失からなる。一般に、良いミラーとは、空のキャビティの損失が小さく、且つ感度の高いものである。試料の(往復の)光損失は、A(λ)=α(λ)lrtであり、ここでlrtは、キャビティの往復の長さであり、単純に、総キャビティ損失と空のキャビティ損失との差、つまりA(λ)=L(λ)−Lempty(λ)である。試料の吸収スペクトルα(λ)を測定した後は、吸収断面及び線形パラメータを用いて試料濃度を容易に計算することができる。
所与の波長λの、RDCから透過された光I(t,λ)は以下の式により求められる。
CRDSシステムの最小検出可能吸収損失(MDAL)は以下の式によって定義される。
上式中、Δτ/τはシステムのショットツーショット(shot-to-shot)雑音と呼ばれる。CRDS測定の有効経路長は、leff=lrt/Lemptyである。反射率99.995%、即ち散乱損が0.0005%未満の一般的なRDCミラーの経路長の増大は20,000を超え得る。長さ20cmの試料セルの有効経路長は8kmであり、これは有効経路長だけで、マルチパス分光法の最高性能を3だけ凌いでいる。良好なCRDSシステムは0.03〜0.04%のショットツーショット変動を達成し、これによりMDALは3×10−10cm−1となる。また、CRDS測定値は、検出器における信号の信号対雑音比が十分であるとすると、キャビティ内部の光の初期強度とは無関係であり、また従来の吸収分光計とは異なって試料の物理的経路長とも無関係であることに注意されたい。
最も一般的なCRDSの実施形態は「スイープキャビティ(swept-cavity)」と呼ばれるもので、図1に示すように、圧電変換器(PZT)又はその他の変換器(1.2)に移動可能に搭載された1つのミラーを有するリングダウンキャビティ(RDC)を使用する。スイープキャビティの原理を図2に示す。1つのミラー(2.1)を移動させることにより、キャビティ長を波長の半分だけ変化させる。キャビティの内部に十分な光を検出したら、光源のスイッチをオフにするか、又は音響−光学的変調器(AOM)のような外部変調器を用いてRDCから光を逸らす。スペクトルを同調させるため、波長モニタを用いることによりレーザを特定の波長に設定し、RDCの長さを変化させることによりレーザにより少なくとも1モードのキャビティをスイープする。RDC長を動作波長の1/2だけ変調する場合、これは常に真である。また、RDC長は、PZTのオフセットを調節することでリングダウンイベントの繰返し率を最大化するトラッキングサーキットを用いることにより追跡できる。次いでレーザ線の周りでミラーを少しだけ動かす。レーザが波長に入る度に、トラッキングサーキットは繰返し率を最大化するためにPZTのオフセットを必要とする。このように、リングダウンインベントは、PZTオフセットが決定されている長い時間の間に高い繰返し率で急激に起こる。
スイープキャビティ法の主な限界は、周波数の分解能が、使用する波長モニタの分解能と性能に直接依存することである。システムは、正確な波長モニタの伝達曲線(transfer curve)(波長対モニタ出力)を知ること、この伝達曲線の較正、及び装置の老朽化による時間経過後のその安定性に直接的に依存している。最終的に、システムが高品質の波長モニタに依存することにより、システムは大型化し、その結果必然的に高価なものになる。大型化と費用の上昇は、機器が使用される応用範囲を制限することになる。
スイープキャビティ法はまた、正確で再現性の高い制御によりレーザ波長を設定及び維持する能力にも依存する。このため、スイープキャビティ法では、多くの場合DFBダイオードレーザを利用する。DFBレーザは非常に制御し易く、再現性の高い操作が可能である。しかしながら、DFBレーザを使用する場合、DFBレーザをスペクトル走査において各波長にロックする必要があり、これに時間がかかるため、スイープキャビティ法は動作が遅い(例えばレーザを熱的に制御している場合)。さらに、レーザを直接変調する場合(例えばレーザ流を遮断する)、データ取得を継続する前にレーザが適切な波長を回復する必要があり、これによってデータ取得速度がさらに遅くなる。外部変調を利用してこの問題を解決しようとすると、システムに不要な費用がかかることになる。さらに、DFBレーザの同調範囲は限られている。利用可能なレーザの一般的な同調範囲は、温度同調に基づき、連続して30GHzであり、レーザ流同調における分解能は高く(10MHzより良好な分解能)、総同調範囲(レーザ流同調増分の範囲)は3〜4nmである。このような同調範囲に入る単一種又は二つの同位体種について吸収線を見出すのは比較的簡単であるが、多くの場合レーザ同調範囲によって1又は複数の種に対するCRDS機器の能力は制限される。
しかしながら、広域且つ迅速な波長の変更が可能なレーザ源が利用可能になっている。外部キャビティダイオードレーザ(ECDL)により、少なくとも40nmの同調範囲が提供され、120nmの同調範囲も実現可能と思われる。光パラメトリック発振器により、さらに広い同調範囲が既に提供されている。しかしながら、これらのレーザでは、多くの場合良好な波長制御ができないか、又は良好な波長制御が実施できたとしても大型で高価なものとなる。さらに、広域可変波長CRDSシステム(>40nm)には、分解能が高く、再現性の高い較正が可能な正確な波長モニタで、小型で、安価で、頑丈で且つ信頼性の高いものは存在しない。
