JP2006232839A - スルホン化されたアミノ酸誘導体およびそれを含有するメタロプロテイナーゼ阻害剤 - Google Patents
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Abstract
Description
式(I):
b)IV型コラゲナーゼ阻害剤である上記のメタロプロテイナーゼ阻害剤。
1)式(I):
A)R1、R1’、R1’’およびR13がi−プロピル、ベンジル、または(インドール−3−イル)メチルである上記1)〜16)のいずれかに記載の化合物。
B)R5、R7、およびR14がアルコキシ、アルキルチオ、またはアルキルで1または2以上置換されていてもよいフェニルである上記1)〜4)および7)〜16)のいずれかに記載の化合物。
C)R1、R1’、R1’’およびR13が結合している不斉炭素の配置がRである上記1)〜16)記載のいずれかに記載の化合物。
さらに本発明は上記一般式1)〜16)およびA)〜C)に記載の化合物を含有する医薬組成物、メタロプロテイナーゼ、およびIV型コラゲナーゼに関する。
式(I):
2)R1がi−プロピル、ベンジル、または(インドール−3−イル)メチル、R2が水素原子、R3が置換されていてもよい2,5−チオフェンジイル、R4が−C≡C−、R5が置換されていてもよいフェニルで表わされる化合物。
3)i−プロピル、ベンジル、または(インドール−3−イル)メチル、R2が水素原子、R3が1,4−フェニレン、R4がテトラゾールジイル、R5が置換されていてもよいフェニルで表わされる化合物。
本明細書中、「低級アルキル」とは、直鎖状または分枝状のC1〜C6アルキルを意味し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等が挙げられる。
本明細書中、「C3〜C8シクロアルキル」とは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。
本明細書中、「アリール」とは、単環状もしくは縮合環状芳香族炭化水素を意味し、例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
本明細書中、「アラルキル」とは、前記アルキル基に前記アリ−ル基が置換したもので、これらは置換可能な全ての位置で結合しうる。例えば、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル(例えば、3-フェニルプロピル)、ナフチルメチル(例えば、α-ナフチルメチル)、アンスリルメチル(例えば、9-アンスリルメチル)等が挙げられる。中でもベンジルが好ましい。これらのアリ−ル部分には任意の置換基を有していてもよい。
本明細書中、「アリーレン」とは、例えば、フェニレン、ナフチレン等を意味し、さらに詳しくは、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン等が挙げられる。
本明細書中、「ヘテロアリーレン」とは、例えば、チオフェンジイル、フランジイル、ピリジンジイル等を意味し、さらに詳しくは、2,5−チオフェンジイル、2,5−フランジイル等が挙げられる。
本明細書中、「非芳香性複素環式基」とは、任意に選ばれる、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を環内に1個以上含み、非芳香性の5〜6員環を意味し、これらは置換可能な全ての位置で結合しうる。例えば、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ等を意味する。
本明細書中、「アルコキシ」とは、アルキル部分が前記アルキルであるアルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等を意味する。
本明細書中、「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を意味する。
本明細書中、「アルキルチオ」とは、アルキル部分が前記低級アルキルであるアルキルチオ、例えば、メチルチオ、エチルチオ等を意味する。
本明細書中、「置換されていてもよいアルキル」、「置換されていてもよいC3〜C8シクロアルキル」、または「置換されていてもよい非芳香性複素環式基」における置換基とはヒドロキシ、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ)、メルカプト、アルキルチオ(例えば、メチルチオ)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、カルボキシ、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、ニトロ、シアノ、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、置換もしくは非置換アミノ(例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、カルバモイルアミノ)、グアニジノ、フェニル、ベンジルオキシ等が挙げられる。これらは、全ての可能な位置で1個以上置換しうる。
B法:R3が置換されていてもよいアリーレンまたは置換されていてもよいヘテロアリーレン、R4が−C≡C−、R5が置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールである化合物についての合成法。
C法:R3が置換されていてもよいアリーレンまたは置換されていてもよいヘテロアリーレン、R4が単結合、R5が置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールである化合物についての合成法。
D法:R3が置換されていてもよいアリーレンまたは置換されていてもよいヘテロアリーレン、R4が−CO−NH−、R5が置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールである化合物についての合成法。
E法:R3が置換されていてもよいアリーレンまたは置換されていてもよいヘテロアリーレン、R4がテトラゾールジイル、R5が置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールである化合物についての合成法。
F法:R3が置換されていてもよいアリーレンまたは置換されていてもよいヘテロアリーレン、R4が−CH=CH−、R5が置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールである化合物についての合成法。
