JP2006234549A - 吸光光度分析装置および吸光光度分析方法 - Google Patents

吸光光度分析装置および吸光光度分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 測定可能な濃度範囲が広く、試料を希釈または濃縮せずに、セルに入れるだけで測定が可能であり、セルが試料によって汚れたり変色したりしても測定誤差が少ない吸光光度分析装置および吸光光度分析方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 光路長の異なる3つ以上の光路を有する一体型のセルに試料を収容または流通し、前記各光路に単一光源からの光を透過させ、前記各光路を透過した光の強度をそれぞれ測定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吸光光度分析装置および吸光光度分析方法に関するものである。
液体の吸光光度分析では、吸収セルに収容または流通した試料に特定波長の光を照射し、透過率または吸光度を測定することによって試料の濃度を測定する。
照射した光は、試料によって吸収されるだけでなく、吸収セルに用いられるガラスによる光の反射・吸収や、ガラスに付着した汚れによっても減衰するため、試料を入れないバックグランド測定と試料を入れた測定の2回が必要であった。
バックグランド用と試料用の2つのセルを同時に測定する方法もあるが、試料によりセルが汚れたり、例えば放射性物質を扱う場合にはセルが変色したりすることにより、試料用セルの光透過率が悪くなり、測定誤差を生じていた。
そこで、1つのセル内に光路長の異なる、短光路と長光路の2つの光路を設けることにより、両光路におけるセルによる光の減衰を均一化し、測定誤差を軽減した吸光光度分析装置が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。ここで、短光路の透過率または吸光度は対象用として用いられ、実際には長光路と短光路の光路長差を単一光路長として透過率または吸光度が求められ、この値から試料の濃度が求められる。
特開平9−257705号公報 実開平5−17547号公報
しかしながら、試料の透過光の強度を測定する受光素子(光センサー)のダイナミックレンジと精度には限界あるため、短光路と長光路を設けた単一のセルを用いて吸光光度分析を行う場合であっても、試料濃度が濃い場合は、セルの光路長を短くしたり、希釈を行ったりする必要があった。一方、試料濃度が薄い場合は、濃縮や長い光路長のセルに切り替えて測定する必要があった。そのため、複数回の分析操作を繰り返すことになり、作業の効率が低下した。特に、例えば試料に放射性物質等が含まれるために、分析の際に遠隔操作が必要であったり、分析作業時間が限定されていたりする場合には、作業効率の低下が著しかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、測定可能な濃度範囲が広く、試料を希釈または濃縮せずに、セルに入れるだけで測定が可能であり、セルが試料によって汚れたり変色したりしても測定誤差が少ない吸光光度分析装置および吸光光度分析方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の吸光光度分析装置は、光路長の異なる3つ以上の光路を有する一体型のセルと、単一光源から照射され前記各光路を透過した光を受光し、受光した光の強度をそれぞれ測定する3つ以上の受光部とを備えている。
この装置を用いた吸光光度分析方法は、光路長の異なる3つ以上の光路を有する一体型のセルに試料を収容または流通する工程と、前記各光路に単一光源からの光を透過させる工程と、前記各光路を透過した光の強度をそれぞれ測定する工程とを含んでいる。
この吸光光度分析装置および吸光光度分析方法によれば、最も短い光路長を有する光路を透過した光の強度測定値をバックグラウンド用として用い、他の2つ以上の光路をそれぞれ透過した光の強度測定値を試料の吸光度または透過度の測定用として用いることにより、セル表面が汚れていても影響を受けずに測定を行うことが可能である。
さらに、一回の測定で広い濃度範囲を測定することが可能である。
前記吸光光度分析装置は、前記単一光源からの光を前記3つ以上の光路が含まれる面に対して略垂直方向に分光する光学系を備え、前記各受光部が、分光方向に複数の受光素子を配列して構成されていてもよい。