これまでに提案された別の方法(図3)では、キャビティ長を一定に保ちながら所与のキャビティモードの周辺でレーザ周波数を微変動する(dither)。参照番号3.1を付した縦線は、キャビティモードの間隔を表す。微変動を3.2で示す。実線の曲線3.4上の点3.3は、周波数(波長)の平均値を示している。破線で示す縦線3.5と3.6は、キャビティ長のわずかな波長の差に相当する第1の変化及び第2の変化の影響を示す。レーザのキャビティモードを調整することにより、スペクトルをトレースする。この方法ではレーザ波長が変更されるので、レーザ波長が一定値に設定されている方法と比較して波長の精度が低いことに留意されたい。さらに、キャビティ長が一定に保たれたとしても、システムの分解能は、測定される吸収特性のスペクトル幅に匹敵し得るキャビティの自由なスペクトル範囲(FSR)に限定される。例えば、714MHzのFSRを有する長さ20cmのRDCに50トールの圧力をかけた場合、多種の吸収線のスペクトル幅はわずか数GHzとなり、わずかなスペクトル点しか測定できない(図2参照)。
分解能の限界を解決するため、Paldus及びHarb(特許文献1)は、固定長のキャビティを等距離周波数のコムとして使用することを提案した。このコムによりレーザで所望のスペクトル範囲(又はスペクトル特性)をスイープし、次いでキャビティ長を変えて次の周波数コムを生成する。この新しいコムは最初のものと周波数がわずかにずれている。一連のインターリーブされた(interleaved)コムの配列(図3の縦線)が得られることにより、全体的なスペクトル分解能が向上する。このように、Paldus及びHarbによる上記特許文献は、リングダウンキャビティ(RDC)を使用して良好な基準となる周波数コムを生成することを教示しているが、どのようにするとこのコムの組から精度の高い波長測定が可能になるのかについては教示していない。コムにおけるそれぞれの最初のキャビティモードの波長は、同じコムの他の波長(周波数)が最初の周波数と相対的にしか判明しないので、波長モニタを使用して決定しなければならない。この方法はデータ取得の速さを改善するが(各コムの最初の波長だけは正確に波長制御及び測定しなければならない)、依然として波長モニタの正確さと高い精度に依存するものである。更に、この特許文献では、所与のコム配列におけるそれぞれのモードについて複数のリングダウンイベントを平均する必要がある場合、そのモードの周辺でレーザを微変動することができると仮定している(図3)。したがって、制御可能で且つ反復可能な状態でレーザ波長を変化させることができるという暗黙的な前提がある。前述のPaldus及びHarb特許文献は、レーザが容易に制御できないときにレーザを同調させ、キャビティーモードの等距離周波数のコムと同じ利益を得る方法を教示することができていない。残念なことに、外部キャビティダイオードレーザ、OPOs又はDBRレーザなど、広範囲に亘って同調可能なレーザの多くは、周波数の制御及び再現性に乏しい。
本発明の目的は、Paldus/Harbによる特許文献の限界を克服し、安価な波長モニタと比較的制御性の低いレーザを用いるCRDS又はCEASの使用を可能にすることである。波長モニタの伝達関数の唯一の要件は、それが単調なことだけである。それは漸増でも漸減でもよく、好ましくは漸増であることに注意されたい。本発明の方法の設定を図4に示す。レーザを直接的に又は外部的に変調させてリングダウンイベントを得ることができる。
図5は、周波数をビンに入れるデータ取得過程のタイミングのグラフである。開始波長λsから最終波長λeまで、複数キャビティの自由なスペクトル範囲に亘ってレーザを同調させる。各リングダウンイベントについて、以下の3つのパラメータ(ti、λi及びτi)を記録し、各パラメータにインデックスiを割り当てる。
1.トリガー時間(ti):レーザが遮断される時間を測定
2.遮断前の波長(λi):各トリガーイベントに先立って複数の波長測定値を取得し、取得した最後からN個の波長を平均化することにより測定
3.リングダウン減衰時定数(τi):リングダウンの指数関数的に減衰する波形を検出し、それを減衰時定数に当てはめることにより測定
固定キャビティ長について選択されたスペクトル範囲に亘ってレーザを複数回スイープする。トリガー時間、波長及びリングダウン時定数の配列が構築され、トリガー時間の関数として体系化される。リングダウンイベントの時間間隔を不均一にすることによりデータ転送率(data rate)を非周期にすることができる。この場合、平均データ転送率は波長範囲の複数回に亘るスイープにより決定できる。配列中の減衰時間にキャビティモードによる特定の順序は無い。しかしながら、本キャビティモードは粗い波長測定を特徴とする。
