JP2006234543A - 回転角検出センサの基準点補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 別途調整工程を設けることなく、複数の回転角検出センサの検出基準点を補正する回転角検出センサの基準点補正方法を提供すること。
【解決手段】 操舵軸11に組み付けられた2個一対のレゾルバ11b,11cの検出基準点を補正する補正方法を、回転角検出工程、1次補正工程、可動範囲検出工程および2次補正工程で構成した。回転角検出工程は、組み付け直後のレゾルバ11b,11cからの出力値から操舵軸11の回転角を検出する工程である。1次補正工程は、回転角の検出基準点を暫定的に補正する工程である。可動範囲検出工程は、1次補正工程で補正された基準点に基づき操舵軸11の可動範囲を検出する工程である。2次補正工程は、操舵軸11の回転角0゜とレゾルバ11b,11cからの信号に基づき検出した回転角との相違量に基づき、検出基準点を最終的に補正する工程である。
【選択図】 図3
【解決手段】 操舵軸11に組み付けられた2個一対のレゾルバ11b,11cの検出基準点を補正する補正方法を、回転角検出工程、1次補正工程、可動範囲検出工程および2次補正工程で構成した。回転角検出工程は、組み付け直後のレゾルバ11b,11cからの出力値から操舵軸11の回転角を検出する工程である。1次補正工程は、回転角の検出基準点を暫定的に補正する工程である。可動範囲検出工程は、1次補正工程で補正された基準点に基づき操舵軸11の可動範囲を検出する工程である。2次補正工程は、操舵軸11の回転角0゜とレゾルバ11b,11cからの信号に基づき検出した回転角との相違量に基づき、検出基準点を最終的に補正する工程である。
【選択図】 図3
Description
本発明は、回転軸、特に、車両に搭載された回転軸の回転角を検出する回転角検出センサの基準点補正方法に関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に示すような、操舵角検出装置は知られている。この操舵角検出装置は、車両の直進状態を検出して操舵中立点を設定し、設定した操舵中立点と操舵角センサの中立位置との差をオフセット値として記憶するようになっている。そして、以降の車両走行時には記憶したオフセット値を用いて操舵中立点を演算により求め、操舵角センサの検出値を校正するようになっている。これにより、常に正確な操舵角を検出するようになっている。
特開2001−4313号公報
しかしながら、特に車両において操舵角を検出する場合には、複数の操舵角センサすなわち操舵軸の回転角を検出する回転角検出センサが複数設けられ、これらのセンサからの検出回転角を総合して操舵角を検出する。ところで、このように回転角検出センサが複数設けられている場合には、それぞれのセンサからの検出回転角が互いに一致する必要があるため、各回転角検出センサの操舵軸に対する取付角度位置を一致させて組み付けることが重要となる。このため、回転角検出センサを組み付ける作業においては、取付位置角度を調整する工程が別途必要であるとともに、生産効率を高めるために熟練した作業者が組み付け作業を行うことが必要となる。このため、生産コストを低減することが難しい場合がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、別途調整工程を設けることなく、複数の回転角検出センサの検出基準点を補正する回転角検出センサの基準点補正方法を提供することにある。
本発明の特徴は、回転軸に複数組み付けられて、同回転軸の回転角をそれぞれ検出する回転角検出センサの検出基準点を補正する回転角検出センサの基準点補正方法であって、前記複数の回転角検出センサが前記回転軸の回転角を検出する回転角検出工程と、前記回転角検出工程によって検出した各回転角間の相違量を算出し、同算出した相違量を用いて前記回転角検出センサの検出基準点を暫定的に補正する1次補正工程と、前記回転軸を回転させて、前記1次補正工程によって補正した暫定的な検出基準点に基づき、前記回転軸の可動範囲を検出する可動範囲検出工程と、前記回転軸の特定の回転位置に対応する特定回転角と、前記可動範囲検出工程によって検出した前記可動範囲内にて前記回転角検出センサが検出する前記回転軸の特定の回転位置の回転角との相違量を算出し、同算出した相違量を用いて前記回転角検出センサの前記暫定的な検出基準点を最終的に補正する2次補正工程とを備えたことにある。