(A法)
原料化合物の式(XV)で示されるアミノ酸またはその酸付加塩(例えば、塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩)の一部のものは市販品として入手できる。その他のものは実験化学講座22巻、第4版(日本化学会編)に記載のアミノ酸合成法、 J. Med. Chem. 38, 1689-1700 (1995) Gary M. Ksander et. al.等に従って合成できる。また、スルホニル化試薬(例えば、スルホン酸ハロゲン化物)の一部のものは市販品として入手可能であり、その他のものは新実験化学講座14巻、1787頁、(1978)、Synthesis 852-854 (1986) Tatsuo Hamada et. al.等に従って合成できる。保護されたカルボキシル基としては、例えば、エステル(例えば、メチルエステル、tert−ブチルエステル、ベンジルエステル)化されたカルボキシル基が挙げられる。これらの保護基の脱離は、保護基に応じて酸(例えば、塩酸、トリフルオロ酢酸)または塩基(例えば、水酸化ナトリウム等)の存在下に加水分解するか、または接触還元(例えば、10%パラジウム-炭素触媒存在下)することによって実施されるが、化合物(Ib-1)を得るためには、エステルのまま第2工程のヒドロキサム酸化を行なってもよい。スルホニル化反応の溶媒としては、化合物(XV)においてR15が水素であるアミノ酸の場合には、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、水またはそれら混合溶媒が好ましいが、R15が保護基であるエステル体の場合には、この他に水不溶性溶媒(例えば、ベンゼン、ジクロロメタン)と上記溶媒との混合溶媒が挙げられる。スルホニル化反応に用いられる塩基は、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン等の有機塩基、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の無機塩基等である。反応温度は通常、氷冷〜室温である。尚、化合物(Ia-1)におけるR1、R3、R4、R5またはR15がスルホニル化に障害となる置換基(例えば、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、グアニジノ)を有する基である場合には、Protective Groups in Organic Synthesis, Theodora W Green (John Wiley & Sons) 等に記載の方法で予め保護し、望ましい段階でその保護基を除去すればよい。また、R2が水素でない場合は、さらにジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の溶媒中、氷冷下〜80℃、好ましくは氷冷下〜室温でハロゲン化アルキル(例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル等)やハロゲン化アラルキル(例えば、ベンジルクロリド、ベンジルブロミド等)等を加え、3〜30時間、好ましくは10〜20時間攪拌することにより目的のN−R2体を得ることができる。
ヒドロキサム酸(Ib-1)は、ヒドロキシルアミンを化合物(Ia-1)またはその反応性誘導体に作用させることによって製造されるが、ヒドロキシルアミンは通常、その酸付加塩(例えば、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩;市販品として入手可能)を塩基の存在下で反応に使用する。塩基としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン等の有機塩基、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。化合物(Ia-1)をそのままヒドロキサム酸化の原料として使用するときには、ペプチド縮合試薬(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N,N'−カルボニルジイミダゾ−ルまたはそれらのいずれかと1−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル、N−ヒドロキシコハク酸イミド等との混合物)等の存在下に反応を行う。溶媒としては、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、水またはそれら混合溶媒が用いられ、反応温度は、−20℃〜40℃、好ましくは氷冷〜室温で、反応時間は1時間〜16時間である。
化合物(Ia-1)の反応性誘導体としては、酸無水物(特に、混合酸無水物)、酸ハロゲン化物、酸アジドまたはエステルを使用する。これらの反応性誘導体は通常の方法で製造されるが、酸無水物は、例えば、化合物(Ia-1)に塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下に酸ハロゲン化物(例えば、クロロ炭酸エチル)を作用させ、酸ハロゲン化物は、例えば、化合物(Ia-1)にハロゲン化試薬(例えば、オキサリルクロリド、チオニルクロリド)を作用させて製造できる。
また、エステルは非活性エステルもしくは活性エステルから選択することができるが、非活性エステルは第1工程で化合物(XV)においてR15がカルボキシ保護基(例えば、メチル、tert−ブチル、ベンジル)であるものを、スルホニル化した生成物を脱保護せずそのまま使用すればよく、活性エステルは化合物(Ia-1)にカルボジイミド(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)と1−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ルまたはN−ヒドロキシコハク酸イミド等活性エステル残基に対応するヒドロキシ体とを作用させて製造できる。化合物(Ia-1)の反応性誘導体のヒドロキサム酸化の反応条件は、化合物(Ia-1)をそのまま用いるときのヒドロキサム酸化と同一でよい。なお、第1工程および第2工程の反応は単一反応槽(いわゆるワンポット)で行なってもよい。
本工程で使用される保護されたヒドロキシルアミンとしては、例えば、O-ベンジルヒドロキシルアミン、O-(p-メトキシベンジル)ヒドロキシルアミン、O-(tert-ブチル)ヒドロキシルアミン等が挙げられる。反応条件は第2工程における反応条件と同じでよい。