図5は、周波数をビンに入れるデータ取得過程のタイミングのグラフである。開始波長λsから最終波長λeまで、複数キャビティの自由なスペクトル範囲に亘ってレーザを同調させる。各リングダウンイベントについて、以下の3つのパラメータ(ti、λi及びτi)を記録し、各パラメータにインデックスiを割り当てる。
1.トリガー時間(ti):レーザが遮断される時間を測定
2.遮断前の波長(λi):各トリガーイベントに先立って複数の波長測定値を取得し、取得した最後からN個の波長を平均化することにより測定
3.リングダウン減衰時定数(τi):リングダウンの指数関数的に減衰する波形を検出し、それを減衰時定数に当てはめることにより測定
固定キャビティ長について選択されたスペクトル範囲に亘ってレーザを複数回スイープする。トリガー時間、波長及びリングダウン時定数の配列が構築され、トリガー時間の関数として体系化される。リングダウンイベントの時間間隔を不均一にすることによりデータ転送率(data rate)を非周期にすることができる。この場合、平均データ転送率は波長範囲の複数回に亘るスイープにより決定できる。配列中の減衰時間にキャビティモードによる特定の順序は無い。しかしながら、本キャビティモードは粗い波長測定を特徴とする。
次いでこれらのデータは図6に例示されるように処理される。
1.波長を値の小さい順に並べ(ソートし)、新しいインデックスIを割り当てる。ソートされた波長のモニタ信号の不連続性により、類似の値を有する波長からなるグループ間に境界が定義される。これらグループは「ビン」と呼ばれ、それぞれがビンインデックスjを有する。
2.順序付けを行った波長をチャート化し、順序付けを行った配列インデックスIの関数として示すことができる(図7a)。データは、キャビティの自由なスペクトル範囲だけ周波数が分離された段からなる階段を形成する。各段にはビン番号が割り振られ、各段は1つのRDCキャビティモードに対応する(7b)。ビンは、ソートされた波長変調信号に発生する不連続性によって定義される。段は平坦ではなく、波長モニタの精度に応じた誤差帯域を有する。各ビングループの平均波長はλjとして計算され、ビンインデックスjが割り振られる。キャビティモードによる減衰定数の正確なビンニングを可能にするために、波長モニタの分解能は、RDCのスペクトル範囲の3分の1より優れていればよい。
3.波長ビンニングが確立されたら、順序付けされた波長のインデックスIをインデックスとして使用して、トリガー時間及び減衰時定数を並行ビンに再グループ化する。
4.そのようなビンの各々において、減衰時定数をトリガー時間の値が小さい順に並べる。異なるビンには異なる数の減衰定数が含まれてよいことに注意されたい。
5.各ビンの平均減衰時間τj,aveを計算し、次いでτj,aveを光吸収損失αj,aveに変換する。
1.波長を値の小さい順に並べ(ソートし)、新しいインデックスIを割り当てる。ソートされた波長のモニタ信号の不連続性により、類似の値を有する波長からなるグループ間に境界が定義される。これらグループは「ビン」と呼ばれ、それぞれがビンインデックスjを有する。
2.順序付けを行った波長をチャート化し、順序付けを行った配列インデックスIの関数として示すことができる(図7a)。データは、キャビティの自由なスペクトル範囲だけ周波数が分離された段からなる階段を形成する。各段にはビン番号が割り振られ、各段は1つのRDCキャビティモードに対応する(7b)。ビンは、ソートされた波長変調信号に発生する不連続性によって定義される。段は平坦ではなく、波長モニタの精度に応じた誤差帯域を有する。各ビングループの平均波長はλjとして計算され、ビンインデックスjが割り振られる。キャビティモードによる減衰定数の正確なビンニングを可能にするために、波長モニタの分解能は、RDCのスペクトル範囲の3分の1より優れていればよい。
3.波長ビンニングが確立されたら、順序付けされた波長のインデックスIをインデックスとして使用して、トリガー時間及び減衰時定数を並行ビンに再グループ化する。
4.そのようなビンの各々において、減衰時定数をトリガー時間の値が小さい順に並べる。異なるビンには異なる数の減衰定数が含まれてよいことに注意されたい。
5.各ビンの平均減衰時間τj,aveを計算し、次いでτj,aveを光吸収損失αj,aveに変換する。
次いで、平均波長λj,aveの配列にRDCの自由なスペクトル範囲に設定された間隔を当てはめることにより、波長モニタ関数を得ることができる(図8)。この方法は、波長モニタの伝達関数を予め知っておく必要が無く、実際、この伝達関数を生成していることに留意されたい。よって、周期的に波長データを当てはめることにより、本システムは、波長モニタ伝達関数における老朽化又はその他の誘発的な変化を補償することができる。必要とされる基準は、伝達関数が単調であることのみである。