この場合、前記回転軸は、例えば、車両の操舵ハンドルの回転を操舵輪に伝達するための操舵軸であるとよい。また、前記回転角検出センサは、例えば、前記操舵軸に含まれるトーションバーの両端位置にそれぞれ組み付けられて、操舵軸およびトーションバーの回転角を検出する2個一対のレゾルバであるとよい。
これらによれば、回転軸(例えば、操舵軸)に組み付けられた複数の回転角検出センサ(例えば、2個一対のレゾルバ)は、以下の工程を経ることにより、その検出基準点が一致するように補正される。すなわち、まず、組み付け作業者は、回転軸に対して複数の回転角検出センサを組み付ける。このとき、複数の回転角検出センサの検出基準点は、一致している必要はない。次に、回転角検出工程にて、各回転角検出センサは、現在組み付けられた状態における回転角を検出し、例えば、各回転角検出センサからの出力値を用いて各種制御を実行する制御装置に対して、それぞれ出力する。
制御装置は、回転角検出工程によって前記出力された各回転角を取得すると、1次補正工程にて、各回転角間の相違量を算出して各回転角検出センサの検出基準点を暫定的に補正する。これにより、各回転角検出センサによって検出される回転軸の回転角は、暫定的に一致した値となる。次に、制御装置は、可動範囲検出工程にて、1次補正された暫定的な検出基準点に基づき回転軸の可動範囲を検出する。そして、制御装置は、2次補正工程にて、回転軸の特定の回転位置に対応する特定回転角(例えば、回転軸の絶対的な0゜など)と、各回転角検出センサが検出する回転軸の特定の回転位置の回転角とが一致するように、各回転角検出センサの検出基準点が最終的に補正する。
このように、回転軸に対して、複数の回転角検出センサの取付角度位置が一致していなくても、1次補正工程および2次補正工程を経ることにより、各回転角検出センサの検出基準点を完全に一致させることができる。これにより、これらの回転角検出センサによって検出された回転角を一致させることができる。さらに、一致した回転角を回転軸の絶対的な回転角と一致させることができる。したがって、回転軸に複数の回転角検出センサを組み付ける場合であっても、取付位置角度を調整する工程を別途設ける必要がなく、極めて容易に回転角検出センサを組み付けることができ、製造コストを低減することができる。また、極めて容易に回転角検出センサを組み付けることができるため、熟練した作業者以外の作業者が組み付け作業を行っても、生産効率を大幅に高めることができる。
以下、本発明の実施形態に係る回転角検出センサの基準点補正方法について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る基準点補正方法が適用される2つの回転角検出センサを搭載した操舵装置を概略的に示している。
この操舵装置は、操舵ハンドル10を備えている。操舵ハンドル10は、回転軸としての操舵軸11の上端に固着されて、同ハンドル10の回転は操舵軸11およびタイロッド12を介して操舵輪13a,13bに伝達されるようになっている。操舵軸11とタイロッド12は図示しないラックアンドピニオンにより連結され、操舵軸11の回転がタイロッド12の軸線方向の直線運動に変換される。操舵輪13a,13bは、図示しないナックルアームを介してタイロッド12の両端にそれぞれ接続されており、タイロッド12の軸線方向の変位に応じて左右に操舵される。したがって、操舵ハンドル10が回動されると、操舵輪13a,13bがこの回動に応じて操舵される。
また、操舵軸11の中間部は、トーションバー11aを含んでいる。トーションバー11aは、操舵ハンドル10の回動量と、操舵輪13a,13bの操舵量との差に起因して、捩れを生じるものである。そして、トーションバー11aの上端と下端には、回転角検出センサとしての2個一対のレゾルバ11b,11cが組み付けられている。なお、レゾルバ11b,11cの詳細な構造に関しては、本発明に直接関係しないので構造に関する説明を省略する。そして、これらのレゾルバ11b,11cは、電気制御装置20に接続されている。