(第4工程)
本工程では水素雰囲気下での接触還元、あるいは濃塩酸またはトリフルオロ酢酸との処理によって保護基を除去し、目的の式(Ib-1)で示される化合物に導く。このように製造された本発明化合物(Ia-1)および(Ib-1)は公知の分離、精製手段(例えば、クロマトグラフィ−、結晶化法等)により単離精製することができる。
A法第1工程と同様に行うことができる。
(第2工程)
化合物(XVII)をジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、ベンゼン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、パラジウム触媒(例えば、Pd(Ph3P)2Cl2等)、2価の銅試薬(例えば、CuI等)、有機塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等)の存在下、エチニルベンゼン等のエチニル基を有する、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール誘導体を反応させることにより(Heck反応)、目的とする化合物(XVIII)へと変換することができる。反応温度は、室温〜100℃、好ましくは室温〜80℃、反応時間は、3〜30時間、好ましくは10〜20時間である。置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール誘導体が本反応の障害となる置換基を有する場合には、Protective Groups in Organic Synthesis, Theodora W Green (John Wiley & Sons) 等に記載の方法で予め保護し、望ましい段階でその保護基を除去すればよい。
(第3工程)
A法第1工程と同様に行うことができる。
(第4工程)
A法第2〜第4工程と同様に行うことができる。
化合物(XVII)をジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、ベンゼン、テトラヒドロフラン等の溶媒中、パラジウム触媒(例えば、 Pd(Ph3P)4等)、塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、トリエチルアミン、ナトリウムメトキシド等)の存在下、フェニルボロン酸等のB(OH)2(他にB(Et)2等)基を有する、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール誘導体と反応させることにより(鈴木反応)、目的とする化合物(XIX)へと変換することができる。反応温度は、室温〜100℃、好ましくは室温〜80℃、反応時間は、5〜50時間、好ましくは15〜30時間である。置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール誘導体が本反応の障害となる置換基を有する場合には、Protective Groups in Organic Synthesis, Theodora W Green (John Wiley & Sons) 等に記載の方法で予め保護し、望ましい段階でその保護基を除去すればよい。
(第2工程)
A法第1工程と同様に行うことができる。
(第3工程)
A法第2〜第4工程と同様に行うことができる。
A法第1工程と同様に行うことができる。
(第2工程)
化合物(XX)を、メタノール、エタノール、酢酸エチル、酢酸等の溶媒中、触媒(Pd-C, PtO2, Raney Ni等)の存在下、水素雰囲気下、常圧または加圧条件下で反応させることにより、目的とする化合物(XXI)を得ることができる。反応温度は、氷冷下〜80℃、好ましくは室温〜50℃、反応時間は、1〜10時間、好ましくは2〜5時間である。
(第3工程)
化合物(XXI)を、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、キシレン、トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン等の溶媒中、塩基(例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、炭酸カリウム等)の存在下、ベンゾイルクロリド等の酸ハライド官能基(他に活性エステル等)を有する置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール誘導体を反応させることにより、目的とする化合物(XXII)へと変換することができる。反応温度は、氷冷下〜100℃、好ましくは室温〜60℃、反応時間は、3〜30時間、好ましくは10〜25時間である。
(第4工程)
A法第1工程と同様に行うことができる。
(第5工程)
A法第2〜第4工程と同様に行うことができる。
A法第1工程と同様に行うことができる。
(第2工程)
化合物(XXIII)をジクロロメタン、酢酸エチル、メタノール等の溶媒中、オゾンを添加することによりオゾニドを形成させ、引き続き同じ系中に亜鉛−酢酸、トリエチルホスフェート、あるいはジメチルスルフィド等を加えることにより還元的処理を行い、目的のアルデヒド誘導体(化合物(XXIV))へと変換することができる(還元的処理は接触水素添加でもよい)。反応温度は、−100℃〜室温、好ましくは−78℃〜氷冷下、反応時間は、0.5〜10時間、好ましくは1〜3時間である。
(第3工程)
化合物(XXIV)を、テトラヒドロフラン、エーテル等の溶媒とメタノール、エタノール等の溶媒の混合溶媒中、ベンゼンスルホニルヒドラジドを反応させることにより目的とする化合物(XXV)へと変換することができる。反応温度は、氷冷下〜80℃、好ましくは室温〜50℃、反応時間は、3〜30時間、好ましくは10〜20時間である。
(第4工程)
アニリン等のアミノ基を有する、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール誘導体をアルコール(例えば、エタノール等)−水の混合溶媒に溶解し、系中の温度を−20℃〜10℃、好ましくは0℃〜5℃にて濃塩酸、および亜硝酸ナトリウム水溶液等のジアゾ化剤を加えて、ジアゾニウム塩に変換する。反応時間は5分〜1時間、好ましくは10〜30分である。この反応溶液を化合物(XXV)のピリジン溶液に加え、−30℃〜50℃、好ましくは−15℃〜室温で1〜10時間、好ましくは2〜5時間反応させることにより、目的の化合物(XXVI)へと変換させることができる。置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール誘導体が本反応の障害となる置換基を有する場合には、Protective Groups in Organic Synthesis, Theodora W Green (John Wiley & Sons) 等に記載の方法で予め保護し、望ましい段階でその保護基を除去すればよい。
