JP2006232694A - 難溶性医薬とシクロデキストリン化合物からなる複合体及びその製造方法 - Google Patents

難溶性医薬とシクロデキストリン化合物からなる複合体及びその製造方法 Download PDF

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啓朗 深水
Kazuo Tomono
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Yoshiyuki Furuishi
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Abstract

【課題】 CDと難溶性医薬を粉砕処理して得られるCDと難溶性医薬複合体に関し、水に対する溶解度を向上させることができるCDと難溶性医薬複合体及びその製造方法の提供。
【解決手段】難溶性医薬とシクロデキストリン化合物を、乾式条件下にガラス性ボールの存在下に混合粉砕して得られることを特徴とする難溶性医薬とシクロデキストリンからなる複合体。難溶性医薬とシクロデキストリン化合物を、乾式条件下にガラス性ボールの存在下に混合粉砕処理して製造することを特徴とする難溶性医薬とシクロデキストリンからなる複合体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、難溶性医薬とシクロデキストリン化合物からなる複合体及びその製造方法に関するものである。
医薬を用いる場合には製剤化された医薬として用いる。この医薬が治療作用を有するためには、その必要とされる部位に到達し、体内に取り込まれ易い状態で体内に取り込まれて作用する。すなわち、体内に取り込まれ易いように製剤化された医薬として投与することが必要である。例えば、多くの医薬は水に溶解しにくい、又は溶けても溶解しにくい水難溶性医薬(前記難溶性医薬と同義)の性質を有している。このような薬物を医薬としてそのまま用いる場合には、水に溶解しないので体内に取り込まれ難い状態となっており、十分な効果を期待できない。この状態のままでは、十分な薬物吸収を行うことが困難であることから、投与経路に工夫が必要となり、また、場合によっては多量の医薬を投与することが必要となり、さらに医薬投与期間を延長するか、又は医薬の高頻度投与を行うことが必要となり、使用するうえで問題となることが考えられる。
前記したように、医薬、とりわけ新薬の場合では、難溶性であることが多いとされている。この場合にはできるだけ水に溶ける状態として体に受け入れられやすい状態として投与することが必要となる。溶解性を向上させる方法としては、より可溶性の誘導体を製造することが提案されており、医薬分子を誘導して水可溶化基、例えばカルボキシル基のようなイオン性基もしくはポリヒドロキシアルキル基のような非イオン性基を導入することが行われる。しかしながら、この方法では、十分に高い治療的効能を発揮させたり、十分に低い毒性を維持させたり、他の副作用を抑えるようにすることが困難である場合が多く、成功することは難しいとされる。
難溶性医薬を水溶性医薬とする場合に、シクロデキストリンの特異な性質を利用して、シクロデキストリン(以下、CDともいう)と共に処理して水溶性複合体とすることが行われてきた。この水溶性複合体を形成する場合に、薬物をシクロデキストリンと粉砕処理を行うことによってメカノケミカルな効果を引き出し、薬物の微粒子化及び非晶質化をはかることが行われる。この場合に必要とされる投薬量は、複合体形成剤の可溶化力に依存するために、製剤化された薬剤の量であると単純に計算して使用することができず、また、生物学的吸収に必要な量の医薬物化合物を徐放することができると言うことにはならないことになる。したがって、粉砕による機械エネルギ−を利用する際にも、できるだけ高エネルギーを与えることにより十分な粉砕に必要とされるエネルギーを与えることができるという考え方から、粉砕媒体としてアルミナやジルコニアなどの硬いものを用いる事が追求されている。しかしながら、この方法は、粉砕によって生ずる摩擦熱の除去が困難な結果となり、さらには医薬などの有機化合物を分解させる結果となることが懸念され、本質的な解決が得られていないと言う状況にある。なお、超微粉砕化された医薬を得るためにミルに供給する圧縮空気の湿度を調製する方法として、特許文献1が知られている。
また、「1種類以上の実質的に水不溶性の有効成分を含む固体混合物を調製する方法であって、溶媒が使用されない溶融―押し出し法を包含し、かつ(a)1種以上のCDと1種以上の有効成分とを混合する段階、(b)かくして得られる混合物に添加剤を混合する段階、(c)かくして得られる混合物を、成分の1種類が溶融し、そして溶融物に他の成分が溶解するまで加熱する段階、(d)かくして得られる混合物を、1個以上のノズルを通して押し出す段階、(e)押し出された混合物が凝固するまで混合物を冷却する段階を含んでいることを特徴とする方法。」が知られている(特許文献2)。しかしながら、この方法はCDを溶融して用いるものであり、煩雑な操作を伴い、医薬の分解が懸念され、この点で問題となる。