電気制御装置20は、レゾルバ11b,11cとの協働により、操舵ハンドル10および操舵軸11の回転角すなわち操舵角に対応した信号を出力する。また、電気制御装置20は、トーションバー11aの上下端の回転角の差を用いて、操舵ハンドル10および操舵軸11に付与される操舵トルクを検出して出力する。この場合、電気制御装置20は、レゾルバ11b,11cをそれぞれ励磁するとともに、レゾルバ11b,11cの備えるロータの回転に伴って変調された信号を入力し、同入力した信号を用いた演算処理によって操舵角、操舵トルクなどを計算する。なお、検出された操舵角および操舵トルクは、車両の各種制御に利用されるものであるが、この制御については本発明に直接関係しないので説明を省略する。
この電気制御装置20は、図2に示すように、CPU21と、入力インターフェース22と、出力インターフェース23と、EEPROM(Electrical Erasable PROM)24とから構成されている。CPU21は、各種プログラムを実行することにより、操舵角や操舵トルクを計算して出力するとともに、レゾルバ11b,11cの検出基準点を補正する。入力インターフェース22は、レゾルバ11b,11cから出力された信号や、車両に搭載された他の電気制御装置(例えば、VSC(Viecle Stability Control)装置など)から出力された信号などを入力するものである。出力インターフェース23は、レゾルバ11b,11cに対して励磁信号を出力するとともに、CPU21によって計算された操舵角や操舵トルクを他の電気制御装置に対して出力するものである。EEPROM24は、車両の図示しないバッテリからの電源の供給を受けない状態においてもデータを記憶・保存する記憶装置である。そして、EEPROM24は、CPU21から供給されるデータ(例えば、後述する検出基準点補正に関する補正値など)を保持するとともに、CPU21の要求に応じて保持しているデータを供給する。
次に、電気制御装置20によるレゾルバ11b,11cの検出基準点の補正について詳細に説明する。一般的に、レゾルバ11b,11cの操舵軸11に対する取付角度位置を完全に一致させて組み付けることは製造上極めて難しい。このため、上記のように構成した操舵装置においては、組み付け作業者は、レゾルバ11b,11cの取付角度位置が略一致するように組み付ける。そして、組み付け作業者は、車両の組み立て後、バッテリを接続し、例えば、図示しないイグニッションスイッチをオン状態とする。これにより、電気制御装置20のCPU21は、図3に示す各工程を実行して、レゾルバ11b,11cからの信号に基づき回転角を検出するための検出基準点の補正を開始する。
まず、CPU21は、図3に示す回転角検出工程を実行する。すなわち、CPU21は、出力インターフェース23を介して、レゾルバ11b,11cを励磁させる。そして、CPU21は、入力インターフェース22を介して、レゾルバ11b,11cからそれぞれ出力された信号を取得する。これにより、CPU21は、現在、レゾルバ11b,11cのそれぞれが検出している操舵軸11の回転角を検出する。
次に、CPU21は、レゾルバ11b,11cからの信号に基づいて操舵軸11の回転角を暫定的に検出するために検出基準点を補正する(以下、この補正を1次補正という)1次補正工程を実行する。以下、この1次補正工程について説明する。
今、レゾルバ11b,11cは、トーションバー11aに対して、それぞれ、取付角度位置が若干異なる状態で組み付けられている。したがって、操舵輪13a,13bがほぼ直進位置すなわち中立位置にあってトーションバー11aに捩れが生じていない状態であっても、例えば、レゾルバ11bから出力された信号に基づき検出される回転角が「n°」であり、レゾルバ11cから出力された信号に基づき検出される回転角が「m°」であるように、レゾルバ11b,11cからそれぞれ出力された信号に基づき検出した回転角が異なっている可能性が高い。このため、CPU21は、レゾルバ11b,11cからの信号に基づき検出される回転角を互いに一致させ、暫定的にレゾルバ11b,11cからの信号に基づき回転角が検出できるように1次補正を実行する。