この構成の装置を用いた吸光光度分析方法では、前記光学系によって前記単一光源からの光を前記3つ以上の光路が含まれる面に対して略垂直方向に分光する。前記各光路を透過した光の強度の測定は、光路長の異なる各光路に関して波長毎に光の強度を測定することにより行われる。
このように構成された吸光光度分析装置および吸光光度分析方法によれば、多波長における吸光度または透過率を同時に測定することができるので、試料に複数成分が含まれていても各成分の濃度を測定することができる。また、試料が懸濁液の場合であっても、懸濁成分の影響による誤差を補正して濃度測定を行うことができる。
また、本発明の吸光光度分析装置は、光路長が連続的に変化する光路を有する一体型のセルと、単一光源から照射され前記光路長が連続的に変化する光路を透過した光を受光し、受光した光の強度を3つ以上の異なる光路長に関して測定する受光部とを備えた装置とすることができる。前記セルの光入射側には、前記光路を光路長に従って分離するスリットを設けることが好ましい。
この吸光光度分析装置において、前記受光部は、フォトアレイまたは荷電結合素子(CCD)とすることが好ましい。
この装置を用いた吸光光度分析方法は、光路長が連続的に変化する光路を有する一体型のセルに試料を収容または流通する工程と、前記光路に単一光源からの光を透過させる工程と、前記光路を透過した光の強度を、3つ以上の異なる光路長に関して測定する工程とを含む。前記セルの光入射側において、前記単一光源からの光をスリットに透過させることにより、前記光路を光路長に従って分離することが好ましい。
この吸光光度分析装置および吸光光度分析方法によれば、測定データ量を増やすことができるので、より汚れに強く、高い精度の測定を行うことができる。また、受光部がフォトアレイまたはCCDの場合は、個別の受光素子を多数配置する場合と比べて装置の簡素、低コスト化を実現することができる。
前記吸光光度分析装置において、前記単一光源からの光を前記光路長が連続的に変化する光路が含まれる面に対して略垂直方向に分光する光学系を設け、前記受光部が、受光した光の強度を光路長毎および波長毎に測定するように二次元的に配列された複数の受光素子を有するものとしてもよい。このような受光部としては、二次元CCDを好適に用いることができる。
この装置を用いた吸光光度分析方法は、前記単一光源からの光を前記光路長が連続的に変化する光路が含まれる面に対して略垂直方向に分光し、前記光路を透過した光の強度を光路長毎および波長毎に測定することにより行われる。
このように構成された吸光光度分析装置および吸光光度分析方法によれば、前記測定データ量の増大に伴う効果に加え、多波長における吸光度または透過率を同時に測定することができるので、試料に複数成分が含まれていても各成分の濃度を測定することができる。また、試料が懸濁液の場合であっても、懸濁成分の影響による誤差を補正して濃度測定を行うことができる。
前記吸光光度分析装置において、セルの横断面を楕円形状とし、該セルの内部に光源を設けた構成としてもよい。
この装置を用いた吸光光度分析方法では、セル内部の光源から光を放射して吸光光度分析を行う。
このように構成された吸光光度分析装置および吸光光度分析方法によれば、各光路の光どうしが互いに影響を受けにくいので、精度の高い測定を行うことができる。
本発明によれば、測定可能な濃度範囲が広く、試料を希釈または濃縮せずに、セルに入れるだけで測定が可能であり、セルが試料によって汚れたり変色したりしても測定誤差が少ない吸光光度分析装置および吸光光度分析方法を提供することができる。特に本発明の吸光光度分析装置および吸光光度分析方法は、試料に放射性物質が含まれる原子力再処理場等、分析の際に遠隔操作が必要でかつ幅広い測定濃度領域が要求される場合に適している。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。
図1は、本実施形態の吸光光度分析装置の概略構成を示した縦断面図である。
この吸光光度分析装置1は、試料2を収容または流通するセル3と、このセル3および試料2を透過した光の強度を測定するための、上部、中部、下部に一列に配置された3つの受光部a,b,cを主要な構成要素としている。
セル3は、鉛直に配された石英ガラス等の光学的に透明な材料からなる平板状の背面透明板5と、この背面透明板5と平行にかつ互いに段違いに配された石英ガラス等の光学的に透明な材料からなる平板状の上段前面透明板6、中段前面透明板7および下段前面透明板8を有している。上段前面透明板6、中段前面透明板7および下段前面透明板8は、背面透明板5からそれぞれ長さL,L,Lだけ離間し、L<L<Lとなっている。