先行技術には、一般に波長モニタ又は波長計と呼ばれる複数の方法及び装置が既知であり、これらはモニタに入力されるレーザ光の周波数(波長)に比例する出力を生成する。波長モニタは、1以上の光フィルタ、例えば透過フィルタ、反射フィルタ、干渉フィルタ、ファブリ−ペローエタロンなどと、関連する光検出器とを利用して、波長の読出しを行う。1以上の光フィルタを使用して波長読出しを行うための、本発明での使用に適した波長モニタの幾つかの実施例には、特許文献2ないし6が含まれ、これらの教示内容を本明細書に包含する。
一実施形態では、波長モニタは、2つの光検出器を備えるエタロン、好ましくはウエッジエタロンである。光信号はエタロンに所定の角度で入射し、エタロンの前面を反れて反射された、または、前面から反射された光と、エタロンの背面を反れて反射された、または、背面から反射された光との間に干渉パターンが得られる。エタロンの単調(線形)部分を使用して波長依存性の応答が提供される。好適には、演算の線形範囲を最大化するために、エタロンの厚みは小さい。
好適には、光フィルタは波長依存性の線形応答を有する。好適な一実施形態では、波長モニタは2つの光検出器を備える透過フィルタである。具体的には、実際のフィルタは一片のガラスを覆うコーティングである。別の実施形態では、波長モニタは反射フィルタであり、やはり2つの光検出器を備え、フィルタは一片のガラスを覆うコーティングである。別の実施形態では、波長モニタは、線形の波長応答を有するコーティングを備えた光検出器とすることができる。これらの種類の光フィルタは安価且つ小型であり、通常は本発明の周波数の並べ替えを行うのに十分な波長分解能を有している。
次に、平均波長λj,aveに対して光損失αj,aveをグラフ化することにより、スペクトルの実測値が得られる。図9a及び9bは、生データ9a(再順序付けした波長モニタ信号の関数として再順序付けした減衰時間)、及び平均データ9b(αj,ave対λj,ave)をグラフ化することにより得られるスペクトルを比較するものである。平均化により、光損失の実測値と波長の実測値の両方において誤差が減少することに注目されたい。波長ビンニング法のさらなる利点は、基準としてキャビティモードを使用することによりレーザ周波数における特有の雑音が低減することである。レーザ周波数の雑音は、トリガー時間に現れて雑音を大きくするが、最終的なスペクトルの測定に影響しない。これは、レーザの雑音がスペクトルの測定に重大な影響を与え得る従来のスイープキャビティ法ではあり得ないことである。波長測定値の平均化、及び最も重要には、RDCの自由なスペクトル波長範囲(FSR)を基準として用いて適当な関数を生成することにより、本方法において波長モニタの雑音及び不確実性が低減する。よって、得られる波長の実測値の精度は、非常に広い同調範囲であっても高い。さらに、本発明による周波数のビンニング法は、RDC FSRを使用することにより自己準拠型(self-referencing)である。
スイープ−キャビティCRDSの感度と周波数ビンCRDSの感度のシステム性能を比較するため、ショットツーショットの雑音を比較する。一般的なスイープ−キャビティシステムでは、ショットツーショットの揺らぎは0.1%以下であるが、高性能のスイープ−キャビティシステムでは0.03−0.04%程度である。図9aは、スイープ−キャビティシステムとして使用されるものと同じハードウェアを周波数ビンシステムとして動作させて取得したデータを示す。スイープ−キャビティシステムのショットツーショットの雑音は0.04%であった。明らかに周波数ビン法でもショットツーショットの揺らぎはほぼ同じであり、従って周波数ビンシステムには、同じ光学的ハードウェア設計を有するスイープ−キャビティシステムとほぼ同一の感度が予測される。
次に、平均波長λj,aveに対して光損失αj,aveをグラフ化することにより、スペクトルの実測値が得られる。図9a及び9bは、生データ9a(再順序付けした波長モニタ信号の関数として再順序付けした減衰時間)、及び平均データ9b(αj,ave対λj,ave)をグラフ化することにより得られるスペクトルを比較するものである。平均化により、光損失の実測値と波長の実測値の両方において誤差が減少することに注目されたい。波長ビンニング法のさらなる利点は、基準としてキャビティモードを使用することによりレーザ周波数における特有の雑音が低減することである。レーザ周波数の雑音は、トリガー時間に現れて雑音を大きくするが、最終的なスペクトルの測定に影響しない。これは、レーザの雑音がスペクトルの測定に重大な影響を与え得る従来のスイープキャビティ法ではあり得ないことである。波長測定値の平均化、及び最も重要には、RDCの自由なスペクトル波長範囲(FSR)を基準として用いて適当な関数を生成することにより、本方法において波長モニタの雑音及び不確実性が低減する。よって、得られる波長の実測値の精度は、非常に広い同調範囲であっても高い。さらに、本発明による周波数のビンニング法は、RDC FSRを使用することにより自己準拠型(self-referencing)である。