すなわち、上述した例において、CPU21は、操舵輪13a,13bがほぼ中立位置、言い換えれば、操舵軸11およびトーションバー11aがほぼ回転中立位置(例えば、回転角が略0°)にあるときには、レゾルバ11bから出力された信号に基づき回転角を検出するときには検出した回転角から「n」だけ減算し、レゾルバ11cから出力された信号に基づき回転角を検出するときには検出した回転角から「m」だけ減算する。これにより、CPU21は、トーションバー11aがほぼ回転中立位置にある状態において、レゾルバ11b,11cから出力されたそれぞれの信号に基づいて回転角を検出するときには、互いに一致した回転角「0」を検出することができる。したがって、CPU21は、暫定的に操舵軸11の回転角すなわち操舵角や同回転角の差に基づく操舵トルクを検出して出力することができる。
ここで、CPU21による1次補正を概念的に示せば、レゾルバ11b,11cから出力される信号に基づき検出される回転角は、1次補正されることによって、図4に示すような座標軸(以下、この座標軸を暫定座標軸という)上の回転角として検出される。具体的に説明すると、レゾルバ11bからの信号に基づき検出される回転角を回転角Nとし、レゾルバ11cからの信号に基づき検出される回転角を回転角Mとする。このとき、上述したように、トーションバー11aのほぼ回転中立位置においては、1次補正前のレゾルバ11b,11cからの信号に基づき検出される回転角Nおよび回転角Mは、図4にて破線で示すように、それぞれ、回転角nと回転角mとして検出される。
このため、トーションバー11aのほぼ回転中立位置における回転角を略0°とするためには、回転角Nおよび回転角Mをそれぞれ「n」および「m」だけ平行移動させて、言い換えれば、図4にて実線で示すように回転角nと回転角mとがともに原点「O’」に一致した暫定座標軸を採用することにより、CPU21がレゾルバ11b,11cからの信号に基づき検出する回転角を1次補正することができる。なお、CPU21は、回転角Nおよび回転角Mをそれぞれ平行移動する値すなわち相違量としての「n」および「m」を、EEPROM24の所定記憶位置に記憶している。
ここで、上述の1次補正においては、トーションバー11aの回転中立位置を基準とする場合を示した。この場合には、暫定座標軸の原点「O’」がレゾルバ11b,11cからの信号に基づき検出可能な検出回転角範囲の1/2の位置と略一致する。
これに対し、例えば、トーションバー11a(すなわち操舵軸11)が左方向に最大操舵された位置(以下、左最大位置という)、または、右方向に最大転舵された位置(以下、右最大位置という)を基準とすることもできる。この場合には、レゾルバ11b,11cは、例えば、左最大位置を基準とした場合にはトーションバー11aが右方向に操舵されたときに信号を出力し、右最大位置を基準とした場合にはトーションバー11aが左方向に操舵されたときに信号を出力する。そして、この場合には、暫定座標軸の原点「O’」がレゾルバ11b,11cからの信号に基づき検出可能な検出回転角範囲の原点と略一致する。
次に、CPU21は、1次補正によって暫定的に検出した操舵軸11の回転角を車両に対する絶対回転角として検出するために検出基準点を最終的に補正する(以下、この補正を2次補正という)2次補正工程を実行する。以下、この2次補正工程について説明する。
CPU21は、2次補正工程を実行するに当たり、まず、操舵軸11の可動範囲を確認するための可動範囲検出工程を実行する。具体的に説明すると、組み付け作業者は、操舵ハンドル10を右方向および左方向に停止位置(以下、この停止位置をエンド位置という)するまで、すなわち、機械的に回動できる範囲で操舵ハンドル10を回転させる。このとき、作業者は、例えば、電気制御装置20の入力インターフェース22に接続されて同装置20の各種設定を行う図示しない端末装置を操作して、CPU21にエンド位置を記憶することを指示する。CPU21は、同指示に従い、例えば、左右のエンド位置をEEPROM24の所定記憶位置に記憶する。これにより、CPU21は、操舵軸11の可動範囲内における暫定的な回転角を、レゾルバ11b,11cからの信号に基づき検出するようになる。