背面透明板5と各前面透明板6,7,8の端部どうしは、背面透明板5の上端部と上段前面透明板6の上端部を除いて、例えばすりガラス等の板状の材料で接続され、側面および底面9と、上部開口10が形成されている。
こうして、図1に示すように、3段の階段状の断面形状を有するセル3が形成されている。
なお、このセル3は、このままの構成のバッチ式セルであってもよく、また底面9にも開口を形成したフローセルであってもよい。
受光部a,b,cは、セル3の背面透明板5の外側の上部、中部、下部に、各光路の延長線上にあるように縦一列に配置されている。各受光部a,b,cは、受光した透過光の強度I、I、Iを光電的に測定するシリコンフォトダイオード等の受光素子(図示略)を備えている。
セル3の前面透明板6,7,8の外側には、単一光源からの光が各前面透明板6,7,8からセル3内に垂直に入射するように光学系が設けられている。各前面透明板6,7,8からセル3内に入射した光は、それぞれ光路長L,L,Lだけ試料2中を進んでから背面透明板5を通過し、受光部a,b,cの各受光素子に達するようになっている。
なお、セル3内で各光路の光が互いに干渉するのを防ぐために、各前面透明板6,7,8の光学系側にスリットを設けて、それぞれの光路に入射する光を分離するように構成しておくことが好ましい。
本実施形態においては、後述するように光路長L−Lにおける透過率と光路長L−Lにおける透過率とを一回の測定で求めることにより、広い濃度範囲の測定を実現している。従って、(L−L)/(L−L)の値は大きいほど好ましく、10以上が望ましく、20以上がより望ましい。しかし、一般に単一光路長で精度よく測定できる濃度範囲は100倍のレンジであるため、(L−L)/(L−L)の値が100を超えると光路長L−Lにおける測定範囲と光路長L−Lにおける測定範囲の間に測定できない濃度範囲が生じてしまうので、(L−L)/(L−L)の上限値は100であり、好ましくは50である。
実際のセル3においては、Lの長さは、精度の点から、また短すぎると試料2が澱みを生じて正確に測定できない恐れがあることから、1mmが下限である。例えばLを1mmとした場合は、L−Lを1mm前後、L−Lを10〜100mmとすることができる。しかし、Lが長すぎると、セルの取り扱いが難しくなるので、Lは50mm以下が好ましく、20mm程度が最も好ましい。
次に、上記吸光光度分析装置1を用いた吸光光度分析方法について図2および図3を参照して説明する。図2は、本実施形態の吸光光度分析方法を示すフローチャートであり、図3は、試料の濃度と吸光度の関係を示したグラフである。
まず、液体の試料2をセル3に収容もしくは流通させることにより、試料2を分析装置1に導入する。
次に、単一光源からの光をセル3の各前面透明板6,7,8に垂直に照射して、各光路に導入する。ここで、光源としては、例えば、白色ランプの光を分光器で分光し、グレーティングにより単色光としたものを、シリンドリカルレンズ等で平行光としたものを用いることができる。
各前面透明板6,7,8からセル3内に入射した光は、それぞれ異なる光路長L,L,Lだけ試料2を透過した後に、背面透明板5を通過して、それぞれ受光部a,b,cで受光される。
それぞれ光路において、前面透明板6,7,8の汚れの程度は同等であり、同様に背面透明板5の汚れの程度も同等であると考えられるので、L−Lの光路長における透過率およびL−Lの光路長における透過率はセル3の汚れの影響をほとんど受けない。
ここで、L−Lの光路長における試料2の透過率はI/Iであり、L−Lの光路長における試料2の透過率はI/Iである。また、L,L,Lの光路長における試料2の吸光度をそれぞれA,A,Aとすると、L−Lの光路長における試料2の吸光度A−Aはlog(I/I)であり、L−Lの光路長における試料2の吸光度A−Aはlog(I/I)である。こうして、受光部a,b,cにおける強度I、I、Iの値から、吸光度が求められる。
一般に、吸光度の測定可能範囲は0.02〜2(透過率に換算して約1〜95%)とされている。従って、図2のフローチャートに従って、A−AとA−Aのいずれか適正な方のデータが出力される。なお、図2のフローチャートに示した処理は、受光部a,b,cに接続された図示しない中央演算処理装置(CPU)等で自動的に行うことができる。
まず、光路長Lにおける試料2の吸光度A−Aが参照され、この値が2より大きいときは測定不可と判断される。再度測定する場合には、試料2を適当な濃度に希釈してから行う必要がある。