スイープ−キャビティCRDSの感度と周波数ビンCRDSの感度のシステム性能を比較するため、ショットツーショットの雑音を比較する。一般的なスイープ−キャビティシステムでは、ショットツーショットの揺らぎは0.1%以下であるが、高性能のスイープ−キャビティシステムでは0.03−0.04%程度である。図9aは、スイープ−キャビティシステムとして使用されるものと同じハードウェアを周波数ビンシステムとして動作させて取得したデータを示す。スイープ−キャビティシステムのショットツーショットの雑音は0.04%であった。明らかに周波数ビン法でもショットツーショットの揺らぎはほぼ同じであり、従って周波数ビンシステムには、同じ光学的ハードウェア設計を有するスイープ−キャビティシステムとほぼ同一の感度が予測される。
周波数ビンニング法を使用することに起因する感度の低下はない。反対に、ビンニングに起因する性能上の実質的利益がある。周波数ビンシステムの方が波長精度が高い。従来のスイープ−キャビティ法では、記録されたリングダウンイベントの波長は、イベントのレーザの瞬間的波長により決定される。常にいくらかのレーザ波長ジッタが存在するので、同じ波長データポイントに属するリングダウンが、わずかに異なる周波数で登録されることになる。このジッタは、スペクトルの平坦部分(ベースライン)においてはリングダウン時間に差異をもたらさないが、波長ジッタにより、吸収線の勾配でリングダウン時間のばらつきが大きくなる。このため、スイープ−キャビティCRDSの性能は、通常傾斜部でなくベースラインで特徴づけられる。本発明のビンニング法では、キャビティ長が固定されており、いかなる固定モード周波数におけるリングダウン時間変動もシステム性能によって決定される。これは図9aで明らかである。記録されたリングダウン時間の広がりは、吸収線の傾斜部とベースラインの両方で同じである。このような知見はさらに図10で確認される。図10では、図9aに示すスペクトルに対応するリングダウン時間の測定誤差が光周波数の関数としてチャート化されている。スキャンしたスペクトル全体で、誤差は約0.04%であり、吸収線の傾斜部において誤差の増大は無かった。
既知のキャビティモードスペーシング(known cavity mode spacing)を用いて、ビンニング法を用いて取得された最終的平均スペクトル(図9b)を、光周波数との相関図として作図した。波長モニタのデータを使用していないため、波長精密度、及びさらに重要なことには波長(光周波数)の線形性のスケールは、波長モニタの性能に依存していない。既知の吸収線の位置を用いてスペクトルを測定することにより、キャビティモードの周波数分離を非常に正確に決定することができ、当該吸収線の位置は、よって特定のCRDS装置の周波数標準になる。アセチレン(C2H2)などの吸収線は、テレコムシステムの周波数標準として使用されている。
通常CRDSでは、吸収線の強度が温度に大きく依存するという単純な理由により、キャビティの温度を一定の温度に維持しなければならない。通常、キャビティの温度は±0.001K以内に安定させる。好適には、キャビティ本体は、熱膨張係数が約10−6であるInvarから作製する。それにより、キャビティの長さは109において、一部分のみが変化し、その結果、ビンニング法により良好な線形性及び周波数軸の精度が得られる。
キャビティを一定の温度に維持したとしても、他の要因によってそのモード周波数はゆっくりと変動し得る。例えば、試料ガスをキャビティに通すとき(バッチモードとは対照的に連続的なフローモードでスペクトルを取得するとき)、小さな圧力の変動により、キャビティモード周波数が多少変化する。或いは、キャビティミラーの1つが圧電変換器(PZT)に搭載されている場合、特にPZTに印加されている電圧が変化した直後にそのようなミラーの位置が動く場合がある。
周波数ビンニング技術は、測定期間中におけるそのようなキャビティ長の変化(すなわちモード位置の変化)を許容し得るという点でも利点を有する。一連のビンスペクトルを考慮する。一連の測定のうち第1回目の測定(スペクトル)を図11に示す。短い水平の線11.1で示すように、モード周波数の位置が第1スペクトルと第2スペクトルとの間で移動する場合、このモードによって見られる吸収は鉛直方向の矢印11.2に示すように変化する。したがって、特定のビンの吸収の変化(例えば「標準ビン」11.3)は、モード周波数変動の目安である。有利には、スペクトルにおける強い吸収線の傾斜部のそのような標準ビンを選択する。通常感度の高い分光法では、対象の種(標的分析物)の吸収線の近傍に背景ガスに属するそのような強い吸収線が存在する。通常それらは問題とみなされるが、本方法を用いる場合は較正に使用することができる。吸収から標準ビンの周波数変動への変換は、標準ビンの片側又は両側に複数のビンを取り、それらの位置をなめらかな曲線で、例えば図11の実線11.4に示すような低次多項式に当てはめることにより、行うことができる。ビン間に正確に1のモード間距離を有する周波数分離は、11.5(Δυキャビティ)に示すような正確な周波数スケールとなる。