また、CDと医薬の混合物を適当な溶媒の存在下に多軸型エクストルーダで押し出してCD包接化合物を製造する方法も知られている(特許文献3)。この方法はCD分子中に薬物の包接化合物の生成を記載しているものと考えられるが、煩雑な操作を伴い、残留溶媒の懸念も完全に払拭できないことから、前記の溶融押し出し法に比較して十分ではないとされる。
このようなことからCDと難溶性医薬を乾式条件下に粉砕処理して得られるCDと難溶性医薬からなる複合体の水に対する溶解度を向上させることができる医薬製剤の開発が要求されている。
特表2002−512117 特許3310299 国際公開94/1103
本発明が解決しようとする課題は、CDと難溶性医薬を粉砕処理して得られるCDと難溶性医薬複合体に関し、水に対する溶解度を向上させることができるCDと難溶性医薬複合体及びその製造方法を提供することである。
本発明者等は、鋭意前記課題について研究し、以下のことを見出した。
CDと難溶性医薬を、ボールミル中で粉砕処理する際に、ガラス製のボールミルを粉砕媒体にして乾式粉砕処理して得られるCDと難溶性医薬からなる複合体は、アルミナやジルコニアを粉砕媒体にして乾式粉砕処理して得られるCDと難溶性薬物からなる複合体と比較して、画期的に溶解度を向上させることができる。
従来、ガラス製のボールミルを粉砕媒体として用いることは、ガラスは壊れ易く、摩擦熱の拡散させることなどで熱伝導性を考えても十分であると言う事ができず、粉砕処理する上では十分な機械エネルギーを与えるためには十分ではなく不向きとされていたにもかかわらず、アルミナやジルコニアを粉砕媒体として用いた場合に比較して、CDと難溶性医薬からなる複合体の水溶解度を大幅に向上させることができたことは意外性があり、またこのようなことで画期的なことである。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)難溶性医薬とシクロデキストリン化合物を、乾式条件下にガラス性ボールの存在下に混合粉砕して得られることを特徴とする難溶性医薬とシクロデキストリンからなる複合体。
(2)前記難溶性医薬とシクロデキストリン化合物の割合が、重量比で1対1〜1対10であることを特徴とする(1)記載の難溶性医薬とシクロデキストリンからなる複合体。
(3)難溶性医薬とシクロデキストリン化合物を、乾式条件下にガラス性ボールの存在下に混合粉砕処理して製造することを特徴とする難溶性医薬とシクロデキストリンからなる複合体の製造方法。
(4)前記難溶性医薬とシクロデキストリン化合物の割合が、重量比で1対1〜1対10であることを特徴とする(3)記載の難溶性医薬とシクロデキストリンからなる複合体の製造方法。
本発明で得られる「難溶性医薬とシクロデキストリン化合物を、乾式条件下にガラス性ボールの存在下に混合粉砕して得られる難溶性医薬とシクロデキストリンからなる複合体」は、従来から存在していた「アルミナボール及びジルコニアボールなどのガラスボールと比較して密度や硬度の高いボールの存在下に乾式条件下に粉砕処理して得られる難溶性医薬とシクロデキストリンからなる複合体」と比較して、より水に対する溶解度が、増加させることができ、難溶性医薬の製剤としては画期的なものである。難溶性医薬の利用を高めることができ、画期的な成果をあげたものである。
本発明に用いられる難溶性医薬は水に溶けない、又は水に僅かしか溶けないという特性を有している医薬を指している。この難溶性については、医薬の溶解性についての特性を表しているが、これらの特性を数値で表現するものとして、日本薬局方の通則によれば、「ほとんど溶けない」とは100(μg/mL)以下と規定されている。
本発明は、難溶性医薬であれば限定されずに、対応できる。
難溶性医薬の具体例をあげると、以下のとおりである。また、このようなことから見て将来出てくるであろう新薬に対しても対応できるものと考えている。
本発明において使用できるような難溶性の化合物の例は、以下の医薬を包含する。
グリメピリド(GMP)、フルルビプロフェン(FLB)、ニフェジピン、イトラコナゾール(米国特許4267179号)、サペルコナゾール(米国特許第4916134号)、(−)−[2S−[2α,4α(S*)]]−4−[4−[4−[4−[[2−(4−クロロフェニル]−2−[[(4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾル−3−イル)チオ]メチル]−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ]−フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−2,4−ジヒドロ−2−(1−メチルプロピル)−3H−1,2,4−トリアゾル−3−オン(WO96/13499における化合物40)、 シサプリド(欧州特許出願公開第76530号記載)、 (B)−N−[4−[2−エチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)ブチル]フェニル]−2−ベンゾチアゾルアミン(WO-97/49704に記載);メチル6,11−ジヒドロ−11−[1−[2−[4−(2−キノリニルメトキシ)フェニル]エチル]−4−ピペリジニリデン]−5H−イミダゾロ[2,1−b][3]ベンズアゼピン−3−カルボキシレート(WO-97/34897に記載);4−[[4−アミノ−6−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]ベンゾニトリル(欧州特許第834,507号に記載);(B−シス−)−1−[4−[4−[4−[[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−3−(1−メチルエチル)−2−イミダゾリジノン;(2S−シス−)−1−[4−[4−[4−[[4−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−3−(1−メチルエチル)−2−イミダゾリジノン;3−[2−[3,4−ジヒドロベンゾフロ[3,2−c]ピリジン−2(1H)−イル]エチル]−2−メチル−4H−ピリド−[1,2−a]ピリミジン−4−オン;N−[2−[4−(4−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]エチル]−2−ベンゾチアゾルアミン;(B1)−N−[4−[2−(ジメチルアミノ)−1−(1H−イミダゾル−1−イル)プロピル]フェニル]−2−ベンゾチアゾルアミン(WO-97/49704に記載);(B)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾル−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン;(B)−N−[4−[2−エチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)ブチル]フェニル]−2−ベンゾチアゾルアミン;3−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチル−3−ピリジニル]−2,5−ジメチル−N,N−ジプロピルピラゾロ[2,3−a]−ピリミジン−7−アミン1塩酸塩;
(S)−[1−[2−[3−[(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)オキシ]−4−メトキシフェニル]プロピル]−1H−イミダゾル−2−イル]シアナミド;及び (+)−(B−トランス)−4−[1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]−2−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]−N−(2,6−ジメチルフェニル)−1−ピペラジンアセトアミド(S)−ヒドロキシブタン二酸塩(1:1)
さらなる適当な有効成分は、粘膜に浸透後、又は−経口投与の場合は−唾液とともに胃管に運ばれた後、局所的な生理学的効果を発揮するもの、ならびに全身性効果を発揮するものである。本発明による組成物から調製される製剤は、具体的には、長時間にわたってそれらの活性を発揮する有効成分、すなわち少なくとも数時間の半減期をもつ薬物のために適している。
それらの例は、次のものである:鎮痛及び抗炎症薬(セレコキシブ、MK966、L−745,337、NSAID、フェンタニル、インドメタシン、ケトプロフェン、ナブメトン、オキシフェンブタゾン、パラセタモール、フェニルブタゾン、ピロキシカム、トラマドール);抗不整脈薬(ガロパミル、プロカインアミド、キニジン、ベラパミル);抗菌及び抗原虫剤(アモキシシリン、アンピシリン、ベンザチン、ペニシリン、ベンジルペニシリン、セファクロール、セファドロキシル、セフプロジル、セフロキシム アクセチル、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロロキン、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クラブラニン酸、シリンダマイシン、ドキシキシクリン、エリスロマイシン、フルクロキサシリン、ハロファントリン、イソナイアジド、カナマイシン、リンコマイシン、メフロキン、ミノサイクリン、ナフシリン、ネオマイシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オキサシリン、フェノキシメチルペニシリン、ピリメタミン−スルファドキシム、キニン、ストレプトマイシン);抗凝血剤(ワーファリン);抗うつ薬(アミトリプチリン、アモキサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ドチエピン、ドキセピン、フルオキセチン、フツボキサミン、ゲピロン、イミプラミン、炭酸リチウム、ミアンセリン、ミルナシプラン、ノルトリプチリン、パロキセチン、セルトラリン、3−[2−[3,4−ジヒドロベンゾフロ[3,2−c]ピリジン−2(1H)−イル]エチル]−2−メチル−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン);抗糖尿病薬(グリベンクラミド、メトフォルミン);抗けいれん薬(カルバマゼピン、クロナゼパム、エトスクシミド、フェノバルミビトン、フェニトイン、