吸光度A−Aが2以下の場合は、次に光路長L−Lにおける試料2の吸光度A−Aが参照される。A−Aが0.02より大きい場合は、この吸光度は測定可能な範囲内にあるので、この値が上部受光部aと中部受光部bによる吸光度データとして出力される。
一方、A−Aが0.02以下の場合は、A−Aの測定は不可能と判断されるので、光路長L−Lにおける試料2の吸光度A−Aが参照される。A−Aが0.02より大きい場合は、この吸光度は測定可能な範囲内にあるので、この値が上部受光部aと下部受光部cによる吸光度データとして出力される。また、A−Aが0.02以下の場合は、A−Aは検出限界値以下と出力される。
こうして出力された吸光度A−Aまたは吸光度A−Aの値を用いて、予め求めてある濃度と吸光度の関係(図3のグラフ)から、試料2の濃度を求めることができる。
本実施形態によれば、セルの表面が汚れていても、影響を受けずに濃度の測定が可能である。
また、一般に単一光路長で精度よく測定できる濃度範囲は、下限値に対する上限値の比が100倍のレンジであるが、本実施形態においては、例えば光路長L−LがL−Lの20倍の場合、100×20=2000倍の濃度範囲の測定が1回の測定で可能となる。
なお、上記実施形態では、3つの異なる光路長を有するセル3を用いる例を示したが、4つ以上の異なる光路長を有するセルを用いてもよい。ただし、最も長い光路長が長すぎるとセルの取り扱いが困難になり、また最も長い光路長を上記実施形態と同程度として光路長の数のみ増やしても、重複して無駄になる測定範囲が生じるので、光路長の数は3つが好ましい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図4および図5を用いて説明する。
図4は、本実施形態の吸光光度分析装置の概略構成を示した縦断面図である。
この吸光光度分析装置21は、試料22を収容または流通する、断面形状が台形のセル23と、このセル23および試料22を透過した光の強度を測定する多数の受光素子が線形または面状に配置された受光部24を主要な構成要素としている。
セル23は、鉛直に配された石英ガラス等の光学的に透明な材料からなる平板状の背面透明板25と、この背面透明板25からの距離が上部から下部に向かって連続的に増大するように配された石英ガラス等の光学的に透明な材料からなる平板状の前面透明板26を有している。なお、前面透明板26の外面は鉛直面(図示略)としてもよい。
背面透明板25と前面透明板26の端部どうしは、背面透明板25の上端部と前面透明板26の上端部を除いて、例えばすり透明板等の板状の材料で接続され、側面および底面29と、上部開口30が形成されている。
こうして、図4に示すように、台形状の断面形状を有するセル23が形成されている。
なお、このセル23は、このままの構成のバッチ式セルであってもよく、また底面29にも開口を形成したフローセルであってもよい。
受光部24は、受光素子が上下方向に1次元的(線形)に配列されたフォトアレイや、受光素子が2次元的(面状)に配置されたCCDを備えている。
セル23の前面透明板26の外側には、単一光源からの光が前面透明板26からセル23内に入射するように光学系が設けられている。前面透明板26からセル23内に入射した光は、試料22中を進んでから背面透明板25を通過し、受光部24の受光素子に達するようになっている。
前述のとおり、前面セル23は、背面透明板25からの距離が上部から下部に向かって連続的に増大するように配されているので、光路長がセルの23の上部から下部に向かって連続的に増大する光路が得られる。
なお、セル23内で異なる光路長の光が互いに干渉するのを防ぐために、図5に示すように、前面透明板26の光学系側と背面透明板25の受光部24側にそれぞれ前面スリット33と背面スリット34を設けて、光路を分離するようにして、吸光光度分析装置21’を構成することが好ましい。
セル23の大きさは、最短の光路長の下限値が1mmであり、最長の光路長は100mm以下とすることができる。しかし、セルの取り扱いを考慮すると最長の光路長は50mm以下が好ましく、20mm程度が最も好ましい。
また、セル23の測定光が透過する部分の高さは、CCDの大きさを考慮すると20mm程度が好ましい。
この第2実施形態の吸光光度分析装置21,21’は、基本的には第1実施形態の吸光光度分析装置1と同様に用いて吸光光度分析を行うことができる。従って、広い濃度範囲の測定が1回の測定で可能である。
さらに、第2実施形態の吸光光度分析装置21,21’を用いた吸光光度分析方法では、第1実施形態に対してデータ量を増やすことができるので、より汚れに強く、分析精度の高い分析を行うことができる。