第1回目の測定により、標準ビンの吸収の変化をこの標準ビンの光周波数の偏差に変換する関数が決定したら、この関数を適用して連続する測定の全ての測定値の正確な周波数位置を計算することができる。連続する5回の測定値に関するそのような周波数依存性の例を図12に示す。第1回目のキャビティモードの位置をこの図の水平な破線12.1及び12.2で示す。5回のインターリーブ(interleaved)測定それぞれのインターリーブした周波数モードコムの位置を知ることにより、より高い分解能を示すインターリーブしたスペクトル(図13)を図にすることができる。インターリーブしたスペクトルのスペクトル分解能は、キャビティのモードスペーシングよりも良好な5倍であった。
これまでに、スペクトルの吸収線の傾斜部における吸収の変化を使用して、キャビティの光長に変化がある場合でさえも、モードコムの正確な周波数を決定できることを説明した。加えて、当業者には、そのようなキャビティの光長の変化をPZTにより意図的に適用することにより、例えば、キャビティモードスペーシングよりも良好なスペクトル分解能を有する周波数補正されたインターリーブスペクトルを取得することができることが明らかであろう。必要なことは、N個のスペクトルを記録して、自由なスペクトル範囲の1/Nだけモードコムをシフトさせた、キャビティ長増分を記録値と記録値の間に適用することのみである。
周波数ビンニングの別の利点は、測定期間中のキャビティ長の変化(つまりモード位置のシフト)を許容できることである。任意のビン(又はキャビティモード)について、トリガー時間の関数として光損失(又は減衰時間)をチャート化する。光損失が変化する場合、キャビティ長が変動していることが示唆される。ビン数に対応する波長における吸収の変化をスペクトルの吸収に当てはめることにより、各ビンを較正することができる。生の波長データに一時的な変動関数を適用することにより、いかなるキャビティ長の変化も補償することができる。
周波数ビンニング法の最後の利点は、測定期間中の波長モニタの変動を許容できることである。波長データに対しキャビティ長の変動の補正を行った後で、各ビン(キャビティモード)について、トリガー時間の関数として、測定された波長の変化をチャート化することができる。次いで波長モニタの周波数の変動を補外して波長データに補正を加えることができる。
最終的なスペクトルは、光損失に対して補正した波長データをチャート化することにより得ることができる。1つのビンにおける波長を測定回数で平均化するステップ、波長モニタの伝達関数を計算するステップ、最後にキャビティ長と波長モニタ変動の両方を補正するステップの各ステップで、波長モニタの分解能が向上する。
前述と同様に、固定キャビティ長で完全な配列の分析が完了したら、モード間距離によりRDC長を調節し、全体的な測定/分析のシーケンスを繰り返すことができる。測定の最終的な分解能は、必要なモード間シーケンスの数に依存する。モード間シーケンスの数は、特定された分解能及びRDC FSRにより決定される。例えば、20cmのRDCキャビティは714MHzのFSRを有するので、10MHzの分解能を得るには、70のモード間シーケンスを使用しなければならない。
全てのモード間シーケンスを取得、分析したら、すべてインターリーブすることにより最終的スペクトルを得ることができる。最終的スペクトルは、スペクトル特性を定義するための十分な分解能を有し、吸収線形状の正確な当てはめを実施することができなければならない。この時点で実際の波長測定値はすべて相対的なものとなっていること、及びモード間スペーシングも完全には定義されていないことに注目されたい。ここで、組み合わせたシーケンスのデータにピークの位置を当てはめることにより、各シーケンスにおいて1つのビンの絶対的波長が得られる。これらにより各シーケンスの絶対波長が確立され、よってスペクトル全体の絶対波長が確立される。それにより、さらに広い波長範囲に較正及び補外を行うことができる。
周波数ビンニング法の別の実施形態は、特にDFBレーザに特に有利に適用できる。DFBレーザは、それらの駆動電流を単純に遮断することにより、又は電子的スイッチによりその陽極と陰極を短絡させることにより、1マイクロ秒に満たないわずかな時間でターンオフすることができる。これにより、音響−光モジュレータ(AOM)の必要がなくなるのでCRDSシステムは単純化され、コストが低減する。CRDSで一般的であるように、好適にはリングダウン信号全体がデジタル化されるまでレーザをオフにし、次いで次のリングダウンが発生するようにレーザをオンにする。しかしながら、DFBレーザ(さらに一般的には任意の種類の半導体レーザ)は、起動時に数GHzの範囲で「音を発する」(“Chirping”)周波数特性を有する。従来のスイープ−キャビティCRDSでは、吸収のサンプリングを行う光周波数をレーザが定義するので、DFBレーザをまず所望の光周波数にロックし、その後リングダウンイベントの検出を行う必要がある。そのようなロックは、波長モニタ信号を基準として使用した、DFBレーザの温度及び電流を調節するフィードバックループにより行うことができる。この方法は特定の欠点を有する。第1に、そのようなロックは時間を要し、よって分光計のサンプリング率が低下する。第2の欠点は、波長モニタのエレクトロニクスに存在する雑音が周波数の精度を制限することである。本発明のビンニング法では、光周波数がキャビティモード周波数グリッドによって定義されるため、DFBレーザをロックする必要が無い。加えて、図14に示すように、個々の波長モニタ測定値の精度よりも高い精度で、光学的に励起できる特定のキャビティモードの周波数を決定することができる。