(第5工程)
A法第1工程と同様に行うことができる。
(第6工程)
A法第2〜第4工程と同様に行うことができる。
化合物(XXIV)のトルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、エーテル、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、−100℃〜室温、好ましくは−78℃〜氷冷下で、別途通常の方法により調製したPh3P=CHPh等の置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール誘導体のイリド体を加え、1〜20時間、好ましくは1〜5時間攪拌することにより目的とする化合物(XXVII)へと変換することができる。置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール誘導体が本反応の障害となる置換基を有する場合には、Protective Groups in Organic Synthesis, Theodora W Green (John Wiley & Sons) 等に記載の方法で予め保護し、望ましい段階でその保護基を除去すればよい。
(第2工程)
A法第1工程と同様に行うことができる。
(第3工程)
A法第2〜第4工程と同様に行うことができる。
また、本発明化合物は特定の異性体に限定するものではなく、全ての可能な異性体やラセミ体を含むものである。
本発明化合物は後述する実験例の記載の通り、優れたメタロプロテイナーゼ阻害活性、とりわけMMP阻害活性を示し、マトリックス分解を阻害する。従って、本発明化合物はMMP、およびその類縁酵素であるTNF−αコンバーターゼ等に起因する疾患に有効である。
具体的には、変形性関節症、関節リウマチ、角膜潰瘍、歯周病、腫瘍の転移または浸潤、ウイルス感染症(例えば、HIV感染症)の進行、閉塞性動脈硬化症、動脈硬化性動脈瘤、粥状動脈硬化症、再狭窄、敗血症、敗血症ショック、冠状血栓症、異常血管新生、強膜炎、多発性硬化症、開放角緑内障、網膜症、増殖性網膜症、血管新生緑内障、翼状皮膚、角膜炎、水泡性表皮剥離、乾癬、糖尿病、腎炎、神経性疾患、歯肉炎、腫瘍増殖、腫瘍血管新生、眼腫瘍、血管線維腫、血管腫、熱病、出血、凝固、悪液質、食欲不振、急性感染症、ショック、自己免疫症、マラリア、クローン病、髄膜炎、および胃腸潰瘍の予防または治療剤として使用することができる。
投与量は疾患の状態、投与ルート、患者の年齢、または体重によっても異なり、最終的には医師の判断に委ねられるが、成人に経口で投与する場合、通常0.1〜100mg/kg/日、好ましくは1〜20mg/kg/日、非経口で投与する場合、通常0.01〜10mg/kg/日、好ましくは0.1〜1mg/k g/日を投与する。これを1回あるいは数回に分割して投与すればよい。
以下に実施例および実験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
p−TsOH:p−トルエンスルホン酸
DMSO:ジメチルスルホキシド
Me:メチル
tBu:tert−ブチル
元素分析値(%) C21H20N2O4S
計算値:C;63.62, H;5.08, N;7.07, S;8.09
実験値:C;63.61, H;5.12, N;6.98, S;8.06
IRνmax(cm−1)(Nujol):3365, 3295, 3266, 1674, 1320, 1159
NMR(δppm)d6-DMSO:2.61 (dd, J=8.6, 13.4Hz, 1H), 2.80 (dd, J=6.0, 13.6Hz, 1H), 3.80 (m, 1H)
[α]D: +18.5±1.2(c=0.503%, 25℃, DMSO)
(R)-フェニルアラニンベンジルエステル・p-トルエンスルホン酸塩(化合物 XV-1') 2.5g(5.85mmol)のジクロロメタン60ml溶液に、トリエチルアミン1.8ml(12.87mmol)、次いで4-ビフェニルスルホニルクロリド1.63g(6.44mmol)を氷冷下に加えた。室温2時間撹拌後、2N-塩酸、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水にて順次洗浄した。減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール=40/1から20/1にて溶出する部分を集め、ジクロロメタン/ヘキサンより再結晶し、化合物 Ia-1-1' 2.32gを得た。収率84.1%。融点130-131℃。
元素分析値(%) C28H25NO4S
計算値:C;71.32, H;5.34, N;2.97, S;6.80
実測値:C;71.05, H;5.41, N;3.00, S;6.81
IRνmax(cm−1)(Nujol):3352, 1732, 1341, 1190, 1163
NMR(δppm)(CDCl3):3.06 (d, J=5.8Hz, 2H), 4.30 (dt, J=6.0, 9.0Hz, 1H), 4.89 (s, 2H), 5.12 (d, J=9.0Hz, 1H), 6.98-7.81 (m, 14H)
[α]D: -16.4±1.1(c=0.506%, 25℃, MeOH)
第1工程で得た化合物 Ia-1-1' 2.28gをメタノール/酢酸エチル=1/1の50ml混液に溶解させ、10%パラジウム-炭素200mgと共に25分間水添した。触媒を濾去後、減圧濃縮し残渣をジクロロメタン/ヘキサンより再結晶し、化合物Ia-1-1" 1.83gを得た。収率99.1%。融点146-147℃。
元素分析値(%) C21H19NO4S
計算値:C;66.12, H;5.02, N;3.67, S;8.41
実測値:C;65.97, H;5.06, N;3.61, S;8.48
IRνmax(cm−1)(Nujol):3408, 3305, 1751, 1325, 1161, 1134