また、受光部24にフォトアレイやCCDを用いた場合、独立の受光素子を多数用いる場合と比べて装置の簡素化、低コスト化を実現することが可能である。
さらに、第1実施形態のセル3では段部の凹み部分に汚れが付着する恐れがあるが、本実施形態のセル23は段部がないので汚れにくい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図6を用いて説明する。
図6は、本実施形態の吸光光度分析装置の概略構成を示した横断面図である。
この吸光光度分析装置41は、試料42を収容または流通する、楕円柱状の内面形状を有するセル43と、このセル43および試料42を透過した光の強度を測定するための、セル43の周囲の同じ高さに配置された3つの受光部a’,b’,c’を主要な構成要素としている。
セル43は、断面が楕円形の管状であり、石英ガラス等の光学的に透明な材料からなる透明管45と、この透明管45の下端部を封止する、すりガラス等からなる底面(図示略)を有している。
受光部a’,b’,c’と同一水平面の透明管45中心部には、光ファイバ等で導入される点光源46が配置されている。
こうして、図4に示すように、楕円柱形状を有するセル43が形成されている。
なお、このセル43は、このままの構成のバッチ式セルであってもよく、また底面にも開口を形成したフローセルであってもよい。
受光部a’,b’,c’の配置は、例えば、受光部a’は点光源46と同一水平面における透明管45の楕円形状の短径延長線上に配され、受光部c’は同長径延長線上に配され、受光部b’は透明管45の周囲の他の位置に配されている。点光源46から各受光部a’,b’,c’方向に向かうセル43内の光路長は、それぞれL’(前記の例では短径)、L’、L’(前記の例では長径)であり、L’<L’<L’となっている。
各受光部a’,b’,c’は、それぞれ受光した透過光の強度を光電的に測定するシリコンフォトダイオード等の受光素子(図示略)を備えている。
この第3実施形態の吸光光度分析装置41は、第1実施形態の吸光光度分析装置1と同様に用いて吸光光度分析を行うことができる。従って、広い濃度範囲の測定が1回の測定で可能である。また、透明管45の表面は均一に汚れると考えられるので、セルの表面が汚れていても、影響を受けずに濃度の測定が可能である。
さらに、第1実施形態のセル3では段部の凹み部分に汚れが付着する恐れがあるが、本実施形態のセル43は段部がないので汚れにくい。
また、第1実施形態の吸光光度分析装置1および第2実施形態の吸光光度分析装置21では隣接する光どうしが影響を受けやすく、スリット等を設けることが好ましいが、本実施形態の吸光光度分析装置41では点光源46から各受光部a’,b’,c’に向かって各光路は互いに離れていくので、隣接する光路の光同士の影響がなく、スリットのように光を分離する手段を設けなくてもよい。また、第1実施形態および第2実施形態のように、光源からの光を平行光にするための光学系を設けなくてもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態では、第2実施形態において受光部24に受光素子が2次元的(面状)に配置されたCCDを用いた、吸光光度分析装置21または21’を用いる。
また、光学系として、光源から発せられた白色光を縦長の(図4及び図5において、紙面上下方向に延在する)スリットを通過させた後に、分光手段により横方向(図4及び図5において、紙面垂直方向)に分光させることにより、試料22を透過する透過光の光路長が変化する方向と垂直な方向(本実施形態では水平方向)に入射光の波長を変化させるものを用いる。白色光を分光させる手段としては、プリズムや回折格子等を用いることができる。 この場合、受光部24は縦方向において光路長毎の透過光の強度を検知し、横方向において波長毎の透過光の強度を検知する。
従って、試料22が多成分を含む場合であっても、多波長分光分析により各成分の濃度を広い濃度範囲において測定することができる。特に、各成分の濃度が数百倍から数千倍と大きく異なる場合であっても、1回の測定で各成分の濃度を測定できる。
また、試料22が懸濁液の場合であっても、懸濁物質による光の吸収分を補正して正確な濃度測定が可能である。
なお、上記実施形態では白色光を分光してからセル23の試料22に照射する例について説明したが、縦長のスリットを通過した白色光を分光せずにセル23の試料22に照射し、背面透明版25を通過した後に水平方向に分光して受光部24の2次元CCDで測定する構成としてもよい。