図14の上部の線(14.1)は、音を発するDFBモードがキャビティモード位置に近づくときのキャビティ内における最初の強度上昇を示す。上昇線の雑音はDFBレーザの位相雑音によって起こる。上昇強度が所定のリングダウンしきい値(図14の水平な破線14.2で示す)に到達すると、トリガー回路がカットオフ信号をレーザ電流に送信し、その結果滑らかなリングダウン波形(14.3)が見られる。図14の中央の線は、トリガーイベントに近づくDFBレーザ波長を示す。波長モニタ信号は、波長モニタエレクトロニクスの帯域幅によって決まる反復率で測定されているので、個々の測定の結果はドットで示される。これらの結果をデータプロセッサメモリ(プレトリガーモード)に保存し、低次多項式(最小二乗法)による当てはめを行う。この多項式の値は図14に実線14.5で示す。この実線により、処理したプレトリガーのポイント数の平方根だけ波長決定の精度が向上した。キャビティモード周波数のさらに正確な値は、トリガーポイントにおけるこの多項式の値として決定することができる。各リングダウンについて100個のプレトリガーポイントを測定すると仮定すると、10倍の精度向上が達成できる。加えて、この場合レーザ周波数をロックする必要がないので、リングダウン取得レートをもっと高くすることが可能である。下部の線は、14.1から14.5までの線に関するレーザのオン状態(14.6)及びオフ状態(14.7)を示す。
波長決定の精度を上げるためのトリガー前に複数の波長モニタ信号値を測定する原理をDFBレーザを例に説明したが、レーザ分野における当業者には、同じ原理を別の種類のレーザに適用可能であることは自明である。例として、別の2つのレーザについて説明する。しかしながら、使用可能なレーザをこれら記載の2種類に限定するわけではないことをここに強調する。第1のレーザはファブリ−ペロー(F−P)ダイオードレーザである。この種類のレーザは単一の周波数での操作が可能で、電流又は温度により周波数の波長変更が可能である。F−PとDFBレーザの違いは、F−Pレーザのモードがホップする(つまり波長で連続的に同調しない)ことである。ファブリ−ペローダイオードのスイッチのオンとオフを反復的に切り替えると、そのファブリ−ペローキャビティの縦モードを一方から他方へと交互に切り替えることができる。そのような特性により、ファブリ−ペローレーザの同調は非常に複雑で、(DFBレーザのような周波数選択機構を持たない)、このために従来のスイープ−キャビティCRDSには一般に適さない。各リングダウンのレーザの波長を決定した後では、本発明の周波数ビンニング法にとってモードのホッピングは問題でない。
適切なレーザの2つ目の例は、面の1つに反射防止コーティングを有するファブリ−ペローチップと外部キャビティの構成である。スペクトルフィルタを外部キャビティに取り付けることにより、そのようなF−P外部キャビティレーザを強制的にチップの利得帯域幅内の所望の波長で動作させることができる。このような外部キャビティレーザは、その外部キャビティの縦モードの周波数の分離が短く、そのためモードがホップする可能性がさらに高い。一般に、縦モードの分離は5から10GHz程度である。それでも、本明細書のビンニング法では、モードのホップに関係なく、各リングダウンイベントに関連付けられる光周波数を決定することができる。レーザの平均電流及び温度を一定に維持すると、リングダウンはレーザの外部キャビティモード周波数の周りに5〜10GHzだけ離れて一団化する。しかしながら、スペクトル全体を記録するのに必要なのは、スペクトル取得中に平均電流及び/又は平均温度を変化させることにより、モード間のギャップを埋めることだけである。そのようなレーザは従来からスイープキャビティCRDSに適さないとみなされてきたことに注意されたい。
適切なレーザの2つ目の例は、面の1つに反射防止コーティングを有するファブリ−ペローチップと外部キャビティの構成である。スペクトルフィルタを外部キャビティに取り付けることにより、そのようなF−P外部キャビティレーザを強制的にチップの利得帯域幅内の所望の波長で動作させることができる。このような外部キャビティレーザは、その外部キャビティの縦モードの周波数の分離が短く、そのためモードがホップする可能性がさらに高い。一般に、縦モードの分離は5から10GHz程度である。それでも、本明細書のビンニング法では、モードのホップに関係なく、各リングダウンイベントに関連付けられる光周波数を決定することができる。レーザの平均電流及び温度を一定に維持すると、リングダウンはレーザの外部キャビティモード周波数の周りに5〜10GHzだけ離れて一団化する。しかしながら、スペクトル全体を記録するのに必要なのは、スペクトル取得中に平均電流及び/又は平均温度を変化させることにより、モード間のギャップを埋めることだけである。そのようなレーザは従来からスイープキャビティCRDSに適さないとみなされてきたことに注意されたい。