NMR(δppm)(CDCl3):2.97 (dd, J=7.0, 13.8Hz, 1H), 3.14 (dd, J=5.2, 14.0Hz,1H), 4.13 (m, 1H), 7.03-7.78 (m, 14H)
[α]D: -4.0±0.4(c=1.000%, 25℃, MeOH)
第2工程で得た化合物Ia-1-1"1.0g(2.62mmol)のジクロロメタン20ml溶液にオキサリルクロリド0.33ml(3.93mmol)、ジメチルホルムアミド1滴を加え室温1時間撹拌した。減圧濃縮後、テトラヒドロフラン10mlに溶解させた。一方、ヒドロキシルアミン塩酸塩911mg(13.1mmol)を、炭酸水素ナトリウム1.54g(18.34mmol)を含むテトラヒドロフラン10ml、水10ml混液中で氷冷下に5分間撹拌した。これに前記の酸クロリドのテトラヒドロフラン溶液を加え30分間撹拌した。反応液を水にあけ酢酸エチルにて抽出し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水にて順次洗浄、減圧濃縮し、残渣969mg(化合物 Ia-1)を得た。収率93.3%。
第2工程で得た化合物Ia-1-1" 2.0g(5.24mmol)のジメチルホルムアミド20ml溶液に1-ヒドロキシベンゾトリアゾールハイドレート0.7g(5.24mmol)、N-メチルモルホリン2.9ml(26.2mmol)、1-エチル-3-(3-ジイソプロピルアミノ)カルボジイミド塩酸塩(8mmol)、次いでO-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩1.67g(10.48mmol)を加え室温にて6時間撹拌した。反応液を水にあけ酢酸エチルで抽出、2N-塩酸、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水にて順次洗浄した。減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル/ヘキサン=1/1にて溶出する部分を集め、ジクロロメタン/ヘキサンより再結晶し、化合物XVI-1 2.04gを得た。収率80%。融点171-173℃。
元素分析値(%) C28H26N2O4S
計算値:C;69.12, H;5.39, N;5.76, S;6.59
実測値:C;68.85, H;5.46, N;5.76, S;6.78
IRνmax(cm−1)(Nujol):3248, 1661, 1594, 1333, 1163
NMR(δppm)(CDCl3):2.85-3.60 (m, 2H), 3.86 (m, 1H), 4.77 (ABq-Apart, J=11.4Hz, 1H), 4.82 (ABq-Bpart, J=11.4Hz, 1H), 5.00 (m, 1H), 6.95-7.70 (m, 19H)
[α]D: -40.2±1.6(c=0.505%, 25℃, DMSO)
第4工程で得た化合物XVI-1 1.97gをメタノール/酢酸エチル=1/1の60ml混液に溶解させ、10%パラジウム-炭素200mgと共に3.5時間水添した。触媒を濾去後、減圧濃縮し残渣をジクロロメタン/ヘキサンより再結晶し、化合物Ib-1-1 1.35gを得た。収率84.4%。
実施例1’と同様にして表1〜22に示す化合物を合成した。
D-バリンメチルエステル塩酸塩(XV-2)755mg(4.5mmol)のジクロロメタン12ml溶液に、N-メチルモルホリン1.49ml(3×4.5mmol)、次いで5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド1.24g(1.05×4.5mmol)を氷冷下に加えた。室温にて15時間撹拌した後2N-塩酸、5%炭酸水素ナトリウム水、水にて順次洗浄した。芒硝にて乾燥後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行った。酢酸エチル/n-ヘキサン=1/3にて溶出する部分を集め、n-ヘキサンにて洗浄し、融点109-110℃の目的物(XVII-1)1.32g(収率82%)を得た。
元素分析C10H14BrNO4S2として
計算値:C;33.71 H;3.96 Br;22.43 N;3.93 S;18.00
実験値:C;33.75 H;3.89 Br;22.43 N;3.96 S;17.86
[α]D-34.5±0.7(c=1.012 CHCl3 25℃)
IR(CHCl3,νmax cm-1)1737,1356,1164,1138
NMR(CDCl3,δppm): 0.89(d,J=6.8Hz,3H), 1.00(d,J=6.8Hz,3H), 2.00 (m,1H), 3.60(s,3H), 3.83(dd,J=5.2,10.0Hz,1H), 5.20(d,J=10.0Hz,1H), 7.04(d,J=4.1Hz,1H),7.32(d,J=4.1Hz,1H)
化合物(XVII-1)400mg(1.12mmol)のジメチルホルムアミド5ml溶液に4-メトキシフェニルアセチレン222mg(1.5×1.12mmol)、ヨウ化銅(I)21mg(0.1×1.12mmol)を加えアルゴンガス雰囲気下に良く脱気した。次いでビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド39mg(0.05×1.12mmol)、トリエチルアミン0.47ml(3×1.12mmol)を加え、再度アルゴンガス雰囲気下に良く脱気した。この混合物を50℃、アルゴン雰囲気下に1夜加熱、撹拌した。反応液を酢酸エチルにて希釈し、1N-塩酸、5%炭酸水素ナトリウム水、水にて順次洗浄する。芒硝乾燥、減圧濃縮して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付す。n-ヘキサン/酢酸エチル=2/1にて溶出する部分を集め、酢酸エチル/n-ヘキサンより再結晶し、融点131-132℃の目的物(XVIII-1)392mg(収率86%)を得た。
分析値C19H21NO5S2・0.2H2Oとして
計算値:C;55.51 H;5.25 N;3.41 S;15.60
実験値:C;55.80 H;5.19 N;3.38 S;15.36
IR(KBr,νmax cm-1)3268,2203,1736,1604,1524,1348,1164
NMR(CDCl3,δppm): 0.90(d,J=6.6Hz,3H), 1.00(d,J=7.0Hz,3H), 2.00(m, 1H), 3.60(s,3H), 3.84(s,3H), 3.86(dd,J=5.0,10.2Hz,1H), 5.21(d,J=10.2 Hz,1H),6.90(d,J=9.0Hz,2H),7.44(d,J=9.0Hz,2H),7.12(d,J=4.0Hz,1H),7.44(d,J=4.0Hz,1H)