また、第2実施形態のセル23を用いる代わりに、第1実施形態のセル3を用いてもよい。この場合は、各受光部a,b,cに受光素子が横方向に1次元的(線形)に配列されたフォトアレイやラインCCDを用いればよい。
(第5実施形態)
第5実施形態は、前記第1実施形態ないし第4実施形態のいずれかの吸光光度分析装置において、セルをフローセルとし、受光部にCPUを接続し吸光光度分析を自動化した例である。
この実施形態の吸光光度分析装置および吸光光度分析方法は、試料に放射性物質が含まれる原子力再処理場等、分析の際に遠隔操作が必要でかつ幅広い測定濃度領域が要求される場合に有効である。
第1実施形態の吸光光度分析装置の概略構成を示した縦断面図である。 第1実施形態の吸光光度分析方法を示すフローチャート。 試料の濃度と吸光度の関係を示したグラフである。 第2実施形態の吸光光度分析装置の概略構成を示した縦断面図である。 第2実施形態の吸光光度分析装置の他の例の概略構成を示した縦断面図である。 第3実施形態の吸光光度分析装置の概略構成を示した横断面図である。
符号の説明
1,21,41 吸光光度分析装置
3,23,43 セル
a,b,c,24,a’,b’,c’ 受光部
,L,L,L’,L’,L’ 光路長

Claims (16)

  1. 光路長の異なる3つ以上の光路を有する一体型のセルと、
    単一光源から照射され前記各光路を透過した光を受光し、受光した光の強度をそれぞれ測定する3つ以上の受光部とを備えた吸光光度分析装置。
  2. 前記単一光源からの光を前記3つ以上の光路が含まれる面に対して略垂直方向に分光する光学系を備え、前記各受光部が、分光方向に複数の受光素子を配列して構成された請求項1に記載の吸光光度分析装置。
  3. 光路長が連続的に変化する光路を有する一体型のセルと、
    単一光源から照射され前記光路長が連続的に変化する光路を透過した光を受光し、受光した光の強度を3つ以上の異なる光路長に関して測定する受光部とを備えた吸光光度分析装置。
  4. 前記セルの光入射側に、前記光路を光路長に従って分離するスリットを設けた請求項3に記載の吸光光度分析装置。
  5. 前記受光部が、フォトアレイまたはCCDを有する請求項3または4に記載の吸光光度分析装置。
  6. 前記単一光源からの光を前記光路長が連続的に変化する光路が含まれる面に対して略垂直方向に分光する光学系を備え、前記受光部が、受光した光の強度を光路長毎および波長毎に測定するように二次元的に配列された複数の受光素子を有する請求項3または4に記載の吸光光度分析装置。
  7. 前記受光部が、二次元CCDを有する請求項6に記載の吸光光度分析装置。
  8. 前記セルの横断面が楕円形状を有し、該セルの内部に光源を有する請求項3に記載の吸光光度分析装置。
  9. 光路長の異なる3つ以上の光路を有する一体型のセルに試料を収容または流通する工程と、
    前記各光路に単一光源からの光を透過させる工程と、
    前記各光路を透過した光の強度をそれぞれ測定する工程とを含む吸光光度分析方法。
  10. 前記単一光源からの光を前記3つ以上の光路が含まれる面に対して略垂直方向に分光する工程を含み、
    前記各光路を透過した光の強度をそれぞれ測定する工程が、光路長の異なる各光路に関して波長毎に光の強度を測定する工程である請求項9に記載の吸光光度分析方法。
  11. 光路長が連続的に変化する光路を有する一体型のセルに試料を収容または流通する工程と、
    前記光路に単一光源からの光を透過させる工程と、
    前記光路を透過した光の強度を、3つ以上の異なる光路長に関して測定する工程とを含む吸光光度分析方法。
  12. 前記セルの光入射側において、前記単一光源からの光をスリットに透過させることにより、前記光路を光路長に従って分離する請求項11に記載の吸光光度分析方法。
  13. 前記光路を透過した光の強度を、フォトアレイまたはCCDで測定する請求項11または12に記載の吸光光度分析方法。
  14. 前記単一光源からの光を前記光路長が連続的に変化する光路が含まれる面に対して略垂直方向に分光する工程と、
    前記光路を透過した光の強度を光路長毎および波長毎に測定する請求項11または12に記載の吸光光度分析方法。
  15. 前記光路を透過した光の強度を、二次元CCDで測定する請求項14に記載の吸光光度分析方法。
  16. 前記セルの横断面が楕円形状を有し、該セルの内部の光源から光を放射する請求項12に記載の吸光光度分析方法。
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