ピリミドン、トピラメート、バルプロミド);抗真菌剤(アンホテリシン、クロトリマゾール、エコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール硝酸塩、ナイスタチン、テルビナフィン、ボリコナゾール);抗痛風薬(ベンズブロマロン、プロベネシド);抗ヒスタミン薬(アステミゾール、シンナリジン、シプロヘプタジン、デカルボエトキシロラタジン、フェキソフェナジン、フルナリジン、レボカバスチン、ロラタジン、ノルアステミゾール、オキサトミド、プロメタジン、テルフェナジン);抗高血圧症薬(カプトプリル、クロニジン、シクリジン、ジアゾキシド、ジヒドララジン、エナラプリル、エナラプリル、フォシノプリル、グアネチジン、ケタンセリン、リシノプリル、ミノキシジル、プラゾシン、ラミプリル、レスシナミン、レセルピン、テラゾシン);抗ムスカリン作用薬(硫酸アトロピン、ヒオスチン);抗ウイルス剤(アシクロビル、AZT,ddC,ddI,ガンシクロビル、ロビリデ、チビラピン、3TC、デラビルジン、インジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル);抗悪性腫瘍薬及び代謝拮抗物質(アドリアマイシン、クラドリビン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エトポシド、マイトマイシン、ミトキサントロン、パクリタキセル、タキソール、タキソテレ、トリメトトレキサート、ビンクリスチン、ビンブラスチン);抗偏頭痛薬(アルニジタン、ナラトリプタン、スマトリプタン);抗パーキンソン病薬(ブロモクリプチン メシラート、カルビドパ、レボドパ、セレギリン);抗精神病薬、催眠薬、抗不安薬及び鎮静剤(アルプラゾラム、ブスピロン、クロルジアゼポキシド、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルアゼパム、ハロペリドール、9−ヒドロキシリスペリドン、ロラゼパム、マザペルチン、メルペロン、メタカロン、オランザピン、オキサゼパム、ピモジド、ピパムペロン、ピラセタム、プロマジン、リスペリドン、セルフォテル、セロケル、セルチンドール、スルピリデ、テマゼパム、チオリダジン、チオチキセン、トリアゾラム、トリフルオペラジン、トリフルペリドール、トリフルプロマジン、ジプラシドン、ゾルピデム);抗発作剤(ルベルゾール、ルベルゾールオキシド、リルゾール、アプチガネル、エリプロジル、レマセミド);鎮咳薬(デキストロメトルファン、レボドロプロピジン、ノスカピン);β−アドレナリン受容体遮断剤(アテノロール、ブプラノロール、カルベジロール、ラベタロール、メチプラノロール、メトプロロール、ネビボロール、オキシプレノロール、プロパノロール);心変力性薬(アムリノン、ディジトキシン、ディゴキシン、ミルリノン);コルチコステロイド剤(ベクロメタゾン二プロピオン酸塩、ベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、フルドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニソロン、パラメタゾン、プレドニソロン、プレドニソン、トリアムシノロン);消毒薬(クロルヘキシジン);利尿薬(アセタゾラミド、アミロリド、ベンズチアジド、クロロチアジド、クロルタリドン、ジクロルフェナミド、エタクリニクアシド、エトキシゾルアミド、フルセミド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、イソソルビド、ポリチアジド、スピロノラクトン、トリアムテレン、トリクロロメチアジド);酵素類;麦角アルカロイド(コデルゴクリン、エルゴタミン、ニセルゴリン);精油類(アネトール、アニス油、キャラウェイ、カルダモン、カシア油、シネオール、シンナモン油、クローブ油、コリアンダー油、脱メントールハッカ油、ディル油、ユーカリ油、オイゲノール、ジンジャー、レモン油、カラシ油、ナツメグ油、オレンジ油、ペパーミント、セージ、スペアミント、テルピネオール、タイム);胃腸薬(ブロモプリド、シメチジン、シサプリド、クレボプリド、ジフェノキシレート、ドムペリドン、ファモチジン、ランソプラゾール、ロペラミド、ロペラミドオキシド、メサラジン、メトクロプラミド、モサプリド、ニザチジン、ノルシスアプリド、オルサラジン、オメプラゾール、パントプラゾール、ペルプラゾール、ピレンゼピン、プカロプリド、ラニチジン、ラペプラゾール、リドグレル、スルファサラジン);止血剤(アミノカプロン酸);免疫抑制剤(シクロスポリンA、タクロリムス);脂質調整薬(アトルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、プロブコール、シンバスタチン);局所麻酔薬(ベンゾカイン、リグノカイン);