化合物(XVII-1)407mg(1mmol)のテトラヒドロフラン8ml、メタノール8ml混合溶液に1N-苛性ソーダ5.1mlを加え、60℃にて6時間加熱、撹拌した。反応液より減圧濃縮にて有機溶媒を除き、残渣を酢酸エチルで希釈した。クエン酸水溶液で酸性にした後、酢酸エチル抽出、ブラインにて洗浄した。芒硝乾燥、減圧濃縮し、化合物(Ia-2-1)373mg(収率100%)を得た。
融点:147〜148℃
IR(KBr,νmax cm-1):1710,1604,1351,1216
元素分析C18H19NO5S2・0.2H2Oとして
計算値:C;54.45 H;4.92 N;3.53 S;16.15
実験値:C;54.39 H;4.93 N;3.79 S;15.96
実施例92と同様にして表23〜30に示す化合物を合成した。
実施例96と同様に合成した化合物(XVIII-2)150mg(0.33mmol)のジメチルホルムアミド2ml溶液に炭酸カリウム227mg(5x0.33mmol)、ヨウ化メチル0.1ml(5x0.33mmol)を加え、室温にて一夜攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。水洗、芒硝乾燥、減圧濃縮し、油状のN−メチル体化合物373mg(収率91%)を得た。
分析値C24H23NO5S2として
計算値:C;61.39 H;4.94 N;2.98 S;13.66
実験値:C;61.22 H;5.18 N;2.93 S;13.27
さらに上記で得た油状化合物140mgのメタノール2ml溶液に1N-NaOH 0.6mlを加え、室温にて一夜攪拌した。反応液を2N-HClにて酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。水洗、芒硝乾燥、減圧濃縮し、融点185〜186℃の化合物(Ia-2-66)(R=Me)105mg(収率77%)を得た。
分析値C23H21NO5Sとして
計算値:C;60.64 H;4.65 N;3.07 S;14.08
実験値:C;60.56 H;4.84 N;3.01 S;13.94
IR(KBr,νmax cm-1)3600-2300br,3426,2203,1710,1604,1503,1344, 1151
NMR(d6-DMSO,δppm):2.88(s,3H),2.93(dd,J=12.0,10.2Hz,1H),3.19 (dd,J=14.2,5.6Hz,1H), 3.81(s,3H), 4.74(dd,J=5.4,10.2Hz,1H), 6.99-7.04(m,2H),7.20-7.35(m,7H),7.52-7.56(m,2H),6.90(d,J=9.0Hz, 2H),7.44(d,J=9.0Hz,2H),7.12(d,J=4.0Hz,1H),7.44(d,J=4.0Hz,1H)
同様に実施例157として、R2=CH2Phの化合物(Ia-2-67)を合成した。
IR(KBr,νmax cm-1):2200,1722,1340,1151
NMR(d6-DMSO,δppm):2.94(dd,J=7.6,13.8Hz,1H),3.19 (dd,J=7.2, 14.4Hz,1H), 3.83(s,3H), 4.29(d,J=16.2Hz,1H),4.62(d,J=16.2Hz,1H)(特徴的なピークのみ示した。)
実施例96で得た化合物(XVII-2)500mg(1.4mmol)の乾燥テトラヒドロフラン12ml溶液に、粉末炭酸カリウム387mg(2×1.4mmol)、4-メトキシフェニルボロン酸319mg(1.5×1.4mmol),テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム81mg(0.05×1.4mmol)を加え、アルゴン雰囲気下に75℃で48時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、1N-塩酸、5%炭酸水素ナトリウム水、水にて順次洗浄した。芒硝乾燥、減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。n-ヘキサン/酢酸エチル=3/1にて溶出する部分を集め、n-ヘキサンで結晶化し、融点122-123℃の目的物(XIX-1)447mg(収率83%)を得た。
元素分析C17H21NO5S2として
計算値C;53.25 H;5.52 N;3.65 S;16.72
実験値C;53.26 H;5.50 N;3.69 S;16.63
[α]D-21.7±0.6(c=1.000 DMSO 25℃)
IR(KBr,νmax cm-1)1735,1605,1505,1350,1167,1136
NMR(CDCl3,δppm):0.90(d,J=7.0Hz,3H),1.00(d,J=6.6Hz,3H), 2.10(m, 1H),3.54(s,3H),3.85(s,3H),3.87(dd,J=5.0,10.2Hz,1H),5.20(d,J=10.2Hz,1H),6.94(d,J=9.0Hz,2H),7.52(d,J=9.0Hz,2H),7.11(d,J=4.0Hz,1H),7.49(d,J=4.0Hz,1H)
第2工程
化合物(XIX-1)390mg(1.01mmol)のテトラヒドロフラン8ml、メタノール8ml混合溶液に1N-苛性ソーダ5.1mlを加え、60℃にて6時間加熱、撹拌した。反応液より減圧濃縮にて有機溶媒を除き、残渣を酢酸エチルで希釈した。クエン酸水溶液で酸性にした後、酢酸エチル抽出、ブラインにて洗浄した。芒硝乾燥、減圧濃縮し、373mg(収率100%)の化合物(Ia-3-1)を得た。
融点:174〜176℃
IR(KBr,νmax cm-1):1735,1503,1343,1163
実施例159と同様にして表31〜32に示す化合物を合成した。
D-バリン-tert-ブチルエステル塩酸塩(XV-3)10g(47.68mmol)のジクロロメタン100ml溶液にN-メチルモルホリン15.7ml(3×47.68mmol)、次いで4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド14.1g(1.2×47.68mmol)を氷冷下に加えた。室温にて5時間撹拌後2N-塩酸、5%炭酸水素ナトリウム水、水にて順次洗浄した。芒硝乾燥後、減圧濃縮し、残渣をジクロロメタン/n-ヘキサンから再結晶し、融点89-90℃の目的物(XX-1)13.3g(収率77.8%)を得た。