次に、CPU21は、2次補正工程を実行する。すなわち、CPU21は、入力インターフェース22を介して、車両の走行状態を判定して車両の挙動を制御するVSC装置から出力された車両の直進状態を表す直進状態信号を取得する。VSC装置は、車両に搭載された各種センサ(例えば、加速度センサやヨーレートセンサなど)の検出信号に基づいて車両が旋回状態であるか否かを判定し、旋回状態にある車両の挙動を安定化させる装置である。このため、VSC装置は、車両の旋回状態、言い換えれば、車両の直進状態を正確に判定する。したがって、CPU21は、VSC装置からの直進状態信号を取得し、同取得した直進状態信号を用いてレゾルバ11b,11cの検出基準点を2次補正する。具体的には、CPU21は、VSC装置から取得した直進状態信号すなわち車両の操舵輪13a,13bの操舵角が「0」であることを表す信号と、レゾルバ11b,11cからの信号に基づき検出した回転角とを比較して相違量を算出することにより、検出基準点を2次補正する。
より具体的に説明すると、車両は、作業者によって操舵ハンドル10が左右のエンド位置まで回転された後、例えば、自走することにより車両を保管する保管ヤードに移動される。このとき、CPU21は、VSC装置から取得する信号のうち、直進状態信号を選択して取得する。このように、直進状態信号を取得した状態においては、車両の操舵輪13a,13bが中立位置にある、言い換えれば、操舵軸11が中立回転位置にある。さらには、トーションバー11aには捩れが発生していない状態である。
一方、CPU21は、VSC装置から直進状態信号を取得したときにおける、レゾルバ11b,11cからの信号に基づき検出した回転角を検出する。この検出した回転角は、暫定座標軸上における回転角であり、現在の車両の走行状態と一致させるためには、同回転角が「0」である必要がある。このため、CPU21は、レゾルバ11b,11cからの信号に基づき検出したそれぞれ回転角が「0」となるように、言い換えれば、現時点における暫定座標軸の原点「O’」が「0」となるように、検出したそれぞれの回転角に所定値(相違量)を加算または減算して2次補正する。
すなわち、CPU21は、2次補正工程を実行することによって、図5に示すように、一点鎖線で示した暫定座標軸の原点「O’」を、相違量だけ平行移動した新たな座標軸(以下、この座標軸を絶対座標軸という)を設定する。そして、CPU21は、加算または減算した相違量をEEPROM24の所定記憶位置に記憶する。この2次補正工程の実行により、CPU21がレゾルバ11b,11cからの信号に基づき検出した回転角を、車両の走行状態に一致した回転角とすることができる。
ここで、レゾルバ11b,11cの検出回転角範囲が操舵軸11の可動範囲よりも十分に大きい場合には、検出した回転角が適切であるか否かを判定することもできる。すなわち、操舵軸11が1回転以上(例えば、360゜、720゜など)回転した場合には、操舵軸11は見かけ上同一回転位置となる。このときの検出した回転角同士を比較することによって、操舵軸11の回転位置に対して適切な回転角が検出されているか否かを判定することができる。
以上の説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、車両の組み付け時において、レゾルバ11b,11cの取付回転位置、言い換えれば、検出基準点が厳密に一致していなくても、基準点補正工程を実行することにより、検出基準点を厳密に一致させた場合と同様の回転角を検出することができる。したがって、レゾルバ11b,11cの検出基準点を補正するための特別な構成を設ける必要がなく、操舵装置の構成自体を簡略化することができる。また、レゾルバ11b,11cの組み付けにおいて、検出基準点を調整のための工程を設ける必要がなく、レゾルバ11b,11cの組み付けに係る作業を極めて容易とすることができる。また、レゾルバ11b,11cを極めて容易に組み付けることができるため、熟練した作業者以外の作業者が組み付け作業を行うことができる。したがって、生産コストを低減することができるとともに、車両の生産効率を大幅に向上させることができる。さらに、2次補正によって加算または減算した所定値はEEPROM24の所定記憶位置に記憶されるため、車両の販売後、ユーザが車両を走行させる際には、基準点補正工程を実行しなくても、正確な回転角を検出することができる。