オピオイド鎮痛薬(ブプレノルフィン、コデイン、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、ジヒドロコデイン、ヒドロコデイン、オキシコデイン、モルヒネ、パパベリン、ペンタゾシン、ペチジン);副交換神経興奮薬(エプタスチグミン、ガランタミン、メトリフォナート、ネオスチグミン、フィソスチグミン、タクリン、ドネペジル、リバスチグミン、ミラメリン、サブコメリン、タルサクリジン、キサノメリン、メマンチン、ラザベミド);性ホルモン薬(アンドロゲン:メチルテストステロン、オキシメトロン、スタノゾロール;エストロゲン:複合エストロゲン、エチニルエストラジオール、メストラノール、エストラジオール、エストリオール、エストロン;プロゲストーゲン;クロルマジノンアセテート、シプロテロンアセテート、17−デアセチルノルゲスチマート、デソゲストレル、ジエノゲスト、ジドロゲステロン、エチノジオールジアセテート、ゲストデン、3−ケトデソゲストレル、レボノルゲストレル、リネステレノール、メドロキシプロゲステロンアセテート、メゲストロール、ノルエチンドロン、ノルエチンドロンアセテート、ノルエチステロン、ノルエチステロンアセテート、ノルエチノドレル、ノルゲスチマート、ノルゲストレル、ノルゲストリエノン、プロゲステロン、キンゲスタノールアセテート);興奮剤(シルデナフィル);交感神経興奮薬(エフェドリン、クレンブテロール、フェノテロール、ノルフェネフリン、シュードエフェドリン);血管拡張薬(アムロジピン、亜硝酸アミル、ブフロメジル、ブフェニン、カルボクロメン、ジルチアゼム、ジピリダモール、三硝酸グリセリン、二硝酸イソソルビド、リドフラジン、モルシドミン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、オキシペンチフィリン、四硝酸ペンタエリトリトール)。
他の例は、次のものを含む: α−リポ酸 ラクトース 、メチルキサンチン、 8−メトキシプソラレン リチウム塩、 フィトメナジオン、アロプリノール マグネシウム塩 プロピルチオウラシル、α−トコフェロール、メナジオン 鉄塩、メチルチオウラシル。
本発明の組成物における使用に適する薬物化合物は、慣用的に、局所(例えばゲルパッチにおいて)か、又は外部に通じている体管中に、例えば経口、経鼻、耳内、肛門内もしくは膣内に、投与されるあらゆる種類の薬物を含む。そのような薬物は、特に、抗真菌剤、カルシウムチャンネル遮断薬、抗菌剤、抗高血圧症薬、抗ウイルス剤、鎮痛薬、アポリポタンパク質B合成阻害剤、及びgi管内容物の輸送を改変する薬物(例えば止瀉薬もしくは運動性促進薬)を含む。事実、本発明は、具体的には、難水溶性のイミダゾール、トリアゾール、イミダゾ−ベンズアゼピン、ニトロフェニル−ピリジン、N,N’−ビスフェニル−ピペラジン及びN−フェノキシアルキル−ピペリジン誘導体、例えば上記化合物ならびに欧州特許出願公開第6711号、WO96/13499及び欧州特許出願公開第76530号に記載の化合物に応用することができる。
本発明に用いられるシクロデキストリンについては、以下のとおりである。
本発明の組成物におけるシクロデキストリンとしては、生理学的に許容しうる水溶性の置換もしくは非置換シクロデキストリン、又は生理学的に許容しうるそれらの誘導体のすべて、例えば、α−、β−もしくはγ−シクロデキストリン又はそれらの誘導体、特に1個以上のヒドロキシ基が、アルキル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、カルボキシアルコキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキルもしくはヒドロキシ−(モノもしくはポリアルコキシ)アルキル基によって置換されている誘導体が使用されてもよく、この場合、各アルキルもしくはアルキレン部分は、好ましくは炭素原子6個までを含有する。
本発明により使用できる置換シクロデキストリンは、例えば米国特許第3,459,731号に記載されているようなポリエーテル類を含む。一般に、これらを製造するためには、非置換シクロデキストリンが、アルキレンオキシドと、好ましくは過圧下、高温において、アルカリ性触媒の存在下で反応される。シクロデキストリンのヒドロキシ部分は、それ自体が、まだアルキレンオキシドのその他の分子と反応できるアルキレンオキシドによって、置換することができるので、平均モル置換(MS)は、3を超えてもよく、そして理論的には限界をもたない。本発明による組成物において使用されるシクロデキストリン誘導体では、M.S.は、好ましい範囲は、範囲0.125〜10、特に0.3〜3、又は0.3〜1.5である。更に好ましくは、M.S.範囲、約0.3〜約0.8、特に約0.35〜約0.50、そしてもっとも好ましくは、約0.4である。NMRもしくはIRによって測定されるM.S.値は、好ましくは、範囲0.3〜1、特に0.55〜0.75である。
置換シクロデキストリンのさらなる例は、1個以上のシクロデキストリンヒドロキシ基の水素が、炭素数1−6のアルキル、ヒドロキシ化された炭素数1−6のアルキル、カルボキシ化された炭素数1−6のアルキル又は炭素数1−6のアルキルオキシカルボニル、炭素数1−6のアルキル基によって置換されているエーテル類、又はそれらの混合エーテル類を含む。特に、そのような置換シクロデキストリンは、1個以上のシクロデキストリンヒドロキシ基の水素が、炭素数1−3のアルキル、ヒドロキシアルキル化された炭素数2−4アルキル又はカルボキシ化炭素数1−2アルキルによるか、又はより特別には、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、カルボキシメチルもしくはカルボキシエチルによって置換されているエーテル類である。