元素分析C15H22N2O6Sとして
計算値C;50.27 H;6.19 N;7.82 S;8.95
実験値C;50.04 H;6.10 N;7.89 S;8.84
[α]D-2.9±0.8(c=0.512 DMSO 23℃)
IR(KBr,νmax cm-1)3430br,3301,1722,1698,1525,1362,1348,1181, 1174,1159
化合物(XX-1)13.29g(37.08mmol)のメタノール200ml溶液に10%パラジウム/炭素1gを加え、室温にて水素ガスと共に接触還元を行った。2時間後触媒を濾去し、減圧濃縮した。残渣をアセトン/n-ヘキサンから再結晶し、融点164-166℃のアミン体(XXI-1)11.5g(収率94.4%)を得た。
元素分析C15H24N2O4Sとして
計算値C;54.86 H;7.37 N;8.53 S;9.76
実験値C;54.84 H;7.33 N;8.63 S;9.50
[α]D+10.3±1.0(c=0.515 DMSO 23℃)
IR(KBr,νmax cm-1)3461,3375,1716,1638,1598,1344,1313
NMR(d-DMSO,δppm):0.80(d,J=6.8Hz,3H),0.82(d,J=6.6Hz,3H),1.23(s, 9H),1.83(m,1H),3.30(m,1H),5.86(s,2H),6.56(d,J=8.8Hz,2H),7.36(d,J=8.6Hz,2H),7.47(d,J=9.6Hz,1H)
化合物(XXI-1)328mg(1mmol)のジクロロメタン10ml溶液にN-メチルモルホリン0.33ml(3×1mmol)、次いで4-メチルチオベンゾイルクロリド280mg(1.5×1mmol)を氷冷下にて順次加えた。室温にて1夜撹拌し、エチルエーテルを加えた。析出した結晶を集め、氷水、エチルエーテルにて洗浄した。アセトン/エチルエーテルから再結晶し、融点235-238℃の目的物(XXII-1)433mg(収率90.5%)を得た。
元素分析C23H30N2O5S2として
計算値C;57.72 H;6.32 N;5.85 S;13.40
実験値C;57.63 H;6.28 N;5.86 S;13.20
[α]D+5.7±0.9(c=0.512 DMSO 25℃)
IR(KBr,νmax cm-1)3366,3284,1713,1667,1592,1514,1498,1341,1317
NMR(d6-DMSO,δppm):0.82(d,J=6.6Hz,3H),0.84(d,J=6.8Hz,3H), 1.22(s,9H),1.91(m,1H),2.55(s,3H),3.32(s,3H),3.44(dd,J=6.2,8.6Hz,1H),7.40(d,J=8.6Hz,2H),7.73(d,J=8.6Hz,2H),7.90-8.01(m,5H),10.48 (s,1H)
化合物(XXII-1)405mg(0.85mmol)のジクロロメタン3ml溶液に、トリフルオロ酢酸3.3ml(50×0.85mmol)を加え、室温2時間撹拌した。減圧濃縮した後、残渣をエチルエーテルにて洗浄し、融点23 1-234℃の目的物(Ia-4-1)340mg(収率94.7%)を得た。
融点:231〜234℃
IR(KBr,νmax cm-1):1748,1655,1592,1323,1161
元素分析C19H22N2O5S2・0.1CF3COOHとして
計算値:C;53.14 H;5.13 N;6.46 S;14.78
実験値:C;53.48 H;5.31 N;6.57 S;15.06
実施例176と同様にして表33〜36に示す化合物を合成した。
D-バリンtert−ブチルエステル塩酸塩(XV-3)20.94g(99.8mmol)のジクロロメタン200ml溶液に、N-メチルモルホリン22ml(2×99.8mmol)、次いでp-スチレンスルホニルクロリド20.27g(99.8mmol)を氷冷下に加えた。室温にて15時間撹拌した後、2N-塩酸、5%炭酸水素ナトリウム水、水にて順次洗浄した。芒硝にて乾燥後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル/n-ヘキサン/クロロホルム=1/3/1にて溶出する部分を集め、n-ヘキサンにて洗浄し、融点118-120℃の目的物(XXIII-1)28.93g(収率85%)を得た。
IR(KBr,νmax cm-1)3419,3283,1716,1348,1168
NMR(CDCl3,δppm):0.85(d,J=6.9Hz,3H),1.00(d,J=6.6Hz,3H),1.21(s, 9H),2.04(m,1H),3.62(dd,J=9.8,4.5Hz,1H),5.09(d,J=9.8Hz,1H),5.41(dd,J=0.5,10.9Hz,1H),5.84(dd,J=0.5,17.6Hz,1H),6.72(dd,J=10.9,17.6Hz,1H),7.49(d,J=8.4Hz,2H),7.79(d,J=8.4Hz,2H)
化合物(XXIII-1)5.09g(15mmol)のジクロロメタン300ml溶液に、−78℃にて15分間オゾンを通じた。次いでメチルスルフィド22ml(20×15mmol)を加え、80分を要して室温にした後、減圧濃縮し、6.03gの
アルデヒド体(XXIV-1)を得た。
IR(CHCl3,νmax cm-1)3322,1710,1351,1170
NMR(CDCl3,δppm):0.85(d,J=6.9Hz,3H),1.00(d,J=6.9Hz,3H),1.22(s, 9H),2.07(m,1H),3.69(dd,J=4.5,9.9Hz,1H),8.01(s,4H),10.08(s,1H)
化合物(XXIV-1)6.02g(15mmol)のエタノール60ml、テトラヒドロフラン15ml混合溶液にベンゼンスルホニルヒドラジド2.72g(1.05×15mmol)を加え、室温2時間撹拌した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/酢酸エチル=1/4にて溶出する部分を集めた。酢酸エチルより再結晶を行い、融点163-164℃の目的物(XXV-1)4.44gを得た。第2工程から60%。
元素分析C22H29N3O6S2として
計算値C;53.32 H;5.90 N;8.48 S;12.94
実験値C;53.15 H;5.87 N;8.32 S;12.82
[α]D-11.6±1.0(c=0.509 DMSO 23.5℃)
IR(KBr,νmax cm-1)3430,3274,1711,1364,1343,1172