最後に、線形キャビティ又はリングキャビティを用いるCRDS又はCEASのキャビティ−スイープ式光学的構成に可能な実施形態は、本発明の周波数ビンニング法の利点を活かしたCRDSだけではない。図15aに例示するような光フィードバックVキャビティCRDSシステム、又は図15bに示すような光フィードバックリングキャビティCRDSシステムを本発明の周波数ビンニング法と組み合わせることができる。Vキャビティ法の1つの利点は、RDCへの入射効率が大きく増大することによりリングダウン光検出器の信号対雑音比が向上することで、これによりショットツーショットの雑音が改善する可能性もある。別の利点は、レーザとキャビティとの光学的ロッキング(例えばリングキャビティの)により、データ取得の効率的反復率を上昇させることができることである。例えばレーザは、DFBレーザ、或いは従来のファブリ−ペローレーザ又は外部キャビティファブリ−ペローレーザとすることができる。
上述した本発明の詳細な説明は、主に又は専ら本発明の特定の部分又は態様に関する一節を含む。これは明瞭性及び便宜性を目的にしていること、開示された文脈以外に特定の特徴が関連する場合があること、及び本明細書の開示内容には異なる節に記載した情報の全ての適切な組み合わせが含まれることを理解されたい。同様に、複数の異なる図面及び説明が本発明の特定の実施形態に関連しているが、特定の特徴を特定の図面又は実施形態に関連して開示した場合も、そのような特徴は、別の特徴と組み合わせて、或いは発明の一般的形態において、適切な範囲で、別の図面又は実施形態においても使用可能であることを理解されたい。
さらに、特定の好適な実施形態の観点から本発明について説明したが、本発明はそのような好適な実施形態に限定されるものではない。そうではなく、本発明の範囲は請求の範囲によって定義される。
Claims (9)
- 可変波長レーザ光源、前記レーザによって放出される光の波長を測定し、前記測定に基づいて出力信号を提示する波長モニタ、及び光学共振キャビティを備えたキャビティリングダウン分光計を使用して、標的分析物の吸収スペクトルを測定する方法であって、
i)前記レーザから前記キャビティに伝達される光の波長がλS〜λEの波長間隔に亘って変化するように前記レーザを同調させ、前記標的分析物のスペクトル特性の吸収波長と、前記光学キャビティの複数の自由なスペクトル範囲との両方を含むように前記波長間隔を選択するステップと、
ii)前記キャビティへの光の透過を遮断することによりリングダウンイベントをトリガーするステップと、
iii)ステップi)とii)を複数回繰り返すステップと、
iv)各リングダウンイベントについて、減衰時定数τ、透過の遮断直前にキャビティに透過した光の波長、及び光を遮断するトリガー時間を記録するステップと、
v)ステップiv)において記録した減衰時定数、光の波長及びトリガー時間を、トリガー時間の関数として体系化するステップと、
vi)値の小さい順に光の波長を並べ、波長モニタ信号の不連続性により定義された波長グループを個々のビンに配置するステップと、
vii)各ビングループの平均波長を計算するステップ、
viii)減衰時定数とトリガー時間を前記波長ビンに並行なビンにグループ分けし、前記並行ビンの各々に含まれる減衰時間定数をトリガー時間の小さい順に並べるステップ、及び
ix)ステップviii)で区別した各減衰時間ビンについて平均減衰時間を計算し、並行波長ビンの平均波長と併せてこの減衰時間平均を用いることにより、前記平均波長における標的分析物の光の損失を計算するステップ
を含む方法。 - 前記レーザが、DFBレーザ、ファブリ−ペローレーザ、DBRレーザ、外部キャビティダイオードレーザ又は光パラメトリック発振レーザである、請求項1に記載の方法。
- 前記波長モニタ信号が、波長の増大に伴って単調に増大する、請求項1に記載の方法。
- 前記波長モニタ信号が、ファブリ−ペローエタロンから透過された又は反射された信号である、請求項1に記載の方法。
- 前記波長モニタ信号が、線形フィルタから透過された又は反射された信号である、請求項1に記載の方法。
- 前記波長モニタが、線形コーティングを有する光検出器である、請求項1に記載の方法。
- 前記光学共振キャビティが、線形キャビティ、リングキャビティ又はV−キャビティである、請求項1に記載の方法。
- 前記光学共振キャビティがほぼ一定の温度に維持される、請求項1に記載の方法。
- 前記測定段階の過程で前記光学共振キャビティの長さの変化をすべて補償するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
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