前記定義において、用語「炭素数1−6のアルキル」は、炭素数1〜6の直鎖及び分枝の飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、1−メチルエチル、1,1−ジメチルエチル、プロピル、2−メチルプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル及びそれに類するものを含むことを意味する。
そのようなエーテルは、所望のシクロデキストリンエーテルが得られるように選ばれた濃度において、シクロデキストリンと適当なO−アルキル化剤もしくはそのような薬剤の混合物とを、反応させることによって製造できる。反応は、好ましくは、塩基の存在下溶媒中で実施される。そのようなエーテルについて、置換度(DS)は、1グルコース単位当たり置換されたヒドロキシ官能基の平均数であり、かくしてDSは、3もしくはそれ以下である。
本発明による組成物において使用されるシクロデキストリン誘導体では、DSは、好ましくは範囲0.125〜3、特に0.3〜2、より特別には0.3〜1であり、そしてMSは、範囲0.125〜10、特に0.3〜3、そしてより特別には0.3〜1.5である。
本発明において特に利用されるものは、β−シクロデキストリンエーテル、例えばM.Nogradi(1984)によりDrugs of the Future,Vol.9,No.8,p.577-578に記載のジメチル−β−シクロデキストリン、ならびにポリエーテル、例えばヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン及びヒドロキシエチル−β−シクロデキストリンである。例えば、そのようなアルキルエーテルは、置換度約0.125〜3、例えば、0.3〜2をもつメチルエーテルであってもよい。そのようなヒドロキシプロピルシクロデキストリンは、例えば、β−シクロデキストリンとプロピレンオキシド間の反応から生成されてもよく、そしてMS値約0.125〜10、特に約0.3〜3である。
特に適当なシクロデキストリンは、β−CD、2,6−ジメチル−β−CD、2−ヒドロキシエチル−β−CD、2−ヒドロキシエチル−γ−CD、2−ヒドロキシプロピル−γ−CD及び(2−カルボキシメトキシ)プロピル−β−CD、そして特に2−ヒドロキシプロピル−β−CDである。
また、単純なシクロデキストリンの外に、分枝シクロデキストリン及びシクロデキストリンポリマーが、使用されてもよい。
他のシクロデキストリンは、例えば、Chemical and Pharmaceutical Bulletin 28:1552-1558(1980)、薬業時報 No.6452(28 March 1983)、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.19:344-362(1980)、米国特許第3,459,731号、欧州特許出願公開第0,149,197号、同第0,197,571号、米国特許第4,535,152号、WO90/12035及び英国特許第2,189,245号において記述されている。本発明による組成物における使用のためのシクロデキストリンを記述しており、そしてシクロデキストリンの製造、精製及び分析に関する指針を提供する他の引用文献は、次のものを含む:
"Cyclodextrin Chemistry"by M.L.Bender et al.,Springer-Verlag,Belin(1978);"Advances in Carbohydrate Chemistry",Vol.12,Ed.by L.M.Wolfrom,Academic Press,New York in the chapter The Schardinger Dextrins by Dexter French at p.189'260;"Cyclodextrins and their Inclusion Comprexes"by J.Szeitli,Akademiai Kiado,Budapest,Hungary(1982);I.Tabushi in Acc.Chem.Research,1982,15,p.66-72;W.Sanger,Angewandte Chemie,92,p.343-361(1981);A.P.Croft and R.A.Bartsch in Tetrahedron,39,p.1417-1474(1983);Irie et al.,Pharmaceutical Research,5,p.713-716(1988);Pitha et al.,Int.J.Pharm.29,73,(0986);ドイツ特許第3,118,218号;同第3,317,064号;欧州特許出願公開第94,157号;米国特許第4,659,696号;及び同第4,383,992号。
置換シクロデキストリンには、スルホブチルシクロデキストリンを含む(米国特許第5,134,127号)。それらの使用は、また、本発明中に包含される。