NMR(CDCl3,δppm):0.84(d,J=6.9Hz,3H),0.99(d,J=6.6Hz,3H),1.19(s, 9H),2.00(m,1H),3.63(dd,J=4.5,9.9Hz,1H),5.16(d,J=9.9Hz,1H),7.50-7.68(m,5H),7.73(s,1H),7.78-7.84(m,2H),7.96-8.02(m,2H),8.16(brs,1H)
4-メチルメルカプトアニリン0.14ml(1.11×1mmol)の50%エタノール水溶液に濃塩酸0.3mlを加え、内温0〜5℃にて撹拌した。これに亜硝酸ソーダ78.4mg(1.14×1mmol)の水1ml溶液を加え、同温15分間撹拌した。一方、化合物(XXV-1)496mg(1mmol)の乾燥ピリジン5ml溶液を−25℃にて撹拌し、これに先の反応液を8分間で加えた。さらに−15℃から室温で4時間撹拌した。反応液を水に注ぎ込み酢酸エチルにて抽出した。2N-塩酸、5%炭酸水素ナトリウム水、水にて順次洗浄後、芒硝乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/酢酸エチル=1/9にて溶出する部分を集め、374mg(収率74%)の目的物(XXVI-1)を得た。
元素分析C23H29N5O4S2・0.3H2Oとして
計算値C;54.27 H;5.86 N;13.76 S;12.60
実験値C;54.25 H;5.77 N;13.87 S;12.52
IR(KBr,νmax cm-1)3422,3310,1705,1345,1171
NMR(d6-DMSO,δppm):0.83(d,J=6.9Hz,3H),0.86(d,J=7.2Hz,3H), 1.19(s,9H),2.00(m,1H),2.59(s,3H),3.54(dd,J=6.3,9.6Hz,1H),7.56(d,J=8.7Hz,2H),8.00(d,J=8.6Hz,2H),8.10(d,J=8.7Hz,2H),8.33(d,J=9.6Hz,2H),8.34(d,J=8.7Hz,2H)
化合物(XXVI-1)353mgのジクロロメタン2.5ml、トリフルオロ酢酸2.5ml混合溶液を、室温にて3時間撹拌した。減圧濃縮後、残渣をエチルエーテルにて洗浄し、化合物(Ia-5-1)308mg(収率98%)を得た。
融点:194〜195℃
IR(KBr,νmax cm-1):1720,1343,1166
元素分析C19H21N5O4S2・1.1H2Oとして
計算値:C;48.83 H;5.00 N;14.99 S;13.72
実験値:C;49.13 H;5.25 N;14.55 S;13.34
実施例209と同様にして表37〜43に示す化合物を合成した。
実施例157と同様にして表44〜45に示す化合物を合成した。
実施例92と同様にして表46に示す化合物を合成した。
実験例
(1) MMP-9(92kDa、ゼラチナ−ゼB)の単離・精製
以下の文献を参照し、IV型コラゲナ−ゼ(MMP-9)を精製した。
Scott M.Wilhelm et al, J. Biol. Chem., 264, 17213-17221, (1989) SV40-transformed Human Lung Fibroblasts Secrete a 92-kDa Type IV Collagenase Which Is Identical to That Secreted by Normal Human Macrophages (SV40で形質転換されたヒト肺繊維芽細胞は正常ヒトのマクロファ−ジにより分泌されたものと同一の92-kDa IV型コラゲナ−ゼを分泌する);Yasunori Okada et al, J. Biol. Chem., 267, 21712-21719, (1992) Matrix Metalloproteinase 9 (92-kDa Gelatinase/TypeIV Collagenase) from HT 1080 Human Fibrosarcoma Cells (HT 1080株のヒトの線維芽肉腫細胞からのマトリックスメタロプロテイナ−ゼ 9 (92k-Daゼラチナ−ゼ/IV型コラゲナ−ゼ);Robin V. Ward et al,Biochem. J., (1991) 278, 179-187 The purification of tissue inhibitor of metalloproteinase-2 from its 72kDa progelatinase complex (72kDa プロゼラチナ−ゼ複合体からのメタロプロテイナ−ゼ-2の組織阻害剤の精製);
(2) IV型 コラゲナ−ゼ阻害剤アッセイ方法
コラゲナーゼは前記MMP-9、基質及び測定キットは(株)ヤガイのIV型コラゲナーゼ活性測定キットを使用し、アッセイ法は(株)ヤガイの処方に従った。阻害剤のアッセイは1つの化合物(阻害剤)について次の4つのアッセイを行う。
(A) 基質(IV型コラ−ゲン)、酵素(MMP-9)、阻害剤
(B) 基質(IV型コラ−ゲン)、阻害剤
(C) 基質(IV型コラ−ゲン)、酵素(MMP-9)
(D) 基質(IV型コラ−ゲン)
それぞれについて(株)ヤガイのアッセイ方法に従い、螢光強度を測定し、次式により阻害(%)を求めた。
阻害(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
IC50は阻害(%)が50%になる濃度を示す。結果を表47〜表54に示す。
Claims (25)
- 式(I):
- 式(I):
- IV型コラゲナーゼ阻害剤である請求項1または2に記載のメタロプロテイナーゼ阻害剤。
- 式(I):
- 式(I’):
- 式(I’’):
- R1、R1’、R1’’およびR13がi−プロピル、ベンジル、または(インドール−3−イル)メチルである請求項4〜19のいずれかに記載の化合物。
- R5、R7、およびR14がアルコキシ、アルキルチオ、またはアルキルで1または2以上置換されていてもよいフェニルである請求項4〜7および請求項10〜19のいずれかに記載の化合物。
- R1、R1’、R1’’およびR13が結合している不斉炭素の配置がRである請求項4〜19記載のいずれかに記載の化合物。
- 請求項4〜19記載のいずれかに記載の化合物を含有する医薬組成物。
- 請求項4〜19記載のいずれかに記載の化合物を含有するメタロプロテイナーゼ阻害剤。
- 請求項4〜19記載のいずれかに記載の化合物を含有するIV型コラゲナーゼ阻害剤。
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