ここで、上記実施形態においては、車両の組み付け時における回転角検出センサとしてのレゾルバ11b,11cの検出基準点を補正する場合を説明した。しかし、例えば、車両の修理時においても、トーションバー11aに組み付けたレゾルバ11b,11cの検出基準点に対して基準点補正工程を実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、車両の走行に伴って、レゾルバ11b,11cの検出基準点が互いに異なる事態が発生しても、上述した基準点補正工程を実行することにより、検出基準点を一致させることができるため、常に正確な回転角を検出することができる。
さらに、本発明の実施に当たっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、車両の操舵装置を構成する操舵軸11を回転軸として採用し、同操舵軸11の回転角を検出するレゾルバ11b,11cの検出基準点を補正すべく基準点補正工程を実行した。しかし、車両に搭載された他の回転軸の回転角を他の回転角検出センサを用いて検出する場合に適用することも可能である。この場合においても、回転角検出センサに対して、基準点補正工程を実行することによって、回転角検出センサの取付角度位置の差異によらず正確に回転角を検出することができる。
10…操舵ハンドル、11…操舵軸、11a…トーションバー、11b,11c…レゾルバ、12…タイロッド、13a,13b…操舵輪、20…電気制御装置、21…CPU、22…入力インターフェース、23…出力インターフェース、24…EEPROM
Claims (3)
- 回転軸に複数組み付けられて、同回転軸の回転角をそれぞれ検出する回転角検出センサの検出基準点を補正する回転角検出センサの基準点補正方法であって、
前記複数の回転角検出センサが前記回転軸の回転角を検出する回転角検出工程と、
前記回転角検出工程によって検出した各回転角間の相違量を算出し、同算出した相違量を用いて前記回転角検出センサの検出基準点を暫定的に補正する1次補正工程と、
前記回転軸を回転させて、前記1次補正工程によって補正した暫定的な検出基準点に基づき、前記回転軸の可動範囲を検出する可動範囲検出工程と、
前記回転軸の特定の回転位置に対応する特定回転角と、前記可動範囲検出工程によって検出した前記可動範囲内にて前記回転角検出センサが検出する前記回転軸の特定の回転位置の回転角との相違量を算出し、同算出した相違量を用いて前記回転角検出センサの前記暫定的な検出基準点を最終的に補正する2次補正工程とを備えたことを特徴とする回転角検出センサの基準点補正方法。 - 請求項1に記載した回転角検出センサの基準点補正方法において、
前記回転軸は、車両の操舵ハンドルの回転を操舵輪に伝達するための操舵軸であることを特徴とする回転角検出センサの基準点補正方法。 - 請求項2に記載した回転角検出センサの基準点補正方法において、
前記回転角検出センサは、
前記操舵軸に含まれるトーションバーの両端位置にそれぞれ組み付けられて、操舵軸およびトーションバーの回転角を検出する2個一対のレゾルバであることを特徴とする回転角検出センサの基準点補正方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008151762A (ja) * | 2006-11-20 | 2008-07-03 | Nsk Ltd | 絶対舵角検出装置 |
JP2011257316A (ja) * | 2010-06-10 | 2011-12-22 | Diamond Electric Mfg Co Ltd | パワーステアリング用トルクセンサ及びこれを備える電動式パワーステアリング装置 |
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2005
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