使用されるシクロデキストリンは、好ましくはβ−シクロデキストリンである。本発明の組成物において使用されるもっとも好適なシクロデキストリン誘導体は、M.S.範囲0.35〜0.50をもち、そして非置換β−シクロデキストリン1.5%未満を含む、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンである。NMRもしくはIRにより決定されたM.S.値は、好ましくは、0.55〜0.75の範囲である。
それにもかかわらず、シクロデキストリンの選択は、選ばれた薬物化合物の、特定のシクロデキストリンによる複合体形成能によって決定されてもよいので特定の薬物化合物に対して、より大きい親和力をもつシクロデキストリンが好適であろう。
医薬とシクロデキストリンは通常粒状で粉砕機に供給される。その粒の大きさは適宜定めることができるが、ある程度細かい粒子の方が効率良く粉砕処理を行うことができる。一般的には、75 μm〜300 μm位の範囲のものが用いられる。
難溶性医薬とシクロデキストリン化合物の割合が、重量比で1対1〜1対10であることが重要である。前記範囲は、好ましくは、1対2〜1対8、更に好ましくは1対4〜1対6となる。
前記難溶性医薬の割合が前記の割合より多すぎる場合には、シクロデキストリンの割合が不足するため溶解度に対して十分な効果は期待できない。逆に、シクロデキストリン化合物の割合が多すぎる場合には、溶解度に対する効果は、既に十分に達成されている状態にあり、シクロデキストリンの割合を増加させても格別の効果は期待できない。
本発明では、前記難溶性医薬と前記シクロデキストリン化合物を、乾式条件下にガラス製のボールミル中で粉砕処理を行う。乾式条件下とは溶剤などが存在しないことを意味する。
本発明で用いるガラスボールは、ガラスの種類は適宜決定すればよい。一般的には通常用いられている軟質ガラスでも差支えない。表示されている軟質ガラスのボールの密度は2.5のものが使用されている(高純度アルミナのボールでは密度は3.9、ジルコニアのボールで密度は6.0)。また、ガラス媒体の使用を懸念することが表明されているが(例えば、特開2003−175341)、実際に医薬の粉砕に使用されているものであり、本発明者等の実験によれば、指摘されるような危険性はない。
ボールミルの粉砕媒体であるガラスボ−ルの形状は適宜変更することができるが、現在一般に使用されている大きさは、以下のとおりである。
市販で入手可能なガラスボールの大きさは、1〜13φmmである。
市販で入手可能な粉砕ポットのサイズは、内径50φmm×長さ50 mm(約100 mL)〜内径120φmm×長さ80 mm(約900mL)である。
ボールの充填量は、ミルのポット容量に対して30 %程度である。
ボールミルの回転数は、150 rpmである。
処理時間は、48時間である。この時間は必要に応じて、これより短くしてもよいし、長くしてもよい。
本発明では、大気圧下、室温下で粉砕する。
得られた難溶性薬物と前記シクロデキストリン化合物複合体の性状は以下のとおりである。
粉末X線回折及び示差走査熱量測定により、難溶性薬物は非晶質化してシクロデキストリン中に分子分散していることが確認された。
なお、得られた前記複合体は、白色の微粉末で着色などの変化は認められなかった。
溶解度の測定方法は以下のとおりである。
得られた難溶性薬物と前記シクロデキストリン化合物複合体を精製水に分散し、3分間の超音波処理を施した直後及び25℃で4時間インキュベート後の懸濁液を0.45 μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液中に溶解している薬物をHPLC法により定量した.ガラス製のボールを用いて粉砕した場合、アルミナやジルコニア製の粉砕ボールで粉砕した場合と比較して薬物の溶解度は著明に改善した.
以下に実施例により本発明の内容を詳細に説明する。本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
難溶性薬物として経口糖尿病薬であるグリメピリド(GMP)を用い、8種類のシクロデキストリン類(α-,β-,γ-,Hydroxypropyl-β-,Glucosyl-α-,Maltosyl-α-,Glucosyl-β-及びMaltosyl-β-CD)と試料質量比を1:5(GMP:CD類)で混合した.容量5 mLのガラスバイアルに薬物と各シクロデキストリン類の混合試料15 mg及びガラス製の粉砕ボール(5 mmφ)20個を入れ,室温下で48時間粉砕した.得られた粉砕混合物を水に分散した直後、及び4時間インキュベート(25℃)後におけるGMPの溶解度を前記の方法で定量した.その結果、各CD類によってGMPの溶解度は上昇したが、中でもβ-CDを用いた場合に著明な溶解性の改善が認められた.すなわちGMPをβ-CDと混合粉砕した場合、得られた複合体粉末を水に分散した直後の懸濁液中におけるGMP溶解度は282.1±35 μg/mLであった.同じ懸濁液を4時間インキュベートした後のGMP溶解度も234.6±35.6 μg/mLを示し、この方法によるGMP溶解度の上昇は一過性ではなかった.
結果を図1に示した。
難溶性薬物として抗炎症薬であるフルルビプロフェン(FLB)を用い、β-CDと試料質量比を1:5(FLB:β−CD)で混合した.容量5 mLのガラスバイアルに薬物(FLB)単味、あるいは薬物とβ-CDの混合試料15 mg及び5 mmφの粉砕ボール(アルミナあるいはガラス製)20個を入れ、室温下で48時間粉砕した.得られた粉砕物を水に分散したときのFLBの溶解度を前記の方法に準じて定量した.その結果、ガラス製のボールを用いてβ-CDと混合粉砕した場合のみFLBの溶解度は上昇した.アルミナ製ボールを用いたβ-CDとの混合粉砕、また薬物の単味粉砕の場合はアルミナ製又はガラス製ボールのいずれでも溶解性の改善は認められなかった.各粉砕試料を水に分散した直後の懸濁液中におけるFLBの溶解度は、(1)FLB単味、(2)FLBとβ-CDの混合(いずれもアルミナ製ボール使用)、(3)FLB単味及び(4)FLBとβ-CDの混合(いずれもガラス製ボール使用)で粉砕した場合、それぞれ30.1、263.0、27.9及び620.9 μg/mLであった.
結果を図2に示した。
比較例1
難溶性薬物として経口糖尿病薬であるグリメピリド(GMP)を用いた。シクロデキストリン類として、α-,β-,γ-,Hydroxypropyl(HP)-β-,Glucosyl(G1)-α-,Maltosyl(G2)-α-,G1-β-及びG2-β-CDの8種類、と試料質量比を1:5(GMP:CD類)で混合した。容量5 mLのガラスバイアルに薬物と各シクロデキストリン類の混合試料15 mg及びアルミナ製の粉砕ボール(5 mmφ)20個を入れ、室温下で48時間粉砕した。得られた粉砕混合物を水に分散した直後、及び4時間インキュベート(25℃)後におけるGMPの溶解度を前記の方法で定量した。その結果、一部のCD類によってGMPの溶解度は上昇したが、中でもβ-CD類(β-,G1-β-及びG2-β-CD)を用いた場合に溶解性の改善が認められた。すなわち、GMPをβ-CD、G1-及びG2-と混合粉砕した場合、得られた複合体粉末を水に分散した直後の懸濁液中におけるGMP溶解度は11.1、9.5及び5.6 μg/mLであった。結果を図3に示した。
実施例1の結果と比較例の結果を比較すると以下のとおりである。
水不溶性の経口糖尿病薬であるグリメピリド(GMP)と、8種類のシクロデキストリン類(α-,β-,γ-,Hydroxypropyl-β-,Glucosyl-α-,Maltosyl-α-,Glucosyl-β-及びMaltosyl-β-CD)を、ガラス製及びアルミナ製の粉砕ボールで粉砕した。その結果β-CD類と混合粉砕したときにGMPの溶解度は上昇したが、ガラス製の粉砕ボールを用いた方が溶解性の改善は顕著に優れていた.すなわちGMPとβ-CDをガラス製及びアルミナ製の粉砕ボールで混合粉砕した場合、得られた複合体粉末を水に分散した直後の懸濁液中におけるGMP溶解度はそれぞれ282.1±35.0及び11.1±2.8 μg/mLであった。従ってガラス製の粉砕ボールによってGMPとCD類の相互作用が促進され、溶解度が上昇したものと結論付けることができる。
実施例1の結果を示す図。 実施例2の結果を示す図。 比較例の結果を示す図。

Claims (4)

  1. 難溶性医薬とシクロデキストリン化合物を、乾式条件下にガラス性ボールの存在下に混合粉砕して得られることを特徴とする難溶性医薬とシクロデキストリンからなる複合体。
  2. 前記難溶性医薬とシクロデキストリン化合物の割合が、重量比で1対1〜1対10であることを特徴とする請求項1記載の難溶性医薬とシクロデキストリンからなる複合体。
  3. 難溶性医薬とシクロデキストリン化合物を、乾式条件下にガラス性ボールの存在下に混合粉砕処理して製造することを特徴とする難溶性医薬とシクロデキストリンからなる複合体の製造方法。
  4. 前記難溶性医薬とシクロデキストリン化合物の割合が、重量比で1対1〜1対10であることを特徴とする請求項3記載の難溶性医薬とシクロデキストリン化合物からなる複合体の製造方法。






























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